JP2001330137A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JP2001330137A
JP2001330137A JP2000153652A JP2000153652A JP2001330137A JP 2001330137 A JP2001330137 A JP 2001330137A JP 2000153652 A JP2000153652 A JP 2000153652A JP 2000153652 A JP2000153652 A JP 2000153652A JP 2001330137 A JP2001330137 A JP 2001330137A
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hydraulic
valve
pressure
fail
oil
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JP2000153652A
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Toshio Hiyoshi
俊男 日吉
Takeshi Kitaori
健 北折
Masaaki Yamada
公明 山田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 同時に係合してはならない複数の油圧連結要
素に共に給油される状態になったとき、閉位置に切換え
られるフェイルセーフ弁の動作不良を検出し得るように
して、フェイルセーフの冗長性を向上させる。 【解決手段】 後進レンジへの切換時に、後進段用の第
1の油圧連結要素B2の油圧を後進段用の第2の油圧連
結要素C3の油圧よりも早く上昇させ、第1の油圧連結
要素B2の油圧でフェイルセーフ弁9を閉位置に切換え
る。第2の油圧連結要素C3の油圧が所定圧以上に上昇
したとき、フェイルセーフ弁9にライン圧を入力して該
弁9を開位置に切換える切換弁15を設ける。また、フ
ェイルセーフ弁9の閉位置で高圧の油圧が入力される油
路L21に油圧スイッチ17を接続する。後進レンジに
おけるフェイルセーフ弁9の閉位置と開位置とへの切換
動作を油圧スイッチ17の信号に基づいて確認する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の油圧連結要
素を備え、これら油圧連結要素への給排油で前進レンジ
における複数段の変速を行うと共に、後進レンジで所定
の2つの油圧連結要素に給油して後進段を確立するよう
にした車両用自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置として、各油圧
連結要素への給排油を個々に制御する変速制御弁を複数
の油圧連結要素に対応して複数設けたものが知られてい
るが、このものでは、変速制御弁の誤作動を生ずると、
所望の変速段を確立する油圧連結要素以外の油圧連結要
素も係合し、同時に複数の変速段が確立されてしまうと
いう所謂共噛みを生ずる問題がある。
【0003】かかる問題点を解消するため、従来、特開
平8−42681号公報により、前進用の所定の1つの
変速段を確立する油圧連結要素以外の他の油圧連結要素
と前進レンジで油圧源に接続される給油路との間に、該
他の油圧連結要素への該給油路からの給油を可能とする
開位置と、この給油を不能とする閉位置とに切換自在な
フェイルセーフ弁を介設し、同時に係合してはならない
複数の油圧連結要素に共に給油されるとき、フェイルセ
ーフ弁が閉位置に切換えられるようにし、共噛みの発生
を防止するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フェイルセーフ弁
は正常状態では動作しないが、フェイルセーフの冗長性
を向上させるにはフェイルセーフ弁の動作不良を生じた
ときこれを検出し得るようにすることが望まれる。本発
明は、上記要望に適合した車両用自動変速機の制御装置
を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、複数の油圧連結要素を備え、これら油圧連結
要素への給排油で前進レンジにおける複数段の変速を行
うと共に、後進レンジで所定の2つの油圧連結要素に給
油して後進段を確立するようにした車両用自動変速機の
制御装置であって、前進用の所定の1つの変速段を確立
する油圧連結要素以外の他の油圧連結要素と前進レンジ
で油圧源に接続される給油路との間に、該他の油圧連結
要素への該給油路からの給油を可能とする開位置と、こ
の給油を不能とする閉位置とに切換自在なフェイルセー
フ弁を介設し、同時に係合してはならない複数の油圧連
結要素に共に給油されるとき、フェイルセーフ弁が閉位
置に切換えられるようにしたものにおいて、後進レンジ
への切換時に、後進段を確立する2つの油圧連結要素の
うちの一方の第1の油圧連結要素の油圧を他方の第2の
油圧連結要素の油圧よりも早く上昇させて、第1の油圧
連結要素の油圧でフェイルセーフ弁が閉位置に切換えら
れるように構成すると共に、第2の油圧連結要素の油圧
が所定圧以上に上昇されたときに、油圧源からのライン
圧をフェイルセーフ弁に入力して、フェイルセーフ弁を
開位置に切換える切換手段と、フェイルセーフ弁の開位
置と閉位置への切換えを検出する検出手段とを設けてい
る。
【0006】本発明によれば、フェイルセーフ弁が正常
である限り、後進レンジへの切換時に、先ず、第1の油
圧連結要素の油圧の上昇でフェイルセーフ弁が閉位置に
切換えられ、その後第2の油圧連結要素の油圧が所定圧
以上になったところで切換手段を介してのライン圧の入
力によりフェイルセーフ弁が開位置に復帰する。かく
て、後進レンジへの切換時に検出手段でフェイルセーフ
弁の閉位置への切換えとその後の開位置への切換えとが
検出されなければ、フェイルセーフ弁の動作不良と判別
でき、運転者にその旨を報知する等の適切な対策を講じ
て、フェイルセーフの冗長性を向上できる。
【0007】ところで、第2の油圧連結要素が後進段と
は異なる他の変速段にも兼用される油圧連結要素であっ
て、当該他の変速段の確立時に第2の油圧連結要素で分
担すべき分担トルクが後進段の確立時の分担トルクより
も小さく、且つ、第2の油圧連結要素の油圧を制御する
変速制御弁を設ける場合、当該他の変速段への変速をス
ムーズに行うには、変速制御弁により第2の油圧連結要
素の油圧を低圧域で精度良く制御することが必要にな
る。然し、変速制御弁による低圧域での制御精度を向上
させるには、変速制御弁による高圧域での制御精度を犠
牲にせざるを得ず、分担トルクが大きくなる後進段の確
立時に第2の油圧連結要素が油圧不足でスリップする可
能性がある。そのため、第2の油圧連結要素の油圧が所
定圧以上に昇圧されたときに、変速制御弁をバイパスし
て第2の油圧連結要素に油圧源からのライン圧を供給す
るバイパス弁を設け、後進段確立時の第2の油圧連結要
素のスリップを防止することが望まれる。この場合、第
2の油圧連結要素の油圧が所定圧以上に昇圧されたとき
にバイパス弁を介してフェイルセーフ弁にライン圧が入
力されるようにして、前記切換手段をバイパス弁で構成
すれば、切換手段用の専用バルブが不要になって構造の
簡素化を図れると共に、フェイルセーフ弁に加えてバイ
パス弁の動作確認も行い得られ、有利である。
【0008】
【発明の実施の形態】図1を参照して、1は車両用の自
動変速機であり、該変速機1は、図外のエンジンに流体
トルクコンバータを連結される入力軸1aと車両の駆動
輪に図外のデフギアを介して連結される出力軸1bとの
間に第1乃至第3の3個の遊星ギア2 1,22,23を配置
した、前進6段後進1段の変速を行う遊星ギア式変速機
で構成されている。
【0009】各遊星ギア21,22,23は、サンギア2a
と、リングギア2bと、両ギア2a,2bに噛合するピ
ニオン2cと、ピニオン2cを軸支するキャリア2dと
で構成されており、第1遊星ギア21のサンギア2aを
入力軸1aに連結すると共に、第3遊星ギア23のキャ
リア2dを出力軸1bに連結している。また、第1遊星
ギア21のリングギア2bを変速機1のケーシング1c
に連結して回り止めすると共に、第2と第3の両遊星ギ
ア22,23のサンギア2a,2a同士を連結し、更に、
第2遊星ギア22のキャリア2dと第3遊星ギア23のリ
ングギア2bを連結し、このリングギア2bをケーシン
グ1cに反力受けとしてのワンウェイクラッチ3を介し
て連結している。
【0010】変速機1には、油圧連結要素として、入力
軸1aを第2と第3の両遊星ギア2 2,23のサンギア2
a,2aに連結する第1クラッチC1と、入力軸1aを
第2遊星ギア22のキャリア2dに連結する第2クラッ
チC2と、第1遊星ギア21のキャリア2dを第2遊星
ギア22のリングギア2bに連結する第3クラッチC3
と、第2遊星ギア22のリングギア2bをケーシング1
cに連結する第1ブレーキB1と、第3遊星ギア23
リングギア2bをケーシング1cに連結する第2ブレー
キB2とが設けられている。
【0011】以上の構成により、第1クラッチC1と第
2ブレーキB2とを係合させたとき1速段が確立され、
第1クラッチC1と第1ブレーキB1とを係合させたと
き2速段が確立され、第1クラッチC1と第3クラッチ
C3とを係合させたとき3速段が確立され、第1クラッ
チC1と第2クラッチC2とを係合させたとき4速段が
確立され、第2クラッチC2と第3クラッチC3とを係
合させたとき5速段が確立され、第2クラッチC2と第
1ブレーキB1とを係合させたとき6速段が確立され、
第3クラッチC3と第2ブレーキB2とを係合させたと
き後進段が確立される。尚、第1クラッチC1のみを係
合させたときも1速段が確立されるが、この場合は出力
軸1bのオーバー回転が許容され、エンジンブレーキは
かからない。
【0012】これらクラッチC1,C2,C3とブレーキ
B1,B2は図2に示す油圧回路によって作動制御され
る。この油圧回路には、油圧源4と、マニュアル弁5
と、各クラッチC1,C2,C3や各ブレーキB1,B2
への給排油を個別に制御する第1乃至第5の5個の変速
制御弁61〜65と、各変速制御弁61〜65を個々に制御
する第1乃至第5の5個の電磁弁71〜75とが設けられ
ている。
【0013】マニュアル弁5は、レンジ切換用の操作部
材たる図外のセレクトレバーの操作に連動して、パーキ
ングレンジ位置たる「P」位置と、後進レンジ位置たる
「R」位置と、ニュートラルレンジ位置たる「N]位置
(図示の位置)と、前進レンジ位置たる「D,M」位置
との計4位置に切換えられるようになっている。尚、セ
レクトレバーは、前進レンジとして自動変速レンジと手
動変速レンジとを選択し得るように構成されている。即
ち、セレクトレバーをニュートラルレンジから後進レン
ジとは反対側に操作したとき自動変速レンジが選択さ
れ、そこから横方向に操作したとき手動変速レンジか選
択されるようになっている。一方、マニュアル弁5は、
自動変速レンジと手動変速レンジとの何れにおいても同
一の「D,M」位置に存する。そして、「D,M」位置
では、油圧源4に連なる油路L1が油路L2に接続され
て、レギュレータ8で所定のライン圧に調圧された油圧
が油路L2に供給され、該油路L2を介して第2クラッ
チC2用の第2変速制御弁62に常時供給されると共
に、油路L2に後記詳述するフェイルセーフ弁9を介し
て接続される油路L3を介して第1クラッチC1用の第
1変速制御弁61と第1ブレーキB1用の第4変速制御
弁64と、第2ブレーキB2用の第5変速制御弁65とに
給油される。尚、第3クラッチC3用の第3変速制御弁
3には、油路L2とマニュアル弁5の「R」位置で油
路L1に接続される油路L4とにシャトル弁10を介し
て接続される油路L5を介して給油される。
【0014】第1乃至第3クラッチC1,C2,C3及
び第1ブレーキB1から成る油圧連結要素は、夫々、該
各油圧連結要素に連なる各油路L6,L7,L8,L9
を介して第1乃至第4の各変速制御弁61,62,63
4に接続されている。また、第2ブレーキB2は、第
1と第2の1対のアクチュエータ部B2a,B2bを備
えており、両アクチュエータ部B2a,B2bを夫々に
連なる油路L10a,L10bを介して第5変速制御弁
5に接続すると共に、油路L10bをシャトル弁11
を介して油路L10aに接続している。そして、第5変
速制御弁65の流入側に、油路L3に加えて油路L4を
接続し、マニュアル弁5の「D,M」位置では、油路L
3から油路L10aを介して第1アクチュエータ部B2
aに給油可能とし、マニュアル弁5の「R」位置では、
油路L4から油路L10bを介して第2アクチュエータ
部B2bと、更に、シャトル弁11を介して第1アクチ
ュエータ部B2aとに給油可能としている。
【0015】各変速制御弁61〜65は、該各変速制御弁
1〜65を左方の給油位置側に押圧する油室6aと、右
方の排油位置(図示の位置)側に押圧する油室6bと、
排油位置側に付勢するばね6cとを備えており、各変速
制御弁61〜65の油室6aに対応する各電磁弁71〜75
からの信号圧を該各電磁弁71〜75に連なる各油路L1
2〜L16を介して入力すると共に、各変速制御弁61
〜65の油室6bに該各変速制御弁61〜65の下流側の
油圧を入力し、各変速制御弁61〜65の下流側の油圧、
即ち、各油圧連結要素C1,C2,C3,B1,B2の油圧
を各電磁弁71〜75からの信号圧に応じて調圧し得るよ
うにしている。尚、第5変速制御弁65は、左方の給油
位置側で油路L3に油路L10aが接続され、右方の排
油位置側で油路L4に油路L10bが接続されるように
構成されている。そして、後進レンジ(マニュアル弁5
の「R」位置)では、第5電磁弁75の出力圧を零(大
気圧)にして、第5変速制御弁65を排油位置に切換
え、第2ブレーキB2の両アクチュエータ部B2a,B
2bに給油して、第2ブレーキB2を強い力で係合さ
せ、第3変速制御弁63からの給油による第3クラッチ
C3の係合で後進段が確立されるようにしている。
【0016】各電磁弁71〜75は、そのソレノイド7a
への通電電流値に応じた信号圧を出力する電磁比例弁で
構成されており、車載コンピュータから成る電子制御回
路12により各電磁弁71〜75のソレノイド7aへの通
電を制御している。尚、各電磁弁71〜75には、油路L
1に接続したモジュレータ弁13の下流側の油路L1a
からモジュレータ圧(ライン圧より低い一定圧)が入力
されており、全開状態で出力される信号圧はモジュレー
タ圧になる。
【0017】マニュアル弁5の「D,M」位置では、全
ての変速制御弁61〜65に給油可能となり、第1と第5
の電磁弁71,75からの信号圧を高くすると、第1と第
5の変速制御弁61,65を介して第1クラッチC1と第
2ブレーキB2とに給油されて1速段が確立され、第1
と第4の電磁弁71,74からの信号圧を高くすると、第
1と第4の変速制御弁61,64を介して第1クラッチC
1と第1ブレーキB1とに給油されて2速段が確立さ
れ、第1と第3の電磁弁71,73の信号圧を高くする
と、第1と第3の変速制御弁61,63を介して第1と第
3のクラッチC1,C3に給油されて3速段が確立さ
れ、第1と第2の電磁弁71,72の信号圧を高くする
と、第1と第2の変速制御弁61,62を介して第1と第
2のクラッチC1,C2に給油されて4速段が確立さ
れ、第2と第3の電磁弁72,73の信号圧を高くする
と、第2と第3の変速制御弁62,63を介して第2と第
3のクラッチC2,C3に給油されて5速段が確立さ
れ、第2と第4の電磁弁72,74の信号圧を高くする
と、第2と第4の変速制御弁62,64を介して第2クラ
ッチC2と第1ブレーキB1とに給油されて6速段が確
立される。
【0018】そして、前進レンジとして自動変速レンジ
を選択したときは、電子制御回路12により車両の走行
状態に応じて各電磁弁71〜75を制御して、1速乃至6
速の自動変速を行い、手動変速レンジを選択したとき
は、図外のアップシフトスイッチとダウンシフトスイッ
チの操作により電子制御回路11を介して各電磁弁71
〜75を制御し、アップシフトスイッチやダウンシフト
スイッチがオンされる度にアップシフトやダウンシフト
を行う。また、変速時には、変速に際して係合される油
圧連結要素の油圧の昇圧と、変速に際して係合解除され
る油圧連結要素の油圧の降圧とを変速ショックを生じな
いように対応する電磁弁で適切に制御する。
【0019】ここで、第1と第4と第5の電磁弁71,7
4,75は常閉型、第2と第3の電磁弁72,73は常開型に
構成されており、前進レンジでの各変速段の確立時にお
ける電磁弁71〜75のソレノイド7aへの通電状態と油
圧連結要素C1〜C3,B1,B2の係合状態を示す
と、図3の通りになる。図中〇印は油圧連結要素が係合
していることを示し、×印は油圧連結要素が解放されて
いることを示す。尚、自動変速レンジでは、1速時にも
第5電磁弁75には通電せず、第2ブレーキB2を解放
しておき、手動変速レンジでのみ、1速時に第5電磁弁
5に通電し、第5変速制御弁65を介して第2ブレーキ
B2の第1アクチュエータ部B2aに給油することによ
り第2ブレーキB2を係合させ、エンジンブレーキを効
かせられる状態で1速段を確立する。
【0020】第1クラッチC1と第2クラッチC2とを
第1グループの油圧連結要素、第3クラッチC3と第1
ブレーキB1と第2ブレーキB2とを第2グループの油
圧連結要素として、本実施形態では、図3から明らかな
ように、第1グループの油圧連結要素たる第1と第2の
両クラッチC1,C2の同時係合と、第1と第2の両ク
ラッチC1,C2の何れか1個及び第2グループの油圧
連結要素たる第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第
2ブレーキB2の何れか1個の同時係合とで1速乃至6
速の変速段が選択的に確立される。
【0021】ところで、同時に3個以上の油圧連結要素
が係合したり、同時に2個の油圧連結要素が係合される
場合であっても第2グループに属する第3クラッチC3
と第1ブレーキB1とが係合すると、共噛みを生じて変
速機1がロック状態となり、また、前進走行中に第2グ
ループに属する第3クラッチC3と第2ブレーキB2と
が係合すると後進段が確立されて、変速機1やエンジン
に無理がかかる。
【0022】そこで、本実施形態では、前進用の所定の
1つの変速段、例えば、5速段を確立する第2と第3の
クラッチC2,C3に対応する第2と第3の変速制御弁
2,63以外の第1と第4と第5の変速制御弁61
4,65の流入側に共通の油路L3を接続し、この油路
L3と前進レンジで油圧源4に接続される給油路たる油
路L2との間にフェイルセーフ弁9を介設し、同時に係
合してはならない複数の油圧連結要素に同時に給油され
る状態となるフェイル時に、第1と第4と第5の変速制
御弁61,64,65への給油を停止して、上記の不具合を
防止できるようにしている。
【0023】フェイルセーフ弁9は、油路L2と油路L
3とを接続する左方の開位置(図示の位置)とこの接続
を断つ右方の閉位置とに切換自在であり、フェイルセー
フ弁9をばね9aで開位置側に付勢すると共に、フェイ
ルセーフ弁9の右端の油室9bに油路L3からのライン
圧を入力して、フェイルセーフ弁9を開位置側に押圧し
ている。また、フェイルセーフ弁9に、これを閉位置側
に押圧する4個の油室9c,9d,9e,9fを設け、油
室9cに油路L10aを介して第2ブレーキB2の油
圧、油室9dに油路L9を介して第1ブレーキB1の油
圧、油室9eに油路L8を介して第3クラッチC3の油
圧を夫々入力すると共に、油室9fに後記詳述する合成
信号弁14を介して油路L1からのライン圧を入力して
いる。そして、油室9c,9d,9e,9fのうち何れか
2個の油室に入力される油圧が所定圧以上になったと
き、これら油圧による押圧力がばね9aの付勢力と油室
9bに入力されるライン圧による押圧力との合力を上回
って、フェイルセーフ弁9が閉位置に切換えられるよう
にしている。前記合成信号弁14は、油室9fに連なる
油路L17を油路L1に接続する右方の開位置(図示の
位置)とこの接続を断つ左方の閉位置とに切換自在であ
り、合成信号弁14の右端の油室14aに油路Llから
のライン圧を入力して該弁14を閉位置側に押圧し、更
に、合成信号弁14にこれを開位置側に押圧する2個の
油室14b,14cを設けて、油室14bに油路L7を
介して第2クラッチC2の油圧、油室14cに油路L6
を介して第1クラッチC1の油圧を夫々入力すると共
に、ばね14dで合成信号弁14を開位置側に付勢し、
第1と第2の両クラッチC1,C2が共に係合する状態
(4速段の状態)になったとき、油室14b,14cに
入力される油圧による押圧力とばね14dの付勢力との
合力が油室14aに入力されるライン圧による押圧力を
上回って、合成信号弁14が開位置に切換えられるよう
にしている。
【0024】かくて、第1グループの油圧連結要素たる
第1と第2の両クラッチC1,C2が共に係合したとき
フェイルセーフ弁9の油室9fに高圧の信号圧たるライ
ン圧が入力され、この状態で第2グループの油圧連結要
素たる第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレ
ーキB2の何れか1つにでも給油されると、フェイルセ
ーフ弁9が閉位置に切換わり、また、第1と第2の両ク
ラッチC1,C2の一方のみが係合し、或いは、両クラ
ッチC1,C2が共に解放されていて油室9fにライン
圧が入力されていない状態でも、他の油圧連結要素C
3,B1,B2のうちの2個以上に共に給油されると、フ
ェイルセーフ弁9が閉位置に切換わる。そして、フェイ
ルセーフ弁9の閉位置への切換えで油路L2と油路L3
との接続が断たれ、結局、フェイル時には第1と第4と
第5の変速制御弁61,64,65への給油が停止され、対
応する油圧連結要素C1,B1,B2が解放される。
【0025】また、フェイル時にフェイルセーフ弁9が
閉位置に切換えられても、第2変速制御弁62と第3変
速制御弁63とには、夫々、油路L2と該油路L2にシ
ャトル弁10を介して接続した油路L5とが接続されて
いるため、第2クラッチC2と第3クラッチC3とを係
合させて5速段を確立することができる。然し、第2電
磁弁72や第3電磁弁73の制御不良で第2変速制御弁6
2や第3変速制御弁63を給油位置側に切換えられなくな
ると、即ち、常開型たる第2、第3電磁弁72,7 3のオ
ン故障(ソレノイドに通電され続ける故障)でこれら電
磁弁72,73から高圧の信号圧を出力できなくなると、
第2、第3クラッチC2,C3に給油不能となって5速
段を確立できなくなる。
【0026】そこで、本実施形態では、フェイルセーフ
弁9の閉位置で該弁9を介して油路L2に接続される油
路L18を設けると共に、第2変速制御弁62にこれを
給油位置側に押圧する第2の油室6dを設けて、油室6
dに前記油路L18を接続し、フェイルセーフ弁9の閉
位置では、油路L2からのライン圧が油路L18を介し
て油室6dに入力され、第2変速制御弁62が強制的に
給油位置に切換保持されるようにしている。また、第3
クラッチC3に連なる油路L8を第3変速制御弁63
介さずに油路L5に接続する左方の開位置と、この接続
を断つ右方の閉位置(図示の位置)とに切換自在なバイ
パス弁15を設け、該弁15をばね15aで閉位置側に
付勢すると共に、該弁15を開位置側に押圧する右端の
油室15bに油路L18を接続し、フェイルセーフ弁9
の閉位置では、油路L2からのライン圧が油路L18を
介して油室15bに入力され、バイパス弁15が開位置
に切換えられるようにしている。かくて、フェイル時に
フェイルセーフ弁9が閉位置に切換えられると、第2と
第3の両クラッチC2,C3に強制的に給油され、5速
段が確実に確立される。尚、フェイルセーフ弁9が一旦
閉位置に切換えられると、油室9bが大気開放されるた
め、以後前進レンジである限り油室9eに入力される第
3クラッチC3の油圧でフェイルセーフ弁9は閉位置に
保持される。
【0027】また、断線等によるシステムダウンで全て
の電磁弁71〜75への通電が停止されると、常開型たる
第2と第3の両電磁弁72,73の信号圧のみが高くな
り、第2と第3の両変速制御弁62,63を介して第2と
第3の両クラッチC2,C3に給油されて5速段が確立
される。然し、5速段だけでは発進や低速走行が困難に
なるため、システムダウン時に、前進レンジ、即ち、マ
ニュアル弁5の「D,M」位置において5速段より低速
の変速段、例えば、3速段も確立し得るようにすること
が望まれ、そのためには、「D,M」位置で第2クラッ
チC2に代えて第1クラッチC1を係合させることが必
要になる。
【0028】そこで、本実施形態では、第2電磁弁72
に連なる油路L13を第2変速制御弁62の油室6aと
第1変速制御弁61の油室6aとに選択的に接続するシ
フト弁16を設けている。シフト弁16は、第1電磁弁
1に連なる油路L12と第2電磁弁72に連なる油路L
13とを夫々第1変速制御弁61の油室6aと第2変速
制御弁62の油室6aとに接続する右方の第1切換位置
(図示の位置)と、これら接続を断って油路L13を第
1変速制御弁61の油室6aに接続する左方の第2切換
位置とに切換自在であり、シフト弁16をばね16aで
第1切換位置側に付勢している。また、シフト弁16
に、これを第2切換位置側に押圧する右端の油室16b
を設け、油室16bに、マニュアル弁5の「R」位置及
び「P」位置で油路L13に接続され、「N」位置及び
「D,M」位置で大気開放される油路L19を接続して
いる。また、シフト弁16には、第2切換位置におい
て、モジュレータ弁13の下流側の油路L1aに接続さ
れる環状溝16cが形成されており、この環状溝16c
の左側のランド径を右側のランド径より大きくし、シフ
ト弁16が一旦第2切換位置に切換えられると、油路L
1aから環状溝16cに入力されるモジュレータ圧によ
り左右のランド径差分の左方への押圧力が作用し、この
押圧力によりシフト弁16がばね16aの付勢力に抗し
て第2切換位置に保持されるようにしている。
【0029】かくて、シフト弁16は、常時は、第1切
換位置に存し、前進レンジでの走行中にシステムダウン
を生じた場合、自動変速レンジと手動変速レンジとの何
れにおいても5速段が確立され、高速走行中のシステム
ダウンで3速段にダウンシフトしてショックを生ずると
いった不具合が防止される。そして、システムダウン時
に、セレクトレバーを後進レンジやパーキングレンジに
切換操作してマニュアル弁5を「R」位置や「P」位置
に切換えると、第2電磁弁72からの高圧の信号圧が油
路L19を介してシフト弁16の油室16bに入力さ
れ、シフト弁16が第2切換位置に切換えられ、以後第
2切換位置に保持される。従って、システムダウン時、
後進レンジやパーキングレンジに切換操作した後に前進
レンジに切換操作してマニュアル弁5を「D,M」位置
に切換えると、第2電磁弁72からの高圧の信号圧が第
2切換位置に存するシフト弁16を介して第1変速制御
弁6 1の油室6aに入力され、第1変速制御弁61が給油
位置に切換えられて第1クラッチC1が係合し、3速段
が確立される。
【0030】後進レンジへの切換時は、第5変速制御弁
5を排油位置に保持したまま油路L4から後進段用の
第1の油圧連結要素たる第2ブレーキB2の両アクチュ
エータ部B2a,B2bに給油して、第2ブレーキB2
の油圧を速やかにライン圧に上昇させ、一方、第3電磁
弁73により第3変速制御弁63を介して後進段用の第2
の油圧連結要素たる第3クラッチC3の油圧を緩やかに
上昇させ、後進段確立時のショックを緩和するRインギ
ア制御を行う。その詳細は図4に示す通りであり、ニュ
ートラル(N)レンジから後進(R)レンジに切換えら
れたとき、先ず、第3電磁弁73の出力圧PSOL3を
所定の無効ストローク詰め圧に上昇させて、所定時間t
1この値に維持し、第3クラッチC3の無効ストローク
を詰めて該クラッチC3の油圧PC3を応答性良く立上
げる。次に、PSOL3を無効ストローク詰め圧より低
い待機圧に低下させ、トルクコンバータのタービン回転
速度NTが低下し始めたところで、PSOL3を比較的
小さな勾配で上昇させる。そして、タービン回転速度N
Tが所定値NTs以下になったところでPSOL3の上
昇勾配をそれまでより大きくし、NT≦NTsになって
から所定時間t2が経過したところでPSOL3を最大
圧(モジュレータ圧)まで急上昇させて、Rインギア制
御を完了する。
【0031】ここで、上記したバイパス弁15には、右
端の油室15bとは別に、該弁15を左方の開位置側に
押圧する第2の油室15cが設けられており、この油室
15cに第3電磁弁73に連なる油路L14を接続し、
第3電磁弁73の出力圧PSOL3が最大圧に近い所定
圧P1以上に上昇したとき、バイパス弁15が開位置に
切換えられるようにしている。ところで、3速段や5速
段の確立時に第3クラッチC3で分担すべき分担トルク
は後進段の確立時の分担トルクよりも小さく、3速段や
5速段への変速をスムーズに行うには、第3電磁弁73
として低圧域でのリニア特性に優れたものを用い、第3
変速制御弁63により第3クラッチC3の油圧を低圧域
で精度良く制御し得るようにすることが必要になる。こ
の場合、第3変速制御弁63による高圧域での制御精度
が悪くなり、第3クラッチC3に第3変速制御弁63
みから給油したのでは、分担トルクが大きくなる後進段
の確立時に第3クラッチC3が油圧不足でスリップする
可能性がある。然し、本実施形態では、第3電磁弁73
の出力圧PSOL3が所定圧P1以上に上昇したとき、
バイパス弁15が上記の如く開位置に切換えられて、油
路L4からバイパス弁15を介して第3クラッチC3に
ライン圧が供給されるため、後進段確立時の第3クラッ
チC3のスリップが防止される。
【0032】また、本実施形態では、バイパス弁15の
開位置で油路L4に接続される油路L20を設けると共
に、フェイルセーフ弁9に、右端の油室9bとは別に、
該弁9を左方の開位置側に押圧する第2の油室9gを設
けて、この油室9gに油路L20を接続している。フェ
イルセーフ弁9は、油室9cに入力される第2ブレーキ
B2の油圧と油室9eに入力される第3クラッチC3の
油圧とが共にライン圧に上昇しても、油室9gへのライ
ン圧の入力で閉位置に切換えられるように構成されてい
る。かくて、バイパス弁15により、第3クラッチC3
の所定圧以上への上昇でフェイルセーフ弁9を開位置に
切換える切換手段が構成される。
【0033】後進レンジでは、フェイルセーフ弁9の油
室9bが大気開放されるため、後進レンジへの切換当初
の第2ブレーキB2の油圧上昇により、油室9cに入力
される第2ブレーキB2の油圧だけでフェイルセーフ弁
9が閉位置に切換えられ、その後、Rインギア制御の完
了で第3電磁弁73の出力圧PSOL3が所定圧P1以
上に上昇したとき、バイパス弁15が開位置に切換えら
れて、油路L4からのライン圧が油路L20を介して油
室9gに入力され、フェイルセーフ弁9が開位置に切換
えられる。
【0034】また、フェイルセーフ弁9の閉位置で油路
L1aに接続される油路L21を設けて、油路L21に
第1油圧スイッチ17を接続している。フェイルセーフ
弁9が閉位置に切換えられると、油路L21に油路L1
aからのモジュレータ圧が入力されて第1油圧スイッチ
17がオンする。かくて、第1油圧スイッチ17によ
り、フェイルセーフ弁9の閉位置と開位置への切換えを
検出する検出手段が構成される。ここで、ニュートラル
レンジでは、フェイルセーフ弁9がばね9aの付勢力で
開位置に保持されるため、第1油圧スイッチ17はオフ
するはずであり、第1油圧スイッチ17がオンしていれ
ば、フェイルセーフ弁9の閉位置から開位置への切換え
の動作不良(開動作不良)を生じたと判断できる。ま
た、後進レンジでは、Rインギア制御の完了前にフェイ
ルセーフ弁9が閉位置に切換えられ、Rインギア制御の
完了後にフェイルセーフ弁9が開位置に切換えられるた
め、第1油圧スイッチ17はRインギア制御の完了前に
オン、完了後にオフするはずであり、第1油圧スイッチ
17がRインギア制御の完了前からオフしていれば、フ
ェイルセーフ弁9の開位置から閉位置への切換えの動作
不良(閉動作不良)を生じたと判断でき、第1油圧スイ
ッチ17がRインギア制御の完了後もオンしていれば、
フェイルセーフ弁9の開動作不良を生じたと判断でき
る。また、バイパス弁15の閉位置から開位置への切換
えの動作不良(開動作不良)を生じた場合は、Rインギ
ア制御の完了で第3電磁弁73の油圧PSOL3が所定
圧以上になってもバイパス弁15が開位置に切換えられ
ず、フェイルセーフ弁9が閉位置に保持されて、Rイン
ギア制御の完了後も第1油圧スイッチ17がオンしたま
まになる。また、バイパス弁15の開位置から閉位置へ
の切換えの動作不良(閉動作不良)を生じた場合は、後
進レンジへの切換当初からフェイルセーフ弁9の油室9
gに油路L20を介して油路L4からのライン圧が入力
され、フェイルセーフ弁9の閉位置への切換えが阻止さ
れて、第1油圧スイッチ17がオフしたままになる。
【0035】また、本実施形態では、合成信号弁14の
出力側の油路L17をシャトル弁18を介して油路L2
1に接続している。ここで、4速段の確立時は、合成信
号弁14の油室14bに入力される第2クラッチC2の
油圧と油室14cに入力される第1クラッチC1の油圧
とにより合成信号弁14が開位置に切換えられ、油路L
17の油圧がライン圧になって第1油圧スイッチ17が
オンするはずであり、4速段の確立時に第1油圧スイッ
チ17がオンしなければ、合成信号弁14の閉位置から
開位置への切換えの動作不良(開動作不良)を生じたと
判断できる。更に、本実施形態では、第3クラッチC3
に連なる油路L8に第2油圧スイッチ19を接続し、図
4に示す如く、第3クラッチC3の油圧PC3が待機圧
より若干高く設定した所定圧P2以上に上昇したとき、
第2油圧スイッチ19がオンするようにしている。そし
て、第1と第2の両油圧スイッチ17,19の信号をコ
ントローラ12に入力し、フェイルセーフ弁9、合成信
号弁14及びバイパス弁15の異常の有無をコントロー
ラ12で診断している。
【0036】この異常診断の詳細は図5に示す通りであ
り、先ず、S1のステップで何れのレンジが選択されて
いるかを判別し、パーキング(P)レンジまたはニュー
トラル(N)レンジが選択されていれば、S2のステッ
プで第1油圧スイッチ17のオン・オフを判別し、第1
油圧スイッチ17がオンされていれば、S3のステップ
でフェイルセーフ弁9の開動作不良を生じたと診断して
その旨を表示する。
【0037】S1のステップで前進(D,M)レンジが
選択されていると判別されたときは、S4のステップで
4速段が確立されているか否かを判別する。そして、4
速段が確立されていれば、S5のステップで第1油圧ス
イッチ17のオン・オフを判別し、第1油圧スイッチ1
7がオフされていれば、S6のステップで合成信号弁1
4の開動作不良を生じたと診断してその旨を表示する。
また、4速段が確立されていないときは、S7のステッ
プで第1油圧スイッチ17のオン・オフを判別し、第1
油圧スイッチ17がオンされていれば、S8のステップ
で共噛みと診断してその旨を表示する。
【0038】S1のステップで後進(R)レンジが選択
されていると判別されたときは、S9のステップにおい
て、第3電磁弁73の出力圧PSOL3を待機圧から上
昇させるクラッチ圧の漸増制御が開始されたか否かを判
別し、漸増制御の開始前であれば、S10のステップで
第1油圧スイッチ17のオン・オフを判別し、第1油圧
スイッチ17がオフされていれば、S11のステップで
第2油圧スイッチ19のオン・オフを判別する。ここ
で、バイパス弁15が正常であれば、クラッチ圧の漸増
制御開始前に第3クラッチC3の油圧PC3が所定圧P
2以上に上昇することはなく、S11のステップで第2
油圧スイッチ19がオフされていると判別されたとき
は、S12のステップでフェイルセーフ弁9の閉動作不
良を生じたと診断してその旨を表示し、また、S11の
ステップで第2油圧スイッチ19がオンされている判別
されたときは、S13のステップでバイパス弁15の閉
動作不良を生じたと診断してその旨を表示する。
【0039】クラッチ圧の漸増制御開始後は、S14の
ステップでRインギア制御が完了したか否かを判別し、
Rインギア制御が完了したとき、S15のステップで第
1油圧スイッチ17のオン・オフを判別し、第1油圧ス
イッチ17がオンされていれば、S16のステップでフ
ェイルセーフ弁9の開動作不良またはバイパス弁15の
開動作不良を生じたと診断してその旨を表示する。
【0040】尚、上記実施形態では、後進レンジで第3
クラッチC3の油圧が所定圧以上に上昇したときにフェ
イルセーフ弁9にライン圧を入力して該弁9を閉位置に
切換える切換手段としてバイパス弁15を兼用したが、
第3変速制御弁63に第2変速制御弁62の油室6dと同
様の油室を設けて、この油室に油路L18を接続し、フ
ェイルセーフ弁9が閉位置に切換えられたときに、第3
変速制御弁63が第2変速制御弁62と同様に油路L18
からのライン圧で給油位置に切換えられるようにし、バ
イパス弁15を省略することも可能である。この場合は
フェイルセーフ弁9の切換専用の切換弁を設ける。ここ
で、バイパス弁15の油室15cに油路L8を介して第
3クラッチC3の油圧を入力すると、第3クラッチC3
の油圧が所定圧以上に上昇してバイパス圧15が開位置
に切換えられたとき、油路L5から油路L8に入力され
るライン圧によりバイパス弁15が開位置にセルフロッ
クされてしまい、第3クラッチC3が係合したままにな
る。そこで、上記実施形態では、油室15cに第3電磁
弁73の出力圧を入力し、出力圧の低下でバイパス弁1
5を閉位置に復帰させ得るようにしている。然し、フェ
イルセーフ弁9の切換専用の切換弁、即ち、油路L4を
油路L20に接続する機能だけを持つ切換弁を設ける場
合は、第3クラッチC3の油圧で切換弁を切換動作させ
るようにしても不具合は生じない。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、後進レンジでフェイルセーフ弁を閉位置と開
位置に切換動作させて、フェイルセーフ弁の動作不良の
有無を検出でき、フェイルセーフの冗長性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置を適用する自動変速機の一例のス
ケルトン図
【図2】 本発明装置の一例の油圧回路図
【図3】 各変速段の確立時の油圧連結要素の係合状態
と電磁弁の通電状態とを示す図
【図4】 後進レンジへの切換時におけるタービン回転
速度NTの変化と第3電磁弁の出力圧PSOL3の変化
と第1と第2の両油圧スイッチのオン・オフ変化とを示
すタイムチャート
【図5】 異常診断プログラムを示すフローチャート
【符号の説明】
1 自動変速機 C1 第1クラッチ(他の油圧連結要素) C2 第2クラッチ(前進用の所定の1つの変速段を確
立する油圧連結要素) C3 第3クラッチ(前進用の所定の1つの変速段を確
立する油圧連結要素、後進段用の第2の油圧連結要素) B1 第1ブレーキ(他の油圧連結要素) B2 第2ブレーキ(他の油圧連結要素、後進段用の第
1の油圧連結要素) 4 油圧源 9 フェイルセーフ弁 15 バイパス弁(切換手段) 17 第1油圧スイッチ(検出手段) L2 給油路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 公明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 MA17 NA01 NB01 PA06 PA51 PB02 PB09 QA06A QA10A QA14A QA15A QA19A QA26A RA22 VA59X

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧連結要素を備え、これら油圧
    連結要素への給排油で前進レンジにおける複数段の変速
    を行うと共に、後進レンジで所定の2つの油圧連結要素
    に給油して後進段を確立するようにした車両用自動変速
    機の制御装置であって、 前進用の所定の1つの変速段を確立する油圧連結要素以
    外の他の油圧連結要素と前進レンジで油圧源に接続され
    る給油路との間に、該他の油圧連結要素への該給油路か
    らの給油を可能とする開位置と、この給油を不能とする
    閉位置とに切換自在なフェイルセーフ弁を介設し、 同時に係合してはならない複数の油圧連結要素に共に給
    油されるとき、フェイルセーフ弁が閉位置に切換えられ
    るようにしたものにおいて、 後進レンジへの切換時に、後進段を確立する2つの油圧
    連結要素のうちの一方の第1の油圧連結要素の油圧を他
    方の第2の油圧連結要素の油圧よりも早く上昇させて、
    第1の油圧連結要素の油圧でフェイルセーフ弁が閉位置
    に切換えられるように構成すると共に、 第2の油圧連結要素の油圧が所定圧以上に上昇されたと
    きに、油圧源からのライン圧をフェイルセーフ弁に入力
    して、フェイルセーフ弁を開位置に切換える切換手段
    と、 フェイルセーフ弁の開位置と閉位置への切換えを検出す
    る検出手段とを設ける、 ことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 第2の油圧連結要素は後進段とは異なる
    他の変速段にも兼用される油圧連結要素であり、第2の
    油圧連結要素の油圧を制御する変速制御弁と、第2の油
    圧連結要素の油圧が所定圧以上に昇圧されたときに、変
    速制御弁をバイパスして第2の油圧連結要素に油圧源か
    らのライン圧を供給するバイパス弁とを備え、第2の油
    圧連結要素の油圧が所定圧以上に昇圧されたときにバイ
    パス弁を介してフェイルセーフ弁にライン圧が入力され
    るようにして、前記切換手段をバイパス弁で構成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の制
    御装置。
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