JP3859548B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌等に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、ダブルピストン構造の油圧サーボを備えるものにおいて、第1の油室及び第2の油室の油圧制御を行う油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車輌等に搭載される自動変速機において、クラッチやブレーキなどの係合状態を制御する油圧サーボには、それらクラッチやブレーキなどトルク分担が大きい場合に大きなトルク容量が必要であるため、ダブルピストン構造の油圧サーボを用いているものがある。
【0003】
図8は、ダブルピストン構造の油圧サーボを示す断面図である。自動変速機に備えられている自動変速機構10において、図8に示すように、ミッションケース16内の後方部分には、サンギヤS3、キャリヤCR3、及びリングギヤR3からなるプラネタリギヤ14が配設されており、該キャリヤCR3の後方側(図中右方側)には、出力軸15が接続されている。該リングギヤR3の外周側には、複数の内摩擦板33及び外摩擦板32を有しているブレーキB−4が配設されており、それら外摩擦板32がミッションケース16内のスプライン16sにスプライン係合していると共に、内摩擦板33が該リングギヤR3にスプライン係合している。そして、該ブレーキB−4の内摩擦板33及び外摩擦板32をフランジ部材31を介して押圧し、該ブレーキB−4の係合状態を制御するダブルピストン構造の油圧サーボ20が、上記ミッションケース16内の後端部分に配設されている。
【0004】
該油圧サーボ20は、ミッションケース16の内周側と該ミッションケース16の突出部16eとによりシリンダ状に形成され、摺動面16c、摺動面16b、摺動面16d、及び内側面16aからなるシリンダ部28を有しており、該シリンダ部28内に、第1のピストン部材25と、該第1のピストン部材25の反力をシリンダ部28の内側面16aにより受ける反力部材であるスリーブ部材23と、該スリーブ部材23に対して第1のピストン部材25の軸方向反対側に直列に設けられた第2のピストン部材22と、第1及び第2のピストン部材25,22を後方側(図中右方側)に付勢するリターンスプリング27と、該リターンスプリング27の付勢力を受け止めるリターンプレート26と、を有している。
【0005】
上記第1のピストン部材25とスリーブ部材23との間には、Oリング41,42,43によりシールされて第1の油室(以下、「B−4アウタ油室」とする。)24が形成されており、また、上記第2のピストン部材22とシリンダ部28の内側面16aとの間には、Oリング43,44,45によりシールされて第2の油室(以下、「B−4インナ油室」とする。)21が形成されている。なお、ミッションケース16の下方側において、B−4アウタ油室24及びB−4インナ油室21に連通する不図示の油孔が穿設されており、不図示の油圧制御装置に接続されている。
【0006】
例えばブレーキB−4のトルク容量が大きく必要な際には、B−4アウタ油室24及びB−4インナ油室21に共に油圧を供給することで、リターンスプリング27の付勢力に反して第1のピストン部材25及び第2のピストン部材22が摺動面16b,16c,16dを摺動する形で前方側(図中左方側)に移動し、先端部25bによりブレーキB−4のフランジ部材31を介して摩擦板32,33を比較的強く押圧してブレーキB−4を係合させる。また、例えばブレーキB−4のトルク容量が小さくてよい際には、B−4アウタ油室24のみに油圧を供給することで、第1のピストン部材25のみが摺動面16c,16dを摺動する形で前方側(図中左方側)に移動し、先端部25bにより該フランジ部材31を介して摩擦板32,33を比較的弱く押圧してブレーキB−4を係合させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記油圧サーボ20においては、上述したようにB−4アウタ油室24とB−4インナ油室21との油圧に差が生じる場合があるので、上記スリーブ部材23によりB−4アウタ油室24とB−4インナ油室21との間をシールして油圧の往来を遮断する必要がある。そのスリーブ部材23は、自動変速機のコンパクト性や組付け工数の低減などのため、また本来、該スリーブ部材23に前方側(図中右方側)に対して力が作用しないため、ミッションケース16に対して固定されていない。
【0008】
一方、例えば上述したブレーキB−4のトルク容量が大きく必要な際であって、B−4アウタ油室24及びB−4インナ油室21に共に油圧を供給する場合であっても、トルク容量が大きくなり、即ち伝達するトルクの感度が高くなって係合ショックなどを発生させる虞があるため、例えばB−4インナ油室21に油圧を供給する油路にオリフィスを設けて流量を絞るなど、B−4インナ油室21に供給する油圧の上昇をB−4アウタ油室24に供給する油圧の上昇よりも遅らせて、徐々にブレーキB−4のトルク容量が大きくなるようにすることが望まれる。
【0009】
しかしながら、B−4アウタ油室24及びB−4インナ油室21の油圧を排出する際には、上述のようなオリフィスを設けると、反対にB−4インナ油室21に供給する油圧の下降をB−4アウタ油室24に供給する油圧の下降よりも遅らせることになり、該B−4インナ油室21の油圧がB−4アウタ油室24の油圧より高くなって、上記スリーブ部材23を前方側に押圧して移動させてしまう虞がある。また、何らかの故障が発生した際であっても、該B−4インナ油室21の油圧がB−4アウタ油室24の油圧より高くなると、該スリーブ部材23を前方側に押圧して移動させてしまう虞がある。このようにスリーブ部材23が移動してしまうと、例えば該スリーブ部材23が摺動面16bから脱落することや、Oリング43などが切れることなどが生じる虞があった。
【0010】
そこで本発明は、第1の油室の油圧が常に第2の油室の油圧以上となるように保持することを可能とし、もって上記課題を解決した自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、被操作部材(例えばB−4)を押圧し得る第1のピストン部材(25)と、該第1のピストン部材(25)とシリンダ部(28)により反力を受ける反力部材(23)との間により形成される第1の油室(24)と、前記反力部材(23)に対して前記第1のピストン部材(25)の軸方向反対側に直列に設けられ、該第1のピストン部材(25)を介して前記被操作部材(例えばB−4)を押圧し得る第2のピストン部材(22)と、該第2のピストン部材(22)と前記シリンダ部(28)との間により形成される第2の油室(21)と、を有するダブルピストン構造の油圧サーボ(20)を備えてなる自動変速機の油圧制御装置(1)において、
油圧発生源と前記第1の油室(24)とを接続する第1の油路(e1、f1、h)と、
前記油圧発生源と前記第2の油室(21)とを接続する第2の油路(e2、f4、g2、i)と、
前記第1の油路(e1、f1、h)と前記第2の油路(e2、f4、g2、i)とに接続され、前記第1の油路(e1、f1、h)の油圧(P B4OUT )が前記第2の油路(e2、f4、g2、i)の油圧(P B4IN )より大きい際に遮断し、かつ前記第1の油路(e1、f1、h)の油圧(P B4OUT )が前記第2の油路(e2、f4、g2、i)の油圧(P B4IN )以下となる際に連通する逆止手段(56)と、
前記第2の油路(e2、f4、g2、i)における前記油圧発生源と前記逆止手段(56)との間に、前記第1の油路(e1、f1、h)の流量より該第2の油路(e2、f4、g2、i)の流量を小さくするように保持する絞り手段(57)と、を備え、
前記第1の油室(24)の油圧(PB4OUT)が常に前記第2の油室(21)の油圧(P B4IN )以上となるように保持する、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0014】
請求項に係る本発明は、前記第2の油室(21)に供給された油圧(PB4IN)を排出する際に、前記逆止手段(56)を介して排出してなる、
請求項記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0015】
請求項に係る本発明は、前記第2の油路(e2、f4、g2、i)に介在し、前記第2の油室(21)の油圧(PB4IN)を排出自在な排出手段(4)を備えてなる、
請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0016】
請求項に係る本発明は、前記第1の油路(e1、f1、h)に介在する複数のバルブ(3,5)を有し、
記第1の油路(e1、f1、h)に介在する全てのバルブ(3,5)を、前記第2の油路(e2、f4、g2、i)に介在させて構成されてなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0017】
請求項に係る本発明は、前記第2の油路(e2、f4、g2、i)に介在し、前記第2の油室(21)に供給される油圧(PB4IN)を遮断自在に切替える切替えバルブ(4)と、
前記切替えバルブ(4)の切替えを制御するソレノイドバルブ(SR)と、を有し、
前記ソレノイドバルブ(SR)は、前記第1の油室(24)に油圧(PB4OUT)を供給する際に前記切替えバルブ(4)の遮断を行うように制御し、前記第1の油室(24)に油圧(PB4OUT)を供給した後に前記切替えバルブ(4)の遮断を解除するように制御してなる、
請求項記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0018】
請求項に係る本発明は、前記切替えバルブ(4)は、前記遮断を行う位置である際に、前記第2の油室(21)の油圧(PB4IN)を排出してなる、
請求項記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0020】
請求項に係る本発明は、前記被操作部材は、摩擦係合要素(B−4)である、
請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
【0021】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、第1の油路と第2の油路とに接続され、第1の油路の油圧が第2の油路の油圧より大きい際に遮断し、かつ第1の油路の油圧が第2の油路の油圧以下となる際に連通する逆止手段と、第2の油路における油圧発生源と逆止手段との間に、第1の油路の流量より該第2の油路の流量を小さくするように保持する絞り手段と、を備えているで、油圧を供給する際において、逆止手段により第1の油室だけに油圧を供給することができ、かつ第1及び第2の油室に油圧を供給する場合に第2の油室の油圧を絞り手段によって第1の油室の油圧に比して遅らせて供給することができるものでありながら、第2の油室の油圧を排出する際において、逆止手段により第1の油路と第2の油路とを連通させて、第2の油室の油圧を第1の油室の油圧より大きくなることなく、第1及び第2の油室の油圧を排出することができる。従って、第1の油室の油圧が常に第2の油室の油圧以上となるようにすることができ、反力部材を押圧して移動させてしまうことを防止することができる。これにより、例えば反力部材がシリンダ部から脱落することや反力部材と第1及び第2の油室とをシールするシールリングなどが切れることを防止することができる。
【0025】
請求項に係る本発明によると、第2の油室に供給された油圧を排出する際に、逆止手段を介して排出するので、第2の油室に供給された油圧を、絞り手段により排出が遅れることなく、排出することができる。それにより、第2の油室の油圧を第1の油室の油圧より大きくなることなく、第2の油室の油圧を排出することができる。
【0026】
請求項に係る本発明によると、第2の油路に介在し、第2の油室の油圧を排出自在な排出手段を備えているので、例えば第1の油室から第2の油室に油の漏れが発生した場合など、第2の油室に第1の油室より小さい油圧が生じた場合であって、逆止手段の遮断に拘らず、第2の油室の油圧を排出することができる。
【0027】
請求項に係る本発明によると、第1の油路に介在する複数のバルブを有しており、第1の油路に介在する全てのバルブを、第2の油路に介在させて構成されているので、第2の油路から第2の油室に油圧を供給する際は、必ず第1の油路から第1の油室に油圧を供給するようにすることができる。それにより、第2の油室だけに油圧が供給されることを防ぐことができ、反力部材を押圧して移動させてしまうことを防止することができる。
【0028】
請求項に係る本発明によると、ソレノイドバルブは、第1の油室に油圧を供給する際に切替えバルブの遮断を行うように制御し、第1の油室に油圧を供給した後に切替えバルブの遮断を解除するように制御するので、第1の油室に油圧を供給した後に第2の油室に油圧を供給することができ、油圧サーボとして徐々に油圧を上げることができる。これにより、被操作部材の押圧力を徐々に上げることができ、特に被操作部材がブレーキなどの摩擦係合要素であれば、該摩擦係合要素のトルク容量が徐々に大きくなるようにすることができ、伝達するトルクの感度が高くなって係合ショックなどを発生させることを防止することができる。
【0029】
請求項に係る本発明によると、切替えバルブは、遮断を行う位置である際に、第2の油室の油圧を排出するので、第2の油室に油圧を供給しない際は、第2の油室の油圧を排出することができる。これにより、例えば第1の油室から第2の油室に油の漏れが発生した場合など、第2の油室に第1の油室より小さい油圧が生じた場合であって、逆止手段の遮断に拘らず、第2の油室の油圧を排出することができる。
【0031】
請求項に係る本発明によると、被操作部材は摩擦係合要素であるので、第1及び第2の油室の油圧に基づき摩擦係合要素の係合状態(トルク容量)を操作することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に沿って説明する。図1は本発明を適用し得る自動変速機構10を示すスケルトン図、図2は自動変速機構10の各変速段における摩擦係合要素の係合状態を示す作動表である。
【0033】
例えば車輌等に搭載される自動変速機には、本発明に係る油圧制御装置1と、該油圧制御装置1の油圧制御に基づきクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4の係合状態が制御されることで例えば前進5速段、後進1速段を形成する自動変速機構10とが備えられている。
【0034】
図1に示すように、上記自動変速機構10は、入力軸11及び出力軸15を有しており、それら入力軸11及び出力軸15と同軸上に、サンギヤS1とキャリヤCR1とリングギヤR1とを有するダブルピニオンプラネタリギヤ12、サンギヤS2とキャリヤCR2とリングギヤR2とを有するシンプルプラネタリギヤ13、サンギヤS3とキャリヤCR3とリングギヤR3とを有するシンプルプラネタリギヤ14が配設されている。該自動変速機構10の入力側には、内周側にクラッチC−1が、また、2つのクラッチが並設された形の、いわゆるダブルクラッチとしてのクラッチC−2及びクラッチC−3が、それぞれ配設されている。
【0035】
上記クラッチC−3は上記サンギヤS1に接続されており、該サンギヤS1はブレーキB−3の係止によって係合するワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制される。該サンギヤS1に噛合するキャリヤCR1は、ワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制されていると共に、ブレーキB−1により固定自在となっている。該キャリヤCR1に噛合するリングギヤR1は、リングギヤR2に接続されており、該リングギヤR1及び該リングギヤR2はブレーキB−2により固定自在となっている。
【0036】
一方、上記クラッチC−2は、上記リングギヤR2に噛合するキャリヤCR2に接続されると共に、該キャリヤCR2はリングギヤR3に接続されており、該キャリヤCR2及び該リングギヤR3はワンウェイクラッチF−3により一方向の回転が規制されていると共に、ブレーキB−4により固定自在となっている。また、上記クラッチC−1は、上記サンギヤS2及びサンギヤS3に接続されており、該サンギヤS2はキャリヤCR2に、該サンギヤS3はキャリヤCR3にそれぞれ噛合している。そして、該キャリヤCR3は、上記リングギヤR3に噛合すると共に出力軸15に接続されている。
【0037】
ついで、上記自動変速機構10の作動について図1及び図2に沿って説明する。前進1速段(1ST)では、図2に示すように、クラッチC−1を係合し、ワンウェイクラッチF−3を作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると共に、ワンウェイクラッチF−3によってリングギヤR3の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS3と回転が規制されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が減速回転になる。それにより、出力軸15より前進1速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進1速段を形成する。
【0038】
なお、前進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−3に代えてブレーキB−4を係止することでリングギヤR3の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進1速段を形成する。
【0039】
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、クラッチC−1を係合すると共にブレーキB−3を係止し、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2を作動する。すると、図1に示すように、ブレーキB−3の係止により係合するワンウェイクラッチF−2によってサンギヤS1の回転が一方向に規制されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、リングギヤR1及びリングギヤR2の回転も一方向に規制される。クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記回転が規制されたリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進1速段より僅かに大きな減速回転となる。それにより、出力軸15より前進2速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進2速段を形成する。
【0040】
なお、前進2速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2に代えてブレーキB−2を係止することでリングギヤR1及びリングギヤR2の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進2速段を形成する。
【0041】
前進3速段(3RD)では、図2に示すように、クラッチC−1を係合すると共にクラッチC−3を係合し、ワンウェイクラッチF−1を作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記減速回転のリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が比較的大きな減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進2速段より僅かに大きな減速回転となる。それにより、出力軸15より前進3速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進3速段を形成する。
【0042】
なお、前進3速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することでキャリヤCR1の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進3速段を形成する。
【0043】
前進4速段(4TH)では、図2に示すように、クラッチC−1を係合すると共にクラッチC−2を係合する。すると、図1に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力されると共に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力される。すると、入力回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とにより、即ち直結回転となってキャリヤCR3が入力回転となる。それにより、出力軸15より前進4速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進4速段を形成する。
【0044】
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、クラッチC−2を係合すると共にクラッチC−3を係合し、ブレーキB−1を係止する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1によりキャリヤCR1の回転が固定され、入力回転のサンギヤS1と固定されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力され、入力回転のキャリヤCR2と減速回転のリングギヤR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が増速回転となる。更に、増速回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が増速回転となる。それにより、出力軸15より前進5速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進5速段を形成する。
【0045】
後進1速段(REV)では、図2に示すように、クラッチC−3を係合すると共にブレーキB−4を係止し、ワンウェイクラッチF−1を作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、ブレーキB−4の係止によりキャリヤCR2及びリングギヤR3の回転が固定される。すると、減速回転のリングギヤR2と固定されたキャリヤCR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が逆転回転となり、逆転回転のサンギヤS3と固定されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が逆転回転となる。それにより、出力軸15より後進1速段としての逆転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は後進1速段を形成する。
【0046】
なお、後進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することでキャリヤCR1の空転を防止し、上述と同様に後進1速段を形成する。
【0047】
ついで、本発明を適用し得る自動変速機構10を一部変更した、同じく本発明を適用し得る自動変速機構10’について説明する。図6は本発明を適用し得る自動変速機構10’を示すスケルトン図、図7は自動変速機構10’の各変速段における摩擦係合要素の係合状態を示す作動表である。なお、以下に説明する自動変速機構10’については、略同様なものであるので、上記自動変速機構10と同様な部分に同符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
該自動変速機構10’は、油圧制御装置1の油圧制御に基づきクラッチC−1〜C−4、ブレーキB−1〜B−4の係合状態が制御されることで例えば前進6速段、後進1速段を形成する。
【0049】
図6に示すように、上記自動変速機構10’は、入力軸11及び出力軸15を有しており、ダブルピニオンプラネタリギヤ12、シンプルプラネタリギヤ13、シンプルプラネタリギヤ14が配設されている。該自動変速機構10’の入力側には、2つのクラッチが並設された形の、いわゆるダブルクラッチが内周側と外周側とにそれぞれ配設されており、即ち、内周側にクラッチC−1及びクラッチC−4が、外周側にクラッチC−2及びクラッチC−3が、それぞれ配設されている。上記クラッチC−4はサンギヤS2及びサンギヤS3に接続されており、また、上記クラッチC−1はワンウェイクラッチF−0を介して該サンギヤS2及び該サンギヤS3に接続されている。
【0050】
ついで、上記自動変速機構10’の作動について図6及び図7に沿って説明する。前進1速段(1ST)では、図7に示すように、クラッチC−1を係合し、ワンウェイクラッチF−0及びワンウェイクラッチF−3を作動する。すると、図6に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−0を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると共に、ワンウェイクラッチF−3によってリングギヤR3の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS3と回転が規制されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が減速回転になる。それにより、出力軸15より前進1速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進1速段を形成する。
【0051】
なお、前進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−0に代えてクラッチC−4を係合することでサンギヤS3の空転を防止し、また、ワンウェイクラッチF−3に代えてブレーキB−4を係止することでリングギヤR3の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進1速段を形成する。
【0052】
前進2速段(2ND)では、図7に示すように、クラッチC−1を係合すると共にブレーキB−3を係止し、ワンウェイクラッチF−0、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2を作動する。すると、図6に示すように、ブレーキB−3の係止により係合するワンウェイクラッチF−2によってサンギヤS1の回転が一方向に規制されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、リングギヤR1及びリングギヤR2の回転も一方向に規制される。クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記回転が規制されたリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進1速段より僅かに大きな減速回転となる。それにより、出力軸15より前進2速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進2速段を形成する。
【0053】
なお、前進2速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−0に代えてクラッチC−4を係合することでサンギヤS2及びサンギヤS3の空転を防止し、また、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2に代えてブレーキB−2を係止することでリングギヤR1及びリングギヤR2の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進2速段を形成する。
【0054】
前進3速段(3RD)では、図7に示すように、クラッチC−1を係合すると共にクラッチC−3を係合し、ワンウェイクラッチF−0及びワンウェイクラッチF−1を作動する。すると、図6に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記減速回転のリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が比較的大きな減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進2速段より僅かに大きな減速回転となる。それにより、出力軸15より前進3速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進3速段を形成する。
【0055】
なお、前進3速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−0に代えてクラッチC−4を係合することでサンギヤS2及びサンギヤS3の空転を防止し、また、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することでキャリヤCR1の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進3速段を形成する。
【0056】
前進4速段(4TH)では、図7に示すように、クラッチC−1を係合すると共にクラッチC−2を係合し、ワンウェイクラッチF−0を作動する。すると、図6に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力されると共に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力される。すると、入力回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とにより、即ち直結回転となってキャリヤCR3が入力回転となる。それにより、出力軸15より前進4速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進4速段を形成する。
【0057】
なお、前進4速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−0に代えてクラッチC−4を係合することでサンギヤS2及びサンギヤS3の空転を防止し、上述と同様に前進4速段を形成する。
【0058】
前進5速段(5TH)では、図7に示すように、クラッチC−2を係合すると共にクラッチC−3を係合し、ブレーキB−1を係止する。すると、図6に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1によりキャリヤCR1の回転が固定され、入力回転のサンギヤS1と固定されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力され、入力回転のキャリヤCR2と減速回転のリングギヤR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が増速回転となる。更に、増速回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が増速回転となる。それにより、出力軸15より前進5速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進5速段を形成する。
【0059】
前進6速段(6TH)では、図7に示すように、クラッチC−2を係合すると共に、ブレーキB−2を係止する。すると、図6に示すように、リングギヤR1及びリングギヤR2の回転が固定される。一方、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力され、入力回転のキャリヤCR2と固定されたのリングギヤR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が(前進5速段のときより大きな)増速回転となる。更に、増速回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が増速回転となる。それにより、出力軸15より前進6速段としての正転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は前進6速段を形成する。
【0060】
後進1速段(REV)では、図7に示すように、クラッチC−3を係合すると共にブレーキB−4を係止し、ワンウェイクラッチF−1を作動する。すると、図6に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、ブレーキB−4の係止によりキャリヤCR2及びリングギヤR3の回転が固定される。すると、減速回転のリングギヤR2と固定されたキャリヤCR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が逆転回転となり、逆転回転のサンギヤS3と固定されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が逆転回転となる。それにより、出力軸15より後進1速段としての逆転回転が出力されて、つまり該自動変速機構10は後進1速段を形成する。
【0061】
なお、後進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することでキャリヤCR1の空転を防止し、上述と同様に後進1速段を形成する。
【0062】
つづいて、本発明の要部となる油圧制御装置1について図3に沿って説明する。図3は本発明に係る油圧制御装置1を示す概略図である。なお、図3に示す油圧制御装置は、本発明に係る部分を概略的に示したものであり、実際の油圧制御装置1は更に多くのバルブや油路などを有して構成されるものであって、例えば上述した自動変速機構10における複数の摩擦係合要素の係合状態を制御する油圧サーボ、ロックアップクラッチ、潤滑油回路などを油圧制御するものである。また、図3に示すダブルピストン構造の油圧サーボ20(B−4アウタ油室24、B−4インナ油室21)の構成は、従来の技術において説明した図8のものと同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0063】
図3に示すように、油圧制御装置1には、ソレノイドバルブSR(ノーマルクローズ)、ソレノイドバルブS2(ノーマルクローズ)、マニュアルシフトバルブ2、3−4シフトバルブ(複数のバルブ)3、リバースシーケンスバルブ(排出手段、切替えバルブ)4、1−2シフトバルブ(複数のバルブ)5、C−3用アキュムレータ6、上記ブレーキB−1の油圧サーボ7、上記クラッチC―3の油圧サーボ8、上記ブレーキB−4(被操作部材、摩擦係合要素)のダブルピストン構造の油圧サーボ20が備えられており、該油圧サーボ20は、B−4アウタ油室(第1の油室)24及びB−4インナ油室(第2の油室)21を有している。
【0064】
上記マニュアルシフトバルブ2は、例えば不図示の運転席に設けられているシフトレバーに接続部2aを介して接続されるスプール2pを有しており、不図示のオイルポンプ(油圧発生源)の油圧を例えばプライマリレギュレータバルブなどにより調圧した圧であるライン圧PLが入力されているポートdを有している。また、該マニュアルシフトバルブ2は、スプール2pが前進レンジの位置(図示しない右位置)であるとポートdに連通するポートkと、該スプール2pが後進レンジの位置(図示しない左位置)であるとポートdに連通するポートeと、を有しており、該ポートkは油路k1に、該ポートeは油路(第1の油路)e1及び油路(第2の油路)e2に接続されている。そして、該油路k1には不図示の切替えバルブやコントロールバルブなどが介在しており、それら切替えバルブやコントロールバルブが介在する油路k1が後述する3−4シフトバルブ3のポート3fに接続されている。また、該油路e1が該3−4シフトバルブ3のポート3dに、該油路e2が該3−4シフトバルブ3のポート3bに、それぞれ接続されている。
【0065】
一方、上記ソレノイドバルブS2は、上記ライン圧PLが入力され、該ソレノイドバルブS2のオン・オフ制御に基づき信号圧を調圧して出力するポートcを有しており、該ポートcには油路c1,c2が接続されている。該油路c1は該3−4シフトバルブ3の油室3aに、該油路c2は後述する1−2シフトバルブ5の油室5aに、それぞれ接続されている。
【0066】
該3−4シフトバルブ3は、スプール3pと、該スプール3pを上記油路c1を介して油室3aに入力される信号圧に対向して該スプール3pを付勢するスプリング3sと、を有している。また、該信号圧に基づき該3−4シフトバルブ3が右半位置であると上記油路e2に接続されているポート3bに連通し、左半位置であるとドレーンポートEXに連通するポート3cと、右半位置であると上記油路e1に接続されているポート3dに連通し、左半位置であると上記油路k1に接続されているポート3fに連通するポート3eと、を有している。そして、該ポート3cには油路f2及び油路(第2の油路)f4が、該ポート3eには油路(第1の油路)f1が、それぞれ接続されており、該油路f2にはクラッチC−3の油圧サーボ8が接続されると共に、油路f3に接続されて、後述するクラッチC−3用のアキュムレータ6のポートfに接続され、また、油路f4には後述するリバースシーケンスバルブ4のポート4bが接続されている。
【0067】
なお、油路f2には、オリフィス50b、オリフィス50c、該オリフィス50bに圧着自在なボール50aを有しているチェックボール機構50が介在して設けられている。また、油路f3には、オリフィス51b、オリフィス51c、該オリフィス51bに圧着自在なボール51aを有しているチェックボール機構51と、オリフィス52b、オリフィス52c、該オリフィス52bに圧着自在なボール52aを有しているチェックボール機構52と、が介在して設けられている。更に、油路f1には、オリフィス53b、オリフィス53c、該オリフィス53bに圧着自在なボール53aを有しているチェックボール機構53が介在して設けられている。
【0068】
また、上記アキュムレータ6は、不図示のアキュムレータコントロールバルブなどによって調圧された油圧が入力される油室6aを有しており、スプリング6c及びポートfの油圧に対して対向作用するスプリング6bを有して、該油室6aの油圧とスプリング6bとの作用によりポートfに作用する油圧を蓄えることが自在なスプール6pを有している。
【0069】
一方、上記ソレノイドバルブSRは、上記ライン圧PLが入力されるポートaと、該ソレノイドバルブSRのオン・オフ制御に基づき該ポートaのライン圧PLを信号圧として出力するポートbと、を有しており、該ポートbには油路b1が接続されている。該油路b1は上記リバースシーケンスバルブ4の油室4aに接続されている。
【0070】
該リバースシーケンスバルブ4は、スプール4pと、該スプール4pを上記油路b1を介して油室4aに入力される信号圧に対向して該スプール4pを付勢するスプリング4sと、を有している。また、該信号圧に基づき該リバースシーケンスバルブ4が右半位置であると上記油路f4に接続されているポート4bに連通し、左半位置であるとドレーンポートEXに連通するポート4cを有している。そして、該ポート4cには油路g1及び油路(第2の油路)g2が接続されており、該油路g1にはブレーキB−1の油圧サーボ7が接続され、また、油路g2には後述する1−2シフトバルブ5のポート5dが接続されている。
【0071】
なお、油路g1には、オリフィス54b、オリフィス54c、該オリフィス54bに圧着自在なボール54aを有しているチェックボール機構54が介在して設けられている。また、該油路g1には、不図示の切替えバルブ(例えば2−3シフトバルブ)などが介在しており、該バルブは、後述するニュートラル時ないし後進1速段(リバース)時にあって、該油路g1を連通させている。
【0072】
上記1−2シフトバルブは、スプール5pと、該スプール5pを上記油路c2を介して油室5aに入力される信号圧に対向して該スプール5pを付勢するスプリング5sと、を有している。また、該信号圧に基づき該1−2シフトバルブ5が右半位置であると上記油路f1に接続されているポート5bに連通し、左半位置であるとドレーンポートEXに連通するポート5cと、右半位置であると上記油路g2に接続されているポート5dに連通し、左半位置であると遮断されるポート5eと、を有している。そして、該ポート5cには油路(第1の油路)hが、該ポート5eには油路(第2の油路)iが、それぞれ接続されている。
【0073】
そして、該油路hにはブレーキB−4の油圧サーボ20のうち、B−4アウタ油室24が接続され、また、油路iにはブレーキB−4の油圧サーボ20のうち、B−4インナ油室21が接続されており、該油路hと該油路iとの間には油路jが接続されている。該油路iには、オリフィス(絞り手段)57が設けられていると共に、オリフィス55b、オリフィス55c、該オリフィス55bに圧着自在なボール55aを有しているチェックボール機構55が介在して設けられている。更に、油路jには、オリフィス56b及び該オリフィス56bに圧着自在なボール56aを有している逆止弁機構(逆止手段)56が備えられている。
【0074】
ついで、上記油圧制御装置1の作用について図3ないし図5に沿って説明する。図4はN−Rシフト時におけるソレノイドバルブの作動表、図5はN−Rシフト時における各油圧を示すタイムチャートである。
【0075】
例えば運転者により不図示のシフトレバーが前進レンジ(例えばDレンジ、2レンジ、Lレンジなど)に選択されると、上記マニュアルシフトバルブ2のスプール2pが右位置となって、該マニュアルシフトバルブ2がポートdとポートkとが連通するように切替えられる。例えば前進1速段のエンジンブレーキ時であると(図2、図7参照)、ポートdに入力されているライン圧PLが、ポートk、油路k1(油路k1に介在する不図示の切替えバルブやコントロールバルブなど)を介して3−4シフトバルブ3のポート3fに、例えばコントロールバルブによって調圧される形で油圧が入力される。
【0076】
この際、ソレノイドバルブS2はオフ制御されて信号圧をポートcより出力し、油路c1を介して3−4シフトバルブ3の油室3aに該信号圧が入力されるが、不図示の2−3シフトバルブを介して該3−4シフトバルブ3の油室3gにレンジ圧が入力されるため、該3−4シフトバルブ3は左半位置となる。また、油路c2を介して1−2シフトバルブ5の油室5aに信号圧が入力され、該1−2シフトバルブ5は右半位置に切替えられる。すると、ポート3fとポート3eとが連通し、上記ポート3fに入力されている油圧が油路f1を介してポート5bに供給され、更にポート5bとポート5cとが連通し、油路hを介してブレーキB−4の油圧サーボ20のB−4アウタ油室24に供給される。これにより、(油路h及び)B−4アウタ油室24の油圧(第1の油室の油圧、第1の油路の油圧)PB4OUTは、マニュアルシフトバルブ2のポートdに供給されているライン圧PLと略々同じになる。
【0077】
これにより、図8に示すように、第1のピストン25だけが図中左方側に移動し、先端部25bがフランジ部31を介して摩擦板32,33を比較的軽く押圧する形で、ブレーキB―4を係合させる。なお、図1及び図2、又は図6及び図7に示すように、該ブレーキB−4を係合させる状態は、前進1速段のエンジンブレーキ時であって、リングギヤR3の逆転回転を固定する際であるので、該ブレーキB−4のトルク容量は比較的小さなものであっても充分に足りる。
【0078】
また、例えば運転者により不図示のシフトレバーが前進レンジからニュートラルに選択されると、上記マニュアルシフトバルブ2のスプール2pが図3に示す位置となって、ポートkとドレーンポートEXとが連通するように切替えられ、油路k1の油圧がドレーン(排出)される。また、ソレノイドバルブSR及びソレノイドバルブS2はオフ制御され、上述した3−4シフトバルブ3の油室3gに入力されているレンジ圧が不図示の2−3シフトバルブの遮断により供給されなくなるため、3−4シフトバルブ3は右半位置に、リバースシーケンスバルブ4は右半位置に、1−2シフトバルブ5は右半位置に、それぞれ切替えられる。
【0079】
すると、1−2シフトバルブ5のポート5bとポート5cが連通して油路hと油路f1とが連通し、3−4シフトバルブ3のポート3dとポート3eとが連通して油路f1と油路e1とが連通するので、B−4アウタ油室24に供給された油圧は、油路h、1−2シフトバルブ5、油路f1、3−4シフトバルブ3、油路e1、マニュアルシフトバルブ2のポートeを介してドレーンポートEXよりドレーンされる。
【0080】
なお、B−4アウタ油室24に供給された油圧を早く排出(クイックドレーン)したい場合には、ソレノイドバルブS2をオン制御することで、1−2シフトバルブ5を左半位置に切替え、該1−2シフトバルブ5のポート5cとドレーンポートEXとを連通させることで、B−4アウタ油室24の油圧を早く排出することが可能である。
【0081】
なお、このようにシフトレバーがニュートラルに選択された場合には、B−4インナ油室21は、油路i、1−2シフトバルブ5、油路g2、リバースシーケンスバルブ4、油路f4、3−4シフトバルブ3、油路e2を介してマニュアルシフトバルブ2のドレーンポートEXに連通しており、例えば万が一、上記B−4アウタ油室24とB−4インナ油室21とをシールしているOリング42,43,44,45などから油が漏れて、該B−4インナ油室21に油圧が生じるなど、B−4アウタ油室24より小さな油圧がB−4インナ油室21に生じても、その油圧は、該マニュアルシフトバルブ2のドレーンポートEXから排出される。
【0082】
ついで、例えば運転者により不図示のシフトレバーが後進レンジ(リバースレンジ,Rレンジ)に選択されると、上記マニュアルシフトバルブ2のスプール2pが左位置となって、該マニュアルシフトバルブ2がポートdとポートeとが連通するように切替えられる。例えば後進1速段であると(図2、図7参照)、ポートdに入力されているライン圧PLが、ポートe、油路e1,e2を介して3−4シフトバルブ3のポート3b,3dに入力される。
【0083】
この際、図4に示すように、ニュートラル(N)の状態で、ソレノイドバルブSR、ソレノイドバルブS2は共にオフ制御されており、ニュートラルからリバースレンジに切替える状態では(以下、「N−R」とする。)、ソレノイドバルブSRがオン制御されて、更にリバースレンジ(R)の状態では、再びソレノイドバルブSR、ソレノイドバルブS2は共にオフ制御される。
【0084】
即ち、図4及び図5に示すように、ニュートラル状態である時点t0から時点t1において、例えば運転者により不図示のシフトレバーがRレンジに選択されてN−Rが行われると、ソレノイドバルブS2はオフ制御されており、図3に示すように、油路c1,c2には信号圧が出力され、3−4シフトバルブ3の油室3a及び1−2シフトバルブ5の油室5aに油圧が作用して、3−4シフトバルブ3は右半位置であり、1−2シフトバルブ5も右半位置である。また、図4及び図5に示すように、時点t1よりソレノイドバルブSRはオン制御され、油路b1を介して信号圧が出力されて、リバースシーケンスバルブ4は左半位置となる。
【0085】
すると、上記マニュアルシフトバルブ2のポートeより油路e1を介して入力されるポート3dのライン圧PLが、3−4シフトバルブ3が右半位置であるのでポート3dとポート3eとが連通することにより油路f1に供給されて、更に1−2シフトバルブ5が右半位置であるのでポート5bとポート5cとが連通することにより油路hに供給され、ブレーキB−4の油圧サーボ20のB−4アウタ油室24に供給される。これにより、図5に示すように、該B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTは、時点t1から徐々に上昇して時点t2においてライン圧PLが略々完全に供給される形である、係合圧となる。なお、図5に示す時点t1から時点t2における油圧PB4OUTの上昇は、該B−4アウタ油室24に一旦油圧が供給されて急に上昇し、ピストン部材25の移動中はリターンスプリング27(図8参照)の付勢力に基づき上昇が緩やかになり、その後、ピストン部材25の移動が終わると再び急に上昇する。
【0086】
また、油路e2を介して入力されるポート3bのライン圧PLが、3−4シフトバルブ3が右半位置であるのでポート3bとポート3cとが連通することにより油路f2に供給されて、クラッチC−3の油圧サーボ8に供給される。これにより、図5に示すように、該クラッチC−3の油圧サーボ8の油圧PC3は、時点t1から徐々に上昇して時点t3においてライン圧PLが略々完全に供給される形である、係合圧となる。なお、図5に示す時点t1から時点t3における油圧PC3の上昇は、該油圧サーボ8に一旦油圧が供給されて急に上昇し、該油圧サーボ8のピストン部材の移動中はリターンスプリングの付勢力に基づき上昇が緩やかになり、ピストン部材の移動が終わると再び急に上昇し、更に、アキュムレータ6の油圧が油路f3を介して蓄えられるまで緩やかに上昇し、そして、該アキュムレータ6の油圧が蓄えられると急に上昇する。
【0087】
この際、上述のように、時点t1よりソレノイドバルブSRがオン制御されているので、リバースシーケンスバルブ4は左半位置であって、ポート4bとポート4cとが遮断されており、油路f4に供給されているライン圧PLが油路g1,g2には供給されないので、ブレーキB−1の油圧サーボ7及びブレーキB−4の油圧サーボ20のB−4インナ油室21には油圧が供給されることはない。また、該ポート4cは、ドレーンポートEXに連通しており、例えば万が一、上記B−4アウタ油室24とB−4インナ油室21とをシールしているOリング42,43,44,45などから油が漏れて、該B−4インナ油室21に油圧が生じるなど、B−4アウタ油室24より小さな油圧がB−4インナ油室21に生じても、その油圧は、油路i及び油路g2を介して上記リバースシーケンスバルブ4のドレーンポートEXから排出される。
【0088】
つづいて、図4及び図5に示すように、時点t3までにB−4アウタ油室24の油圧PB4OUTとクラッチC−3の油圧サーボ8の油圧PC3とに油圧の供給が終了すると、時点t4において、ソレノイドバルブSRがオフ制御され、油路b1を介して入力されている信号圧が解除されて、図3に示すように、上記リバースシーケンスバルブ4が右半位置となり、ポート4bとポート4cとが連通される。すると、油路f4に供給されているライン圧PLが該ポート4c及び油路g1を介してブレーキB−1の油圧サーボ7に供給される。これにより、図5に示すように、該ブレーキB−1の油圧サーボ7の油圧PB1は、時点t4から徐々に上昇して時点t5においてライン圧PLが略々完全に供給される形である、係合圧となる。なお、図5に示す時点t4から時点t5における油圧PB1の上昇は、該油圧サーボ7に一旦油圧が供給されて急に上昇し、ピストン部材の移動中はリターンスプリングの付勢力に基づき上昇が緩やかになり、その後、ピストン部材の移動が終わると再び急に上昇する。
【0089】
一方、時点t4において、ソレノイドバルブSRがオフ制御され、上記リバースシーケンスバルブ4が右半位置となり、ポート4bとポート4cとが連通されると、油路f4に供給されているライン圧PLが該ポート4c、油路g2、1−2シフトバルブ5のポート5d,5e、及び油路iを介してB−4インナ油室21の油圧PB4INに供給される。この際、該油路iにはオリフィス57が介在して該油路iの流量を絞っており、時点t4から時点t6までの間、B−4インナ油室21に油が溜まらずにB−4インナ油室21の油圧PB4INが上昇せず、時点t6に該油室21に油が充填されるとB−4インナ油室21の油圧PB4INが上昇して、時点t7においてライン圧PLが略々完全に供給される形となって、(油路i及び)B−4インナ油室21の油圧(第2の油室の油圧、第2の油路の油圧)PB4INは、マニュアルシフトバルブ2のポートdに供給されているライン圧PLと略々同じ係合圧になる。なお、図5に示す時点t6から時点t7における油圧PB4INの上昇は、上記ピストン部材25が上記B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTに基づき移動し終わっているため、そのまま上昇する。
【0090】
以上のように、ニュートラルからリバースレンジに切替えられた際(N−Rの際)の制御が終了し、時点t7以降、リバースレンジとしてブレーキB−4、ブレーキB−1、及びクラッチC−3の係合が維持される。また、このN−Rの制御、即ち、B−4アウタ油室24とB−4インナ油室21と共に油圧の供給を行う際であっても、必ず油圧PB4OUTに対して油圧PB4INが遅れて上昇して係合圧となり、油圧PB4OUTより油圧PB4INが大きくなることがない。これにより、上記スリーブ部材23が移動することを防止することができる。
【0091】
なお、本実施の形態では、上述したN−Rの際に、ブレーキB−4のトルクの感度を低くして係合ショックの発生などを防ぐため、ソレノイドバルブSRをオン制御することで、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTよりもB−4インナ油室21の油圧PB4INを遅らせて、ブレーキB―4の油圧サーボ20として徐々に油圧が上昇し、該ブレーキB−4のトルク容量を徐々に大きくするように制御しているが、例えばソレノイドバルブSRをオフ制御のまま(或いはオフフェールの状態)であってもよい。即ち、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTが上昇し終わるまでの時間である時点t1から時点t2の図5中矢印Aで示す時間よりも、上記オリフィス57により油圧PB4INを遅らせることによって、時点t4から時点t6までの図5中矢印Bで示す時間の間、該油圧PB4INは上昇することはなく、つまり時点t1において、B−4アウタ油室24とB−4インナ油室21と共に油圧の供給が開始されても、必ず油圧PB4OUTに対して油圧PB4INが遅れて上昇して係合圧となり、油圧PB4OUTより油圧PB4INが大きくなることがない。
【0092】
また、マニュアルシフトバルブ2のポートeより、B−4アウタ油室24に供給されるライン圧PLは、3−4シフトバルブ3及び1−2シフトバルブ5を介して供給され、B−4インナ油室21に供給されるライン圧PLは、上記3−4シフトバルブ3、リバースシーケンスバルブ4、及び1−2シフトバルブ5を介して供給され、つまり必ず同じ3−4シフトバルブ3、1−2シフトバルブ5を介して供給されるので、B−4インナ油室21にだけライン圧PLが供給されることはない。
【0093】
ついで、例えば運転者により不図示のシフトレバーがリバースレンジからニュートラルに選択されると、上記マニュアルシフトバルブ2のスプール2pが図3に示す位置となって、ポートeとドレーンポートEXとが連通するように切替えられる。また、ソレノイドバルブSR及びソレノイドバルブS2はオフ制御され、3−4シフトバルブ3は右半位置に、リバースシーケンスバルブ4は右半位置に、1−2シフトバルブ5は右半位置に、それぞれ切替えられる。
【0094】
すると、3−4シフトバルブ3のポート3cとポート3bとが連通して、油路f2、油路e2、マニュアルシフトバルブ2のポートeを介してクラッチC−3の油圧サーボ8の油圧PC3がドレーンされる。また、1−2シフトバルブ5のポート5bとポート5cが連通して油路hと油路f1とが連通し、3−4シフトバルブ3のポート3dとポート3eとが連通して油路f1と油路e1とが連通するので、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTは、油路h、1−2シフトバルブ5、油路f1、3−4シフトバルブ3、油路e1、マニュアルシフトバルブ2のポートeを介してドレーンポートEXよりドレーンされる。
【0095】
一方、1−2シフトバルブ5のポート5dとポート5eが連通して油路iと油路g2とが連通し、リバースシーケンスバルブ4のポート4bとポート4cとが連通し、更に、3−4シフトバルブ3のポート3dとポート3eとが連通して油路f4と油路e2とが連通するので、B−4インナ油室21の油圧PB4INは、油路i、1−2シフトバルブ5、油路g2、リバースシーケンスバルブ4、油路f4、3−4シフトバルブ3、油路e2、マニュアルシフトバルブ2のポートeを介してドレーンポートEXよりドレーンされる。
【0096】
この際、オリフィス57により油路iの流量が絞られているため、油路iの油圧が油路hの油圧より高くなるが、逆止弁機構56が連通し、油路iの油圧及びB−4インナ油室21の油圧PB4INが、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTより大きくなることなく、油路j、油路hを介して、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTと同様に、マニュアルシフトバルブ2のドレーンポートEXよりドレーンされる。
【0097】
なお、例えばリバースレンジのエンジンブレーキ時の状態(図2参照)からシフトレバーがニュートラルに選択された場合には、リバースシーケンスバルブ4のポート4cとポート4bとが連通し、更に、3−4シフトバルブ3のポート3dとポート3eとが連通しているので、上記B−4インナ油室21の油圧PB4INと共に、油路g1、リバースシーケンスバルブ4、油路f4、3−4シフトバルブ3、油路e2、マニュアルシフトバルブ2のポートeを介してブレーキB−1の油圧サーボ7の油圧PB1がドレーンされる。
【0098】
また、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUT、及びB−4インナ油室21の油圧PB4INを早く排出(クイックドレーン)したい場合には、ソレノイドバルブS2をオン制御することで、1−2シフトバルブ5を左半位置に切替え、該1−2シフトバルブ5のポート5cとドレーンポートEXとを連通させることで、B−4アウタ油室24の油圧を早く排出することが可能である。
【0099】
以上のように、B−4インナ油室21の油圧PB4INがB−4アウタ油室24の油圧PB4OUTより大きくなることなく、また、B−4インナ油室21の油圧PB4INだけが遮断されて油圧が残ることもなく、ドレーンされるので、上記スリーブ部材23が移動することを防止することができる。
【0100】
以上、本発明に係る油圧制御装置1によれば、B−4アウタ油室24の油圧PB4OUTがB−4インナ油室21の油圧PB4INより常に低くならないように保持されているので、スリーブ部材23を押圧され、移動してしまうことを防止することができる。これにより、例えばスリーブ部材23がシリンダ部28から脱落することやOリング42,43などが切れることを防止することができる。
【0101】
また、例えば後進レンジである際に、B−4インナ油室21とB−4アウタ油室24とに共に油圧を供給し、例えば前進レンジである際に、B−4アウタ油室24に油圧を供給し、かつB−4インナ油室21を解放するので、B−4インナ油室21とB−4アウタ油室24とに油圧の差が生じ、それらB−4インナ油室21とB−4アウタ油室24との間をシールするためにスリーブ部材23を設ける必要があるが、該スリーブ部材23を前方側(図8中左方側)に押圧して移動させてしまうことを防止することができる。
【0102】
更に、油圧を供給する際において、逆止弁機構56によりB−4アウタ油室24だけに油圧を供給することができ、かつB−4インナ油室21とB−4アウタ油室24とに油圧を供給する場合に、B−4インナ油室21の油圧をオリフィス57によって遅らせて供給することができるものでありながら、B−4インナ油室21の油圧をドレーンする際は、逆止弁機構56によりB−4インナ油室21の油圧がB−4アウタ油室24の油圧より大きくなることなく、ドレーンすることができる。また、逆止弁機構56を介してドレーンするので、オリフィスにより遅れることなく、ドレーンすることができる。それにより、B−4インナ油室21の油圧がB−4アウタ油室24の油圧より大きくなることなく、B−4インナ油室21の油圧をドレーンすることができる。
【0103】
また、例えば後進レンジの際など、B−4インナ油室21とB−4アウタ油室24とに共に油圧を供給する際は、B−4アウタ油室24に供給される油圧が、3−4シフトバルブ3及び1−2シフトバルブ5を介して供給され、B−4インナ油室21に供給される油圧が、上記3−4シフトバルブ3、リバースシーケンスバルブ4、及び1−2シフトバルブ5を介して供給され、つまり必ず同じ3−4シフトバルブ3、1−2シフトバルブ5を介して供給されるので、B−4インナ油室21にだけライン圧PLが供給されることを防ぐことができ、スリーブ部材23を前方側に押圧して移動させてしまうことを防止することができる。
【0104】
なお、以上の本発明に係る実施の形態において、ダブルピストン構造の油圧サーボについて、後進レンジの際にブレーキB−4のトルク容量が大きく必要とされて2つの油室に油圧を供給し、前進1速段のエンジンブレーキ時に該ブレーキB−4のトルク容量が小さくてもよく、1つの油室に油圧を供給するものを一例として説明したが、これに限らず、ダブルピストン構造の油圧サーボを用いて、クラッチ又はブレーキなどの摩擦係合要素のトルク容量を変化させるために、2つの油室に違う油圧を作用させる状態があるものであれば、何れのものであっても本発明を適用することができる。
【0105】
更に、本発明に係る実施の形態において、ダブルピストン構造の油圧サーボは、ブレーキB−4を操作する油圧サーボとして説明したが、これに限らず、例えばベルト式無段変速機のプーリを操作する油圧サーボなどであってもよく、被操作部材を押圧して操作し得る上述のようなダブルピストン構造の油圧サーボであれば、何れのものであっても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得る自動変速機構10を示すスケルトン図。
【図2】自動変速機構10の各変速段における摩擦係合要素の係合状態を示す作動表。
【図3】本発明に係る油圧制御装置1を示す概略図。
【図4】N−Rシフト時におけるソレノイドバルブの作動表。
【図5】N−Rシフト時における各油圧を示すタイムチャート。
【図6】本発明を適用し得る自動変速機構10’を示すスケルトン図。
【図7】自動変速機構10’の各変速段における摩擦係合要素の係合状態を示す作動表。
【図8】ダブルピストン構造の油圧サーボを示す断面図。
【符号の説明】
1 油圧制御装置
数のバルブ(3−4シフトバルブ)
4 排出手段、切替えバルブ(リバースシーケンスバルブ)
数のバルブ(1−2シフトバルブ)
20 油圧サーボ
21 第2の油室(B−4インナ油室)
22 第2のピストン部材
23 反力部材(スリーブ部材)
24 第1の油室(B−4アウタ油室)
25 第1のピストン部材
28 シリンダ部
56 止手段(逆止弁機構)
57 絞り手段(オリフィス)
SR ソレノイドバルブ
B4OUT 第1の油室の油圧、第1の油路の油圧(B−4アウタの油圧)
B4IN 第2の油室の油圧、第2の油路の油圧(B−4インナの油圧)
e1 第1の油路(油路)
e2 第2の油路(油路)
f1 第1の油路(油路)
f4 第2の油路(油路)
g2 第2の油路(油路)
h 第1の油路(油路)
i 第2の油路(油路)
B−4 被操作部材、摩擦係合要素(ブレーキ)

Claims (7)

  1. 被操作部材を押圧し得る第1のピストン部材と、該第1のピストン部材とシリンダ部により反力を受ける反力部材との間により形成される第1の油室と、前記反力部材に対して前記第1のピストン部材の軸方向反対側に直列に設けられ、該第1のピストン部材を介して前記被操作部材を押圧し得る第2のピストン部材と、該第2のピストン部材と前記シリンダ部との間により形成される第2の油室と、を有するダブルピストン構造の油圧サーボを備えてなる自動変速機の油圧制御装置において、
    油圧発生源と前記第1の油室とを接続する第1の油路と、
    前記油圧発生源と前記第2の油室とを接続する第2の油路と、
    前記第1の油路と前記第2の油路とに接続され、前記第1の油路の油圧が前記第2の油路の油圧より大きい際に遮断し、かつ前記第1の油路の油圧が前記第2の油路の油圧以下となる際に連通する逆止手段と、
    前記第2の油路における前記油圧発生源と前記逆止手段との間に、前記第1の油路の流量より該第2の油路の流量を小さくするように保持する絞り手段と、を備え、
    前記第1の油室の油圧が常に前記第2の油室の油圧以上となるように保持する、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第2の油室に供給された油圧を排出する際に、前記逆止手段を介して排出してなる、
    請求項記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第2の油路に介在し、前記第2の油室の油圧を排出自在な排出手段を備えてなる、
    請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 記第1の油路に介在する複数のバルブを有し、
    記第1の油路に介在する全てのバルブを、前記第2の油路に介在させて構成されてなる、
    請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 記第2の油路に介在し、前記第2の油室に供給される油圧を遮断自在に切替える切替えバルブと、
    前記切替えバルブの切替えを制御するソレノイドバルブと、を有し、
    前記ソレノイドバルブは、前記第1の油室に油圧を供給する際に前記切替えバルブの遮断を行うように制御し、前記第1の油室に油圧を供給した後に前記切替えバルブの遮断を解除するように制御してなる、
    請求項記載の自動変速機の油圧制御装置。
  6. 前記切替えバルブは、前記遮断を行う位置である際に、前記第2の油室の油圧を排出してなる、
    請求項記載の自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記被操作部材は、摩擦係合要素である、
    請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
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