JP3988509B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の故障が検出されたとき、各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素にそれぞれ油圧を給排する各油圧サーボ装置のソレノイドをオフ状態にする自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、入力軸の回転を変速して出力軸に出力する各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素を変速機構に設け、ソレノイドに供給される電気信号に基づいた出力油圧を係合要素に給排する油圧サーボ装置を各係合要素に接続し、自動変速機の故障を検出する故障検出手段を設けた自動変速機の制御装置において、故障検出手段により故障が検出されると、全ての油圧サーボ装置のソレノイドの電源を切り、油圧サーボ装置に油圧を供給するライン圧を最大にし、且つトルクコンバータのロックアップクラッチを解放し、変速禁止状態にして、ギヤ比の小さい変速段から大きい変速段にダウンシフトして大きなショックが発生することを防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、全ての油圧サーボ装置のソレノイドの電源を同時に切っていたので、弁の切換わりタイミングのズレ等によってダウンシフトすることがあった。この場合、ライン圧が最大にされ、最大圧力でクラッチを係合していくために、大きなショックが発生する。特に、高車速時に故障が検出されて全ソレノイドの電源を切り、ダウンシフトした場合、一層大きなショックが発生してしまう。
【0004】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、自動変速装置の故障が検出されたとき、ショックを生じることなく全ての油圧サーボ装置のソレノイドをオフ状態にして変速ができないようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、入力軸の回転を変速して出力軸に出力する変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素と、ソレノイドに供給される電気信号に応じた出力油圧を給排して前記係合要素を夫々係脱させる複数の油圧サーボ装置とを備え、前記各係合要素は、各係合要素用油圧サーボ装置のソレノイドがオフされると係合し、オンされると開放し、前記係合要素の少なくとも1つが制御不能となる故障を検出する故障検出手段を備えた自動変速機の制御装置において、前記複数の係合要素は、前記変速機構の低速段成立時に常時係合される第1係合要素と、高速段成立時に常時係合される第2係合要素と、前記第1係合要素または前記第2係合要素と共に一つが係合されて前記低速段または高速段の各変速段を成立させる第3および第4係合要素を含み、ソレノイド弁への印加に基づき前記第2係合要素用油圧サーボ装置へライン圧の供給を許容するとともに、該ライン圧が、該ソレノイド弁が印加されることにより、前記第2係合要素用油圧サーボ装置と油圧源との連通状態を保持するカットオフ弁と、高速段を成立する指令が送出されている場合に前記故障検出手段が故障を検出すると、前記ソレノイド弁のソレノイドをオン状態にし、該ソレノイド弁が印加されることにより前記第2係合要素用油圧サーボ装置にライン圧の供給を許容する前記カットオフ弁に前記ソレノイド弁から出力油圧を供給し、次に、第1、第3および第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものを順次オフ状態にし、その後に前記ソレノイド弁のソレノイドをオフ状態にすることにより、前記故障検出手段が故障を検出した時点での変速機構の変速段が変わらないように全てのソレノイドを電気信号の供給を遮断するオフ状態にする制御手段と、を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記カットオフ弁は、前記ソレノイド弁または前記第2係合要素用油圧サーボ装置から出力油圧が供給されているときに該第2係合要素用油圧サーボ装置にライン圧の供給を許容するカットオフ弁であり、さらに、前記第3および第4係合要素用油圧サーボ装置の一方の油圧サーボ装置の出力油圧により他方の油圧サーボ装置の出力油圧の発生を遮断するカットオフ弁と、前記第3係合要素用油圧サーボ装置または前記第4係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧および前記第2係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧が供給されると前記第1係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧の発生を遮断するカットオフ弁と、を備えたことである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置において、前記制御手段は、前記ソレノイド弁のソレノイドをオン状態にする前に、エンジンのトルクリミテーション制御を開始することである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載の自動変速機の制御装置において、前記油圧サーボ装置に供給されるライン圧を制御する圧力制御手段の故障を検出したときは、前記トルクリミテーション制御のトルク制限値を前記圧力制御手段の故障を検出していないときより小さくすることである。
【0011】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、車速が制限速度以下になるまで前記第1、第3および第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものを順次オフ状態にする制御を待機することである。
【0014】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、高速段を成立する指令が送出されている場合に、故障検出手段が故障を検出すると、ソレノイド弁を印加し、ソレノイド弁への印加に基づき第2係合要素用油圧サーボ装置へライン圧の供給を許容するカットオフ弁に前記ソレノイド弁から出力油圧を供給し、次に、第1、第3および第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものを順次オフ状態にし、その後に前記ソレノイド弁のソレノイドをオフ状態にするので、故障検出手段が故障を検出した時点での変速機構の変速段が変わらないように、変速機構の係合要素に油圧を給排する複数の油圧サーボ装置のソレノイドを全てオフ状態にすることができ、ソレノイドをオフ状態にする過程でダウンシフトすることを確実に防止することができる。そして、不意に第2係合要素への供給油圧が低下してしまっても、カットオフ弁の切換えを防止できるため、第2係合要素の係合を維持することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、エマージャンシー制御中に第2係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧が不意に低下しても、カットオフ弁により第2係合要素用油圧サーボ装置へのライン圧の供給が確保できる。次に、第1、第3及び第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものが順次オフ状態にされる。第3及び第4係合要素用油圧サーボ装置の一方の油圧サーボ装置のソレノイドがオフされるとき、他方の油圧サーボ装置の出力油圧により一方の油圧サーボ装置の出力油圧の発生はカットオフ弁により前もって遮断されている。第1係合要素用油圧サーボ装置のソレノイドがオフされるとき、第1係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧の発生はカットオフ弁により前もって遮断されている。その後に、ソレノイド弁のソレノイドがオフ状態にされる。これにより、故障検出手段が故障を検出した時点での変速機構の変速段を変えることなく確実に維持して、全てのソレノイドがオフ状態にされる。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、エンジンのトルクリミテーション制御を開始してからソレノイドを所定の順番でオフ状態にするので、ソレノイドのオフ状態への切換えの途中でニュートラル状態となってもエンジンが過回転することを防止できる。また、ソレノイドのオフ状態への切換えの途中で過大なトルクが減速機構に伝達することを防止することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、油圧サーボ装置に供給されるライン圧を制御する圧力制御弁が故障した場合、エンジンのトルクリミテーション制御のトルク制限値を圧力制御弁が故障していないときより小さくするので、ライン圧が低下していても係合要素がスリップすることを防止できる。
【0019】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、車速が制限速度以下になるまでソレノイドをオフ状態に切換えないので、万一ダウンシフトしても大きなショックを防止できる。
【0022】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明に係る自動変速機の制御装置により制御される自動変速機10の一例を示すスケルトン図で、自動変速機10は、図略のエンジンが回転連結された流体伝動装置としてのトルクコンバータ11及びトルクコンバータ11から入力軸20に入力された入力回転を変速して出力軸21に出力する前進6速、後進1速の変速機構12から構成されている。トルクコンバータ11は、ポンプインペラ13、タービンランナ14、ステータ15、ステータ15を変速機構12のケース16に一方向の回転のみ許容して支承するワンウェイクラッチ17、ワンウェイクラッチ17のインナレースをケース16に固定するステータシャフト18を備えている。19はポンプインペラ13とタービンランナ14とを直結するロックアップクラッチである。
【0023】
変速機構12の減速プラネタリギヤG1は、シングルピニオン型で、第1リングギヤR1が入力軸20に連結され、第1サンギヤS1がケース16に固定されて反力を受け、第1キャリヤC1に支承されたピニオンが第1リングギヤR1と第1サンギヤS1とに噛合されている。変速機構12の主要部である変速プラネタリギヤGは、ダブルピニオン型で、大径の第2サンギヤS2、小径の第3サンギヤS3、第2サンギヤS2に直接噛合するとともに第3サンギヤS3にピニオンP3を介して噛合するロングピニオンP2、ロングピニオンP2及びピニオンP3を支持する第2キャリヤC2(C3)及びロングピニオンP2と噛合し出力軸21に連結された第2リングギヤR2(R3)から構成されている。
【0024】
減速プラネタリギヤG1の第1キャリヤC1が第1クラッチC-1を介して変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に連結されるとともに、第3クラッチC-3を介して第2サンギヤS2に連結されている。変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2は第1ブレーキB-1に連結され、第2キャリヤC2(C3)は第2クラッチC-2を介して入力軸20に連結されるとともに、ケース16に支持されたワンウェイクラッチF-1及び第2ブレーキB-2に並列に連結されている。第1ブレーキB-1は、第2サンギヤS2の回転を選択的に規制する第1回転規制手段を構成し、ワンウェイクラッチF-1及び第2ブレーキB-2は、第2キャリヤC2(C3)の回転を選択的に規制する第2回転規制手段を構成する。
【0025】
自動変速機10の各クラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係合、解放と各変速段との関係は図2の係合表に示すようになる。係合表における○印は係合、無印は解放、△印はエンジンブレーキ時のみの係合を示す。図3は各クラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの係合により成立される変速段と、そのときのプラネタリギヤG,G1の各要素の回転数比との関係を示す速度線図である。
【0026】
図2,3から明らかなように、第1速段(1st)は、第1クラッチC-1の係合とワンウェイクラッチF-1の自動係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチF-1によって逆転を阻止された第2キャリヤC2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が最大ギヤ比で減速回転されて出力軸21に出力する。
【0027】
第2速段(2nd)は、第1クラッチC-1と第1ブレーキB-1の係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1経由で変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、第1ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が第2速段に減速回転されて出力軸21に出力する。このときのギヤ比は、図3に示すように、第1速段(1st)より小さくなる。
【0028】
第3速段(3rd)は、第1及び第3クラッチC-1,C-3の係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1及び第3クラッチC-1,C-3により第3及び第2サンギヤS3,S2に同時に入力されて変速プラネタリギヤGが直結状態となり、第2リングギヤR2(R3)が第1キャリヤC1と同一回転数で回転されて出力軸21に出力する。
【0029】
第4速段(4th)は、第1及び第2クラッチC-1,C-2の係合によって達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1により変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に入力され、第2リングギヤR2(R3)が入力軸20と第1キャリヤC1との中間の回転数に減速されて出力軸21に出力する。
【0030】
第5速段(5th)は、第2及び第3クラッチC-2,C-3の係合により達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、入力軸20の回転が減速プラネタリギヤG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3により変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2リングギヤR2(R3)が第5速段に増速回転されて出力軸21に出力する。
【0031】
第6速段(6th)は、第2クラッチC-2と第1ブレーキB-1との係合により達成される。入力軸20の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤGの第2キャリヤC2(C3)に直接入力され、第1ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された第2サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が第6速段に増速回転されて出力軸21に出力する。
【0032】
後進段(R)は、第3クラッチC-3と第2ブレーキB-2との係合によって達成される。入力軸20の回転が減速プラネタリG1によって減速された第1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3経由で変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2に入力され、第2ブレーキB-2の係合によって回転を阻止された第2キャリヤC2(C3)が反力を受け、第2リングギヤR2(R3)が逆転されて出力軸21に出力する。
【0033】
上記自動変速機10においては、第1乃至第3クラッチC-1〜C-3及び第1ブレーキB-1が係合要素である。第1クラッチC-1が、変速機構12の後述する高速段の成立時に常時係合される第2係合要素を係合しない低速段である第1〜第3速段の成立時に常時係合される第1係合要素であり、第2クラッチC-2が、高速段である第4〜第6速段の成立時に常時係合される第2係合要素である。第5速段が、第2係合要素である第2クラッチC-2が係合され、第1係合要素である第1クラッチC-1が解放された変速段の中、すなわち、低速段で常時係合する第1係合要素を係合しない変速段の中、ギヤ比が最も大きい変速段である。ここで係合要素とは前進時の走行レンジD又は後進時の走行レンジRが選択されたときに係合されるクラッチ又はブレーキを含む概念である。また、走行レンジが選択された状態でブレーキの制動力によって車両が第1速段状態で停止し、ニュートラル制御されて第1クラッチC-1が解放された状態になると第1速段から第2速段が選択されるため発進時にブレーキが離された場合、登り坂で車両に後退方向の力が作用しても第1ブレーキB-1が出力軸21の逆転を阻止するので、車両は後退することがなく、第1クラッチC-1が係合し始めて駆動力を伝達すると第1速段に切換えられて車両は円滑に発進する。なお、エンジンブレーキが必要な時には第2ブレーキB-2が係合され、第2キャリヤC2(C3)が正回転を阻止されて、出力軸21からの回転が第3サンギヤS3、第1クラッチC-1、減速プラネタリG1、トルクコンバータ11を経由してエンジンに伝達され、エンジンブレーキがかかる。
【0034】
次に、第1クラッチC-1の油圧駆動部に給排される出力油圧を送出する油圧サーボ装置26を図4に基づいて説明する。25は運転者がシフトレバーを操作してニュートラルN、前進走行レンジD、後進走行レンジRに手動で切換えるマニュアルバルブで、ポートPLにオイルポンプから油圧が圧力制御弁47によって所定圧に制御されたライン圧が供給されている。マニュアルバルブ25が走行レンジにシフトされたときポートPLと連通されるポートDには、第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給される出力油圧を出力する油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30が夫々接続されている。31はオイルポンプPからのライン圧が減圧弁を介して供給されるソレノイドモジュレータバルブで、所定圧に制御した出力油圧を油圧サーボ装置26のリニアソレノイド調圧弁32の入力ポート33及び切換弁29のポート34に供給する。
【0035】
リニアソレノイド調圧弁32は、リニアソレノイドSLC-1が後述する制御装置から供給される制御信号である制御電流に応じて作動して弁体36を圧縮バネ37のバネ力とバランスする位置まで移動し、入力ポート33から流入する所定圧に制御された油圧を絞って制御装置からの制御電流の増大につれて減少する制御油圧を出力ポート38に生成する。リニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38は、増幅弁27の制御ポート39に接続されるとともに、切換弁29の切替ポート40に接続されている。増幅弁27は、弁体49が制御ポート39から供給されて弁体40の大径端面に作用するリニアソレノイド調圧弁32の制御油圧による軸力が弁体49の小径端面に作用する圧縮バネ41のバネ力とフィードバック油圧による軸力とが釣り合う位置に移動され、入力ポート28に供給されたライン圧を制御電流の増大につれて減少するリニアソレノイド調圧弁32の制御油圧に応じた出力油圧Pcを出力し、出力ポート42から切換弁29の入力ポート43に供給する。
【0036】
切換弁29は、弁体45が図示右半分位置にシフトされると、入力ポート43を出力ポート44に連通し、増幅弁27からの出力油圧Pcを第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給し、弁体45が図示左半分位置にシフトされると、ライン圧ポート30を出力ポート44に連通し、マニュアルバルブ25のポートDからのライン圧を第1クラッチC-1の油圧駆動部に供給し、第1クラッチC-1をライン圧によって係合状態に維持する。前進6段の各変速段を成立するために係脱される第1乃至第3クラッチC-1〜C-3及び第1ブレーキB-1の各油圧駆動部に油圧を給排する油圧サーボ装置26の中、第1クラッチC-1以外の係合要素用の油圧サーボ装置26も第1クラッチC-1用のものと同様の構成であるので、図5に示すこれら係合要素を係脱する油圧回路においては、各係合要素に油圧を給排する油圧サーボ装置26、増幅弁27、切換弁29及びリニアソレノイド調圧弁32に同一参照番号を付して表示し、リニアソレノイドについては、SLの後に各係合要素を示す参照符号を付加してSLC-1,SLC-2,SLC-3,SLB-1と表示する。
【0037】
図5に示すように、オイルポンプPからの油圧が圧力制御弁47によって所定圧に制御されたライン圧が供給されるマニュアルバルブ25のポートDは、カットオフ弁50を介して第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。カットオフ弁50の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及び第3クラッチC-3又は第1ブレーキB-1に供給される油圧が供給され、第2クラッチC-2に供給される油圧が高く、且つ第3クラッチC-3又は第1ブレーキB-1に供給される油圧が高いとき、ポートDから第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26への油圧の供給を遮断する。マニュアルバルブ25のポートDは、カットオフ弁51を介して第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。カットオフ弁51の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及びソレノイド弁48の出力油圧が供給され、第2クラッチC-2に供給される油圧が高いとき、又はソレノイド弁48の出力油圧が高いとき、ポートDから第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給を許容する。
【0038】
第3クラッチC-3及び第1ブレーキB-1用のサーボ装置26の切換弁29は、リニアソレノイド調圧弁32のソレノイドSLC-3又はSLB-1が付勢されて出力ポート38からポート40に供給される圧力が低くなると連通される弁52,53が付加されている。圧力制御弁47からライン圧を供給されるカットオフ弁54は弁52,53に並列に接続され、弁53は第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続され、弁52は第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26の増幅弁27の入力ポート28及び切換弁29のライン圧ポート30に並列に接続されている。55はソレノイドSLC-3を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第3クラッチC-3用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40との間に接続されたカットオフ弁で、カットオフ弁55の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及び第1ブレーキB-1に供給される油圧が供給され、第2クラッチC-2及び第1ブレーキB-1に供給される油圧が高いとき、出力ポート38から制御ポート39及び切換ポート40への油圧の供給を遮断する。56はソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第1ブレーキB-1用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40との間に接続されたカットオフ弁で、カットオフ弁56の制御ポートには、カットオフ弁55の出力側が接続され、カットオフ弁55の出力側の油圧が高いとき、出力ポート38から制御ポート39及び切換ポート40への油圧の供給を遮断する。なお、57は第3クラッチC-3及び第1ブレーキB-1の油圧を、お互いを連通することなくカットオフ弁50の制御ポートに伝達するバルブである。
【0039】
第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置は、油圧制御弁591、切換弁59、カットオフ弁58を介してマニュアルバルブ25のポートDに連通されている。
【0040】
カットオフ弁58の制御ポートには、第2クラッチC-2に供給される油圧及び第3クラッチC-3又は第1ブレーキB-1に供給される油圧が供給され、第2クラッチC-2に供給される油圧、第3クラッチC-3、又は第1ブレーキB-1に供給される油圧のいずれかの油圧が高いとき、ポートDから第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置への油圧の供給を遮断する。
【0041】
切換弁59は、制御ポートにソレノイドSL2が付勢されて出力される信号圧が供給され、カットオフ弁58を介して連通しているマニュアルバルブ25のポートDまたはマニュアルバルブ25のポートRから第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置への油圧の供給を切換えている。
【0042】
また油圧制御弁591の制御ポートには、ソレノイドSLTから供給される信号圧及び後退レンジにシフトしたときにポートPLと連通するマニュアルバルブ25のポートRから供給される油圧が供給され、前進レンジ選択時にはソレノイドSLTで第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置へ供給する油圧を調圧し、後進レンジ選択時には、マニュアルバルブ25のポートRから油圧が制御ポートに供給されることによって、油圧制御弁591を油圧供給状態に保持すると共に、ソレノイドSL2から信号圧を切換弁59に供給することによってマニャルバルブ25のポートRを第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置に連通している。
【0043】
自動変速機の制御装置を図6に示すブロック図に基づいて説明する。CPUを内蔵した制御装置60は、エンジンの回転が伝達されるトルクコンバータ11のエンジン側回転数Neを検出するエンジン側回転数センサ61、入力軸20の回転数Niを検出する入力軸回転数センサ62、出力軸21の回転数Nvを検出する出力軸回転数センサ63、マニュアルバルブ25が走行レンジDにシフトされているか否かを示す信号Drを送出するレンジ位置センサ64、アクセルの踏み込み量Ssを検出するスロットル開度センサ65等から各検出信号が入力され、これら検出信号に基づいて制御信号である制御電流を各油圧サーボ装置26のリニアソレノイド調圧弁32に出力するとともに、図7に示す制御プログラム70を実行してエマージェンシー制御を行なうようになっている。制御装置60には、故障を検出し、故障検出信号を送出する故障検出手段67として公知の故障検出プログラムが登録されている。故障検出プログラムとしては、油圧サーボ装置26、圧力制御弁47のソレノイドSLC-1〜SLC-3、SLB-1、SLT等の断線、短絡、変速機構12がニュートラル状態になり動力伝達ができなくなるニュートラル故障、第1クラッチC-1が係合不能となる故障などを検出するプログラム等がある。
【0044】
次に、本発明に係る自動変速機の制御装置の実施形態の作動を説明する。故障検出手段67により故障が検出されると、制御プログラム70は故障検出時の変速段を判定し、各変速段に応じてソレノイドへの電気信号の供給を遮断するオフ状態にすることによって少なくとも1つの変速段を達成可能なフェールセーフ手段としてのエマージェンシー制御を行う。エマージェンシー制御が開始されると、圧力制御弁47で制御されたライン圧によって各係合要素が保持可能なトルク以上のトルクをエンジンから出力されないようにエンジントルクリミテーション制御▲1▼を開始する(ステップ701)。また、圧力制御弁47や圧力制御弁47を制御するソレノイドSLTに故障が検出された場合は、エンジンのトルクリミテーション制御▲1▼のトルク制限値を故障が検出されていない場合と比較して小さくして、係合要素がスリップすることを防止するようにするとよい。変速段がニュートラル又はパーキングである場合(ステップ71)、エマージェンシーNP制御が行なわれる(ステップ72)。ニュートラル(N)又はパーキング(P)の場合、マニュアルバルブ25はNP位置にシフトされてポートDから第1、第2クラッチC-1,C-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給がなく、且つ第3クラッチC-3と第1ブレーキB-1は回路上同時に係合しない構成であり、N,P以外の変速段が成立することはないので、エマージェンシーNP制御では、全係合要素の油圧サーボ装置のソレノイドの電源が同時に切られ、圧力制御装置47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を高くしている。
【0045】
故障検出時に後進段(R)である場合(ステップ73)、エマージェンシーRev制御が実行される(ステップ74)。正常時の後進段(R)では、R位置にシフトされているマニュアルバルブ25のポートDから第1、第2クラッチC-1,C-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給はなく、ソレノイドSLC-1,SLC-2がオフしても第1、第2クラッチC-1,C-2は解放している。ライン圧がカットオフ弁54を介して供給される第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26のソレノイドSLC-3,SLB-1が夫々オフ、オンして、第3クラッチC-3が係合し、第1ブレーキB-1が解放している。R位置にシフトされたマニュアルバルブ25のポートRから供給される油圧をソレノイドSL2をオフすることにより切換弁59を切換え、さらに油圧制御弁591の制御ポートにポートRからの油圧を作用させることで第2ブレーキB-2用の油圧サーボ装置へ油圧を供給することにより第2ブレーキB-2を係合して後進段(R)を成立している。後進段は1段しかなくダウンシフトによる大きなショックの発生もないので、エマージェンシーR制御では、ソレノイドのオン・オフ状態は変更せず、ソレノイドSLB-1のみオン状態を継続し、圧力制御装置47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を高くしている。
【0046】
故障検出時に第6速段である場合、エマージェンシー6th制御が実行され、第5速段である場合、エマージェンシー5th制御が実行され、第4速段である場合、エマージェンシー4th制御が実行される(ステップ75〜80)。はじめに、第4速段である場合について詳細に説明する。第4速段における正常時の各ソレノイドのオン・オフ指令は、図8の表の変速段が4thの「故障検出時状態」の行に示す通りである。図8において、○印はその列の最上行に記載されたソレノイドをオン状態にすること、×印はオフ状態にすることを示す。
【0047】
故障検出時に制御装置60は各油圧サーボ装置26のソレノイドに正常時のオン・オフ指令を送出しており、油圧回路の状態は、図9に示すようにカットオフ弁50の一方の制御ポートにはクラッチC-2に供給される高い油圧が供給され、第1ブレーキB-1が接続された他方の制御ポートには油圧が供給されないので、マニュアルバルブ25のポートDからの油圧はカットオフ弁50を通って第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26に供給され、ソレノイドSLC-1はオフ状態で第1クラッチC-1は係合される。ソレノイド弁48が一旦オンされて油圧がカットオフ弁51の制御ポートに供給され、ポートDからの油圧がカットオフ弁51を通って第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26に供給され、ソレノイドSLC-2がオフされて第2クラッチC-2が係合される。なお、ソレノイド弁48のオンにより油圧が一方の制御ポートに供給されてカットオフ弁51がポートD側と油圧サーボ装置26とを連通し、ソレノイドSLC-2のオフにより油圧が第2クラッチC-2に供給されると、その油圧がカットオフ弁51の他方の制御ポートに供給されてカットオフ弁51はその状態に自己保持される。その後ソレノイド弁48はオフ状態にされている。
【0048】
ライン圧が供給されるカットオフ弁54は、両方の制御ポートに第1、第2クラッチC-1,C-2に供給される油圧が供給され、第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26へのライン圧の供給を遮断する。カットオフ弁55の一方の制御ポートには第2クラッチC-2に供給される油圧が供給され、第1ブレーキB-1の油圧駆動部に接続された他方の制御ポートに油圧の供給がないので、カットオフ弁55はソレノイドSLC-3を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第3クラッチC-3用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40とを連通する。ソレノイドSLC-3はオン状態にされ、リニアソレノイド調圧弁32の制御油圧はゼロとなり、切換弁29は弁52を開いてカットオフ弁54と第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26とを連通する。カットオフ弁56は制御ポートに油圧が供給されないので、ソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32の出力ポート38と第1ブレーキB-1用の増幅弁27の制御ポート39及び切換弁29の切換ポート40とを連通する。ソレノイドSLB-1はオンされ、リニアソレノイド調圧弁32から制御油圧が生じないので、切換弁29は弁53を開いてカットオフ弁54と第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26とを連通する。ところが、ライン圧はカットオフ弁54によって遮断され油圧サーボ装置26に供給されないので、第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1は係合されない。
【0049】
この状態で、制御装置60は、図8の表の変速段が4thの欄の「ソレノイド状態1」から「全ソレノイド切」の行までに記載された各ステップを一定時間間隔で実行し、エマージェンシー4th制御を行なう。「ソレノイド状態1」のステップでは、圧力制御弁47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を中圧に高め、ソレノイド弁48のソレノイドSL1をオン状態にし、カットオフ弁51がマニュアルバルブ25のポートD側と第2クラッチC-2の油圧サーボ装置26とを連通させる。これは、ソレノイドのオン・オフ状態の切換え時に、不意に第2クラッチC-2の油圧サーボ装置26の油圧が低下してしまっても、カットオフ弁51の切換えを防止し、マニュアルバルブ25のポートD側と第2クラッチC-2の油圧サーボ装置26との連通を保持させるもので、最後の「全ソレノイド切」のステップまでソレノイドSL1のオン状態を保持する。さらに、変速機構12の係合要素を係脱する油圧サーボ装置26の各ソレノイドのオン・オフ状態を「ソレノイド状態1」の行に記載のようにする。カットオフ弁51は制御ポートにソレノイド弁48から油圧を供給されることによって現在位置に確実に保持される。基本的にダウンシフトは発生しない構造になっているが、何らかの理由でダウンシフトしても、高車速で大きなショックが発生しないように、「車速低下」のステップで車速が制限速度より高い場合は、低くなるまで待機する。次に、「エンジントルク制限」のステップで、ソレノイド状態の切換えによりエンジン回転数が上昇しないように、エンジン回転数をさらに下げることを目的としたエンジンのトルクリミテーション制御▲2▼が開始される。このエンジントルク制限▲2▼は、上記トルクリミテーション制御▲1▼で制限しているトルクよりされにエンジントルクが小さくなるように設定され、例えばエンジンの出力トルクが最小となるように設定すればよい。「ソレノイド状態2」のステップでは、ソレノイドSLC-3がオフされ、リニアソレノイド調圧弁32は制御油圧を生成しカットオフ弁55を介して第3クラッチC-3用の増幅弁27、切換弁29に供給する。切換弁29は弁52を閉じてカットオフ弁54と第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26との間を遮断する。カットオフ弁56は制御ポートにカットオフ弁55から制御油圧が供給され、ソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32と第1ブレーキB-1用の増幅弁27及び切換弁29のとを遮断する位置に確実に切換えられる。「全ソレノイド切」のステップで、ソレノイドSLB-1及びソレノイドSL1がオフ状態にされる。
【0050】
このように、第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1を係脱する油圧サーボ装置26のソレノイドSLC-3,SLB-1を一定時間毎に一個づつ所定の順番でオフすることにより、カットオフ弁を順番に確実に切換え位置にシフトし、第4速段の成立を維持して全ての油圧サーボ装置26のソレノイドを確実にオフ状態にして変速制御が行なえないようにし、油圧サーボ装置26に油圧を供給するライン圧を高くし、ギヤ比の小さい変速段から大きい変速段にダウンシフトし、大きなショックが発生しないようにしている。そして、第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1を係脱する油圧サーボ装置26のソレノイドSLC-3,SLB-1をオフ状態に切換えるとき、ソレノイドSLC-3,SLB-1を含む油圧サーボ装置26への油圧の供給は前もって遮断されているので、ソレノイドSLC-3,SLB-1のオフ状態への切換えによってダウンシフトすることは確実に防止される。
【0051】
以上の説明では第4速段である場合で説明したが、故障検出時に第5速、第6速段の場合も、第4速段の場合とほぼ同様であるため、相違点のみ説明する。図8に示す通り第5速、第6速段の場合は、第4速段の場合に対して、ソレノイド状態1の切換え前にエンジントルクリミテーション制御▲2▼を開始し、ソレテノイド状態1への切換えを開始した時点で、エンジントルクリミテーション制御▲2▼を完了する点が相違している。これは、第4速段のソレノイド状態2への切換え前にエンジントルクリミテーションを開始するのと同様に、ソレノイドの状態を故障検出時状態からソレノイド状態1に切換える際に自動変速機の変速段がニュートラルとなりエンジン回転数が上昇してしまったり、変速段が変わってしまったりした際の変速ショックを防止するためである。
【0052】
第4速段の場合にソレノイド状態1の切換え前にエンジントルクリミテーション制御▲2▼を行わないのは、ソレノイドSL1をオンに変更、及びソレノイドSLUをオフに変更しても、第4速段をそのまま保持できるため、エンジン回転数を下げるためのエンジントルクリミテーション制御▲2▼は必要ないためである。
【0053】
次に、第1クラッチC-1が係合不能になっているか否か判定され(ステップ81)、第1クラッチC-1が係合不能になっていない場合(ステップ81)、エマージェンシー123制御が実行される(ステップ82)。エマージェンシー123制御を故障検出時に第1速段である場合について詳細に説明する。第1速段における正常時の各ソレノイドのオン・オフ指令は、図10の表の変速段が1stの「故障検出時状態」の行に示す通りである。故障検出時に制御装置60は各油圧サーボ装置26のソレノイドに正常時のオン・オフ指令を送出しており、油圧回路の状態は、図11に示すように、第2及び第3クラッチC-2,C-3の油圧駆動部に油圧が供給されていないので、カットオフ弁50の両方の制御ポートに油圧が供給されず、マニュアルバルブ25のポートDから供給される油圧がカットオフ弁50を通って第1クラッチC-1用の油圧サーボ装置26に供給され、ソレノイドSLC-1はオフ状態であるので第1クラッチC-1は係合されている。ソレノイド弁48はオフ状態であり、第2クラッチC-2の油圧駆動部に油圧は供給されていないので、カットオフ弁51の両方の制御ポートに油圧が供給されず、カットオフ弁51はポートDから第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給を遮断し、ソレノイドCLC-2はオン状態で第2クラッチC-2は解放されている。
【0054】
カットオフ弁54の一方の制御ポートに第1クラッチC-1に供給される油圧が供給されるが、第2クラッチC-2に接続された他方の制御ポートに油圧が供給されないので、カットオフ弁54はライン圧を第3クラッチC-3及び第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26の切換弁29の弁52,53に供給する。第2クラッチC-2、第1ブレーキB-1の油圧駆動部に夫々接続されたカットオフ弁55の制御ポートに油圧の供給がないので、カットオフ弁55はソレノイドSLC-3を有するリニアソレノイド調圧弁32を第3クラッチC-3用の増幅弁27及び切換弁29に連通する。ソレノイドSLC-3はオンされ、リニアソレノイド調圧弁32の制御油圧はゼロとなり、切換弁29は弁52を開いてライン圧を第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26に供給する。カットオフ弁56は制御ポートに油圧が供給されないので、ソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32を第1ブレーキB-1用の増幅弁27及び切換弁29に連通する。ソレノイドSLB-1はオンされ、リニアソレノイド調圧弁32は制御油圧を生成しないので、切換弁29は弁53を開いてライン圧を第3クラッチC-3用の油圧サーボ装置26に供給する。ところが、ソレノイドSLC-3,SLB-1がオン状態であるので、油圧駆動部に油圧が供給されず第3クラッチC-3、第1ブレーキB-1は係合されない。
【0055】
この状態で、制御装置60は、図10の表の変速段が1stの欄の「エンジントルク制御▲2▼」から「全ソレノイド切」の行までに記載された各ステップを一定時間間隔で実行し、エマージェンシー123制御を行なう。まず、エンジントルクリミテーション制御▲2▼を行い、車速が制限速度より高い場合は、低くなるまで待機する。これは、次の「ソレノイド状態1」のステップでソレノイド状態の切換えを開始するまで継続される。その後に「ソレノイド状態1」のステップで、ソレノイドSLC-3がオフされ、リニアソレノイド調圧弁32は制御油圧を生成しカットオフ弁55を通して第3クラッチC-3用の増幅弁27、切換弁29に供給し、第3クラッチC-3が係合されて第3速段が成立する。第3速度段が成立するとき、入力軸20の回転数Niが高い場合に大きなショックが発生するので、圧力制御弁47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を減圧し、低圧で第3クラッチC-3を係合してショックを緩和している。第3クラッチC-3用の切換弁29は弁52を閉じて第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26へのライン圧の供給を遮断するので、第1ブレーキB-1は係合されない。カットオフ弁56の制御ポートにカットオフ弁55から制御油圧が供給され、カットオフ弁56はソレノイドSLB-1を有するリニアソレノイド調圧弁32と増幅弁27及び切換弁29とを遮断する位置に確実に切換えられる。「全ソレノイド切」のステップで、ソレノイドSLC-2,SLB-1がオフ状態にされるが、第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26への油圧の供給はカットオフ弁51により前もって遮断され、第1ブレーキB-1用の油圧サーボ装置26への油圧の供給はカットオフ弁56により前もって遮断されているので、第2クラッチC-2、第1ブレーキB-1が誤って係合されることはない。圧力制御弁47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を高圧にし、第1、第3クラッチC-1,C-3を高圧で強力に係合する。
【0056】
第1速段の場合、変速段が変わらないように変速機構12の係合要素に油圧を給排する複数の油圧サーボ装置26のソレノイドを所定の順番でオフ状態に切換えることができないので、第1速段からの増速が少ない第3速段を成立するように、油圧サーボ装置26のソレノイドをオフ状態に切換えている。
【0057】
第1クラッチC-1が係合不能である場合、エマージェンシー123制御を実行すると、「全ソレノイド切」の状態で、第3クラッチC-3のみが係合状態となってニュートラルになるので、エマージェンシー123A制御が実行される(ステップ83)。エマージェンシー123A制御を故障検出時に第1速段である場合について詳細に説明する。制御装置60は、図12の表の変速段が1stの欄の「ソレノイド状態1」から「全ソレノイド切」の行までに記載された各ステップを一定時間間隔で実行し、エマージェンシー123A制御を行なう。第1クラッチC-1が係合不能の場合、最初に「ソレノイド状態1」のステップで、ソレノイドSLC-3がオフされ、リニアソレノイド調圧弁32は制御油圧を生成しカットオフ弁55を通して第3クラッチC-3用の増幅弁27、切換弁29に供給し、第3クラッチC-3が係合される。しかし、第1クラッチC-1は係合不能であるので第3速段は成立せず、ニュートラル状態になる。カットオフ弁55からの油圧がカットオフ弁56の制御ポートに供給され、ソレノイドSLB-1を含むリニアソレノイド調圧弁32を増幅弁27及び切換弁29から遮断する。圧力制御弁47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を減圧し、次に「エンジントルク制限▲2▼」のステップでエンジントルクリミテーション制御▲2▼を行う。これは次の「ソレノイド状態2」のステップでSLC-2をオフすることにより第2クラッチC-2が係合されると、変速段がニュートラルから第5速段となるが、この時エンジン回転数が大きいままだと変速ショックが大きく生じてしまうため、エンジン回転数を減少させるためのものである。次の「ソレノイド状態2」で第2クラッチC-2を係合して第5速段を成立したとき、入力軸20の回転数Niが高い場合に生じるショックを緩和している。ソレノイドSL1がオン状態にされてソレノイド弁48からカットオフ弁51の制御ポートに油圧が供給され、マニュアルバルブ25のポートDからの油圧がカットオフ弁51を通って第2クラッチC-2用の油圧サーボ装置26に供給される。「ソレノイド状態2」のステップで、ソレノイドSLC-2がオフ状態にされ、第2クラッチC-2が係合されて第5速段が成立される。「全ソレノイド切」のステップで、ソレノイドSLB-1がオフ状態にされリニアソレノイド調圧弁32が制御圧を生成するが、カットオフ弁56によって遮断され増幅弁27及び切換弁29に供給されない。ソレノイドSL1がオフ状態にされ、カットオフ弁51の一方の制御ポートに油圧が供給されなくなるが、カットオフ弁51は第2クラッチC-2の油圧駆動部に供給される油圧が他方の制御ポートに供給されて自己保持される。圧力制御弁47のソレノイドSLTへの印加電流を制御してライン圧を高圧にし、第2、第3クラッチC-2,C-3を高圧で強力に係合する。
【0058】
ここでエンジン回転数を下げるエンジントルクリミテーション制御▲2▼は、第5速段が達成される「ソレノイド状態2」の前に実行したが、エマージェンシー123A制御を実行する際には、変速段がニュートラルとなっていることによりエンジン回転数が上昇してしまうのを防止するため、エマージェンシー123A制御を開始する時、又は第1クラッチC-1の係合不能を検出した時点でエンジントルクリミテーション制御▲2▼を実行し、「ソレノイド状態2」への切換えを開始するまで継続することもできる。
【0059】
ロックアップクラッチ19用の油圧サーボ装置のソレノイドSLUは、いずれの速度段のエマージェンシー制御においても、係合要素の油圧サーボ装置26のソレノイドをオフ状態に切換える最初のステップで、オフ状態に切換えられてロックアップクラッチ19が解放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動変速機の制御装置により制御される自動変速機の実施形態のスケルトン図。
【図2】 自動変速機の各変速段におけるクラッチ、ブレーキの係合表。
【図3】 自動変速機の各変速段におけるプラネタリギヤの各要素の回転数比を示す速度線図。
【図4】 第1クラッチC-1を係脱する油圧サーボ装置を示す図。
【図5】 油圧サーボ装置に油圧を給排するための油圧回路図。
【図6】 自動変速機の制御装置を示すブロック図。
【図7】 制御プログラムのフロー図。
【図8】 エマージェンシー制御4th〜5th制御の各ステップを示す図。
【図9】 第4速段が正常に成立している状態の油圧回路図。
【図10】エマージェンシー制御123制御の各ステップを示す図。
【図11】第1速段が正常に成立している状態の油圧回路図。
【図12】エマージェンシー制御123A制御の各ステップを示す図。
【符号の説明】
10・・・自動変速機、11・・・トルクコンバータ(流体伝動装置)、12・・・変速機構、19・・・ロックアップクラッチ、20・・・入力軸、21・・・出力軸、25・・・マニュアルバルブ、26・・・油圧サーボ装置、27・・・増幅弁、29・・・切換弁、32・・・リニアソレノイド調圧弁、SLC-1〜SLC-3,SLB-1,SLT・・・リニアソレノイド、36,49・・・弁体、47・・・圧力制御弁、48・・・ソレノイド弁、51,54〜56・・・カットオフ弁、52,53・・・弁、60・・・制御装置、61・・・エンジン側回転数センサ、62・・・入力軸回転数センサ、63・・・出力軸回転数センサ、64・・・レンジ位置センサ、65・・・スロットル開度センサ、C-1・・・第1クラッチ、C-2・・・第2クラッチ、C-3・・・第3クラッチ、B-1・・・第1ブレーキ、B-2・・・第2ブレーキ、60,64・・・カットオフ弁、67・・・故障検出手段、70・・・制御プログラム。
Claims (5)
- 入力軸の回転を変速して出力軸に出力する変速機構と、該変速機構の各変速段を成立するために係脱される複数の係合要素と、ソレノイドに供給される電気信号に応じた出力油圧を給排して前記係合要素を夫々係脱させる複数の油圧サーボ装置とを備え、前記各係合要素は、各係合要素用油圧サーボ装置のソレノイドがオフされると係合し、オンされると開放し、前記係合要素の少なくとも1つが制御不能となる故障を検出する故障検出手段を備えた自動変速機の制御装置において、
前記複数の係合要素は、前記変速機構の低速段成立時に常時係合される第1係合要素と、高速段成立時に常時係合される第2係合要素と、前記第1係合要素または前記第2係合要素と共に一つが係合されて前記低速段または高速段の各変速段を成立させる第3および第4係合要素を含み、
ソレノイド弁への印加に基づき前記第2係合要素用油圧サーボ装置へライン圧の供給を許容するとともに、該ライン圧が、該ソレノイド弁が印加されることにより、前記第2係合要素用油圧サーボ装置と油圧源との連通状態を保持するカットオフ弁と、
高速段を成立する指令が送出されている場合に前記故障検出手段が故障を検出すると、前記ソレノイド弁のソレノイドをオン状態にし、該ソレノイド弁が印加されることにより前記第2係合要素用油圧サーボ装置にライン圧の供給を許容する前記カットオフ弁に前記ソレノイド弁から出力油圧を供給し、次に、第1、第3および第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものを順次オフ状態にし、その後に前記ソレノイド弁のソレノイドをオフ状態にすることにより、前記故障検出手段が故障を検出した時点での変速機構の変速段が変わらないように全てのソレノイドを電気信号の供給を遮断するオフ状態にする制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記カットオフ弁は、前記ソレノイド弁または前記第2係合要素用油圧サーボ装置から出力油圧が供給されているときに該第2係合要素用油圧サーボ装置にライン圧の供給を許容するカットオフ弁であり、
さらに、前記第3および第4係合要素用油圧サーボ装置の一方の油圧サーボ装置の出力油圧により他方の油圧サーボ装置の出力油圧の発生を遮断するカットオフ弁と、
前記第3係合要素用油圧サーボ装置または前記第4係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧および前記第2係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧が供給されると前記第1係合要素用油圧サーボ装置の出力油圧の発生を遮断するカットオフ弁と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記制御手段は、前記ソレノイド弁のソレノイドをオン状態にする前に、エンジンのトルクリミテーション制御を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記油圧サーボ装置に供給されるライン圧を制御する圧力制御手段の故障を検出したときは、前記トルクリミテーション制御のトルク制限値を前記圧力制御手段の故障を検出していないときより小さくすることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
- 車速が制限速度以下になるまで前記第1、第3および第4係合要素用油圧サーボ装置のうちソレノイドがオン状態にされているものを順次オフ状態にする制御を待機することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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