JP4873866B2 - 液状充填物を瓶またはそのような容器に高温充填する方法とこの方法を実施する充填機 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前提部分に記載した方法と、請求項７の前提部分に記載した充填機に関する。

瓶またはそのような容器への液状充填物の高温充填、すなわち例えば７５°Ｃから約１００°Ｃまでの範囲内の高い温度での充填が知られている。

特に、高品質で長期間貯蔵可能な無菌充填製品を得るための、飲料、例えば果汁の場合の高温充填が知られている。この場合、液状充填物は高温状態で充填要素を経て個々の容器に供給される。

充填物が高温であり、この充填物によって加熱される充填要素が高温であることにより、充填プロセスの普通の経過の場合、容器内に存在し充填物を損傷する細菌が殺されるだけでなく、充填物内および充填要素内の細菌が殺されるかまたは充填物内および充填要素内での細菌の発生が回避される。

しかし、高温充填の際、例えば空の容器の供給時および／または充填された容器の排出時の故障によって、充填プロセスが中断することは避けられない。このような中断の際、遮断された充填要素内に残る充填物と充填要素自体が冷える危険があり、それによって充填物と充填要素内の、充填物を損傷させる細菌をもはや確実に殺菌および／または発生防止することができない。
独国実用新案登録第２０１０５７１６号明細書 国際出願公開第２００４／０５６６９３号パンフレット 独国特許出願公開第４３４４６１４号明細書 米国特許第３４３０６３９号明細書 特開２００４−００１８５０号公報 特開平０４−１０２５８６号公報 特開２００１−１２２３９４号公報

本発明の課題は、この欠点を除去し、充填プロセスの中断の際にも充填要素と充填物が冷えないようにすることである。

この課題は請求項１記載の方法と、請求項７記載の充填機によって解決される。

高温充填の中断の場合、本発明では、充填要素またはその液体通路が閉鎖され、そして充填要素の液体通路が充填物の源と充填物を収容する溜めとの間の機械内部の液体路または充填物路内に配置され、それによって例えば充填機の回転時およびこの場合に行われる、充填要素とその液体弁の制御の際に、高温の充填物が充填要素を通って流れ、従って充填要素の冷却、充填要素内に残る充填物の冷却およびそれに伴う細菌発生に関する欠点等が回避される。

発展形態は従属請求項の対象である。次に、図に示した実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。

図１〜３において、１は、液状の充填物、例えば果汁飲料を、容器または瓶２、例えば合成樹脂瓶またはＰＥＴ瓶に高温充填、すなわち無菌状態で充填するための充填機である。この充填機１は公知のごとく、垂直な機械軸線ＶＡの回りに回転する駆動可能なロータ３の外周に、多数の充填要素４を備えている。この充填要素は軸線ＶＡの周りに等しい角度間隔で分配配置され、それぞれ充填要素ケーシング内に液体通路５を形成している。この液体通路はその上端が管路６を介して、ロータ３上に設けられたタンク（充填物源）７の内室に接続されている。各液体通路５の下端はそれぞれの充填要素４の下面に、充填物を充填要素に設けられた瓶２内に制御して排出するための排出口８を形成している。液体通路５内には公知のごとく、液体弁９が設けられている。この液体弁は、瓶２の容積制御式充填のために、管路６に設けられた流量計１２の信号に依存して、操作要素１０を介して制御装置１１によって制御される。

充填要素４の下方において容器支持体または瓶支持体１３がロータ３に設けられている。この支持体は図示した実施の形態では軸線ＶＡを同心的に取り囲むリングによって形成され、多数の受け部１４を備えている。この受け部には、充填機１の瓶入口で瓶２を半径方向から挿入することができ、充填後瓶出口でこの受け部から瓶を半径方向に取り外すことができる。受け部１４は、その中に配置された各々の瓶２がそこで瓶の口部２．１の少し下方に設けられたフランジ状の瓶部分２．２によって、瓶支持体１３に懸吊実施の形態されるように形成されている。それによって、排出口８の軸線はビン２の軸線と同軸であり、口部２．１は排出口８から離隔され、従って大気圧下での充填の際、充填物によって瓶２から押しのけられる空気は瓶口部２．１から逃げることができる。

タンク７は、液状の充填物を含んでいる。この充填物は充填要素４から瓶２へ、高温充填、ひいては実質的に無菌充填が達成されるほど高温である。充填物は充填機１の外側の貯蔵槽１５から例えば同様に充填機１の外側に設けられたヒータ１６を経てレベル制御されてタンク７に供給され、しかもタンク７内の充填物レベルが設定されたレベルＮに保たれるように供給される。タンク７内で充填物を必要な温度に保つために、例えば付加的な加熱手段がタンク内に設けられている。

無菌充填のためには、特に供給管６と充填要素４内の充填物と、この供給管６および充填要素４自体の少なくとも、充填時に充填物に接触する面が、細菌発生の回避および殺菌のために必要な温度を有することが必要である。これは普通の充填プロセスで保証される。

しかし、充填プロセスが中断されると、付加的な手段なしでは、特に供給管６と充填要素４内の充填物の必要な温度と、特にこの供給管６と充填要素４の必要な温度を維持することは不可能である。すなわち、特に充填物、供給管６および充填要素４が冷えるのを回避することが不可能である。この欠点を除去するために、充填機１は中断の発生時に、普通の充填モードから待機モードまたは中断モードへの切換えを可能にする。この待機モードまたは中断モードでは、例えばロータ３が更に回転する際、高温の充填物が充填要素４を流通し、排出口８から出る充填物が槽（溜め）１５に戻される。

充填機１の作動のこの待機モードまたは中断モードのために、リング状の容器支持体１３に閉鎖要素１７が設けられている。閉鎖要素１７は２つの受け部１４の間に設けられ、各閉鎖要素１７は容器支持体１３の所定の周方向においておよび軸線ＶＡに関連して、受け部１４に対して同じ角度だけずらして設けられている。図示した実施の形態では、閉鎖要素１７はそれぞれ２つの受け部１４の間の中央に配置され、上方が開放したキャップとして形成され、リングシール１８を備えている。このリングシールは特にキャップ状閉鎖要素１７の開口エッジを形成している。各閉鎖要素１７の内室１９は分岐通路２０を介して環状通路２１に接続されている。この環状通路は通路２０と同様にリング状の容器支持体１３内に形成され、軸線ＶＡを同心的に取り囲んでいる。環状通路２１は管路、図示した実施の形態では管路２２を介して、槽１５に接続されている。

ロータ３の下方において軸線ＶＡの方向に設けられた容器支持体１３は、このロータ３上で支承要素２３によって、軸線ＶＡ回りに或る角度だけ往復揺動可能である。この揺動は図示していない駆動装置によって行われ、それによって充填機の充填モードに対応する一方の揺動位置では、その都度１つの受け部１４が上記の方法で各充填要素４の下方に配置され、充填機１の待機モードまたは中断モードに対応する他方の揺動位置では、各充填要素４の下端が閉鎖要素１７によって密封閉鎖され、当該の充填要素４の排出口８が閉鎖要素の内室１９に開口している。これによって、充填の中断中、充填物は管路６と充填要素４を通って排出口８に制御されて排出され、もはや瓶２に排出されず、その都度関連する閉鎖要素１７に内室１９に排出され、そこから通路２０，２１と管路２２を経て槽１５に流れる。充填物は搬送ポンプ１５．１によってこの槽からヒータ１６を経て再びタンク７に戻る。これによって、充填の中断時に、管路６と充填要素４内での充填物の冷却と、管路６と充填要素４自体の冷却が効果的に防止される。

中断モードに対応する容器支持体１３の位置において、関連する閉鎖要素１７によって充填要素４の密封閉鎖を達成するために、各充填要素４はその下面に、環状ビード２４を備えている。この環状ビードは排出口８を離れて取り巻き、排出口８と同軸に配置されている。中断モードの間、関連する閉鎖要素１７のシール１８のリップシールを形成する部分が、この環状ビードに封止接触する。

図４は他の実施の形態として、回転構造の充填機１ａの充填要素４ａを非常に簡略化して示している。この場合、図４に示していない、タンク７を有する、垂直な機械軸線回りに回転駆動可能なロータの外周に、多数の充填要素４ａが設けられている。更に、充填モードに対応する位置と中断モードに対応する位置との間で、ロータと相対的に垂直な機械軸線回りに揺動可能な容器支持体１３がロータに設けられている。

充填要素４ａは充填要素４と異なるように形成されている。すなわち、充填要素４ａの場合、垂直方向に移動可能な弁体を備えた液体弁９の代わりに、個別的に制御可能なダイヤフラム状の液体弁２５，２６が作用的に互いに並列に充填物用液体通路５ａ内に設けられている。充填モード中、両液体弁２５，２６は充填相の開始時に、すなわち各瓶２が充填要素４ａの下方に位置するまで閉じている。それに続く急速充填のために、両液体弁２５，２６は制御されて開放する。各充填相の終わりの減速充填のために、一方の液体弁、すなわち液体弁２６が閉鎖される。すなわち、充填相の終わりに液体弁２５が閉じる前に、液体弁２６が閉鎖される。

図４に示した待機モードまたは中断モードでは、各充填要素４ａは下面が閉鎖要素１７によって閉鎖され、両充填要素２５，２６が開放している。従って、充填要素４ａ内に形成された液体通路５ａの全体が液体弁２５，２６を含めて、高温の充填物を流通させられ、それによって加熱される。

液体弁２５，２６は充填機１ａまたはそのロータの回転位置に依存しておよび充填モード中はその都度流量計１２の測定信号に依存して、制御ユニット１１によって操作される。

図４には更に、例えば電子的にまたは電磁的に操作可能な２個の遮断弁２７，２８が示してある。遮断弁２７は管路２２に設けられ、遮断弁２８は管路２９に設けられている。この管路２９は環状通路２１と弁２７の間で管路２２に接続されている。これらの遮断弁によって、少なくともタンク７、管路６、充填要素４または４ａ、閉鎖要素１７、通路２０，２１およびヒータ１６を含めて、充填機１または１ａのＣＩＰ洗浄が可能である。そのために、弁２７が遮断され、弁２８が開放している状態で、ＣＩＰ洗浄のために使用される液状洗浄媒体、例えば水や洗浄添加物を有する洗浄媒体が、管路２９を経て供給される。弁２７および／または２８を異なるように制御すると、貯蔵槽１５を加えた上記構成要素のＣＩＰ洗浄が可能である。

本発明は実施の形態に限定されない。理解されるよに、本発明の根底をなす発明思想を逸脱することなく、多数の変更および変形が可能である。

充填機の充填モードにおける、容器支持体または瓶支持体と、この支持体に設けられた瓶と共に、液状充填物を高温充填するための回転構造の充填機の充填要素を簡略化して示す図である。 充填機の待機モードまたは中断モードにおける、図１と同様な図である。 充填機の待機モードまたは中断モードにおける、ロータに設けられた充填要素と、垂直な機械軸線をリング状に取り囲む容器支持体または瓶支持体と共に、垂直な機械軸線回りに回転する充填機のロータを概略的に示す図である。 充填機の待機モードまたは中断モードにおける、本発明の他の実施の形態による液状充填物を高温充填するための回転構造の充填機の他の機能要素と共に、充填要素を概略的に示す図である。

符号の説明

１，１ａ 充填機
２ 瓶
３ ロータ
４，４ａ 充填要素
５，５ａ 液体通路
６ 管路
７ タンク
８ 排出口
９ 液体弁
１０ 操作要素
１１ 制御装置
１２ 測定装置
１３ 容器支持体
１４ 受け部
１５ 貯蔵槽
１５．１ 充填物搬送ポンプ
１６ ヒータ
１７ 閉鎖要素
１８ リングシール
１９ 閉鎖要素の内室
２０ 通路
２１ 環状通路
２２ 管路
２３ 支承要素
２４ 環状ビード
２５，２６ 液体弁
２７，２８ 遮断弁
２９ 洗浄液用管路
ＶＡ 垂直な機械軸線
Ｎ レベル

Claims (16)

1. 多数の充填要素（４，４ａ）を備えた充填機（１，１ａ）を使用して、瓶、小さな樽またはそのような容器（２）に容器の口部が開放した状態で充填物を高温充填するための方法であって、充填要素がそれぞれ、垂直な機械軸線（ＶＡ）回りに回転駆動されるロータ（３）に設けられ、容器支持体（１３）に配置された容器（２）に高温充填物を制御して排出するために、排出口（８）に開口し少なくとも１個の液体弁（９，２５，２６）を有する液体通路（５，５ａ）を備えている、前記方法において、充填プロセスの中断の際に、少なくとも充填要素（４，４ａ）内の充填物が冷えないようにするためおよび／または少なくとも充填要素（４，４ａ）が冷えないようにするために、容器支持体（１３）に、充填要素（４，４ａ）の排出口（８）を閉鎖し、かつこの充填要素またはその液体通路（５，５ａ）を含む機械内部の高温充填物用流路を充填物源（７）と充填物を収容する充填物溜め（１５）との間に形成するための手段（１７）が設けられており、この手段（１７）が、通路（２０）を備え、これにより、充填要素が、充填プロセスの中断の際にも更に中断なく高温の充填物によって貫流されることを特徴とする方法。
2. 充填プロセスの中断の際に、少なくとも充填要素（４，４ａ）内の充填物が冷えないようにするためおよび／または少なくとも充填要素（４，４ａ）が冷えないようにするために、充填物が高温状態で充填機内部の流路を含む回路内を搬送されることを特徴とする、請求項１記載の方法。
3. 充填物源として、接続管路（６）を介して充填要素に接続されている充填機（１，１ａ）の充填物タンク（７）が使用されることを特徴とする、請求項１または２記載の方法。
4. 充填物溜めとして、充填物タンクに加えて設けられた貯蔵槽（１５）が使用されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一つに記載の方法。
5. 充填物が充填物溜め（１５）から少なくとも１個のヒータ（１６）を経て充填物源（７）に供給されることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか一つに記載の方法。
6. 充填要素（４，４ａ）を閉鎖するための手段が閉鎖要素（１７）によって形成され、充填要素（４，４ａ）が閉鎖要素（１７）を介して充填物溜めまたはこの充填物溜めに接続された通路（２１）に接続されることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一つに記載の方法。
7. 多数の充填要素（４，４ａ）が垂直な機械軸線（ＶＡ）回りに回転駆動可能なロータ（３）に設けられ、充填要素がそれぞれ少なくとも１つの液体通路（５，５ａ）を備え、この液体通路が高温の液状充填物用の充填物源（７）に接続され、かつ排出口（８）に接続され、充填要素が、充填物をその都度充填すべき容器に制御して排出するために、液体通路（５，５ａ）内に少なくとも１個の液体弁（９，２５，２６）を備えている、液状の充填物を容器支持体（１３）に配置された瓶、小さな樽またはそのような容器（２）に容器の口部が開放した状態で高温充填するための回転構造の充填機において、充填プロセスの中断の際に、少なくとも充填要素（４，４ａ）内の充填物が冷えないようにするためおよび／または少なくとも充填要素（４，４ａ）が冷えないようにするために、容器支持体（１３）に、充填要素（４，４ａ）の排出口（８）を閉鎖し、かつこの充填要素またはその液体通路（５，５ａ）を含む機械内部の高温充填物用流路を充填物源（７）と充填物を収容する充填物溜め（１５）との間に形成するための手段（１７）が設けられており、この手段（１７）が、充填プロセスの中断の際にも高温の充填物による充填要素の更に中断のない貫流を可能にする通路（２０）を備えることを特徴とする充填機。
8. 充填物溜めが付加的な槽（１５）であることを特徴とする、請求項７記載の充填機。
9. 充填物源が、ロータ（３）に設けられたタンク（７）であることを特徴とする、請求項７または８記載の充填機。
10. 充填物溜め（１５）が少なくとも１つのヒータ（１６）を介して充填物用源に接続されていることを特徴とする、請求項７〜９のいずれか一つに記載の充填機。
11. 充填要素（４，４ａ）を閉鎖するための手段が閉鎖要素（１７）によって形成され、各閉鎖要素（１７）が少なくとも１つの充填要素（４，４ａ）に付設され、それによってすべての充填要素（４，４ａ）が同時に閉鎖可能であることを特徴とする、請求項７〜１０のいずれか一つに記載の充填機。
12. 各々の閉鎖要素（１７）がキャップ状に形成され、少なくとも１つの通路（２０，２１）を介して充填物溜め（１５）に接続されていることを特徴とする、請求項１１記載の充填機。
13. 閉鎖要素（１７）が、充填要素（４，４ａ）を閉鎖する位置と充填要素を閉鎖しない位置の間で移動可能であることを特徴とする、請求項７〜１２のいずれか一つに記載の充填機。
14. 閉鎖要素（１７）が共通のリング状の容器支持体（１３）上に形成および／または配置され、この容器支持体がロータ（３）の軸線回りにロータと相対的に揺動可能であることを特徴とする、請求項１３のいずれか一つに記載の充填機。
15. 閉鎖要素（１７）に接続された共通の通路（２１）が容器支持体（１３）に設けられていることを特徴とする、請求項１４記載の充填機。
16. 容器（２）のための保持部または受け部（１４）が容器支持体（１３）に設けられ、各々の受け部（１４）が閉鎖要素（１７）に対して或る角度だけずらして設けられていることを特徴とする、請求項７〜１５のいずれか一つに記載の充填機。

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