JP2007132485A - ダンパ内蔵型フロントフォーク - Google Patents
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Abstract
【課題】 中空体で形成されたロッド体を有する両ロッド型のダンパを軸芯部に有するフォーク本体内に作動油を供給する際に、ロッド体の内部にエアが溜まらないようにする。
【解決手段】 車体側チューブ1と車輪側チューブ2とで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に収装の両ロッド型のダンパを形成するシリンダ体3が車輪側チューブ2の軸芯部に配在されると共に、両ロッド型のダンパを形成する一方のロッド体51が車体側チューブ1の軸芯部に垂設されながらシリンダ体3の一方の端部31aを貫通してシリンダ体3の内部に収装のピストン部4に連結され、両ロッド型のダンパを形成する他方のロッド体52がシリンダ体3内に収装のピストン部4に連結されながらシリンダ体3の他方の端部31bを貫通してシリンダ体3の外部に突出すると共に、この他方のロッド体52が中空体からなりながらシリンダ体3の他方の端部31bを貫通して外部に突出する開口端をキャップ部材53で液密構造下に閉塞してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 車体側チューブ1と車輪側チューブ2とで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に収装の両ロッド型のダンパを形成するシリンダ体3が車輪側チューブ2の軸芯部に配在されると共に、両ロッド型のダンパを形成する一方のロッド体51が車体側チューブ1の軸芯部に垂設されながらシリンダ体3の一方の端部31aを貫通してシリンダ体3の内部に収装のピストン部4に連結され、両ロッド型のダンパを形成する他方のロッド体52がシリンダ体3内に収装のピストン部4に連結されながらシリンダ体3の他方の端部31bを貫通してシリンダ体3の外部に突出すると共に、この他方のロッド体52が中空体からなりながらシリンダ体3の他方の端部31bを貫通して外部に突出する開口端をキャップ部材53で液密構造下に閉塞してなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ダンパ内蔵型フロントフォークに関し、特に、車体側チューブと車輪側チューブとで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に両ロッド型のダンパを収装してなるダンパ内蔵型フロントフォークの改良に関する。
周知のように、筒型のダンパの中で、両ロッド型のダンパは、原理的に看れば、片ロッド型のダンパに比較して、いわゆるリザーバを要しないから、エアレーションの危惧なくして安定した減衰力の発生を期待できる。
それゆえ、従来から、たとえば、特許文献1に開示されているように、両ロッド型のダンパを車体側チューブと車輪側チューブとで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に収装したダンパ内蔵型フロントフォークの提案がある。
すなわち、特許文献1に開示されているところは、ダンパ内蔵型フロントフォークにあって、フォーク本体の軸芯部に収装の両ロッド型のダンパがシリンダ体内に摺動可能に収装されてこのシリンダ体内に受圧面積差を有しない二つの油室を画成するピストン部を有してなると共に、このピストン部に連設される両方のロッド体がシリンダ体の両方となる端部をそれぞれ貫通するとしている。
このとき、この両ロッド型のダンパにあって、一方のロッド体は、たとえば、車体側チューブの軸芯部に垂設されながらシリンダ体の一方の端部を貫通してシリンダ体内に収装のピストン部に連結されるとし、他方のロッド体は、シリンダ体内に収装のピストン部に連結されながらシリンダ体の他方の端部を貫通してシリンダ体外に突出するとしている。
それゆえ、一方のロッド体を中空体で形成するかどうかはともかくとして、他方のロッド体を中空体で形成することで、両ロッド型のダンパにおける重量の軽減化を図れ、したがって、この両ロッド型のダンパをフォーク本体の軸芯部に有するダンパ内蔵型フロントフォークにおける全体重量に軽減化に寄与し得ることになる。
特開2004‐293660公報(図1,図3)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案について、性能上で特別の不具合がある訳ではないが、ロッド体を中空体で形成する提案を具現化するとき、些か問題を生じる危惧があると指摘される可能性がある。
すなわち、ダンパ内蔵型フロントフォークにおけるフォーク本体の軸芯部に収装される両ロッド型のダンパにあって、上記したように他方のロッド体を中空体で形成するとき、この他方のロッド体にあっては、一端がピストン部に連結されていわば閉塞されている状態下に開口端になる他端がシリンダ体の端部を貫通してシリンダ体外に突出することになる。
このとき、シリンダ体外に突出する開口端が気室中に臨在される場合には格別問題はないが、その開口端が作動油中に臨在される場合には、特に、組み立て後のフォーク本体の内部に作動油を供給して両ロッド型のダンパにおけるシリンダ体内に作動油を流入させようとする際には、ロッド体の内部たる中空部にエアが溜まることが予想される。
そして、ロッド体の中空部に溜まるエアが恒久的にそこに止まる場合には、問題はないが、この溜まっている筈のエアが何らかの理由で外部たる作動油中に混入する場合には、このエアを混入する作動油が減衰バルブを通過するなどで、その減衰バルブによる設定の減衰特性を発現させるのが困難になることが予想される。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、フォーク本体の軸芯部に収装される両ロッド型のダンパが中空体で形成されたロッド体を有するとき、このロッド体の内部たる中空部にエアが溜まらないようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるダンパ内蔵型フロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるダンパ内蔵型フロントフォークの構成を、基本的には、車体側チューブと車輪側チューブとで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に両ロッド型のダンパを収装してなるダンパ内蔵型フロントフォークにあって、両ロッド型のダンパを形成するシリンダ体が車輪側チューブの軸芯部に配在されると共に、両ロッド型のダンパを形成する一方のロッド体が車体側チューブの軸芯部に垂設されながらシリンダ体の一方の端部を貫通してシリンダ体内に収装のピストン部に連結され、両ロッド型のダンパを形成する他方のロッド体がシリンダ体内に収装のピストン部に連結されながらシリンダ体の他方の端部を貫通してシリンダ体外に突出すると共に、この他方のロッド体が中空体からなりながらシリンダ体の他方の端部を貫通してシリンダ体外に突出する開口端をキャップ部材で液密構造下に閉塞してなるとする。
それゆえ、この発明にあって、車体側チューブと車輪側チューブとで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に収装される両ロッド型のダンパを形成する他方のロッド体が中空体で形成されるとしても、その開口端がキャップ部材で閉塞されることで、ロッド体の内部たる中空部にエアが溜まることがなく、したがって、エアが作動油中に混入する不具合が招来されなくなる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるダンパ内蔵型フロントフォークは、原理図としての図1に示すように、車体側チューブ1と車輪側チューブ2とを出没可能に連繋して伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に両ロッド型のダンパを収装してなる。
このとき、車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間には懸架バネSが配在されていて、この懸架バネSのバネ力で、フォーク本体が伸長方向に、すなわち、車輪側チューブ2が車体側チューブ1内から抜け出るようになる方向に附勢されてなるとしている。
また、フォーク本体内は、後述する両ロッド型のダンパにおけるいわゆるリザーバ室Rとされていて、このリザーバ室Rには、油面Oを境にする気室Aが画成されるとし、この気室Aは、フォーク本体の収縮作動時にエアバネ力を発揮するとしている。
ちなみに、図示するところにあって、車体側チューブ1の軸芯部には、後述するロッド体5、すなわち、両ロッド型のダンパを形成する一方のロッド体51が垂設され、車輪側チューブ2の軸芯部には、同じくこの両ロッド型のダンパを形成する後述のシリンダ体3が配在されてなるとしている。
それゆえ、このダンパ内蔵型フロントフォークにあっては、フォーク本体の伸縮作動時に、内蔵されている両ロッド型のダンパにおける伸縮作動で所定の減衰力を発生することになる。
ところで、両ロッド型のダンパは、シリンダ体3と、ピストン部4と、一対のロッド体5、すなわち、一方のロッド体51と他方のロッド体52とを有してなり、さらに、図示するところでは、チェック弁6を有してなるとしている。
少し説明すると、シリンダ体3は、ピストン部4を摺動可能に収装する本体部31を有してなるとし、この本体部31には内部に後述する他方のロッド体52の先端側を臨在させるサブ油室R3を画成する補助部32が連結ブラケット33(図2参照)の介在下に連設されてなるとしている。
すなわち、補助部32は、原理的には、本体部31の延長部とされるもので、本体部31とほぼ同径に形成されながら車輪側チューブ2の軸芯部に起立されていて、図2に示すように、図中で上端となる開口端を上記の連結ブラケット33の介在下に本体部31の下端部、すなわち、本体部31の図1中で上端となる開口端を閉塞する上端部をヘッド端部31aと称するならば、同じく本体部31の図1中で下端となる開口端を閉塞する下端部となるボトム端部31bに一体的に連結させてなるとしている。
また、この補助部32の内部に画成されるサブ油室R3は、この補助部32に開穿された連通孔32aを介してシリンダ体3外たるフォーク本体内、すなわち、前記したリザーバ室Rに連通するとしている。
ピストン部4は、上記のシリンダ体3における本体部31内に摺動可能に収装されていて、受圧面積差を有しない一方の油室R1と他方の油室R2とを画成しており、この両方の油室R1,R2の連通を許容しながら所定の大きさの減衰力を発生する減衰バルブ41を有してなるとしている。
ちなみに、減衰バルブ41は、図示するところでは、この両ロッド型のダンパの伸長作動時および収縮作動時の各側の減衰力を発生するとしている。
ロッド体5、すなわち、一方のロッド体51および他方のロッド体52は、前記したピストン部4の図1中で上下側となる両側にそれぞれの基端が連設されながらそれぞれの先端が上記の本体部31における開口端を閉塞する端部、すなわち、図示するところでは、前記したヘッド端部31aおよびボトム端部31bを貫通してシリンダ体3外に突出するとしている。
このとき、一方のロッド体51の図中で上端となる先端は、車体側チューブ1に連結されているが、他方のロッド体52の先端は、前記したように、本体部31におけるボトム端部31bを貫通して補助部32内のサブ油室R3に突出するとしている。
ちなみに、一方のロッド体51の先端側が貫通するヘッド端部31aは、図示しないが、軸受部材を有していて、この軸受部材でロッド体51の摺動性を保障するとしている。
このとき、この軸受部材は、作動油の摺動漏れを許容するから、後述することであるが、シリンダ体3における本体部31内に画成される一方の油室R1の作動油が、特に、エアを混入することがある作動油がこの軸受部材の内周側を介してシリンダ体3外、すなわち、リザーバ室Rに流出することを許容することになる。
それゆえ、上記した両ロッド型のダンパにあって、シリンダ体3内でピストン部4が摺動すると、このピストン部4でシリンダ体3における本体部31内に画成されている両方の油室R1,R2がピストン部4に配在の減衰バルブ41を介して相互に連通することになり、このとき、この減衰バルブ41で所定の大きさとなる伸側および圧側の各減衰力が発生されることになる。
ところで、この発明におけるダンパ内蔵型フロントフォークにあっては、上記した両ロッド型のダンパにおいて、シリンダ体3がこのシリンダ体3の図中で下端となる開口端、すなわち、ボトム端部31b側の開口端を閉塞するボトム端部31b、すなわち、ピストン部4に基端が連結される他方のロッド体52の先端側を軸芯部に貫通させるボトム端部31bにシリンダ体3内へのリザーバ室Rからの作動油の流入を許容しその逆流を阻止するチェック弁6を有してなるとしている。
すなわち、この発明によるダンパ内蔵型フロントフォークにあっては、フォーク本体の軸芯部に両ロッド型のダンパを組み込んだ状態で、リザーバ室Rに作動油を注入すると共にフォーク本体を伸縮させる、すなわち、ポンピング動作させることで、このリザーバ室Rに注入された作動油を両ロッド型のダンパ内に充満させるとしている。
そのため、この発明のダンパ内蔵型フロントフォークでは、両ロッド型のダンパにおけるシリンダ体3がチェック弁6を有するとするもので、このチェック弁6がシリンダ体3内にピストン部4で画成される油室R2へのリザーバ室Rからの作動油の流入を許容すると共にその逆流を阻止するとしている。
このとき、図示するところでは、チェック弁6は、シリンダ体3たる本体部31におけるボトム端部31bに配在されるとしており、しかも、このチェック弁6の作動を保障するために、図示するところでは、ヘッド端部31aの近傍となるシリンダ体3の上端部にエア抜き流路としての連通孔31c(図1参照)が形成されてなるとしている。
それゆえ、フォーク本体内の軸芯部に両ロッド型のダンパが収装されていて、しかも、この両ロッド型のダンパの内部に作動油が充満されていなくても、リザーバ室Rに作動油を注入する場合には、この作動油がサブ油室R3に流入すると共に上記のチェック弁6を介してシリンダ体3内の他方の油室R2に流入し、さらには、ピストン部4の減衰バルブ41を介して一方の油室R1にも流入することになる。
そして、このとき、作動油が流入するまで、サブ油室R3を占拠しているエアは、作動油の流入に伴って、作動油と共に、チェック弁6,油室R2,減衰バルブ41,油室R1および連通孔31cを介して外部たるリザーバ室Rに流出することになる。
以上からすれば、この発明のダンパ内蔵型フロントフォークにあっては、両ロッド型のダンパにおいて、チェック弁6を有すれば足り、したがって、このチェック弁6の構造については、任意の構成が選択されて良い。
以上からすれば、図示するところにあっては、シリンダ体3における本体部31のボトム端部31bにチェック弁6を有するから、フロントフォークの組み立てを完了する最後にフォーク本体内に作動油を注入し、フロントフォークを伸縮させる、すなわち、ポンピング動作させるだけでシリンダ体3内への作動油の充満を実現し得ることになり、したがって、油槽内でフロントフォークを組み立てるなどの面倒な作業が要請されない点で有利となる。
一方、以上のように形成される両ロッド型のダンパにあって、この発明では、他方のロッド体52が中空体からなりながらシリンダ体3の他方の端部、すなわち、本体部31におけるボトム端部31bを貫通して外部に突出する開口端がキャップ部材53で液密構造下に閉塞されてなるとしている。
これによって、前記したような作業で作動油がシリンダ体3内に供給される、すなわち、流入されるとしても、少なくとも、他方のロッド体52の内部、すなわち、中空部52aには作動油が流入しないし、この中空部52aに言わば閉じ込められているエアが外部に漏出し得ないことになる。
そして、他方のロッド体52が中空体からなるとすることで、一方のロッド体51が中実体で形成されるとしても、この他方のロッド体52において部品重量の削減が可能になり、その分、フロントフォークにおける重量の軽減化に寄与することになる。
ところで、他方のロッド体52を中空体で形成するとき、その開口端をキャップ部材53で閉塞せずして、キャップ部材53の分だけ部品点数を減らすことを提案し得るが、他方のロッド体52の開口端を開口させたままだと、以下のような不具合があると思考される。
すなわち、まず、他方のロッド体52の内部となる中空部52aにエアが溜まっている場合には、この他方のロッド体52の開口端が臨在する油室、すなわち、サブ油室R3における油圧が変化するとき、これに呼応するように中空部52aのエアが膨縮することになり、その結果、この両ロッド型のダンパ内に収装されているいわゆる圧側の減衰バルブの作動を不安定なものにすることになる危惧がある。
つぎに、仮に、中空部52aのエアの膨縮による反力発生を利用すると設定するとしても、何らかの原因で中空部52aのエアが外部に流出する場合には、このエアがリザーバ室Rにおける気室A内に流入するであろうから、この気室Aにおけるエアバネ力、すなわち、反力が変更されることになり、設定通りの反力の発生を期待できなくなる危惧がある。
さらに、中空部52aのエアを全て排出させてこの中空部52aに作動油を流入させるとする場合、その実現が容易でなく、また、中空部52aにエアを残存させていないか否かも確認できないことになり、いわゆる製品のバラツキを招来する危惧がある。
以上からして、他方のロッド体52を中空体で形成する場合には、開口端をキャップ部材53で閉塞することで、前記したような利点を挙げられることになるが、その一方で、以下のような不具合が招来される危惧があると指摘される可能性がある。
すなわち、フォーク本体の軸芯部に収装されている両ロッド型のダンパにおける他方のロッド体52が中空部52aにエアを封入した状態にあるときには、フロントフォークの伸縮作動が繰り返されるなどで、フォーク本体内に収容の作動油の油温が上昇する場合には、中空部52aに封入されているエアも高温化して膨張することになる。
このとき、キャップ部材53のシール53aが破損などしてエア漏れが招来される場合には、漏れたエアが作動油中に混入することに繋がり、それゆえ、たとえば、減衰バルブによる減衰力発生が不安定になる危惧がある。
そこで、この発明にあっては、フロントフォークの組み立て時に作動油を注入することを鑑みて、爾後に、中空部52aのエアを作動油と入れ替えるようにして、中空部52aにエアが残存することによるいわゆる悪さを排除するとしている。
そのため、図示するところでは、この他方のロッド体52を連結ブラケット33に連結するときにこの連結ブラケット33で隠蔽されずして露呈する連通孔52bを他方のロッド体52に開穿するとしている。
その結果、この連通孔52bは、シリンダ体3における本体部31内に開口することになり、したがって、この本体部31内、すなわち、油室R2に流入した作動油が連通孔52bを介してロッド体52の中空部52aにあるエアと入れ替わるようにこの中空部52aに流入することになる。
ちなみに、この連通孔52bを介しての中空部52aへの作動油の流入は、フロントフォークを伸縮させるポンピング動作を実践することで実現される。
そして、他方のロッド体52の中空部52aに充分に作動油が流入した状況を看ると、上記の連通孔52bが開穿されている位置関係からして、この連通孔52bより上方にエアが残留することになるが、このエアは、少量である上に油室R2に流出し得ないから、いわゆる悪さをしないことになり、これがそのまま放置されても良いことになる。
ただ、作動油中にエアの言わば塊が残存することは、基本的には好ましくないから、この残存したエアも中空部52aの外に放出されるのが好ましいと言い得る。
そこで、図3に示すように、たとえば、両ロッド型のダンパにおいて、一方のロッド体51が他方のロッド体52の中空部52aと連通しながらピストン部4の減衰バルブ41を迂回するバイパス路54を有してなるとし、このとき、このバイパス路54は、上記した連通孔52bを介して他方のロッド体52外に画成される油室R2に連通すると共に、ピストン部4を挟んで反対側となる一方のロッド体51外に画成される油室R1に連通してなるとする。
これによって、上記したように他方のロッド体52の中空部52aにあって連通孔52bより上方に残留するエアが上記のバイパス路54を介して一方のロッド体51外の油室R1に放出されることになる。
ちなみに、上記のバイパス路54は、図示しないが、多くの場合に、コントロールバルブを有していて、このコントロールバルブの作動するところで、バイパス路54を介しての作動油の流量を制御し、ピストン部4に配在の減衰バルブ41が発生する減衰力を高低制御し得るように設定される。
前記したところは、この発明によるダンパ内蔵型フロントフォークが車体側チューブ1をアウターチューブにし、車輪側チューブ2をインナーチューブにするいわゆる倒立型とされている場合を例にしたが、この発明が意図するところからすれば、図示しないが、車体側チューブ1をインナーチューブにし、車輪側チューブ2をアウターチューブにするいわゆる正立型とされているとしても良く、その場合の作用効果も異ならないのはもちろんである。
1 車体側チューブ
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
4 ピストン部
5 ロッド体
6 チェック弁
41 減衰バルブ
31 本体部
32 補助部
51 一方のロッド体
52 他方のロッド体
52a 中空部
52b 連通孔
53 キャップ部材
R リザーバ室
R3 サブ油室
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
4 ピストン部
5 ロッド体
6 チェック弁
41 減衰バルブ
31 本体部
32 補助部
51 一方のロッド体
52 他方のロッド体
52a 中空部
52b 連通孔
53 キャップ部材
R リザーバ室
R3 サブ油室
Claims (5)
- 車体側チューブと車輪側チューブとで伸縮可能に形成されるフォーク本体の軸芯部に両ロッド型のダンパを収装してなるダンパ内蔵型フロントフォークにあって、両ロッド型のダンパを形成するシリンダ体が車輪側チューブの軸芯部に配在されると共に、両ロッド型のダンパを形成する一方のロッド体が車体側チューブの軸芯部に垂設されながらシリンダ体の一方の端部を貫通してシリンダ体内に収装のピストン部に連結され、両ロッド型のダンパを形成する他方のロッド体がシリンダ体内に収装のピストン部に連結されながらシリンダ体の他方の端部を貫通してシリンダ体外に突出すると共に、この他方のロッド体が中空体からなりながらシリンダ体の他方の端部を貫通してシリンダ体外に突出する開口端をキャップ部材で液密構造下に閉塞してなることを特徴とするダンパ内蔵型フロントフォーク
- 両ロッド型のダンパにおける他方のロッド体が内部たる中空部とこの他方のロッド体外との連通を許容する連通孔を有してなる請求項1に記載のダンパ内蔵型フロントフォーク
- 両ロッド型のダンパにおける一方のロッド体が他方のロッド体の内部たる中空部と連通しながらピストン部を迂回するバイパス路を有してなると共に、このバイパス路が他方のロッド体外に画成される油室とピストン部を挟んで反対側となる一方のロッド体外に画成される油室に連通してなる請求項1に記載のダンパ内蔵型フロントフォーク
- 両ロッド型のダンパにおけるシリンダ体が車輪側チューブの軸芯部に立設された補助部に他方のロッド体を貫通させる端部を連結させてなる請求項1に記載のダンパ内蔵型フロントフォーク
- 両ロッド型のダンパにおけるシリンダ体が他方のロッド体を貫通させる他方の端部にシリンダ体内へのフォーク本体内からの作動油の流入を許容しその逆流を阻止するチェック弁を有してなる請求項1に記載のダンパ内蔵型フロントフォーク
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100928 |