JP3802624B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動変速機の油圧制御装置に関し、より具体的には車両に搭載される自動変速機において、速度段設定用の摩擦係合要素への作動油圧の供給を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機はその入出力間にギヤ比が異なる複数のギヤ列を有しており、クラッチやブレーキなどの摩擦係合要素を油圧により係脱制御することによって、それらギヤ列の中から動力伝達に用いるギヤ列を選択し、機関の出力回転を変速して車両の駆動系に伝達する。
【0003】
このように自動変速機を油圧制御する従来装置の油圧回路の一例を、図15に示す。図15のような従来装置では、複数のソレノイドバルブ(A’〜E’)が設けられており、このソレノイドバルブにより各摩擦係合要素(K1’,K2’,K3’,B1’,B2’)への作動油圧供給を直接制御して変速制御するようになっている。ここで摩擦係合要素K1’を例にとって、以下に説明する。
【0004】
この油圧回路の各摩擦係合要素の各変速段における係合状態は図16に示すとおりであるが(尚、図16で右半分は各ソレノイドバルブに備えられる電磁ソレノイドへの、各変速段における通電状態を示す)、図16に示すとおり、1速段(1ST)設定時には摩擦係合要素K1’のみが係合される。再び図15を参照して、この1速段設定時におけるK1’への作動油の供給について説明すると、まずポンプ510からレギュレータバルブ512に供給されて所定のライン圧に調圧された作動油は、油路514を通ってソレノイドバルブA’に至る。ここで上記したように、1速段設定時にはソレノイドバルブA’は非通電状態で、またソレノイドバルブA’はノーマルオープンタイプ(非通電時に開放しており、通電時は閉止するタイプ)であるから、作動油はソレノイドバルブA’を通過して油路516を通ってマニュアルバルブ518に供給される。
【0005】
尚、マニュアルバルブ518のスプール520の図15に示す状態は、N,P位置にある状態であり、これは図示しないシフトレバーで、N(ニュートラル)レンジまたはP(パーキング)レンジが選択されたときの状態である。
【0006】
ここで、シフトレバーでD(ドライブ)レンジが選択され、マニュアルバルブ518のスプール520が図示の状態から右動してD位置へ移動すると、油路516は油路522と連通し、油路522の終端に位置する摩擦係合要素K1’に作動油が供給されて、これを係合させる。同時に、他のソレノイドバルブB’,D’,E’の電磁ソレノイドへの通電状態をオフにし、C’への通電状態をオンとすれば、詳細な説明は省略するが、他の摩擦係合要素K2’,K3’,B1’,B2’は非係合状態となり、1速段(1ST)が設定されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この図15に示す従来の自動変速機の油圧制御装置の油圧回路においては、マニュアルバルブ518のD位置選択時において、摩擦係合要素K1’への作動油圧供給がソレノイドバルブA’により直接制御されているから、ソレノイドバルブA’が故障すると最高速段以外形成できなくなるという問題があった。
【0008】
すなわち、従来の自動変速機の油圧制御装置において、ソレノイドバルブを設け、その出力油圧により各摩擦係合要素への作動油圧供給を直接制御して変速制御するようにした場合、ソレノイドバルブが作動不良を起こしたときには、所定の変速段を設定できない変速作動不良となり、車両の走行性が低下するという問題があった。
【0009】
このような問題に鑑み、マニュアルバルブの最低位置(1位置)選択時に、ソレノイドバルブを介さずに、マニュアルバルブから直接摩擦係合要素に作動油圧を供給する技術が提案されている。これについて図17及び図18を参照して説明する。
【0010】
図17及び図18はそれぞれ油圧回路の各部を表し、この2つの図により1つの油圧回路を構成する。各図で、終端に丸囲みアルファベットを付した油路は、他方の図の同じ丸囲みアルファベットがついた油路とつながる。
【0011】
図17及び図18に示す油圧回路においても複数のソレノイドバルブ(A”〜E”)が設けられているが、摩擦係合要素K1”を例にとり、その係合について説明する。
【0012】
図17及び図18に示す油圧回路に備えられる各摩擦係合要素の、各変速段における係合状態は、先に図16に示したものに対応する。従って、1速段(1ST)設定時には摩擦係合要素K1”のみが係合される。ここで、この1速段設定時における摩擦係合要素K1”への作動油の供給について説明すると、まずポンプ610からレギュレータバルブ612に供給されて所定のライン圧に調圧された作動油は、油路614を通ってマニュアルバルブ616に至る。ここで図示(図18)の状態は、マニュアルバルブ616のスプール618がN,P位置にある状態である、これが2位置右動して1位置になると、油路614と油路620が連通してアンダードライブエンゲージコントロールバルブ622に至り、そこで油路624に連通する。
【0013】
この油路624は、マニュアルバルブ616の1位置選択時には、油路626と連通して摩擦係合要素K1”につながっており、従って、作動油圧が摩擦係合要素K1”に供給されることになる。他方、説明は省略するが、マニュアルバルブ616の1位置選択時には、K2”,K3”,B1”は作動油圧が供給されずに非係合状態にあり、B2”は作動油圧が供給されて係合状態にあり、従って、1速段(1ST)が設定されることになる。
【0014】
このように、図17及び図18に示す自動変速機の油圧制御装置の油圧回路においては、マニュアルバルブ616の1位置選択時にはソレノイドバルブを介することなく直接に摩擦係合要素K1”へ作動油圧を供給する。従って、前述の如く図15に示した装置において生じた、ソレノイドバルブAの故障により最高速段以外形成できなくなる、というような問題の発生を回避することができる。
【0015】
ここで、図17及び図18に示す自動変速機の油圧制御装置の油圧回路で、アンダードライブエンゲージコントロールバルブ622は、摩擦係合要素K1”の係合時のショックを緩和するために設けられている。
【0016】
しかし、図示のようなアンダードライブエンゲージコントロールバルブ622によれば、油路624を介して摩擦係合要素K1”に供給される作動油の油圧は、オリフィス628を通過する流量で調圧されるため、作動油の温度変動に対し油温特性が非常に不安定であるという問題点があった。また、摩擦係合要素K1”への供給圧を自在に調節することはできず、高品位なシフトクオリティを実現することは非常に困難であるという問題点があった。
【0017】
尚、特開平1−299351号公報記載の技術は、N(ニュートラル)レンジからL(1速)レンジへの切り替え時の1速段設定時に係合する摩擦要素B−2に作動油圧を直接供給するもので、中途にローモジュレータバルブ11を設けてそこにフィードバック圧を導き、これにより供給圧を調圧する装置を提案する。しかし、供給圧をより積極的に調圧する技術を提案するものではなかった。
【0018】
従って、この発明の目的は上記した従来技術の欠点を解消することにあり、摩擦係合要素への作動油圧供給制御用バルブに作動不良が発生したときに、作動油圧を作動不良が発生したバルブを介することなく直接に摩擦係合要素に供給可能として、少なくとも車両のある程度の走行性能を確保できる走行段を設定できるようにすると共に、摩擦係合要素への油圧供給を適宜制御できるようにした自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1項に係る自動変速機の油圧制御装置は、油圧を摩擦係合要素に給排制御する切替バルブと、前記摩擦係合要素と前記切替バルブ間に設置された前記摩擦係合要素の油圧を制御する制御バルブを備える自動変速機の油圧制御装置において、前記制御バルブはソレノイドバルブの出力油圧で前記摩擦係合要素へ供給される油圧を制御するように構成すると共に、前記切替バルブの出力油圧を、前記切替バルブの出力油圧と前記摩擦係合要素とが連通する方向に前記制御バルブに印加するように構成し、さらに前記切替バルブの出力油圧と前記ソレノイドバルブの出力油圧とをオリフィスを介して連通させる如く構成した。
【0021】
請求項項にあっては、前記ソレノイドバルブと前記制御バルブとの間に、前記ソレノイドバルブから前記制御バルブの方向への油圧供給を可能とするワンウェイバルブが設けられる如く構成した。
【0022】
請求項項にあっては、油圧を摩擦係合要素に給排制御する切替バルブと、前記摩擦係合要素と前記切替バルブ間に設置された前記摩擦係合要素の油圧を制御する制御バルブを備える自動変速機の油圧制御装置において、前記制御バルブはソレノイドバルブの出力油圧で前記摩擦係合要素へ供給される油圧を制御するように構成すると共に、前記切替バルブの出力油圧を、前記切替バルブの出力油圧と前記摩擦係合要素とが連通する方向に前記制御バルブに印加するように構成し、さらに前記切替バルブの出力油圧をオリフィスを介して前記制御バルブの両端に印加する如く構成した。
【0023】
請求項項にあっては、前記自動変速機は車両に搭載される機関の出力軸の回転を入力するものであり、前記切替バルブはマニュアルシフトレバーの操作により切り替えられるマニュアルバルブである如く構成した。
【0024】
【作用】
上記の如く、請求項1項にあっては、自動変速機の油圧制御装置において、制御バルブはソレノイドバルブの出力油圧で摩擦係合要素へ供給する油圧を制御するように構成すると共に、切替バルブの出力油圧を、前記切替バルブの出力油圧と前記摩擦係合要素とが連通する方向に前記制御バルブに印加するように構成したので、すなわち、前記制御バルブに対して前記切替バルブの出力油圧を印加すると共に、前記ソレノイドバルブの出力油圧を別に印加するように構成したので、前記ソレノイドバルブのフェール時(閉止故障時と開放故障時のいずれも)にも、前記摩擦係合要素へ作動油圧を供給することができ、よって自動変速機の所定変速段の設定を確保することができる。
【0025】
一方、前記ソレノイドバルブの通常時(非フェール時)においては、作動油の低油温時に摩擦係合要素への供給油圧の立ち上がり遅れを改善することができ、また作動油の常温時にインギヤショックを低減することができる。さらに通常時において、作動油の常温時に切替バルブを切り替えて切替バルブから摩擦係合要素へ作動油を供給した直後に、変速機入力軸回転数を急に大きくなるように操作しても、これに対応して変速機入力軸回転数を速やかに所定の回転数まで低減させるよう制御することができる。
【0026】
また、前記切替バルブの出力油圧と前記ソレノイドバルブの出力油圧とオリフィスを介して連通させるように構成したので、通常時の摩擦係合要素への供給油圧を前記ソレノイドバルブで供給タイミングを制御しながら供給可能であり、また前記制御バルブが故障したときも前記切替バルブの出力油圧により前記摩擦係合要素を係合させることができ、所定変速段での走行を確保できる。
【0027】
請求項項にあっては、上記のように構成したので、前記ソレノイドバルブのフェール時に前記切替バルブの出力油圧が漏れるのを防止することができ、よって前記摩擦係合要素への作動油圧の供給が可能であり、所定変速段での走行を確保できる。
【0028】
請求項項にあっては、上記のように構成したので、通常時には前記摩擦係合要素への供給油圧を自在に制御することができ、作動油の低油温時の供給油圧の立ち上がり遅れ、作動油の常温時のインギヤショック、また切替バルブの切り替えにより切替バルブから摩擦係合要素へ作動油を供給するときに、その切り替え後に変速機入力軸回転数が急に大きくなるように操作されたときに生じる変速機入力軸回転数の吹き上がり、に対して有効に対処して、これらを自在に制御可能である。
【0029】
請求項項にあっては、上記のように構成したので、前記ソレノイドバルブのフェール時(閉止故障時と開放故障時のいずれも)にも前記摩擦係合要素へ作動油圧を供給することができ、よって自動変速機の所定変速段の設定を確保して車両のある程度の走行性能を保持することができる。一方、通常時においては、作動油の低油温時に摩擦係合要素への供給油圧の立ち上がり遅れを改善することができ、また作動油の常温時にインギヤショックを低減することができ、よって不快感のない良好なインギヤショックを得ることができる。さらに通常時において、作動油の常温時にマニュアルバルブを切り替えてマニュアルバルブから摩擦係合要素へ作動油を供給した直後に、アクセルを即踏みしても、それによる機関回転数吹き上がりの発生を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、この発明に係る自動変速機の油圧制御装置の構成を示す概略説明図である。
【0032】
この変速機は、内燃機関9aの出力軸9に接続されたトルクコンバータ8と、このトルクコンバータ8のタービン(図示せず)に接続された変速機入力軸8aを有する変速装置とからなる。
【0033】
この変速機は、変速機入力軸8a上に並列に配置された第1、第2及び第3遊星歯車列G1,G2,G3を有する。各遊星歯車列はそれぞれ、中央に位置する第1〜第3サンギヤS1,S2,S3と、これら第1〜第3サンギヤと噛み合ってその回りを自転しながら公転する第1〜第3プラネタリピニオンP1,P2,P3と、このピニオンを回転自在に保持してピニオンの公転と同一回転する第1〜第3キャリアC1,C2,C3と、このピニオンと噛み合う内歯を有した第1〜第3リングギヤR1,R2,R3とから構成される。
【0034】
第1遊星歯車列G1及び第2遊星歯車列G2はダブルピニオン式遊星歯車列であり、第1ピニオンP1及び第2ピニオンP2は、図示のようにそれぞれ2個のピニオンギヤP11,P12及びP21,P22から構成される。
【0035】
第1サンギヤS1は入力軸に常時連結され、第1キャリアC1は常時固定されている。第1リングギヤR1は第3クラッチK3を介して第2サンギヤS2に連結され、さらに第2サンギヤS2は第1ブレーキB1により固定保持可能となっている。第2キャリアC2は第3キャリアC3と連結されると共に出力ギヤ8bに連結されており、第2キャリアC2及び第3キャリアC3の回転が変速機の出力回転となる。第2リングギヤR2は第3リングギヤR3と直結され、これら両リングギヤR2,R3は一体となって第2ブレーキB2により固定保持可能であり、かつ第2クラッチK2を介して変速機入力軸と係脱自在に連結されている。第3サンギヤS3は第1クラッチK1を介して変速機入力軸と係脱自在に連結されている。ここで第2ブレーキB2と並列にワンウェイブレーキB3が配設されている。尚、上記第1クラッチK1が特許請求の範囲の「摩擦係合要素」に対応する。
【0036】
このように各要素(第1〜第3サンギヤS1〜S3、第1〜第3キャリアC1〜C3、及び第1〜第3リングギヤR1〜R3)、変速機入力軸8a及び出力ギヤ8bを連結して構成した変速機において、第1〜第3クラッチK1〜K3及び第1,第2ブレーキB1,B2の係脱制御を行うことにより、速度段の設定及び変速制御を行うことができる。具体的には、表1に示すように係脱制御を行えば、前進5速(1ST,2ND,3RD,4TH及び5TH)、後進1速(RVS)を設定できる。尚、各変速段での減速比(レシオ)は各ギヤの歯数により変化するものであるが、表1にこのレシオの一例を参考として示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003802624
【0038】
この表1において、1STにおける第2ブレーキB2にカッコを付しているが、これは第2ブレーキB2を係合させなくてもワンウェイブレーキB3により駆動側の動力伝達がなされるからである。すなわち、第1クラッチK1を係合させれば、第2ブレーキB2を係合させなくても、1STのギヤ比での駆動側の動力伝達は可能であり、1STが設定される。ただし、駆動側とは逆の動力伝達はできず、このため、第2ブレーキB2を係合させればエンジンブレーキの効く1速段となり、第2ブレーキB2が非係合の1STはエンジンブレーキが効かない1速段となる。
【0039】
かかる摩擦係合要素への油圧供給を制御するために、マイクロコンピュータからなるコントローラ200が設けられる。コントローラ200には、磁気ピックアップからなり、変速機入力軸8aの近傍に配置されて変速機入力回転数を検出する回転数センサ202と、同様に磁気ピックからなり、出力ギヤ8bの近傍に配置されて変速機出力回転数を検出する回転数センサ204と、運転席近傍に配置されたシフトレバー208の近傍に接続されて運転者が選択したギヤレンジを検出するレンジセレクタスイッチ206の出力が入力される。
【0040】
更に、コントローラ200には、内燃機関9aのクランク軸(図示せず)の近傍に配置されて機関回転数を検出する機関回転数センサ210と、スロットル弁(図示せず)の付近に配置されてスロットル開度を通じて機関負荷を検出するスロットル位置センサ212と、ドライブシャフト(図示せず)の付近に配置されて前記変速機が搭載される車両の車速を検出する車速センサ214の出力が入力される。
【0041】
検出されたそれらパラメータに基づき、コントローラ200はソレノイドバルブSA〜SEを励磁(ON)あるいは非励磁(OFF)し、油圧制御回路300において摩擦係合要素への油圧供給を制御する。油圧制御回路300において油圧は5つの油圧センサPSを介して検出され、その検出値もコントローラ200に送られる。
【0042】
次に第1〜第3クラッチK1〜K3及び第1,第2ブレーキB1,B2の係脱制御を行うための油圧制御回路300を、図2及び図3に基づいて説明する。尚、図2及び図3はそれぞれ油圧制御回路の各部を表し、これら2つの図により1つの油圧制御装置を構成している。
【0043】
尚、各図の油路で終端に丸囲みのアルファベットを付したのは、他方の図の同じ丸囲みアルファベットがついた油路とつながることを表している。また、×印は、そのポートがドレンに開放することを示す。
【0044】
変速制御用のブレーキ、クラッチの作動制御は、図2の下部に示すタンクからポンプ10により供給される作動油の油圧を利用して行われる。ポンプ10から油路12に吐出された作動油は、レギュレータバルブ14に作用して所定のライン圧に調圧される。尚、ポンプ10からの吐出油の内、一部はこのように油路12に供給されるのであるが、残りはレギュレータバルブ14から油路16に送り出される。この油路16に送り出された作動油は、トルクコンバータのロックアップ制御用に供給される(図示せず)。また、油路18に送り出された作動油は、図示しないリリーフバルブを介してタンクに戻る。
【0045】
上記の如くライン圧に調圧された油路12の作動油は、変速機の変速制御用としてこの油圧回路の該当する各部に供給される。これらの部分においては、運転席近傍に配置されたシフトレバー208につながり運転者のマニュアル操作により作動されるマニュアルバルブ20と、そのマニュアル操作を検出したコントローラ200によってオン・オフ制御がなされる5個のデューティ比制御ソレノイドバルブSA〜SEと、これらマニュアルバルブ20の作動とソレノイドバルブSA〜SEの作動とに応じて作動する6つの油圧作動バルブ22,24,26,28,30,32と、4つのアキュムレータ34,36,38,40と、5つの油圧センサPSとが配設されている。尚、上記マニュアルバルブ20が特許請求の範囲の「切替バルブ」に対応し、またソレノイドバルブSAが「ソレノイドバルブ」に対応する。
【0046】
尚、ソレノイドバルブSA及びSCはノーマルオープンタイプのバルブであり、それらに備えられる電磁ソレノイドの通電がオフの時に開放されるものである。一方、ソレノイドバルブSB,SD及びSEはノーマルクローズタイプのバルブであり、それらに備えられる電磁ソレノイドへの通電がオフの時に閉止されるものである。
【0047】
これら各バルブ20,SA〜SE,22,24,26,28,30,32による作動油の供給制御により、変速制御及びトルクコンバータのロックアップクラッチの作動制御がなされるが、各ソレノイドバルブSA〜SEの作動とこの作動に伴い設定される速度段との関係は、表2に示すようになる。尚、この表2におけるオン・オフは各ソレノイドバルブSA〜SEに備えられる電磁ソレノイドのオン(通電)・オフ(非通電)を表すが、変速時においてソレノイドがオンになっているときは、そのソレノイドは所望の変速特性が得られるようにデューティ比に基づく制御がなされる。
【0048】
【表2】
Figure 0003802624
【0049】
上記変速制御について、以下に説明する。まず、シフトレバーによりDレンジが選択され、マニュアルバルブ20のスプール20aがD位置に移動した場合を説明する。図3において、スプール20aの右先端フック部がD(3,2)で示す位置まで右動されてスプール20aがD位置になると、前記した如くライン圧に調圧された作動油が供給される油路12は油路42と連通する。尚、油路12はソレノイドバルブSCにつながり、油路42はソレノイドバルブSEにつながるから、ソレノイドバルブSC及びソレノイドバルブSEには常時ライン圧が作用することになる。更に、油路42は、ソレノイドバルブSAにもつながるから、ソレノイドバルブSAにも常時ライン圧が作用する。尚、この明細書で左右、上下などの方向は添付図面における方向を示す意味で使用する。
【0050】
また油路12から分岐した油路12aはリバースプレッシャスイッチングバルブ22の右端油室に、油路12から分岐した油路12bはプレッシャリリースバルブ24の左端油室に、油路42から分岐した油路42aはアウトギヤコントロールバルブ26の右端油室にそれぞれつながる。そのため、リバースプレッシャスイッチングバルブ22及びアウトギヤコントロールバルブ26は左方に、プレッシャリリースバルブ24は右方に、ライン圧により常時押圧されている。
【0051】
Dレンジが選択された場合には、機関負荷及び車速との関係に応じて速度段が決定され、この速度段が得られるように各ソレノイドバルブSA〜SEの作動が表2に示されるように制御される。以下、各速度段でのソレノイドバルブの作動に伴うクラッチ及びブレーキの作動について説明する。
【0052】
まず、速度段として1速段(1ST)が設定される場合を説明する。この場合には、表2に示すように、ソレノイドバルブSCのみがオンで、他の4つはオフである。よってこのときにはソレノイドバルブSAのみが開放され、他のソレノイドバルブは閉止される。
【0053】
ソレノイドバルブSAには油路42からライン圧が作用しているため、このライン圧を有した作動油がソレノイドバルブSAを通過した後に油路44を介してマニュアルバルブ20に至る。ここでマニュアルバルブ20のスプール20aがD位置にあるときには、油路44は油路46に連通するから、ライン圧を有した作動油が油路46を介して第1クラッチK1に供給され、第1クラッチK1が係合作動する。尚、油路44は油圧センサPSにつながる。また油路46は第1アキュムレータ34の右端部につながっており、この第1アキュムレータ34は、第1クラッチK1に供給される作動油圧の急激な上昇を抑えてショックを低減させる働きを有する。
【0054】
また、油路46は油路46aを介してプレッシャリリースバルブ24の右端部に作用する。一方、プレッシャリリースバルブ24の左端部には、油路12bを介してライン圧が作用するのであるが、受圧面積の差により油路12bを介して作用する油圧力が勝るため、プレッシャリリースバルブ24のスプール24aは図示の状態よりも右動して、油路42から分岐した油路42aとソレノイドバルブSDにつながる油路48とが連通する状態になる。
【0055】
一方、第2クラッチK2につながる油路50はソレノイドバルブSBの出力側につながるのであるが、このソレノイドバルブSBが閉止されているため、油路50はこのバルブSBの内部を介してドレンにつながり、第2クラッチK2は解放状態となる。尚、油路50は圧力スイッチPS、第2アキュムレータ36の右端部につながっている。
【0056】
第3クラッチK3につながる油路52は油路52aを介してプレッシャリリースバルブ24の右端油室につながり、また油路52bを介してリバースプレッシャスイッチングバルブ22の左端油室につながる。一方、油路52はソレノイドバルブSCの出力側にもつながるのであるが、このソレノイドバルブSCは前記したように閉止されているので、油路52はこのバルブSCの内部を介してドレンにつながる。このため、第3クラッチK3も解放状態となる。尚、油路52は油圧センサPS及び第4アキュムレータ40の右端部につながっている。
【0057】
第1ブレーキB1につながる油路54はソレノイドバルブSDの出力側につながるのであるが、このソレノイドバルブSDが閉止されているため、油路54はこのバルブSDの内部を介してドレンにつながり、第1ブレーキB1も解放状態となる。尚、油路54から分岐した油路54aはシャトルバルブ56を介してプレッシャリリースバルブ24の右端部につながり、また油路54bを介してプレッシャデリバリバルブ28の左端部につながる。また、油路54は油圧スイッチPSにつながり、油路54bは第3アキュムレータ38の右端部につながっている。
【0058】
第2ブレーキB2につながる油路58はシャトルバルブ60を介して油路62もしくは油路64とつながる。油路62はマニュアルバルブ20で油路66と連通し、この油路66はアウトギヤコントロールバルブ26で油路68と連通し、この油路68はアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30につながるのであるが、マニュアルバルブ20のD位置選択時は、このアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30には作動油圧が供給されることはないので、油路66を介して油路58に作動油圧が供給されることはない。
【0059】
また、油路64はプレッシャデリバリバルブ28で油路70aと連通し、油路70aはマニュアルバルブ20に至るが、マニュアルバルブ20がDレンジ位置のときは、そこで閉止される。
【0060】
このため、第2ブレーキB2にソレノイドバルブSEにより制御される作動油圧が供給されることはなく、第2ブレーキB2も解放状態となる。従って、Dレンジの1速段(1ST)においては、エンジンブレーキを作用させることはできない。尚、上記アンダードライブエンゲージコントロールバルブ30が特許請求の範囲の「制御バルブ」に対応する。
【0061】
次に2速段に変速する場合について説明する。この場合には、ソレノイドバルブSDだけがオフからオンに切り替わる。この状態を1速段の状態と比較すると、ソレノイドバルブSDが開放される点だけが異なり、第1クラッチK1は係合されたままである。一方、油路12bを介してプレッシャリリースバルブ24の左端部に供給されるライン圧を有した作動油によってプレッシャリリースバルブ24のスプール24aは右動しており、よって、マニュアルバルブ20から油路42及び油路42aを介してプレッシャリリースバルブ24に至ったライン圧を有する作動油が油路48を介してソレノイドバルブSDに至り、ソレノイドバルブSDが開放されていることから、作動油圧が第1ブレーキB1に供給され、これを係合させる。尚、この際、第3アキュムレータ38の作用により係合ショックが軽減される。こうして第1クラッチK1と第1ブレーキB1とが係合されて2速段が設定される。
【0062】
尚、ソレノイドバルブSDの開放により、油路54、油路54a及び油路54bを介してプレッシャデリバリバルブ28の左端部にライン圧が作用して、プレッシャデリバリバルブ28のスプール28aが右動する。これにより、プレッシャデリバリバルブ28において、上述したロックアップ制御回路につながっている油路76と油路74が連通するが、油路74はマニュアルバルブ20において、ソレノイドバルブSEの出力側につながる油路70と連通している。従って、表2にカッコ書きしたように、ソレノイドバルブSEをオンにすれば、その出力圧によりロックアップクラッチを制御することができる。
【0063】
尚、プレッシャデリバリバルブ28のスプール28aが右動したことにより、油路42aが油路78と連通し、これによりプレッシャデリバリバルブ28の左端部にライン圧が作用することになり、前記した油路54bからのライン圧の作用がなくなっても、スプール28aの右動を保持することになる。
【0064】
次に、3速段に変速する場合について説明する。この場合には、ソレノイドバルブSC及びSDがオンからオフに切り替わり、全てのソレノイドバルブがオフとなる。これにより2速段の状態から、ソレノイドバルブSCが開放され、ソレノイドバルブSDが閉止される。尚、ソレノイドバルブSAが開放されているため、第1クラッチK1は係合されたままである。また、ソレノイドバルブSDが閉止されるので、油路54はソレノイドバルブSDの内部を介してドレンに連通し、よって第1ブレーキB1が解放される。
【0065】
一方、ソレノイドバルブSCが開放されると、ライン圧を有した作動油が油路52に供給され、これに連通する第3クラッチK3が係合作動する。この際、第4アキュムレータ40の作用によりショックが軽減される。このようにして第1クラッチK1及び第3クラッチK3が係合されて3速段が設定される。
【0066】
尚、3速段においてはソレノイドバルブSDが閉止されて、油路54及び油路54bを介してプレッシャデリバリバルブ28の左端部に作用していた油圧も零となる。しかし、前記した如く油路78を介して供給される作動油圧により、スプール28aの右動した状態は保持される。従って、2速段の場合と同様にソレノイドバルブSEをオンにすれば、その出力圧によりロックアップクラッチの制御を行うことができる。
【0067】
次に3速段から4速段に変速する場合について説明する。この場合には、ソレノイドバルブSB及びSCのみがオフからオンに切り替わる。これにより3速段の状態からソレノイドバルブSBが開放され、ソレノイドバルブSCが閉止される。尚、ソレノイドバルブSAが開放されているので、第1クラッチK1は係合されたままである。また、ソレノイドバルブSCが閉止されると3速段の場合とは逆に第3クラッチK3へのライン圧の供給が断たれてこれが解放される。
【0068】
ソレノイドバルブSBには油路48から分岐する油路48aがつながるので、第2クラッチK2にライン圧を有した作動油が供給され、第2クラッチK2が係合作動する。この際、第2アキュムレータ36の作用によりショックが軽減される。このようにして第1クラッチK1及び第2クラッチK2が係合され、4速段が設定される。
【0069】
尚、前記したように、プレッシャデリバリバルブ28のスプール28aは油路78及び油路42aを介して供給されるライン圧の作動油圧により右動したままであるから、2速段と同様に、ソレノイドバルブSEをオンにすれば、その出力圧によりロックアップクラッチの制御を行うことができる。
【0070】
次に4速段から5速段に変速する場合について説明する。この場合には、ソレノイドバルブSAがオフからオンに切り替わり、ソレノイドバルブSCがオンからオフに切り替わる。これにより4速段の状態からソレノイドバルブSAが閉止され、ソレノイドバルブSCが開放される。ソレノイドバルブSAが閉止されると油路46からのライン圧の供給が断たれ、第1クラッチK1は解放される。ソレノイドバルブSAの閉止により油路46aの油圧も零となり、プレッシャリリースバルブ24のスプール24aが右動したままの状態は変わらない。従って、プレッシャリリースバルブ24での油路42aと油路48aとの連通状態は変わらず、ライン圧がソレノイドバルブSBの入力側へ供給され続け、同時にソレノイドバルブSBは開放のままであるので、第2クラッチK2は係合状態のまま保持される。
【0071】
一方、ソレノイドバルブSCが開放されると、既に説明したようにライン圧が油路52を介して第3クラッチK3に供給されて、これを係合作動させる。この際にも第4アキュムレータ40の作用によりショックが軽減される。以上のようにして第2クラッチK2及び第3クラッチK3が係合されて5速段が設定される。尚、5速段においても4速段と同様に、ロックアップクラッチの制御を行うことができる。
【0072】
次に、シフトレバー操作によって変速レンジを1レンジに切り替える、マニュアルバルブ20の1位置選択時の場合について説明する。この場合、マニュアルバルブ20のスプール20aは、その端部連結穴がD位置から1位置まで移動するように右動される。これにより、1レンジ選択時にはライン圧が供給される油路12が、マニュアルバルブ20において、油路42のみならず油路80にも供給される。
【0073】
尚、1レンジ選択時には、変速段は1速段に固定保持される制御がなされ、このため、各ソレノイドバルブSA〜SEの各電磁ソレノイドは、表2の1STに対応するようにオン・オフ設定される。
【0074】
ここで、まず、マニュアルバルブ20において油路12と油路80とが連通することにより、ライン圧を有する作動油圧が油路80に供給される。更に油路80はデリバリシフトバルブ32において油路82と連通し、油路82はプレッシャデリバリバルブ28の右端部に連通する。従って、プレッシャデリバリバルブ28の右端部にライン圧が作用し、先にDレンジにおいて右動していたプレッシャデリバリバルブ28のスプール28aは、左動して図示の状態になり、油路70aと油路64とが連通することになる。ここで油路64はシャトルバルブ60を介して第2ブレーキB2につながる油路58とつながり、一方、油路70aはマニュアルバルブ20のスプール20aが1位置のときには油路70と連通し、ソレノイドバルブSEの出力側につながる。
【0075】
従って、表2にカッコ書きしたように、ソレノイドバルブSEをオンにすれば、その出力圧により第2ブレーキB2を係合作動させ、エンジンブレーキを作用させることができる。
【0076】
この第2ブレーキB2の係合と、次に述べる第1クラッチK1の係合により、確実にエンジンブレーキの作用する1速段が設定される。
【0077】
続いて、この発明において特徴的な第1クラッチK1の係合動作について説明する。この装置においては、マニュアルバルブ20のスプール20aが1位置に移動させられたとき、ライン圧をソレノイドバルブSAを介さずに直接第1クラッチK1に供給するように構成し、更にそのときの係合ショックを緩和する作用を有するアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30を備えることにした。
【0078】
より詳しくは、アンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の背圧室にはソレノイドバルブSAの出力油圧が油路を介して供給され、更にこの連通油路中に逆止弁を設けている。すなわち、油路12はマニュアルバルブ20のスプール20aが1位置のときに油路80と連通し、油路80から分岐する油路80aはアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30において、油路68から分岐する油路68aと連通し、油路68はアウトギヤコントロールバルブ26で油路66と連通してマニュアルバルブ20に至り、そこで油路46と連通して第1クラッチK1につながる。
【0079】
一方、ソレノイドバルブSAの出力側の油路44は、マニュアルバルブ20のスプール20aが1位置のとき油路86と連通し、油路86はアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の上端背圧室につながり、この油路86途中には、ワンウェイバルブ88が設けられている。
【0080】
そして、油路86と油路68aは油路90を介してつながっており、この油路90の途中には、オリフィス92が備えられている。
【0081】
以上の構成において、油路68aがアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の下端部に連通しているから、68aを通る作動油の油圧に応じてアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30のスプール30aの位置が変位し、それにより油路80aから油路68aに流れる作動油の流量を調節することができる。
【0082】
一方、ソレノイドバルブSAの出力油圧が油路86を介してアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の上端背圧室に供給されているから、ソレノイドバルブSAの出力油圧に応じてスプール30aを下方に押圧するスプリング30bの予圧縮量を調節することができ、これによりアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の調圧値を調節することができる。
【0083】
以上のように構成されたこの実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置での、1レンジ選択時の第1クラッチK1の係合について、図4を参照して説明する。
【0084】
図4で、図中1番上の「レンジ選択信号」グラフに示すように、Nレンジから1レンジに走行レンジが切り替えられると、ソレノイドバルブSAの電磁ソレノイドの通電電流のデューティ比を、図中上から2番目の「SA駆動信号」グラフに示すように制御することにより、アンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の制御背圧たるソレノイドバルブSAの出力圧を図中上から3番目の「SA出力圧」グラフの如く操作することができ、よって第1クラッチK1の係合圧を図中上から4番目の「K1圧」グラフに示すように、その供給タイミングを制御できる。従って、第1クラッチK1の係合ショックにより車体に生じる加速度を図中1番下の「車体G」グラフに示すように小さな値に抑えることができる。
【0085】
尚、ここで図中上から5番目の「クラッチスリップ率」グラフは,変速機出力軸回転数に対する変速機入力軸回転数(トルクコンバータのタービン回転数)のすべりを表す。これが零になるということは、両者間のすべりが零になり両者間に介在する摩擦係合要素が完全に係合した状態(変速完了)になることを意味し、これに要する時間をインギヤタイムと称する。この実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置においては、上述のように、第1クラッチK1の係合圧の供給タイミングを制御することにより、このインギヤタイムを制御することができ、例えば1レンジ選択時にアクセルを即踏みしたような場合にも、機関の吹き上がりが生じないようにすることができる。
【0086】
以上は、ソレノイドバルブSAの通常時(非フェール時)における、1レンジ選択時についての説明である。一方、ソレノイドバルブSAの電磁ソレノイド通電不良等の電気的な故障ないしは機械的な故障が生じて、ソレノイドバルブSAが閉止状態でスティックする作動不良が生じると(クローズスティック)、Dレンジでは第1クラッチK1を係合させることができなくなる。よってこの場合には、Dレンジでは1速段から4速段の設定ができず、5速段の設定ができるだけとなり、この変速機を搭載する車両の走行性が非常に低下する。
【0087】
この不都合を回避するために、この実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置においては、前記した如く、ソレノイドバルブSAの閉止故障時にはシフトレバーを操作してマニュアルバルブ20をDレンジ位置から1レンジ位置に切り替えることにより、ソレノイドバルブSAを介することなく作動油圧を第1クラッチK1に供給して、1速段を成立させる。このソレノイドバルブSAの閉止故障時における、1レンジ選択時の第1クラッチK1の係合について、図5を参照して説明する。
【0088】
図5は前記図4と同様な説明図であるが、図中一番上の「レンジ選択信号」グラフに示す如くシフトレンジがNから1に切り替えられると、ライン圧がマニュアルバルブ20を介して直接に、すなわち作動不良を起こしたソレノイドバルブSAを介することなく、第1クラッチK1に供給される。このとき、オリフィス92を介して油路86側に作動油圧が供給されることから「K1圧」グラフに示すように第1クラッチK1への油圧供給が図示の如く少し遅れ、その結果「クラッチスリップ率」グラフに示すようにインギヤタイムが長くなるが、第1クラッチK1を係合させることができる。従って、確実に所定の変速段の係合を確保することができ、走行性能の著しい低下を回避できる。
【0089】
尚、ソレノイドバルブSAの開放故障時は、Dレンジでも1速段から4速段までの設定が可能である。しかし、開放故障時はソレノイドバルブSAの出力圧を絞ることができないので、第1クラッチK1への供給圧の立ち上がりが急になり、NレンジからDレンジ、1レンジへの切り替え時のショックが大きくなる。これについて、図6(先に示した図4及び図5と同様の説明図)にNレンジから1レンジへ切り替えたときの状態を示す。
【0090】
この実施の形態に係る装置においては、油路86の途中にワンウェイバルブ88を設けたので、ソレノイドバルブSAがクローズスティック(閉止故障)してその出力側につながる油路44がソレノイドバルブSA内部のドレンへ開放し、これと連通する油路86、油路90、油路68aを介して、第1クラッチK1への供給油圧が漏れてしまうことを防ぐことができ、すなわち、ソレノイドバルブSAフェール時の1速段成立が確実である。
【0091】
上記のようにして、この実施の形態に係る装置においては、ソレノイドバルブSAのフェール対策の実現と、通常時(ソレノイドバルブSAの非フェール時)においてシフトレバーで1レンジ選択されたときにおける第1クラッチK1への供給圧の供給タイミングを制御可能としてインギヤショックを低減すること、の両者を両立させた。
【0092】
尚、ここで、この実施の形態に係る装置において設けたアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30が故障した場合において、シフトレバーで1レンジが選択されているときの、第1クラッチK1の係合について付言する。アンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の開放故障時には、油路80aと油路68aが連通するから、前記したように、油路12のライン圧が第1クラッチK1に供給されてこれを係合させ、1速段が設定される。このとき、アンダードライブコントロールバルブ30での調圧作用は期待できないから、変速ショックが大きくなるが、1レンジ切り替え時の1速段設定を確保することができる。
【0093】
一方、アンダードライブエンゲージコントロールバルブ30の閉止故障時には、油路80aと油路68aとの連通が行われなくなるから、油路12のライン圧を第1クラッチK1に供給することは不可能である。しかし、このとき、油路44を通じて供給されるソレノイドバルブSAの出力圧がマニュアルバルブ20のスプール20aが1位置のときには油路86に供給される。ここで油路86は、オリフィス92を介して油路68に連通するから、ソレノイドバルブSAの出力圧が第1クラッチK1に供給可能である。ただし、オリフィスの作用により、供給油圧の立ち上がりを遅らせることができてインギヤショックを軽減することができるが、低油温時などにはインギヤタイムは長くなる。
【0094】
以上述べたように、この実施の形態に係る装置において設けたアンダードライブエンゲージコントロールバルブ30が故障した場合においても、1レンジ選択時において第1クラッチK1を係合させることができ、1速段を設定することができる。
【0095】
図7は、この発明の第2の実施の形態を示す、自動変速機の油圧制御装置の油圧回路の部分図である。図7の油圧回路の構成は、第1の実施の形態に係る図2及び図3に示した油圧回路と図7に示した部分を除いては同一であり、同一の動作を行う。以下においては、図7に示した異なる構成の部分を中心に説明する。
【0096】
図7の油圧回路で、シフトレバー操作によって変速レンジを1レンジに切り替える1位置選択時の場合について説明する。これにより、マニュアルバルブ20のスプール20aは図示のN,P位置から、その端部連結穴が1位置まで移動するように右動される。これにより1レンジ選択時においては、ライン圧が供給される油路12が油路42のみならず油路80にもつながる。この点は、第1の実施の形態と異ならない。
【0097】
ここでこの実施の形態においては、マニュアルバルブ20のスプール20aが1位置に移動させられたとき、ライン圧をソレノイドバルブSAを介さずに直接第1クラッチK1に供給するため、シフト時のショックを緩和する作用を有するアンダードライブコントロールバルブ96を中途に備える回路が備えられている。
【0098】
すなわち、マニュアルバルブ20が1位置にある時に、図17及び図18に示した従来装置ではソレノイドバルブSAが機能していない点に着目し、アンダードライブコントロールバルブ96において、ソレノイドバルブSA出力を油路44、油路86及び油路86aを介してアンダードライブコントロールバルブ96の下端部に導き、ソレノイドバルブSAの出力圧に応じて第1クラッチK1への供給圧を自在に上げ下げ可能な構成としてある。
【0099】
より詳しくは、油路12はマニュアルバルブ20のスプール20aが1位置のときに油路80と連通し、ライン圧を有する作動油圧は油路80及び油路80bを介してアンダードライブコントロールバルブ96の上端部に供給されて、そのスプール96aを下側に押圧して移動させる。これにより油路80cは油路68bと連通し、油路68bから分岐する油路68cがアンダードライブコントロールバルブ96の下端部につながり、スプール96aを上方に押圧するが、受圧面積の相違より、前記した油路80bからの作動油圧供給による下向きの押圧力の方が大きい。油路68b及び油路68cがつながる油路68は、アウトギヤコントロールバルブ26で油路66と連通してマニュアルバルブ20に戻り、そこで油路46と連通し、第1クラッチK1につながる。
【0100】
一方、アンダードライブコントロールバルブ96の下端部につながる油路86aは、油路86を介してマニュアルバルブ20において油路44と連通し、油路44はソレノイドバルブSAの出力側につながっている。
【0101】
尚、アウトギヤコントロールバルブ26は、マニュアルバルブ20のRレンジ位置からNレンジ位置への切り替え時の第3クラッチK3油圧の抜け方により、第1クラッチK1油圧の油路98からの抜き方を制御するものであり、これによりアウトギヤ時(Rレンジ位置からNレンジ位置への切り替え時、及びDレンジ位置からNレンジ位置への切り替え時)のショックの発生を防止するためのものである。
【0102】
以上において、油路68c及び油路80bにはオリフィス100及び102が設けられているから、マニュアルバルブ20の1位置選択時の油圧上昇を緩やかにすることができる。そして、ソレノイドバルブSAの出力油圧が油路44、油路86及び油路86aを介してアンダードライブコントロールバルブ96の下端部に供給されており、ソレノイドバルブSAの出力油圧が上昇してスプール96aを上方へ変位させると、油路80cと油路68bとの連通を妨げ、油路46を介して第1クラッチK1へ供給される作動油圧を低下させることになる。
【0103】
すなわち、アンダードライブコントロールバルブ96の調圧特性を、図8に示すようにソレノイドバルブSAの出力圧とK1クラッチ供給圧との関係が反比例の関係になる如く設定することが可能である。
【0104】
以上のように構成された油圧回路を有する油圧制御装置における、アンダードライブコントロールバルブ96が正常動作している通常時、かつ1レンジ選択時の、第1クラッチK1の係合について、図9(図4と同様の説明図)を参照して説明する。
【0105】
図9で、「レンジ選択信号」グラフに示すような1位置選択時には、ソレノイドバルブSAの電磁ソレノイドの通電電流のデューティ比を、「SA駆動信号」グラフに示すように制御することにより、アンダードライブコントロールバルブ96の制御背圧たるソレノイドバルブSAの出力圧を「SA出力圧」の如く制御し、第1クラッチK1への供給油圧を「K1圧」グラフに示すように自在に制御することができ、よって低油温時にもインギヤタイムを短縮し、あるいはN→1切り替え即踏み時にも機関回転数吹き上がりを防止して、良好なインギヤショックを得ることができる。
【0106】
また、第1の実施の形態で述べたと同様に、ソレノイドバルブSAの故障時には、シフトレバーを操作してマニュアルバルブ20を1レンジ位置に切り替えることにより、ライン圧をマニュアルバルブ20を介して直接、すなわち、作動不良を起こしたソレノイドバルブSAを介することなく、第1クラッチK1に供給して第1クラッチK1を係合させることができる。これにより、1速段の設定が可能となり、ソレノイドバルブSAが作動不良を起こした場合でも1速段での車両の走行を確保できる。
【0107】
この点について、図10及び図11を参照して説明する。図10はソレノイドバルブSAの閉止故障時にシフトレンジをNレンジから1レンジへ切り替えて1速段での走行を確保する場合を示す、図4と同様の説明図である。ソレノイドバルブSAが閉止故障したときは、Dレンジでは第1クラッチK1への係合油圧供給は全てソレノイドバルブSAの出力油圧により行われるから、Dレンジで1〜4速段の確立は不可能である。従って、シフトレバーを「レンジ選択信号」グラフに示すように1レンジに切り替えることにより、ソレノイドバルブSAを介さないでライン圧を第1クラッチK1に供給して、1速段での走行を行う。このとき、ソレノイドバルブSAによるアンダードライブコントロールバルブ96の調圧制御は行えないから、変速ショックは大きくなる(「車体G」グラフ)。
【0108】
一方、ソレノイドバルブSAが開放故障した場合には、1レンジへ切り替えると、ソレノイドバルブSAの出力圧を制御することはできなくなり、アンダードライブコントロールバルブ96の下端部には常時ソレノイドバルブSAの出力圧が作用することになる。その結果、スプール96aが下方に変位することができず油路80cと油路68bとが連通できないから、第1クラッチK1への係合圧の供給はできなくなる。
【0109】
しかし、この場合でも、図11(図4と同様の説明図)の「レンジ選択信号」グラフに示すようにDレンジへ切り替えれば、アンダードライブコントロールバルブ96を介することなく作動油を第1クラッチK1に供給することができ、1速段の設定が可能である。ただし、この場合にはソレノイドバルブSAの出力圧を調圧することはできず、従って、インギヤショックは大きくなるが(「車体G」グラフ)、1速段での走行を確保することができる。
【0110】
第2の実施の形態に係る装置においては、上述の構成のアンダードライブコントロールバルブ96を備えたことにより、ソレノイドバルブSAの通常時においては、その出力油圧制御により第1クラッチK1の係合圧を自在に制御して良好なインギヤショックを得ることができ、また、フェール時においては1速段の設定を確保することができ、一定の走行性能を確保することができる。
【0111】
また、先に図8に示した如くソレノイドバルブSAの出力圧と第1クラッチK1への供給圧との関係を反比例の関係とすれば、ソレノイドバルブSAが油圧オープン側及び油圧クローズ側のいずれの方向でフェールしても、図12に示すように、レンジ選択操作によりDレンジまたは1レンジのいずれかのレンジで最高速度段以外での走行が可能である。尚、同図の下側に示すソレノイドバルブSAの閉止故障時においては、先に表1に示した通常時の各摩擦係合要素の係合、及び表2に示したそのときの各ソレノイドバルブの作動にはよらず、フェール用の設定で行う。
【0112】
ここで、上述の第1及び第2の実施の形態に係る装置における制御結果と比較対照するために、図17及び図18に示した従来技術に係る油圧制御装置において、Nレンジから1レンジへ切り替えたときの第1クラッチK1”の係合状態を図13及び図14に示す。
【0113】
図13は作動油が低温のときを示すものであるが、「レンジ選択信号」グラフのようにNレンジから1レンジへ切り替えたとき、第1クラッチK1”の係合圧は「K1”圧」グラフに示すようになかなか上昇せず、従って、「クラッチスリップ率」グラフに示すようにインギヤタイムが長くなってしまう。これは図17及び図18に示す従来技術に係る装置においては、低油温時にはオリフィス628(図18)の流路抵抗が大きすぎてアンダードライブエンゲージコントロールバルブ622の背圧室に作動油圧がなかなか供給されないためにスプール622aが左動せず、そのため第1クラッチK1”への供給油圧が上昇しないためである。
【0114】
これに対して、前記した本発明の第1及び第2の実施の形態に係る装置においては、先に図4及び図9を参照しつつ説明したように、第1の実施の形態ではソレノイドバルブSAで第1クラッチK1の係合油圧の供給タイミングを制御することより、また第2の実施の形態では第1クラッチK1の係合油圧を自在に制御することにより、作動油の低油温時においてもインギヤタイムを短縮することが可能である。
【0115】
一方、図14は作動油が常温のときを示すものであるが、「レンジ選択信号」グラフのようにNレンジから1レンジへ切り替えたとき、第1クラッチK1”の係合圧は「K1”圧」グラフに示すように一気に上昇し、従って、「クラッチスリップ率」グラフに示すようにインギヤタイムは短いものの、「車体G」グラフに示すような大きな変速ショックが発生する。このように大きな変速ショックが生じるのは、図17及び図18の従来技術の油圧制御装置においては、1レンジ切り替え時に第1クラッチK1”への供給圧を緩和するのはオリフィス628(図18)の流路抵抗だけなので、クラッチ係合圧を自在に調整することができないからである。
【0116】
これに対して、前記した本発明の第1の実施の形態に係る装置においては、先に図4を参照して説明したように、第1クラッチ1K1の係合圧の供給タイミングを制御することにより、インギヤショックを低減することができる。また、第2の実施の形態に係る装置においても、先に図9を参照しつつ説明したように、第1クラッチK1の係合油圧を自在に制御することにより、作動油の常温時においてもインギヤショックを低減することができる。
【0117】
尚、上記した各実施の形態においては、ソレノイドバルブSAの故障時に、第1クラッチK1の係合による1速段の設定を確保する場合を例にとり説明したが、これに限られるものではない。他のソレノイドバルブの故障時に、所定の摩擦係合要素(ブレーキを含む)の係合による所定の変速段の設定を確保するように構成してもよい。
【0118】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、ソレノイドバルブのフェール時(閉止故障及び開放故障のいずれも)にも、摩擦係合要素へ作動油圧を供給することができ、よって自動変速機の所定変速段の設定を確保することができる。一方、ソレノイドバルブの通常時(非フェール時)においては、作動油の低油温時に摩擦係合要素への供給油圧の立ち上がり遅れを改善することができ、また作動油の常温時にインギヤショックを低減することができる。更にソレノイドの通常時において、作動油の常温時に切替バルブを切り替えて切替バルブから摩擦係合要素へ作動油を供給した直後に、変速機入力軸回転数を急に大きくなるように操作しても、これに対応して変速機入力軸回転数を速やかに所定の回転数まで低減させるよう、制御することができ、機関の吹き上がりを生じることがない。
【0119】
また、制御バルブが故障したときも切替バルブの出力油圧により摩擦係合要素を係合させることができ、所定変速段での走行を確保できる。
【0120】
請求項項にあっては、前記ソレノイドバルブのフェール時に前記切替バルブの出力油圧が漏れるのを防止することができ、よって前記摩擦係合要素への作動油圧の供給が可能であり、所定変速段での走行を確保できる。
【0121】
請求項項にあっては、前記ソレノイドバルブの非フェール時には前記摩擦係合要素の油圧を自在に制御することができ、作動油の低油温時の供給油圧の立ち上がり遅れ、作動油の常温時のインギヤショック、また切替バルブの切り替えにより切替バルブから摩擦係合要素へ作動油を供給するときに、その切り替え後に変速機入力軸回転数が急に大きくなるように操作されたときの変速機入力軸回転数の吹き上がり、に対して有効に対処して、これらを自在に制御可能である。
【0122】
請求項項にあっては、前記ソレノイドバルブのフェール時(閉止故障及び開放故障のいずれも)にも前記摩擦係合要素へ作動油圧を供給することができ、よって自動変速機の所定変速段の設定を確保して車両のある程度の走行性能を保持することができる。一方、ソレノイドの通常時においては、作動油の低油温時に摩擦係合要素への供給油圧の立ち上がり遅れを改善することができ、また作動油の常温時にインギヤショックを低減することができ、よって不快感のない良好なインギヤショックを得ることができる。更にソレノイドの通常時において、作動油の常温時にマニュアルバルブを切り替えて、マニュアルバルブから摩擦係合要素へ作動油を供給した直後にアクセルを即踏みしても、それによる機関回転数吹き上がりの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動変速機の油圧制御装置の構成を示す概略説明図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置の一部を示す油圧回路図である。
【図3】図2と同様の油圧回路図である。
【図4】第1の実施の形態の装置でソレノイドバルブSAの通常時(非フェール時)の、シフトレンジの選択信号、ソレノイド駆動信号、ソレノイドバルブ出力圧、クラッチ圧、クラッチスリップ率及び車体加速度(変速ショック)の状態を示すグラフからなる説明図である。
【図5】図4と同様の説明図であるが、ソレノイドバルブSAの閉止故障時の作動状態を示す説明図である。
【図6】図4と同様の説明図であるが、ソレノイドバルブSAの開放故障時の作動状態を示す説明図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態を示す、自動変速機の油圧制御装置の一部を示す油圧回路図の部分図であり、図2及び図3の油圧回路と異なる部分のみを示す油圧回路図である。
【図8】アンダーコントロールバルブの調圧特性の一例を示すグラフ図である。
【図9】第2の実施の形態の装置でソレノイドバルブSAの通常時の、シフトレンジの選択信号、ソレノイド駆動信号、ソレノイドバルブ出力圧、クラッチ圧、クラッチスリップ率及び車体加速度(変速ショック)の状態を示すグラフからなる説明図である。
【図10】図9と同様の説明図であるが、ソレノイドバルブSAの閉止故障時の作動状態を示す説明図である。
【図11】図9と同様の説明図であるが、ソレノイドバルブSAの開放故障時の作動状態を示す説明図である。
【図12】アンダーコントロールバルブの調圧特性が図8の如く設定されている場合においてソレノイドバルブSAがフェールしたときの、シフト操作と走行可能レンジとの関係を示す説明図である。
【図13】従来技術の装置において作動油が低温時の、シフトレンジの選択信号、クラッチ圧、クラッチスリップ率及び車体加速度(変速ショック)の作動状態を示すグラフからなる説明図である。
【図14】図13と同様な説明図であるが、作動油が常温時の作動状態を示す説明図である。
【図15】従来技術に係る自動変速機の油圧制御装置の一部を示す油圧回路図である。
【図16】図15の油圧回路の各摩擦係合要素の各変速段における係合状態を示す説明図である。
【図17】図15に示したとは別の従来技術に係る自動変速機の油圧制御装置の一部を示す油圧回路図である。
【図18】図17と同様の油圧回路図である。
【符号の説明】
8 トルクコンバータ
8a 変速機入力軸
9 機関出力軸
10 ポンプ
PS 油圧センサ
SA,SB,SC,SD,SE ソレノイドバルブ
K1,K2,K3 クラッチ
BR1,BR2 ブレーキ
20 マニュアルバルブ
22,24,26,28,30,96 油圧作動バルブ
34,36,38,40 アキュムレータ
200 コントローラ

Claims (4)

  1. 油圧を摩擦係合要素に給排制御する切替バルブと、前記摩擦係合要素と前記切替バルブ間に設置された前記摩擦係合要素の油圧を制御する制御バルブを備える自動変速機の油圧制御装置において、前記制御バルブはソレノイドバルブの出力油圧で前記摩擦係合要素へ供給される油圧を制御するように構成すると共に、前記切替バルブの出力油圧を、前記切替バルブの出力油圧と前記摩擦係合要素とが連通する方向に前記制御バルブに印加するように構成し、さらに前記切替バルブの出力油圧と前記ソレノイドバルブの出力油圧とをオリフィスを介して連通させることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記ソレノイドバルブと前記制御バルブとの間に、前記ソレノイドバルブから前記制御バルブの方向への油圧供給を可能とするワンウェイバルブが設けられることを特徴とする請求項1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 油圧を摩擦係合要素に給排制御する切替バルブと、前記摩擦係合要素と前記切替バルブ間に設置された前記摩擦係合要素の油圧を制御する制御バルブを備える自動変速機の油圧制御装置において、前記制御バルブはソレノイドバルブの出力油圧で前記摩擦係合要素へ供給される油圧を制御するように構成すると共に、前記切替バルブの出力油圧を、前記切替バルブの出力油圧と前記摩擦係合要素とが連通する方向に前記制御バルブに印加するように構成し、さらに前記切替バルブの出力油圧をオリフィスを介して前記制御バルブの両端に印加することを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記自動変速機は車両に搭載される機関の出力軸の回転を入力するものであり、前記切替バルブはマニュアルシフトレバーの操作により切り替えられるマニュアルバルブであることを特徴とする請求項1項から3項のいずれかに記載の自動変速機の油圧制御装置。
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