JP2798252B2 - 自動変速機におけるシフト制御装置 - Google Patents

自動変速機におけるシフト制御装置

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JP2798252B2
JP2798252B2 JP63230076A JP23007688A JP2798252B2 JP 2798252 B2 JP2798252 B2 JP 2798252B2 JP 63230076 A JP63230076 A JP 63230076A JP 23007688 A JP23007688 A JP 23007688A JP 2798252 B2 JP2798252 B2 JP 2798252B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動変速機のシフト制御装置、特に4速か
ら3速にシフトダウンする際の特性を良好にするための
シフト制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、自動車用の自動変速機には、自動変速機のギア
段の切り替えを行う際に、各種シャフト、ギア等の間の
係脱を行うため、多板クラッチ又はブレーキが設けられ
ている。例えば、フォワードクラッチはインプットシャ
フトとフロントリングギアを接続するために、ダイレク
トクラッチはインプットシャフトとリアサンギアを接続
するために使用され、またセカンドコーストブレーキは
フロントとリアのサンギア(以下、フロント&リアサン
ギアと言う。)をロックするため、セカンドブレーキは
フロント&リアサンギアの左回転をロックするため、フ
ァースト&リバーサルブレーキはリアプラネタリキャリ
アをロックするために使用される。
また、オーバドライブダイレクトクラッチはサンギア
とプラネタリキャリアとを接続するために、オーバドラ
イブブレーキはサンギアとケースとをロックするために
設けられている。
すなわち、Dレンジによる走行をしていて、3速から
4速にシフトアップする時には、上記オーバドライブダ
イレクトクラッチの係合が解除されるとともに、オーバ
ドライブブレーキがロックされ、また、4速から3速に
シフトダウンする時には、上記オーバドライブダイレク
トクラッチが係合するとともに、オーバドライブブレー
キが解除される。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記従来のシフト制御装置においては、4
速から3速にシフトダウンする時に、3−4シフトバル
ブを作動させて上記オーバドライブダイレクトクラッチ
係合用油路とオーバドライブブレーキ係合用油路とを切
り替えると、あらゆる走行条件において画一的なシフト
ダウンが実行されてしまう。すなわち、エンジンブレー
キを掛ける時等、マニュアルダウンによって4速から3
速にシフトさせる場合は、急速にシフトダウンを行う必
要があるが、惰性で走行しつつ速度を低下させる時等、
コーストダウンによって4速から3速にシフトさせる場
合、又は急加速する必要がある時等、キックダウンによ
って4速から3速にシフトさせる場合には、比較的緩や
かにシフトダウンを行うのが望ましいにもかかわらず、
常に一定の速度でシフトダウンが行われていた。
つまり、単に3−4シフトバルブを作動させて上記オ
ーバドライブダイレクトクラッチ係合用油路とオーバド
ライブブレーキ係合用油路とを切り替えるだけの構造に
なっていると、該切り替えとほとんど同時にオーバドラ
イブダイレクトクラッチの係脱が行われ、上記各種の走
行条件により係脱を早めたり遅くしたりすることができ
ず、シフトダウン時にショックがあったり、レスポンス
が悪かったりして、運転者に良好な走行フィーリングを
与えることができなかった。
本発明は、上記従来の自動変速機におけるシフト制御
装置の問題点を解決して、シフトダウンの種類に対応さ
せて適切な変速を行い、変速フィーリングを向上させる
ことができる自動変速機におけるシフト制御装置を提供
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) そのために、本発明の自動変速機におけるシフト制御
装置においては、変速ギア機構の所定の摩擦係合要素を
係合させて、対応する変速段へのシフトを行うようにな
っている。
そして、シフトダウンの種類を判断する手段と、前記
摩擦係合要素を係合させるために油圧を供給するための
油路に配設されたアキュムレータと、シフトダウンの種
類に対応させて前記アキュムレータの背圧の制御を行う
背圧制御手段とを有する。
また、該背圧制御手段は、電気信号に対応させて信号
油圧を出力するソレノイドバルブを備える。そして、該
ソレノイドバルブは、マニュアルダウン時には前記アキ
ュムレータに背圧を供給するための信号油圧を出力し、
コーストダウン時には前記アキュムレータから背圧を除
去するための信号油圧を出力する。
本発明の他の自動変速機におけるシフト制御装置にお
いては、さらに、前記背圧制御手段は、前記アキュムレ
ータに背圧を供給する位置、及び前記アキュムレータか
ら背圧を除去する位置を選択的に採るカットオフバルブ
を備え、該カットオフバルブはキックダウン時に前記ア
キュムレータから背圧を除去する位置を採る。
(作用及び発明の効果) 本発明によれば、前記のように自動変速機におけるシ
フト制御装置においては、変速ギア機構の所定の摩擦係
合要素を係合させて、対応する変速段へのシフトを行う
ようになっている。
そして、シフトダウンの種類を判断する手段と、前記
摩擦係合要素を係合させるために油圧を供給するための
油路に配設されたアキュムレータと、シフトダウンの種
類に対応させて前記アキュムレータの背圧の制御を行う
背圧制御手段とを有する。
また、該背圧制御手段は、電気信号に対応させて信号
油圧を出力するソレノイドバルブを備える。そして、該
ソレノイドバルブは、マニュアルダウン時には前記アキ
ュムレータに背圧を供給するための信号油圧を出力し、
コーストダウン時には前記アキュムレータから背圧を除
去するための信号油圧を出力する。
この場合、マニュアルダウン時においては、前記アキ
ュムレータに背圧が供給されるので、アキュムレータに
収容される油の量が少なくなり、摩擦係合要素が係合さ
せられるまでの時間がその分短くなる。したがって、シ
フトダウンの変速を行うときのレスポンスが良くなる。
また、コーストダウン時においては、前記アキュムレ
ータから背圧が除去されるので、アキュムレータに収容
される油の量が多くなり、摩擦係合要素が係合するまで
の時間がその分長くなる。したがって、シフトダウンの
変速に伴いショックが発生するのを抑制することができ
る。
このように、シフトダウンの種類に対応させて適切な
変速が行われるので、変速フィーリングを向上させるこ
とができる。
本発明の他の自動変速機におけるシフト制御装置にお
いては、さらに、前記背圧制御手段は、前記アキュムレ
ータに背圧を供給する位置、及び前記アキュムレータか
ら背圧を除去する位置を選択的に採るカットオフバルブ
を備え、該カットオフバルブはキックダウン時に前記ア
キュムレータから背圧を除去する位置を採る。
この場合、キックダウン時において、前記アキュムレ
ータから背圧が除去されるので、アキュムレータに収容
される油の量が多くなり、摩擦係合要素が係合するまで
の時間がその分長くなる。したがって、シフトダウンの
変速に伴いショックが発生するのを抑制することができ
る。
(実施例) 以下、本発明の自動変速機におけるシフト制御装置の
実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
自動変速機1は、第2図及び第3図に示されるよう
に、トルクコンバータ2、プラネタリギア変速ギア機構
3及び油圧制御装置5を備えており、それぞれコンバー
タハウジング6、ケース7及びエクステンションハウジ
ング9、バルブボディ10及びオイルパン11に収容されて
いる。
上記トルクコンバータ2は、動力伝達効率を向上させ
るためののロックアップクラッチ12を備えており、入力
部材13の回転動力を、トルクコンバータ2内の油流によ
り間接的に、又は上記ロックアップクラッチ12の係合に
よって直接的に変速ギア機構3の入力軸15に伝達する。
また、上記変速ギヤ機構3は、オーバドライブプラネ
タリギアユニット17を有するとともに、フロントプラネ
タリギアユニット19及びリアプラネタリギアユニット20
からなる主変速ユニット21を有している。
ここで、上記オーバドライブプラネタリギアユニット
17は入力軸15に接続されていて、プラネタリピニオン22
を支持するキャリア24、入力軸15を包囲するサンギア2
3、及び主変速ユニット21の入力軸26に直結されるリン
グギア25からなっている。また、キャリア24とサンギア
23の間には、オーバドライブダイレクトクラッチC0及び
ワンウェイクラッチF0が介在させられているとともに、
サンギア23とケース7との間にはオーバドライブブレー
キB0が配設されている。
次に、フロントプラネタリギアユニット19は出力軸27
に接続されていて、プラネタリピニオン28を支持するキ
ャリア29と、出力軸27を包囲するとともにリアプラネタ
リギヤユニット20のサンギア30bと一体に構成されてい
るサンギア30aと、入力軸26にフォワードクラッチC1
介して連結しているリングギア31とからなっている。ま
た、入力軸26とサンギア30aの間にはダイレクトクラッ
チC2が、サンギア30aとケース7との間にはバンドブレ
ーキからなるセカンドコーストブレーキB1が介在させら
れる。サンギア30aとケース7との間には、更に、ワン
ウェイクラッチF1を介して多板からなるセカンドブレー
キB2が配設される。
そして、リアプラネタリギアユニット20はプラネタリ
ピニオン32を支持するキャリア33、サンギア30b、及び
出力軸27に直結されるリングギア35からなっていて、キ
ャリア33とケース7との間には1st & RevブレーキB3
ワンウェイクラッチF2が並列配置されている。なお、第
2図中、36は油圧ポンプである。
ここで、第2図に示すように、オーバドライブプラネ
タリギアユニット17においては、サンギア23のボス部23
aが軸方向に延び、該ボス部23aとキャリア24に固定され
るスリーブ24aとの間にワンウェイクラッチF0が介在さ
せられている。
また、上記ボス部23aからシリンダを構成するフラン
ジ部40が延在しており、該フランジ部40にはピストン41
が嵌合してオーバドライブダイレクトクラッチC0用の油
圧アクチュエータを構成している。そして、上記フラン
ジ部40の内周面とケース7との間にはオーバドライブブ
レーキB0が配設されており、該フランジ部40の外周には
外径方向に延びる環状の鍔部42が固定される。
該鍔部42には多数の孔又は切り欠きが形成されてい
て、該孔又は切り欠きに対向してケース7に光り又は磁
気等の非接触式のセンサ45が設けられている。該センサ
45は、上記オーバドライブダイレクトクラッチC0の接続
時、すなわち1速,2速,3速時に、入力軸15と一体の上記
鍔部42の回転速度を検出する。
一方、エクステンションケース9内には出力軸27の回
転を検出する車速センサ46が設置されており、該車速セ
ンサ46及び上記センサ45からの信号は他のセンサからの
信号と共に制御部に送られ、後述する油圧制御装置5
(第4図参照)の各ソレノイドバルブS1,S2,S3,S4を制
御する。
続いて、第4図に基づいて油圧制御装置5について説
明する。
図において、C0,C1,C2は上記各クラッチの油圧サーボ
であり、B0,B1,B2,B3は上記各ブレーキの油圧サーボで
ある。2はトルクコンバータ、36は油圧ポンプ、37はス
トレーナである。
51は運転者が変速シフトを行う際に操作するマニュア
ルバルブであり、運転席のシフトレバーにプッシュプル
ケーブルを介して連結されていて、シフトレバーの動き
に応じて各ポジションP,R,N,D,2nd,Lに切り替えられ、
ライン圧ポートpが、第5図にそれぞれ○印で示すよう
に各ポートa,b,c,dに連通する。
また、52はライン圧をスロットルモジュレータ圧とリ
バース時のラインプレッシャによって調圧するプライマ
リレギュレータバルブであり、ここで調圧した油を、後
述するロックアップリレーバルブ57とセカンダリレギュ
レータバルブ55に供給する。
53はスロットルバルブであり、アクセルペダルの踏み
加減に対応して上下2個のスプリングを圧縮し、後述す
るカットバックバルブ59からのカットバックプレッシャ
とにより、エンジンの出力に対応するスロットルプレッ
シャを得るためのものである。
55はセカンダリレギュレータバルブであり、上記プラ
イマリレギュレータバルブ52からの油圧を調整して潤滑
油圧とするとともに、ロックアップリレーバルブ57に供
給する。
56はロックアップコントロールバルブであり、ロック
アップリレーバルブ57のバルブ先端にかかる油圧を調節
する。また、該ロックアップリレーバルブ57は、リニア
ソレノイドバルブS3及びソレノイドリレーバルブ58から
の信号油圧により作動して、トルクコンバータ2のロッ
クアップクラッチ12を係脱するものである。
59はカットバックバルブであり、カットバックプレッ
シャをスロットルバルブ53に作用させて、スロットルプ
レッシャを調圧するものである。該カットバックバルブ
59は、Lレンジ又はRレンジ以外の時に、セカンドコー
ストブレーキB1及びセカンドブレーキB2に供給される油
圧により作動する。
60は1速と2速とを切り替える1−2シフトバルブで
あり、その先端にソレノイドバルブS2の油圧が供給され
るようになっていて、該バルブ60は、1速時に右半位置
をとり、2,3,4速時に左半位置をとる。すなわち、1速
時においては右半位置にあり、セカンドコーストブレー
キB1、セカンドブレーキB2への油圧供給が常時停止さ
れ、1st & RevブレーキB3への油圧供給がLレンジの時
にのみ行われるようになっている。そして、2速になる
と上記バルブが左半位置となり、上記マニュアルバルブ
51からの油圧がセカンドブレーキB2に供給されるように
なる。また、2nd及びLレンジにおいては、後述する2
−3シフトバルブからの油圧を受け、これをセカンドコ
ーストモジュレータバルブ66を介してセカンドコースト
ブレーキB1に供給する。
また、61は2速と3速とを切り替える2−3シフトバ
ルブであり、その先端にソレノイドバルブS1の油圧が供
給されるようになっていて、該バルブ61は1,2速時に右
半位置をとり、3,4速時に左半位置をとる。すなわち1,2
速時には停止されていたダイレクトクラッチC2への油圧
の供給が、3速になってバルブが左半位置となることに
より行われるようになる。
そして、62は3速と4速とを切り替える3−4シフト
バルブであり、その先端にソレノイドバルブS2の油圧が
供給されるようになっていて、該バルブ62は1,2,3速時
に右半位置をとり、4速時に左半位置をとる。すなわ
ち、1,2,3速時に供給されていたオーバドライブダイレ
クトクラッチC0への油圧が、4速になってバルブが左半
位置となることにより供給されなくなり、一方1,2,3速
時に停止されていたオーバドライブブレーキB0への油圧
の供給が行われるようになる。
63は車速が例えば9km/h以上の時に、ソレノイドバル
ブS2が開放されることによって作動し、ダイレクトクラ
ッチC2への油圧を停止するためのリバースインヒビット
バルブである。
また、65はローコーストモジュレータバルブ、66はセ
カンドコーストモジュレータバルブであり、エンジンブ
レーキを効かせる時に作動させられる。
上記各クラッチC0,C1,C2及びブレーキB0,B2にはそれ
ぞれアキュムレータが備えられる。すなわち、67はC0
アキュムレータ、68はC1用アキュムレータ、69はB0用ア
キュムレータ、70はC2用アキュムレータ、71はB2用アキ
ュムレータである。上記B0用アキュムレータ69、C2用ア
キュムレータ70及びB2用アキュムレータ71の各背圧室69
a,70a,71aに連通する油圧を調圧するとともに、ローコ
ーストモジュレータバルブ65及びセカンドコーストモジ
ュレータバルブ66を調圧するため、アキュムレータコン
トロールバルブ72が設けられている。
そして、S1及びS2は上述したように、1−2シフトバ
ルブ60、2−3シフトバルブ61、3−4シフトバルブ62
を切換制御するソレノイドバルブであり、S3及びS4はリ
ニアソレノイドバルブであって、ソレノイドモジュレー
タバルブ73で調圧された油圧が供給される。
また、74はオリフィスコントロールバルブ、75はカッ
トオフバルブである。
ここで、この自動変速機1の各ソレノイドバルブS1,S
2,S3,S4、クラッチC0,C1,C2,ブレーキB0,B2,B3及びワン
ウェイクラッチF0,F1,F2は、各ポジションP,R,R(V≧
9),N,D,2nd,Lにおける変速段において、それぞれ第6
図に示す作動表のように制御される。
すなわち、Dレンジ又は2ndレンジにおける小速度
は、ソレノイドバルブS1がオン状態にあって、その結果
オーバドライブダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラ
ッチF0,F2及びフォワードクラッチC1が係合し、他は開
放状態になっている。したがって、オーバドライブプラ
ネタリギアユニット17は、オーバドライブダイレクトク
ラッチC0及びワンウェイクラッチF0を介して一体となっ
て直結状態になっており、入力軸15の回転はそのまま主
変速ユニット21の入力軸26に伝えられる。また、主変速
ユニット21では、入力軸26の回転がフォワードクラッチ
C1を介してフロントプラネタリギアユニット19のリング
ギア31に伝達され、更にキャリア29及び該キャリア29と
一体の出力軸27を伝達されるとともに、サンギア30を介
してリアプラネタリギアユニット20のキャリア33に左方
向の回転力を付与するが、ワンウェイクラッチF2にて該
回転が阻止されるため、プラネタリピンオン32は自転し
て出力軸27と一体のリングギア35に動力を伝達する。
また、Dレンジにおける2速時は、ソレノイドバルブ
S1のオンに加えてソレノイドバルブS2がオンに切り変わ
る。これにより、オーバドライブダイレクトクラッチ
C0、ワンウェイクラッチF0、フォワードクラッチC1、ワ
ンウェイクラッチF1及びセカンドブレーキB2が係合し、
他は解放状態となる。したがって、オーバドライブプラ
ネタリギアユニット17は先に述べた直結状態にあり、入
力軸15の回転がそのまま主変速ユニット21の入力軸26に
伝達される。また、該主変速ユニット21は、入力軸26の
回転がフォワードクラッチC1を介してフロントプラネタ
リギアユニット19のリングギア31に伝わり、プラネタリ
ピニオン28を介してサンギア30に左方向の回転力を付与
するが、該サンギア30はセカンドブレーキB2の係合に伴
うワンウェイクラッチF1にて該方向の回転が阻止され
る。したがって、プラネタリピニオン28は自転しながら
キャリア29が回転し、フロントプラネタリギアユニット
19のみを経由して2速回転が出力軸27に伝達される。
また、Dレンジ及び2ndレンジにおける3速時では、
ソレノイドS1がオフされ、オーバドライブダイレクトク
ラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォワードクラッチ
C1、ダイレクトクラッチC2及びセカンドブレーキB2が係
合し、他は解放状態にある。したがって、オーバドライ
ブプラネタリギアユニット17は先に述べた直結状態にあ
り、また主変速ユニット21は、フォワードクラッチC1
ダイレクトクラッチC2の係合によりフロントプラネタリ
ギアユニット19が一体になって、入力軸26の回転はその
まま出力軸27に伝達される。
そして、Dレンジにおける4速すなわち最高速段で
は、ソレノイドバルブS2もオフされ、フォワードクラッ
チC1、ダイレクトクラッチC2及びセカンドブレーキB2
係合状態にあり、主変速ユニット21は3速時と同様に直
結状態にあるが、オーバドライブプラネタリギアユニッ
ト17は、オーバドライブダイレクトクラッチC0が解放す
るとともにオーバドライブブレーキB0が係合するように
切り変えられる。したがって、サンギア23がオーバドラ
イブブレーキB0にてロックされ、キャリア24が回転しな
がらプラネタリピニオン22が自転してリングギア25に動
力伝達し、直結状態にある主変速ユニット21の入力軸26
に該オーバドライブの回転が伝達される。
一方、シフトダウン時は、4−3の場合、オーバドラ
イブダイレクトクラッチC0が係合するとともにオーバド
ライブブレーキB0が解放され、また3−2の場合、オー
バドライブダイレクトクラッチC2が解放され、2−1の
場合、セカンドブレーキB2が解放される。
また、マニュアルバルブ51を2ndレンジに操作した場
合、1速及び3速においては上記Dレンジの場合と同様
である。そして、2速状態の場合、フォワードクラッチ
C1、オーバドライブダイレクトクラッチC0及びセカンド
ブレーキB2に加えて、セカンドコーストブレーキB1が係
合され、主変速ユニット21のサンギア30をロックし、エ
ンジンブレーキをきかせる。
そして、Lレンジにおける2速時は、上述した2レン
ジにおける2速時と同様であるが、1速時にはフォワー
ドクラッチC1、オーバドライブダイレクトクラッチC0
加えて、1st & RevブレーキB3が係合し、リアプラネタ
リギアユニット20のキャリア33をロックし、エンジンブ
レーキをきかせる。
次に、Rレンジ時は、オーバドライブダイレクトクラ
ッチC0、ワンウェイクラッチF0、ダイレクトクラッチC2
及びブレーキB3を係合し、他は解放状態にある。したが
って、オーバドライブプラネタリギアユニット17は直結
状態にあり、また主変速ユニット21は、入力軸26の回転
がダイレクトクラッチC2により直接サンギア30に伝達さ
れ、かつブレーキB3によりリアキャリア33の回転がロン
クされているので、サンギア30の回転はプラネタリピニ
オン32に自転を介してリングギア35に逆回転として伝達
され、出力軸27を逆転する。また、マニュアルバルブ51
をRレンジに操作しても、車速が所定速度、例えば9km/
h以上にある場合、ソレノイドバルブS2がオンであり、
ダイレクトクラッチC2が解放状態にあるので、逆回転状
態にはならない。
上述したように、4−3シフトダウンの時において
は、オーバドライブダイレクトクラッチC0が係合すると
ともにオーバドライブブレーキB0が解放されるようにな
っている。ここで、上記オーバドライブダイレクトクラ
ッチC0は、ワンウェイクラッチF0と並列に配設してあっ
て、ワンウェイクラッチF0の係合による動力伝達を助け
るためのものである。
本発明の自動変速機のシフト制御位置においては、4
−3シフトの条件により上記オーバドライブダイレクト
クラッチC0の係合を遅くしてシフトダウン時のショック
を低減するものであり、係合が完全に行われる間におい
ては、上記ワンウェイクラッチF0の係合のみによる動力
伝達が行われる。
次に、第1図に本発明の自動変速機のシフト制御装置
に適用される油圧回路の要部を示す。
図において、オーバドライブダイレクトクラッチC
0は、3−4シフトバルブ62のポートaから油の供給を
受け、オーバドライブブレーキB0は、3−4シフトバル
ブ62のポートbから油の供給を受けるようになってい
る。そして、該3−4シフトバルブ62は、ソレノイドバ
ルブS2のオン・オフによって2位置をとり、プライマリ
レギュレータバルブ52で調圧された油圧の供給をポート
cで受けて、上記ポートaとポートbとに選択的に供給
する。すなわち、1速,2速,3速の時には、上記ソレノイ
ドバルブS2はオンの状態にあり、ドレーンされてポート
dの油圧は除去され、上記3−4シフトバルブ62は右半
位置に置かれる。したがって、プライマリレギュレータ
バルブ52からの油圧はオーバドライブダイレクトクラッ
チC0に送られることになる。そして、4速になるとソレ
ノイドバルブS2はオフとなり、ポートdに油圧が供給さ
れて、上記3−4シフトバルブ62は左半位置に置かれ
て、プライマリレギュレータバルブ52からの油圧はオー
バドライブブレーキB0に送られる。
逆に、4−3シフトダウンの時には、オーバドライブ
ブレーキB0に送られていたプライマリレギュレータバル
ブ52からの油圧は、3−4シフトバルブ62の切り替えに
よってオーバドライブダイレクトクラッチC0に供給され
るようになる。
また、ポートaから延びるオーバドライブダイレクト
クラッチC0の係合用油路には、絞り81、逆止弁付き絞り
82が配設されていて、それらよりオーバドライブダイレ
クトクラッチC0側には、オーバドライブダイレクトクラ
ッチC0用アキュムレータ67が分岐接続される。該オーバ
ドライブダイレクトクラッチC0用アキュムレータ67は、
オーバドライブダイレクトクラッチC0への急激な油の供
給を防止するためのものであり、油はポートeを介して
該オーバドライブダイレクトクラッチC0用アキュムレー
タ67の上室に入り、ピストン83をスプリング84に抗して
押し下げる。そして、一定の圧力が得られた時に、初め
てオーバドライブダイレクトクラッチC0の係合が行われ
るようになっている。
一方、ポートbから延びるオーバドライブブレーキB0
の係合用油路には、絞り85、逆止弁付き絞り86が配設さ
れていて、それらよりオーバドライブブレーキB0側に
は、オーバドライブブレーキB0用アキュムレータ69が分
岐接続される。該オーバドライブブレーキB0用アキュム
レータ69は、オーバドライブブレーキB0への急激な油の
供給を防止するためのものであり、この油はポートfを
介して該オーバドライブブレーキB0用アキュムレータ69
の下室に入り、ピストン87をスプリング88に抗して押し
上げる。そして、一定の圧力が得られた時に、初めてオ
ーバドライブブレーキB0の係合が行われるようになって
いる。
ここで、上記各アキュムレータ67,69には、ピストン8
3,87の背圧側にポートg,hが設けられている。そして、
該ポートgは、カットオフバルブ75のポートiと接続さ
れており、該カットオフバルブ75の位置によって油圧の
供給・停止が行われる。また、ポートhは、アキュムレ
ータコントロールバルブ72の第5のポートとしてのポー
トjと接続されており、該アキュムレータコントロール
バルブ72の位置によって油圧の供給・停止が行われる。
そして、これらポートg,hへ供給される油圧は、上記ア
キュムレータ67,69に対して背圧を与えることによりア
キュムレータ67,69の作動に対する抵抗となって、オー
バドライブダイレクトクラッチC0及びオーバドライブブ
レーキB0の係脱を早く行うように作用する。なお、EXは
ドレーンポートである。
該背圧のコントロールは、以下のように行われる。
ソレノイドモジュレータバルブ73で調圧された油圧
は、アキュムレータコントロールバルブ72のポートkに
供給され、該アキュムレータコントロールバルブ72は通
常左半位置にあるため、ポートjを介してオーバドライ
ブブレーキB0用アキュムレータ69の背圧側ポートhに供
給されるとともに、ポートjを介してカットオフバルブ
75のポートlに供給される。
ところで、上記カットオフバルブ75は車両の加減速状
態に応じた油圧、例えば、スロットルバルブ53からの油
圧の供給により2位置をとるようになっている。すなわ
ち、アクセルがオンになると、該スロットルバルブ53の
ポートmから上記カットオフバルブ75の第3のポートと
してのポートn,pに油圧が供給され、該カットオフバル
ブ75は右半位置をとる。そして、この時、第1のポート
としてのポートlと、第2のポートとしてのポートiと
が遮断されるので、上記オーバドライブダイレクトクラ
ッチC0用アキュムレータ67のポートgに与えられていた
背圧がなくなり、オーバドライブダイレクトクラッチC0
の係合が遅くなる。すなわち、アクセルがオンの状態で
の4−3シフトダウン、例えば4−3キックダウンの場
合には、オーバドライブダイレクトクラッチC0の係合が
遅くなり、シフトダウン時のショックが低減される。
また、アクセルがオフになると、該スロットルバルブ
53のポートmから、上記カットオフバルブ75からポート
n,pへの油圧の供給が停止されて該ポートn,pの油が排出
される。したがって、該カットオフバルブ75は左半位置
をとり、ポートlとポートiとが連通されるので、上記
オーバドライブダイレクトクラッチC0用アキュムレータ
67のポートgに背圧が与えられ、その結果、オーバドラ
イブダイレクトクラッチC0の係合が早くなる。すなわ
ち、アクセルがオフの状態での4−3シフトダウン、例
えば4−3マニュアルダウンの場合には、オーバドライ
ブダイレクトクラッチC0の係合が早くなり、シフトダウ
ン時のレスポンスが良好になる。
上述したように、アクセルのオン・オフによってカッ
トオフバルブ75が切り替えられ、それに伴って上記オー
バドライブダイレクトクラッチC0用アキュムレータ67に
加えられる背圧の供給がコントロールされて走行条件に
併せたシフトダウン制御が行われるが、自然にスピード
を低下させつつ4速から3速にシフトダウンする4−3
コーストダウンの時には、キックダウンの時と同様にシ
フトダウンのショックを低減させることが望ましい。そ
こで、上記4−3コーストダウンの時には、上記オーバ
ドライブダイレクトクラッチC0用アキュムレータ67の背
圧が除去される。
そのために、4−3コーストダウンの時に作動するリ
ニアソレノイドバルブS4が、上記アキュムレータコント
ロールバルブ72の制御用として用いられる。すなわち、
該アキュムレータコントロールバルブ72の第6のポート
としてのポートqにリニアソレノイドバルブS4のポート
rが接続されていて、リニアソレノイドバルブS4が作動
して上記ポートqに油圧が供給されると右半位置に移動
し、第4のポートとしてのポートkと前記ポートjとの
間が遮断される。その結果、ポートj側に形成されてい
た背圧は、強制的に除去することができる。
なお、上記カットオフバルブ75には、ポートnとポー
トpが一つの油路から分岐して設けられているが、これ
は該カットオフバルブ75にスナップアクションを与える
ためのものである。該スナップアクションを形成するた
めに、スプール弁のランド89の受圧面積をランド90の受
圧面積より大きくしてある。したがって、アクセルのオ
ンに伴い、最初はポートn及びポートpから油が供給さ
れる。その時、ポートnから供給される油はランド89を
下に押すが、ポートpから供給される油は、ランド89と
90を加圧したその受圧面積の差からスプール弁を上方に
付勢するので、スプール弁が下降する速度は低い。そし
て、下降の途中における、ポートpからの油の供給が遮
断すると、上記スプール弁を上方に付勢する力はなくな
り、ポートnから供給される油が専らランド89を下に押
すので、下降速度が速くなる。
また、反対にスプール弁が上昇する時も、同様にスナ
ップアクションが与えられ、上昇後半に速度が増すよう
になっている。
このように、下降時、上昇時に確実な切り替え動作が
得られるため、上記オーバドライブダイレクトクラッチ
C0用アキュムレータ67に対する背圧の供給・停止が迅速
になる。なお、上記アキュムレータ67,69、アキュムレ
ータコントロールバルブ72、カットオフバルブ75、及び
リニアソレノイドバルブS4によって調圧手段が構成され
る。
第7図に、4−3シフトダウン時の動作図を示す。図
において、横軸に時間をとり、縦軸にトルクT0、オーバ
ドライブダイレクトクラッチC0の回転数、及びオーバド
ライブダイレクトクラッチC0用アキュムレータの背圧を
とり、それぞれの時系列変化を示す。そして、本発明の
制御装置により背圧をコントロールした場合の動作を実
線で、従来の動作を破線で示してある。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、そ
れらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の自動変速機におけるシフト制御装置、
第2図は本発明を適用した自動変速機の全体断面図、第
3図はその概略構成図、第4図はその油圧制御装置を示
す回路図、第5図は各レンジにおけるマニュアルバルブ
の動作図、第6図は各レンジにおけるソレノイドバル
ブ、クラッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチの作動状
態を示す図、第7図は本発明の自動変速機におけるシフ
ト制御装置の動作図である。 1……自動変速機、2……トルクコンバータ、3……変
速ギア機構、5……油圧制御装置、12……ロックアップ
クラッチ、17……オーバドライブプラネタリギアユニッ
ト、19……フロントプラネタリギアユニット、20……リ
アプラネタリギアユニット、21……主変速ユニット、51
……マニュアルバルブ、52……プライマリレギュレータ
バルブ、53……スロットルバルブ、55……セカンダリレ
ギュレータバルブ、56……ロックアップコントロールバ
ルブ、57……ロックアップリレーバルブ、58……ソレノ
イドリレーバルブ、60……1−2シフトバルブ、61……
2−3シフトバルブ、62……3−4シフトバルブ、65…
…ローコーストモジュレータバルブ、66……セカンドコ
ーストモジュレータバルブ、67……オーバドライブダイ
レクトクラッチC0用アキュムレータ、69……オーバドラ
イブブレーキB0用アキュムレータ、72……アキュムレー
タコントロールバルブ、73……ソレノイドモジュレータ
バルブ、74……オリフィスコントロールバルブ、75……
カットオフバルブ、83,87……ピストン、84,88……スプ
リング、B0……オーバドライブブレーキ、C0……オーバ
ドライブダイレクトクラッチ、S2……ソレノイドバル
ブ、S4……リニアソレノイドバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多賀 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−31755(JP,A) 実開 昭60−188249(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速ギヤ機構の所定の摩擦係合要素を係合
    させて、対応する変速段へのシフトを行う自動変速機に
    おけるシフト制御装置において、シフトダウンの種類を
    判断する手段と、前記摩擦係合要素を係合させるために
    油圧を供給するための油路に配設されたアキュムレータ
    と、シフトダウンの種類に対応させて前記アキュムレー
    タの背圧の制御を行う背圧制御手段とを有するととも
    に、該背圧制御手段は、電気信号に対応させて信号油圧
    を出力するソレノイドバルブを備え、該ソレノイドバル
    ブは、マニュアルダウン時には前記アキュムレータに背
    圧を供給するための信号油圧を出力し、コーストダウン
    時には前記アキュムレータから背圧を除去するための信
    号油圧を出力することを特徴とする自動変速機における
    シフト制御装置。
  2. 【請求項2】前記背圧制御手段は、前記アキュムレータ
    に背圧を供給する位置、及び前記アキュムレータから背
    圧を除去する位置を選択的に採るカットオフバルブを備
    え、該カットオフバルブはキックダウン時に前記アキュ
    ムレータから背圧を除去する位置を採る請求項1に記載
    の自動変速機におけるシフト制御装置。
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JPS6231755A (ja) * 1986-02-08 1987-02-10 Aisin Warner Ltd 自動変速機制御用油圧回路

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