JP2011163537A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両における乗り心地を向上することができるとともに車両への搭載性を悪化させることが無い緩衝器を提供することである。
【解決手段】シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、ロッド2の中間部に設けられるとともにシリンダ1内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室R1,R2を隔成するピストン3とを備えて両ロッド型に設定される緩衝器Dにおいて、シリンダ1を覆ってシリンダ1との間にエア抜き通路6を形成する外筒4と、シリンダ1から突出するロッド2の一端2aの外周に配置されて外筒4との間にリザーバRを形成する内筒5と、内筒5の外周および外筒4の内周に摺接するとともに上記リザーバR内を気室Gと液室Lとに区画する環状のフリーピストン7と、上記液室Lと液室Lに隣り合う圧力室R2とを連通する連通路8と、連通路8の途中に設けたオリフィス9とを備え、液室Lとエア抜き通路6とを連通したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来、両ロッド型に設定される緩衝器にあっては、車両の車体と車軸との間に介装されて使用され、たとえば、シリンダと、シリンダ内に挿通されるロッドと、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、シリンダに延設される筒状の延設部内に形成されてロッドの一端が挿通されるリザーバとを備えて構成されている。
この両ロッド型の緩衝器によれば、ロッドとロッドをガイドする軸受部材との間の隙間を介して圧力室とリザーバとを連通して、作動油温度の変化による体積変化をリザーバで補償するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
このような緩衝器にあっては、上述のように、ロッドがリザーバ内に挿通されており、ロッドには常に気室内の圧力が作用して、これがロッド反力として緩衝器を伸長させるように作用し、また、緩衝器の伸縮時にはロッドがリザーバ内の気室の容積を変化させることになるので、ロッド反力は変化することになる。
したがって、このような緩衝器を車両に適用する場合、上記ロッド反力は車高に影響与えるばかりでなく、車両における乗り心地に影響を与えるので、必然的に気室内の圧力は制限を受けることになって、自由に設定することができない。
そこで、ロッドに気室内の圧力が作用しない構造の両ロッド型の緩衝器としては、ロッドの一端の外周周りに配置したパイプと、当該パイプを覆う筒を設け、パイプと筒との間にリザーバを形成して、ロッドにリザーバ内の圧力が作用しないように配慮した緩衝器の提案がある(特許文献2参照)。
特開2004−270902号公報 特開2009−127760号公報
上記新たに提案された緩衝器にあっては、リザーバ内の圧力を高く設定して緩衝器内の作動油の見掛け上の剛性を高めても、ロッドには気室内の圧力が作用しないので、車両における乗り心地を損なうことなく、緩衝器の発生減衰力や応答性の設定の自由度が飛躍的に高めることができる。
しかしながら、上記提案の緩衝器は、リザーバがシリンダの下方に配置されていて、たとえば、緩衝器の組立の際や、ピストンとともにロッドに組み付けられるリーフバルブを交換する作業を行う際に、リザーバ内に入り込んだエアや可変減衰バルブを組み込むバルブハウジングに設けられたリザーバと圧力室とを連通する通路との途中などに混入したエアを抜く作業に大変な労力を要するとともに、作業時間も長くなるといった問題がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、組立工程やメンテナンスにおけるエア抜き作業を軽減でき、作業時間も短縮することが可能な緩衝器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、ロッドの中間部に設けられるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室を隔成するピストンとを備えて両ロッド型に設定される緩衝器において、シリンダを覆ってシリンダとの間にエア抜き通路を形成する外筒と、シリンダから突出するロッドの一端の外周に配置されて外筒との間に環状隙間を形成する内筒と、内筒の外周および外筒の内周に摺接するとともに上記環状隙間内を気室と液室とに区画する環状のフリーピストンと、上記液室と液室に隣り合う圧力室とを連通する連通路と、連通路の途中に設けたオリフィスとを備え、液室とエア抜き通路とを連通したことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、この液体注入時に、液室内や連通路内に混入した気体をエア抜き通路を介して速やかに緩衝器外に排出することができる。したがって、緩衝器の組立工程やメンテナンスにおけるエア抜き作業を軽減でき、作業時間も短縮することができる。
また、緩衝器の組立が終了した後に、万が一、液室内の液体中に気泡が発生することがあっても、エア抜き通路へ誘導されて、エア抜き通路の上方に気体が溜まるだけで、圧力室内への気体の混入を防止することができる。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図1に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、ロッド2の中間部に設けられるとともにシリンダ1内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室R1,R2を隔成するピストン3と、シリンダ1を覆ってシリンダ1との間にエア抜き通路6を形成する外筒4と、シリンダ1から突出するロッド2の一端2aの外周に配置されて外筒4との間にリザーバRを形成する内筒5と、内筒5の外周および外筒4の内周に摺接するとともに上記リザーバR内を気室Gと液室Lとに区画する環状のフリーピストン7と、上記液室Lと液室Lに隣り合う圧力室R2とを連通する連通路8と、連通路8の途中に設けたオリフィス9とを備えて構成され、上記液室Lとエア抜き通路6とが連通されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、シリンダ1は、上端と下端がそれぞれ環状のロッドガイド10,11によって閉塞され、シリンダ1内は、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン3によって二つの圧力室R1,R2が区画され、これら圧力室内には作動油等の液体が充填されている。
また、ピストン3は、環状とされてシリンダ1内に移動自在に挿通されたロッド2の中間に取付けられ、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通するポート3a,3bを有している。
このピストン3の図1中上方には、ポート3aを開閉するリーフバルブVaが積層されてロッド2の中間部に取付けられ、ピストン3の図1中下方には、ポート3bを開閉するリーフバルブVbが積層されてロッド2の中間部に取付けられている。
さらに、ロッド2における図1中下端となる一端2aは、シリンダ1の図1中下端を閉塞する環状のロッドガイド11の内側に固定される筒状のベアリング13に挿通されてシリンダ1外へ突出させてあり、図1中上端となるロッド2の他端2bは、シリンダ1の図1中上端を閉塞する環状のロッドガイド10の内側に固定される筒状のベアリング12に挿通されてシリンダ1外へ突出させてある。
なお、ロッド2の一端2aは、制振対象となる車体や車軸へ連結されることがなく、軸力が作用しないので、軽量化等の目的で中空とされてもよい。
そして、シリンダ1の外方には、このシリンダ1を覆って、シリンダ1との間に環状のエア抜き通路6を形成する外筒4が設けられており、この外筒4は、アルミニウムによって作られていて、シリンダ1より長尺とされ、シリンダ1の下端より下方へ延長されて、ロッド2の一端2aがシリンダ1の下端から最大限突出しても、当該一端2aの外周をカバーできるようになっている。すなわち、ロッド2の一端2aのストローク範囲をカバーすることができるようになっている。また、外筒4の図1中上端内周には上方側に配置されるロッドガイド10が嵌合固定され、中間部の内周が小径とされて小径部4aが設けられている。この小径部4aは、図1中下方側にロッドガイド11が嵌合されるロッドガイド嵌合部4bと、ロッドガイド嵌合部4bより内径が小径で後述する内筒5を保持する内筒保持部4cとを備えるほか、小径部4aを軸方向に沿って貫通する透孔4dを複数備えている。透孔4dは、上記したエア抜き通路6の下端に面しており、緩衝器Dを軸方向となる鉛直方向から見てエア抜き通路6を介して透孔4dの開口端を直視することができるようになっている。なお、透孔4dの設置数は、幾つでもよいが、強度上問題が無ければ、多く設ける方が好ましい。
また、外筒4とロッドガイド10との間にはシールリング14が介装されていて、外筒4とロッドガイド10との間がシールされている。さらに、ロッドガイド10の上方にシール部材15が積層され、シール部材15は、外筒4に螺着されるカバー16によってロッドガイド10へ締め付けられて固定される。
そして、ロッドガイド10は、下端にシリンダ1に嵌合する嵌合部10aを備えて外周に段部10bが形成されていて、シリンダ1を外筒4に対して径方向に位置決めしている。また、ロッドガイド10には、これを軸方向に貫く貫通孔10cを備えている。
なお、シール部材15の内周には、ロッド2の他端2bの外周に摺接するリップ部15aが設けられており、このリップ部15aには、ロッドガイド10に設けた貫通孔10cを介して圧力室R1内の圧力が作用しており、当該圧力によってロッド2の他端2bの外周へ押付けられて、ロッド2の他端2bの外周を緊迫して密にシールしている。また、シール部材15の外周には、ロッドガイド10に密着する外周シール部15bが設けられており、ロッドガイド10とシール部材15との間が密にシールされている。
したがって、シール部材15は、ロッド2の他端2bとロッドガイド10との間をシールし、シールリング14と協働して外筒4とロッド2との間を密封している。
戻って、外筒4の小径部4aの上方側に設けたロッドガイド嵌合部4b内には、ロッドガイド11が嵌合され、内筒保持部4cの上端とロッドガイド11との間には、ロッドガイド11とロッド2の一端2aとの間をシールするシール部材17が介装されている。なお、ロッドガイド11とシリンダ1との間には、シールリング24が介装されて、ロッドガイド11とシリンダ1との間がシールされている。
ロッドガイド11は、図1中中間に設けられてシリンダ1の一端となる図1中下端に当接する大径部11aと、大径部11aより図1中上方側であって大径部11aより小径なシリンダ1の一端となる図1中下端に嵌合する嵌合部11bと、大径部11aより図1中下方側であって大径部11aより小径なロッドガイド嵌合部4bに嵌合する外筒嵌合部11cと、嵌合部11bの上端から軸方向に沿って外筒嵌合部11cの下端へ通じる貫通孔11d、圧力室R2側の端部となる嵌合部11bの上端から開口して大径部11aの外周へ通じる通孔11eを備えて構成されている。
そして、上記通孔11eの嵌合部11b側の出口端には、オリフィス9を備えたプラグ25が螺着されており、通孔11eを通過する液体の流れにオリフィス9で抵抗を与えるようになっている。また、大径部11aは、小径部4aに設けた透孔4dを閉塞しないように、小径部4aの上端に面する下端外周を円弧状に切除したような形状として逃げ部11fを設けている。当該逃げ部11fは、小径部4aの下端外周をテーパ面状として形成してもよい。
なお、シール部材17の内周には、ロッド2の一端2aの外周に摺接するリップ部17aが設けられており、このリップ部17aには、ロッドガイド11に設けた貫通孔11dを介して圧力室R2内の圧力が作用しており、当該圧力によってロッド2の一端2aの外周へ押付けられて、ロッド2の一端2aの外周を緊迫して密にシールしている。また、シール部材17の外周には、ロッドガイド11に密着する外周シール部17bが設けられており、ロッドガイド11とシール部材17との間が密にシールされている。
このように、下から順に、シール部材17、ロッドガイド11、シリンダ1、ロッドガイド10、シール部材15を外筒4内に挿入し、カバー16を外筒4の図1中の上端内周に螺着すると、上記各部材が外筒4における小径部4aとカバー16とによって挟持され、上記各部材が外筒4内に固定されることになる。また、これら各部材がそれぞれ外筒4によって径方向に調芯されるようになっているので、組み上げられた緩衝器Dの円滑な伸縮が保障される。
さらに、外筒4の小径部4aにおける内筒保持部4cには、内筒5の上端が螺合されて保持され、当該内筒5の内周にはロッド2の一端2aが挿通されるとともに、内筒5と外筒4との間に環状のリザーバRが形成される。なお、内筒5を内筒保持部4cで保持するにあたり、分解しなくてもよい場合、内筒5を内筒保持部4c内に圧入するようにしてもよい。また、内筒5も外筒4と同様に、ロッド2の一端2aのストローク範囲をカバーする長さに設定されており、内筒5の図1中下端には外筒4の内周に当接する鍔部5aが設けられている。
そして、この鍔部5aの外周には、シールリング26が装着されており、このシールリング26で外筒4の下端と内筒5の下端外周とが密にシールされる。また、内筒5の上端外周には、シールリング27が装着されており、このシールリング27で外筒4における内筒保持部4cの内周と内筒5の上端側外周とが密にシールされる。このように、シールリング26,27によって、リザーバRが密閉されるようになっている。
また、上記リザーバR内には、内筒5の外周および外筒6の内周のそれぞれに摺接する環状のフリーピストン7が摺動自在に挿入されており、リザーバRが図1中下方の気体が封入される気室Gと図1中上方の液体が充填される液室Lとに区画されている。上述のように形成された液室Lは、上記した外筒4の小径部4aに形成の透孔4dおよびロッドガイド11に形成の通孔11eを介して液室Lに隣り合う圧力室となるロッド2の一端2aが挿通される図中下方の圧力室R2に連通される。つまり、液室Lは、オリフィス9を介して圧力室R2に連通されている。また、当該液室Lは、透孔4dを介してエア抜き通路6にも連通されている。なお、連通路8は、この実施の形態の場合、透孔4d、通孔11eおよびエア抜き通路6の一部にて形成されているが、これに限定されるものではない。
したがって、液室Lは、オリフィス9を介して内部の圧力を各圧力室R1,R2の圧力に作用させており、この緩衝器Dにあっては、両ロッド型に構成されて、各圧力室R1,R2内の全体の容積変化は無いので、基本的には、ピストン作動時の体積補償を行わず、温度変化による各圧力室R1,R2内の液体の体積変化について液室L内の気体の体積変化で吸収して体積補償する。
他方、気室G内には内筒5に設けた鍔部5aを図1中上下に貫く注入口5bを介して気体を注入することができるようになっており、この注入口5bを当該注入口5bに螺着される栓28によって閉塞することで気室Gを密閉することができるようになっている。なお、注入口5bが複数設けられているのは、注入口5bを利用して内筒5を外筒4の内筒保持部4cへ螺着することができるようにするためであり、注入口5bを一つのみ設けるようにしてもよい。
外筒4の下端に緩衝器Dを車両へ取付可能な取付部30を備えたキャップ29が螺子締結によって装着されるようになっており、気室Gの気圧の調整が必要な場合には、キャップ29を取外して簡単に栓28へアクセスすることができるようになっている。また、各種の車両に合わせ取付部の形状が異なるキャップを複数用意しておくことで、キャップ交換を行うことで各種車両へ緩衝器Dを搭載することができる。
また、この実施の形態の場合、外筒4によってロッド2の一端2aのストローク範囲全体をカバーしてようにしているので、ロッド2を飛来物や雨、埃から保護することができるが、キャップ29と外筒4と協働してロッド2の一端2aのストローク範囲の全体をカバーするようにしてもよい。なお、ロッド2の保護の必要が無い場合には、外筒4でロッド2の一端2aのストローク範囲全体をカバーせずに、内筒5および外筒4の長さを気室Gと液室Lを形成できる程度の長さに設定するようにしてもよい。
さらに、内筒5内はキャップ29によって閉塞されて、緩衝器Dが伸縮する際に、ロッド2の一端2aが閉空間とされる内筒5内に出入りして、当該内筒5内の気圧が変動して、ロッド2に内筒5内の気圧が作用するようになっているが、内筒5内には気圧を加圧して封入することなく大気圧を基準として変動する程度であるから内筒5内の気圧は然程大きくなることがなく、緩衝器Dが発生する減衰力に与える影響は小さく特段の問題は無いが、内筒5内が密閉とされないようにキャップ29あるいは外筒4に内筒5内へ通じる通孔を設けて内筒5が気体バネとして作用しないようにして減衰力への影響を排除するようにしてもよい。
つづいて、上述のよう構成されが緩衝器Dの動作について説明する。緩衝器Dは、ピストン3がシリンダ1に対して図1中上方向に移動して伸長作動すると、圧力室R1から圧力室R2へ上記ポート3bを介して移動する液体の流れにリーフバルブVbで抵抗を与えて減衰力を発生し、逆に、ピストン3がシリンダ1に対して図1中下方に移動して圧縮作動すると、圧力室R2から圧力室R1へ上記ポート3aを介して移動する液体の流れにリーフバルブVaで抵抗を与えて減衰力を発生するようになっている。
このように、構成される緩衝器Dによれば、シリンダ1内を加圧する気室Gがロッド2の一端2aの外周に配置される内筒5と外筒6との間に形成されるので、ロッド2に気室G内の圧力による推力が負荷されない。
したがって、この緩衝器Dによれば、ロッド2に気室G内の圧力が作用しないので、気室G内の圧力の設定に制限を受けることがなく、シリンダ1内を加圧する気室G内の圧力を自由に設定することができ、緩衝器Dの発生減衰力や応答性の設定の自由度が飛躍的に高まり、気室G内の圧力を車両における乗り心地にとって最適となるように設定することができ、車両における乗り心地を飛躍的に向上させることができる。
そして、この緩衝器Dを実際に組み立てる際には、ロッドガイド10、シール部材15およびカバー16のみを組みつけていない状態で、圧力室R1,R2内へシリンダ1の上端開口部から、液室L内へはエア抜き通路6から液体を注入する。
その後、ロッドガイド10を内周側にロッド2の他端2bを挿入させつつ、シリンダ1および外筒4に嵌合し、その上からシール部材15を積層し、最後にカバー16を外筒4の上端内周に螺合することで組立が完了する。
この液体注入時に、液室L内や連通路8内に混入した気体は、エア抜き通路6を介して速やかに緩衝器D外に排出される。したがって、緩衝器Dの組立工程やメンテナンスにおけるエア抜き作業を軽減でき、作業時間も短縮することができる。
このとき、連通路8は、液室Lの上端に開口するようにすると、より一層気体の排出効率が向上する。そのため、本実施の形態では、エア抜き通路6と液室Lとを連通する透孔4dは、小径部4aを軸方向に貫通するよう設けられていて液室Lの上端に開口するようになっている。なお、圧力室R2内の気体は、ロッドガイド10の貫通孔10cを介してシリンダ1外へ排出される。
また、透孔4dは、鉛直方向から視認できるようにエア抜き通路6に接続されているので、液室L内の気体を速やかにエア抜き通路6へ排出させることができる。
そしてまた、緩衝器Dの組立が終了した後に、万が一、液室L内の液体中に気泡が発生することがあっても、エア抜き通路6へ誘導されて、エア抜き通路6の上方に気体が溜まるだけで、圧力室R1、R2内への気体の混入を防止することができる。
さらに、透孔4dを閉塞しないようにロッドガイド11の大径部11aの下端外周に逃げ部11fを設けているので、外筒4の内径とシリンダ1の外径とに差を大きくせずとも、液室L内の気体を速やかにエア抜き通路6へ排出させることができる。換言すれば、シリンダ1の内径を確保しつつも緩衝器Dの外径を小径化することができ、緩衝器Dの減衰力不足を招くことなく小型化することができるのである。なお、逃げ部11fの形状をテーパ面状とすると、より一層気体の移動を妨げることなくエア抜き通路6へ誘導できるようになる。
また、外筒4には、高頻度で摺動する部材が摺接していないので、外筒4をアルミニウムで形成することができ、緩衝器Dを軽量化することができる。
さらに、圧力室R1,R2を介してロッド2の外周をシールするシール部材15,17へ気室G内の圧力を作用させることができ、気室G内の圧力の設定によってロッド2とシール部材15,17との間の摩擦力をチューニングすることができ、特に、ロッド2とシール部材15,17との間の摩擦力を大きくするようにしておくことによって、緩衝器Dの発生する減衰力に摩擦力を重畳させて、ピストン3がシリンダ1に対して移動する際のピストン速度が低い場合における減衰力を高めて、車体のローリング、ピッチング、スクワット等の挙動をしっかりと抑制することができるようになる。
また、ロッド2の径を太くしなくてはならない状況となっても、シリンダ1の外周側に形成されてロッド2が出入りすることのないエア抜き通路6のボリュームをもリザーバRの一部として使用することができるので、ロッド2の径に影響を受けずに液室Lおよび気室Gの全体の容積を確保することができ、緩衝器Dの全長が長くなることが無く、車両への搭載性を悪化することがない。
さらに、外筒4を介して緩衝器Dを車両の車体や車軸へ連結することができるので、シリンダ1に横力や軸力が直接的に作用することを回避できるとともに、外筒4でロッド2の一端2aのストローク範囲をカバーすることで、ロッド2の外周の滑らかな摺動面を飛石や泥等から保護することができる。
そして、さらに、この実施の形態の場合、外筒4の開口端がキャップ29によって閉塞されるので、ロッド2に飛石や泥等が直接干渉することを確実に防止でき、ロッド2の保護が確実となる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝器は、車両の制振用途に利用することができる。
1 シリンダ
2 ロッド
2a ロッドの一端
2b ロッドの他端
3 ピストン
3a,3b ピストンにおけるポート
4 外筒
4a 外筒における小径部
4b 外筒におけるロッドガイド嵌合部
4c 外筒における内筒保持部
4d 外筒における透孔
5 内筒
5a 内筒における鍔部
5b 内筒における注入口
6 エア抜き通路
7 フリーピストン
8 連通路
9 オリフィス
10,11 ロッドガイド
10a,11b ロッドガイドにおける嵌合部
10b ロッドガイドにおける段部
10c ロッドガイドにおける貫通孔
11a ロッドガイドにおける大径部
11c ロッドガイドにおける外筒嵌合部
11d ロッドガイドにおける貫通孔
11e ロッドガイドにおける通孔
11f ロッドガイドにおける逃げ部
12,13 ベアリング
14,24,26,27 シールリング
15,17 シール部材
15a,17a シール部材におけるリップ部
15b,17b シール部材における外周シール部
16 カバー
25 プラグ
28 栓
29 キャップ
30 キャップにおける取付部
D 緩衝器
G 気室
L 液室
R リザーバ
R1,R2 圧力室
Va,Vb リーフバルブ

Claims (6)

  1. シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、ロッドの中間部に設けられるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室を隔成するピストンとを備えて両ロッド型に設定される緩衝器において、シリンダを覆ってシリンダとの間にエア抜き通路を形成する外筒と、シリンダから突出するロッドの一端の外周に配置されて外筒との間に環状のリザーバを形成する内筒と、内筒の外周および外筒の内周に摺接するとともに上記リザーバ内を気室と液室とに区画する環状のフリーピストンと、上記液室と液室に隣り合う圧力室とを連通する連通路と、連通路の途中に設けたオリフィスとを備え、液室とエア抜き通路とを連通したことを特徴とする緩衝器。
  2. 外筒が内周に小径部を備えて当該小径部で内筒を保持するとともに、小径部を軸方向に沿って貫通する透孔で上記液室とエア抜き通路とを連通し、シリンダの一端と上記小径部にて挟持されるとともにロッドの一端を摺動自在に軸支するロッドガイドに連通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. ロッドの一端を軸支するロッドガイドはシリンダの一端に当接する大径部を備え、当該大径部の小径部側端部の外周に逃げ部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 連通路は、ロッドの一端を軸支するロッドガイドの圧力室側の端部から開口して大径部に通じることを特徴とする請求項2または3に記載の緩衝器。
  5. 外筒がアルミニウムでなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器。
  6. 外筒は、ロッドの一端のストローク範囲をカバーすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の緩衝器。
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