JP2892035B2 - 圧力調整弁のオーバストローク防止装置 - Google Patents

圧力調整弁のオーバストローク防止装置

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JP2892035B2
JP2892035B2 JP1097401A JP9740189A JP2892035B2 JP 2892035 B2 JP2892035 B2 JP 2892035B2 JP 1097401 A JP1097401 A JP 1097401A JP 9740189 A JP9740189 A JP 9740189A JP 2892035 B2 JP2892035 B2 JP 2892035B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばスロットルバルブにおいて、スプー
ルがオーバストロークするのを防止するための圧力調整
弁のオーバストローク防止装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、圧油の供給源から供給された油圧を調整して必
要な箇所に出力するための圧力調整弁においては、バル
ブボディ内にスプールを摺動自在に配設するとともに、
該スプールの端面又はランドの端面に機械的な圧力又は
油圧を加え、スプールの位置を調節するようにしてい
る。
例えば、自動車用の自動変速機のおいては、自動変速
機のギア段の切り替えを行う際に、各種シャフト、ギア
等の間の係脱を行うため、多板クラッチ又はブレーキが
設けられている。これらの多板クラッチ又はブレーキを
作動させるための動力、又はそれらを制御するための動
力は油圧によって与えられる。
そのため、各種の圧力調整弁が設けられ供給される圧
油は適宜圧力に調整されてアクチュエータに出力され
る。
上記圧力調整弁には、プライマリレギュレータバル
ブ、セカンダリレギュレータバルブ、スロットルバルブ
等がある。この内、スロットルバルブは、アクセルペダ
ルの踏み加減に対応して上下2個のスプリングを圧縮
し、スロットルバルブ内のスプールを移動させエンジン
の出力に対応するスロットルプレッシャを得るようにな
っている。
ところが、上記スロットルバルブはアクセルペダルの
踏み加減に対応してスプールを移動させるため、走行条
件によって通常の操作時には生じない応力をスプールが
受けることがあり、そのときスプールが制御範囲を超え
て移動し、オーバストロークを発生することがある。
そこで、このスプールのオーバストロークを防止する
ため、スプールの適宜箇所にキーププレートが挿入さ
れ、バルブボディ側に形成された段差に係合させること
により、必要以上にスプールが移動しないようになって
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記構成の圧力調整弁のオーバストロ
ーク防止装置においては、キーププレートをU字形の薄
板で形成していて溝部をスプールのくびれ部分に係止す
る構造となっているので、スロットルバルブの作動に伴
いバルブボディ内をスプールが摺動するたびにセパレー
タプレートやガスケットを傷つけたり破損させることが
ある。また、キーププレートを組み付ける際、あるいは
上記摺動の際に生じるバリ,摩耗粉等によってバルブス
ティックが発生する。
さらに、キーププレートをU字形の薄板で形成し、該
溝部をスプールのくびれ部分に係止するための作業が増
加するため、組立性が低下し、コストが増大する。
本発明は、上記従来の圧力調整弁のオーバストローク
防止装置の問題点を解決して、スプールのオーバストロ
ークを防止することができるとともに、部品点数を少な
くすることができ、組立性が良好で、コストを低くする
ことができる圧力調整弁のオーバストローク防止装置を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) そのために、本発明の圧力調整弁のオーバストローク
防止装置においては、スプールの端面及びランドの端面
のうちの一方に信号圧力を与え、該信号圧力に対応させ
てスプールを移動させることによって油圧を調整するよ
うになっている。そして、前記スプールに係止用凸部が
一体的に形成され、また、スプールが摺動させられるバ
ルブボディの段部、及びスリーブの端部によって係止用
凹部が形成される。
さらに、前記係止用凸部及び係止用凹部は、スプール
のオーバストロークが両者の係止によって防止される位
置に配設される。
本発明の他の圧力調整弁のオーバストローク防止装置
においては、さらに、前記スプールの端面及びランドの
端面のうちの他方に、スプリングによってスプリング荷
重が与えられ、前記信号圧力及びスプリング荷重に対応
させてスプールが移動させられる。
(作用及び発明の効果) 本発明によれば、前記のように圧力調整弁のオーバス
トローク防止装置においては、スプールの端面及びラン
ドの端面のうちの一方に信号圧力を与え、該信号圧力に
対応させてスプールを移動させることによって油圧を調
整するようになっている。そして、前記スプールに係止
用凸部が一体的に形成され、また、スプールが摺動させ
られるバルブボディの段部、及びスリープの端部によっ
て係止用凹部が形成される。
さらに、前記係止用凸部及び係止用凹部は、スプール
のオーバストロークが両者のの係止によって防止される
位置に配設される。
この場合、外部的要因によってスプールに異常な力が
加わると、前記係止用凸部と係止用凹部とが係止し、ス
プールのオーバストロークを防止する。
また、前記スプールに係止用凸部が一体的に形成され
るので、部品点数を少なくすることができ、組立性が良
好になり、圧力調整弁のオーバストローク防止装置のコ
ストを低くすることができる。
本発明の他の圧力調整弁のオーバストローク防止装置
においては、さらに、前記スプールの端面及びランドの
端面のうちの他方に、スプリングによってスプリング荷
重が与えられ、前記信号圧力及びスプリング荷重に対応
させてスプールが移動させられる。
この場合、スプリング荷重によってスプールに異常な
力が加わった場合でも、前記係止用凸部と係止用凹部と
が係止させられるので、スプールのオーバストローク防
止することができる。
(実施例) 以下、本発明の圧力調整弁のオーバストローク防止装
置について図面を参照しながら詳細に説明する。
自動変速機1は、第2図及び第3図に示されるよう
に、トルクコンバータ2、プラネタリギア変速ギア機構
3及び油圧制御装置5を備えており、それぞれコンバー
タハウジング6、ケース7及びエクステンションハウジ
ング9、バルブボディ10及びオイルパン11に収容されて
いる。
上記トルクコンバータ2は、動力伝達効率を向上させ
るためのロックアップクラッチ12を備えており、入力部
材13の回転動力を、トルクコンバータ2内の油流により
間接的に、又は上記ロックアップクラッチ12の係合によ
って直接的に変速ギア機構3の入力軸15に伝達する。
また、上記変速ギア機構3は、オーバドライブプラネ
タリギアユニット17を有するとともに、フロントプラネ
タリギアユニット19及びリアプラネタリギアユニット20
からなる主変速ユニット21を有している。
ここで、上記オーバドライブプラネタリギアユニット
17は入力軸15に接続されていて、プラネタリピニオン22
を支持するキャリア24、入力軸15を包囲するサンギア2
3、及び主変速ユニット21の入力軸26に連結されるリン
グギア25からなっている。また、キャリア24とサンギア
23の間には、オーバドライブダイレクトクラッチC0及び
ワンウェイクラッチF0が介在させられているとともに、
サンギア23とケース7との間にはオーバドライブブレー
キB0が配設されている。
次に、フロントプラネタリギアユニット19は出力軸27
に接続されていて、プラネタリピニオン28を支持するキ
ャリア29と、出力軸27を包囲するとともにリアプラネタ
リギアユニット20のサンギア30bと一体に構成されてい
るサンギア30aと、入力軸26にフォワードクラッチC1
介して連結しているリングギア31とからなっている。ま
た、入力軸26とサンギア30aの間にはダイレクトクラッ
チC2が、サンギア30aとケース7との間にはバンドブレ
ーキからなるセカンドコーストブレーキB1が介在させら
れる。サンギア30aとケース7との間には、更に、ワン
ウェイクラッチF1を介して多板からなるセカンドブレー
キB2が配設される。
そして、リアプラネタリギアユニット20はプラネタリ
ピニオン32を支持するキャリア33、サンギア30b、及び
出力軸27に直結されるリングギア35からなっていて、キ
ャリア33とケース7との間には1st&RevブレーキB3とワ
ンウェイクラッチF2が並列配置されている。なお、第2
図中、36は油圧ポンプである。
ここで、第2図に示すように、オーバドライブプラネ
タリギアユニット17においては、サンギア23のボス部23
aが軸方向に延び、該ボス部23aとキャリア24に固定され
るスリーブ24aとの間にワンウェイクラッチF0が介在さ
せられている。
また、上記ボス部23aからシリンダを構成するフラン
ジ部40が延在しており、該フランジ部40にはピストン41
が嵌合してオーバドライブダイレクトクラッチC0用の油
圧アクチュエータを構成している。そして、上記フラン
ジ部40内周面とケース7との間にはオーバドライブブレ
ーキB0が配設されており、該フランジ部40の外周には外
径方向に延びる環状の鍔部42が固定される。
該鍔部42には多数の孔又は切り欠きが形成されてい
て、該孔又は切り欠きに対向してケース7に光り又は磁
気等の非接触式のセンサ45が設けられている。該センサ
45は、上記オーバドライブダイレクトクラッチC0の接続
時、すなわち1速,2速,3速時に、入力軸15と一体の上記
鍔部42の回転速度を検出する。
一方、エクステンションケース9内には出力軸27の回
転を検出する車速センサ46が設置されており、該車速セ
ンサ46及び上記センサ45からの信号は他のセンサからの
信号と共に制御部に送られ、後述する油圧制御装置5
(第4図参照)の各ソレノイドバルブS1,S2,S3,S4
制御する。
続いて、第4図に基づいて油圧制御装置5について説
明する。
図において、C0,C1,C2は上記各クラッチの油圧サー
ボであり、B0,B1,B2,B3は上記各ブレーキの油圧サー
ボである。2はトルクコンバータ、36は油圧ポンプ、37
はストレーナである。
51は運転者が変速シフトを行う際に操作するマニュア
ルバルブであり、運転席のシフトレバーにプッシュプル
ケーブルを介して連結されていて、シフトレバーの動き
に応じて各ポジションP,R,N,D,2nd,Lに切り替えられ、
ライン圧ポートpが、第5図にそれぞれ○印で示すよう
に各ポートa,b,c,dに連通する。
また、52はライン圧をスロットルモジュレータ圧とリ
バース時のラインプレッシャによって調圧するプライマ
リレギュレータバルブであり、調圧した油を後述するロ
ックアップリレーバルブ57とセカンダリレギュレタバル
ブ55に供給する。
53はスロットルバルブであり、アクセルペダルの踏み
加減に対応して上下2個のスプリングを圧縮し、後述す
るカットバックバルブ59からのカットバックプレッシャ
とにより、エンジンの出力に対応するスロットルプレッ
シャを得るためのものである。
55はセカンドレギュレータバルブであり、上記プライ
マリレギュレータバルブ52からの油圧を調整して潤滑油
圧とするとともに、ロックアップリレーバルブ57に供給
する。
56はロックアップコントロールバルブであり、ロック
アップリレーバルブ57のバルブ先端にかかる油圧を調節
する。また、該ロックアップリレーバルブ57は、リニア
ソレノイドバルブS3及びソレノイドリレーバルブ58から
の信号油圧により作動して、トルクコンバータ2のロッ
クアップクラッチ12を係脱するものである。
59はカットバックバルブであり、カットバックプレッ
シャをスロットルバルブ53に作用させて、スロットルプ
レッシャを調圧するものである。該カットバックバルブ
59は、Lレンジ又はRレンジ以外の時に、セカンドコー
ストブレーキB1及びセカンドブレーキB2に供給される油
圧により作動する。
60は1速と2速とを切り替える1−2シフトバルブで
あり、その先端にソレノイドバルブS2の油圧が供給され
るようになっていて、該バルブ60は1速時に右半位置を
とり、2,3,4速時に左半位置をとる。すなわち、1速時
においては右半位置にあり、セカンドコースブレーキ
B1、セカンドブレーキB2への油圧供給が常時停止され、
Lレンジの時にのみ1st&RevブレーキB3への油圧供給が
行われるようになっている。そして、2速になると上記
バルブが左半位置となり、上記マニュアルバルブ51から
の油圧がセカンドブレーキB2に供給されるようになる。
また、2nd及びLレンジにおいては、後述する2−3シ
フトバルブからの油圧を受け、これをセカンドコースト
モジュレータバルブ66を介してセカンドコーストブレー
キB1に供給する。
また、61は2速と3速とを切り替える2−3シフトバ
ルブであり、その先端にソレノイドバルブS1の油圧が供
給されるようになっていて、該バルブ61は1,2速時に右
半位置をとり、3,4速時に左半位置をとる。すなわち1,2
速時には停止されていたダイレクトクラッチC2への油圧
の供給が、3速になってバルブが左半位置となることに
より行われるようになる。
そして、62は3速と4速とを切り替える3−4シフト
バルブであり、その先端にソレノイドバルブS2の油圧が
供給されるようになっていて、該バルブ62は、1,2,3速
時に右半位置をとり、4速時に左半位置をとる。すなわ
ち、1,2,3速時に供給されていたオーバドライブダイレ
クトクラッチC0への油圧が、4速になってバルブが左半
位置となることにより供給されなくなり、一方1,2,3速
時に停止されていたオーバドライブブレーキB0への油圧
の供給が行われるようになる。
62は車速が例えば9km/h以上の時に、ソレノイドバル
ブS2が開放されることによって作動し、ダイレクトクラ
ッチC2への油圧を停止するためのリバースインヒビット
バルブである。
また、65はローコーストモジュレータバルブ、66はセ
カンドコーストモジュレータバブルであり、エンジンブ
レーキを効かせる時に作動させられる。
上記各クラッチC0,C1,C2及びブレーキB0,B2にはそ
れぞれアキュムレータが備えられる。すなわち、67はC0
用アキュムレータ、68はC1用アキュムレータ、69はB0
アキュムレータ、70はC2用アキュムレータ、71はB2用ア
キュムレータである。上記B0用アキュムレータ69、C2
アキュムレータ70及びB2用アキュムレータ71の各背圧室
69a,70a,71aに連通する油圧を調圧するとともに、ロー
コーストモジュレータバルブ65及びセカンドコーストモ
ジュレータバルブ66を調圧するため、アキュムレータコ
ントロールバルブ72が設けられている。
そして、S1及びS2は上述したように1−2シフトバル
ブ60、2−3シフトバルブ61、3−4シフトバルブ62を
切換制御するソレノイドバルブであり、S3及びS4はリニ
アソレノイドバルブであって、ソレノイドモジュレータ
バルブ73で調圧された油圧が供給される。
また、74はオリフィスコントロールバルブ、75はカッ
トオフバルブである。
上記油圧制御回路において、本発明の圧力調整弁のオ
ーバストローク防止装置は第1図に示されるような構成
となっている。
すなわち、スロットルバルブ53は、バルブ室531及び
該バルブ室531内を摺動するプランジャ532、スプール53
3とからなり、プランジャ532が摺動する部分には、スリ
ーブ534が配設されている。上記バルブ室531は、プライ
マリレギュレータバルブ52(第4図参照)で調整された
圧油が供給されるポートg、スプール533の移動により
圧力が調整された油が吐出されるポートh、該調整され
た油のスロットル圧を絞り535を介してスプール533にフ
ィードマックするためのポートi、ドレーンポートj、
パワーアシスト機構536の入力側ポートk及びパワーア
シスト機構536の出力側ポートlを有している。該ポー
トlは油路537に接続されていて、該油路537を介してス
ロットル圧が第4図に示すカットオフバルブ75、及びア
キュムレータコントロールバルブ72に供給されるように
なっている。
上記プランジャ532は、上記バルブ室531の上方に位置
していて、図示しないケーブルを介してアクセルペダル
により回転させられるカム538と、それに従動するカム
ローラ539によって押圧される。該プランジャ532は、小
径の上方ランド532a及び大径の下方ランド532bを有して
いて、下方ランド532bはスプリング540を付勢する。
一方、スプール533は、上記バルブ室531の下方に位置
していて、スプリング540を介してプランジャ532により
下方に押されている。そして、大径の上方ランド533a、
大径の中間ランド533b及び小径の下方ランド533cを有し
ており、スプリング541により下方から押圧されてい
る。
上記大径の中間ランド533bと小径の下方ランド533cの
間は、通常の圧力制御状態において、上記フィードバッ
ク用のポートiからスロットル圧のフィードバックを受
けて、各ランド533b,533cの面積差分だけ上方に押圧さ
れるようになっている。
このスロットルバルブ53は、上述したようにアクセル
ペダルを踏み込むことによって作動するため、特にアク
セルを踏み込む場合においては、スプリング540,541等
が抵抗となり、大きい踏込力を必要とする。そこで、ア
クセルの踏込力すなわちスロットルバルブのスプールの
押下力を低減させるために、パワーアシスト機構536が
設けられている。該パワーアシスト機構536は、小径の
上方ランド532a、大径の下方ランド532b及びスリーブ53
4からなっていて、該スリーブ534の外側に環状の油室54
2が形成されるとともに、該油室542から内側に延びるオ
リフィス542が形成される。
該油室542には、ポートkを介してスロットル圧が供
給され、該スロットル圧がオリフィス542を介してプラ
ンジャ532に付与される。ここで、プランジャ532の下方
ランド532bは上方ランド532aより径が大きく、その面積
差分だけプランジャ532を下方に押す力が大きくなる。
したがって、スロットル圧に比例した押下方がプランジ
ャ532に作用することなる。
また、スプール533の上方ランド533aの更に上方に
は、スプリング540と当接するオーバストローク防止用
ランド545がスプリング533と一体形成される。一方、バ
ルブボディ側には、該オーバストローク防止用ランド54
5に対応する位置に段部546が形成され、該段部546とス
ロットルバルブ53の制御ストロークだけ離れた位置に下
端部547が位置するように上記スリーブ534が配設され
る。そして、段部546とスリーブ534の間に凹部548が形
成され、該凹548内を上記オーバストローク防止用ラン
ド545が移動する。
ここで、この自動変速機1の各ソレノイドバルブS1
S2,S3,S4、クラッチC0,C1,C2、ブレーキB0,B2,B3
及びワンウェイクラッチF0,F1,F2は、各ポジションP,
R,R(V≧9),N,D,2nd,Lにおける変速段においてそれ
ぞれ第6図に示す作動表のように制御される。
すなわち、Dレンジ又は2ndレンジにおける1速時
は、ソレノイドバルブS1がオン状態にあって、その結果
オーバドライブダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラ
ッチF0,F2及びフォワードクラッチC1が係合し、他は解
放状態になっている。したがって、オーバドライブプラ
ネタリギアユニット17は、オーバドライブダイレクトク
ラッチC0及びワンウェイクラッチF0を介して一体となっ
て直結状態になっており、入力軸15の回転はそのまま主
変速ユニット21の入力軸26に伝えられる。また、主変速
ユニット21では、入力軸26の回転がフォワードクラッチ
C1を介してフロントプラネタリギアユニット19のリング
ギア31に伝達され、更にキャリア29及び該キャリア29と
一体の出力軸27に伝達されるとともに、サンギア30を介
してリアプラネタリギアユニット20のキャリア33に左方
向の回転力を付与するが、ワンウェイクラッチF2にて該
回転が阻止されるため、プラネタリピニオン32は自転し
て出力軸27と一体のリングギア35に動力を伝達する。
また、Dレンジにおける2速時は、ソレノイドバルブ
S1のオンに加えてソレノイドバルブS2がオンに切り変わ
る。これにより、オーバドライブダイレクトクラッチ
C0、アンウェイクラッチF0、フォワードクラッチC1、ワ
ンウェイクラッチF1及びセカンドブレーキB3が係合し、
他は解放状態となる。したがって、オーバドライブプラ
ネタリギアユニット17は先に述べた直結状態にあり、入
力軸15の回転がそのまま主変速ユニット21の入力軸26が
伝達される。また、該主変速ユニット21は、入力軸26の
回転がフォワードクラッチC1を介してフロントプラネタ
リギアユニット19のリングギア31に伝わり、プラネタリ
ピニオン28を介してサンギア30に左方向の回転力を付与
するが、該サンギア30はセカンドブレーキB2の係合に伴
うワンウェイクラッチF1にて該方向の回転が阻止され
る。したがって、プラネタリピニオン28は自転しながら
キャリア29が回転し、フロントプラネタリギアユニット
19のみを経由して2速回転が出力軸27に伝達される。
また、Dレンジ及び2ndレンジにおける3速時では、
ソレノイドS1がオフされ、オーバドライブダイレクトク
ラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォワードクラッチ
C1、ダイレクトクラッチC2及びセカンドブレーキB2が係
合し、他は解放状態にある。したがって、オーバドライ
ブプラネタリギアユニット17は先に述べた直結状態にあ
り、また主変速ユニット21は、フォワードクラッチC1
ダイレクトクラッチC2の係合によりフロントプラネタリ
ギアユニット19が一体になって、入力軸26の回転はその
まま出力軸27に伝達される。
そして、Dレンジにおける4速すなわち最高速段で
は、ソレノイドバルブS2もオフされ、フォワードクラッ
チC1、ダイレクトクラッチC2及びセカンドブレーキB2
係合状態にあり、主変速ユニット21は3速時と同様に直
結状態にあるが、オーバドライブプラネタリギアユニッ
ト17は、オーバドライブダイレクトクラッチC0が解放す
るとともにオーバドライブブレーキB0が係合するように
切り変えられる。したがって、サンギア23がオーバドラ
イブブレーキB0にてロックされ、キャリア24が回転しな
がらプラネタリピニオン22は自転してリングギア25に動
力伝達し、直結状態にある主変速ユニット21の入力軸26
に該オーバドライブの回転が伝達される。
一方、ダウンシフト時は、4−3の場合、オーバドラ
イブダイレクトクラッチC0が係合するとともにオーバド
ライブブレーキB0が解放され、また3−2の場合、ダイ
レクトクラッチC2が解放され、2−1の場合、セカンド
ブレーキB2が解放される。
また、マニュアルバルブ51を2ndレンジに操作した場
合、1速及び3速においては上記Dレンジの場合と同様
である。そして、2速状態の場合、フォワードクラッチ
C1、オーバドライブダイレクトクラッチC0及びセカンド
ブレーキB2に加えて、セカンドコーストブレーキB1が係
合され、主変速ユニット21のザンギア30をロックし、エ
ンジンブレーキをきかせる。
そして、Lレンジにおける2速時は、上述した2レン
ジにおける2速時と同様であるが、1速時にはフォワー
ドクラッチC1、オーバドライブダイレクトクラッチC0
加えて、1st&RevブレーキB3が係合し、リアプラネタリ
ギアユニット20のキャリア33をロックし、エンジンブレ
ーキをきかせる。
次に、Rレンジ時は、オーバドライブダイレクトクラ
ッチC0、ワンウェイクラッチF0、ダイレクトクラッチC2
及びブレーキB3を係合し、他は解放状態にある。したが
って、オーバドライブプラネタリギアユニット17は直結
状態にあり、また主変速ユニット21は、入力軸26の回転
がダイレクトクラッチC2により直接サンギア30に伝達さ
れ、かつブレーキB3によりリアキャリア33の回転がロン
クされているので、サンギア30の回転はプラネタリピニ
オン32の自転を介してリンクギア35に逆回転として伝達
され、出力軸27を逆転する。また、マニュアルバルブ51
をRレンジに操作しても、車速が所定速度、例えば9km/
h以上にある場合、ソレノイドバルブS2がオンであり、
ダイレクトクラッチC2が解放状態にあるので、逆回転状
態にはならない。すなわち、所定速度以上の車速で走行
中においてはダイレクトクラッチC2が係合されないよう
になっている。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、そ
れらを本発明の範囲から排除するものではない。
例えば、本発明の実施例においては、スロットルバル
ブについて説明しているが、プライマリレギュレータバ
ルブ、セカンダリレギュレータバルブ等の他の圧力調整
弁にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す圧力調整弁のオーバスト
ローク防止装置は適用されたスロットルバルブの断面
図、第2図は本発明を適用した自動変速機の全体断面
図、第3図はその概略構成図、第4図はその油圧制御装
置を示す回路図、第5図は各レンジにおけるマニュアル
バルブの動作図、第6図は各レンジにおけるソレノイド
バルブ、クラッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチの作
動状態を示す図である。 1…自動変速機、2…トルクコンバータ、3…変速ギア
機構、5…油圧制御装置、6…コンバータハウジング、
7…ケース、10…バルブボディ、11…オイルパン、12…
ロックアップクラッチ、17…オーバドライブプラネタリ
ギアユニット、19…フロントプラネタリギアユニット、
20…リアプラネタリギアユニット、21…主変速ユニッ
ト、51…マニュアルバルブ、52…プライマリレギュレー
タバルブ、53…スロットルバルブ、55…セカンダリレギ
ュレータバルブ、60…1−2シフトバルブ、61…2−3
シフトバルブ、62…3−4シフトバルブ、65…ローコー
ストモジュレータバルブ、66…セカンドコーストモジュ
レータバルブ、73…ソレノイドモジュレータバルブ、75
…カットオフバルブ、B1…セカンドコーストブレーキ、
B2…セカンドブレーキ、532…プランジャ、533…スプー
ル、534…スリーブ、536…パワーアシスト機構、540,54
1…スプリング、543…オリフィス、545…オーバストロ
ーク防止用ランド、548…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多賀 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 3/24 F16K 27/04 F16H 63/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スプールの端面及びランドの端面のうちの
    一方に信号圧力を与え、該信号圧力に対応させてスプー
    ルを移動させることによって油圧を調整する圧力調整弁
    のオーバストローク防止装置において、前記スプールに
    係止用凸部が一体的に形成され、また、スプールが摺動
    させられるバルブボディの段部、及びスリーブの端部に
    よって係止用凹部が形成されるとともに、前記係止用凸
    部及び係止用凹部は、スプールのオーバストロークが両
    者の係止によって防止される位置に配設されることを特
    徴とする圧力調整弁のオーバストローク防止装置。
  2. 【請求項2】前記スプールの端面及びランドの端面のう
    ちの他方に、スプリングによってスプリング荷重が与え
    られ、前記信号圧力及びスプリング荷重に対応させてス
    プールが移動させられる請求項1に記載の圧力調整弁の
    オーバストローク防止装置。
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