JP6423306B2 - 緩衝器 - Google Patents

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本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられる緩衝器に関する。
自動車等の車両に設けられる緩衝器には、内部に充填される作動流体として、電界または磁界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子を含んだ液体により構成されたものがある。また、緩衝器は、ピストンロッドの突出端側に位置して、作動流体をシリンダとピストンロッドとの間で封止するロッドシールを有している(例えば、特許文献1参照)。このロッドシールには、内部の作動流体が流出するのを防止するオイルシールと、外部から異物(コンタミ)が浸入するのを防止するダストシールとが設けられている。
特開2010−139043号公報
特許文献1に記載された緩衝器では、ダストシールによって外部の異物からロッドシールを保護することができるものの、内部の作動流体に含まれた粒子からオイルシールを保護することができないという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ロッドシールの潤滑性を保持しつつ、内部の作動流体に含まれた粒子からロッドシールを保護できるようにした緩衝器を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明による緩衝器は、作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌されたピストンと、一端側が前記シリンダ内で該ピストンに連結され他端側が前記シリンダから外部に突出したピストンロッドと、前記シリンダのうち該ピストンロッドの突出端側に設けられ、該ピストンロッドを案内するロッドガイドと、該ロッドガイドよりも前記ピストンロッドの突出端側に位置して前記シリンダに保持され、前記作動流体を前記シリンダと前記ピストンロッドとの間で封止するロッドシールと、を備えてなる緩衝器において、前記作動流体は、電界または磁界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子を含んだ液体により構成し、前記ロッドシールには、前記ピストンロッドの縮小行程で前記作動流体を前記ピストンロッドとの摺動部位に供給するために前記作動流体を径方向外側から前記ロッドシールの内側の潤滑空間へと導く連通路と、該連通路を部分的に塞ぐように設けられ前記作動流体に含まれる前記粒子が該連通路を通って前記潤滑空間に流入するのを抑える邪魔部材と、前記シリンダ内に位置して前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状のチェックリップとを設け、前記チェックリップは、前記作動流体が前記潤滑空間から流出するのを許し、前記作動流体が前記潤滑空間に流入するのを抑える構成としたことを特徴としている。
本発明によれば、ロッドシールの潤滑性を保持しつつ、内部の作動流体に含まれた粒子からロッドシールを保護することができる。
本発明の実施の形態による油圧緩衝器を示す断面図である。 図1中のII部を拡大して示す断面図である。 図2中のチェックリップの動作を示す要部拡大の断面図である。 チェックリップがストッパに当接した状態を図3と同様位置から見た要部拡大の断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る緩衝器について、図1ないし図4に従って詳細に説明する。本実施の形態では、作動流体として電気粘性流体を用いた場合を例示している。
図1において、油圧緩衝器1は、緩衝器の代表例を構成するものである。油圧緩衝器1は、内筒2、外筒3、ピストン5、ピストンロッド6、ロッドガイド7、ロッドシール8を含んで構成されている。
シリンダとしての内筒2は、後述の外筒3内に同軸をなして設けられ、内筒2の一端(下端)側は、外筒3のボトムキャップ側にボトムバルブ(いずれも図示せず)を介して嵌合、固定されている。内筒2の他端(上端)側である端部には、後述のロッドガイド7が嵌合して取付けられている。
内筒2の外周側には、該内筒2と共にシリンダを構成する外筒3が設けられている。この外筒3は、一端側がボトムキャップによって閉塞された閉塞端となり、他端側は開口端となっている。外筒3の開口端(上端)側には、径方向内側に屈曲してかしめ部3Aが設けられ、該かしめ部3Aは、後述するロッドシール8の円板状体9の外周側を抜止め状態で保持している。
作動流体4は、内筒2および外筒3内にガスと共に封入されている。作動流体4は、例えばシリコンオイル等からなる基油(ベースオイル)と、該基油に混ぜ込まれ電界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子とからなる電気粘性流体として構成されている。従って、電気粘性流体からなる作動流体4は、印加される電圧に応じて流通抵抗(減衰力)を変化させる。この場合、例えば内筒2と外筒3との間には、作動流体4に対して電圧を印加するための電圧印加装置(図示せず)が設けられている。
ここで、内筒2と外筒3との間には、環状のリザーバAが形成され、該リザーバA内には、前述した作動流体4と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバA内のガスは、ピストンロッド6の縮小(縮み行程)時に当該ピストンロッド6の進入体積分を補償すべく圧縮される。
ピストン5は、内筒2内に摺動可能に嵌装されている。このピストン5は、内筒2内をボトム側油室(図示せず)とロッド側油室Bとの2室に区画している。また、ピストン5には、ボトム側油室とロッド側油室Bとを連通可能な複数の油路(図示せず)が形成されている。
さらに、ピストン5の上端面には、ピストンロッド6の縮小によってピストン5が下向きに摺動変位するときに、油路を流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する縮小側のディスクバルブ(図示せず)が配設されている。一方、ピストン5の下端面には、ピストンロッド6の伸長によってピストン5が上向きに摺動変位するときに、油路を流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する伸長側のディスクバルブ(図示せず)が配設されている。
ピストンロッド6は、その一端側となる下端側がピストン5に連結されている。即ち、ピストンロッド6は、下端側が内筒2内に挿入され、ピストン5の中央位置に固着されている。一方、ピストンロッド6の他端側となる上端側は、ロッドガイド7等を介して内筒2、外筒3の外部へと伸長、縮小可能に突出している。さらに、ピストンロッド6の外周面6Aには、後述するロッドシール8の筒状シール体10が気液密に摺接するようになっている。
ロッドガイド7は、内筒2、外筒3のうち、ピストンロッド6の突出端側となる上端側に設けられ、該ピストンロッド6を案内するものである。ロッドガイド7は、段付円筒状に形成され、内筒2と外筒3の上端側に嵌合した状態で、該外筒3のかしめ部3Aによって固定されている。これにより、ロッドガイド7は、内筒2と外筒3の上側部分を同軸位置に位置決めしている。さらに、ロッドガイド7は、ロッドシール8の円板状体9を外筒3に設けたかしめ部3Aにより外側(上側)から押圧して固定(所謂、かしめ固定)するときに、これらを内側(下側)から支持する支持構造物を構成している。
ロッドガイド7は、例えば金属材料、硬質な樹脂材料等を用いて所定の形状に形成されている。即ち、ロッドガイド7は、上側に位置して外筒3の内周側に挿嵌される大径部7Aと、該大径部7Aの下側に位置して内筒2の内周側に挿嵌される小径部7Bとにより段付円筒体として形成されている。小径部7Bの内周側には、ピストンロッド6を軸方向に摺動可能に案内するガイド部7Cが設けられている。このガイド部7Cは、例えば金属製筒体の内周面をフッ素系樹脂(4フッ化エチレン)等で被覆した軸受として形成されている。
ロッドシール8と軸方向(上,下方向)で対向する大径部7Aの上側は、円環状をしたほぼ平坦な上面部位7Dとなっている。該上面部位7Dの外周側には、円環状の環状突起7Eが形成され、大径部7Aには、該環状突起7Eの位置に複数本の連通路7F(1本のみ図示)が軸方向に貫通して形成されている。これにより、連通路7Fは、リザーバAと後述の保油室Cとを連通することができる。
次に、本実施の形態の特徴部分となるロッドシール8の構成および機能について述べる。
ロッドシール8は、外筒3の上端側に保持され、内部の作動流体4が外部に流出しないように、外筒3とピストンロッド6との間を封止している。具体的には、ロッドシール8は、ロッドガイド7よりもピストンロッド6の突出端側、即ち、ロッドガイド7の上面部位7Dの上側に配置され、その外周側が外筒3内の上端側にロッドガイド7と一緒にかしめ部3Aによって保持されている。
このロッドシール8は、後述の筒状シール体10がピストンロッド6の外周面6Aに摺接することにより、内部の作動流体4が外部に流出しないように、また外部の塵埃、雨水等が内部に流入しないように、外筒3とピストンロッド6との間を封止(シール)するものである。ロッドシール8は、後述する円板状体9、筒状シール体10、ばね部材13,14、チェックリップ15、ストッパ16により構成されている。さらに、ロッドシール8は、後述の芯金9Aからなる金属部分と、この芯金9Aを覆うように設けられたゴム(樹脂)部分とにより構成されている。
ここで、油圧緩衝器1が使用される温度環境は、低温から高温まで広範囲に亘っており、例えば−40℃の低温環境から100℃の高温環境までの使用を想定している。これに伴い、ロッドシール8の樹脂部分には、作動流体4を構成するシリコンオイル内で安定的なフッ素ゴムが用いられている。このフッ素ゴムは、シリコンオイルに対して硬化しないため、常温から高温環境下までピストンロッド6の伸縮動作に追従することができ、シール性を確保することができる。一方、低温環境では、フッ素ゴムのガラス転移点(−20℃〜−10℃程度)よりも低い温度になるから、この低温環境下での硬化(弾性の喪失)を避けるために、フッ素ゴムの常温での硬度を70〜80(デュロメータA)に設定している。これにより、低温環境下でもある程度伸びが残るため、ガラス転移点以下の低温環境下でもロッドシール8をピストンロッド6の伸縮動作に追従させることができる。
従って、ロッドシール8の樹脂部分に用いたフッ素ゴムは、シリコンオイルに浸漬した状態でも、常温から高温環境下まで硬度を70〜80(デュロメータA)を維持できる。しかも、フッ素ゴムは、低温環境下において、伸びを60%以上確保できる材料となっている。このように、フッ素ゴムを用いたロッドシール8は、作動流体4として電気粘性流体を用いた油圧緩衝器1において、その仕様環境下でシール性能を維持することができる。
なお、ロッドシール8の樹脂部分に用いたフッ素ゴムは、作動流体4のシリコンオイルに対して有効な材料であり、作動流体4の基油としてシリコンオイル以外が用いられた場合には、その基油との相性を考慮し、フッ素ゴム以外の材料を用いる構成としてもよい。
円板状体9は、図2に示すように、ピストンロッド6の径方向外側に配置され、ロッドガイド7の上面部位7Dに対面している。円板状体9は、円環状の金属板からなる芯金9Aを芯材として円板状に形成されている。
円板状体9の下面には、該円板状体9の径方向に中間部に位置してリップシール9Bが設けられている。このリップシール9Bは、円板状体9の下面から下側に向け径方向の外側に拡開するように延び、その先端部(下端部)は、ロッドガイド7の上面部位7Dに当接している。これにより、リップシール9Bは、保油室CとリザーバAとの間に配置され、前記保油室Cの作動流体4がロッドガイド7の連通路7Fを通じてリザーバA内に流通するのを許し、逆向きの流れ、即ち、リザーバA内のガス、油液が保油室C側に流れるのを阻止するものである。
円板状体9の外周側には、下面から下向きに突出することにより環状のシールリング9Cが一体的に設けられている。このシールリング9Cは、リザーバA内のガス、作動流体4が外筒3とロッドシール8との間から外部に漏出するのを防止するものである。
筒状シール体10は、円板状体9の内径側に設けられ、ピストンロッド6の外周面6Aに摺接するものである。この筒状シール体10は、円板状体9を挟んで外側となる上側に突出した上側筒部10Aと、円板状体9を挟んで該上側筒部10Aと反対側となる下側に突出した下側筒部10Bとにより、上,下方向に延びる段付円筒体として形成されている。外筒3から上側に突出した上側筒部10Aの内周側には、径方向の内向きに突出して上側リップ部10Cが設けられている。一方、上側筒部10Aの外周側には、上側リップ部10Cに対応する位置に、断面半円弧状の上側嵌合溝10Dが全周に亘って設けられている。上側リップ部10Cは、上側嵌合溝10Dに嵌着される後述の上側ばね部材13により、ピストンロッド6の外周面6Aに押付けられることにより、この外周面6Aとの間から外部の塵埃や雨水が流入しないようにダストシールとして働くシールである。
次に、外筒3内に進入するように下側に延びた下側筒部10Bの内周側には、径方向の内向きに突出して下側リップ部10Eが設けられている。この下側リップ部10Eは、下側筒部10Bの軸方向(上,下方向)の中間部に配置され、下側リップ部10Eに対応する下側筒部10Bの外周側には、断面半円弧状の下側嵌合溝10Fが全周に亘って設けられている。下側リップ部10Eは、下側嵌合溝10Fに嵌着される後述の下側ばね部材14により、ピストンロッド6の外周面6Aに押付けられることにより、この外周面6Aとの間から内部の作動流体4が流出しないようにオイルシールとして働くシールである。
下側筒部10Bの下端部10Gは、ピストンロッド6の外周面6Aと間隔をもって配置され、これにより、ピストンロッド6と筒状シール体10との間には、ピストンロッド6の外周面6Aと下側リップ部10Eと下端部10Gとによって環状の潤滑空間11が画成されている。この潤滑空間11は、ピストンロッド6の外周面6Aとロッドシール8との摺動部位に作動流体4の基油を潤滑油として供給するために、この基油を溜めるための空間となっている。
連通路12は、筒状シール体10の下側筒部10Bに径方向に貫通して設けられている。連通路12は、例えば周方向に間隔をもって複数個(2個のみ図示)穿設された径方向の小孔からなっている。各連通路12は、後述する下側ばね部材14を通過して下側嵌合溝10Fに達した基油(油液)が自重によって内側の潤滑空間11へと流れるように、下側嵌合溝10Fの溝底部位から下側に向け内向きに傾斜して延びている。
各連通路12は、ピストンロッド6の縮小行程で、作動流体4が保油室Cにほぼ満たされたときに、この作動流体4を潤滑空間11に導くものである。この場合、作動流体4に含まれる粒子を後述の下側ばね部材14によって除去するフィルタとして機能することにより、潤滑に適した油液(基油)だけを潤滑空間11に導くことができる。
上側ばね部材13は、例えばスプリングバンドと呼ばれるもので、長尺なコイルスプリング(引張りばね)の両端部を繋げることによりリング状に形成されている。この上側ばね部材13は、筒状シール体10の上側嵌合溝10Dに嵌着されることにより、上側リップ部10Cをピストンロッド6の外周面6Aに向けて径方向に付勢するものである。
下側ばね部材14は、作動流体4に含まれる粒子が各連通路12を通って潤滑空間11に流入するのを抑える邪魔部材を構成している。この下側ばね部材14は、前述した上側ばね部材13と同様に、長尺なコイルスプリングの両端部を繋げることによりリング状に形成されている。下側ばね部材14は、筒状シール体10の下側嵌合溝10Fに嵌着されることにより、下側リップ部10Eをピストンロッド6の外周面6Aに向けて径方向に付勢するものである。
ここで、コイルスプリングからなる下側ばね部材14は、線材を螺旋状に巻回することにより形成され、隣合う線材間の隙間寸法は小さな値となっている。従って、下側ばね部材14は、筒状シール体10の下側嵌合溝10Fに嵌着することにより、各連通路12の外周側の開口を部分的に塞ぐことができる。これにより、下側ばね部材14が邪魔部材(フィルタ)として機能し、作動流体4に含まれる粒子が各連通路12を通って潤滑空間11に流入するのを抑えることができる。
チェックリップ15は、内筒2の内部、即ち、ロッドシール8を構成する筒状シール体10の下端部10Gに設けられ、ピストンロッド6の外周面6Aに摺接するものである。チェックリップ15は、下端部10Gの外周部位から径方向の内側に延びる円環状の薄板として形成され、その内径端は、ピストンロッド6の外周面6Aに摺接している。
チェックリップ15は、作動流体4が潤滑空間11から流出しようとしたときには、図3中に二点鎖線で示すように、下側に撓んで作動流体4の流出を許すことができる。一方、ピストンロッド6の縮小行程で、保油室Cに作動流体4が流入し、この作動流体4が潤滑空間11に流入しようとしたときには、図4に示すように、チェックリップ15は、ピストンロッド6の外周面6Aと筒状シール体10の下端部10Gとの間を閉塞し、作動流体4が潤滑空間11に流入するのを抑えることができる。
ストッパ16は、ロッドシール8のチェックリップ15の近傍位置、即ち、下端部10Gの内周側の下部に設けられている。このストッパ16は、チェックリップ15が閉弁方向(上方向)に所定寸法だけ変位したときに、該チェックリップ15が当接するように所定の間隔寸法をもって配置された当接面として形成されている。これにより、ストッパ16は、チェックリップ15が閉弁方向に過剰に変形しようとしても、図4に示すように、このチェックリップ15を当接させることにより、過剰な変形を規制することができる。この結果、例えばチェックリップ15が潤滑空間11に入り込んで開弁できなくなるような事態を防止することができる。
なお、ピストンロッド6とロッドガイド7とロッドシール8との間には、環状の保油室Cが設けられている。この保油室Cは、ロッド側油室B内の油液やガスがピストンロッド6とロッドガイド7との僅かな隙間を介して流出したときに、この流出した油液等を一時的に溜めるための空間をなしている。ここで、保油室Cに流出した油液は、ロッドガイド7の連通路7Fを通じてリザーバAに戻すことができる。
本実施の形態による油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
ピストンロッド6の上端側を自動車の車体側に取付け、外筒3の下端側を車軸(いずれも図示せず)側に取付ける。これにより、自動車の走行時に振動が発生した場合には、ピストンロッド6が内筒2、外筒3から軸方向に縮小,伸長するときに、ピストン5の各ディスクバルブ等によって縮小側,伸長側の減衰力が発生され、車両の上,下振動を減衰するように緩衝することができる。
また、例えば内筒2と外筒3との間に設けた電圧印加装置を用い、この電圧印加装置から作動流体4に対して電圧を印加する。これにより、作動流体4は、印加される電圧に応じて流通抵抗(減衰力)を変化させることができ、減衰力を可変に調整することができる。
かくして、本実施の形態によれば、作動流体4は、電界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子を含んだ電気粘性流体とし、ロッドシール8には、ピストンロッド6の縮小行程で作動流体4をピストンロッド6との摺動部位に供給するために、作動流体4を径方向外側からロッドシール8の内側の潤滑空間11へと導く各連通路12と、該各連通路12を部分的に塞ぐように設けられ作動流体4に含まれる粒子が該各連通路12を通って潤滑空間11に流入するのを抑える邪魔部材としての下側ばね部材14と、内筒2内に位置してピストンロッド6の外周面6Aに摺接する環状のチェックリップ15とを設け、チェックリップ15は、作動流体4が潤滑空間11から流出するのを許し、作動流体4が潤滑空間11に流入するのを抑える構成としている。
従って、各連通路12は、ピストンロッド6の縮小行程時に、作動流体4をロッドシール8内の潤滑空間11に導くことができ、ピストンロッド6との摺動部位に作動流体4を供給することができる。この場合、各連通路12を部分的に塞ぐように邪魔部材としての下側ばね部材14を設けているから、下側ばね部材14は、作動流体4に含まれる粒子を除去し、潤滑に適した油液(基油)だけを潤滑空間11に導くことができる。
この結果、潤滑空間11に導かれた油液によってピストンロッド6に対するロッドシール8の潤滑性を保持することができる。この上で、内筒2の内部の作動流体4に含まれた粒子からロッドシール8(下側リップ部10E等)を保護することができる。
しかも、ロッドシール8に設けたチェックリップ15は、潤滑空間11から作動流体4が流出するのを許すことができ、作動流体4が潤滑空間11に流入するのを抑えることができる。これにより、潤滑空間11に作動流体4の粒子が流入したとしても、チェックリップ15を開弁させることにより、粒子を容易に排出することができる。また、チェックリップ15は、粒子を排出する部位からの粒子の流入を防止することができる。
ロッドシール8は、ピストンロッド6の径方向外側に配置されロッドガイド7と対面する円板状体9と、該円板状体9の内径側に設けられピストンロッド6の外周面6Aに摺接する筒状シール体10とにより構成している。また、連通路12は、筒状シール体10に複数個穿設された径方向の小孔としている。この上で、邪魔部材は、小孔からなる各連通路12を部分的に塞ぐように前記筒状シール体10の外周側に設けられ前記筒状シール体10を前記ピストンロッド6の外周面6Aに向けて径方向に付勢するリング状の下側ばね部材14により構成している。
これにより、筒状シール体10をピストンロッド6の外周面6Aに向けて付勢するためのリング状の下側ばね部材14を利用して、この場合、各連通路12を部分的に塞ぐように邪魔部材としての下側ばね部材14を設けているから、既存の下側ばね部材14を、作動流体4に含まれる粒子を除去するフィルタとして利用することができ、簡単な構成で潤滑に適した油液(基油)だけを潤滑空間11に導くことができる。
ロッドシール8のチェックリップ15の近傍位置には、ピストンロッド6の伸長行程でチェックリップ15が当接することにより、当該チェックリップ15の過剰な変形を規制するストッパ16を設ける構成としている。これにより、ストッパ16は、チェックリップ15が閉弁方向に過剰に変形しようとしても、このチェックリップ15の過剰な変形を規制することができる。この結果、チェックリップ15の開弁不良等を防止することができ、信頼性を向上することができる。
さらに、作動流体4は、電気粘性流体として構成している。これにより、作動流体4に対して電圧を印加することにより、印加される電圧に応じて減衰力を可変に調整することができる。
なお、実施の形態では、作動流体4を、基油と電界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子とからなる電気粘性流体として構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば作動流体として、基油と磁界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子とからなる磁性流体を用いる構成としてもよい。この場合には、例えば内筒と外筒との間に、磁性流体からなる作動流体に対して磁界を付与するための磁界付与装置を設ければよい。
実施の形態では、4輪自動車の各車輪側に取付ける油圧緩衝器1を緩衝器の代表例として説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2輪車に用いる油圧緩衝器であってもよく、車以外の種々の機械、建築物等に用いる緩衝器に用いてもよいものである。
1 油圧緩衝器(緩衝器)
2 内筒(シリンダ)
3 外筒(シリンダ)
4 作動流体
5 ピストン
6 ピストンロッド
6A 外周面
7 ロッドガイド
8 ロッドシール
9 円板状体
10 筒状シール体
11 潤滑空間
12 連通路
14 下側ばね部材(邪魔部材)
15 チェックリップ
16 ストッパ
B ロッド側油室
C 保油室

Claims (5)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    該シリンダ内に摺動可能に挿嵌されたピストンと、
    一端側が前記シリンダ内で該ピストンに連結され他端側が前記シリンダから外部に突出したピストンロッドと、
    前記シリンダのうち該ピストンロッドの突出端側に設けられ、該ピストンロッドを案内するロッドガイドと、
    該ロッドガイドよりも前記ピストンロッドの突出端側に位置して前記シリンダに保持され、前記作動流体を前記シリンダと前記ピストンロッドとの間で封止するロッドシールと、
    を備えてなる緩衝器において、
    前記作動流体は、電界または磁界の変化に応じて流体の粘性を可変にする粒子を含んだ液体により構成し、
    前記ロッドシールには、
    前記ピストンロッドの縮小行程で前記作動流体を前記ピストンロッドとの摺動部位に供給するために前記作動流体を径方向外側から前記ロッドシールの内側の潤滑空間へと導く連通路と、
    該連通路を部分的に塞ぐように設けられ前記作動流体に含まれる前記粒子が該連通路を通って前記潤滑空間に流入するのを抑える邪魔部材と、
    前記シリンダ内に位置して前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状のチェックリップとを設け、
    前記チェックリップは、前記作動流体が前記潤滑空間から流出するのを許し、前記作動流体が前記潤滑空間に流入するのを抑える構成としたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記ロッドシールは、前記ピストンロッドの径方向外側に配置され前記ロッドガイドと対面する円板状体と、該円板状体の内径側に設けられ前記ピストンロッドの外周面に摺接する筒状シール体とにより構成し、
    前記連通路は、前記筒状シール体に複数個穿設された径方向の小孔からなり、
    前記邪魔部材は、該各小孔を部分的に塞ぐように前記筒状シール部の外周側に設けられ前記筒状シール体を前記ピストンロッドの外周面に向けて径方向に付勢するリング状のばね部材により構成してなる請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記ロッドシールの前記チェックリップの近傍位置には、前記ピストンロッドの伸長行程で前記チェックリップが当接することにより、当該チェックリップの過剰な変形を規制するストッパを設けてなる請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 前記作動流体は、電気粘性流体である請求項1乃至3の何れかに記載の緩衝器。
  5. 前記作動流体は、磁性流体である請求項1乃至3の何れかに記載の緩衝器。
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