JP5126374B2 - 可変容量素子及び、電子機器 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような等価回路において、制御電圧源と、信号電圧源が別々に構成されているとしても、可変容量素子150において使用される端子は共通とされる。
このような等価回路においては、端子が4端子化されているものの、制御電圧源から流れるDCバイアス電流と、AC信号が干渉してしまう。
したがって、このような従来の可変容量素子100においては、小さい制御電圧の印加で、容量値を変化させるために、誘電体層を薄く構成して電界感度を上げようとすると、絶縁特性が低下して、信号電圧に対する耐圧が小さくなってしまうという問題がある。
そうすると、このような従来の可変容量素子100では、小さい制御電圧で可変容量素子100の容量値を制御し、大きな振幅の信号電圧を用いるという要望には、対応できない。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る可変容量素子の概略構成、及びその断面構成を示す。
本実施形態例の可変容量素子1は、例えば、直方体に形成された誘電体層4の4つの面に、4つの端子が形成された構成とされている。図1において、紙面左から右方向に水平な軸をx軸、紙面下から上方向に水平な軸をy軸、紙面手前から奥方向に延びる軸をz軸と設定する。
イオン分極による強誘電体材料は、イオン結晶材料からなり、プラスのイオンとマイナスのイオンの原子が変位することで電気的に分極する強誘電体材料である。このイオン分極による強誘電体材料は、例えば原子Aと原子BからなるABO3である化学式で表され、ペロブスカイト構造を有し、例えばBaTiO3(チタン酸バリウム)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)等が挙げられる。本実施形態例におけるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は、チタン酸鉛(PbTiO3)にジルコン酸鉛(PbZrO3)を混ぜ合わせた強誘電体材料である。
すなわち、このような構成の可変容量素子1においては、yz面に形成された面状の制御端子2は、制御電極とされ、この制御端子2間において、制御用容量が構成される。このときの、制御電界の向きは、矢印aで示すように、x方向となる。
また、xy面に形成された面状の信号端子3は、信号電極とされ、この信号端子3間においても、制御電極2とは直交する、信号用容量が構成される。このときの信号電界の向きは、矢印cで示すように、z方向となる。すなわち、本実施形態例では、制御電界の向きと、信号電界の向きが直角に交差する構成とされている。
図3からわかるように、制御端子7間に制御電界を発生させて試料5の容量値を変化させた場合でも、その交差する方向、すなわち、信号端子6間で計測する容量値も変化されていることがわかる。すなわち、制御電界と信号電界を交差させて可変容量素子を構成した場合でも、信号端子6間で構成される信号用容量の容量値を、制御端子7間で構成される制御用容量の容量値を変化させることで、制御することができることがわかる。
次に、図4A,Bに、本発明の第2の実施形態における可変容量素子の概略構成、及びその断面構成を示す。図4A,Bにおいて、紙面左から右方向に水平な軸をx軸、紙面下から上方向に水平な軸をy軸、紙面手前から奥方向に延びる軸をz軸と設定する。図4A,Bにおいて、図1A,Bに対応する部分には、同一符号を付し、重複説明を省略する。
次に、図7A,Bに、本発明の第3の実施形態における可変容量素子の概略構成、及びその断面構成を示す。図7A,Bにおいて、紙面左から右方向に水平な軸をx軸、紙面下から上方向に水平な軸をy軸、紙面手前から奥方向に延びる軸をz軸と設定する。また、図7A,Bにおいて、図1A,Bに対応する部分には、同一符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態例では、内部制御電極15,16が形成される面と、同一平面上に形成される容量を、水平コンデンサと定義する。また、本実施形態例において、信号端子3間の距離をギャップ長w2とする。
このように、制御端子2に接続される内部制御電極15,16が、水平コンデンサを構成する場合には、信号端子3をxz平面上に構成しても、制御電界と、信号電界がそれぞれ直交する。また、信号端子3は、誘電体層4の、ギャップ長w1に重ならないxz平面上に構成されるものである。そして、この場合においても、図7A,Bに示した可変容量素子17と同様の効果を有する。
次に、図10Aに、本発明の第4の実施形態に係る可変容量素子の概略断面構成を示す。図10Aにおいては、紙面左から右方向に水平な軸をx軸、紙面下から上方向に水平な軸をy軸、紙面手前から奥方向に延びる軸をz軸と設定する。
そして、本実施形態例においては、制御端子22、信号端子は、互いに短絡しないように設けられるものである。
図15の測定値は、図13に示す可変容量素子を、x軸方向に2.5mm、z軸方向に1.25mmとなるように設計した場合の容量値CIDTの測定値であり、横軸Xを距離=d1−d3、縦軸Yに線幅d3を示し、紙面垂直方向の軸Zに、容量値CIDTを示す。
本発明の可変容量素子は、図16に示すような電子機器に適用することができる。図16は、電子機器の一実施形態として、液晶テレビ等に用いられる冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)バックライトのインバータ回路構成を示す。
可変容量素子49の容量値を調整するために、可変容量素子49の図示しない制御端子に接続されている、制御電圧電源43からDC電圧を印加する。そして、所望のDC電圧が印加されることにより、可変容量素子49の容量値が調整される。昇圧トランス40の端子に高直流電圧が印加されると、トランスコイルに過大な電流が流れてしまう。しかし、この例においては、可変容量素子49においては、制御端子にDC電圧が印加される。このため、可変容量素子49における容量値を調整するために、可変容量素子49の制御端子に電圧を印加しても、可変容量素子49の信号端子に接続されている昇圧トランス40及びCCFL42には、直流電圧が加わることがない。このため、実装状態で、可変容量素子49に電圧を印加し、容量値を調整することが可能となる。そして、このような可変容量素子49が組み込まれたCCFLバックライトでは、CCFL42の輝度が均一になるように、可変容量素子49の容量値が調整される。
Claims (7)
- 誘電体層を挟持して設けられた対の信号電極と、
前記信号電極間で発生する信号電界と交差する方向に制御電界を発生させるように、前記誘電体層を挟持して設けられた対の制御電極とを備え、
前記信号電極は、一対の制御電極に挟持される誘電体層に対して前記制御電界が発生する方向に2層以上積層して設けられている
可変容量素子。 - 前記制御電界が発生する方向に積層された信号電極同士は同電位とされている
請求項1に記載の可変容量素子。 - 前記信号電界と前記制御電界との電界強度が異なる請求項1又は2に記載の可変容量素子。
- 前記信号電界の電界強度が、前記制御電界の電界強度よりも小さく構成される請求項3記載の可変容量素子。
- 前記制御電極、及び/又は前記信号電極は、前記誘電体層内に、前記誘電体層を介して複数積層し、それぞれの信号電極間隔、信号電極面積、制御電極間隔、制御電極面積を個々に決定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の可変容量素子。
- 前記信号電極と、前記制御電極とは、前記誘電体層内において、互いに積層方向に重ならないように、所望の形状、又は位置に配置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の可変容量素子。
- 誘電体層を挟持して設けられた対の信号電極と、前記信号電極間で発生する信号電界と交差する方向に制御電界を発生させるように、前記誘電体層を挟持して設けられた対の制御電極とを備え、前記信号電極は、一対の制御電極に挟持される誘電体層に対して前記制御電界が発生する方向に2層以上積層して設けられている可変容量素子
を有する電子機器。
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JP2011009143A JP5126374B2 (ja) | 2011-01-19 | 2011-01-19 | 可変容量素子及び、電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011009143A JP5126374B2 (ja) | 2011-01-19 | 2011-01-19 | 可変容量素子及び、電子機器 |
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