JP4876488B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、バルブ要素に不具合が生じたときにも安全性を確保することができる自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来の自動変速機(AT)においては、一般に、補助変速装置としてプラネタリギヤユニットおよび油圧駆動式の摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)が組み込まれており、摩擦係合要素の係合状態を制御することによって該プラネタリギヤユニットのギヤ比を制御している。摩擦係合要素はプラネタリギヤユニットに複数配設されており、各摩擦係合要素は配設位置やギヤ比に応じて伝達トルクが異なる。
特に、1速段と後進時に共用するブレーキは、多板ブレーキとピストンで構成され、1つのピストンに対して2つの油圧室を有するものがある(例えば、特許文献1の多板ブレーキ78とピストン82、特許文献2の多板ブレーキ53とピストン、特許文献3の中の従来技術として記載されているZFのZF6H500、特許文献4のピストン61とブレーキ)。
ここで、一般に、1速段では図19に示す関係が成立し、1速段のブレーキの負荷トルクTは、以下の式によって計算することができる。なお、図19において、縦軸は入力軸の回転数に対する回転比を示し、横軸は入力トルクに対するトルク比を示している。また、Tは入力トルクを示し、Tは出力トルクを示し、i1stは1速段ギヤ比を示している。
[数1]
=T−T=(i1st−1)T
また、後進段では図20に示す関係が成立し、後進段のブレーキの負荷トルクT´は、以下の式によって計算することができる。なお、図20において、縦軸は入力軸の回転数に対する回転比を示し、横軸は入力トルクに対するトルク比を示している。また、Tは入力トルクを示し、Tは出力トルクを示し、irevは後進段ギヤ比を示している。
[数2]
´=T−T=−(irev+1)T
上記式より、1速段のブレーキの負荷トルクTは1速段ギヤ比i1stから1を引いた値に入力トルクTを乗じた値となり、後進段のブレーキの負荷トルクT´は1速段のブレーキの負荷トルクTとは反対方向であって後進段ギヤ比irevから1を加えた値に入力トルクTを乗じた値となる。
一般に、3〜4段自動変速機では、1速段ギヤ比が2.5〜2.8程度であり、後進段ギヤ比が1.8〜2.5程度であり、1速段の負荷トルクは(1.5〜1.8)×(入力トルク)であり、後進段の負荷トルクは(2.8〜3.5)×(入力トルク)であり、(後進段の負荷トルク)/(1速段の負荷トルク)の負荷比は1.87〜1.94程度となる。そのため、ドライブレンジにある時の油圧が1000kpa以下であるのに対してリバースレンジのときの油圧がその約2倍として容量バランスを保ち、ブレーキピストンの油圧室を1つで構成することが多い。
ところが、多段比を進めて5段以上の自動変速機になると、1速段ギヤ比が3〜4程度となり、後進段ギヤ比が3〜5程度となり、(後進段の負荷トルク)/(1速段の負荷トルク)の負荷比が2を大きく越えてしまう。つまり、5段以上のATでのODギヤ比(オーバドライブギヤ比)は、4段ATでのODギヤ比が0.60〜0.7程度に対して0.7〜0.8程度となるために、後進段ギヤ比が(入力回転を減速、すなわち入力トルクを増大させ後進段ギヤ比値を3〜4段ATに比較して大きい)3〜5となり、(後進段の負荷トルク)/(1速段の負荷トルク)の負荷比が2を大きく越えてしまい、リバースレンジにある時の油圧が2000kpaを越える設定にする必要がでてくる。2000kpaを越えると、自動変速機の内蔵部品の耐久性やオイルポンプの圧力損失が増大するため、油圧比のみで対応できなくなる。そこで、多板ブレーキの枚数を最適にし、ピストンの受圧面積を増加することになる。
しかしながら、リバース時において、ピストンの受圧面積を最適な面積にすると、1速段時には過容量となり、ピストンの応答性が悪化するため、特許文献1〜4に記載のブレーキのように1つのピストンで油圧室を2つに構成することが、5段AT以上では実施される傾向にある。
油圧回路を見ると、特許文献1に記載の油圧回路では、1速段用O.W.C(ワンウェイクラッチ)があるため、Dレンジでは油室84、86の油圧が排出され、Lレンジ(コースト時)では減圧バルブ(290)にて減圧された油圧を油室84に供給し、Rレンジでは油室84、86の両方にR圧(Rレンジのときのライン圧)を供給している。
特許文献3に記載の油圧回路では、1速段用O.W.Cがないため、Dレンジ、LレンジともBINの油室の油圧が排出され、BOUTの油室はB3トリマーVを経由して所定時間アキュムレータ効果を持たせた後、ライン圧にしている。
特許文献5に記載の油圧回路では、1速段と後進段の兼用ブレーキではないが、主変速機とカウンタ軸上に副変速機にて構成されるFF5ATの副変速機の1速、3速、後退速にて係合する減速ブレーキが示されている。油圧回路的には、Dレンジ、Lレンジとも1速段では受圧面積の大きな第1油圧室341の油圧が排出され、受圧面積の小さな第2油圧室342には第2リニヤソレノイドバルブ102の制御圧に応じて減速ブレーキ用コントロールバルブ102にて調圧された油圧を供給し、Rレンジでは第1油圧室に直接ライン圧を供給し第2油圧室に同様に調圧された油圧を供給する。
特許文献6に記載の油圧回路でも、1速段と後進段兼用のブレーキではなく、自動変速機の後部にセンターディファレンシャル装置を配置したトランスファ部の油圧制御のクラッチではあるが、ベアリングを介することによってピストン構成はブレーキと同じく静止型油圧シリンダ構造であり、油圧回路は変速ショック等を低減するために、アキュムレータで所定時間だけ油圧を低く制御される第1クラッチ油圧室と第1クラッチ圧の大小によって、油圧切替制御弁を制御して油圧を増減する第2クラッチ圧油室の構成となっている。
ところで、エンジンブレーキを必要とする場合に係合される摩擦係合要素のトルク容量は、エンジン駆動時に係合させる摩擦係合要素のトルク容量に対して小さいため、駆動時と同様の高い油圧を供給すると、シフト時に摩擦係合要素の係合によって生じるシフトショックが大きくなる。
そのため、特許文献5に記載の油圧回路では、主変速機のローリバースブレーキ(1ピストン1油室)にてDレンジではO.W.Cが作動するので油圧を排出し、Lレンジ(コースト時)には、第1リニヤソレノイドバルブ80の制御圧に応じてローリバースブレーキ用コントロールバルブ78にて調圧された油圧を供給し、Rレンジでは、R圧にてローリバースブレーキ用コントロールバルブ78の調圧を阻止し、R圧がローリバースブレーキ用コントロールバルブ経由で直接供給されるように工夫されている。
同様な単一面積ピストンで低速駆動では低い圧力、逆方向運転では高い圧を供給するものが特許文献7にて開示されている。
米国特許第3752009号明細書 米国特許第4944193号公報 特開平2−282052号公報 特開2000−329828号公報 特許第3076446号明細書 特開平7−167160号公報 特開昭50−55755号公報 特許第2925505号明細書
しかしながら、特許文献1〜7に記載の油圧回路は、近年の電磁弁等で係合要素を直接制御するクラッチツウクラッチを前提として考案されたものではないので、クラッチツウクラッチにそのまま適用するには問題がある。
本発明の主な課題は、クラッチツウクラッチに適した油圧回路を有する自動変速機の油圧制御装置を提供することである。
ここで、クラッチツウクラッチに適した油圧回路として、以下のような構成にすることが考えられる。
例えば、1速段用のO.W.Cを配置する自動変速機では、コースト時に低トルク容量かつリバース時に高トルク容量が必要であり、Dレンジの変速は考慮する必要がないので、第1油圧室では前進時に油圧を排出し、後進時には直接ライン圧を供給し、第2油圧室はON/OFFソレノイドにて切換えることによって、コントロールバルブを、調圧モードではコーストにし、直圧モードではリバースにする構成等が従来に近い油圧回路として考えられる(第1案)。
また、1速段用のO.W.Cを廃止する場合には、特許文献3のトリマーV(大容量アキュムレータ)の代用として電磁弁、もしくは電磁弁とコントロールバルブの組み合わせにすることが考えられる。すなわち、第1油圧室は前進時には油圧を排出し、後進時には直接ライン圧を供給し、第2油圧室は前、後進ともに直接電磁弁の出力圧を供給する油圧回路が考えられる(第2案)。
また、一般にリニヤソレノイドタイプでは、電流に比例して油圧が制御されるため、制御範囲が終了した後、ライン圧を最大値にすることができないので、切換弁を設けて制御終了付近でライン圧と油路を切換える必要がある。後進時のリニヤ出力の最大値ではトルク容量を確保できない場合は、切換弁(ライン圧ロックバルブ)も配置する構成の油路回路が特許文献1〜7から考えられる(第3案)。
しかしながら、第1案および第2案の油圧回路では、コースト制御用のコントロールバルブ(調節弁)がOFF(低圧)故障した場合に、下り坂でエンジンブレーキが働かず、高速段にしたとしても十分なエンジンブレーキが働かないと、安全性が低下する。また、下り坂ではフットブレーキを多用するため、商用トラックなどの積載量が大きい自動変速機では、運転者の疲労感を増大させるばかりか、ブレーキのメンテナンス費用が増大するおそれがある。
第3案の油圧回路の場合も、後進時のトルク容量確保のためのライン圧ロックバルブがOFF(低圧)に切換えられたままスティックすると同様の問題が生ずる。
そこで、バルブ要素に不具合が生じたときにも安全性を確保すべく、以下のような手段を発明した。
本発明の第1の視点においては、前進段と後進段で係合可能な係合要素を係脱させるピストンに対して第1油圧室および第2油圧室の2つの油圧室が配設され、前記第1油圧室および前記第2油圧室のそれぞれ独立に油路を有する自動変速機の油圧制御装置であって、オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第1の制御バルブと、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときにマニュアルバルブのDポート又はRポートからのライン圧を出力するとともに、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときに油圧を排出する第1の切換バルブと、第1シフト状態のときに前記第1油圧室と前記第1の制御バルブを連通させ、かつ、前記第2油圧室と前記第1の切換バルブを連通させるとともに、第2シフト状態のときに前記第1油圧室および前記第2油圧室と前記マニュアルバルブのRポートを連通させる第2の切換バルブと、前記第2の切換バルブからの油圧が導入されるとともに、導入された油圧を調整して前記第1油圧室に供給する第2の制御バルブと、前記第1の制御バルブおよび前記第2の切換バルブを制御する電子制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の視点においては、前進段と後進段で係合可能な係合要素を係脱させるピストンに対して第1油圧室および第2油圧室の2つの油圧室が配設され、前記第1油圧室および前記第2油圧室のそれぞれ独立に油路を有する自動変速機の油圧制御装置であって、オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第1の制御バルブと、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときにマニュアルバルブのDポート又はRポートからのライン圧を出力するとともに、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときに油圧を排出する第1の切換バルブと、第1シフト状態のときに前記第1油圧室と前記第1の制御バルブを連通させ、かつ、前記第2油圧室と前記第1の切換バルブを連通させるとともに、第2シフト状態のときに前記第1油圧室および前記第2油圧室と前記マニュアルバルブのRポートを連通させる第2の切換バルブと、前記第2の切換バルブからの油圧が導入されるとともに、導入された油圧を調整して前記第1油圧室に供給する第2の制御バルブと、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満のときに前記マニュアルバルブのDポートからのライン圧が前記第1の切換バルブを介して導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第3の制御バルブと、前記第1の制御バルブおよび前記第2の切換バルブを制御する電子制御部と、を備え、前記第1の切換バルブは、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときにマニュアルバルブのDポートからのライン圧を前記第3の制御バルブに向けて出力し、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときに前記第3の制御バルブに供給されていた油圧を排出することを特徴とする。
本発明の前記自動変速機の油圧制御装置において、前記第1の切換バルブから前記第3の制御バルブに通ずる油路の油圧を検出する油圧スイッチを備えることが好ましい。
本発明の前記自動変速機の油圧制御装置において、前記電子制御部は、前記第2の切換バルブにてシフト状態を切り換えることにより、前記第1油圧室に対して、後進時は前記マニュアルバルブのRポートからのライン圧を前記第2の制御バルブを経由して供給し、前進時は前記第1の制御バルブからの出力圧を前記第2の制御バルブを経由して供給するように制御し、前記第2油圧室に対して、後進時は前記マニュアルバルブのRポートからのライン圧を供給し、前進時は前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上のときに前記第1の切換バルブからのライン圧を供給するように制御することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の油圧制御装置において、前記第2の制御バルブは、ソレノイドバルブからの出力圧、及び、前記マニュアルバルブのレンジに応じて生成したレンジ信号圧の一方又は両方に基づいて、前記第2の切換バルブからの油圧を調圧して出力する調圧モードと、前記第2の切換バルブからの油圧を調圧しないで出力する直圧モードと、に切換え可能であることが好ましい。
本発明(請求項1−5)によれば、前進コースト時はブレーキコントロールバルブにて調圧された圧(正常時)を第1油圧室に作用させるとともに、エンジンブレーキをさらに広範囲で制御する場合はリニヤソレノイドバルブの出力圧を第1油圧室に作用させることができ、かつ、第2油圧室をトルク容量不足や故障時の予備として使用可能にすることができる。
本発明(請求項1−5)によれば、後進時は、コースト時の制御方法とは別に、第1油圧室はブレーキコントロールバルブ圧もしくはR圧となり、かつ、第2油圧室はR圧となり、N→Rなどの低圧制御やストール時の高トルク容量を確保できる。
本発明(請求項1−5)によれば、1速段用ワンウェイクラッチ(O.W.C)を廃止する場合に、Lレンジと同様に低圧制御が必要な場合や、スロットルを踏み込ませる急発進やストールする場合にも、高トルク容量を確保することができる。
本発明(請求項1−5)によれば、リニヤソレノイドバルブがOFF(低圧)故障した場合でも、前進時に少なくとも低速走行は可能となり、後進時の走行も可能である。なお、1つのピストンに対して1つの油圧室を有するタイプの自動変速機で直圧制御を実施し、O.W.Cを廃止する場合、DレンジとRレンジにて同一電磁弁をそのまま配置するのが一般的であり、電磁弁がOFF(低圧)故障した場合、前進時は高速段にシフトして走行可能であるが、後進時は走行不能となり、このようなタイプの自動変速機を商用の自動変速機に適用するのは実用上好ましくない。
本発明(請求項)によれば、第1の切換バルブにアプライリレーバルブ機能を追加することにより、バルブ本数を低減することができ、コストの低減が図れる。
本発明(請求項)によれば、1つの油圧スイッチにより第1の制御バルブ、第2のバルブ、および第3の制御バルブの3つのバルブ要素の作動が確認できるので、油圧スイッチの個数を低減することができ、インターロックに対するフェールセーフを向上できる。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の全体構成を示した概略図である。
自動変速機の油圧制御装置は、自動変速機1と、油圧制御部3と、電子制御部4と、を備える。自動変速機1は、エンジン2の出力軸(図示せず)に接続されている。油圧制御部3は、自動変速機1の内部に組み込まれた油圧駆動式の摩擦係合要素(図2のC1、C2、C3、B1、B2、LU)への油圧を供給制御する。電子制御部4は、油圧制御部3内に備えられたソレノイドバルブ(図5の50、82)、シフトバルブ(図5の70)を駆動制御する。
電子制御部4は、マイクロコンピュータを備えており、エンジン回転数センサ(Neセンサ)41、入力軸回転数センサ(Ntセンサ)42、出力軸回転数センサ(Noセンサ)43、開度センサ(θセンサ)44、及びポジションセンサ45のそれぞれと接続されている。エンジン回転数センサ(Neセンサ)41は、エンジン2の出力軸(図示せず)の回転数Neを検出する。入力軸回転数センサ(Ntセンサ)42は、自動変速機1の入力軸(図2の11)の回転数Nt(タービン回転数)を検出する。出力軸回転数センサ(Noセンサ)43は、自動変速機1の出力軸(図2の12)の回転数(当該車両の車速に相当する)Noを検出する。開度センサ(θセンサ)44は、エンジン2のスロットル開度(エンジン負荷に相当する)θを検出する。ポジションセンサ45は、運転者の操作によるセレクターレバー(図示せず)のポジション(走行レンジ)を検出する。電子制御部4は、センサ41〜45の出力データ又は信号、シフトパターンを含むデータに基づいて、リニヤソレノイドバルブ(図5の50、82)、シフトバルブ(図5の70)への通電を制御する。これにより、シフトパターンのいずれかが選択されて、当該シフトパターンで選択可能な所要の変速段(図3参照)を達成する。
図2は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機のスケルトン図である。
自動変速機(図1の1)は、トルクコンバータ10と、入力軸11と、出力軸12と、第1列ダブルピニオンプラネタリギヤG1と、第2列シングルピニオンプラネタリギヤG2と、第3列シングルピニオンプラネタリギヤG3と、を備える。トルクコンバータ10は、エンジン(図1の2)の出力軸(図示せず)に連結されている。また、トルクコンバータ10は、流体の滑りによる動力伝達ロスを避けるため、その入力側のポンプインペラ10bと出力側のタービンランナ10aとを両者の回転差が小さいときに直結して動力を伝達するロックアップクラッチLUを備えている。入力軸11は、トルクコンバータ10の出力軸である。出力軸12は、差動装置(図示せず)を介して車軸(図示せず)に連結される。第1列ダブルピニオンプラネタリギヤG1、第2列シングルピニオンプラネタリギヤG2、及び第3列のシングルピニオンプラネタリギヤG3は、入力軸11と連結されている。自動変速機(図1の1)には、複数(6つ)の摩擦係合要素として、第1摩擦クラッチC1と、第2摩擦クラッチC2と、第3摩擦クラッチC3と、第1摩擦ブレーキB1と、第2摩擦ブレーキB2と、ロックアップクラッチLUと、が組み込まれている。自動変速機(図1の1)は、油圧制御部(図1の3)及び電子制御部(図1の4)により、第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合が選択されることでその変速段及びシフトパターンが切替えられるようになっている。ロックアップクラッチLUは、油圧制御部(図1の3)及び電子制御部(図1の4)の制御により、前進段であってポンプインペラ10bとタービンランナ10aとの回転差が小さいときに係合する。なお、第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2、並びにロックアップクラッチLUは、それぞれ油圧制御部3により高圧に設定されることで係合状態とされ、低圧に設定されることで非係合状態とされる。
図3は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合と、その対応する変速段との関係を示す一覧図である。
自動変速機(図1の1)は、リバースと、ニュートラルと、1速から4速のアンダードライブと、5速及び6速のオーバードライブとを有する前進6段後進1段の変速段を達成可能な変速機である。すなわち、第3摩擦クラッチC3及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、入力軸(図2の11)に対して出力軸(図2の12)の回転を逆転させて車両をリバース走行させるようになっている。また、第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると、ニュートラルとなる。また、第1摩擦クラッチC1及び第2摩擦ブレーキB2のみが係合されると1速になる。第1摩擦クラッチC1及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると2速になる。第1及び第3摩擦クラッチC1、C3のみが係合されると3速になる。第1及び第2摩擦クラッチC1、C2のみが係合されると4速になる。第2及び第3摩擦クラッチC2、C3のみが係合されると5速になる。第2摩擦クラッチC2及び第1摩擦ブレーキB1のみが係合されると6速になる。なお、図3において、運転者による手動レバー(図示せず)の操作によって選択される走行レンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)と変速段との基本的な関係についても併せ示している。
図4は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
シリンダ20は、ケース21に結合されている。ピストン22は、シリンダ20に対して摺動可能に嵌合されている。シリンダ20は、仕切部20aを有し、シリンダ20とピストン22との間には、この仕切部20aにより仕切られた第1油圧室23と第2油圧室24が形成されている。第1油圧室23は、仕切部20aよりも半径方向内周側に配されている。第2油圧室24は、仕切部20aよりも半径方向外周側に配されている。ケース21には、作動油の第1油路25および第2油路26が設けられている。第1油路25は、第1油圧室23に通じている。第2油路26は、第2油圧室24に通じている。ケース21の先端部21aには、バネ座27が固定されている。バネ座27と対向する位置には、ピストン22に着座したバネ座28が配されている。バネ座27とバネ座28との間には、コイルスプリングで形成されたリターンスプリング29が介在している。リターンスプリング29は、ピストン22を油圧室23、24側に常時付勢している。そのため、第1油圧室23および第2油圧室24に作動油圧が供給されない状態では、ピストン22は、シリンダ20の側壁部20bに当接した位置にある。ピストン22に取り付けられたシールリング30、31、および仕切部20aに取り付けられたシールリング32は、第1油圧室23および第2油圧室24のシール状態を確保し、作動油圧が他へ漏れるのを防止している。
摩擦係合装置33は、多板形式で形成され、摩擦材34とディスクプレート35が交互に配設されている。各摩擦材34は、内周部において回転伝達部材36の取付部材37に爪結合により回転方向には一体であるが軸方向には移動可能に取り付けられている。各ディスクプレート35は、外周部においてシリンダ20の外周壁部20cに爪結合により回転方向には一体であるが軸方向には移動可能に取り付けられている。摩擦係合装置33は、シリンダ20の外周壁部20cに取り付けられたスナップリング38により止められていて、抜け出すのが防止されている。また、摩擦係合装置33とピストン22の間にはディスクスプリング39が配設されている。摩擦係合装置33は、ピストン22により押圧作動され、ディスクプレート35と摩擦材34との間に摩擦力が生じると、摩擦係合状態となり、ケース21と回転伝達部材36とを固定状態とする。そして、摩擦係合装置33は、ピストン22が戻されることにより、摩擦係合状態が解除され、ケース21と回転伝達部材36とは遮断され非係合となる。
図5は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2に係る油圧制御部を模式的に示した部分油圧回路図である。
第2摩擦ブレーキB2に係る油圧制御部は、リニヤソレノイドバルブ50と、ライン圧ロックバルブ60と、シフトバルブ70と、ブレーキコントロールバルブ80と、を有する。なお、図5のような油圧制御装置は、第2摩擦ブレーキB2以外にも第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1摩擦ブレーキB1に適用してもよい。
リニヤソレノイドバルブ50は、第1ポート50aから入力されたライン圧PLを利用して通電電流に応じた調整圧を第2ポート50bから出力するバルブである。リニヤソレノイドバルブ50は、断線時に第1ポート50aから入力されたライン圧PLを第2ポート50bから出力するノーマルハイ型のバルブである。リニヤソレノイドバルブ50は、オイルポンプ(図示せず)からの吐出圧に基づいて生成したライン圧PLが入力される第1ポート50aを有する。リニヤソレノイドバルブ50は、ライン圧ロックバルブ60の第1ポート60aを通じてバネ室に通ずるとともに、シフトバルブ70の第1ポート70aに通じ、かつ、ブリードオリフィスを介して第3ポート50cに通ずる第2ポート50bを有する。
ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧が所定圧以上になったときに、第2ポート60bと連通されるポートを第4ポート60dから第3ポート60cにするバルブである。ライン圧ロックバルブ60は、バルブ本体62を図5の上側に付勢するバネ61を収容する。ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧を、バネ61が収容されたバネ室に入力するための第1ポート60aを有する。ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧が所定圧以上になって、バルブ本体62が図5の上側に押し上げられたときに、第2ポート60bと連通する第3ポート60cを有する。ライン圧ロックバルブ60は、ブリードオリフィスを介して第5ポート60eから油圧室63にD圧又はR圧が導入されている状態であって、第2ポート50bからの油圧が所定圧より小さく、バルブ本体62が図5の下側に押し下げられたときに、第2ポート60bと連通する第4ポート60dを有する。第2ポート60bは、シフトバルブ70の第3ポート70cに通ずるポートである。第3ポート60cは、手動レバー(マニュアルレバー;図示せず)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切替えを行うマニュアルバルブ(図示せず)がDレンジ又はRレンジのときに、当該マニュアルバルブから出力されたD圧又はR圧が入力されるポートである。第4ポート60dは、大気圧EXに通ずる排出ポートである。なお、D圧は、DレンジのときにマニュアルバルブのDポートから出力されたライン圧であり、Rレンジのときは大気圧EXとなる。また、R圧は、RレンジのときにマニュアルバルブのRポートから出力されたライン圧であり、Dレンジのときは大気圧EXとなる。
シフトバルブ70は、バルブ本体の位置に応じてリニヤソレノイドバルブ50、R圧、又はライン圧ロックバルブ60とブレーキコントロールバルブ80又は第2油圧室24との間の油路を切替えるバルブである。シフトバルブ70は、リニヤソレノイドバルブ50の第1ポート50aからの調整圧が入力される第1ポート70aを有する。シフトバルブ70は、マニュアルバルブ(図示せず)から出力されたR圧が入力される第2ポート70bを有する。シフトバルブ70は、ライン圧ロックバルブ60の第2ポート60bと通ずる第3ポート70cを有する。シフトバルブ70は、ブレーキコントロールバルブ80の第2ポート80bと通ずる第4ポート70dを有する。シフトバルブ70は、第2油圧室24と通ずる第5ポート70eを有する。シフトバルブ70は、第1シフト状態のときに、第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させ、第2ポート70bを閉鎖する。シフトバルブ70は、第2シフト状態のときに、第2ポート70bと第4ポート70dおよび第5ポート70eを連通させ、第1ポート70aおよび第3ポート70cを閉鎖する。
ブレーキコントロールバルブ80は、第1油圧室23に供給する油圧を調整するバルブである。ブレーキコントロールバルブ80は、バルブ本体82を図5の右側に付勢するバネ81を収容する。ブレーキコントロールバルブ80は、バネ81が収容されたバネ室に、第4ポート80dから導入されるソレノイドバルブ83からの油圧が供給されていない場合は、調圧バルブとして働き、第3ポート80cから供給された油圧を減圧して、第5ポート80eから減圧された油圧を出力する調圧モードになる。このとき、バネ室とは別にバネスペースを増減できるように、第1ポート80aから導入されるレンジ信号圧(L圧、D圧、R圧にて必要な信号圧を作ったもの)にてバネ81の荷重を増減することによって減圧される油圧を増減することができる。一方、ブレーキコントロールバルブ80は、バネ81が収容されたバネ室に、第4ポート80dから導入されるソレノイドバルブ83からの油圧が供給されている場合は、バルブ本体82を強制的に切り換えることで、第3ポート80cから供給された油圧を第1油圧室23に連通させる直圧モードになる。第2ポート80bは、大気圧EXに通ずる排出ポートである。第3ポート80cは、シフトバルブ70の第4ポート70dに通ずる。第5ポート80eは、第1油圧室23および第6ポート80fに通ずる。
なお、図5では、第1油圧室23と第5ポート80eが接続され、かつ、第2油圧室24と第5ポート70eが接続された構成となっているが、第1油圧室23と第2油圧室24を入れ替えた構成、すなわち、第2油圧室24と第5ポート80eが接続され、かつ、第1油圧室23と第5ポート70eが接続された構成にしてもよい。
次に、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の動作について図面を用いて説明する。図6〜17は、本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の動作を説明するための部分油圧回路図である。
(状態1)
図6を参照すると、状態1は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧未満であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図6の下側に移動したままで作動せず、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図6の右側に移動した直圧モードである。そのため、第1油圧室23にはシフトバルブ70およびブレーキコントロールバルブ80を介してリニヤソレノイドバルブ50の出力圧が流入し、第2油圧室24の油圧はシフトバルブ70を介してライン圧ロックバルブ60の第4ポート60d(EX)から排出されている状態である。状態1によれば、マニュアルバルブをニュートラル位置からドライブ位置に切替えるガレージ変速N→D時のガレージショックを第2摩擦ブレーキB2にて低減したり、N制御時のヒルホールド制御等に使うことができる。
(状態2)
図7を参照すると、状態2は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧以上であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図7の上側に移動し、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図7の右側に移動した直圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧はシフトバルブ70およびブレーキコントロールバルブ80を介してリニヤソレノイドバルブ50が出力する最大値まで上昇し、第2油圧室24にはライン圧ロックバルブ60およびシフトバルブ70を介してD圧が供給されている状態である。状態2によれば、前進時または発進時やストール時にトルク容量を確保できる。
(状態3)
図8を参照すると、状態3は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧未満であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図8の下側に移動したままで作動せず、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80は減圧された油圧を出力する調圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧は、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧を供給元圧として、ブレーキコントロールバルブ80にて一定圧に減圧される。このとき、ソレノイドバルブ83でブレーキコントロールバルブ80のバルブ本体82の位置を可変できる。第2油圧室24の油圧は、シフトバルブ70を介してライン圧ロックバルブ60の第4ポート60d(EX)から排出されている状態である。状態3によれば、コースト制御として使うことができる。
(状態4)
図9を参照すると、状態4は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧以上であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図9の上側に移動し、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80は減圧された油圧を出力する調圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧は、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧を供給元圧として、ブレーキコントロールバルブ80にて一定圧に減圧される。このとき、ソレノイドバルブ83でブレーキコントロールバルブ80のバルブ本体82の位置を可変できる。第2油圧室24にはライン圧ロックバルブ60およびシフトバルブ70を介してD圧が供給されている。状態4によれば、コースト制御から急踏み込みによる駆動時にトルク容量をすばやく確保するように使うことができる。
(状態5)
図10を参照すると、状態5は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧未満であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図10の下側に移動したままで作動せず、シフトバルブ70は第2ポート70bと第4ポート70dおよび第5ポート70eを連通させた第2シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図10の右側に移動した直圧モードである。ここでは、第2油圧室24がシフトバルブ70を介してR圧油路に連通し、第1油圧室23がブレーキコントロールバルブ80およびシフトバルブ70を介してR圧油路に連通するので、リニヤソレノイドバルブ50、ライン圧ロックバルブ60の動作に関係なく、第1油圧室23および第2油圧室24の油圧が排出される。なお、R圧油路は前進時にはマニュアルバルブ(図示せず)にて大気圧(EX)と連通した状態にある。状態5によれば、フェール時等でブレーキ油圧を急速に排出したい場合に使うことができる。
(状態6)
図11を参照すると、状態6は、前進時であり、D圧=ライン圧、R圧=0、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧以上であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図11の上側に移動し、シフトバルブ70は第2ポート70bと第4ポート70dおよび第5ポート70eを連通させた第2シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図11の右側に移動した直圧モードである。ここでは、状態5と同様、第2油圧室24がシフトバルブ70を介してR圧油路に連通し、第1油圧室23がブレーキコントロールバルブ80およびシフトバルブ70を介してR圧油路に連通するので、リニヤソレノイドバルブ50、ライン圧ロックバルブ60の動作に関係なく、第1油圧室23および第2油圧室24の油圧が排出される。なお、R圧油路は前進時にはマニュアルバルブ(図示せず)にて大気圧(EX)と連通した状態にある。状態6によれば、フェール時等でブレーキ油圧を急速に排出したい場合に使うことができる。
(状態7)
図12を参照すると、状態7は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧未満であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図12の下側に移動したままで作動せず、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図12の右側に移動した直圧モードである。そのため、第1油圧室23にはシフトバルブ70およびブレーキコントロールバルブ80を介してリニヤソレノイドバルブ50の出力圧が流入し、第2油圧室24の油圧はシフトバルブ70を介してライン圧ロックバルブ60の第4ポート60d(EX)から排出されている状態である。状態7は、通常は使わないが、ブレーキ圧を精度良く制御したい場合に使うことができる。
(状態8)
図13を参照すると、状態8は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧以上であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図13の上側に移動し、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図13の右側に移動した直圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧はシフトバルブ70およびブレーキコントロールバルブ80を介してリニヤソレノイドバルブ50が出力する最大値まで上昇し、第2油圧室24にはライン圧ロックバルブ60およびシフトバルブ70を介してR圧が供給されている状態である。状態8は、通常は使わないが、シフトバルブ70がスティックした場合でも最大トルク容量は無理であってもある程度後進ができることと、状態7(図12参照)からスロットルが踏み込まれた時に速やかにトルク容量を確保することができる。
(状態9)
図14を参照すると、状態9は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧未満であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図14の下側に移動したままで作動せず、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80は減圧された油圧を出力する調圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧は、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧を供給元圧として、ブレーキコントロールバルブ80にて一定圧に減圧される。このとき、ソレノイドバルブ83でブレーキコントロールバルブ80のバルブ本体82の位置を可変できる。第2油圧室24の油圧は、シフトバルブ70を介してライン圧ロックバルブ60の第4ポート60d(EX)から排出されている状態である。状態9は、通常は使わないが、ブレーキ圧を低く一定で保持したい時に使うことができる。
(状態10)
図15を参照すると、状態10は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧は所定圧以上であり、ライン圧ロックバルブ60はバルブ本体62が図15の上側に移動し、シフトバルブ70は第1ポート70aと第4ポート70dを連通させ、かつ、第3ポート70cと第5ポート70eを連通させた第1シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80は減圧された油圧を出力する調圧モードである。そのため、第1油圧室23の油圧は、リニヤソレノイドバルブ50の出力圧を供給元圧として、ブレーキコントロールバルブ80にて一定圧に減圧される。このとき、ソレノイドバルブ83でブレーキコントロールバルブ80のバルブ本体82の位置を可変できる。第2油圧室24にはライン圧ロックバルブ60およびシフトバルブ70を介してR圧が供給されている。状態10は、状態9(図14参照)からスロットルが踏み込まれた時に速やかにトルク容量を確保することができる。
(状態11)
図16を参照すると、状態11は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、シフトバルブ70は第2ポート70bと第4ポート70dおよび第5ポート70eを連通させた第2シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80は減圧された油圧を出力する調圧モードである。なお、リニヤソレノイドバルブ50およびライン圧ロックバルブ60の状態は無関係である。そのため、第1油圧室23の油圧はR圧を供給元圧として、ブレーキコントロールバルブ80にて一定圧に減圧される。このとき、ソレノイドバルブ83でブレーキコントロールバルブ80のバルブ本体82の位置を可変できる。第2油圧室にはR圧が供給される。状態11によれば、状態12(図17参照)の通常の使い方からトルク容量をわざと減少させたい場合、例えば、リバースインビタ車速以下での走行でのD→R等に使うことができる。
(状態12)
図17を参照すると、状態12は、後進時であり、D圧=0、R圧=ライン圧、シフトバルブ70は第2ポート70bと第4ポート70dおよび第5ポート70eを連通させた第2シフト状態にあり、ブレーキコントロールバルブ80はバルブ本体82が図11の右側に移動した直圧モードである。なお、リニヤソレノイドバルブ50およびライン圧ロックバルブ60の状態は無関係である。ここでは、第2油圧室24がシフトバルブ70を介してR圧油路に連通し、第1油圧室23がブレーキコントロールバルブ80およびシフトバルブ70を介してR圧油路に連通するので、リニヤソレノイドバルブ50、ライン圧ロックバルブ60の動作に関係なく、第1油圧室23および第2油圧室24にR圧が供給される。状態12によれば、通常の後進時に使われ最大トルク容量を確保できる。
実施形態1によれば、前進コースト時はブレーキコントロールバルブ80にて調圧された圧(正常時)を第1油圧室23に作用させるとともに、エンジンブレーキをさらに広範囲で制御する場合はリニヤソレノイドバルブ50で調圧された出力圧を第1油圧室23に作用させることができ、かつ、第2油圧室24をトルク容量不足や故障時の予備として使用可能にすることができる。
また、後進時は、前進コースト時の制御方法とは別に、第1油圧室23はブレーキコントロールバルブ80の調整圧もしくはR圧となり、かつ、第2油圧室24はR圧となり、ガレージ変速N→R時などの低圧制御やストール時の高トルク容量を確保できる。
また、スロットルを踏み込ませて急発進する場合にも、高トルク容量を確保することができる。
さらに、リニヤソレノイドバルブ50がOFF(低圧)故障した場合でも、前進時に少なくとも低速走行は可能となり、後進時の走行も可能である。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る自動変速機の油圧制御装置について図面を用いて説明する。
図18は、本発明の実施形態2に係る自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2に係る油圧制御部を模式的に示した部分油圧回路図である。
実施形態2に係る自動変速機の油圧制御装置は、第2摩擦ブレーキB2に係る油圧制御部におけるにライン圧ロックバルブ60にアプライリレーバルブ機能を追加し、ライン圧ロックバルブ60の切り替えによりリニヤソレノイドバルブ90に供給する油圧の油路を切り替え、ライン圧ロックバルブ60とリニヤソレノイドバルブ90の間の油路に油圧スイッチ100を追加したものである。リニヤソレノイドバルブ50、シフトバルブ70、およびブレーキコントロールバルブ80については、実施形態1と同様である。
ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧が所定圧以上になったときに、第2ポート60bと連通されるポートを第4ポート60dから第3ポート60cにし、かつ、第6ポート60fと連通されるポートを第7ポート60gから第4ポート60dにするバルブである。ライン圧ロックバルブ60は、バルブ本体62を図18の上側に付勢するバネ61を収容する。ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧を、バネ61が収容されたバネ室に入力するための第1ポート60aを有する。ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧が所定圧以上になって、バルブ本体62が図18の上側に押し上げられたときに、第2ポート60bと連通する第3ポート60cを有する。ライン圧ロックバルブ60は、ブリードオリフィスを介して第5ポート60eから油圧室63にD圧又はR圧が導入されている状態であって、第2ポート50bからの油圧が所定圧より小さく、バルブ本体62が図18の下側に押し下げられたときに、第2ポート60bと連通する第4ポート60dを有する。第2ポート60bは、シフトバルブ70の第3ポート70cに通ずるポートである。第3ポート60cは、手動レバー(マニュアルレバー;図示せず)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切替えを行うマニュアルバルブ(図示せず)がDレンジ又はRレンジのときに、当該マニュアルバルブから出力されたD圧又はR圧が入力されるポートである。第4ポート60dは、大気圧EXに通ずる排出ポートである。ライン圧ロックバルブ60は、リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの油圧が所定圧以上になって、バルブ本体62が図18の上側に押し上げられたときに、第4ポート60dと連通する第6ポート60fを有する。ライン圧ロックバルブ60は、ブリードオリフィスを介して第5ポート60eから油圧室63にD圧又はR圧が導入されている状態であって、第2ポート50bからの油圧が所定圧より小さく、バルブ本体62が図18の下側に押し下げられたときに、第6ポート60fと連通する第7ポート60gを有する。第6ポート60fは、リニヤソレノイドバルブ90の第1ポート90aに通ずるポートである。第7ポート60gは、手動レバー(マニュアルレバー;図示せず)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切替えを行うマニュアルバルブ(図示せず)がDレンジのときに、当該マニュアルバルブから出力されたD圧が入力されるポートである。なお、D圧は、DレンジのときにマニュアルバルブのDポートから出力されたライン圧であり、Rレンジのときは大気圧EXとなる。また、R圧は、RレンジのときにマニュアルバルブのRポートから出力されたライン圧であり、Dレンジのときは大気圧EXとなる。
リニヤソレノイドバルブ90は、第1ポート90aから入力された油圧(D圧)を利用して通電電流に応じた調整圧を第2ポート90bから出力するバルブである。リニヤソレノイドバルブ90は、断線時に第1ポート90aから入力された油圧(D圧)を第2ポート90bから出力しないノーマルロー型のバルブである。リニヤソレノイドバルブ90は、ライン圧ロックバルブ60の第6ポート60fからの油圧(D圧)が入力される第1ポート90aを有する。リニヤソレノイドバルブ90は、シフトバルブ(図示せず;シフトバルブ70であってもよい)を介して係合要素(図示せず)に通じ、かつ、ブリードオリフィスを介して第3ポート90cに通ずる第2ポート90bを有する。
油圧スイッチ100は、ライン圧ロックバルブ60の第6ポート60fとリニヤソレノイドバルブ90の第1ポート90aの間の油路に配設される。油圧スイッチ100は、手動レバー(マニュアルレバー;図示せず)の操作によって選択される走行レンジに連動した油圧回路の切替えを行うマニュアルバルブ(図示せず)がDレンジのときに、当該マニュアルバルブからライン圧ロックバルブ60を介して出力されたD圧を検出することで、リニヤソレノイドバルブ50、シフトバルブ70、およびリニヤソレノイドバルブ90の動作を確認するためのものである。
実施形態2に係る自動変速機の油圧制御装置について説明する。リニヤソレノイドバルブ50の第2ポート50bからの出力圧が上がり、所定の値を超えるとライン圧ロックバルブ60のバルブ本体62が図18の上側に押し上げられ、ライン圧ロックバルブ60は第2ポート60bからD圧又はR圧を出力するとともに、リニヤソレノイドバルブ90に供給されていたD圧が第4ポート60dに連通するために、リニヤソレノイドバルブ50の指示電流の有無にかかわらずリニヤソレノイドバルブ90に供給されていた油圧を排出することができる。そして、リニヤソレノイドバルブ90への供給圧を油圧スイッチ100にて確認することで、リニヤソレノイドバルブ50、シフトバルブ70、およびリニヤソレノイドバルブ90の作動が確認できる。つまり、油圧スイッチ100がD圧を検出しているときには、リニヤソレノイドバルブ50からの出力圧が所定圧以上になっておらず、シフトバルブ70への供給圧が排出され、リニヤソレノイドバルブ90への供給圧がD圧である。油圧スイッチ100がD圧を検出していないときには、リニヤソレノイドバルブ50からの出力圧が所定圧以上になっており、シフトバルブ70への供給圧がD圧又はR圧であり、リニヤソレノイドバルブ90への供給圧が排出されている。
実施形態2によれば、ライン圧ロックバルブ60にアプライリレーバルブ機能を追加することにより、バルブ本数を低減することができ、コストの低減が図れる。また、1つの油圧スイッチ100によりリニヤソレノイドバルブ50、シフトバルブ70、およびリニヤソレノイドバルブ90の3つのバルブ要素の作動が確認できるので、油圧スイッチの個数を低減することができ、インターロックに対するフェールセーフを向上できる。
なお、図18では(ノーマルロー型)リニヤソレノイドバルブ90の供給圧のみ制御していたが、他のリニヤソレノイドバルブ(ノーマルハイ型)等にも適用してもよいものとする。
本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の全体構成を示した概略図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機のスケルトン図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1及び第2摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合と、その対応する変速段との関係を示す一覧図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置における油圧回路を模式的に示した概略図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態1に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態2に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態3に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態4に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態5に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態6に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態7に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態8に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態9に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態10に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態11に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態1に係る自動変速機の油圧制御装置の状態12に係る動作を説明するための部分油圧回路図である。 本発明の実施形態2に係る自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2に係る油圧制御部を模式的に示した部分油圧回路図である。 自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2の1速段に係る負荷トルクを説明するための模式図である。 自動変速機の油圧制御装置における第2摩擦ブレーキB2の後進段に係る負荷トルクを説明するための模式図である。
符号の説明
1 自動変速機
2 エンジン
3 油圧制御部
4 電子制御部
10 トルクコンバータ
10a タービンランナ
10b ポンプインペラ
11 入力軸
12 出力軸
20 シリンダ
20a 仕切部
20b 側壁部
20c 外周壁部
21 ケース
21a 先端部
22 ピストン
23 第1油圧室
24 第2油圧室
25 第1油路
26 第2油路
27 バネ座
28 バネ座
29 リターンスプリング
30、31、32 シールリング
33 摩擦係合装置
34 摩擦材
35 ディスクプレート
36 回転伝達部材
37 取付部材
38 スナップリング
39 ディスクスプリング
41 エンジン回転数センサ(Neセンサ)
42 入力軸回転数センサ(Ntセンサ)
43 出力軸回転数センサ(Noセンサ)
44 開度センサ(θセンサ)
45 ポジションセンサ
50 リニヤソレノイドバルブ(第1の制御バルブ)
50a 第1ポート
50b 第2ポート
50c 第3ポート
60 ライン圧ロックバルブ(第1の切換バルブ)
60a 第1ポート
60b 第2ポート
60c 第3ポート
60d 第4ポート
60e 第5ポート
60f 第6ポート
60g 第7ポート
61 バネ
62 バルブ本体
63 油圧室
70 シフトバルブ(第2の切換バルブ)
70a 第1ポート
70b 第2ポート
70c 第3ポート
70d 第4ポート
70e 第5ポート
80 ブレーキコントロールバルブ(第2の制御バルブ)
80a 第1ポート
80b 第2ポート
80c 第3ポート
80d 第4ポート
80e 第5ポート
80f 第6ポート
81 バネ
82 バルブ本体
83 ソレノイドバルブ
90 リニヤソレノイドバルブ(第3の制御バルブ)
90a 第1ポート
90b 第2ポート
90c 第3ポート
100 油圧スイッチ

Claims (5)

  1. 前進段と後進段で係合可能な係合要素を係脱させるピストンに対して第1油圧室および第2油圧室の2つの油圧室が配設され、前記第1油圧室および前記第2油圧室のそれぞれ独立に油路を有する自動変速機の油圧制御装置であって、
    オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第1の制御バルブと、
    前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときにマニュアルバルブのDポート又はRポートからのライン圧を出力するとともに、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときに油圧を排出する第1の切換バルブと、
    第1シフト状態のときに前記第1油圧室と前記第1の制御バルブを連通させ、かつ、前記第2油圧室と前記第1の切換バルブを連通させるとともに、第2シフト状態のときに前記第1油圧室および前記第2油圧室と前記マニュアルバルブのRポートを連通させる第2の切換バルブと、
    前記第2の切換バルブからの油圧が導入されるとともに、導入された油圧を調整して前記第1油圧室に供給する第2の制御バルブと、
    前記第1の制御バルブおよび前記第2の切換バルブを制御する電子制御部と、
    を備えることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前進段と後進段で係合可能な係合要素を係脱させるピストンに対して第1油圧室および第2油圧室の2つの油圧室が配設され、前記第1油圧室および前記第2油圧室のそれぞれ独立に油路を有する自動変速機の油圧制御装置であって、
    オイルポンプからのライン圧が導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第1の制御バルブと、
    前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときにマニュアルバルブのDポート又はRポートからのライン圧を出力するとともに、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときに油圧を排出する第1の切換バルブと、
    第1シフト状態のときに前記第1油圧室と前記第1の制御バルブを連通させ、かつ、前記第2油圧室と前記第1の切換バルブを連通させるとともに、第2シフト状態のときに前記第1油圧室および前記第2油圧室と前記マニュアルバルブのRポートを連通させる第2の切換バルブと、
    前記第2の切換バルブからの油圧が導入されるとともに、導入された油圧を調整して前記第1油圧室に供給する第2の制御バルブと、
    前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満のときに前記マニュアルバルブのDポートからのライン圧が前記第1の切換バルブを介して導入されるとともに、バルブ本体の位置に応じて制御油圧を線形的に出力し、非通電状態では前記制御油圧が最大となり、通電量が小から大になるにつれて前記制御油圧が小さくなるように制御する第3の制御バルブと、
    前記第1の制御バルブおよび前記第2の切換バルブを制御する電子制御部と、
    を備え、
    前記第1の切換バルブは、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧未満になったときにマニュアルバルブのDポートからのライン圧を前記第3の制御バルブに向けて出力し、前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上になったときに前記第3の制御バルブに供給されていた油圧を排出することを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第1の切換バルブから前記第3の制御バルブに通ずる油路の油圧を検出する油圧スイッチを備えることを特徴とする請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記電子制御部は、前記第2の切換バルブにてシフト状態を切り換えることにより、
    前記第1油圧室に対して、後進時は前記マニュアルバルブのRポートからのライン圧を前記第2の制御バルブを経由して供給し、前進時は前記第1の制御バルブからの出力圧を前記第2の制御バルブを経由して供給するように制御し、
    前記第2油圧室に対して、後進時は前記マニュアルバルブのRポートからのライン圧を供給し、前進時は前記第1の制御バルブから出力される油圧が所定圧以上のときに前記第1の切換バルブからのライン圧を供給するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記第2の制御バルブは、ソレノイドバルブからの出力圧、及び、前記マニュアルバルブのレンジに応じて生成したレンジ信号圧の一方又は両方に基づいて、前記第2の切換バルブからの油圧を調圧して出力する調圧モードと、前記第2の切換バルブからの油圧を調圧しないで出力する直圧モードと、に切換え可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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