JP4881342B2 - 自動変速機の作動油圧制御装置及びそのフェールセーフ弁の故障判定方法 - Google Patents
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(F1+F2)>F4 …(2)
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このため、摩擦係合要素Aとは同時係合しない複数の摩擦係合要素の組み合わせである、摩擦係合要素B及びCのいずれもが非係合の場合(PB及びPCがともに零の場合)もしくは、いずれか一方が非係合の場合(PB若しくはPCが零の場合)には、スプール121は左方に押されて図16に示すような状態となる。この場合には、スプール121の溝部121aを介して油圧源105に連通する油路105aとソレノイドバルブ110に連通する油路117とが連通され、ソレノイドバルブ110の第1ポート113に油圧源105からの作動油圧PLが供給される。
さらに、前記油圧源と前記第2の摩擦係合要素との間に、前記フェールセーフ弁を介する第2の油路と、前記フェールセーフ弁を介さず且つ前記フェールセーフ弁の下流部で前記第2の油路に合流する第3の油路と、をそなえ、前記第2の油路と前記第3の油路との合流部に配置され、前記第3の油路を通じて前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第1の位置と、前記第2の油路を通じて前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第2の位置と、を有する切り替え弁をそなえると共に、前記切り替え弁を、前記フェールセーフ弁の正常時には前記第2の位置に、前記故障判定手段が前記フェールセーフ弁の故障を判定したら前記第1の位置に、切り替え操作する切り替え操作手段をそなえていることが好ましい(請求項3)。
図1〜図5は本発明の一実施形態に係る自動変速機の作動油圧制御装置を説明するもので、これらの図に基づいて説明する。
(自動変速機)
まず、本実施形態にかかる自動変速機について説明する。
ところで、コントローラ1内には、図2に示すように、各種の機能を有する手段(詳細は後述する)が複数設けられるとともに、変速マップ3も設けられている。
また、変速マップ3(詳細は図示略)に基づいて車速センサ13で検出される車速V及びスロットルセンサ30で検出されるスロットル開度θTHに応じた目標変速段が設定され、上述の第1〜第3クラッチ15,17,19及び第1,第2ブレーキ22,23等の摩擦係合要素が、各々に設定されたソレノイドバルブによって制御され、図3に示すような結合あるいは解放の組み合わせにより、自動的に各変速段が確立されるようになっている。なお、図3の○印が各クラッチあるいは各ブレーキの結合を示している。
(作動油圧制御装置)
ところで、上述の調圧弁(ソレノイドバルブ)は、図3に示すように、各変速段に応じて各摩擦係合要素15,17,19,22,23のうち摩擦係合要素のみを係合状態とする。しかしながら、前述のように、ソレノイドの作動不良や誤作動が発生すると、所定の変速段を達成すべき摩擦係合要素に加えて余分な摩擦係合要素も係合し、ギア列がインターロックしまうことがある。
図1は、そのフェールセーフ弁の一例として、ロークラッチ(第1クラッチ,L/C)15への作動油圧の供給を行なう油路(第1の油路)61に、その調圧弁(ソレノイドバルブ)43に対して装備されたフェールセーフ弁44及びこれに関連する油圧供給系統をコントローラ1の故障対応系統5と共に示すものである。
ここでは、マニュアルバルブ42を通じて、第1クラッチ15へ至る第1の油路61には、その上流側からフェールセーフ弁44,第1の調圧弁(ソレノイドバルブ)43が介装される。調圧弁43はソレノイド43aをそなえ、ソレノイド43aへの制御電流に応じた作動油圧を第1クラッチ15へ供給する。
この第3の油路63は第2の調圧弁46の下流で第2の油路62と合流しており、この第2の油路62と第3の油路63との合流部には、切り替え弁45が配設されている。この切り替え弁45は、第3の油路63を通じた第1ブレーキ22への作動油圧の供給を許容するが第2の油路62を通じた第1ブレーキ22への作動油圧の供給は遮断する第1の位置と、第2の油路62を通じた第1ブレーキ22への作動油圧の供給を許容するが第3の油路63を通じた第1ブレーキ22への作動油圧の供給は遮断する第2の位置とを有し、オンオフソレノイド45aによって、第1の位置と第2の位置とを切り替えられる。通常時には、切り替え弁45は、NからRへの変速過渡中のみ第1の位置(オンオフソレノイド45aはオン)に、R側への切り替えが完了後を含みNからRへの変速過渡中以外は第2の位置(オンオフソレノイド45aはオフ)に、それぞれ切り替えられる。
また、コントローラ1の故障対応系統5の機能要素内には、更に、オンオフソレノイド45aを制御して切り替え弁45を切り替え操作する切り替え操作手段(切り替え操作部)53をそなえている。この切り替え操作部53は、フェールセーフ弁44の正常時には、前述のように変速過渡中以外は切り替え弁45を第2の位置に設定するが、故障判定部61がフェールセーフ弁44の前記故障を判定したら変速過渡中でなくても切り替え弁45を第1の位置に設定する。
(フェールセーフ弁44の故障判定の原理)
図1に示すように構成される油圧回路において、各変速段設定時におけるバルブ系統の正常時及び故障時の作動油圧の供給状態を、図4〜図13を用いて説明する。
一方、バルブ系統に何らかの故障が生じる場合を考えると、図8〜図13に示す状態が想定される。
本発明の一実施形態にかかる自動変速機の作動油圧制御装置は上述のように構成されているので、例えば、図14,図15に示すように、フェールセーフ弁44の異常を検出することができる。
そして、N−Rセレクトが完了したか否かを判定する(ステップS50)。この判定は、入力軸回転数センサ12及び出力軸回転数センサ13からの情報からギア比を算出し、この算出値がリバースギア比であるか否かで判定することができる。この場合には、切り替え弁45及び第2の調圧弁46のソレノイド46aは正常であるものと判定できる。N−Rセレクトが完了したら、切り替え弁45のオンオフソレノイド45aをオンからオフ、即ち、切り替え弁45を第1位置から第2位置に切り替える(ステップS60)。
なお、リバースギア比の判定は、これ以降Rレンジが選択される限り繰り返し実施される。
したがって、ドライブモードの第3速から第4速への切り替え制御に関しては、図15に示すように、D3(ドライブモードの第3速)の条件下で(ステップSS10)、変速マップ3において、車速センサ13で検出される車速V及びスロットルセンサ30で検出されるスロットル開度θTHに応じた目標変速段が第3速から第4速へのシフトアップ線をよぎったか否かを判定し(ステップSS20)、次に、D4(ドライブモードの第4速)の使用が禁止されているか否かを判定する(ステップSS30)。もしも、ステップS100でD4の使用が禁止されていれば、D3に保持し、D4の使用が禁止されていなければ、D4に切り替える(ステップSS40)。
また、このようなフェールセーフ弁44の故障により、フェールセーフ弁44を介する第2の油路62を通じた第2の摩擦係合要素22への作動油供給ができなくなるが、この場合には、ライン圧が直接供給される第3の油路63を通じて第2の摩擦係合要素22への作動油供給がなされるので、第2の摩擦係合要素22を利用する変速段についても達成することが可能となる。
また、オンオフソレノイド45aがオンからオフに切り替わった後に、リバースギア比が正常か否かを判定しているので、第1ブレーキ22の解放状態を適切且つ正確に検知することができる。
(その他)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
また、例えば、故障判定のみなど、本実施形態を部分的に実施しても良い。
また、フェールセーフ弁44を切り替え作動させるためのクラッチの作動油圧として、H/C及び2−4/Bの作動油圧が同時に作用したときにだけ、Dレンジ圧の第1クラッチ15への供給を遮断する例について説明したが、本発明はこれだけには限定されない。
また、本実施形態では、油圧源と第1の摩擦係合要素との間で、上流側にフェールセーフ弁、下流側に第1の摩擦係合要索の調圧弁を配置した例について説明したが、上流側に調圧弁、下流側にフェールセーフ弁を配置したものでもよい。
3 変速マップ
4 摩擦係合要素制御手段(摩擦係合要素制御部)
7 自動変速機
10 タービンシャフト
11 油圧回路
12 入力軸回転数センサ(タービン軸回転数センサ)
13 出力軸回転数センサ(車速センサ)
14 油温センサ
15 摩擦係合要素としてのロークラッチ(第1クラッチ,L/C)
17 摩擦係合要素としてのハイクラッチ(第2クラッチ,H/C)
19 摩擦係合要素としてのリバースクラッチ(第3クラッチ,Rev/C)
22 摩擦係合要素としてのロー・リバースブレーキ(第1ブレーキ,L&R/B)
23 摩擦係合要素としての2−4ブレーキ(第2ブレーキ,24/B)
25 タービン
28 出力軸
30 スロットルセンサ
31 エアフローセンサ
32 エンジン回転数センサ
33 シフトポジションセンサ
40 油圧ポンプ
41 リザーバタンク
42 マニュアルバルブ
43 第1の調圧弁(ソレノイドバルブ)
43a ソレノイド
44 フェールセーフ弁
44a スプール弁
45 切り替え弁
45a オンオフソレノイド
46 第2の調圧弁(ソレノイドバルブ)
51 故障判定手段(故障判定部)
52 変速指示禁止手段(変速指示禁止部)
53 切り替え操作手段(切り替え操作部)
61 油路(第1の油路)
62 第2の油路
63 第3の油路
70,80 油路
Claims (6)
- 油圧源からの作動油圧の供給を受けて係合される複数の摩擦係合要素を有し、前記複数の摩擦係合要素の係合及び解放によって種々の変速段を達成できる自動変速機の作動油圧を制御する装置であって、
前記複数の摩擦係合要素のうちの第1の摩擦係合要素と前記油圧源との間の第1の油路中に配設されて、前記第1の摩擦係合要素の作動油圧を調圧する第1の調圧弁と、
前記第1の油路における前記油圧源と前記第1の摩擦係合要素との間に配設され、前記油圧源から前記第1の摩擦係合要素への作動油圧の供給を遮断する第1の位置と、前記油圧源から前記第1の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第2の位置とを有し、前記第1の摩擦係合要素とは同時係合しない前記複数の摩擦係合要素のうちの1又は複数の組み合わせからなる摩擦係合要素に前記油圧源から作動油圧が供給されると該作動油圧を受けて前記第1の位置とされ、前記1又は複数の組み合わせからなる摩擦係合要素に前記油圧源から作動油圧が供給されないと前記第2の位置とされるフェールセーフ弁と、をそなえ、
前記フェールセーフ弁は、前記第1の位置では前記油圧源から第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容し、前記第2の位置では前記油圧源から前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を遮断するように構成され、
前記第2の摩擦係合要素が係合すべき変速段設定時に、前記第2の摩擦係合要素の解放状態を検出したら前記フェールセーフ弁が前記第2の位置でスティックした故障状態であると判定する故障判定手段をそなえている
ことを特徴とする、自動変速機の作動油圧制御装置。 - 前記故障判定手段が前記フェールセーフ弁の前記故障を判定したら、前記第1の摩擦係合要素を解放して達成する変速段への指示を禁止する変速指示禁止手段を更にそなえている
ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 前記油圧源と前記第2の摩擦係合要素との間に、前記フェールセーフ弁を介する第2の油路と、前記フェールセーフ弁を介さず且つ前記フェールセーフ弁の下流部で前記第2の油路に合流する第3の油路と、をそなえ、
前記第2の油路と前記第3の油路との合流部に配置され、前記第3の油路を通じて前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第1の位置と、前記第2の油路を通じて前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第2の位置と、を有する切り替え弁をそなえると共に、
前記切り替え弁を、前記フェールセーフ弁の正常時には前記第2の位置に、前記故障判定手段が前記フェールセーフ弁の故障を判定したら前記第1の位置に、切り替え操作する切り替え操作手段をそなえている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 前記第3の油路には、前記第2の摩擦係合要素の作動油圧を調圧する第2の調圧弁が介装され、
前記切り替え操作手段は、前記第2の摩擦係合要素を係合する変速段への変速過渡中には、前記切り替え弁を前記第1の位置に切り替えて前記第2の調圧弁により調圧された作動油圧を前記第2の摩擦係合要素に供給し、前記変速段への変速完了後には前記切り替え弁を前記第2の位置に切り替えるように切り替え操作し、
前記故障判定手段は、前記変速段への変速に伴う前記切り替え弁の切り替え後に前記フェールセーフ弁の故障を判定する
ことを特徴とする、請求項3記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 前記第1の摩擦係合要素は車両の前進変速段にかかる摩擦係合要素であって、
前記第2の摩擦係合要素は車両の後進変速段にかかる摩擦係合要素であって、
前記フェールセーフ弁には、シフトレバーに連動するマニュアル弁を介したライン圧であって前記シフトレバーが前記前進変速段を選択中に発生するドライブレンジ圧が第2の位置に向けて加えられ、第1の位置に向けて前記1又は複数の組み合わせからなる摩擦係合要素への作動油圧とスプリング付勢力が加えられる
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 油圧源からの作動油圧の供給を受けて係合される複数の摩擦係合要素を有し、前記複数の摩擦係合要素の係合及び解放によって種々の変速段を達成できる自動変速機の作動油圧を制御する装置であって、
前記複数の摩擦係合要素のうちの第1の摩擦係合要素と前記油圧源との間の第1の油路中に配設されて、前記第1の摩擦係合要素の作動油圧を調圧する第1の調圧弁と、
前記第1の油路における前記油圧源と前記第1の摩擦係合要素との間に配設され、前記油圧源から前記第1の摩擦係合要素への作動油圧の供給を遮断する第1の位置と、前記油圧源から前記第1の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容する第2の位置とを有し、前記第1の摩擦係合要素とは同時係合しない前記複数の摩擦係合要素のうちの1又は複数の組み合わせからなる摩擦係合要素に前記油圧源から作動油圧が供給されると該作動油圧を受けて前記第1の位置とされ、前記1又は複数の組み合わせからなる摩擦係合要素に前記油圧源から作動油圧が供給されないと前記第2の位置とされるフェールセーフ弁と、をそなえ、
前記フェールセーフ弁は、前記第1の位置では前記油圧源から前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を許容し、前記第2の位置では前記油圧源から前記第2の摩擦係合要素への作動油圧の供給を遮断するように構成された、自動変速機の作動油圧制御装置において、前記フェールセーフ弁の故障を判定する方法であって、
前記第2の摩擦係合要素が係合すべき変速段設定時に、前記第2の摩擦係合要素の解放状態にあるか否かを検出する検出ステップと、
前記第2の摩擦係合要素の解放状態を検出したら前記フェールセーフ弁が前記第2の位置でスティックした故障状態であると判定する故障判定ステップとをそなえている
ことを特徴とする、自動変速機の作動油圧制御装置のフェールセーフ弁の故障判定方法。
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