JP2006200694A - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダンパ内へリザーバから作動油の浸入があっても、ダンパ内の圧力を所望の圧力に維持できるようにしたダンパ内蔵型フロントフォークへの利用に最適となる油圧緩衝器の提供。
【解決手段】ダンパーシリンダ2の端部に中空部を備えたキャップ6を結合し、アキュムレータAをキャップ6に結合したコネクティングロッド5と、コネクティングロッド5外周とダンパーシリンダ2の内周とに沿ってスライド自在に挿入したガイド4と、ガイド4の外側に固定した弾性隔壁部材20と、弾性隔壁部材20の内側とキャップ6の中空部内にそれぞれ画成され相互に連通する気体室と、弾性隔壁部材20の外側に画成した油室8とで構成し、又キャップ6とガイド4との間にリターンスプリング10を介在し、更に上記リザーバRと上記油室8とを上記ガイドのスライドに伴なって連通又は遮断させる通孔をダンパーシリンダ2に形成した。
【選択図】図1
【解決手段】ダンパーシリンダ2の端部に中空部を備えたキャップ6を結合し、アキュムレータAをキャップ6に結合したコネクティングロッド5と、コネクティングロッド5外周とダンパーシリンダ2の内周とに沿ってスライド自在に挿入したガイド4と、ガイド4の外側に固定した弾性隔壁部材20と、弾性隔壁部材20の内側とキャップ6の中空部内にそれぞれ画成され相互に連通する気体室と、弾性隔壁部材20の外側に画成した油室8とで構成し、又キャップ6とガイド4との間にリターンスプリング10を介在し、更に上記リザーバRと上記油室8とを上記ガイドのスライドに伴なって連通又は遮断させる通孔をダンパーシリンダ2に形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動二輪車の車体と車軸間に介装されて路面からの振動を減衰する緩衝器とフォークを兼ねたフロントフォークの使用に適する油圧緩衝器に関し、特に、ダンパーシリンダ内に組込んだアキュムレータを改良した油圧緩衝器に関する。
一般に、自動二輪車用ダンパ内臓型フロントフォーク等の油圧緩衝器では、例えば、特許文献1に示すように、ダンパーシリンダ内にアキュムレータを設けてダンパ内における内圧を補償するものが知られている。
即ち、このアキュムレータは、一般に気体室内の気体圧を適宜に設定することで伸長時にダンパ内に負圧を発生させず、安定した所定の減衰力を発生できるようにしている。
上記特許文献1に示す油圧緩衝器は、図3の実施図面に示すように、アウターチューブ41と、アウターチューブ41内に挿入したインナーチューブと、各チューブ内に挿入したダンパーシリンダ42と、ダンパーシリンダ42内の上部に設けたアキュムレータA1を有している。
そして、このアキュムレータA1は、キャップ43側に結合したコネクティング44とガイド45とにそれぞれ両端を結合した弾性隔壁部材たる弾性隔壁部材46と、弾性隔壁部材46内に画成した気体室47と、弾性隔壁部材46の外側に設けた油室48とで構成されている。
それゆえ、気体室47における内圧を適宜に設定することで、油圧緩衝器たるダンパ内臓型フロントフォークが伸び切り状態にあるときにもダンパにおける内圧を負圧にせず、したがって、フロントフォークが伸び切り状態から収縮作動を開始する当初から、ダンパによって所定の圧側減衰力を発生し得ることになる。
実公平4−525D2号公報(実用新案登録請求の範囲(2),同(4))
しかしながら、上記の弾性隔壁部材46を有するアキュムレータA1の構造をみると、ダンパが伸縮作動するとき、リザーバの作動油がピストンロッド摺動部等を介してダンパ内に浸入することがある。
このため、ダンパ内の作動油量が増加すると、ダンパ内の圧力は上昇し、その作動油量が著しく多くなったときは、フロントフォークの収縮作動時の抵抗が大きくなって乗心地を悪くさせることになり、また、高圧作用でダンパ内のオイルシール等が損傷する恐れがある。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ダンパ内へリザーバから作動油の浸入があっても、ダンパ内の圧力を所望の圧力に維持できるようにしたダンパ内蔵型フロントフォークへの利用に最適となる油圧緩衝器を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、アウターチューブ内にダンパーシリンダを結合し、アウターチューブとダンパーシリンダ間にリザーバを設け、ダンパーシリンダ内にアキュムレータを設けている油圧緩衝器において、ダンパーシリンダの端部に中空部を備えたキャップを結合し、アキュムレータをキャップに結合したコネクティングロッドと、コネクティングロッド外周とダンパーシリンダの内周とに沿ってスライド自在に挿入したガイドと、ガイドの外側に固定した弾性隔壁部材と、弾性隔壁部材の内側とキャップの中空部内にそれぞれ画成され相互に連通する気体室と、弾性隔壁部材の外側に画成した油室とで構成し、又キャップとガイドとの間にリターンスプリングを介在し、更に、上記リザーバと上記油室とを上記ガイドのスライドに伴って連通又は遮断させる通孔をダンパーシリンダに形成したことを特徴とするものである。
各請求項の発明によれば、アキュムレータ内の油室の作動油が熱膨張したり、ダンパ内へ作動油が流入したりして作動油量が増加し、この状態で圧縮作動して弾性隔壁部材が最収縮してもガイドがリターンスプリングに抗して移動し、アキュムレータ側の油室をリザーバ側に通孔を介して連通するから、油室内の余剰の作動油がリザーバ側に排出され、減衰力が安定し、圧縮時の作動抵抗が異常に大きく発生することが無く、油圧緩衝器自体に無理な負荷がかかるのを防止できる。その結果内部のシール等の部材を損傷するのが防止され、作動油の洩れを防止できる
以下本発明の実施の形態を図にもとづいて説明するが、本発明に係る油圧緩衝器たるダンパ内臓型フロントフォークは、図1に示すように、アウターチューブ1内にダンバーシリンダ2を結合し、アウターチューブ1とダンパーシリンダ2間にリザーバRを設け、ダンパーシリンダ2内にアキュムレータAを設けているものである。
そして、本発明では、ダンパーシリンダ2の端部に中空部を備えたキャップ6を結合し、アキュムレータAをキャップ6に結合したコネクティングロッド5と、コネクティングロッド5外周とダンパーシリンダ2の内周とに沿ってスライド自在に挿入したガイド4と、ガイド4の外側に固定した弾性隔壁部材20と、弾性隔壁部材20の内側とキャップ6の中空部内にそれぞれ画成され相互に連通する気体室7,9と、弾性隔壁部材20の外側に画成した油室8とで構成している。
又、キャップ6とガイド4との間にリターンスプリング10を介在し、更に上記リザーバRと上記油室8とを上記ガイド4のスライドに伴って連通又は遮断させる通孔19をダンパーシリンダ2に形成している。
この場合、ガイド4の端部にピストン部4Cを設け、当該ピストン部4Cの外周にシールD1,D2を設けながらダンパーシリンダ2の内周に摺接させており、又、ガイド4の筒状本体4B内周とコネクティングロッド5の外周との間にシールD3を設けている。
以下更に詳しく説明するが、図1乃至図2は、本発明の一実施の形態を示し、この油圧緩衝器は、自動二輪車用のダンパ内臓型フロントフォークとして適用したものである。
このフロントフォークは、図1に示すように車体側チューブたるアウターチューブ1内に車輪側チューブたるインナーチューブ(図示せず)が摺動自在に挿入され、各チューブ内にダンパ11を内蔵し、ダンパ11内上方にアキュムレータAを設けたものである。
ダンパ11は、ダンパーシリンダ2と、ダンパーシリンダ2内にピストンを介して挿入されたピストンロッド(図示せず)と、ピストンと隔壁部材27とで画成された油室12と、隔壁部材27の上方に画成されたアキュムレータAと、隔壁部材27に設けられてアキュムレータAと油室12とを連通する伸側油路13及び圧側油路14と、油路13,14の途中にそれぞれ開閉自在に設けた伸側チェックバルブ15及び圧側チェックバルブ16とを備えている。
アキュムレータAは、ダンパーシリンダ2の端部に設けたコネクティングロッド5と、このコネクティングロッド5の外周にスライド自在に挿入した筒状のガイド4と、ガイド4の外側に固定した弾性隔壁部材20たる弾性隔壁部材と、弾性隔壁部材20の内側に画成した気体室7と、弾性隔壁部材20の外側に画成した油室8とから構成されている。
アウターチューブ1の上端部内側にダンパーシリンダ2の上端部が螺合され、ダンパーシリンダ2の上端部内側に中空部を備えたキャップ6が螺着されており、このキャップ6の中央にはコネクティングロッド5が結合されて下方に垂設され、このコネクティングロッド5の外周にガイド4がスライド自在に挿入されている。
ガイド4は、筒部本体4Bと、本体4Bの両端の厚肉基部4A,4Dと、上方の厚肉基部4Aに連なるピストン部4Cと、上方の肉厚基部4Aに形成されて気体室7に連通する連通路23とを備え、ピストン部4CはシールD1,D2を介してダンパーシリンダ2内周とキャップ6の内周に摺接している。
キャップ6の上面とガイド4の内周段部との間にはリターンスプリング10が介装されると共に気体室9が画成され、この気体室9は、上記の連通路23を介してアキュムレータA側の気体室7に連通している。
この場合、ダンパーシリンダの上端部をキャップ6の筒部内周に挿入し、このダンパーシリンダ2の内周にガイド4のピストン部4Cを挿入することによりキャップ6内の気体室9の容積を大きくしている。
ダンパーシリンダ2の上端部には半径方向の通孔19が形成され、この通孔19はアウターチューブ1とダンパーシリンダ2との間に画成されたリザーバ3に連通し、ガイド4のビストン部4Cが左行した時アキュムレータAの油室8をリザーバ3に接続するようになっている。
即ち、ガイド4のピストン部4CにはシールD1,D2間に位置するスリット18が形成され、ガイド4が上方にスライドし、下方のシールD2が上記通孔19に対向した時スリット18と通孔19とを介してアキュムレータA側の油室8がリザーバ3に連通するようになっている。
上記のフロントフォークによれば、圧縮作動では、アウターチューブ1とダンパーシリンダ2が図上右行し、油室12が収縮し、ピストンロッド浸入体積分の作動油が圧側減衰バルブ16を介してアキュムレータAの油室8内に侵入することによって圧側減衰力を発生し、このとき弾性隔壁部材20が収縮する。
伸長作動時にはアウターチューブ1とダンパーシリンダ2とが図上左行し、この時油室12が拡大し、アキュムレータAの油室8からチェックバルブ15を介してピストンロッド退出分の作動油が油室12に供給され、このとき、弾性隔壁部材20は、気体室7の内圧で押圧されて膨張し、また、このとき、ピストンロッドに結合したピストンに設けた減衰バルブ(図示せず)により伸側減衰力を発生する。
リザーバRからダンパ11に作動油が浸入しない伸縮作動では弾性隔壁部材20の収縮、膨張によって、油室12側に生じるピストンロッド侵入体積分の油量変化が補償される。
しかし、リザーバRからダンパ11内に作動油が浸入し、ダンパ11内の作動油が増加すると圧縮作動時に油室8内の内圧が昇圧し、ガイド4に対する図中左方向の推力が大きくなってリターンスプリング10の抗力以上に達するとピストン部4Cを介してガイド4がキャップ6の中空部内周とダンパーシリンダ2の内周に沿ってスライドし、且つコネクティング5ロッドに沿って図上左行する。
このとき、シールD2が拡径部2aに対向する位置まで移動すると、図2に示すように、シールD2が外径方向に拡径し、シールD2の内周側の油路が開口してスリット18と通孔19を介してリザーバRに連通し、余剰の作動油がリザーバRに回収される。
即ち、リザーバRからダンパ11内に作動油が浸入して油室8内の作動油体量が増加していても、ガイド4のスライドにより余剰の作動油がリザーバ3側に排出されるので、油室8内の内圧上昇よってフロントフォークの圧縮作動抵抗が大きくなって乗心地を悪くすることが防止できる。
更に、上記図1,図3の実施形態では、上記のように、ガイド4に弾性隔壁部材20の内側気体室7とキャップ6内の気体室7とを連通する連通路23を形成しているが、当該連通路23の数,長さ,内径を絞り効果が出るように又は絞り効果が出ないように設定したり、更に、弾性隔壁部材20を剛性と重量が小さくなる材料で成形したり、キャップ6内の気体室7の容積を最圧縮時に零叉はほぼ零となる大きさに設定したり、バルブ26から供給する気体室7,9への供給量を調整することにより所望の減衰力をその都度調節することもできる。
A アキュムレータ
R リザーバ
1 アウターチューブ
2 ダンパーシリンダ
4 ガイド
5 コネクティングロッド
5 キャップ
8 油室
10 リターンスプリング
20 弾性隔壁部材
R リザーバ
1 アウターチューブ
2 ダンパーシリンダ
4 ガイド
5 コネクティングロッド
5 キャップ
8 油室
10 リターンスプリング
20 弾性隔壁部材
Claims (4)
- アウターチューブ内にダンパーシリンダを結合し、アウターチューブとダンパーシリンダ間にリザーバを設け、ダンパーシリンダ内にアキュムレータを設けている油圧緩衝器において、ダンパーシリンダの端部に中空部を備えたキャップを結合し、アキュムレータをキャップに結合したコネクティングロッドと、コネクティングロッド外周とダンパーシリンダの内周とに沿ってスライド自在に挿入したガイドと、ガイドの外側に固定した弾性隔壁部材と、弾性隔壁部材の内側とキャップの中空部内にそれぞれ画成され相互に連通する気体室と、弾性隔壁部材の外側に画成した油室とで構成し、又キャップとガイドとの間にリターンスプリングを介在し、更に上記リザーバと上記油室とを上記ガイドのスライドに伴って連通又は遮断させる通孔をダンパーシリンダに形成したことを特徴とする油圧緩衝器。
- ガイドの端部にピストン部を設け、ピストン部の外周にシールを設けながら当該ピストン部をダンパーシリンダの内周に摺接させている請求項1の油圧緩衝器。
- ガイド内周とコネクティングロッドの外周との間にシールを設けている請求項1又は2の油圧緩衝器。
- ガイドに弾性隔壁部材の内側気体室とキャップの中空部内の気体室とを連通する連通路を形成し、当該連通路の数,長さ,内径を絞り効果が出るように設定している請求項1,2又は3の油圧緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005015368A JP2006200694A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 油圧緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005015368A JP2006200694A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 油圧緩衝器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006200694A true JP2006200694A (ja) | 2006-08-03 |
Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005015368A Pending JP2006200694A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 油圧緩衝器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006200694A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010223387A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Hitachi Metals Techno Ltd | 油圧ダンパ |
-
2005
- 2005-01-24 JP JP2005015368A patent/JP2006200694A/ja active Pending
Cited By (1)
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JP2010223387A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Hitachi Metals Techno Ltd | 油圧ダンパ |
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