JP4873007B2 - コンデンサ - Google Patents

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Description

この発明は、コンデンサに関するもので、特に、外部から印加される直流バイアスによって容量が変えられるコンデンサに関するものである。
可変コンデンサのうち、外部から印加される直流バイアスによって容量が変えられるコンデンサとして、たとえば特公平5−19970号公報(特許文献1)に記載されたものがある。図24および図25を参照して、特許文献1に記載されたコンデンサについて説明する。図24は、コンデンサを、誘電体層の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、図25は、コンデンサを、誘電体層の主面方向に延びる断面をもって示す平面図である。
図24に示すように、コンデンサ1は、複数の誘電体層2をもって構成される積層構造を有する、直方体状のコンデンサ本体3を備えている。コンデンサ本体3は、また、互いに対をなす直流バイアス印加用電極4および5と、互いに対をなす容量取得用電極6および7とを備えている。容量取得用電極6および7は、直流バイアス印加用電極4および5の間に位置している。また、直流バイアス印加用電極4、容量取得用電極6、容量取得用電極7および直流バイアス印加用電極5の各々の間には、誘電体層2が位置されている。
上述した直流バイアス印加用電極4および5ならびに容量取得用電極6および7の各々のパターンが図25によく示されている。図25において、(a)、(b)、(c)および(d)は、積層順序に対応していないが、図25(a)は、直流バイアス印加用電極4が通る断面を示し、図25(b)は、直流バイアス印加用電極5が通る断面を示し、図25(c)は、容量取得用電極6が通る断面を示し、図25(d)は、容量取得用電極7が通る断面を示している。
図25によく示されているように、コンデンサ本体3は、積層方向に延びる4つの側面8〜11を有している。側面8、9、10および11上には、それぞれ、直流バイアス印加用端子導体膜12および13ならびに容量取得用端子導体膜14および15が設けられている。
図25(a)に示すように、直流バイアス印加用電極4は、側面8にまで引き出され、ここで直流バイアス印加用端子導体膜12に電気的に接続される。図25(b)に示すように、直流バイアス印加用電極5は、側面9にまで引き出され、ここで直流バイアス印加用端子導体膜13に電気的に接続される。図25(c)に示すように、容量取得用電極6は、側面10にまで引き出され、ここで容量取得用端子導体膜14に電気的に接続される。図25(d)に示すように、容量取得用電極7は、側面11にまで引き出され、ここで容量取得用端子導体膜15に電気的に接続される。
以上のような構成を有するコンデンサ1において、対をなす容量取得用電極6および7間に形成される静電容量は、容量取得用端子導体膜14および15から取り出される。このとき、直流バイアス印加用端子導体膜12および13を通して、直流バイアス印加用電極4および5間に直流バイアスが印加されると、直流バイアス印加用電極4および5間に位置する誘電体層2の誘電率等の誘電特性が変化する。したがって、上述した容量取得用電極6および7間に位置する誘電体層2の誘電特性が変化することになり、その結果として、容量取得用端子導体膜14および15を通して取り出される静電容量を変化させることができる。
図24に示したコンデンサ1に類似する構成が特公平5−19969号公報(特許文献2)に記載されている。図26は、特許文献2に記載されたコンデンサ1aを示す、図24に対応する図である。図26において、図24に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図26に示したコンデンサ1aでは、直流バイアス印加用電極4および5が、容量取得用電極6および7の間に挟まれるように位置している。その他の構成については、図24に示したコンデンサ1と実質的に同様である。
これらのコンデンサ1および1aには、しかしながら、次のような解決されるべき課題がある。
まず、コンデンサ1および1aでは、容量を可変とするため、コンデンサ本体3に設けられる電極としては、直流バイアス印加用電極4および5ならびに容量取得用電極6および7というように、少なくとも4層の電極が必要であり、また、電極4〜7の各々の間を隔てる誘電体層2については、少なくとも3層必要であり、小型化を図る上で不利となる。
また、図24に示したコンデンサ1においては、誘電特性を変化させたい誘電体層2は単に1層に過ぎないにも関わらず、構造上、3層の誘電体層2に直流バイアスを印加しなければならない。電界強度は電極間距離に反比例するため、上記構造の場合、各誘電体層2の厚みが同じであるとすれば、必要な電界強度を得るためには、1層の場合の3倍の直流電圧を印加する必要があり、駆動電圧が高くなるという弊害がもたらされる。また、直流バイアス印加用電極4および5間に位置する誘電体層2のすべてが静電容量取得に関与するわけではないため、体積容量が低下し、小型でありながら大容量化を実現することが困難である。
他方、図26に示したコンデンサ1aの場合には、容量取得用電極6および7の間に直流バイアス印加用電極4および5が配置されているため、静電容量取得のための誘電体層2の一部には直流バイアスが印加されない。誘電体層2の各々の厚みが同じである場合、直流バイアスが印加される誘電体層の厚みは、静電容量取得に寄与する誘電体層2の合計厚みの1/3になり、容量の変化率については、誘電体層2の材料自体がもつ直流バイアス特性の1/3以下にまで低下するという弊害がもたらされる。また、構造上、容量取得用電極6および7間の距離を短くすることが困難であるため、小型でありながら大容量化を図るには不利である。
特公平5−19970号公報 特公平5−19969号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような課題を解決し得るコンデンサを提供しようとすることである。
この発明は、直流バイアス印加用電極の配置態様に関して、第1、第2および第3の局面に分類される。
第1の局面では、この発明に係るコンデンサは、複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備える。コンデンサ本体は、特定の誘電体層に沿って設けられるアース用電極と、特定の誘電体層を介してアース用電極と対向しかつアース用電極との間で直流バイアスを印加するために用いられる直流バイアス印加用電極と、特定の誘電体層を介してアース用電極と対向することによって静電容量を形成するように設けられる容量取得用電極とを含んでいる。上記アース用電極と直流バイアス印加用電極と容量取得用電極との位置関係に関して、直流バイアス印加用電極が、アース用電極と容量取得用電極との間に位置されても、容量取得用電極が、アース用電極と直流バイアス印加用電極との間に位置されてもよい。
上記コンデンサは、さらに、アース用電極に電気的に接続されるアース用端子導体膜と、直流バイアス印加用電極に電気的に接続される直流バイアス印加用端子導体膜と、容量取得用電極に電気的に接続される第1の容量取得用端子導体膜とを備え、これらアース用端子導体膜、直流バイアス印加用端子導体膜および第1の容量取得用端子導体膜は、コンデンサ本体の外表面上に設けられる。
第1の局面において、この発明に係るコンデンサは、コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつアース用電極に電気的に接続される、第2の容量取得用端子導体膜をさらに備えることが好ましい。この場合、好ましくは、コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、アース用端子導体膜は、第1の側面上に設けられ、直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の側面に対向する第2の側面上に設けられ、第1の容量取得用端子導体膜は、第1および第2の側面に隣接する第3の側面上に設けられ、第2の容量取得用端子導体膜は、第3の側面に対向する第4の側面上に設けられる。
第1の局面に係るコンデンサにおいて、少なくともアース用電極と直流バイアス印加用電極との間に位置する誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。
第1の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体は、複数組のアース用電極、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含んでいてもよい。
第2の局面では、この発明に係るコンデンサは、複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備える。コンデンサ本体は、特定の誘電体層を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極と、第1および第2の容量取得用電極間に位置する誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極とを含んでいる。そして、第1の直流バイアス印加用電極は、第1の容量取得用電極が設けられた誘電体層の主面と同一の主面上に設けられ、第2の直流バイアス印加用電極は、第2の容量取得用電極が設けられた誘電体層の主面と同一の主面上に設けられる。
上記コンデンサは、さらに、第1および第2の直流バイアス印加用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜と、第1および第2の容量取得用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の容量取得用端子導体膜とを備え、これら第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜は、コンデンサ本体の外表面上に設けられる。
第2の局面において、好ましくは、第1の容量取得用電極に対して、第1の直流バイアス印加用電極が位置する側は、第2の容量取得用電極に対して、第2の直流バイアス印加用電極が位置する側とは逆側とされる。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、好ましくは、コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、第1の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の側面上に設けられ、第2の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の側面に対向する第2の側面上に設けられ、第1の容量取得用端子導体膜は、第1および第2の側面に隣接する第3の側面上に設けられ、第2の容量取得用端子導体膜は、第3の側面に対向する第4の側面上に設けられる。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、少なくとも上記容量形成領域を構成する誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体は、複数組の第1の容量取得用電極、第2の容量取得用電極、第1の直流バイアス印加用電極および第2の直流バイアス印加用電極を含んでいてもよい。
第3の局面では、この発明に係るコンデンサは、複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備える。コンデンサ本体は、特定の誘電体層を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極と、第1および第2の容量取得用電極間に位置する誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極とを含んでいる。そして、第1および第2の直流バイアス印加用電極は、第1および第2の容量取得用電極の間に挟まれた同じ誘電体層の同じ主面上に設けられる。
上記コンデンサは、さらに、第1および第2の直流バイアス印加用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜と、第1および第2の容量取得用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の容量取得用端子導体膜とを備え、これら第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜は、コンデンサ本体の外表面上に設けられる。
第3の局面において、誘電体層の主面方向での位置に関して、第1および第2の直流バイアス印加用電極は、容量形成領域に重ならないように設けられても、あるいは、容量形成領域に重なるように設けられてもよい。
また、第3の局面に係るコンデンサにおいて、第1および第2の直流バイアス印加用電極は、ともに、並列した複数の電極指を形成する櫛歯状をなしており、第1の直流バイアス印加用電極に備える各電極指は、第2の直流バイアス印加用電極に備える電極指の各間に入り込むように位置していてもよい。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、好ましくは、コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、第1の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の側面上に設けられ、第2の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の側面に対向する第2の側面上に設けられ、第1の容量取得用端子導体膜は、第1および第2の側面に隣接する第3の側面上に設けられ、第2の容量取得用端子導体膜は、第3の側面に対向する第4の側面上に設けられる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、少なくとも上記容量形成領域を構成する誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体は、複数組の第1の容量取得用電極、第2の容量取得用電極、第1の直流バイアス印加用電極および第2の直流バイアス印加用電極を含んでいてもよい。
この発明の第1の局面に係るコンデンサによれば、アース用電極が、直流バイアス印加用電極と容量取得用電極との双方に共通して対向するように設けられ、それによって、直流バイアス印加用電極と対をなして直流バイアスを印加するための電極として機能するとともに、容量取得用電極と対をなして静電容量を形成するための電極としても機能する。このようにアース用電極に2つの機能を持たせることにより、容量を可変とするために、コンデンサ本体において、アース用電極、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極といった少なくとも3層の電極、ならびに各電極間を隔てる誘電体層として少なくとも2層の誘電体層を必要とするだけである。したがって、コンデンサの小型化を有利に進めることができる。
また、第1の局面では、コンデンサ本体において、直流バイアス印加用電極とアース用電極との間には、容量取得用電極を介在させないので、直流バイアス印加用電極とアース用電極との間隔を容易に小さくすることができる。そして、直流バイアス印加用電極とアース用電極との間隔を小さくすれば、より低い電圧で、誘電体層の誘電特性を変えることができるようになり、その結果、より低い電圧で、コンデンサが与える静電容量を制御することが可能になる。
また、第1の局面では、上述したように、容量を可変とするためにコンデンサ本体において必要とされる電極および誘電体層の数を少なくすることができるため、体積容量が大きくなり、小型でありながら高容量化を図ることが容易になる。
第1の局面において、この発明に係るコンデンサが、アース用電極に電気的に接続される第2の容量取得用端子導体膜をさらに備え、コンデンサ本体が、4つの側面を有する直方体状であり、アース用端子導体膜が第1の側面上に設けられ、直流バイアス印加用端子導体膜が第2の側面上に設けられ、第1の容量取得用端子導体膜が第3の側面上に設けられ、第2の容量取得用端子導体膜が第4の側面上に設けられると、特許文献1および2に記載されたような可変コンデンサと実質的に同様の実装状態を採用することができる。
第1の局面に係るコンデンサにおいて、少なくともアース用電極と直流バイアス印加用電極との間に位置する誘電体層が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができる。
第1の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体が、複数組のアース用電極、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含んでいると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができるばかりでなく、取得静電容量をより大きくすることができる。
次に、この発明の第2の局面に係るコンデンサによれば、静電容量を形成するため、第1および第2の容量取得用電極を必要とし、静電容量を可変とするため、第1および第2の直流バイアス印加用電極を必要とするが、これら第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極の各々の位置に関して、第1の直流バイアス印加用電極は、第1の容量取得用電極が設けられた誘電体層の主面と同一の主面上に設けられ、第2の直流バイアス印加用電極は、第2の容量取得用電極が設けられた誘電体層の主面と同一の主面上に設けられる、といった特徴を有している。したがって、容量を可変とするために必要な最小限の構造は、容量形成領域を与える1層の誘電体層とそれを挟む2層の電極層とで実現されることができるので、前述した特許文献1または2に記載された従来の容量可変コンデンサに比べて、小型化かつ高容量化が可能になる。
また、第2の局面に係るコンデンサによれば、第1および第2の直流バイアス印加用電極の間に接地された電極が存在しない構造になっているため、第1および第2の直流バイアス印加用電極によって誘電体層の容量形成領域に印加される電界がシールドされることがなく、電界強度の低下による容量変化率の低下を抑制することができる。したがって、より低い電圧で、コンデンサが与える静電容量を制御することが可能になる。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、第1の容量取得用電極に対して、第1の直流バイアス印加用電極が位置する側が、第2の容量取得用電極に対して、第2の直流バイアス印加用電極が位置する側とは逆側とされると、誘電体層の容量形成領域において、直流バイアスが誘電体層の厚み方向に対して斜め方向に印加されるようになり、第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極といった4種類の電極をコンパクトに配置することが可能となり、コンデンサの小型化に寄与する。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体が、4つの側面を有する直方体状であり、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜が、それぞれ、第1の側面、第1の側面に対向する第2の側面、第1および第2の側面に隣接する第3の側面ならびに第3の側面に対向する第4の側面上に設けられると、特許文献1および2に記載されたような可変コンデンサと実質的に同様の実装状態を採用することができる。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、少なくとも容量形成領域を構成する誘電体層が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができる。
第2の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体が、複数組の第1の容量取得用電極、第2の容量取得用電極、第1の直流バイアス印加用電極および第2の直流バイアス印加用電極を含んでいると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができるばかりでなく、取得静電容量をより大きくすることができる。
次に、この発明の第3の局面に係るコンデンサによれば、静電容量を形成するため、第1および第2の容量取得用電極を必要とし、静電容量を可変とするため、第1および第2の直流バイアス印加用電極を必要とするが、これら第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極の各々の位置に関して、第1および第2の直流バイアス印加用電極は、第1および第2の容量取得用電極の間に挟まれた同じ誘電体層の同じ主面上に設けられる、といった特徴を有している。したがって、容量を可変とするために必要な最小限の構造は、容量形成領域を与える2層の誘電体層と各々の誘電体層を挟む3層の電極層とで実現されることができるので、前述した特許文献1または2に記載された従来の容量可変コンデンサに比べて、小型化かつ高容量化が可能になる。
また、第3の局面に係るコンデンサによれば、第1および第2の直流バイアス印加用電極の間に接地された電極が存在しない構造になっているため、第1および第2の直流バイアス印加用電極によって誘電体層の容量形成領域に印加される電界がシールドされることがなく、電界強度の低下による容量変化率の低下を抑制することができる。したがって、より低い電圧で、コンデンサが与える静電容量を制御することが可能になる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、第1および第2の直流バイアス印加用電極が、誘電体層の主面方向での位置に関して、上述の容量形成領域に重ならないように設けられていると、第1および第2の容量取得用電極が直流バイアス印加用電極を挟まないようにすることができるので、容量特性を安定なものとすることができる。
他方、第3の局面に係るコンデンサにおいて、第1および第2の直流バイアス印加用電極が、誘電体層の主面方向の位置に関して、容量形成領域に重なるように設けられると、第1および第2の直流バイアス印加用電極間の距離を短くすることができ、その結果、直流バイアスとして比較的低い電圧が印加された場合であっても、容量変化の効果を得ることができる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、第1および第2の直流バイアス印加用電極が、ともに、並列した複数の電極指を形成する櫛歯状をなしており、第1の直流バイアス印加用電極に備える各電極指が、第2の直流バイアス印加用電極に備える電極指の各間に入り込むように位置していると、第1および第2の直流バイアス印加用電極間の距離を短くすることができるとともに、第1および第2の直流バイアス印加用電極の対向面積を大きくすることができ、直流バイアスとして比較的低い電圧が印加されても、容量変化の効果を得ることができる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体が、4つの側面を有する直方体状であり、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜が、それぞれ、第1の側面、第1の側面に対向する第2の側面、第1および第2の側面に隣接する第3の側面ならびに第3の側面に対向する第4の側面上に設けられると、特許文献1および2に記載されたような可変コンデンサと実質的に同様の実装状態を採用することができる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、少なくとも容量形成領域を構成する誘電体層が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができる。
第3の局面に係るコンデンサにおいて、コンデンサ本体が、複数組の第1の容量取得用電極、第2の容量取得用電極、第1の直流バイアス印加用電極および第2の直流バイアス印加用電極を含んでいると、直流バイアスによる静電容量の可変範囲をより広くすることができるばかりでなく、取得静電容量をより大きくすることができる。
この発明の第1の実施形態によるコンデンサ21を説明するためのもので、(a)は、コンデンサ21を、誘電体層22の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、コンデンサ21を、誘電体層22の主面方向に延びる断面をもって示す平面図であり、互いに異なる断面を示している。 図1に示したコンデンサ21に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。 第1の実施形態による効果を確認するために実施した実験例1において求めた、実施例としての試料1および比較例としての試料2の各々についての容量変化率を比較して示す図である。 この発明の第2の実施形態によるコンデンサ41を示す、図1(a)に対応する図である。 この発明の第3の実施形態によるコンデンサ51を示す、図1(a)に対応する図である。 この発明の第1の実施形態に対応する第1の変形例よるコンデンサ21aを説明するためのもので、(a)は、コンデンサ21aを、誘電体層22の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、コンデンサ21aを、誘電体層22の主面方向に延びる断面をもって示す平面図であり、互いに異なる断面を示している。 図6に示したコンデンサ21aに直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。 この発明の第2の実施形態に対応する第2の変形例によるコンデンサ41aを示す、図4に対応する図である。 この発明の第3の実施形態に対応する第3の変形例によるコンデンサ51aを示す、図5に対応する図である。 この発明の第4の実施形態によるコンデンサ121を説明するためのもので、(a)は、コンデンサ121を、誘電体層122の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、コンデンサ121を、誘電体層122の主面方向に延びる断面をもって示す平面図であり、互いに異なる断面を示している。 図10に示したコンデンサ121に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。 この発明の第4の実施形態による効果を確認するために実施した実験例3において求めた、実施例としての試料101および比較例としての試料102の各々についての容量変化率を比較して示す図である。 この発明の第5の実施形態によるコンデンサ141を示す、図10(a)に対応する図である。 この発明の第6の実施形態によるコンデンサ151を示す、図10(a)に対応する図である。 この発明の第7の実施形態によるコンデンサ221を説明するためのもので、(a)は、コンデンサ221を、誘電体層222の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、コンデンサ221を、誘電体層222の主面方向に延びる断面をもって示す平面図であり、互いに異なる断面を示している。 図15に示したコンデンサ221に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。 第7の実施形態による効果を確認するために実施した実験例5において求めた、実施例としての試料201および比較例としての試料202の各々についての容量変化率を比較して示す図である。 この発明の第8の実施形態によるコンデンサ221aを示す、図15(c)に対応する図である。 この発明の第9の実施形態によるコンデンサ221bを示す、図15に対応する図である。 この発明の第10の実施形態によるコンデンサ221cを示すもので、(a)および(b)は、それぞれ、図15(a)および(c)に対応している。 この発明の第11の実施形態によるコンデンサ221dを示す、図15に対応する図である。 この発明の第12の実施形態によるコンデンサ241を示す、図15(a)に対応する図である。 この発明の第13の実施形態によるコンデンサ251を示す、図15(a)に対応する図である。 この発明にとって興味ある従来のコンデンサ1を示す、図1(a)に対応する図である。 図24に示したコンデンサ1を誘電体層2の主面方向に延びる断面をもって示す平面図であり、互いに異なる断面を示している。 この発明にとって興味ある従来の他のコンデンサ1aを示す、図1(a)に対応する図である。
符号の説明
21,41,51,121,141,151,221,221a,221b,221c,221d,241,251 コンデンサ
22,122,222 誘電体層
23,123,223 コンデンサ本体
24 アース用電極
25,127,128,227,228 直流バイアス印加用電極
26,124,125,224,225 容量取得用電極
27,129,229 第1の側面
28,130,230 第2の側面
29,131,231 第3の側面
30,132,232 第4の側面
31 アース用端子導体膜
32,133,134,233,234 直流バイアス印加用端子導体膜
33,135,235 第1の容量取得用端子導体膜
34,136,236 第2の容量取得用端子導体膜
37,137,237 直流バイアス
238,239 電極指
(第1の局面に係る実施の形態)
図1および図2は、この発明の第1の実施形態によるコンデンサ21を説明するためのものである。図1において、(a)は、前述した図24または図26に対応する図であって、コンデンサ21を、誘電体層22の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、前述した図25に対応する図であって、コンデンサ21を、誘電体層22の主面方向に延びる断面をもって示す平面図である。また、図2は、コンデンサ21に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。
図1(a)に示すように、コンデンサ21は、複数の誘電体層22をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体23を備えている。コンデンサ本体23は、特定の誘電体層22に沿って設けられるアース用電極24と、特定の誘電体層22を介してアース用電極24と対向しかつアース用電極24との間で直流バイアスを印加するために用いられる直流バイアス印加用電極25と、直流バイアス印加用電極25をアース用電極24との間に挟むように位置されかつ特定の誘電体層22を介してアース用電極24と対向することによって静電容量を形成するように設けられる容量取得用電極26とを備えている。
コンデンサ本体23は、図1(b)〜(d)によく示されているように、積層方向に延びる4つの側面27〜30を有する直方体状である。第1の側面27上には、アース用端子導体膜31が設けられる。第1の側面27に対向する第2の側面28上には、直流バイアス印加用端子導体膜32が設けられる。第1および第2の側面27および28に隣接する第3の側面29上には、第1の容量取得用端子導体膜33が設けられる。第3の側面29に対向する第4の側面30上には、第2の容量取得用端子導体膜34が設けられる。
図1(b)には、容量取得用電極26が通る断面が示されている。容量取得用電極26は、第3の側面29にまで引き出され、ここで第1の容量取得用端子導体膜33に電気的に接続される。
図1(c)には、直流バイアス印加用電極25が通る断面が示されている。直流バイアス印加用電極25は、第2の側面28にまで引き出され、ここで直流バイアス印加用端子導体膜32に電気的に接続される。
図1(d)には、アース用電極24が通る断面が示されている。アース用電極24は、第1の側面27にまで引き出されるとともに、第4の側面30にまで引き出される。そして、アース用電極24は、第1の側面27上において、アース用端子導体膜31に電気的に接続され、また、第4の側面30上において、第2の容量取得用端子導体膜34に電気的に接続される。
以上のような構成を有するコンデンサ21において、図2によく示されているように、アース用電極24と容量取得用電極26との間に形成される静電容量は、第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34から取り出される。第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34には、所定の回路(図示せず。)が電気的に接続される。このとき、アース用端子導体膜31および直流バイアス印加用端子導体膜32を通して、アース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に直流バイアス37が印加されると、アース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に位置する誘電体層22の誘電率等の誘電特性が変化する。したがって、上述したアース用電極24と容量取得用電極26との間に位置する誘電体層22の一部についての誘電特性が変化することになり、その結果として、第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34を通して取り出される静電容量を変化させることができる。
上述した静電容量の変化幅をより大きくするためには、誘電体層22、特にアース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に位置する誘電体層22が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。このように、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料としては、たとえば、100Ba1.006 (Ti0.97Zr0.03)O3 −2.5GdO3/2 −2.5MgO−0.5MnO−1.0SiO2 がある。
次に、第1の実施形態による効果を確認するために実施した実験例1について説明する。
この実験例1では、この発明の範囲内にある実施例に係る試料1として、図1に示したコンデンサ21と実質的に同様の構造を有するものを作製し、この発明の範囲外の比較例に係る試料2として、前述の図24に示したコンデンサ1と実質的に同様の構造を有するものを作製した。これら試料1および2の各々において、誘電体層を構成する誘電体として、BaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用い、電極間に位置する誘電体層の厚みを2μmとした。また、電極は、ニッケルを主成分とし、厚みを1μmとした。また、コンデンサ本体の外形寸法を3.2mm×1.6mm×0.4mmとした。
以上のような試料1および2の各々に係るコンデンサについて、0〜36Vの範囲内のいくつかの直流バイアスを印加した際の容量変化率を求めた。その結果が図3に示されている。
図3から、静電容量は、試料1では、最大約80%以上減少し、他方、試料2では、最大約25%減少していることがわかる。これは、試料2では、対をなす直流バイアス印加用電極間に3層分の誘電体層が介在するのに対し、試料1では、直流バイアスを印加するための一方の電極および容量を取得するための一方の電極を、アース用電極で共通化し、対をなす直流バイアス印加用電極間に単に1層分の誘電体層しか介在していないためである。その結果、試料1によれば、より低電圧で必要な容量変化率を得ることができる。
なお、上記実験例1では、誘電体層を構成する誘電体として、ある特定のBaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用いたが、このセラミック材料として、誘電特性の直流バイアス依存性のより大きい材料を用いれば、直流バイアスに対する容量変化範囲のより広いコンデンサが得られることが確認されている。
図4および図5は、それぞれ、この発明の第2および第3の実施形態によるコンデンサ41および51を示す、図1(a)に対応する図である。図4および図5において、図1(a)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第2および第3の実施形態によるコンデンサ41および51は、コンデンサ本体23において、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26が形成されていることを特徴としている。
より詳細には、図4に示したコンデンサ41では、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26が、上から、容量取得用電極26、直流バイアス印加用電極25、アース用電極24、容量取得用電極26、…といった順序で複数回繰り返されて配置されている。
図5に示したコンデンサ51では、上から、容量取得用電極26、直流バイアス印加用電極25、アース用電極24、直流バイアス印加用電極25、容量取得用電極26、…といった順序で複数回繰り返されて配置されている。
言い換えると、図4に示したコンデンサ41では、図1(a)に示したコンデンサ21における容量取得用電極26、直流バイアス印加用電極25およびアース用電極24の配置を1組とし、この組が複数回繰り返されている。図5に示したコンデンサ51では、隣り合う組の間でアース用電極24を共用し、直流バイアス印加用電極25については、誘電体層22の2層毎に配置されている。
なお、図4に示したコンデンサ41のコンデンサ本体23および図5に示したコンデンサ51のコンデンサ本体23を比較したとき、厚み方向寸法に関して異なるように図示されているが、これは、図示しようとする電極24〜26の数が異なるという理由からもたらされた結果に過ぎず、図示した厚み方向寸法の差は、特に意味があるものではない。
次に、上記コンデンサ41および51のように、コンデンサ本体23が、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26を備える場合において、この発明に係るコンデンサによれば、より広い容量変化範囲が得られることを確認するために実施した実験例2について説明する。
この実験例2では、表1に示すように、試料11〜13の各々に係るコンデンサを作製したが、各コンデンサにおける誘電体層の材料および厚みならびに電極の材料および厚みについては、前述の実験例1と同様とした。また、試料11〜13の各々に係るコンデンサの外形寸法は、ともに、3.2mm×1.6mm×1.6mmとした。
試料11については、図24に示した電極の配置構造を採用し、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。
試料12については、図26に示した電極の配置構造を採用し、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。
試料13については、図4に示した電極の配置構造を採用し、アース用電極、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含むすべての電極の積層数を501とした。
これら試料11〜13について、直流バイアスを0〜36Vの範囲で変化させたときの容量変化範囲が表1に示されている。
Figure 0004873007
表1からわかるように、この発明の範囲内にある試料13とこの発明の範囲外の試料11および12とを比較したとき、コンデンサの寸法が同じで、電極の積層数が同程度である場合、この発明に係るコンデンサによれば、より大きい容量が得られ、かつ容量の可変幅をより広くできる。
試料11では、容量取得用電極が直流バイアス印加用電極に挟まれる構造であるため、試料12に比べて大きい最大容量を得ることができるものの、容量の可変幅が狭い。
他方、試料12では、直流バイアス印加用電極が容量取得用電極に挟まれる構造であるため、大きな容量を得ることができず、電極の積層数を500としても、最大容量は13.7μFに過ぎない。
これらに対して、試料13では、試料11に比べて、最大容量がより大きく、かつ容量可変幅がより広くなっている。
以上、この発明の第1の局面に係る第1ないし第3の実施形態を、図1ないし図5を参照して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
たとえば、第1ないし第3の実施形態では、アース用電極24に電気的に接続される端子導体膜として、アース用端子導体膜31に加えて、第2の容量取得用端子導体膜34が形成されたが、このような第2の容量取得用端子導体膜は省略されてもよい。この場合、アース用端子導体膜31は、第2の容量取得用端子導体膜34が設けられた位置に設けられても、図示したアース用端子導体膜31が設けられた位置から第2の容量取得用端子導体膜34が設けられた位置にまで一連に延びるように設けられてもよい。
また、第1ないし第3の実施形態では、アース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26が、ともに、コンデンサ本体23の内部に形成されたが、積層方向での最も端に位置する電極、たとえば、図1(a)に示したコンデンサ21にあっては、アース用電極24および/または容量取得用電極26については、コンデンサ本体23の外表面上に形成されてもよい。
次に、この発明の範囲内のものではないが、前述した第1、第2および第3の実施形態の各々の変形例、すなわち第1、第2および第3の変形例について説明する。なお、第1ないし第3の変形例の説明において、第1ないし第3の実施形態の説明において用いた参照符号と同様の参照符号を相当する要素に対して用いることにする。
図6および図7は、前述の第1の実施形態に対応する第1の変形例によるコンデンサ21aを説明するためのものである。図6において、(a)は、前述した図1(a)に対応する図であって、コンデンサ21aを、誘電体層22の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)〜(d)は、前述した図1(b)〜(d)に対応する図であって、コンデンサ21aを、誘電体層22の主面方向に延びる断面をもって示す平面図である。また、図7は、前述した図2に対応する図である。
図6(a)に示すように、コンデンサ21aは、複数の誘電体層22をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体23を備えている。コンデンサ本体23は、特定の誘電体層22に沿って設けられるアース用電極24と、特定の誘電体層22を介してアース用電極24と対向する位置に設けられる直流バイアス印加用電極25と、アース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に位置しかつ特定の誘電体層22を介してアース用電極24と対向することによって静電容量を形成するように設けられる容量取得用電極26とを備えている。
コンデンサ本体23は、図6(b)〜(d)によく示されているように、積層方向に延びる4つの側面27〜30を有する直方体状である。第1の側面27上には、アース用端子導体膜31が設けられる。第1の側面27に対向する第2の側面28上には、直流バイアス印加用端子導体膜32が設けられる。第1および第2の側面27および28に隣接する第3の側面29上には、第1の容量取得用端子導体膜33が設けられる。第3の側面29に対向する第4の側面30上には、第2の容量取得用端子導体膜34が設けられる。
図6(b)には、直流バイアス印加用電極25が通る断面が示されている。直流バイアス印加用電極25は、第2の側面28にまで引き出され、ここで直流バイアス印加用端子導体膜32に電気的に接続される。
図6(c)には、容量取得用電極26が通る断面が示されている。容量取得用電極26は、第3の側面29にまで引き出され、ここで第1の容量取得用端子導体膜33に電気的に接続される。
図6(d)には、アース用電極24が通る断面が示されている。アース用電極24は、第1の側面27にまで引き出されるとともに、第4の側面30にまで引き出される。そして、アース用電極24は、第1の側面27上において、アース用端子導体膜31に電気的に接続され、また、第4の側面30上において、第2の容量取得用端子導体膜34に電気的に接続される。
以上のような構成を有するコンデンサ21aにおいて、図7によく示されているように、アース用電極24と容量取得用電極26との間に形成される静電容量は、第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34から取り出される。第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34には、所定の回路(図示せず。)が電気的に接続される。このとき、アース用端子導体膜31および直流バイアス印加用端子導体膜32を通して、アース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に直流バイアス37が印加されると、アース用電極24と直流バイアス印加用電極25との間に位置する誘電体層22の誘電率等の誘電特性が変化する。したがって、上述したアース用電極24と容量取得用電極26との間に位置する誘電体層22の誘電特性が変化することになり、その結果として、第1および第2の容量取得用端子導体膜33および34を通して取り出される静電容量を変化させることができる。
この変形例においても、上述した静電容量の変化幅をより大きくするためには、誘電体層22、特にアース用電極24と容量取得用電極26との間に位置する誘電体層22が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。
なお、この第1の変形例では、アース用電極24と容量取得用電極26との間に、直流バイアス印加用電極25を挟まないので、前述した第1の実施形態の場合に比べて、容量特性をより安定なものとすることができる。
図8および図9は、それぞれ、前述した第2および第3の実施形態に対応する第2および第3の変形例によるコンデンサ41aおよび51aを示す、図4および図5に対応する図である。
第2および第3の変形例によるコンデンサ41aおよび51aは、第2および第3の実施形態の場合と同様、コンデンサ本体23において、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26が形成されていることを特徴としている。
より詳細には、図8に示したコンデンサ41aでは、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26が、上から、直流バイアス印加用電極25、容量取得用電極26、アース用電極24、直流バイアス印加用電極25、…といった順序で複数回繰り返されて配置されている。
図9に示したコンデンサ51aでは、上から、直流バイアス印加用電極25、容量取得用電極26、アース用電極24、容量取得用電極26、直流バイアス印加用電極25、…といった順序で複数回繰り返されて配置されている。
言い換えると、図8に示したコンデンサ41aでは、図6(a)に示したコンデンサ21aにおける直流バイアス印加用電極25、容量取得用電極26およびアース用電極24の配置を1組とし、この組が複数回繰り返されている。図9に示したコンデンサ51aでは、隣り合う組の間でアース用電極24を共用し、容量取得用電極26については、誘電体層22の2層毎に配置されている。
上記コンデンサ41aおよび51aのように、コンデンサ本体23が、複数組のアース用電極24、直流バイアス印加用電極25および容量取得用電極26を備えていると、より広い容量変化範囲が得られる。
(第2の局面に係る実施の形態)
図10および図11は、この発明の第4の実施形態によるコンデンサ121を説明するためのものである。図10において、(a)は、前述した図24または図26に対応する図であって、コンデンサ121を、誘電体層122の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)および(c)は、前述した図25に対応する図であって、コンデンサ121を、誘電体層122の主面方向に延びる断面をもって示す平面図である。また、図11は、コンデンサ121に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。
図10(a)に示すように、コンデンサ121は、複数の誘電体層122をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体123を備えている。コンデンサ本体123は、特定の誘電体層122を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極124および125と、第1および第2の容量取得用電極124および125間に位置する誘電体層122の容量形成領域126に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極127および128とを備えている。
第1の直流バイアス印加用電極127は、第1の容量取得用電極124が設けられた誘電体層122の主面と同一の主面上に設けられる。他方、第2の直流バイアス印加用電極128は、第2の容量取得用電極125が設けられた誘電体層122の主面と同一の主面上に設けられる。
また、第1の容量取得用電極124に対して、第1の直流バイアス印加用電極127が位置する側は、第2の容量取得用電極125に対して、第2の直流バイアス印加用電極128が位置する側とは逆側とされる。したがって、第1および第2の直流バイアス印加用電極127および128によって印加される直流バイアスは、誘電体層122の厚み方向に対して斜め方向に向くことになる。
コンデンサ本体123は、図10(b)および(c)によく示されているように、積層方向に延びる4つの側面129〜132を有する直方体状である。第1の側面129上には、第1の直流バイアス印加用端子導体膜133が設けられる。第1の側面129に対向する第2の側面130上には、第2の直流バイアス印加用端子導体膜134が設けられる。第1および第2の側面129および130に隣接する第3の側面131上には、第1の容量取得用端子導体膜135が設けられる。第3の側面131に対向する第4の側面132には、第2の容量取得用端子導体膜136が設けられる。
図10(b)には、第1の容量取得用電極124および第1の直流バイアス印加用電極127が通る断面が示されている。第1の容量取得用電極124は、第3の側面131にまで引き出され、ここで、第1の容量取得用端子導体膜135に電気的に接続される。第1の直流バイアス印加用電極127は、第1の側面129にまで引き出され、ここで第1の直流バイアス印加用端子導体膜133に電気的に接続される。
図10(c)には、第2の容量取得用電極125および第2の直流バイアス印加用電極128が通る断面が示されている。第2の容量取得用電極125は、第4の側面132にまで引き出され、ここで、第2の容量取得用端子導体膜136に電気的に接続される。第2の直流バイアス印加用電極128は、第2の側面130にまで引き出され、ここで第2の直流バイアス印加用端子導体膜134に電気的に接続される。
以上のような構成を有するコンデンサ121において、図11によく示されているように、第1および第2の容量取得用電極124および125の間に形成される静電容量は、第1および第2の容量取得用端子導体膜135および136から取り出される。第1および第2の容量取得用端子導体膜135および136には、所定の回路(図示せず。)が電気的に接続される。このとき、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜133および134を通して、第1および第2の直流バイアス印加用電極127および128の間に直流バイアス137が印加されると、第1および第2の容量取得用電極124および125の間に位置する誘電体層122の容量形成領域126(図10(a)参照)の誘電特性が変化することになり、その結果として、第1および第2の容量取得用端子導体膜135および136を通して取り出される静電容量を変化させることができる。
上述した静電容量の変化幅をより大きくするためには、誘電体層122、特に容量形成領域126を構成する、第1および第2の直流バイアス印加用電極127および128の間に位置する誘電体層122が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。このように、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料としては、たとえば、100Ba1.006 (Ti0.97Zr0.03)O3 −2.5GdO3/2 −2.5MgO−0.5MnO−1.0SiO2 がある。
次に、第4の実施形態による効果を確認するために実施した実験例3について説明する。
この実験例3では、この発明の範囲内にある実施例に係る試料101として、図10に示したコンデンサ121と実質的に同様の構造を有するものを作製し、この発明の範囲外の比較例に係る試料102として、前述の図24に示したコンデンサ1と実質的に同様の構造を有するものを作製した。これら試料101および102の各々において、誘電体層を構成する誘電体として、BaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用い、電極間に位置する誘電体層の厚みを2μmとした。また、電極は、ニッケルを主成分とし、厚みを1μmとした。また、コンデンサ本体の外形寸法を3.2mm×1.6mm×0.4mmとした。
以上のような試料101および102の各々に係るコンデンサについて、0〜36Vの範囲内のいくつかの直流バイアスを印加した際の容量変化率を求めた。その結果が図12に示されている。
通常、誘電体に直流バイアスを印加すると、ある印加電圧以上で容量変化率が一定となる性質がある。図12において、試料101の容量変化率については、直流バイアス電圧が12Vの場合までしか図示されていないが、12V以上の直流バイアス電圧では一定となることが確認されている。したがって、図12からわかるように、試料101では、容量変化率が一定になる直流バイアス電圧は、試料102の約1/3となる。これは、試料102では、対をなす直流バイアス印加用電極間に3層分の誘電体層が介在するのに対し、試料101では、直流バイアス印加用電極と容量取得用電極とを同一面上に設けることによって、対をなす直流バイアス印加用電極間に単に1層分の誘電体層が介在するに過ぎず、試料102に比べて電極間隔が1/3に減少し、その結果、より低い電圧で必要な容量変化率を得ることができるようになったためである。
また、試料101では、対をなす直流バイアス印加用電極間に、電界を遮る電極(導体層)が存在しないため、電界強度の低下による容量変化率の低下が抑制され、その結果、大きな容量変化率が得られている。
なお、上記実験例3では、誘電体層を構成する誘電体として、ある特定のBaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用いたが、このセラミック材料として、誘電特性の直流バイアス依存性のより大きい材料を用いれば、直流バイアスに対する容量変化範囲のより広いコンデンサが得られることが確認されている。
図13および図14は、それぞれ、この発明の第5および第6の実施形態によるコンデンサ141および151を示す、図10(a)に対応する図である。図13および図14において、図10(a)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第5および第6の実施形態によるコンデンサ141および151は、コンデンサ本体123において、複数組の第1の容量取得用電極124、第2の容量取得用電極125、第1の直流バイアス印加用電極127および第2の直流バイアス印加用電極128が形成されていることを特徴としている。
より詳細には、図13に示したコンデンサ141では、第1の容量取得用電極124および第1の直流バイアス印加用電極127を形成する誘電体層122と第2の容量取得用電極125および第2の直流バイアス印加用電極128を形成する誘電体層122とが積層方向に関して交互に配置されている。
図14に示したコンデンサ151では、積層方向に関して、上から、第1の容量取得用電極124および第1の直流バイアス印加用電極127を形成する誘電体層122、第2の容量取得用電極125および第2の直流バイアス印加用電極128を形成する誘電体層122、第2の容量取得用電極125および第2の直流バイアス印加用電極128を形成する誘電体層122、第1の容量取得用電極124および第1の直流バイアス印加用電極127を形成する誘電体層122、…という順序で配置されている。
次に、上記コンデンサ141および151のように、コンデンサ本体123が、複数組の第1の容量取得用電極124、第2の容量取得用電極125、第1の直流バイアス印加用電極127および第2の直流バイアス印加用電極128を備える場合において、この発明に係るコンデンサによれば、単位体積あたりの静電容量が大きくなり、より小型化かつ高容量化が可能となり、より低い電圧でより広範囲に静電容量を制御できることを確認するために実施した実験例4について説明する。
この実験例4では、この発明の範囲内にある実施例としての試料111およびこの発明の範囲外の比較例としての試料112の各々に係るコンデンサを作製したが、各コンデンサにおける誘電体層の材料および厚みならびに電極の材料および厚みについては、前述の実験例3と同様とした。また、この実験例における試料111および112の各々に係るコンデンサの外形寸法は、ともに、3.2mm×1.6mm×1.6mmとした。
より具体的には、試料112については、図24に示した電極の配置構造を採用し、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。他方、試料111については、図13に示した電極の配置構造を採用し、第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。
これら試料111および112について、直流バイアスを0〜36Vの範囲で変化させたときの容量変化範囲が表2に示されている。
Figure 0004873007
表2からわかるように、この発明の範囲内にある試料111とこの発明の範囲外の試料112とを比較したとき、コンデンサの寸法が同じで、電極の積層数が同程度である場合、この発明に係るコンデンサによれば、より大きい容量が得られ、かつ容量の可変幅をより広くできる。
以上、この発明の第2の局面に係る第4ないし第6の実施形態を、図10ないし図14を参照して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
たとえば、互いに同一面上に設けられる容量取得用電極と直流バイアス印加用電極との位置関係については、互いに対向する第1および第2の直流バイアス印加用電極によって、第1および第2の容量取得用電極間に位置する誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加できる位置関係であれば、図示した実施形態のような位置関係以外の位置関係であってもよい。
また、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜がそれぞれ設けられるコンデンサ本体上の位置については、上述した第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極の各位置等に応じて任意に変更することができる。
また、第4ないし第6の実施形態では、第1および第2の容量取得用電極124および125ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極127および128が、ともに、コンデンサ本体123の内部に形成されたが、耐湿性の問題に煩わされる懸念がないならば、少なくとも1組の第1の容量取得用電極および第1の直流バイアス印加用電極または第2の容量取得用電極および第2の直流バイアス印加用電極については、コンデンサ本体の外表面上に形成されてもよい。
(第3の局面に係る実施の形態)
図15および図16は、この発明の第7の実施形態によるコンデンサ221を説明するためのものである。図15において、(a)は、前述した図24または図26に対応する図であって、コンデンサ221を、誘電体層222の積層方向に向く断面をもって示す正面図であり、(b)ないし(d)は、前述した図25に対応する図であって、コンデンサ221を、誘電体層222の主面方向に延びる断面をもって示す平面図である。また、図16は、コンデンサ221に直流バイアスを印加している状態の等価回路図である。
図15(a)に示すように、コンデンサ221は、複数の誘電体層222をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体223を備えている。コンデンサ本体223は、特定の誘電体層222を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極224および225と、第1および第2の容量取得用電極224および225間に位置する誘電体層222の容量形成領域226に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228とを備えている。
第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、第1および第2の容量取得用電極224および225の間に挟まれた同じ誘電体層222の同じ主面上に設けられる。したがって、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228によって印加される直流バイアスは、誘電体層222の主面方向に向くことになる。この実施形態では、第1および第2の容量取得用電極224および225の間に2層の誘電体層222が位置し、これら2層の誘電体層222の間の界面に沿って第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228が形成される。
図15(c)には、第2の容量取得用電極225が設けられる位置が破線で示されている。この第2の容量取得用電極225と第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228との位置関係からわかるように、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、誘電体層222の主面方向での位置に関して、容量形成領域226(図15(a)参照)に重ならないように設けられる。これによって、第1および第2の容量取得用電極224および225は直流バイアス印加用電極227および228を挟まないようにすることができ、その結果、容量特性を安定なものとすることができる。
なお、第1および第2の容量取得用電極224および225と第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228との上述した位置関係からわかるように、誘電体層222の積層方向に向く断面で見たとき、第1および第2の容量取得用電極224および225は、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228と同じ断面上には現れない。したがって、図15(a)は、コンデンサ221を単一の断面をもって示すものではなく、容量取得用電極224および225と直流バイアス印加用電極227および228との積層方向での位置関係をより明確に図示するため、複数の断面をもって示したものであると理解すべきである。
コンデンサ本体223は、図15(b)ないし(d)によく示されているように、積層方向に延びる4つの側面229〜232を有する直方体状である。第1の側面229上には、第1の直流バイアス印加用端子導体膜233が設けられる。第1の側面229に対向する第2の側面230上には、第2の直流バイアス印加用端子導体膜234が設けられる。第1および第2の側面229および230に隣接する第3の側面231上には、第1の容量取得用端子導体膜235が設けられる。第3の側面231に対向する第4の側面232には、第2の容量取得用端子導体膜236が設けられる。
図15(b)には、第1の容量取得用電極224が通る断面が示されている。第1の容量取得用電極224は、第3の側面231にまで引き出され、ここで、第1の容量取得用端子導体膜235に電気的に接続される
図15(c)には、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228が通る断面が示されている。第1の直流バイアス印加用電極227は、第1の側面229にまで引き出され、ここで、第1の直流バイアス印加用端子導体膜233に電気的に接続される。第2の直流バイアス印加用電極228は、第2の側面230にまで引き出され、ここで、第2の直流バイアス印加用端子導体膜234に電気的に接続される。
図15(d)には、第2の容量取得用電極225が通る断面が示されている。第2の容量取得用電極225は、第4の側面232にまで引き出され、ここで、第2の容量取得用端子導体膜236に電気的に接続される。
以上のような構成を有するコンデンサ221において、図16によく示されているように、第1および第2の容量取得用電極224および225の間に形成される静電容量は、第1および第2の容量取得用端子導体膜235および236から取り出される。第1および第2の容量取得用端子導体膜235および236には、所定の回路(図示せず。)が電気的に接続される。このとき、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜233および234を通して、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228の間に直流バイアス237が印加されると、第1および第2の容量取得用電極224および225の間に位置する誘電体層222の容量形成領域226(図15(a)参照)の誘電特性が変化することになり、その結果として、第1および第2の容量取得用端子導体膜235および236を通して取り出される静電容量を変化させることができる。
上述した静電容量の変化幅をより大きくするためには、誘電体層222、特に容量形成領域226を構成する誘電体層222が、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成されることが好ましい。このように、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料としては、たとえば、100Ba1.006 (Ti0.97Zr0.03)O3 −2.5GdO3/2 −2.5MgO−0.5MnO−1.0SiO2 がある。
次に、第7の実施形態による効果を確認するために実施した実験例5について説明する。
この実験例5では、この発明の範囲内にある実施例に係る試料201として、図15に示したコンデンサ221と実質的に同様の構造を有するものを作製し、この発明の範囲外の比較例に係る試料202として、前述の図24に示したコンデンサ1と実質的に同様の構造を有するものを作製した。これら試料201および202の各々において、誘電体層を構成する誘電体として、BaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用い、電極間に位置する誘電体層の厚みを2μmとした。また、電極は、ニッケルを主成分とし、厚みを1μmとした。また、コンデンサ本体の外形寸法を3.2mm×1.6mm×0.4mmとした。
以上のような試料201および202の各々に係るコンデンサについて、0〜36Vの範囲内のいくつかの直流バイアスを印加した際の容量変化率を求めた。その結果が図17に示されている。
通常、誘電体に直流バイアスを印加すると、ある印加電圧以上で容量変化率が一定となる性質がある。
図17からわかるように、試料201では、対をなす直流バイアス印加用電極間に、電界を遮る電極(導体層)が存在しないため、電界強度の低下による容量変化率の低下が抑制され、その結果、試料202に比べて、大きな容量変化率が得られている。
なお、上記実験例5では、誘電体層を構成する誘電体として、ある特定のBaTiO3 系の高誘電率セラミック材料を用いたが、このセラミック材料として、誘電特性の直流バイアス依存性のより大きい材料を用いれば、直流バイアスに対する容量変化範囲のより広いコンデンサが得られることが確認されている。
図18は、この発明の第8の実施形態によるコンデンサ221aを示す、図15(c)に対応する図である。図18において、図15(c)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第8の実施形態によるコンデンサ221aは、第7の実施形態によるコンデンサ221と比較して、直流バイアス印加用電極227および228の形成態様が異なっている。すなわち、図18に破線で示した容量取得用電極225の位置からわかるように、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、誘電体層222の主面方向での位置に関して、容量形成領域226(図15(a)参照)に重なるように設けられることを特徴としている。このような構成を採用することにより、第7の実施形態によるコンデンサ221に比べて、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228間の距離を短くすることができるため、直流バイアスとしてより低い電圧が印加されても、容量変化の効果を得ることができる。
図19は、この発明の第9の実施形態によるコンデンサ221bを示す、図15に対応する図である。図19において、図15に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第9の実施形態によるコンデンサ221bは、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228の形成態様に特徴がある。すなわち、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、誘電体層222の長手方向の端部に位置されるように形成される。また、図19(a)からわかるように、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、容量形成領域226に重ならないように設けられる。したがって、この第9の実施形態によれば、前述の第7の実施形態の場合と同様、第1および第2の容量取得用電極224および225が直流バイアス印加用電極227および228を挟まないため、容量特性を安定なものとすることができる。
図20は、この発明の第10の実施形態によるコンデンサ221cを示す図であって、図20(a)は、図15(a)または図19(a)に対応し、図20(b)は、図15(c)または図19(c)に対応している。図20において、図15または図19に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第10の実施形態によるコンデンサ221cは、直流バイアス印加用電極227および228の形成態様に特徴がある。すなわち、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、上述した第9の実施形態によるコンデンサ221bと類似するが、誘電体層222の主面方向での位置に関して、容量形成領域226に重なるように設けられている。そのため、前述の第8の実施形態によるコンデンサ221aの場合と同様、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228間の距離をより短くすることができ、その結果、直流バイアスとして印加される電圧が比較的低くても、容量変化の効果を得ることができる。
図21は、この発明の第11の実施形態によるコンデンサ221dを示す、図15または図19に対応する図である。図21において、図15または図19に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第11の実施形態によるコンデンサ221dは、直流バイアス印加用電極227および228の形状に特徴がある。すなわち、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228は、図21(c)によく示されているように、ともに、並列した複数の電極指238および239をそれぞれ形成する櫛歯状をなしている。そして、第1の直流バイアス印加用電極227に備える各電極指238は、第2の直流バイアス印加用電極228に備える電極指239の各間に入り込むように位置している。
この第11の実施形態によれば、第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228間の距離を短く保ったまま、対向面積を大きくすることができる。
図22および図23は、それぞれ、この発明の第12および第13の実施形態によるコンデンサ241および251を示す、図15(a)に対応する図である。図22および図23において、図15(a)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第12および第13の実施形態によるコンデンサ241および251は、コンデンサ本体223において、複数組の第1の容量取得用電極224、第2の容量取得用電極225、第1の直流バイアス印加用電極227および第2の直流バイアス印加用電極228が形成されていることを特徴としている。
より詳細には、図22に示した第12の実施形態によるコンデンサ241では、積層方向に関して、上から、第1の容量取得用電極224、直流バイアス印加用電極227および228、第2の容量取得用電極225、という順序で複数回繰り返されて配置されている。
図23に示した第13の実施形態によるコンデンサ251では、積層方向に関して、上から、第1の容量取得用電極224、直流バイアス印加用電極227および228、第2の容量取得用電極225、直流バイアス印加用電極227および228、第1の容量取得用電極224、という順序で複数回繰り返されて配置されている。
なお、図22に示したコンデンサ241のコンデンサ本体223および図23に示したコンデンサ251のコンデンサ本体223を比較したとき、厚み方向寸法に関して異なるように図示されているが、これは、図示しようとする電極224、225、227および228の数が異なるという理由からもたらされた結果に過ぎず、図示した厚み方向寸法の差は、特に意味があるものではない。
次に、上記コンデンサ241および251のように、コンデンサ本体223が、複数組の第1の容量取得用電極224、第2の容量取得用電極225、第1の直流バイアス印加用電極227および第2の直流バイアス印加用電極228を備える場合において、この発明に係るコンデンサによれば、単位体積あたりの静電容量が大きくなり、より小型化かつ高容量化が可能となり、より低い電圧でより広範囲に静電容量を制御できることを確認するために実施した実験例6について説明する。
この実験例6では、この発明の範囲内にある実施例としての試料211およびこの発明の範囲外の比較例としての試料212の各々に係るコンデンサを作製したが、各コンデンサにおける誘電体層の材料および厚みならびに電極の材料および厚みについては、前述の実験例5と同様とした。また、この実験例における試料211および212の各々に係るコンデンサの外形寸法は、ともに、3.2mm×1.6mm×1.6mmとした。
より具体的には、試料212については、図24に示した電極の配置構造を採用し、直流バイアス印加用電極および容量取得用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。他方、試料211については、図22に示した電極の配置構造を採用し、第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極を含むすべての電極の積層数を500とした。
これら試料211および212について、直流バイアスを0〜36Vの範囲で変化させたときの容量変化範囲が表3に示されている。
Figure 0004873007
表3からわかるように、この発明の範囲内にある試料211とこの発明の範囲外の試料212とを比較したとき、コンデンサの寸法が同じで、電極の積層数が同程度である場合、この発明に係るコンデンサによれば、より大きい容量が得られ、かつ容量の可変幅をより広くできる。
以上、この発明の第3の局面に係る第7ないし第13の実施形態を、図15ないし図23を参照して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
たとえば、容量取得用電極と直流バイアス印加用電極との位置関係については、互いに対向する第1および第2の直流バイアス印加用電極によって、第1および第2の容量取得用電極間に位置する誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加できる位置関係であれば、図示した実施形態のような位置関係以外の位置関係であってもよい。
また、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜ならびに第1および第2の容量取得用端子導体膜がそれぞれ設けられるコンデンサ本体上の位置については、上述した第1および第2の容量取得用電極ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極の各位置等に応じて任意に変更することができる。
また、第7ないし第13の実施形態では、第1および第2の容量取得用電極224および225ならびに第1および第2の直流バイアス印加用電極227および228が、ともに、コンデンサ本体223の内部に形成されたが、耐湿性の問題に煩わされる懸念がないならば、積層方向での最も端に位置する電極、たとえば、図15(a)に示したコンデンサ221にあっては、第1および/または第2の容量取得用電極224および/または225については、コンデンサ本体の外表面上に形成されてもよい。

Claims (17)

  1. 複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備え、
    前記コンデンサ本体は、特定の前記誘電体層に沿って設けられるアース用電極と、特定の前記誘電体層を介して前記アース用電極と対向しかつ前記アース用電極との間で直流バイアスを印加するために用いられる直流バイアス印加用電極と、特定の前記誘電体層を介して前記アース用電極と対向することによって静電容量を形成するように設けられる容量取得用電極とを含み、
    前記直流バイアス印加用電極が、前記アース用電極と前記容量取得用電極との間に位置され、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記アース用電極に電気的に接続される、アース用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記直流バイアス印加用電極に電気的に接続される、直流バイアス印加用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記容量取得用電極に電気的に接続される、第1の容量取得用端子導体膜と
    をさらに備える、コンデンサ。
  2. 複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備え、
    前記コンデンサ本体は、特定の前記誘電体層に沿って設けられるアース用電極と、特定の前記誘電体層を介して前記アース用電極と対向しかつ前記アース用電極との間で直流バイアスを印加するために用いられる直流バイアス印加用電極と、特定の前記誘電体層を介して前記アース用電極と対向することによって静電容量を形成するように設けられる容量取得用電極とを含み、
    前記容量取得用電極が、前記アース用電極と前記直流バイアス印加用電極との間に位置され、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記アース用電極に電気的に接続される、アース用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記直流バイアス印加用電極に電気的に接続される、直流バイアス印加用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記容量取得用電極に電気的に接続される、第1の容量取得用端子導体膜と
    をさらに備える、コンデンサ。
  3. 前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記アース用電極に電気的に接続される、第2の容量取得用端子導体膜をさらに備え、前記コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、前記アース用端子導体膜は、第1の前記側面上に設けられ、前記直流バイアス印加用端子導体膜は、前記第1の側面に対向する第2の前記側面上に設けられ、前記第1の容量取得用端子導体膜は、前記第1および第2の側面に隣接する第3の前記側面上に設けられ、前記第2の容量取得用端子導体膜は、前記第3の側面に対向する第4の前記側面上に設けられる、請求項1または2に記載のコンデンサ。
  4. 少なくとも前記アース用電極と前記直流バイアス印加用電極との間に位置する前記誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成される、請求項1ないしのいずれかに記載のコンデンサ。
  5. 前記コンデンサ本体は、複数組の前記アース用電極、前記直流バイアス印加用電極および前記容量取得用電極を含む、請求項1ないしのいずれかに記載のコンデンサ。
  6. 複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備え、
    前記コンデンサ本体は、特定の前記誘電体層を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極と、前記第1および第2の容量取得用電極間に位置する前記誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極とを含み、
    前記第1の直流バイアス印加用電極は、前記第1の容量取得用電極が設けられた前記誘電体層の主面と同一の主面上に設けられ、
    前記第2の直流バイアス印加用電極は、前記第2の容量取得用電極が設けられた前記誘電体層の主面と同一の主面上に設けられ、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記第1および第2の直流バイアス印加用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記第1および第2の容量取得用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の容量取得用端子導体膜と
    をさらに備える、コンデンサ。
  7. 前記第1の容量取得用電極に対して、前記第1の直流バイアス印加用電極が位置する側は、前記第2の容量取得用電極に対して、前記第2の直流バイアス印加用電極が位置する側とは逆側とされる、請求項に記載のコンデンサ。
  8. 前記コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、前記第1の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の前記側面上に設けられ、前記第2の直流バイアス印加用端子導体膜は、前記第1の側面に対向する第2の前記側面上に設けられ、前記第1の容量取得用端子導体膜は、前記第1および第2の側面に隣接する第3の前記側面上に設けられ、前記第2の容量取得用端子導体膜は、前記第3の側面に対向する第4の前記側面上に設けられる、請求項またはに記載のコンデンサ。
  9. 少なくとも前記容量形成領域を構成する前記誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成される、請求項ないしのいずれかに記載のコンデンサ。
  10. 前記コンデンサ本体は、複数組の前記第1の容量取得用電極、前記第2の容量取得用電極、前記第1の直流バイアス印加用電極および前記第2の直流バイアス印加用電極を含む、請求項ないしのいずれかに記載のコンデンサ。
  11. 複数の誘電体層をもって構成される積層構造を有する、コンデンサ本体を備え、
    前記コンデンサ本体は、特定の前記誘電体層を介して互いに対向することによって静電容量を形成するように設けられる第1および第2の容量取得用電極と、前記第1および第2の容量取得用電極間に位置する前記誘電体層の容量形成領域に直流バイアスを印加するために用いられる第1および第2の直流バイアス印加用電極とを含み、
    前記第1および第2の直流バイアス印加用電極は、前記第1および第2の容量取得用電極の間に挟まれた同じ前記誘電体層の同じ主面上に設けられ、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記第1および第2の直流バイアス印加用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の直流バイアス印加用端子導体膜と、
    前記コンデンサ本体の外表面上に設けられ、かつ前記第1および第2の容量取得用電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の容量取得用端子導体膜と
    をさらに備える、コンデンサ。
  12. 前記誘電体層の主面方向での位置に関して、前記第1および第2の直流バイアス印加用電極は、前記容量形成領域に重ならないように設けられる、請求項11に記載のコンデンサ。
  13. 前記誘電体層の主面方向での位置に関して、前記第1および第2の直流バイアス印加用電極は、前記容量形成領域に重なるように設けられる、請求項11に記載のコンデンサ。
  14. 前記第1および第2の直流バイアス印加用電極は、ともに、並列した複数の電極指を形成する櫛歯状をなしており、前記第1の直流バイアス印加用電極に備える各前記電極指は、前記第2の直流バイアス印加用電極に備える前記電極指の各間に入り込むように位置している、請求項11または13に記載のコンデンサ。
  15. 前記コンデンサ本体は、積層方向に延びる4つの側面を有する直方体状であり、前記第1の直流バイアス印加用端子導体膜は、第1の前記側面上に設けられ、前記第2の直流バイアス印加用端子導体膜は、前記第1の側面に対向する第2の前記側面上に設けられ、前記第1の容量取得用端子導体膜は、前記第1および第2の側面に隣接する第3の前記側面上に設けられ、前記第2の容量取得用端子導体膜は、前記第3の側面に対向する第4の前記側面上に設けられる、請求項11ないし14のいずれかに記載のコンデンサ。
  16. 少なくとも前記容量形成領域を構成する前記誘電体層は、誘電特性の直流バイアス依存性の大きい材料から構成される、請求項11ないし15のいずれかに記載のコンデンサ。
  17. 前記コンデンサ本体は、複数組の前記第1の容量取得用電極、前記第2の容量取得用電極、前記第1の直流バイアス印加用電極および前記第2の直流バイアス印加用電極を含む、請求項11ないし16のいずれかに記載のコンデンサ。
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