JP4871118B2 - 食品収納カップ - Google Patents
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Description
すなわち、大きな重いおかずを収納した場合に、弁当箱が傾くなどすると、おかずに押されたり、弁当箱の壁面に押されたりして倒れ、これにより食品収納カップの形状が大きく崩れて、おかずが容器から漏れ出してしまう。
また同じく製作上の要請から、シートの厚みを一定以下とせねばならず、このため収納カップは、その厚みが薄くて貧弱な印象を与えがちであり、高級感を出すのが難しい。
まず、様々な形状に成型したり、壁面に一体的に模様を施したりすることが可能となるため、形状の自由度が高く、デザイン性も高めることができる。
そして、底壁と一体的に成型された周壁は、その材質から、おかず等に押されても復元力が働くため、倒れ込む心配は無く、形状安定性が高い。
さらに、食品収納カップに、ある程度の厚みを持たせることができるため、高級感を出すことができる。
まず、上記したように、この食品収納カップは自由に変形可能であるため、中仕切りや、内箱のように、小分け空間の形状、容積が一定に定まっておらず、おかずの配列等を自由に決めることができる。
また、食品収納カップよりやや大きなおかずについても、開口から押し込むと広がって収納することができるため、切り分けずに丸ごと収納することも可能である。
同様に、食品収納カップの厚みを0.01mm以上5mm以下としたのは、0.01mmを下回ると厚みが小さすぎて形状を保持できず、5mmを上回ると厚みが大きすぎて変形が困難となるからである。
厚みは、より好ましくは0.05mm以上2mm以下であり、この範囲では、一層変形性、形状保持性等が良好である。
そのため、おかずを食品収納カップに盛り付けることが容易となり、かつ、盛り付け後におかずの片寄ることが防止される。
このように、底壁自体が吸盤効果を有しているため、食品収納カップのずれ動きを防止するために、別途底壁に吸盤を取り付ける必要もない。
また、外面がつや消し面、内面がつや面であるため、デザイン的にも面白みがある。
また、耐熱性も高いため、おかずの熱により食品収納カップの品質が劣化する心配もない。
このとき、タブをつまむと指に突起が引っかかることで、しっかりとグリップされるため、持ち上げが一層容易となっている。
このようにインジェクション成型法によると、形状の自由度が高く、例えば、容器の表面に種々の模様、図柄を立体的に形成することができる。
図1(a)の長円カップ10では、底壁11は平面視長円形となっており、図1(b)の円カップ20では、底壁21は平面視円形となっている。
また、図1(a)の長円カップ10では、タブ13は、つまみやすいように、長手方向において対向している。
このように、カップ10、20は、通常サイズの弁当箱30に入れ、おかず40を小分けするのに用いるものであるから、口径が15mm〜150mmくらいであるのが好ましく、30mm〜100mmであればなおよい。
シリコーン樹脂のデュロメータ硬さは、JIS K 6253に準拠してタイプAデュロメータ(中硬さ用)で測定したデュロメータ硬さで測定して、10以上80以下の範囲となっており、また、カップ10、20の肉厚は、0.01mm以上5mm以下、より好ましくは、0.05mm以上2mm以下となるように形成されている。
カップ10、20は、シリコーン樹脂の伸縮により、その容積を一定程度変化させることも可能である。
そのため、変形前は、カップ10、20に入りきらないようなおかず40も、カップ10、20を湾曲させたり、開口から押し広げたりすることで、切り分けることなくそのまま収納することができる。
この場合、カップ10、20は、おかず40収納後には、収縮しておかず40に密着するため、カップ10、20からおかず40がはみ出たりするのが防止される。
なお、シリコーン樹脂は耐熱性に優れるため、出来立ての暖かいおかず40を冷まさずに直接入れても劣化する心配はない。
また、カップ10、20の肉厚は、このように比較的薄く形成しているが、それでもシート状物と比べれば十分な厚みを持っているため、重厚感、高級感を持たせることができる。
そのため、カップ10、20の内面にはおかずが付着しにくく、使用後に水洗いするときれいに洗い流すことが可能である。
また、カップ10、20の外面は、インジェクション成型法により粗度が1.5を超えるつや消し面に形成されている。
このように、カップ10、20は、内外面で光沢、質感が異なるため、見た目にも面白みがある。
なお、上記平均粗度(Ra)は、JIS B 0651に準拠して触針式表面粗さ測定機で測定されている。
詳しくは、図5のように、底壁11、21の外面は、底壁11、21と周壁12、22により囲まれる収納部に向かい凸となるように形成され、内面は、ほぼフラットになるように形成されている。
そのため、いわゆる吸盤効果によりカップ10、20は弁当箱30の底に吸着し、ずれ動かないようになる。
これは、0.1mmを下回ると、弁当箱30と底壁11、21との隙間が小さすぎ、ずれ動きを防止するのに十分な吸盤効果を発揮することができなくなり、4.5mmを上回ると、底壁11、21の肉厚が大きくなりすぎて、収納の邪魔になるからである。
同様の観点から、薄肉部の凹みの深さは、0.3mm〜2mmとするとさらに好ましい。
ここで、上述したように、カップ10、20は、弁当箱30の底に吸盤効果や摩擦力により貼り付いた状態となっているが、タブ13、23を指でつまむと爪に裏面の突起13a、23aが引っかかることでしっかりとグリップでき、強い力で引っ張ることが可能であるため、弁当箱30から引き剥がすことが容易である。
長円カップ10においては、柄12aは、クローバーを模ったものであり、円カップ20おいては、柄22aは、花を模ったものとなっている
インジェクション成型法によれば、このように様々な柄を形成することも容易である。
例えば、底壁を平面視方形、楕円形などとし、その周縁から周壁が立ち上がる形状としてもよい。
具体的には、ポリイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂などを挙げることができる。
なお、シリコーン樹脂およびこれらの耐熱樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
ここで、JIS B 0651に従い、カップ底壁内外面の中心線平均粗さを接触式表面粗度計((株)東洋精密社製 製品名「SURFCOM1400D−12」)を用いて測定し、カップ内面は平均粗度(Ra)が0.42のつや面、外面は平均粗度(Ra)が1.76のつや消し面であることを確認した。
その寸法は、すべて、周壁の開口径が62.4mm、肉厚が1.5mmとした。
また、シリコーン樹脂は、JIS K 6253に準拠してタイプAデュロメータ(中硬さ用)で測定したデュロメータ硬さが、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90のものを用いた。
なお、デュロメータ硬さが5のシリコーン樹脂は、タイプEデュロメータ(低硬さ用)でも測定してその値を確認した。
表中、○は、おかずをカップに容易に収納できたことを、×は、おかずをカップに容易には収納できなかったことを示す。
11 底壁
11a 薄肉部
12 周壁
12a 柄(クローバー)
13 タブ
13a 突起
20 円形食品収納カップ
21 底壁
21a 薄肉部
22 周壁
22a 柄(花)
23 タブ
23a 突起
30 弁当箱
40 おかず
d 薄肉部の凹みの深さ
Claims (5)
- JIS K 6253に準拠して測定したデュロメータ硬さが10以上80以下の合成樹脂を一体成型してなり、底壁と、その周縁から立ち上がる周壁とを有し、その底壁および周壁の肉厚が0.01mm以上5mm以下であり、
上記底壁の外面を、底壁と周壁により囲まれる収納部側に向けて凹ませた食品収納カップ。 - 上記底壁の内面および周壁の内面の平均粗度(Ra)が1.3以下である請求項1に記載の食品収納カップ。
- 上記合成樹脂はシリコーン樹脂である、請求項1または2に記載の食品収納カップ。
- 上記周壁の上縁にタブを連設し、このタブの裏面に突起を形成した請求項1から3のいずれかに記載の食品収納カップ。
- インジェクション成型法により成型された、請求項1から4のいずれかに記載の食品収納カップ。
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