JP5556516B2 - 静電荷像現像用透明トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 - Google Patents
静電荷像現像用透明トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
例えば、特許文献1には、写真領域には静電荷像現像用透明トナーによる層を形成して光沢度の高い画像とし、文字領域には静電荷像現像用透明トナーの層の形成は行わずに光沢度の低い画像とするカラー画像形成方法や、全面光沢、全面非光沢を選定し、画像全面を光沢又は非光沢とするカラー画像形成方法が開示されている。
また、特許文献2には、適度に赤味を帯びた色相に改善される静電荷現像用透明トナーが開示されている。
<1>少なくとも結着樹脂と離型剤とを含むトナー母粒子に、BET比表面積250〜500m2/gであり、体積平均粒径150〜250nmである酸化チタンを0.1〜5重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用透明トナー、
<2>前記結着樹脂としてポリエステル樹脂を含む、<1>に記載の静電荷像現像用透明トナー、
<3><1>又は<2>に記載の静電荷像現像用透明トナーとキャリアとを含むことを特徴とする静電荷像現像剤、
<4>画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用透明トナーを収容することを特徴とするトナーカートリッジ、
<5>少なくとも現像剤保持体を備え、画像形成装置に着脱可能であり、<3>に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ、
<6>像保持体を帯電させる帯電工程、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像工程、前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写工程、及び、前記転写像を定着する定着工程、を含み、前記トナーが<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用透明トナー、又は、前記現像剤が<3>に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法、
<7>前記基材の白色度が65以上である、<6>に記載の画像形成方法、
<8>前記基材の白色度と前記静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度との差が10以下である、<7>に記載の画像形成方法、
<9>像保持体、前記像保持体を帯電させる帯電手段、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像手段、前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写手段、及び、前記転写像を定着する定着手段、を有し、前記トナーが<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用透明トナー、又は、前記現像剤が<3>に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置、
<10>前記基材の白色度が65以上である、<9>に記載の画像形成装置、
<11>前記基材の白色度と前記静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度との差が10以下である、<10>に記載の画像形成装置。
上記<2>に記載の手段により、結着樹脂としてのポリエステル樹脂による黄色味が低減された画像を形成する静電荷像現像用透明トナーが提供される。
上記<3>に記載の手段により、結着樹脂による黄色味が低減された画像を形成する静電荷像現像剤が提供される。
上記<4>に記載の手段により、結着樹脂による黄色味が低減された画像を形成するトナーカートリッジが提供される。
上記<5>に記載の手段により、結着樹脂による黄色味が低減された画像を形成するプロセスカートリッジが提供される。
上記<6>に記載の手段により、結着樹脂による黄色味が低減された画像を形成する画像形成方法が提供される。
上記<7>に記載の手段により、白色度が65以上の基材上の非画像部と静電荷像現像用透明トナーのみを載せた画像部との白色度差による違和感が低減された画像を形成する画像形成方法が提供される。
上記<8>に記載の手段により、白色度が65以上の基材上の非画像部と静電荷像現像用透明トナーのみを載せた画像部との白色度差による違和感がより低減された画像を形成する画像形成方法が提供される。
上記<9>に記載の手段により、結着樹脂による黄色味が低減された画像を形成する画像形成装置が提供される。
上記<10>に記載の手段により、白色度が65以上の基材上の非画像部と静電荷像現像用透明トナーのみを載せた画像部との白色度差による違和感が低減された画像を形成する画像形成装置が提供される。
上記<11>に記載の手段により、白色度が65以上の基材上の非画像部と静電荷像現像用透明トナーのみを載せた画像部との白色度差による違和感がより低減された画像を形成する画像形成装置が提供される。
本実施形態の静電荷像現像用透明トナー(以下、単に「透明トナー」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂と離型剤とを含むトナー母粒子に、BET比表面積250〜500m2/gであり、体積平均粒径150〜250nmである酸化チタンを0.1〜5重量%含有することを特徴とする。
なお、本実施形態において、「A〜B」との記載は、「A以上B以下」と同義であり、その両端であるA及びBも含む。
本実施形態の透明トナーは、透明トナーに含まれる結着樹脂の着色による色味の差を低減するものである。本実施形態の透明トナーに含まれる特定のBET比表面積、及び、特定の体積平均粒径を有する酸化チタンは、青色領域の光を高い効率で反射する。そのため、結着樹脂がもつ着色、特に結着樹脂がもつ黄色味を、黄色と補色の関係にある青色の光で低減する。
本実施形態の透明トナーは、少なくとも結着樹脂を含有する。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体又は共重合体が例示される。また、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類が挙げられる。この中でも、結着樹脂としては、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂が好ましく、特にポリエステルが好ましい。
ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
三価以上のポリカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独又は2種以上で併用される。
ポリオールのうち三価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
二価以上の芳香族カルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びトリメリット酸が好ましく、テレフタル酸及びトリメリット酸がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂では、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなることが好ましく、主鎖部分の炭素数が4〜20である直鎖型ジカルボン酸、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。直鎖型であると、ポリエステル樹脂の結晶性に優れ、結晶融点が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性に優れる。また、炭素数が4以上であると、トナー中におけるカルボン酸エステル結合の濃度が適切であるため電気抵抗が適度であり、トナーの帯電性に優れる。また、炭素数が20以下であると、実用上の材料の入手が容易である。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
三価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の一価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の一価のアルコールも用いられる。
ポリエステルは、例えば、上記ポリオールとポリカルボン酸と、必要に応じて触媒とを、温度計、撹拌機、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の分子量に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造される。
本実施形態の透明トナーは、少なくとも離型剤を含有する。
本実施形態に用いられる離型剤は、特に制限はなく、公知のものが用いられ、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等が挙げられる。誘導体とは酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も用いられる。
本実施形態に使用される酸化チタンは、好ましくは酸化チタンの一次粒子が集合した略球状の二次粒子である。ここで、「略球状」とは、長径と短径との比(短径/長径)が0.75以上であることを意味する。前記二次粒子は、好ましくは一次粒子同士が粗な状態で集合したものであり、多くの孔(空隙)を有する多孔体である(以下、「多孔質酸化チタン」ともいう。)。
BET比表面積が250m2/g未満であると、反射した光の強度が弱くなる。
BET比表面積が500m2/gを超えると、形状が崩れ分布が悪化し特定の波長の身を散乱する効果が低下する。
酸化チタンのBET比表面積は、300〜500m2/gが好ましく、350〜500m2/gがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、青色の波長の散乱を十分な強度で得られるため好ましい。
BET比表面積は、窒素置換法によって測定される。例えばSA3100比表面積測定装置(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、3点法により測定される。具体的には、測定試料として酸化チタン5gをセルに入れ、60℃、120分の脱気処理を行い、窒素とヘリウムの混合ガス(30:70)を用いて測定する。
多孔質酸化チタンの体積平均粒径が150nm未満であると、光を透過し、青色の光を反射しない。
また、多孔質酸化チタンの体積平均粒径が250nmを超えると、青色の分光反射率が低下し、反射する波長が赤色側にシフトし目的の補正効果が得にくくなる。
前記多孔質酸化チタンの体積平均粒径は、160〜240nmが好ましく、170〜230nmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、十分な青色領域の散乱が得られるため好ましい。
なお、一次粒子となる酸化チタンの体積平均粒径は、1〜50nmが好ましい。
なお、多孔質酸化チタンの体積平均粒径、及び、一次粒子となる酸化チタンの体積平均粒径は、電子顕微鏡写真による画像解析により測定される。多孔質酸化チタンの体積平均粒径は、透明トナーから酸化チタンを分離して測定される。測定する酸化チタンは前述のBET比表面積測定で用いられた酸化チタンを用いることができる。
具体的には、チタン塩の水溶液に脂肪族アルコール等を添加し、これを加熱すると白色の沈殿物が形成される。これを酸で加熱処理した後、更にアルカリ処理によりpHを調整し、水洗、乾燥(更に焼成も可)することが好ましい。なお、上記アルカリ処理を省略した場合、収率や品質が低下する。
チタン塩水溶液の濃度は、0.1〜5mol/Lが好ましい。
また、脂肪族アルコール等の添加量が多すぎる場合には、形状が崩れたり、BET比表面積が小さくなる。
例えば、チタン塩として硫酸チタニルを用いた場合にはアナターゼ型の酸化チタンが得られるが、形状やBET比表面積の点などから、脂肪族アルコールの濃度は、チタン塩水溶液中0.1〜5mol/Lが好ましく、0.5〜3mol/Lがより好ましい。
また、チタン塩水溶液として四塩化チタン水溶液を用いた場合には、脂肪族アルコール(例えばグリセリン)の濃度はチタン塩水溶液中1.5〜5mol/Lが好ましく、1.5〜3mol/Lがより好ましい。
なお、上記範囲は後述するカルボキシ基を有する化合物、又は、カルボニル基を有する化合物を併用する場合にはその限りではない。
酸化チタンの形状を略球状にするためには多価アルコールを用いることが好ましい。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルプロパンジオール、ジエチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール等が好適に用いられ、特に好ましくはグリセリンである。
酸加熱処理における酸の添加量は、スラリー中のチタンに対して1〜8モル当量が好ましい。加熱条件としては、用いる原料、添加剤、濃度等に応じて適宜決定すればよいが、加熱による加水分解の条件と同様の範囲である。
チタン塩水溶液として四塩化チタン水溶液を用いた場合、アナターゼ比率50重量%以上とするためには、脂肪族アルコール1molに対し、酢酸2mol以上を用いることが好ましい。また、カルボキシ基を有する化合物、又は、カルボニル基を有する化合物を併用すると、併用しない場合に比して多孔質酸化チタンの粒径がより小さくなる傾向がある。また、添加剤の使用量も低減できる。
これらのうち、好ましいものとしてカルボン酸、カルボン酸塩が挙げられ、更に好ましいものとして酢酸、シュウ酸、サリチル酸、プロピオン酸、コハク酸、マロン酸、安息香酸が挙げられ、特に好ましいものとして酢酸、プロピオン酸が挙げられる。
また、四塩化チタン溶液に、四塩化チタン1molに対してグリセリン0.1〜5molを添加し、更に酢酸をグリセリンに対して2倍mol当量以上添加して加熱加水分解し、その後更に酸で加熱処理する方法も特に好ましい方法の一つである。
0.1重量%未満であると、青色散乱による補正効果が低下する。
5重量%を超えると、透明トナーの透明性が低下する。
本実施形態においては、酸化チタンの含有量は、1〜4重量%が好ましく、1.5〜3.5重量%がより好ましい。上記の数値の範囲内であると、青色散乱による補正効果が得られると共に透明トナーの透明性も確保できるであるため好ましい。
本実施形態における酸化チタンが青色の光を高い分光反射率で反射することは、例えば分光光度計ウルトラスキャンVIS(HunterLab社製)により測定される。
本実施形態において、透明トナーの透明性を確保できる限り、トナー内部に内添剤を添加してもよい。内添剤は一般に定着画像の粘弾性制御の目的で使用される。
前記内添剤の具体例としては、シリカ、チタニアのような無機粒子や、ポリメチルメタクリレート等の有機粒子などが例示され、また、分散性を高める目的で表面処理されていてもよい。またそれらは単独でも、2種以上の内添剤を併用してもよい。
本実施形態において、透明トナーの透明性を確保できる限り、透明トナーには流動化剤や帯電制御剤等の外添剤を添加処理してもよい。
外添剤としては、表面をシランカップリング剤などで処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子、アミン金属塩、サリチル酸金属錯体等、公知の材料が用いられる。本実施形態に用いられる外添剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の透明トナーの体積平均粒径は、2〜9μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。上記範囲であると、帯電性、及び、現像性に優れる。
また、本実施形態の透明トナーは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。体積分布指標GSDvが1.30以下であると、良好な帯電分布が得られ均一な厚みを持った画像部を形成できる。
なお、本実施形態において、透明トナーの粒径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDvの値は、次のようにして測定し算出した。まず、マルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)等の測定機を用いて測定された透明トナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々の透明トナー粒子の体積について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16vと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50vと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84vと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして定義されるこれらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)を算出される。
形状係数SF1が110以上であると、画像形成の際に転写工程での残存トナーの発生が抑制され、ブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性に優れる。
一方、形状係数SF1が160以下であると、トナーを現像剤として使用する場合に、現像機内でのキャリアとの衝突により透明トナーの破壊が防止され、結果として微粉の発生を抑制し、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染されることを防ぎ、帯電特性に優れるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等が抑制される。
本実施形態の透明トナーの製造方法は特に限定されるものではなく、混練粉砕法等の乾式法や、溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の湿式法が挙げられる。中でも、乳化凝集法で製造することが好ましい。
乳化凝集法は、乾式法である混錬粉砕法や、他の湿式法である溶融懸濁法、溶解懸濁法等に比べ、小粒子径のトナー母粒子を作製しやすく、また粒度分布の狭いトナー母粒子を得やすい。また、溶融懸濁法、溶解懸濁法等に比べ形状制御が容易であり、均一な不定形トナー母粒子が作製される。更に、被膜形成など、トナー母粒子の構造制御が容易であり、離型剤や結晶性ポリエステル樹脂を含有する場合は、これらの表面露出が抑制されるため、帯電性や保存性の悪化が防止される。
乳化凝集法は、少なくとも、トナー母粒子を構成する原料を粒子化し、各原料が分散された分散液を調製する分散工程と、原料の粒子の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を融合させる融合工程とを有する。以下、乳化凝集法によるトナー母粒子の製造工程の一例について、工程別に説明する。
樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液の作製法としては転相乳化法、溶融乳化法などが挙げられる。以下、結着樹脂を例に説明する。
転相乳化法では、分散すべき結着樹脂を、その結着樹脂が可溶な疎水性の有機溶剤中に溶解し、有機連続相(Oil相;O)に塩基を加えて、中和する。その後、水系媒体(Water相;W)を投入することによって、Water in Oil(W/O)の系を、Oil in Water(O/W)の系にすることで、有機連続相に存在した結着樹脂を不連続相に転相する。これによって、結着樹脂を、水系媒体中に粒子状に分散安定化し、樹脂粒子分散液(乳化液)が作製される。
また、各成分に対応して分散液を調製する方法だけでなく、例えば、ある成分の分散液を調製する際、溶媒に他の成分を添加して2以上の成分を同時に乳化し、分散液に複数の成分が含まれるようにしてもよい。
凝集工程においては、前記分散工程で得た樹脂粒子分散液、離型剤分散液、酸化チタンの分散液等を混合して混合液とし、結着樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、撹拌下、混合液のpHを酸性にすることによって行う。pHとしては、2〜7の範囲が好ましく、2.2〜6の範囲がより好ましく、2.4〜5の範囲が更に好ましい。
融合工程においては、前記凝集工程に準じた撹拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを4〜8の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。pHを上昇させるために使用するアルカリ溶液としてはNaOH水溶液が好ましい。NaOH水溶液は、他のアルカリ溶液である、例えばアンモニア溶液に比して、揮発性が低く、安全性が高い。またCa(OH)2などの2価のアルカリ溶液に比して、水への溶解性に優れ、必要な添加量が少なく、また、凝集の停止能力に優れる。
以上の工程を経て、融合粒子としてトナー母粒子が得られる。
混練粉砕法でトナー母粒子を作製するためには、例えば、結着樹脂、離型剤、酸化チタン等を、例えば、加圧ニーダー、ロールミル、エクストルーダー等により、溶融混練して分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級機、例えば、風力分級機等により分級して目的とする粒子径のトナー母粒子を調製する方法が用いられる。
本実施形態の静電荷像現像剤は、本実施形態の透明トナーを含有すること以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成を取り得る。本実施形態においては、キャリアと組み合わせて用いる二成分系の静電荷像現像剤として調製されることが好ましい。
キャリアの芯材としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及び、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられるが、芯材表面性、芯材抵抗の観点から、フェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましく挙げられる。
具体的には前記キャリア芯材を、前記被膜形成用液に浸漬する浸漬法、被膜形成用液を前記キャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、前記キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で前記被膜形成用液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態において、ニーダーコーター法が好ましい。
なお、体積固有抵抗は以下のように測定する。
エレクトロメーター(KEITHLEY社製、商品名:KEITHLEY 610C)及び高圧電源(FLUKE社製、商品名:FLUKE 415B)と接続された一対の20cm2の円形の極板(鋼製)である測定治具の下部極板上に、サンプルを厚さ1〜3mmの平坦な層を形成するように載置する。次いで上部極板をサンプルの上にのせた後、サンプル間の空隙をなくすため、上部極板上に4Kgの重しをのせる。この状態でサンプル層の厚さを測定する。次いで、両極板に電圧を印加することにより電流値を測定し、次式に基づいて体積固有抵抗を計算する。
体積固有抵抗=印加電圧×20÷(電流値−初期電流値)÷サンプル厚
上記式中、初期電流は印加電圧0のときの電流値であり、電流値は測定された電流値を示す。
本実施形態に係る画像形成装置、及び、画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成方法は、本実施形態に係る透明トナーを用い、公知の電子写真方式により画像を形成するものであれば特に限定されないが、像保持体を帯電させる帯電工程、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像工程、前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写工程、及び、前記転写像を定着する定着工程、を含み、前記トナーが本実施形態の透明トナー、又は、前記現像剤が本実施形態の静電荷像現像剤である画像形成方法が好ましい。
更に、カラーの静電荷現像用トナー(静電荷像現像用カラートナー)によるカラー画像を、基材表面に形成するカラー画像形成工程と、本実施形態の透明トナーによる透明画像を、前記カラー画像の少なくとも表面に形成する透明画像形成工程と、を有するものであることが好ましい。なお、透明画像を、カラー画像が形成されていない非画像部にも形成してもよい。
すなわち、本実施形態の画像形成方法は、カラー画像が形成された領域内又はカラー画像が形成された面全体の光沢感のばらつきが抑制された画像を提供する画像形成方法である。
定着工程は、(1)基材の透明トナーの転写像が形成された面が前記1対の定着部材のいずれか一方の定着部材表面と密着された状態で、基材を圧接部に通過させると同時に圧接部で転写像を加熱加圧する加熱加圧ステップと、(2)加熱加圧された基材を、転写像が転写された面と一方の定着部材表面とが密着した状態で、冷却する冷却ステップと、(3)冷却された基材を、一方の定着部材表面から剥離する剥離ステップとを含むものであることが特に好ましい(以下、上述した3つのステップを含む定着を、「冷却剥離方式(の定着)」ともいう。)。冷却剥離方式の定着では銀塩写真の如く高光沢な画像となる。
定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、前記基材の表面も可能な限り平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
前記基材の白色度は65以上が好ましく、80以上がより好ましい。
また、前記基材の白色度と前記静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度との差が10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、6以下であることが更に好ましい。
白色度は、JIS Z8715:99により測定される。また、白色度差は、前記基材の白色度と静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度とを測定し、その差を算出して求められる。
また、定着工程は、基材表面に転写された透明トナー像及び各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像(未定着のカラー画像)に対して一括して実施してもよいが、基材表面に転写された各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像を定着してカラー画像とした後に、この定着済みのカラー画像が形成された基材に透明トナー像を転写して2回目の定着を実施してもよい。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体、前記像保持体を帯電させる帯電手段、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像手段、前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写手段、及び、前記転写像を定着する定着手段、を有し、前記トナーが本実施形態の透明トナー、又は、前記現像剤が本実施形態の静電荷像現像剤であることが好ましい。
更に、本実施形態に係る画像形成装置は、静電荷現像用カラートナーによるカラー画像を、基材表面に形成するカラー画像形成手段(第1画像形成手段)と、本実施形態の透明トナーによる透明画像を、前記カラー画像の少なくとも表面に形成する透明画像形成手段(第2画像形成手段)と、を具備するものであることが好ましい。
例えば、高速な画像形成を行う場合には、各種類のトナー(静電荷像現像剤)に対応した画像形成ユニットを備えた、いわゆるタンデム方式の画像形成装置とすることができ、小型の装置を実現したい場合には、各種類のトナー(静電荷像現像剤)を現像するための現像機を1つの現像装置に備えたいわゆるロータリー現像方式を採用した画像形成装置としてもよい。
図1は、光沢付与手段を備えた本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示される画像形成装置は、大きく、カラートナー像を形成するためのカラートナー像形成装置(符号2〜16)と、透明トナー像を形成した後に、この透明トナー像とカラートナー像とを基材表面に定着するための、透明トナー像形成用の画像形成ユニット付の光沢付与装置(符号20〜33)とに分けられ、両者が搬送装置19により連結されている。
光学系6では、各色成分ごとにレーザーダイオード5が発光し、像保持体8表面に、各色成分ごとの像の光Xが照射される。一方、像保持体8は、矢印A方向に回転しながら、まず、表面が帯電機7により帯電されたのち、既述の光学系6による露光が行われ、現像機9〜12による現像に供される。
カラートナーの転写像が転写された基材17は、搬送装置19により、画像形成ユニット付の光沢付与装置に搬送される。
透明トナー像現像装置28としては、像保持体24表面に透明トナー像を形成するといった機能を有する限り、従来公知の現像装置を使用する。
加熱ロール30及び加圧ロール31としては、例えばアルミニウムからなる金属製コアの表面に、シリコーンゴムからなる弾性体層(厚さ2mm)を被覆し、特定の外径(40mmφ)に形成したものが用いられる。この加熱ロール30及び加圧ロール31の内部には、加熱源として例えば300〜350Wの図示しないハロゲンランプが設けられており、当該加熱ロール30の表面温度が特定の温度となるように内部から加熱される。
まず、前記のように、表面にカラートナーの転写像が形成された基材17が、加熱ロール30と、これに透明トナー用像保持体20を介して圧接する加圧ロール31との圧接部(ニップ部)に、カラートナーの転写像が加熱ロール30側に面するようにして導入される。
カラートナーは、少なくとも公知のトナー用結着樹脂及び着色剤を含む一般的なカラートナーであれば、特に制限はない。結着樹脂及び着色剤以外の添加成分については、本実施形態の透明トナーにおけるその他の成分と同様のものを内添又は外添してもよい。つまり、着色剤を除いて、上記本実施形態に係る透明トナーと同様な構成とすることがよい。なお、カラートナーは、好ましくはイエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーの他、ブラックトナーを含む。
本実施形態のプロセスカートリッジは、少なくとも現像剤保持体を備え、画像形成装置に着脱可能であり、本実施形態の静電荷像現像剤を収容することを特徴とする。
また、本実施形態のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも本実施形態の静電荷像現像用透明トナーを収容することを特徴とする。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体と共に画像形成装置を構成するものである。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物: 10モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物: 40モル%
・テレフタル酸: 22モル%
・フマル酸: 15モル%
・ドデセニルコハク酸無水物: 11モル%
・トリメリット酸無水物: 2モル%
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210〜250℃で徐々に減圧して、ポリエステルを合成した。
得られたポリエステルの重量平均分子量は、23,000であった。
・結着樹脂 160部
・酢酸エチル 233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N) 0.1部
上記成分を1,000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液を更に撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分濃度:30%)を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 0.5部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、離型剤を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。離型剤の体積平均粒子径は0.23μmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.06molのグリセリン及び0.3mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(1)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は350m2/gであった。
体積平均粒子径は200nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.05molのグリセリンを添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(2)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は260m2/gであった。
体積平均粒子径は200nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.05molのグリセリン及び0.6mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(3)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は480m2/gであった。
体積平均粒子径は200nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.07molのグリセリン及び0.2mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(4)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は350m2/gであった。
体積平均粒子径は160nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.05molのグリセリン及び0.3mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(5)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は350m2/gであった。
体積平均粒子径は240nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.07molのグリセリン及び0.3mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(C1)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は350m2/gであった。
体積平均粒子径は100nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.005molのグリセリン及び0.6mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(C2)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は350m2/gであった。
体積平均粒子径は400nmであった。
1mol/Lの四塩化チタン水溶液100mLに、0.008molのグリセリン及び0.3mol酢酸を添加し、90℃で3時間加熱した後、ろ過した。得られた白色粉体を100mLのイオン交換水に分散し、0.4molの塩酸を加えて、再度90℃で3時間加熱した。水酸化ナトリウムによりpH7に調整した後、ろ過水洗、乾燥(105℃、12時間)して酸化チタン(C3)の粉体を得た。
得られた粉体のBET比表面積は200m2/gであった。
体積平均粒子径は200nmであった。
<透明トナーの調製>
・樹脂粒子分散液:200部(固形分60部)
・離型剤分散液:35部(固形分7部)
・酸化チタン(1):3部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4,000rpmで剪断力を加えながら10分間分散して混合した。
次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.5部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5,000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、撹拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、42℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2〜3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は5.4μmであった。
次に、樹脂粒子分散液:100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。更に44℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、95℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、95℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥して透明トナーの母粒子を得た。得られた透明トナーの母粒子の体積平均粒子径は6.2μmであった。
この透明トナーの母粒子100部に対して、外添剤として、SiO2粒子(体積平均粒子径50nm)1部を添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した。
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、GSDv:1.20):100部
・トルエン:14部
・ポリメタクリル酸メチル−パーフルオロオクチルメチルアクリレート共重合体(共重合比、70:30、臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC−72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、ポリメタクリル酸メチル−パーフルオロオクチルメチルアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いで、この被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
実施例1の透明トナー8部とキャリア100部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して実施例1の静電荷像現像剤を作製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(2)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(3)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(4)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(5)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
トナー母粒子に含まれる酸化チタン(1)の含有量を0.2重量%に変更した以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
トナー母粒子に含まれる酸化チタン(1)の含有量を5重量%に変更した以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
トナー母粒子に含まれる酸化チタン(1)の含有量を0.05重量%に変更した以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
トナー母粒子に含まれる酸化チタン(1)の含有量を10重量%に変更した以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(C1)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(C2)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)に代えて酸化チタン(C3)を用いた以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
酸化チタン(1)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして透明トナー、及び、静電荷像現像剤を調製した。
画像出力には、DocuCentre Color500(富士ゼロックス(株)製)を用いた。実施例1の静電荷像現像用透明トナー及び静電荷像現像剤をトナーカートリッジと現像機とに充填し、評価用の画像形成装置とした。
基材は、A4用紙(C2紙、富士ゼロックス(株)製、JIS P 8148により測定した白色度80)を用いた。
評価画像として、単位面積あたりの透明トナーの量が1.0mg/cm2となるベタ画像(1.2cm×17.0cm幅、出力方向が長辺)を出力し、以下の官能テスト、及び、白色度差により実施例1の透明トナーを評価した。
評価画像(透明トナー量1.0mg/cm2)と非画像部とを目視により比較し、以下の基準により色味を評価した。
1:色味に差がなかった。
2:酸化チタンを含まない透明トナーを0.1mg/cm2用いて形成された画像と同程度の色味の差があるが、実用上問題はない。
3:酸化チタンを含まない透明トナーを0.3mg/cm2用いて形成された画像と同程度の色味の差があるが、実用上問題はない。
4:酸化チタンを含まない透明トナーを0.6mg/cm2用いて形成された画像と同程度の色味の差が感じられ、実用上問題となる。
5:酸化チタンを含まない透明トナーを1.0mg/cm2用いて形成された画像と同程度の顕著な色味の差があり、実用上問題となる。
1〜3を合格とした。評価結果を表1に示した。
得られた評価画像部の白色度と、評価画像が形成されていない非画像部分の白色度とをJIS P 8148に基づいて測定し、白色度差(Δ白色度)を算出した。
評価結果を表1に示した。
2 照明
3 カラースキャナ
4 画像処理装置
5 レーザーダイオード
6 光学系
7、108 帯電機
8、107 像保持体
9 イエロー現像機
10 マゼンタ現像機
11 シアン現像機
12 ブラック現像機
13 中間転写ベルト
14 転写コロトロン
15、16 転写ロール
17、300 基材
19 搬送装置
20 透明トナー用像保持体
21 透明トナー用現像手段
22 転写定着手段
23 冷却用ヒートシンク
24 像保持体
25 帯電装置
26 露光装置
27 透明トナー像信号形成装置
28 透明トナー像現像装置
29、112 転写装置
30 加熱ロール
31 加圧ロール
32 剥離ロール
33 従動ロール
34 透明トナーの像
35 カラートナーの像
111 現像機
113 クリーニング装置
115 定着装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
Claims (10)
- 少なくとも結着樹脂と離型剤とを含むトナー母粒子に、
BET比表面積250〜500m2/gであり、体積平均粒径150〜250nmである酸化チタンを0.1〜5重量%含有し、
前記結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、
前記酸化チタン以外の着色剤を含まず、
1.0mg/cm 2 で基材上に定着された場合、可視光の透過率が90%以上であることを特徴とする
静電荷像現像用透明トナー。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用透明トナーとキャリアとを含むことを特徴とする
静電荷像現像剤。 - 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも請求項1に記載の静電荷像現像用透明トナーを収容することを特徴とする
トナーカートリッジ。 - 少なくとも現像剤保持体を備え、画像形成装置に着脱可能であり、請求項2に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とする
プロセスカートリッジ。 - 像保持体を帯電させる帯電工程、
帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、
前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像工程、
前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写工程、及び、
前記転写像を定着する定着工程、を含み、
前記トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用透明トナー、又は、前記現像剤が請求項2に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする
画像形成方法。 - 前記基材の白色度が65以上である、請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記基材の白色度と前記静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度との差が10以下である、請求項6に記載の画像形成方法。
- 像保持体、
前記像保持体を帯電させる帯電手段、
帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段、
前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、現像像を形成する現像手段、
前記現像像を、基材上に転写し転写像を形成する転写手段、及び、
前記転写像を定着する定着手段、を有し、
前記トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用透明トナー、又は、前記現像剤が請求項2に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする
画像形成装置。 - 前記基材の白色度が65以上である、請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記基材の白色度と前記静電荷像現像用透明トナーのみが定着された基材の白色度との差が10以下である、請求項9に記載の画像形成装置。
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