JP4862620B2 - 画像構造体、この画像構造体を形成する画像形成装置および情報抽出装置 - Google Patents

画像構造体、この画像構造体を形成する画像形成装置および情報抽出装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像構造体、これを形成するための画像形成装置およびこの装置で埋め込まれた情報を抽出する情報抽出装置に関し、特に、透明トナーによる画像を不可視状態または可視状態とする技術に関する。
昨今、デジタルプリントによる印刷物の出来映えを評価する観点は、色合い・階調の再現・粒状感そして解像度等の画質のみに限らず、画像表面の光沢感も重要な要素となっている。
例えば、電子写真プリントによる画像構造体、及びこの画像構造体を作製すための画像形成装置が、特許文献1に記載されている。また、高光沢画像を形成するための画像形成装置が特許文献2に記載されている。
一方、個人情報保護、偽造書類防止、著作権の保護、付加価値の付与などの観点から、印刷物に関する情報が埋め込まれた印刷物に対するニーズが高まっている。そこで、印刷物に情報を埋め込む方法としては、赤外吸収トナーを使って背景部に情報を示す不可視画像を書き込む方法、視認性の低いイエロートナーで情報をコード化した不可視画像として書き込む方法などがある。
ここで、「不可視」とは、可視光領域において人間の目で認識できない状態である。つまり、「不可視画像」は、人の目では認識できないものの、赤外吸収トナーによる不可視画像の場合には、可視光領域以外の赤外光領域の光を照射することにより、フォトダイオードやCCD等の読取手段によって前記不可視画像の反射光が認識される。このように、不可視画像とは、その現像剤が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性を有さないために、可視光領域においては目視によりほとんど認識することができない画像を意味する。
また、特許文献3には、支持体(例えば、用紙)の少なくとも一面に、熱可塑性樹脂を含む受像層が形成され、裏面側に情報に関する画像が形成された電子写真用受像シートが記載されている。このシートは、表面側の画像には情報が記載されていないので画像の見栄えを損なうことはない。
特開2004−012716号公報 特開2002−341619号公報 特開2004−117862号公報
しかし、上記特許文献1〜3には、以下のような問題がある。
赤外吸収トナーやイエロートナーを用いて不可視状態で情報をトナー像として形成する場合、赤外吸収トナーやイエロートナーは視認性が低いものの、実際には不可視となるものではない。このため、ユーザが画像を凝視したときにはこのトナー像が認識されてしまう。また、このトナー像の部分においては、実際には表面の滑らかさや粒状感が損なわれてしまっているのが実情である。
さらに、画像構造が、非画像域の部分と赤外吸収トナーやイエロートナーが形成された部分とで異なり、さらには赤外吸収トナーやイエロートナー像は背景部から数μmオーダーで盛り上がることなどの理由により、赤外吸収トナーやイエロートナー像のない部分とある部分とで、光沢に差が生じてしまう。
さらに、裏面に情報を書き込む場合、画像(情報)が可視化されているため、その部分に書かれた情報は誰にでも識別でき、情報の消去/加工が容易となり、他人によって情報が改竄される虞があった。
本発明は、上述した課題に鑑なみてなされたもので、画像が、その表面を滑らかにした高光沢である場合には、透明トナー像は光沢を損なうことなくカラートナー像または受像層に埋め込まれ、一方その表面が低光沢である場合には、透明トナー像がカラートナー像または受像層から隆起して透明トナー像の認識を可能にする画像構造体を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明が採用する画像構造体は、受像層を有する用紙と、当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像であって、当該透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理が施されることにより前記受像層から隆起して表面の光沢度が当該受像層よりも低くなることによって可視化され、一方、当該透明トナー像を前記用紙に当該定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理が施されることにより前記受像層に埋め込まれて表面が前記第1の定着処理の場合よりも高光沢となって不可視化され透明トナー像と、を備えることを第1の特徴としている。
上述した課題を解決するために、本発明が採用する画像構造体は、受像層を有する用紙と、定着処理が施されることにより前記受像層に形成され、画像を示すカラートナー像と、当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像であって、前記カラートナー像および当該透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理が施されることにより、前記受像層または前記カラートナー像から隆起して表面の光沢度が周囲よりも低くなることによって可視化され、一方、前記カラートナー像および当該透明トナー像を前記用紙に当該定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理が施されることにより前記受像層または前記カラートナー像に埋め込まれて表面が前記第1の定着処理の場合よりも高光沢となって不可視化され透明トナー像と、を備えることを第2の特徴としている。
また、本発明が採用する画像構造体は、受像層を有する用紙と、前記受像層に形成され、画像を示すカラートナー像と、前記受像層または前記カラートナー像に形成され、当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像と、を具備する画像構造体であって、前記受像層にトナー像を形成する際の処理が前記カラートナー像および前記透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理(高温剥離定着処理であった場合には、定着後のカラートナー像域および透明トナー像域以外の用紙上の領域の光沢度が入射角20°の場合に50以上となり、かつ透明トナー像域の光沢度が前記他の領域の光沢度より20以上低くなり、前記受像層にトナー像を形成する際の処理が前記カラートナー像および前記透明トナー像を前記用紙に前記定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理(冷却剥離定着処理)であった場合には、定着後の全画像域の光沢度が入射角20°の場合に70以上となることを第3の特徴としている。
このような画像構造体では、高温剥離定着処理を施すことにより透明トナー像を受像層またはカラートナー像に埋め込み表面を高光沢化し、冷却剥離定着処理を施すことにより透明トナー像を受像層またはカラートナー像から隆起させて低光沢化して、透明トナー像を可視化させる。
上記画像構造体を得るために、定着過程で加圧部を通過する時間をt、第2の定着処理(冷却剥離定着処理)におけるの定着温度をFTとしたときに、温度FT、周波数1/t、歪み量20%の粘弾性測定条件下において、受像層、カラートナーおよび透明トナーにおける動的粘弾性の関係は、以下の式を満足することを特徴とする。
10<Gm<105.5
Gt<10
Gct<10
3<Gm/Gt<10
Tδt/Tδct>5.0
但し、上記記号は、以下の表とする。
Figure 0004862620
上記条件を満足させることにより、上記第1〜3に記載の特徴よりもさらに好ましい画像構造体の形態となる。
即ち、この画像構造体では、冷却剥離定着処理を施した場合、受像層の変形が小さく(高光沢になる程度しか変形していない)、カラートナーと透明トナーの変形が大きくなるため、表面の光沢を高めるようになり、画像域と非画像域の高さの差は少なくなる。
また、Gmが下限値(10)を下回ると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、Tδmが小さいと受像層に大きな歪みが貯まるため、高温剥離定着処理を施したときに受像層の歪みが開放され、透明トナー像域と非画像域との光沢差が小さくなってしまう。一方、Gmが上限値(105.5)を超えると、冷却剥離定着処理を施しても高光沢が得られ難い。
また、Gtが10を超えると、冷却剥離定着処理を施しても一様な高光沢化が難しい。
Gctが10を超えると、冷却剥離定着しても一様な高光沢化が難しい。
Gm/Gtが3を下回ると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、Tδmが小さいと受像層に大きな歪みが貯まるので高温剥離定着処理を施したときに、受像層の歪みが開放され、高光沢が得にくい。
Gm/Gtが10を超えると、冷却剥離定着処理しても一様な高光沢が得難い。
さらに、Tδt/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後にカラートナー像に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、カラートナー像域との光沢差が小さくなってしまう。
一方、Tδt/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、カラートナー像に貯まる歪みとの差が大きくる。このため、貯まった歪みが開放される高温剥離定着処理後では、透明トナー像がカラートナー像から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が可視化される。
要は、受像層、カラートナー、透明トナーの動的粘弾性を上記の条件に設定すると、受像層の変形が小さく、カラートナーおよび透明トナーが歪むようになる。そして、冷却剥離定着処理によって得られる画像表面は高光沢となって、透明トナー像が不可視状態となり、一方高温剥離定着処理によって得られる画像表面は低光沢となって、透明トナー像が可視化状態となる。
さらに、上記画像構造体を得るために、定着過程で加圧部を通過する時間をt、第2の定着処理(冷却剥離定着処理)における定着温度をFTとしたときに、温度FT、周波数1/t、歪み量20%の粘弾性測定条件下において、受像層、カラートナーおよび透明トナーにおける動的粘弾性の関係は、以下の式を満足することを特徴とする。
Gm<10
Gt<10
GCt<10
Tδm/TδCt>5.0
Tδt/TδCt>5.0
但し、上記記号は、以下の表とする。
Figure 0004862620
上記条件を満足させることにより、上記第1〜3の特徴よりもさらに好ましい画像構造体の形態となる。
即ち、この画像構造体では、冷却剥離定着処理を施した場合、受像層、カラートナー及び透明トナーの全てが大きく変形するため、表面の光沢を高めるようになり、画像域と非画像域の高さの差は少なくなる。
また、Gm,Gt,Gctのいずれかが上限値(10)を超えると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢にはなり難く、カラートナー像と透明トナー像とを平坦にすることは難しく、透明トナー像をカラートナー像に生み込み難くなる。
Tδm/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後に受像層に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、受像層域との光沢差が小さくなってしまう。
一方、Tδm/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、受像層に貯まる歪みとの差が大きくなる。このため、貯まった歪みが開放する高温剥離定着処理後では、透明トナー像が受像層から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が目視にて認識し易くなる。
さらに、Tδt/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後にカラートナー像に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、カラートナー像域との光沢差が小さくなってしまう。
一方、Tδt/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、カラートナー像に貯まる歪みとの差が大きくなる。このため、貯まった歪みが開放する高温剥離定着処理後では、透明トナー像がカラートナー像から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が可視化される。
要は、受像層、カラートナー、透明トナーの動的粘弾性を上記の条件に設定すると、受像層、カラートナーおよび透明トナーが全て歪み、透明トナーの歪みだけが緩和されないようになる。そして、冷却剥離定着処理によって得られる画像表面は高光沢となって、透明トナー像が不可視状態となり、一方高温剥離定着処理によって得られる画像表面は低光沢となって、透明トナー像が可視化状態となる。
また、本発明が採用する画像形成装置の構成は、用紙の受像層上に、カラートナー像および透明トナー像を現像する現像手段と、トナー像が形成された用紙が搬送される用紙搬送路と、前記第1の定着処理(高温剥離定着処理を行うことにより、上記構成の画像構造体を形成すべく、前記用紙搬送路に沿って搬送された用紙上のカラートナー像および透明トナー像を前記用紙に加熱加圧して定着させる第1の定着手段(高温剥離定着手段と、前記第2の定着処理(冷却剥離定着処理を行うことにより、上記構成の画像構造体を形成すべく、前記用紙搬送路に沿って搬送された用紙上のカラートナー像および透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に、当該用紙を冷却して当該定着部材から剥離させる第2の定着手段(冷却剥離定着手段と、を備えることを特徴としている。
このように構成することにより、冷却剥離定着処理によって形成される画像構造体は、その表面が高光沢となり、透明トナーが受像層またはカラートナー像に埋め込まれた状態となって不可視状態となる。一方、高温剥離定着処理によって形成される画像構造体は、その表面が低光沢となり、透明トナーが受像層またはカラートナー像から隆起した状態となって可視化状態となる。また、高光沢となった画像構造体を高温剥離定着処理を施してその表面が低光沢とし、低光沢となった画像構造体を冷却剥離定着処理を施してその表面を高光沢とすることが可能となる。
例えば、透明トナー像が当該画像構造体の情報をコード化した画像であった場合には、高温剥離定着処理を施すことにより、透明トナー像(コード)が可視化可能となり、情報の抽出が可能となる。
このように、画像形成装置は、画像構造体を冷却剥離定着手段或いは高温剥離定着手段に選択的に通過させることにより、冷却剥離定着手段を通過させることによって透明トナー像を埋め込んで不可視状態に、高温剥離定着手段を通過させることによって透明トナー像を浮かせて可視化可能状態にする。しかも、冷却剥離定着手段を通過させることによって得られた画像構造体の表面は平滑化されているため、高光沢となる。
上記画像形成装置において、前記用紙搬送路には、前記高温剥離定着手段または前記冷却剥離定着手段に用紙を選択的に搬送する搬送切換手段を備えてもよい。
上記画像形成装置において、前記用紙搬送路には、前記高温剥離定着手段を通過した用紙を前記冷却剥離定着手段に搬送するか否かを選択する搬送切換手段を備えてもよい。
上記構成のように、用紙搬送路の途中に搬送切換手段を設けることにより、搬送経路を適宜選択することによって、透明トナー像の不可視/可視が切換可能となる。
上記画像形成装置において、前記高温剥離定着手段は、前記用紙搬送路の途中に設けられた第1加熱ロールと、前記用紙搬送路を挟んで前記第1加熱ロールと対向する位置に前記第1加熱ロール側に押し付けるように設けられる第1加圧ロールと、を備え、
前記冷却剥離定着手段は、前記用紙搬送路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、前記第2加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記用紙搬送路の順に挟んで対向する位置に前記第2加熱ロール側に押し付けるように設けられる第2加圧ロールと、を備えることが好ましい。
上記画像形成装置において、前記高温剥離定着手段によって高温剥離定着処理を施された用紙上の透明トナー像に対する正反射成分を検出する反射成分検出手段と、検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、を備えることが望ましい。
上記画像形成装置において、前記高温剥離定着手段によって高温剥離定着処理を施された用紙上の透明トナー像に対し、光を照射する照射手段と、前記照射手段によって前記透明トナー像に照射された光から正反射成分を検出する反射成分検出手段と、検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、を備えることが望ましい。
上記構成により、透明トナー像を光学的および電気的に認識可能とする。
本発明が採用する情報抽出装置の構成は、上記画像構造体を構成する透明トナー像に対し、正反射成分が検出されるか否かを判定する反射成分判定手段と、前記反射成分判定手段により正反射成分が検出された場合に、この正反射成分を検出する反射成分検出手段と、検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、前記反射成分判定手段により正反射成分が検出されない場合に、前記高温剥離定着手段により定着処理を再度実行させる再定着実行処理と、を備えることを特徴としている。
本発明が採用する情報抽出装置の他の構成は、上記画像構造体を構成する透明トナー像に対し、光を照射する照射手段と、前記照射手段によって前記透明トナー像に照射された光から正反射成分が検出されるか否かを判定する反射成分判定手段と、前記反射成分判定手段により正反射成分が検出された場合に、この正反射成分を検出する反射成分検出手段と、検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、前記反射成分判定手段により正反射成分が検出されない場合に、前記高温剥離定着手段により定着処理を再度実行させる再定着実行処理と、をさらに備えることを特徴としている。
本発明は、画像の表面を滑らかにした高光沢とした場合には、情報を示す透明トナー像は高光沢を損なうことなくカラートナー像または受像層に埋め込まれ、一方その表面が低光沢とした場合には、透明トナー像がカラートナー像または受像層から隆起して透明トナー像の認識を可能にする。これにより、透明トナー像が示す情報が、画像の表面を低光沢にすることにより抽出可能とする。さらに、画像が形成された用紙を、冷却剥離定着処理または高温剥離定着処理に選択的に搬送することにより、透明トナー像が不可視状態または可視状態にすることが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
(画像形成装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成体(以下、印刷物という)を形成するための画像形成装置100の概略構成を示した図である。この画像形成装置100は、給紙部1、トナー像形成部2、搬送路切換部3、高温定着部4、冷却定着部5およびUI部6に大別される。なお、同図において、一点鎖線は用紙の搬送経路Rを示している。
また、UI部6は、ユーザにより操作入力が行われるとともに操作者に対する表示を含む報知が可能なタッチパネル等のユーザインタフェースであり、このUI部6は各部の動作を制御する制御部61に接続される。
(給紙部1の構成)
給紙部1は、用紙トレイ11、12、13と、複数の搬送ロール14と、レジストロール15とを備える。用紙トレイ11、12、13は、それぞれ決められたサイズ・種類の用紙を収容しており、適切なタイミングで用紙を供給する。搬送ロール14は用紙トレイ11,12,13内に貯えられた用紙をトナー像形成部2へ向けて搬送経路Rに沿って搬送する。レジストロール15は用紙がトナー像形成部2に進入するタイミングを調整するものである。
また、用紙トレイ11,12,13内に貯えられた用紙は、搬送経路Rに沿ってトナー像形成部2、搬送路切換部3、定着部4,5に搬送され、定着部4,5にて用紙に定着された印刷物は、排出トレイ16,17に搬送される。さらに、搬送経路Rの途中から用紙を挿入する手差しトレイ18が設けられ、この手差しトレイ18にセットされた用紙においても、同様の経路に沿って搬送される。
(トナー像形成部2の構成)
トナー像形成部2は、感光体ドラム21と、帯電器22と、露光器23と、現像器24と、一次転写ロール25と、中間転写ベルト26と、二次転写ロール27と、バックアップロール28とを具備する。感光体ドラム21は表面に光導電層の形成された像担持体であり、図示せぬ駆動装置により図中の矢印A方向に回転されられる。帯電器22は感光体ドラム21表面に電荷を与え、これを一様に帯電させる。露光器23はレーザダイオード等のビーム発光源(図示せず)を備え、帯電された感光体ドラム21表面にビーム光を照射することで照射部分の電荷を消失させ、各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像器24はいわゆる5サイクル方式の現像装置である。現像器24はY、M、C、K各色とT透明のトナーを収容しており、画像データに応じたトナーを感光体ドラム21に供給して感光体ドラム21表面の静電潜像からトナー像を作像する。一次転写ロール25は中間転写ベルト26を介して感光体ドラム21と対向し、この対向する位置においてトナー像を中間転写ベルト26に転写する。
中間転写ベルト26は無端のベルト部材で構成され、一次転写ロール25、二次転写ロール27および各ロールによって張架されている。中間転写ベルト26は図中の矢印B方向に回転され、転写されたトナー像を二次転写ロール27との間に形成されるニップ領域に搬送する。二次転写ロール27は電気的に接地(アース)されており、図示せぬ電源が接続されたバックアップロール28との間に電位差を生じさせる。中間転写ベルト26表面のトナー像はこの電位差によって移動され、二次転写ロール27とバックアップロール28とが対向する位置において給紙部1から供給された用紙の表面に転写される。トナー像が転写された用紙は搬送路切換部3へと搬送される。
(搬送路切換部3の構成)
搬送路切換部3は、搬送ベルト31と、駆動ロール32と、テンションロール33とを備える。搬送ベルト31は無端のベルト部材であり、駆動ロール32とテンションロール33とによって張架される。駆動ロール32は搬送ベルト31を回転させ、トナー像を転写された用紙を高温定着部4あるいは冷却定着部5へ搬送させる。テンションロール33は搬送ベルト31が適当な張力となるようにその位置を移動させるとともに、用紙の搬送路を切り換える。つまり、テンションロール33は、ユーザによって設定された印刷物の光沢(高・低)に応じて搬送路が選択される。図中の実線で示した位置は、高光沢を得るための搬送路であり、二点鎖線で示した位置は、低光沢を得るための搬送路である。テンションロール33の位置変化に伴い、用紙の搬送路を形成する搬送ベルト31の位置も変化する。
(高温定着部4の構成)
高温定着部4は、加熱ロール41と、加圧ロール42とを備える。加熱ロール41は、熱伝導性の高い金属製のコア表面にシリコンゴムからなる弾性体層を被覆し、さらに弾性体層の表面に厚さ30μmのPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)からなる離型層を被覆してなるロール状部材である。加熱ロール41の内部には、例えばハロゲンランプ等の熱源が設けられており、この熱源が加熱ロール41の表面温度が所定の温度となるように内部から加熱している。
加熱ロール41が用紙を加熱する温度はトナーの溶融温度に依存するが、本実施形態においては180℃程度である。例えば、加熱ロール41の外径は30mm、加熱ロール41の幅(有効長)は310mmであり、加熱ロール41は図示せぬ駆動装置によって回転され、用紙を140〜200mm/sec程度の速度で搬送する。加圧ロール42は、外径が30mm、幅300mmのロール状部材であり、加熱ロール41に対して所定の圧力で押圧する。そして、加圧ロール42を加熱ロール41側に付勢させることにより、加熱ロール41との間にニップ領域を形成される。
この高温定着部4を通過した用紙の温度は、冷却定着部で剥離されたときの画像の温度より高い温度に設定されている。透明トナーの有無による光沢差を大きくするという観点から、剥離時の温度差が20度以上であることが好ましい。また、同様の観点から、高温剥離における透明トナーの樹脂の粘複素粘度が10(Pa・S)以下であることが好ましい。また、高温条件下での剥離性を高めるため、シリコーンオイルなどの離型オイルを塗布することが好ましい。
(冷却定着部5の構成)
一方、冷却定着部5の構成を図2を参照しながら説明する。冷却定着部5は上述の高温定着部4がある位置よりも下方の位置にあり、定着ロール51と、加圧ロール52と、定着ベルト53と、冷却装置54と、剥離ロール55と、ステアリングロール56とを備える。定着ロール51は、内部にハロゲンランプ等の熱源51Aを備える。定着ロール51の幅(有効長)は240mm、外径は60mmである。定着ロール51は図示せぬ駆動装置によって図中C方向に回転されるとともに、その表面が所定の温度となるように加熱する。この「所定の温度」とは、トナーを溶融させ、かつ受像層を軟化させる程度の温度であり、本実施形態においては95℃程度である。
なお、定着ロール51の回転速度、すなわち用紙を搬送する速度は、高温定着部4のそれよりも低く、20mm/sec程度である。これは、用紙を低速で搬送することにより用紙に十分な熱量を与え、かつ、定着ロール51の高速回転によりトナーのオフセットの誘発を抑制するためである。
加圧ロール52は、内部にはハロゲンランプ等の熱源52Aが備わっている。この加圧ロール52は図示せぬ駆動装置によって図中D方向に回転されるとともに、その表面が120℃程度となるように加熱する。加圧ロール52の幅(有効長)は240mm、外径は60mmである。また、加圧ロール52が定着ベルト53表面に対して与える荷重は、約1800Nである。
定着ベルト53は、熱硬化性ポリイミド製の無端状フィルムの表面にゴム硬度(JIS−A)50°程度のシリコンゴムによる平滑性の高い被覆層が形成されたベルト部材である。定着ベルト53の周長は550mm、幅は250mmであり、ポリイミドの厚さは100μm、シリコンゴムの厚さは40μmである。この定着ベルト53は、定着ロール51、剥離ロール55およびステアリングロール56に張架され、定着ロール51に従動して回転移動される。
冷却装置54は、定着ロール51と剥離ロール55との間で定着ベルト53の内周面に接し、定着ベルト53の熱を吸収することによって加熱された用紙を冷却する。冷却装置54は、アルミニウム製の空冷式ヒートシンクである。冷却装置54は、用紙の搬送方向に対して80mm程度の長さを有している。
剥離ロール55は定着ベルト53の移動に従動して回転する。剥離ロール55が定着ベルト53を巻き付けながら張架することで、用紙は用紙自体の剛性によって定着ベルト53から自然に剥離されて排出される。ステアリングロール56は定着ベルト53を張架するとともに、定着ベルト53を連続的に循環移動させたときに生じる偏り(定着ベルト53がステアリングロール56のいずれかの端部の方向へ移動する現象)を修正する。
定着ベルト53は、加熱ロール41と加圧ロール42とのニップ部で、カラートナー像と透明トナー像が形成された用紙Pの表面と接触し、カラートナー像及び透明トナー像が加熱溶融される(加熱加圧工程)。
用紙Pと定着ベルト53とは溶融したトナー層を介して接着された状態で剥離ロール55まで運ばれるが、この間に、定着ベルト53、カラートナー像、透明トナー像及び用紙の受像層は冷却装置54で冷却される(冷却工程)。
このため、用紙が剥離ロール55に到達すると、剥離ロール55の曲率によって、透明トナー像、カラートナー像及び用紙の受像層は一体となって定着ベルト53から剥離する(剥離工程)。
以上により、用紙P上に高光沢のカラー画像が形成される。
このような作像過程において、用紙P及び定着ベルト53については、画像構造体が所望の範囲に収まるように選定することが必要である。
光沢の高い画像構造体を得るには、定着ベルト53の表面粗さを小さくすることが好ましく、また用紙Pの厚みを増やす、裏面に熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
ここで、透明トナーの好ましい溶融特性としては、トナー樹脂として、定着過程のトナー像温度における粘度が10〜5×104(P・s)範囲であればよい。
10以下であると、透明トナー層のオフセット(定着ベルト53に透明トナーが残留し易い)という問題があり、また、5×104以上であると、透明トナーの粒子形状が残り、光沢の高い画像構造体を実現し難い。
光沢の高い画像構造体を実現するには、定着ベルト53及び用紙Pの弾性特性を適正に設定することが好ましい。定着ベルト53の好ましい硬度特性としては、硬度(アスカC)が30〜60度、厚みが20〜50μmの弾性層を備えていればよい。硬度が低すぎる又は弾性層が厚すぎると、トナーや用紙Pによっては、画像全面に渡って均一な光沢度を持つという要求を満たされない。
一方、硬度が高すぎる又は弾性層の厚さが薄すぎると、高濃度部と低濃度部との段差部分が定着ベルト53に密着し難くなり、均一な表面ができない。また、画像全面に渡って均一な高い光沢度を実現するには、冷却剥離における受像層、カラートナー、透明トナーの樹脂の粘複素粘度が10(Pa・S)以上であることが好ましい。
このように構成される画像形成装置100であっては、スキャナやコンピュータ等の外部装置から入力された画像データに応じたトナー像を形成し、これを用紙に転写および定着させることにより画像構造体(印刷物)を生成する。一方、用紙トレイ11,12,13内に貯えられた用紙は、搬送経路Rに沿ってトナー像形成部2、搬送路切換部3、定着部4,5に搬送され、用紙に画像が形成された印刷物として排出トレイ16,17に排出される。
さらに、本実施形態の定着部4,5にあっては、用紙の受像層m、カラートナーtおよび透明トナーctにおける動的粘弾性が後述する関係にある場合、冷却定着部5にて定着が施された用紙Pの画像は図3(a)のようになり、高温定着部4にて定着が施された用紙の画像は図3(b)のようになる。つまり、冷却定着部5にて定着が施された用紙Pの画像は透明トナー像ctが平滑化されて高光沢となって、透明トナー像ctが不可視状態となり、高温定着部4にて定着が施された用紙の画像は透明トナー像ctが隆起して低光沢となって、透明トナー像ctが可視状態となる。
また、画像形成装置100は、操作者によるUI部6の操作により、搬送路切換部3によって定着部4,5への用紙の搬送を切り換える。
つまり、操作者が高光沢の画像を望む場合には、操作者はUI部にてその設定を行い、冷却定着部5に用紙を搬送する。これにより、表面が高光沢となり、透明トナー像ctが埋め込まれて不可視状態となった印刷物が排出トレイ17に搬送される。
一方、操作者が、低光沢の画像が望む場合、或いは高光沢の印刷物から透明トナー像ctを可視化する場合には、操作者はUI部にてその設定を行い、高温定着部4に用紙を搬送する。これにより、表面が低光沢となり、透明トナー像ctが隆起されて可視状態となった印刷物が排出トレイ16に搬送される。
(情報抽出システム)
さらに、透明トナー像から情報を抽出する情報抽出システムについて、図4および図5を参照しつつ説明する。
この情報抽出システム70は、図4のブロック図に示す通り、透明トナー像を埋め込んで高光沢にして透明トナー像を不可視状態とする情報埋め込み手段71と、埋め込まれた透明トナー像を隆起させて低光沢にして透明トナー像を可視状態とする情報復元手段72と、可視化された透明トナー像から像情報を検出する像情報検出手段73と、検出された像情報からこの透明トナー像に示された情報を読み出す情報処理手段74と、を備えている。
[情報埋め込み手段]
情報埋め込み手段71は、前述した画像形成装置100の冷却定着部5に当たる。カラー画像をカラートナーで現像することに加えて、画像に関する情報 (出力装置、出力時間、出力者、画像作成者、画像の変更履歴)などの情報をテキストまたはコード化して、透明トナー像としてトナー像形成部2で用紙Pに現像される。この画像は、冷却定着部5において冷却剥離定着処理されることで、画像全面に渡って均一な高光沢画像を形成できる。この際、透明トナー像ctは、受像層mまたはカラートナー像tに埋め込まれる為に、不可視状態となる。
[情報復元手段]
情報復元手段72は、前述した画像形成装置100の高温定着部4に当たる。つまり、情報埋め込み手段71で埋め込んだ透明トナー像ctを、高温剥離定着手段により低光沢画像が形成れきる。この際、透明トナー像ctは、受像層mまたはカラートナー像tから隆起(復元)させて可視化状態となる。
[像情報検出手段]
図5は印刷物に復元された透明トナー像ctの像情報を検出するための装置(像情報検出手段73)である。
同図において、光源81からの光をコリメータレンズ82で平行光線束にし、光束絞り83でサイズを絞り画像を照明する照明手段80と、光束絞り83に画像からの反射光を通して、画像からの正反射光を切り出し、これを、照明光に対して正反射方向に位置する反射率測定手段85に照射し、正反射光線束の強度を測定する。印刷物を矢印方向に移動させることにより、透明トナー像ctの形成された部分は、透明トナー像ctの無い部分よりも正反射率が低下するので、正反射率の低い領域は透明トナー像ctがあるところに相当する。
[画像処理手段]
画像処理手段74は、像情報検出手段73の反射率測定手段85で検出した正反射率の低い領域の二次元分布を、二次元の透明トナーによる埋め込み情報と見なし、この二次元分布から透明トナーで書き込んだテキスト情報やコード情報を求め、これを画像の素性などの元情報に変換する。
なお、前記像情報検出手段73および情報処理手段74は、画像形成装置100に内蔵してもよいし、別途外部に用意するようにしてもよい。
(画像構造体の構成)
次に、上述した画像形成装置100によって形成される画像構造体について説明する。
本実施形態では、用紙およびトナーを後述する条件のものを装着することによって、図3に示すような画像構造体(印刷物)が生成される。
図3(a),(b)は、本実施形態による印刷物を示した断面図である。
印刷物は、熱可塑性樹脂を少なくとも含む受像層mを有する用紙P上に、カラートナー像t、そして透明トナー像ct1,ct2(以下、特に区別することがない場合、「透明トナー像ct」という)が積層される。図3においては、便宜上、透明トナーを2箇所に形成した場合を例示している。
用紙Pは、熱可塑性樹脂を含有する受像層mを備える必要があるが、必要に応じてその他の層、例えば、保護層(バック層)、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを適宜選択してもよい。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
また、用紙の厚みは100〜250μmが好ましい。100μm未満ではプリントが薄すぎて質感が低下する。250μmを超えると定着におけるエネルギーが大きく、またカラートナー像と透明トナー像を転写することが難しくなる為である。
[受像層m]
前記受像層mは、カラートナー像tや透明トナー像ctを受容する。該受像層mは、現像(転写)工程にて、(静)電気、圧力等にて中間転写体(或いは現像ドラム)により画像を形成するトナー像を受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
前記受像層mの材質としては、熱可塑性樹脂を少なくとも含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
ここで、熱可塑性樹脂としては、定着時等の温度条件下で変形可能であり、トナーを受容し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーのバインダー樹脂と同系の樹脂が好ましい。前記トナーの多くにおいてポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂が用いられているので、この場合、前記電子写真用受像シートに用いられる熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を用いるのが好ましく、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を20質量%以上含有するのがより好ましく、また、スチレン、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体なども好ましい。
前記熱可塑性樹脂の例としては、例えば、(イ)エステル結合を有する樹脂、(ロ)ポリウレタン樹脂等、(ハ)ポリアミド樹脂等、(ニ)ポリスルホン樹脂等、(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等、(ヘ)ポリビニルブチラール等、(ト)ポリカプロラクトン樹脂等、(チ)ポリオレフィン樹脂等、などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上でもよく、これらに加えて、これらの混合物、これらの共重合体等も使用することも可能である。
また、熱可塑性樹脂は、前記受像層mを形成した状態で後述の受像層の物性を満足できるものが好ましく、樹脂単独でも前述の受像層物性を満足できるものがより好ましく、受像層物性の異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
さらに、前記熱可塑性樹脂は、トナーに用いられている熱可塑性樹脂に比べて分子量が大きいものが好ましい。但し、分子量はトナーに用いられている熱可塑性樹脂と、前記受像層mに用いられている樹脂との熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記受像層mに用いられている樹脂の軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記受像層mに用いられている樹脂の方が小さいことが好ましい場合がある。
前記熱可塑性樹脂として、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。また、前記熱可塑性樹脂の分子量分布としては、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いものが好ましい。
前記受像層mに使用される熱可塑性樹脂としては、
(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出が無く、環境適性、作業適性に優れる。
(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定でかつ製造工程適性優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)を得易い。
等の理由により、水可溶性樹脂、水分散性樹脂等の水系樹脂であることが特に好ましい。
本実施形態においては、前記熱可塑性樹脂として、下記(1)〜(4)の特性を満たす自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルションを用いる。これは、界面活性剤を使用しない自己分散型なので、高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、定着時のオフセット発生、保存時のシート間接着故障の発生を抑制できる。また水系であるため環境性、作業性に優れている。更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーが受像層mに埋め込まれて十分な高画質が達成可能となる。
(1)数平均分子量(Mn)は5000〜10000が好ましく、5000〜7000がより好ましい。
(2)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は≦4が好ましく、Mw/Mn≦3がより好ましい。
(3)ガラス転移温度(Tg)は40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
(4)体積平均粒子径は20〜200nmφが好ましく、40〜150mmφがより好ましい。
前記受像層mの厚さは、使用されるトナーの粒子径の1/2以上、好ましくは、1〜3倍の厚さであることが適当である。また、受像層mの厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、5〜15μmが適当である。
[カラートナー]
また、カラートナー像tを形成するカラートナーは、例えば着色顔料を熱可塑性樹脂に分散してなる公知の電子写真用カラートナー粒子を溶融定着してなる。前記カラートナーの組成、平均粒径等については、本実施形態に対応する範囲の中から適宜選択される。
ここで、用紙Pとの密着性、低温定着性の観点から熱可塑性樹脂はポリエステルであることが好ましい。また、帯電性や流動性の観点からトナー粒子のまわりにはシリカ粒子、酸化チタン粒子などの無機微粒子が付着されることが好ましい。更に、滑らかな調子再現・解像性・粒状性などの観点から体積平均粒子径は3〜10μmであることが好ましい。また、前記カラートナーの粒径は、特に限定する必要はないが、後述する露光装置による静電潜像を忠実に再現できる機能を有することを考えると4〜8μmがより望ましい。
また、カラートナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有してなる絶縁性の粒子など適宜選定して差し支えないが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種類のものを使うことが好ましい。
カラートナー像tの厚みは画像の色や濃度によって異なり、白紙部ではカラートナー像tはなく、画像濃度に応じて厚みは変化する。後述の好ましい表面の面質を得る観点から、カラートナー像tは最大厚み部分において、15μm以下が好ましい。
前記結着樹脂としては、透明トナーにおける結着樹脂として後に例示したものが挙げられる。また、結着樹脂は、重量平均分子量5000〜12000のポリエステルであることが好ましい。
また、前記着色剤としては、トナー用として通常用いられている着色剤であれば特に制限はなく、それ自体公知のシアン顔料または染料、マジェンタ顔料または染料、イエロー顔料または染料、ブラック顔料または染料の中から選択できる。好ましくは、高光沢が得られる効果を高めるためには、着色剤の顔料とバインダーの界面での乱反射を抑えることが重要となる。本実施の形態において用いられるカラートナーは、適宜作製されたものであってもよいし、市販品であってもよい。
[透明トナー像]
また、透明トナー像ctは、透明トナーを溶融定着した層である。
ここで、光沢表面を得るという観点から、透明トナー像ctの厚みは5μm以上であることが好ましい。但し、厚みが30μmを超えると、画像のカールやひび割れを生じやすく、30μm以下であることが好ましい。
前記透明トナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂を含有してなる。本実施形態においては『透明トナー』とは、光吸収や光散乱による着色を目的とした色材(着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性粉など)を含まないトナー粒子であることを意味する。
また、本実施形態における透明トナーは通常、無色透明であるが、その中に含まれる流動化剤や離型剤の種類や量によっては、透明度が若干低くなっていることがあるが、実質的に無色透明であれば全て適用可能である。
前記結着樹脂としては、実質的に透明であればよく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中でも、用紙Pとの密着性、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000〜40000、かつ、ガラス転移点が55〜75度未満であることが好ましい。
また、前記透明トナーにおいて、高い光沢度をムラなく均一に得るためには、トナーの流動性と帯電性との制御が必要になる。前記透明トナーの流動性と帯電性とを制御する観点から、前記透明トナーのトナー表面に、無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
前記無機微粒子としては、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが挙げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
前記樹脂微粒子としては、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フっ素系樹脂などが挙げられる。
無機微粒子及び樹脂微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、透明トナーの表面に該無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
さらに、透明トナーにはワックス(WAX)が添加されていることが好ましい。
WAXの組成としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80〜110度のWAXが2〜8重量%の比率で添加されていることが好ましい。また、前記透明トナーの粒径は、特に限定する必要はない。
但し、厚みの厚いトナー層を形成する観点から、体積平均粒子径は5〜20μmであることが好ましい。なお、前記透明トナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
(具体例)
発明者は、上記構成の画像形成装置100によって、高温定着部4または冷却定着部5に用紙を搬送することにより、図3に示す印刷物を得るための実験を行った。
具体化した例を示す。なお、下記の「部」は重量部を意味する。
以下、トナーおよび受像層の物性について説明する。
− カラートナー現像剤 −
A.マゼンタ現像剤の製造
i)トナーの調製
ポリエステル樹脂 95部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物−テレフタル酸;Tg:65℃、Mn:3500、Mw:10000)
C.I.ピグメント・レッド57:1 5部
上記材料をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力分級で分級して平均粒径7μmのトナー粒子を得た。一方、平均粒径15nmの非晶質チタニア(出光興産(株)製)100gにオルトカプリン酸メチル10gをメタノール中で30分間攪拌し、濾過、乾燥した後、ビンミルで解砕して第一の外添剤を得た。また、平均粒径40nmの乾式シリカ(OX50;日本アエロジル(株)製)をヘキサメチルジシラザン15gで処理して第二の外添剤を得た。上記トナー粒子100部に第一の外添剤0.8部および第二の外添剤0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合してマゼンタトナーを調製した。
このトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=1.0×10(Pa)、
=1.0×10(Pa・S)、
Tanδ=10.0
ii)キャリアの調製
粒径80μmのCu−Znフェライト100部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1部のメタノール溶液を添加し、ニーダーで混合した後、メタノールを蒸発させ、120℃で2時間加熱して上記シランを完全に硬化させた。この第一層の帯電制御層を被覆したキャリアにジメチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート(2:20:78)共重合体1.0部を添加し、ニーダーで混合し、110℃で1時間加熱して第二層の表面被覆層を被覆した2層コートキャリアを調製した。
iii)現像剤の調製
このキャリア100部に対して上記マゼンタトナー8部をペイントシェーカーで混合してマゼンタ現像剤を製造した。
B.イエロー現像剤の製造
トナーの着色剤をC.I.ピグメント・イエロー97およびキャリアの第一層を形成するγ−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を0.08部に変更した以外は、マゼンタ現像剤と同様にしてイエロー現像剤を製造した。
このトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=1.0×10(Pa)、
=1.0×10(Pa・S)、
Tanδ=10.0
C.シアン現像剤の製造
トナーの着色剤をC.I.ピグメント・ブルー15:3およびキャリアの第一層を形成するγ−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を0.05部に変更した以外は、マゼンタ現像剤と同様にしてシアン現像剤を製造した。
このトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=1.0×10(Pa)、
=1.0×10(Pa・S)、
Tanδ=10.0
− 透明トナー現像剤 −
以下に示す乳化重合・凝集法で透明トナーを作製した。
−樹脂微粒子分散液の調整−
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g,四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=25000の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
−透明トナー母粒子の作製−
上記樹脂分散液260gにポリ塩化アルミニウム(PAC100W:浅田化学社製)1.8gを添加し、更にイオン交換水900gを加え、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて混合、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで攪拌した。その後、60分間保持した後、コールターカウンター(コールター社製)で粒子サイズを測定すると6.8μmであった。その後、この分散液に0.1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7に調整した後、攪拌を継続しながら、80℃まで加熱し、30分間保持した。冷却後、コールターカウンターで平均粒径を測定すると7.0μmであった。この樹脂粒子を濾別しイオン交換水で4回洗浄した後、再度、固形分濃度10重量%に合わせてスラリー化した。
(透明トナー現像剤)
上記透明トナー母粒子100部にメタチタン酸(平均粒径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、シリカ(平均粒径140nm、HMDS処理、ゾルゲル法)2部をヘンシェルミキサーで周速30m/秒×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。
この透明トナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=4.0×10(Pa)、
G’=4.0×10(Pa)、
=5.7×10(Pa・S)、
Tanδ=1.0
この透明トナー母粒子8部に、マゼンタ現像剤と同じキャリア100部を混合して透明トナー現像剤を調整した。
用いたトナー材料の評価は以下の通り実施した。分子量の測定はゲルパーミッションクロマトグラフィを用いた。溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。
トナーの平均粒径はコールターカウンターを用いて測定して、重量平均のd50を適用した。
− 用紙 −
−支持体の調製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/mの原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m、CaCl0.8g/mを付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cmに調整した。得られた原紙において、受像層mが設けられる側において、金属ロールが接するように通紙した。金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の白色度は91%、王研式平滑度は265秒、ステキヒト・サイズ度は127秒であった。
得られた原紙を、出力17kWのコロナ放電によって処理した後、裏面に表面マット粗さ10μmのクーリングロールを用い、下記表1に示した組成のポリエチレン樹脂を溶融吐出膜温度320℃、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートし、厚さ22μmのポリエチレン樹脂層を設けた。
次に、受像層mを塗設する側である原紙の表面に表面マット粗さ0.7μmのクーリングロールを用い、LDPEとTiOをマスターバッチ化したペレット及び群青を5%含むマスターバッチ化したペレットを混合したものを、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートして厚さ29μmの受像層mを設けた。その後、表面に18kW、裏面に12kWのコロナ放電処理を施した後、表面にはゼラチン下塗り層を設け、支持体を作製した。
得られた支持体の表面上に、自己分散型ポリエステル樹脂水分散物(分子量 Mw=10000)、カルナバワックス水分散物、二酸化チタンのPVA分散物、及び分子量約10万のポリエチレンオキサイドを、最終的に下記の表の塗設量組成になるようにして、受像層mをバーコーターで設け、電子写真用の用紙を作製した。
この受像層の定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=1.0×10(Pa)、
=1.0×10(Pa・S)、
Tanδ=10.0

(表)
Figure 0004862620
次に、上述した如くに生成されたカラートナー、透明トナーおよび受像層を有する用紙を前記画像形成装置の現像器24および用紙トレイにセットする。
そして、実際に印刷物の生成を行った。
画像形成装置100においては、定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/秒である。画像信号100%部分でのカラートナー及び透明トナーの現像量が各色とも0.6(mg/cm)となるように、トナーとキャリアとの重量比率、感光体ドラム21、帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
この実験では、カラートナー像を現像し、カラーのポートレート画像を形成した。さらに余白部には透明トナーでバーコード情報を現像した。
− 冷却定着部 −
冷却定着部5は図2に示すように構成されており、定着ベルト53は、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフイルムに、50μm厚みのKE4895シリコンゴム (信越化学工業(株)製)を塗布したものを使用した。
また、二つの加熱ロール51及び加圧ロール52は、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール51,52表面の温度は双方ともに140度に調節されている。このとき定着ニップにおける定着温度FTは120℃だった。定着速度は30mm/秒とした。また、ニップ幅は6mmに設定されており、ニップを通り抜ける時間tは0.2秒である。剥離位置での用紙Pの温度は70℃となっている。
この冷却定着部5を抜けた後の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…85
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分) …88
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分) …93
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分) …85
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分) …88となった。
このように、冷却定着部5によって冷却剥離定着処理を施された印刷物の表面には高光沢な画像が形成できた。その理由は、透明トナー像の部位においても透明トナー像が他の部位に埋め込まれているためである。そして、埋め込まれた透明トナーは、元来可視光領域において認識し難い顔料が使用されているため、不可視状態となる。
− 高温定着部 −
一方、高温定着部4を通過することによって、用紙には高温剥離定着処理が施される。二つの加熱ロール41及び加圧ロール42は、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール41,42表面の温度は双方ともに140度に調節されている。このとき定着ニップにおける定着温度FTは120℃だった。定着速度は30mm/秒とした。また、ニップ幅は6mmに設定されており、ニップを通り抜ける時間tは0.2秒である。ロールのニップ部を抜けた直後に剥離されるので、剥離位置での用紙Pの温度は130℃となっている。また、剥離性を高めるため、図示していない離型オイル供給装置により、加熱ロール表面にジメチルシリコンオイルを塗布した。
冷却定着部5を経て高光沢の画像が形成された印刷物を手差しトレイ18にセットしてUI部6を操作して現像を行わずに、高温定着部4へ印刷物を搬送して、再度定着処理を施す。得られた印刷物では、透明トナー像の部位が低光沢になった。この画像の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…80
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、K透明トナー像の被覆率が0%部分)…80
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…85
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…20
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…30となった。
透明トナー像を形成したところだけが、極端に低光沢な画像となる。そして、この理由は、透明トナー像が他の部位(受像層およびカラートナー像)から隆起しており、この隆起によって透明トナー像の可視化が図られる。
さらに、高温剥離定着処理を施した画像を、情報抽出システム70の像情報検出手段73で検出した結果、透明トナー像ctの反射率が他の領域に比べて約50%程度低い2次元反射率分布が得られた。情報処理手段74では、検出された2次元反射率分布を最大反射率に対して75%の閾値で二値化して、二値の二次元画像情報に変換した上で情報を抽出することにより、透明トナーで書き込んだバーコード情報を正確に抽出することができる。
次に、比較例として上述したような画像構造(冷却剥離定着処理により高光沢な表面が得られ、高温剥離定着処置により低光沢な表面が得られる)が得られない場合の比較例1,2について例示する。
比較例1
透明トナー現像剤を以下に変更したこと以外は、具体例と同様である。
−透明トナー現像剤−
テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4000、Mw=8500)を用い、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=8μmの透明微粒子を作製した。この透明微粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
無機微粒子AはSiO (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量 1.0重量部)である。無機微粒子BはTiO (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
有色トナーと同じキャリア100重量部と、このトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
この透明トナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=3.0×10(Pa)、
=3.0×10(Pa・S)、
Tanδ=30.0
この冷却剥離定着装置を抜けた後の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…85
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…88
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…93
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…93
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…95となった。
画像全面に渡って高光沢な画像が形成できた。
一方、冷却定着部5から排出された印刷物を、この高温定着部4で再度定着したところ、透明トナー像域も高光沢のままだった。この画像の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…80
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、K透明トナー像の被覆率が0%部分)…80
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…85
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…83
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…88となった。
全面が一様に高光沢な画像構造体となった。
高温剥離定着処理された画像を、像情報検出手段73で読み取ると、透明トナー像ctの反射率とその他の領域の反射率との差は10%未満であり、2次元反射率分布に画像処理を施しても透明トナー像域を判別できなかった。
◎比較例2
カラートナー現像剤を以下に変更したこと以外は具体例1と同様である。
[カラートナー母粒子の製造]
−樹脂微粒子分散液の調整−
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=25000の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
−着色剤分散液(1)の調整−
カーボンブラック ・・・・・・60g
(モーガルL:キャボット製)
ノニオン性界面活性剤 ・・・・・・6g
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 ・・・・・・240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
−着色剤分散液(2)の調整−
Cyan顔料B15:3 ・・・・・・60g
ノニオン性界面活性剤 ・・・・・・5g
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 ・・・・・・240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均
粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
−着色剤分散液(3)の調整
Magenta顔料R122 ・・・・・・60g
ノニオン性界面活性剤 ・・・・・・5g
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 ・・・・・・240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均
粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
−着色分散液(4)の調整−
Yellow顔料Y180 ・・・・・・90g
ノニオン性界面活性剤 ・・・・・・5g
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 ・・・・・・240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
−離型剤分散液−
パラフィンワックス ・・・・・・100g
(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
カチオン性界面活性剤 ・・・・・・5g
(サニゾールB50:花王(株)製)
イオン交換水 ・・・・・・240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
−トナー母粒子K1の調整−
樹脂微粒子分散液 ・・・・・・234部
(複合微粒子調整の時に作製したもの)
着色剤分散液(1) ・・・・・・30部
離型剤分散液 ・・・・・・40部
シリカゾル ・・・・・・13部
(平均粒径50nm、シリカ濃度40wt%)
ポリ塩化アルミニウム ・・・・・・1.8部
(浅田化学社製、PAC100W)
イオン交換水 ・・・・・・600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で30分保持した後、D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50は5.3μmとなった。その後、この凝集粒子を含む分散液に26重量部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1のD50が6.0μmであった。
このKトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=4.0×10 (Pa)、
G’=4.0×10 (Pa)、
=5.7×10(Pa・S)、
Tanδ=1.0
−トナー母粒子C1の調整−
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外は、トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子C1を得た。このトナー母粒子C1のD50は5.7μmであった。
このCトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=4.0×10 (Pa)、
G’=4.0×10 (Pa)、
=5.7×10(Pa・S)、
Tanδ=1.0
−トナー母粒子M1の調整−
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外は、トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1のD50は5.5μmであった。
このMトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=4.0×10 (Pa)、
G’=4.0×10 (Pa)、
=5.7×10(Pa・S)、
Tanδ=1.0
−トナー母粒子Y1の調整−
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外は、トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1のD50は5.9μmであった。
このYトナーの定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=4.0×10 (Pa)、
G’=4.0×10 (Pa)、
=5.7×10(Pa・S)、
Tanδ=1.0
上記KCMY各色のトナー母粒子100部に、メタチタン酸(平均粒径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、シリカ(平均粒径140nm、HMDS処理、ゾルゲル法)2部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、カラートナーを得た。
このカラートナー8部に、具体例のマゼンタ現像剤と同じキャリア100部を混合して透明トナー現像剤を調整した。
この冷却剥離定着装置を抜けた後の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…85
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…88
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…90
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…88
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…92となった。
画像全面に渡って高光沢な画像が形成できた。
一方、冷却剥離定着装置を抜けた後の画像を、この高温剥離定着装置で再度定着したところ、透明トナー像域とカラートナー像域が低光沢になった。この画像の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…80
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…18
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…30
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…22
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…28となった。
高温剥離定着処理された画像を、像情報検出手段73で読み取ると、透明トナー像域とカラートナー像域の反射率は共に非画像域の60%未満であり、透明トナー像域とカラートナー像域の反射率差は10%未満となった。得られた2次元反射率分布を元に画像処理を施しても透明トナー像域とカラートナー像域の差を判別できなかった。
発明者は、上記実験結果から、受像層(m)、カラートナー(t)および透明トナー(ct)の動的粘弾性の関係が、下記の数式1を満足すれば、前述した画像構造体(印刷物)が得られることに到達した。
(数1)
10<Gm<105.5
Gt<10
Gct<10
3<Gm/Gt<10
Tδt/Tδct>5.0
但し、各記号は下記の表に示す通りである。
Figure 0004862620
上記数式は、以下の理由により導き出された。
つまり、Gmが下限値(10)を下回ると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、Tδmが小さいと受像層に大きな歪みが貯まるため、高温剥離定着処理を施したときに受像層の歪みが開放され、透明トナー像域と非画像域との光沢差が小さくなってしまう。一方、Gmが上限値(105.5)を超えると、冷却剥離定着処理を施しても高光沢が得られ難い。
また、Gtが10を超えると、冷却剥離定着処理を施しても一様な高光沢化が難しい。
Gctが10を超えると、冷却剥離定着しても一様な高光沢化が難しい。
Gm/Gtが3を下回ると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、Tδmが小さいと受像層に大きな歪みが貯まるので高温剥離定着処理を施したときに、受像層の歪みが開放され、高光沢が得にくい。
Gm/Gtが10を超えると、冷却剥離定着処理しても一様な高光沢が得難い。
さらに、Tδt/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後にカラートナー像に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、カラートナー像域との光沢差が小さくなってしまう。
一方、Tδt/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、カラートナー像に貯まる歪みとの差が大きくなる。このため、貯まった歪みの開放する高温剥離定着処理後では、透明トナー像がカラートナー像から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が可視化される。
このように、受像層、カラートナー、透明トナーの動的粘弾性を上記の条件に設定すると、受像層の変形が小さく、カラートナーおよび透明トナーが歪むようになる。そして、冷却剥離定着処理によって得られる画像表面は高光沢となって、透明トナー像が不可視状態となり、一方高温剥離定着処理によって得られる画像表面は低光沢となって、透明トナー像が可視化状態となる。
さらに、下記の数式2を満足させても、前述した印刷物が得られる。
(数2)
Gm<10
Gt<10
Gct<10
Tδm/Tδct>5.0
Tδt/Tδct>5.0
上記数式は、以下の理由により導き出された。
つまり、Gm,Gt,Gctのいずれかが下限値(10)を超えると、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢にはなり難く、カラートナー像と透明トナー像とを平坦にすることは難しく、透明トナー像をカラートナー像に生み込み難くなる。
Tδm/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後に受像層に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、受像層域との光沢差が小さくなってしまう。
また、Tδm/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、カラートナー像に貯まる歪みとの差が大きくなる。このため、貯まった歪みが開放される高温剥離定着処理後では、透明トナー像がカラートナー像から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が目視にて認識し易くなる。
さらに、Tδt/Tδctが5.0以下の場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面における仕上がりは高光沢となるものの、冷却剥離定着処理後にカラートナー像に貯まる歪みと透明トナー像に貯まる歪みの差が小さく、高温剥離定着処理による透明トナー像域と、カラートナー像域との光沢差が小さくなってしまう。
一方、Tδt/Tδctが5.0を超える場合、冷却剥離定着処理によって得られるトナー像の表面は高光沢となり、かつ透明トナー像に貯まる歪みと、カラートナー像に貯まる歪みとの差が大きくなる。このため、貯まった歪みが開放する高温剥離定着処理後では、透明トナー像がカラートナー像から浮いた(隆起した)状態となり、透明トナー像が可視化される。
このように、受像層、カラートナー、透明トナーの動的粘弾性を上記の条件に設定すると、受像層、カラートナーおよび透明トナーが全て歪み、透明トナーの歪みだけが緩和されないようになる。そして、冷却剥離定着処理によって得られる画像表面は高光沢となって、透明トナー像が不可視状態となり、一方高温剥離定着処理によって得られる画像表面は低光沢となって、透明トナー像が可視化状態となる。
(変形例)
1)前記実施形態では、高温剥離定着手段を高温定着部4として画像形成装置100に冷却定着部5と共に内装するものとして述べたが、高温剥離定着手段は別途に設けてもよい。
例えば、オーブンレンジのような加熱装置を使用し、温度を95℃に設定し、5分間加熱することであっても、同様の作用が得られる。
実際に実験した結果、具体例で示した状態で、冷却定着部5を経た印刷物を、この高温剥離定着装置(オーブンレンジ)で再度定着したところ、透明トナー像域が低光沢になった。この画像の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…83
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…85
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…90
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…18
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…25となった。
透明トナー像を形成したところだけが、低光沢な画像となった。
さらに、高温剥離定着処理された画像を、像情報検出手段73で読み取ると、透明トナー像ctの反射率がその他の領域に比べて約45%程度と低い2次元反射率分布が得られた。情報処理手段74では、まず、読み込んだ2次元反射率分布を最大反射率に対して75%の閾値で二値化して、二値の二次元画像情報に変換した。この二次元画像情報は透明トナーで書き込んだバーコード情報を正確に再現できた。
2)本発明は具体例に限らず、上記数式1或いは数式2を満足する範囲であればよい。発明者は、例えば用紙を下記に変更した場合についても実験した。
まず、具体例と同様にして得られた支持体の表面上の全面、一様に、下記の要領で作った透明トナー現像剤を用いて、透明トナー像を形成した。透明トナー像の現像重量は10g/mとした。
− 透明トナー現像剤 −
テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4000、Mw=8500)を用い、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=8μmの透明微粒子を作製した。この透明微粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
無機微粒子AはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子BはTiO (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
有色トナーと同じキャリア100重量部と、このトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
次に、上記の透明トナーが現像された用紙をオーブン加熱装置(ヤマト科学(株)製 オーブン DK300)に入れて、槽内の温度を100℃に設定し、10分間加熱し、熱可塑性樹脂からなる受像層を持つ用紙を作製した。
この受像層の定着温度(120℃)での粘弾性は以下の通りとなる。
G”=1.0×10(Pa)、
G’=3.0×10(Pa)、
=3.0×10(Pa・S)、
Tanδ=0.033
冷却定着部5を経た印刷物の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…95
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…92
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…95
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…88
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…90となった。
画像表面には全面に渡って高光沢な画像が形成できた。
一方、冷却定着部5を抜けた後の画像を、この高温定着部4で再度定着したところ、透明トナー像域が低光沢になった。この画像の光沢度(20度)をBYK-Gardner社のマイクログロスで測定したところ、
非画像域(CMYKトナー各色、透明トナーの像の何れも形成されていない部分)…95
カラートナー中間調部(CMYK各色のトナー被覆率が共に30%で、透明トナー像の被覆率が0%部分)…88
カラートナーベタ部(CMY各色のトナー被覆率が共に100%、Kトナーと透明トナー像の被覆率が0%部分)…89
透明トナー中間調部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率30%の部分)…25
透明トナーベタ部(CMYKトナー各色の像の何れも形成されてなく、透明トナー被覆率100%の部分)…35となった。
透明トナー像を形成したところだけが、低光沢な画像が形成できた。
そして、高温剥離定着処理された画像を、像情報検出手段73で読み取ると、透明トナー像ctの反射率がその他の領域に比べて約50%程度と低い2次元反射率分布が得られた。情報処理手段74では、まず、読み込んだ2次元反射率分布を最大反射率に対して75%の閾値で二値化して、二値の二次元画像情報に変換した。この二次元画像情報は透明トナーで書き込んだバーコード情報を正確に再現できた。
さらに、具体例等を加味して印刷物の光沢度が、受像層にトナー像を形成する際の処理が冷却剥離定着処理であった場合には、定着後の全画像域の光沢度が入射角20°の場合に70以上となり、受像層にトナー像を形成する際の処理が高温剥離定着処理であった場合には、定着後のカラートナー像域および透明トナー像域以外の用紙上の領域の光沢度が入射角20°の場合に50以上となり、かつ透明トナー像域の光沢度が前記他の領域の光沢度より20以上低くなる際に、高光沢の場合には透明トナー像が不可視状態となり、低光沢の場合には透明トナー像が可視状態となることが認識される。
3)前記画像形成装置100では、搬送路切換部3によって用紙搬送路を分岐させて高温定着部4と冷却定着部5に用紙を搬送させるようにしたが、本発明はこれに限らず、高温定着部4の後段に冷却定着部5を設けるようにして、これらの定着部4,5間の経路途中に、冷却定着部5への搬送路と外部への搬送路とに分ける切換部を設けるようにしてもよい。
4)冷却定着部5において、加熱ローラ51と加圧ローラ52にそれぞれ加熱部51A,52Aを内蔵するものとしてが、本発明はこれに限らず、加熱ローラ51にのみ加熱部を内蔵するようにしてもよい。これにより、電力消費の無駄を省くことができる。
5)前記実施形態では、ドラム型の画像形成装置について例示したが、之に限らず、タンデム型の画像形成装置であってもよく、中間転写ベルト26等の中間転写体を用いずに、感光体ドラム21から用紙にトナー像を直接形成するようにしてもよい。
6)前記実施形態では、画像形成装置100によって画像構造体(印刷物)を製造する場合について述べたが、予め受像層の上に用紙情報を示した透明トナー像を形成しておいてもよい。この場合には、カラートナー像が形成されない領域に透明トナー像を形成する必要がある。
実施形態による画像構造体を生成するための画像形成装置を示す概略図である。 実施形態に用いられる冷却定着部を示す構成図である。 画像構造物(印刷物)を示す断面図である。 情報抽出システムを示すブロック図である。 像情報検出手段を示す構成図である。
符号の説明
P…用紙,m…受像層、t…カラートナー層,ct…透明トナー層,100…画像形成装置,1…給紙部,2…トナー像形成部,3…搬送路切換部,4…高温定着部,5…冷却定着部。

Claims (15)

  1. 受像層を有する用紙と、
    当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像であって、当該透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理が施されることにより前記受像層から隆起して表面の光沢度が当該受像層よりも低くなることによって可視化され、一方、当該透明トナー像を前記用紙に当該定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理が施されることにより前記受像層に埋め込まれて表面が前記第1の定着処理の場合よりも高光沢となって不可視化され透明トナー像と、を備える
    ことを特徴とする画像構造体。
  2. 請求項1記載の画像構造体において、
    前記受像層または前記透明トナーには熱可塑性樹脂が含有される
    ことを特徴とする画像構造体。
  3. 受像層を有する用紙と、
    定着処理が施されることにより前記受像層に形成され、画像を示すカラートナー像と、
    当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像であって、前記カラートナー像および当該透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理が施されることにより、前記受像層または前記カラートナー像から隆起して表面の光沢度が周囲よりも低くなることによって可視化され、一方、前記カラートナー像および当該透明トナー像を前記用紙に当該定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理が施されることにより前記受像層または前記カラートナー像に埋め込まれて表面が前記第1の定着処理の場合よりも高光沢となって不可視化され透明トナー像と、を備える
    ことを特徴とする画像構造体。
  4. 受像層を有する用紙と、前記受像層に形成され、画像を示すカラートナー像と、前記受像層または前記カラートナー像に形成され、当該画像構造体に関する情報を含む情報を示す透明トナー像と、を具備する画像構造体であって、
    前記受像層にトナー像を形成する際の処理が前記カラートナー像および前記透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却することなく当該定着部材から剥離させる第1の定着処理であった場合には、定着後のカラートナー像域および透明トナー像域以外の用紙上の領域の光沢度が入射角20°の場合に50以上となり、かつ透明トナー像域の光沢度が前記他の領域の光沢度より20以上低くなり、
    前記受像層にトナー像を形成する際の処理が前記カラートナー像および前記透明トナー像を前記用紙に前記定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に当該用紙を冷却し、冷却後に当該用紙を当該定着部材から剥離させる第2の定着処理であった場合には、定着後の全画像域の光沢度が入射角20°の場合に70以上となる
    ことを特徴とする画像構造体。
  5. 請求項3または4記載の画像構造体において、
    前記受像層、前記カラートナー像または前記透明トナーには熱可塑性樹脂が含有される
    ことを特徴とする画像構造体。
  6. 請求項3または4記載の画像構造体において、
    当該画像構造体を得るために、受像層、カラートナーおよび透明トナーにおける動的粘弾性の関係は、以下の式を満足する
    ことを特徴とする画像構造体。
    定着過程で加圧部を通過する時間をt、前記第2の定着処理における定着温度をFTとしたときに、温度FT、周波数1/t、歪み量20%の粘弾性測定条件下において、
    10<Gm<105.5
    Gt<10
    Gct<10
    3<Gm/Gt<10
    Tδt/Tδct>5.0
    但し、上記記号は、以下の表とする。
    Figure 0004862620
  7. 請求項3または4記載の画像構造体に
    おいて、
    当該画像構造体を得るために、受像層、カラートナーおよび透明トナーにおける動的粘弾性の関係は、以下の式を満足する
    ことを特徴とする画像構造体。
    定着過程で加圧部を通過する時間をt、前記第2の定着処理における定着温度をFTとしたときに、温度FT、周波数1/t、歪み量20%の粘弾性測定条件下において、
    受像層(m)、カラートナー(t)および透明トナー(ct)に対し、
    Gm<10
    Gt<10
    Gct<10
    Tδm/Tδct>5.0
    Tδt/Tδct>5.0
    但し、上記記号は以下の表とする。
    Figure 0004862620
  8. 用紙の受像層上に、カラートナー像および透明トナー像を現像する現像手段と、
    トナー像が形成された用紙が搬送される用紙搬送路と、
    前記第1の定着処理を行うことにより、請求項3または4に記載の画像構造体を形成すべく、前記用紙搬送路に沿って搬送された用紙上のカラートナー像および透明トナー像を前記用紙に加熱加圧して定着させる第1の定着手段と、
    前記第2の定着処理を行うことにより、請求項3または4に記載の画像構造体を形成すべく、前記用紙搬送路に沿って搬送された用紙上のカラートナー像および透明トナー像を前記用紙に定着部材を介在させて加熱加圧して定着させた後に、当該用紙を冷却して当該定着部材から剥離させる第2の定着手段と、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記用紙搬送路には、前記第1の定着手段または前記第2の定着手段に用紙を選択的に搬送する搬送切換手段を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記用紙搬送路には、前記第1の定着手段を通過した用紙を前記第2の定着手段に搬送するか否かを選択する搬送切換手段を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記第1の定着手段は、前記用紙搬送路の途中に設けられた第1加熱ロールと、
    前記用紙搬送路を挟んで前記第1加熱ロールと対向する位置に前記第1加熱ロール側に押し付けるように設けられる第1加圧ロールと、を備え、
    前記第2の定着手段は、前記用紙搬送路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、
    前記第2加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記用紙搬送路の順に挟んで対向する位置に前記第2加熱ロール側に押し付けるように設けられる第2加圧ロールと、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記第1の定着手段によって前記第1の定着処理を施された用紙上の透明トナー像に対する正反射成分を検出する反射成分検出手段と、
    検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、をさらに備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記第1の定着手段によって前記第1の定着処理を施された用紙上の透明トナー像に対し、光を照射する照射手段と、
    前記照射手段によって前記透明トナー像に照射された光から正反射成分を検出する反射成分検出手段と、
    検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、をさらに備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1,3または4のいずれかに記載の画像構造体を構成する透明トナー像に対し、正反射成分が検出されるか否かを判定する反射成分判定手段と、
    前記反射成分判定手段により正反射成分が検出された場合に、この正反射成分を検出する反射成分検出手段と、
    検出された反射成分から透明トナー像を解析して情報を読み出す情報解析手段と、
    前記反射成分判定手段により正反射成分が検出されない場合に、前記第1の定着手段による前記第1の定着処理を再度実行させる再定着実行処理と、を備える
    ことを特徴とする情報抽出装置。
  15. 請求項14に記載の情報抽出装置において、
    前記透明トナー像に対して光を照射する照射手段を備えた
    ことを特徴とする情報抽出装置。
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