JP4861609B2 - 有機物質の除去方法および除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子デバイス用基板等の表面清浄化のため、基体上に付着した有機物質の除去方法および除去装置に関するものである。具体的には、基体上の油膜や塗料膜等の一般的な有機被膜の除去、特に半導体用ウェーハ、液晶用基板等の加工に際して使用するフォトレジスト等の有機被膜の除去、およびそれら基体上の有機汚染被膜・微粒子の除去に関するものである。
酸化膜やポリシリコン膜の微細加工に使用したフォトレジストの除去に関しては、通常、硫酸(3容または4容)と過酸化水素(1容)との混合液(ピラニアと呼ばれている)を110〜140℃に加熱し、そこに該レジストの被着した基体等を10〜20分浸漬する方法が採用されている。レジストマスクで高濃度のイオン注入を行った場合には、レジストが変質してしまうためピラニア処理では簡単には除去できなくなるので、プラズマ励起酸素によるアッシングが一般に行われている。ドライエッチング後の表面が変質したレジストの場合においても同様である。しかし、全部のフォトレジストをアッシングしてもレジスト由来の有機変質物、微粒子、微量金属等が残り、また加工された溝の側壁に生じた変質膜も残る。さらに、アッシングは高エネルギーのプラズマによるため、ウェーハ表面に半導体デバイスとしては有害な損傷が生じる。そこで、レジスト膜を僅かに残してアッシングし、その後はピラニア処理により、あるいは配線金属膜加工の場合にはn−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アミン類等の有機溶剤で処理してレジストを除去することが行われている。
しかし、ピラニア処理は大量の硫酸を排出するし、有機溶剤を使用する場合もその使用量が多いので、いずれにしても環境面での問題が大きい。そこで、最近オゾン水を用いたレジスト除去が試みられている。オゾンの水への溶解度は低温になるほど高く、高濃度オゾン含有ガス(以下、オゾンガスという)を用いると、0℃近い冷水でのオゾンの溶解量は70〜100ppmに達する。しかし、このようなオゾン水処理では、LSI製造で広く使われているI線用ノボラック樹脂系ポジ型レジスト膜の場合、剥離時間が0.1μm/分以下と遅く、実用的に十分とはいえない。最近、高濃度オゾンガスを水蒸気と併用して処理する方法や、加圧したオゾンを用いた高濃度オゾン水で処理する方法が開発されているが、その剥離速度は1μm/分程度で遅く、また下地がCu、W、Mo等の配線金属膜である場合に損傷を与えやすい。
上述したようなピラニア処理にしろ、有機溶剤処理にしろ、生産性の点から洗浄容器に入れた液中でウェーハの入ったキャリアを多数処理している。前者では、過酸化水素が分解して水になり漸次希釈され、過酸化水素を追加しなければならないが、これにも限界がある。したがって、容器内の薬液の寿命は意外に短く、結局大量の硫酸を排出することとなり環境対策に費用がかかるのが実情である。後者では、繰り返し使用すると液に溶解したレジストが蓄積していき、ウェーハへの逆汚染が増加するので、リンス液の負担が大きくなる。したがって、かなり早い時点で容器内の液の交換が必要となる。このように、両者ともに経済性が良いとはいえない。
また、有機溶剤によるレジスト除去のほとんどは下地が配線金属膜の場合に使われる。通常、高い剥離性能を有する除去剤はアミン類を含んでおり、直接純水リンス処理を後続させるとアルカリ性の強い部分を生じて、下地の金属膜に損傷を与える危険が大きい。そのため、一旦イソプロピルアルコール等で該溶剤を置換してから純水リンス処理がなされ、有機溶剤消費量の増大を余儀なくされている。
より具体的には、以下のような技術が提案されている。
まず、エキシマレーザー光を真空中で照射して、アブレーション(削磨)作用でレジストを分解・除去する技術が提案されているが(特許文献1)、レーザー照射により気化・飛散した物質を迅速に基体表面から除去して再付着を防止するためにレーザー照射を高真空の環境下で行わなければならない。しかし、高真空環境下においてレーザー照射を制御することは極めて困難である。次に、剥離するレジストの表面に図形、模様等のけがきを施し、剥離液によりレジストを剥離する方法が提案されているが(特許文献2)、ミクロンオーダー乃至サブミクロンオーダーの無数のレジストパターンがある基板上で、それらすべてに対してけがきを施すことは困難であるという問題がある。
また、レジストに高ドーズ量のイオン注入を行うと、レジスト表面の変質硬化が起こりやすくなり有機溶剤等による処理だけでは剥離除去が困難となるため、さらにアッシングを行わなければならない。しかし、該レジストをアッシングすると内部の未変質領域からガス成分が発生し、レジストが爆発する、いわゆるポッピング現象が起こりやすいという問題がある。この問題は近年のアッシング技術の向上に伴って解決され、該レジストをアッシングすることは可能となったが、剥離面に形成されるレジスト灰分を含む変質層の除去処理や、硫酸・過酸化水素による湿式処理(即ち、SPM処理)および稀HF処理を行う必要がある。その上、これらの処理でも問題が見つかり、ハーフアッシングの段階で前記湿式処理を行う方法が提案されている(特許文献3)。しかし、この方法にも、生産効率上の問題、すなわち真空系の装置を使用するアッシングプロセスとその後の湿式処理の2段階処理が生産効率を低下させるという問題があった。
その他にも、短パルスレーザー光をフォトレジストに施すことにより、該レジストを基板から剥離する方法が提案されているが(特許文献4)、半導体デバイス等の精密さが要求される用途においては、ウェーハ表面に半導体デバイスとしては有害な損傷が生じるという問題がある。さらに、液状の炭酸エチレンおよび/または炭酸プロピレンと、オゾンとを含有してなる処理液により基体表面の有機被膜を除去する方法が提案されているが(特許文献5)、この方法は通常のフォトレジストであれば20μm/分以上という極めて速い剥離速度が達成され、またイオン注入等により変質されたフォトレジストであっても、ドーズ量が1×1014/cm2程度であれば、数μm/分以上という十分に生産性の高い剥離速度で除去できるものである。しかし、近年開発される電子デバイスに要求される品質の多様化により、製造プロセスも多様化すると共に、その条件範囲も広がってきている。フォトレジストは、感度、解像度、ドライエッチング耐性、ベーク温度等の特性から、ノボラック系ポジ型フォトレジストが使われているが、フォトレジストの高ポストベーク温度が要求されること、1×1015/cm2以上の高ドーズイオン注入条件が要求されること、ドライエッチングでの表面層の変質硬化等で剥離速度が極端に低下すること、要求されるプロセス時間内では剥離が困難であること等の問題が出現してきた。
そこで、以上の問題点を解決し、製造工程中に損傷を受けて表面が変質・硬化したフォトレジストであっても有効に適用することのできる、有機物質の除去方法および除去装置の開発が望まれている。
特開平2−90172号公報 特開平6−244532号公報 特開平5−234880号公報 特開2003−303789号公報 特開2003−330206号公報
本発明は、上記問題を解決し、有機物質が、フォトレジスト等の有機被膜が製造工程中に損傷を受けてその部分が強度に変質硬化した有機被膜であっても、油膜、塗料等の有機被膜であっても、大きい剥離速度で除去でき、環境面での問題もない、有機物質の除去方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、第一に、表面に有機物質が付着した基体から該有機物質を除去する方法であって、
(1)前記有機物質にレーザー光を照射する工程と、
(2)上記工程(1)と並行して、または工程(1)の次に、基体上に存在する有機物質を、該基体に処理液を接触させて除去する工程と、
を有する前記有機物質の除去方法を提供する。
本発明は、第二に、有機物質が付着した基体表面の有機物質の除去装置であって、
(a)前記基体を支持する手段と、
(b)前記基体を処理液と接触させる手段と、
(c)前記有機物質にレーザー光を照射する手段と、
を有する前記有機物質の除去装置を提供する。
本発明の方法および装置を適用することにより、有機物質が、製造工程中に損傷を受けてフォトレジスト表面が強度に変質硬化した有機被膜であっても、その他の油膜、塗料膜等の有機被膜であっても、大きい剥離速度で除去できる。この方法および装置は、環境面での問題もなく、かつ経済性に優れたものでもある。
また、処理液にオゾンガスを溶解させて用いた場合には、エネルギー密度等が調整されたレーザー光、特に短パルスレーザー光を基体表面に照射することによって、従来アッシングが必要であった、極めて高いドーズ量のイオン注入を行ったレジスト膜、高温度のベークを経験したレジスト膜、およびドライエッチングにより変質したレジスト被膜を極めて短時間かつ効率的に除去することができる。
さらに、本発明の好ましい実施形態では、剥離作業の効率の点に関して、有機物質の表面変質硬化層に対する上記2段階の処理(即ち、レーザー光、特に短パルスレーザー光の照射によるアブレーションと処理液による剥離)を並行して行うことにより、相乗効果で剥離性能に優れるだけでなく、作業の容易化を実現することも可能である。
以下、本発明について詳述する。本明細書中において、「室温」とは工場のクリーンルームにおける通常の作業温度範囲(22〜27℃)を意味するものである。
〔有機物質の除去方法〕
本発明の方法は、上述のとおり、表面に有機物質が付着した基体から該有機物質を除去する方法であって、
(1)前記有機物質にレーザー光を照射する工程と、
(2)上記工程(1)と並行して、または工程(1)の次に、基体上に存在する有機物質を、該基体に処理液を接触させて除去する工程と、
を有する。
より具体的には、これらの工程は、工程(1)により該基体から有機物質をアブレーションた後、工程(2)によりアブレーション後に残存した有機物質を除去してもよいし(逐次処理)、あるいは、工程(1)により該基体上の有機物質をアブレーションるのと並行して、工程(2)により有機物質を除去してもよい(並行処理)。アブレーションとは、レーザー照射された固体表面にレーザー光による加熱、液化、気化、蒸発、イオン化、光吸収、エネルギー輸送等が起こり、固体表面の一部が剥離飛散する現象のことである。
なお、本明細書中において、「並行して」とは、複数ある工程・操作が完全に同時に行われる場合だけでなく、一部重複して行われる場合を含む概念である。例えば、工程(1)と工程(2)が「並行して」とは、工程(1)と工程(2)が完全に同時に行われる場合だけでなく、工程(1)と工程(2)が一部重複して行われる場合を含むことを意味する。
以下、これらの各工程について詳細に説明する。
<工程(1)>
工程(1)では、表面に有機物質が付着した基体の該有機物質に対してレーザー光を照射するが、この照射の方法に関しては特に限定されるものではない。その照射方法の具体例としては、例えば、前記有機物質の上方から該有機物質に対してレーザー光を照射する方法、傾斜角度を保って照射する方法、レーザー光に対して透明性を有するガラスや石英ガラス等のレーザー透過性物質を貫通して照射する方法、また、フォトレジストやワックス等を接着剤として用いて、これらのレーザー透過性物質に固定された基体表面の有機物に対して該レーザー透過性物質および接着剤を貫通して照射する方法等が挙げられる。
−基体−
前記基体としては、特に限定されず、例えば、電子デバイス用基板(例えば、シリコンウェーハ等の半導体用ウェーハ、液晶パネル用ガラス基板、ハイブリットIC用セラミック基板、プリント基板、TCP用フレキシブル配線基板、精密機械器具(時計、カメラ用等)、繊維、光・磁気記録媒体基板等)、大型看板、表示構造物板、建築材料、電線、食品や医療機器の殺菌用部材、医薬品や高純度薬品のクリーン化の必要な部材等が挙げられる。
−有機物質−
前記有機物質の状態としては、特に限定されず、例えば、微粒子状、塊状、被膜状等が挙げられる。また、前記被膜状の有機物質としては、例えば、フォトレジスト、スクリーン印刷用レジストインキ等のレジスト膜;ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール系水溶性加工油、オリーブ油、ひまし油等の油膜;エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等の塗料膜;スタフオーラウス(Staph.aureus)等の菌(バクテリア)からなる有機膜;ワックス、フラックス(ロジン系)等の種々の有機膜等が挙げられる。
これらの有機物質は、前記基体に、一種単独または二種以上が組み合わさって付着していてもよく、またどのような形態で付着していても本発明を適用することができるが、通常、付着形態は次のとおりである。まず、有機物質がレジスト膜である場合には、通常、基体上に該レジスト膜が薄膜状に付着した形態である。このレジスト膜は、場合により、製造工程中に表面が損傷を受けて強度に変質硬化したものであってもよい。より具体的には、例えば、高ドーズ量のイオン注入レジスト膜、高温度ベークを経験したレジスト膜、ドライエッチングにより変質したレジスト膜等が挙げられる。また、有機物質が一般的な有機膜である場合には、通常、基体の加工工程でその使命を終えて不純物(汚れ)として残留した有機物、あるいは基体表面の保護膜の形態である。
以下、代表的な有機物質であるフォトレジストを用いた場合を一例として、有機物質についてより詳細に説明する。
一般に、製造プロセス中でレジスト表面の損傷・変質が一定条件以上になると、フォトレジストの剥離性能は低下してくる。特に、フォトレジストに要求されるプロセス条件によっては、あるいはより低温度で処理する要求がある場合には、プロセス設計の観点から、ドライエッチング耐性向上のためにポストベーク温度の上昇、ドライエッチング等で表面変質硬化層が生成することによる剥離速度の低下が問題となる。
最近の製品設計、およびそれを実現するためのプロセス設計の条件から、1×1015/cm2以上のイオン注入された表面変質硬化層は、低温・短時間の条件の下では、剥離速度が問題になる。耐エッチング性向上の目的でフォトレジストのポストベーク温度が140℃以上になると、剥離時間が長くなる。ドライエッチングでは、例えば、フォトレジスト厚み規格の数百〜900nmの上層部数十nmが変質硬化する。
そこで、調整されたレーザー光(特に短パルスレーザー光)を照射することにより、表面変質硬化層を、好ましくは選択的に、アブレーションすることにより、フォトレジストの上面から所望の厚み部分を除去することが有効である。
−レーザー光−
前記レーザー光としては、特に限定されず、短パルスレーザー、超短パルスレーザー(即ち、パルス幅がフェムト秒で表されるレーザー)、CW(連続出力)発振レーザー等が挙げられるが、半導体等の微細加工プロセスにも好ましく適用可能であることから短パルスレーザーであることが好ましい。そこで、以下、上記レーザー光照射に好適に用いられる短パルスレーザー光を一例として説明する。
レーザー発生装置は、特に限定されないが、例えば、LD(Laser Diode)励起Nd YVO4 SHG(Second Harmonic Generation:第2高調波)レーザー(Qスイッチ付)、LD励起Nd GdVO4レーザー、LD励起Nd YAGレーザー、UVレーザー(エキシマ)等が挙げられる。これらの短パルスレーザーは、そのパルス幅が、通常、200ナノ秒以下であり、好ましくは5〜50ナノ秒、より好ましくは10〜20ナノ秒である。そのレーザーの発信波長は、特に限定されないが、通常、172〜1,064nmであり、好ましくは266〜532nm、より好ましくは532nmである。レーザーの周波数は、特に限定されないが、好ましくは1〜100kHzであり、より好ましくは10kHzである。レーザーのエネルギー密度(投入光エネルギー密度)は、特に限定されないが、通常、100〜20,000mJ/cm2であり、好ましくは500〜10,000mJ/cm2であり、特に好ましくは7,000mJ/cm2である。
また、前記レーザーの照射の際、レーザー光の照射スポット径は、通常、20〜1,000μmであり、好ましくは100〜1,000μmであり、より好ましくは200〜500μmである。このレーザー光が照射されるスポットの形状は制限されず、正方形、矩形、円形、楕円形、その他の直線および/または曲線で囲まれた図形等が例示され、例えば正方形または矩形の場合、その照射スポット面積は、通常、1mm2(例えば、1mm×1mm)〜200,000mm2(例えば、200mm×1,000mm)である。その照射ヘッドの相対線速度(相対速度)は、好ましくは1〜10,000mm/秒であり、より好ましくは500〜5,000mm/秒である。なお、「相対線速度(相対速度)」とは、照射される短パルスレーザー光の焦点が、基体上を1秒間に相対的に移動する速度を意味する。
有機物質が付着した基体に、短パルスレーザー光をレーザー光源から伝送して照射し、照射されたレーザー光が基体上の表面変質硬化層をアブレーションするのに十分な光エネルギー強度になるように、レーザー光の照射スポット径、照射スポット面積、フォーカス、周波数、エネルギー密度(投入光エネルギー密度)等を上記要件の範囲内で調整する。この調整されたレーザー光を有機物質の単位面積に、通常、0.05〜5秒、好ましくは0.1〜0.2秒照射する。
<工程(2)>
程(2)では、上記工程(1)と並行して、または工程(1)の次に、基体上に存在する有機物質を、該基体に処理液を接触させて除去する。
上述の短パルスレーザー光の照射により、変質を受けた層(有機物質)を剥離除去する場合には、変質を受けていない層は後述の処理液を用いて容易に剥離除去することができる。また、該レーザー光の照射条件を調整することにより、表面変質層だけでなく変質を受けていないフォトレジストまで同時に剥離除去し、さらに微量に残った残渣を該処理液で剥離除去することもできる。
−処理液−
・処理液の具体例
本発明で用いられる処理液は、表面に有機物質が付着した基体から該有機物質を除去するために用いられるものであって、通常、純水および/または有機溶媒である。純水を使用した場合には、有機物質が機械的に除去され、有機溶媒を使用した場合には、さらに溶解作用による除去が加わる。この有機溶媒としては、例えば、n−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アミン類、ジクロロメタン、低級脂肪酸、炭酸アルキレン等が挙げられる。これらの中でも、純水、ジクロロメタン、低級脂肪酸および炭酸アルキレンが好ましい。前記低級脂肪酸は、通常、炭素原子数1〜4、好ましくは2〜4の脂肪酸であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられる。前記炭酸アルキレンとは、炭酸エチレンおよび/または炭酸プロピレンである。前記有機溶媒の中でも、沸点・引火点が高く、毒性が小さいことから、炭酸エチレン、炭酸プロピレンおよびこれらの混合物がより好ましく、消防法における危険物にも指定されていないことから炭酸エチレンが特に好ましい。これらの処理液は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
上述の炭酸エチレン(融点:36.4℃、沸点:238℃、引火点:160℃)は、易水溶性で、室温では無色無臭の比較的安定な固体であるが、加温により液状の非プロトン性極性溶媒として用いることができる。また、炭酸プロピレン(融点:-48.8℃、沸点:242℃、引火点:130℃以上)も、低温で液体であり第4類危険物になっている以外は、炭酸エチレンと同様の性質を有する溶媒である。
・処理液と基体の接触方法
体に存在する有機物質を、該基体に前記処理液を接触させて除去する方法について、より詳細に説明する。
基体に存在する有機物質とは、前記工程(1)において短パルスレーザー光を照射することにより、変質を受けた(表面変質硬化された)有機被膜等の有機物質;液膜、塗料膜等の一般的な有機被膜等の有機物質等が、一部乃至全部剥離された後に基体上に存在している有機物質を意味する。例えば、有機物質がフォトレジストの場合には、基体に存在する有機物質とは、短パルスレーザー光の照射により場合によっては剥離されずに一部残った変質を受けた有機物質だけでなく、変質を受けた有機物質(表面変質硬化層)の下部に存在している変質を受けていないフォトレジストをも含むものである。これらは、前記処理液と接触させることにより容易に剥離除去される。
また、基体と処理液の接触は、基体と処理液が本発明の作用・効果を得られるように接触されるものであれば特に限定されない。この接触の方法の具体例としては、ノズル等を通じて処理液を基体に対して注ぐ方法、処理液を高圧のスプレー状で基体に対して噴射する方法、処理液を気体状にして密閉したチャンバー内(レーザー光を照射するカバーは石英等の光に対して透明な素材で構成されている)で接触させる方法、処理液を含浸させた不織布状のパッドを当てて密着させる方法等が挙げられる。この接触の際に、処理液が基体の所望の位置・領域に均一に接触されるように、処理液の供給される位置に対して基体が相対的に回転しながら接触されることが好ましい。この基体の回転数は、特に限定されないが、例えば、8インチシリコンウェーハの場合は、10〜1,500rpmであることが好ましく、50〜1,500rpmであることがより好ましく、100〜1,000rpmであることが特に好ましい。回転数を100〜1,000rpmとすることにより、基体上に供給された処理液が、回転の遠心力により半径方向(外側方向)に薄膜状に延伸され、基体の所望の領域乃至全体に、より均一に接触される。
−好ましい実施形態(処理液)−
次に、本発明で用いられる前記処理液の好ましい実施形態について説明する。
・オゾン含有処理液
前記処理液が、純水、ジクロロメタン、低級脂肪酸および炭酸アルキレンからなる群から選ばれる少なくとも一種からなる場合には、後述する特徴があることから、処理液中にオゾンが含有されていてもよい。以下、代表的な処理液である炭酸アルキレンを用いた場合について説明する。
有機物質の除去工程において、オゾンを溶解させた炭酸アルキレン液を使用すると、処理液の溶剤としての溶解作用とオゾンによる分解作用との相乗効果で処理温度が低温(60℃以下)であっても剥離除去性能が著しく向上する。また、イオン注入等を行っていない(即ち、変質していない)ノボラック系レジストに対する浸漬処理で、オゾンを飽和させた炭酸プロピレンを用いると、オゾンを溶解させない場合と比較して、20℃では5倍、30〜40℃では2倍以上の剥離速度が得られる。
炭酸アルキレン液は極性溶媒であるためオゾンの溶解性は低い。しかし、低濃度であっても、炭酸アルキレン液中に含まれるオゾンは、溶解した有機物(特に、二重結合を持つ化合物や芳香族系化合物)に対して強い分解作用を有するにも拘わらず、炭酸アルキレン液自体はオゾンとの反応性が低温ではそれ程大きくないことから、炭酸アルキレン液自体のオゾンによる分解は比較的軽度である。この点では、炭酸エチレン液がより一層オゾンと反応し難いので、より好ましい。例えば、40℃の液に250mg/NLのオゾンガスを5分で飽和させた場合、酸化性物質の生成量は15mg当量/L以下であるにすぎない。
炭酸アルキレン液の有機物質に対する溶解作用は高温になる程強くなる。引火点以下の温度であれば、安全に操作することができるし、不活性ガス中であれば、200℃程度の湿式処理でも何ら問題がない。他の有機溶剤系レジスト除去剤に比べて、70℃程度での蒸気圧は約1/10であり、加熱処理での蒸発による液損失が少ないという利点を持つ。高温状態では、炭酸アルキレン液の蒸発量がやや多くなるが、蒸気の毒性は非常に低いので特に問題とはならない。
処理液は室温で液体である方が使いやすい。炭酸エチレンと炭酸プロピレンとを混合する場合には、炭酸プロピレンが多いほど融点が低下する。一方、炭酸プロピレンは炭酸エチレンよりもオゾンで酸化されやすいので、炭酸プロピレンが多いと、オゾンを溶解させたときにオゾンとの反応により生じる酸化性物質(過酸化物と推定される)の量が多くなり、液の消費量に影響を及ぼす。室温で液状という条件と酸化性物質低減の条件とを同時に満たす混合割合は、炭酸エチレン/炭酸プロピレンの重量比が、通常、4/1〜2/3、好ましくは3/1〜1/1となる範囲である。
・オゾン含有処理液の有機物質への適用
代表的なポジ型フォトレジストであるノボラック系レジストは、クレゾールの重合体と多環芳香族とで構成されている。したがって、前記処理液を適用すれば、加熱によって溶解性が高まり、またオゾンの溶解によって分解反応が起こるので、基体に付着した有機物質を効果的に剥離除去できる。オゾンを併用せずに加熱処理だけを行う場合に有効な温度範囲は30〜200℃(例えば、炭酸エチレン単独使用の場合は40〜200℃)であり、好ましくは引火点以下の60〜150℃である。処理条件が適切であれば20μm/分以上の剥離速度が容易に得られる。オゾンガスを通気した処理液で剥離を行う場合、液温は20〜60℃が望ましい。
湿式の剥離法では、従来その剥離処理が非常に難しかったBの1×1015/cm2のイオン注入で変質したノボラックレジスト膜であっても、高温の炭酸アルキレン液の浸漬処理を用いればかなり短時問で剥離できる。例えば、1.5μmの厚さの膜が、120℃で70秒の炭酸アルキレンの浸漬処理で剥離される。ドライエッチングで変質層を生じたレジストの場合も同様である。また、処理温度が高い程、表面張力や粘度が下がり、超微細パターンデバイスでのレジスト剥離に適している。120℃で浸漬処理した場合のAl、Cu、W等の配線金属膜の溶出量は0.003nm/分以下である。したがって、配線金属膜上のレジスト剥離であっても、該金属膜は損傷を受けない。これは炭酸アルキレン液が中性であるためである。当然、後続のリンス処理を純水で行っても前記配線金属膜の損傷はない。このように炭酸アルキレン液が下地となる物質に対して化学的に全く安全であり、かつ強力なレジスト剥離効果を有する。
の1×1014/cm2のイオン注入の膜では、厚さ1.5μmの剥離が、120℃の炭酸エチレン液への浸漬で5秒(剥離速度:18μm/分)、100℃の炭酸エチレン液への浸漬で10秒(剥離速度:9μm/分)と極めて速い。炭酸プロピレンの場合は、多少時間がかかる。強く変質したレジストの高温処理では、特に変質の激しい表層部以外の成分が容易に処理液に溶解し、溶解し難い変質成分は微小粒となって液に分散するという剥離機構が働く。分散した微小粒は、炭酸アルキレン液の温度を下げた後にオゾンガス通気処理を行うことによって完全に溶解できるため、オゾンガス通気処理を行うことが好ましい。
この高温での溶解力は極めて大きいので、厚さ10〜100μm程度の処理液の液膜を基体上の有機物質に接触させるだけで溶解が直ちに始まる。溶解は一種の拡散現象で濃度差が大きい程速くなることから、基体表面に液膜を形成し、連続的あるいは間欠的にその液膜に対して新たな処理液を供給して液を膜状に流動させると、溶解効果をさらに向上させることができる。基体が板状の場合には、処理液をノズルで供給する枚葉スピン処理でも、また傾斜面へのシャワー処理でもこの手法を活用できる。
また、ウェーハ表面の主要な有機汚染膜であるジオクチルフタレート(DOP)等の油膜は高温処理で溶解することができ、同時にこれらの油膜で表面に固着している汚染微粒子も除去できる。同様の処理で機械加工後の物品表面のポリエチレングリコール系水溶性加工油の油膜の除去も可能である。炭酸アルキレンは多くの合成高分子に対して溶解性があり、またSP値が大きいので、金属表面の比較的SP値の大きいエポキシ樹脂やアルキッド樹脂等の塗料膜の除去に適している。この際、下地の軟鋼、ステンレス鋼、真鍮等の表面は高温の剥離処理でも液が中性であるため、損傷を生じない。
前記のBの1×1014/cm2をイオン注入した厚さ1.5μmの膜は、オゾンを飽和させた50℃の炭酸エチレンに浸漬すると数分で完全に分解され、液はレジスト微小粒の分散が無く透明になる。高濃度イオン注入レジスト膜を高温の炭酸アルキレン液単独で剥離した場合には、表面に付着して残る少量の変質レジスト微小粒はオゾンを飽和させた炭酸アルキレン液でリンス処理をすれば確実に除去できる。
代表的なネガ型フォトレジストである環化イソプレン系のものは、主成分であるポリイソプレンがオゾンによる分解が極めて速く、光架橋のアジド化合物も芳香族化合物が使われるので、このオゾン飽和処理液によりノボラック系よりさらに速く剥離できる。
処理液を膜状に流動させた状態で基体表面に接触させる場合、オゾン飽和容器で処理液にオゾンを飽和させてノズルにより基体表面に供給すると、優れた剥離除去効果が得られる。必要なオゾン濃度とするためには液温は50℃以下であることが望ましい。高温ではオゾン濃度が低下しやすいため、有機物質の除去装置では、オゾン飽和容器とノズルとを連結する配管をできるだけ短くする。ノズルとして高周波超音波照射装置の付設されたメガソニックスポットシャワーを使うと剥離速度はさらに向上する(この点については、後述の好ましい実施形態で説明する)。工程の都合により50℃以下で強力な剥離処理を行うことが必要な場合には、例えばドライエッチングしたレジストを剥離するのに有用である。
基板上に付着した有機物質を剥離除去する枚葉式処理において、オゾンの作用を活かす簡便な方法としては、処理液とオゾンガスを同時に基板面に適用する液膜形成処理がある。この場合、薄い液膜は極めて短時間にオゾンが飽和濃度に達し除去対象に作用するので、該オゾンガスを室温の炭酸プロピレン(液状)に適用しても、環化イソプレン系レジストを剥離することができ、オゾンガスの通気で得た液の浸漬処理と比べても剥離速度がほとんど低下しない。また、変質を受けていないノボラック系レジスト膜に対してはこの簡便な方法でも十分な剥離効果を得ることができる。例えば、液晶パネル用の大型ガラス基板について、該ガラス基板面を含む平面上を移動しながら連続処理する工程(詳細は、後述の実施例7で説明する)において、レジスト剥離を処理液のスプレーで行う場合、基板面上で液膜が移動するような傾斜を設けることにより、この処理液とオゾンガスとを同時に基板面に適用する方式が簡便に利用できる。
炭酸アルキレンは、80℃付近で、液に溶解したオゾン濃度は急速に減衰するが、分解能力は著しく高い。したがって、高温の液膜処理で剥離性能を効果的に高めるには、液膜面に接するオゾンガスの濃度を最高に保てばよい。液膜では液のオゾン濃度がガスのオゾン濃度と瞬時に平衡に達し、液膜のオゾン濃度は十分な効力が得られるまでになる。そのためには、当初液膜に接していた空気ができるだけ短時間にオゾンガスと置換されるように、処理面上のオゾンガス空間の厚みが十分薄くなる装置が必要となる。このような手法によれば、Bの1×1014/cm2のイオン注入を行った厚さが1.5μmのレジスト膜であっても、温度80℃の処理でリンス処理を含めて30秒以内に剥離でき、十分な生産性で枚葉スピン処理が実施できる。
なお、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンはいずれも沸点が高いので、それでリンス処理をしてスピン乾燥した場合には、これらの分子の膜がウェーハ表面に吸着残存する。したがって、超純水によるリンス処理を引き続き実施することが望ましい。一般に純水リンス処理の際ウェーハ面が一旦乾燥すると、その面がシリコンの場合、空気により自然酸化膜が直ちに形成され、微粒子が存在するとその微粒子がこの膜に捕捉されるので、その後の純水リンス処理で除きにくくなる。炭酸エチレン液リンス処理に際しては、ごく薄い液膜が残った状態で室温に冷却すると、炭酸エチレン液膜は固化する。この場合、基板表面は固化膜により環境雰囲気から隔離され保護できるという利点がある。その後、別の純水リンス処理のための系へ搬送して純水リンス処理を行えばよい。
・界面活性剤含有純水
前記処理液が純水からなる場合や水の割合が多い混合液の場合であって、かつ基体表面が疎水性である場合には、処理液が基体表面上で「むら状」になるので、それを防ぐと共に、有機物質への浸透力を増強する目的で界面活性剤を処理液に添加することが効果的である。この目的の界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等が挙げられる。また、加熱によって殺菌力が高まる陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
−その他の好ましい実施形態−
・液膜貫通レーザー光照射
処理液と基体を接触させる際に、処理液に対して基体が相対的に回転しながら接触されると、上述のとおり、基体上に供給された処理液が、回転の遠心力により半径方向に薄膜状に延伸され、基体の所望の領域乃至全体に対してより均一に接触される。即ち、基体上に処理液からなる液膜を形成した状態である。
本発明の好ましい実施形態では、この液膜を貫通して、通常この液膜の上方から、前記短パルスレーザー光を照射することができる。この方法は、短パルスレーザー光照射工程と処理液の接触工程とを並行して行うことができるので、生産における作業時間が短縮可能な点で効率がよい。また、有機物に対する短パルスレーザー光によるアブレーションと処理液による化学的溶解反応とが並行して進行するので、それらの相乗効果によって剥離効果が増大する点で好ましい。
・高周波超音波の併用
本発明の別の好ましい実施形態では、処理液および短パルスレーザー光による処理で基体上の有機物質を剥離除去する際に、通常、20kHz〜2MHz、好ましくは25kHz〜2MHz、より好ましくは0.7〜2MHz、特に好ましくは1MHz程度の高周波超音波(いわゆるメガソニック)を該処理液に、さらに並行して照射する。この方法は、該処理液に超音波振動効果(即ち、高加速度の分子振動によって処理液の化学作用が強化される効果)が重畳されるため、処理液の接触とレーザー光照射のみを行った場合に比べて、有機物質の剥離性能がより優れたものとなる点、およびキャビテーションによる基体へのダメージは生じ難い点で好ましい。炭酸アルキレンは100℃でも蒸気圧が10mmHg以下であって気泡が発生せず、この温度で高周波超音波の照射が可能である。この照射により、剥離性能は著しく強化される。上記のBの1×1015/cm2のイオン注入レジスト膜は100℃の炭酸エチレンの浸漬処理により1分で剥離され、SP値のやや小さいアクリル樹脂系塗料の膜が80℃で剥離されるようになる。基体への炭酸アルキレン液の接触を該液のシャワーで行って、この液に高周波超音波を照射する方式でも同様の効果が得られる。
・処理液としての純水の使用
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、処理液として純水を使用した場合であっても、その他の有機溶媒を用いた場合と同等の効果が得られる。これは、基体表面に接触させる処理液が純水である場合にも、調整されたレーザー光がアブレーションした有機物質の分解生成物を部分的に溶解し、その残渣は純水をキャリアとしてスピン力を用いることにより基体から流し去られるからである。この効果(洗浄効果)を得るに際して、該基体表面を親水性に保ち、全面を均一に覆うようにするために、純水中に上述した界面活性剤を添加することが好ましい。このように有機溶媒に代えて純水を用いた場合にも同等の効果が得られることは、金属配線(Al、Cu、Ti、Ni、Au、Pt等の一種単独からなる単体膜、または二種以上を組み合わせた多層膜)のパターニングに適用する場合に、局所電池効果によりエッチングされる等のダメージの影響を受けないばかりでなく、有機溶媒の廃液を排出しないことから環境に優しく、経済的にも優れるという利点がある。
・機械的ブラシングの併用
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、前記処理液の接触とレーザー光照射を並行して行う際に、機械的ブラシングをさらに並行して行うことができる。機械的ブラシングとしては、特に限定されないが、例えば、ブラシスクラビング、ジェットスプレー、アイスブラスト、ドライアイスブラスト等が挙げられる。前記機械的ブラシングの一例であるブラシスクラビングを用いた場合には、まず遠心移動する処理液膜の上からレーザー光を照射し、有機物質の表面変質硬化層をアブレーションする過程と、該有機物質を遠心処理する処理液膜が溶解剥離し放出する過程とが並行して進行する際に、さらにブラシスクラバーによってスクラビングを行うことにより後洗浄する。次いで、ブラシスクラバーから、通常、100〜1,000ml/分程度の処理液、好ましくは純水、炭酸エチレン等が放出され、基体上に存在する有機物質を剥離除去する。この方法は、処理液と機械的ブラシング力との相乗効果により、処理液の接触とレーザー光照射のみを行った場合に比べて、有機物質の剥離性能がより優れたものとなる点で好ましい。
・リフトオフ金属パターン形成法
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、本発明の方法を、半導体等製造プロセスのフォトリソグラフの一つであるリフトオフ金属パターン形成法におけるレジスト剥離に適用する。より具体的には、基体の表面にフォトレジストのパターンが形成され、さらにその上に全面にわたり金属膜を被着させた基体に処理液を接触させて、該フォトレジストの端面での金属膜の段切れ部分から処理液を浸透させることにより、フォトレジスト、およびフォトレジスト上の金属膜を除去するものである。この際に、段切れを助長させ、処理液が金属膜下部のフォトレジストへの浸透を容易化する目的でレーザー光を基体上面に照射する場合に適用する。なお、処理液を接触させる前にレーザー光照射を行っても、あるいは処理液を接触させるのと並行してレーザー光照射を行ってもよい。この短パルスレーザー光は、最表面層の上記金属膜とその下地のフォトレジストとの段差部位(即ち、段切れ)に優先的に作用し、段切れを助長する。そのため、段切れ部分から処理液が浸透することがより容易になり、フォトレジストが剥離されることによって、該金属のパターニングがなされる。
前記金属膜とは、例えば、白金、チタン、金、銀、銅、ニッケル、モリブデン、タングステン、ゲルマニウム等の単体膜、およびそれらを組み合わせた多層膜であって、例えば、半導体、FPD(即ち、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置)等の製造プロセスにおいて使用される配線電極である。
リフトオフ金属パターン形成法に用いられる処理液としては、前記処理液の要件を満たすものであれば特に限定されないが、有機溶剤が好ましい。段切れ部位から有機溶剤が浸透し、その結果、レジストが溶解剥離してレジスト直上の金属薄膜がちぎれて脱離することによって、金属配線のパターニングが形成される。これらの中でも、チタン、ニッケル、銅、銀等を配線金属(例えば、バリアメタル等)として含有する半導体等の製造にも適用することができることから、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンが好ましく用いられ、炭酸エチレンがより好ましく用いられる。
以上の実施形態に限らず、本発明の方法は、枚葉式の処理方式(例えば、枚葉スピン処理等)で用いても、浸漬式の処理方式(例えば、浸漬式バッチ処理等)で用いてもよく、特に処理方式が限定されるものではない。
〔有機物質の除去装置〕
次に、本発明の除去装置について詳述する。なお、以下の説明において、用語、数値限定、条件等について特記しない限りは、上述の〔有機物質の除去方法〕の項で定義したとおりである。
本発明の装置は、上述のとおり、有機物質が付着した基体表面の有機物質の除去装置であって、
(a)前記基体を支持する手段と、
(b)前記基体を処理液と接触させる手段と、
(c)前記有機物質にレーザー光を照射する手段と、
を有する。
また、前記除去装置は、必要に応じて、
(d)前記手段(b)が、処理液をノズルによって基体に注ぐ手段を有すること、
(e)前記手段(a)が、基体を該基体面に垂直な軸の周りに回転させる手段を有すること、
(f)前記手段(b)が、前記軸の周りに回転する基体の表面に対して、処理液を供給するノズルを有し、さらに該処理液に冷風を当てるノズルが付設されていること、
(g)前記手段(b)が、前記軸の周りに回転する基体の表面に対して、処理液を供給するノズルを有し、さらに高濃度オゾンガスを当てるノズルが付設されていること、
(h)前記手段(c)が、前記手段(b)によって基体上に処理液が膜状に形成された液膜を貫通して、レーザー光を照射可能に配置されていること、
(i)前記処理液が前記基体と接触した状態にあるときに、該処理液に高周波超音波を照射する手段を有すること、および、
(j)処理液加熱手段が付設されていること、
のうちの少なくとも1個を満たすものであってもよい。これらの要件を満たす本発明の装置であって、枚葉式の処理方式の装置の一例を図1に示すが、これについては後述の実施例2において説明する。
前記処理液加熱手段は、上記のいずれかの手段もしくはすべての手段に接するか、またはその内部に存在し、処理液、その他の液体乃至気体等の温度を自在に調節する温度調節機能を有する手段である。
以上の要件を満たす本発明の装置は、枚葉式の処理方式(例えば、枚葉スピン処理等)で用いるものであっても、浸漬式の処理方式(例えば、浸漬式バッチ処理等)で用いるものであってもよく、特に処理方式が限定されるものではない。
本発明に係る有機被膜の除去方法および装置について、下記実施例を用いてより詳細に説明するが、下記実施例は本発明を何ら限定するものではない。
<実施例1>
(浸漬式逐次処理)
6インチシリコンウェーハにノボラック型フォトレジスト(商品名:PFR-3905 G)1.36μmを塗布したものに130℃で5分間のベーキングを行い、さらに、全面に31による70keVのイオン注入を1×1015/cm2施したものを用いた。上記イオン注入されたウェーハは、40℃の炭酸エチレン液ではレジストの剥離が困難であった。このウェーハを用いて、10mm×10mmの面積に対して直径100μm径のレーザー光スポットを100本照射した。これにより表面変質硬化層が0.5μm剥離した。残膜0.86μmを40℃の炭酸エチレン液に浸漬したところ、2.5秒で完全に剥離した。残膜の剥離速度は20μm/分であり、従来値とほぼ同じであった。なお、実施例1で用いたレーザーの条件は、下記レーザー条件に示した通りである。
〔レーザー条件〕
・レーザー発生装置:LD励起Nd YVO4 SHGレーザー(Qスイッチ付)
・パルス幅 :15ナノ秒
・発信波長 :532nm
・周波数 :10kHz
・投入光エネルギー密度 :7,000mJ/cm2
・レーザー光の照射スポット径 :100μm
・照射ヘッドの相対線速度 :100mm/秒
<実施例2>
(使用装置)
8インチシリコンウェーハ上に表面変質硬化層を持つフォトレジストを剥離に供するレーザー光照射の条件は、下記レーザー条件に示した通りである(以下、実施例6においてウェーハを回転させない以外は、実施例2〜6において同じ条件である)。
〔レーザー条件〕
・レーザー発生装置:LD励起Nd YVO4 SHGレーザー(Qスイッチ付)
・パルス幅 :15ナノ秒
・発信波長 :532nm
・周波数 :10kHz
・投入光エネルギー密度 :7,000mJ/cm2
・レーザー光の照射スポット径 :500μm
・照射ヘッドの相対線速度 :2,500mm/秒
・ウェーハの回転速度 :240rpm
・レーザーダイオード電流値 :10〜50A
・焦点距離 :110〜300mm
(なお、レーザーダイオード電流値および焦点距離は、装置の設計仕様により決定される値・数値範囲である。)
図1は、本発明を枚葉スピン処理で行う装置の構成を示す概念図であり、一部は縦断面で示されている。図2は、図1の装置の一部をA−A線に沿って上方から見た図である。図1および図2において、枚葉スピン処理の機構は、8インチウェーハ1(以下、「基体」ともいう)を支持した支持具2とその回転軸3と駆動部4とからなり、支持具2上のウェーハ1が低速乃至高速でスピン回転するように作られている。これらは、容器5(縦断面)内のチャンバー6に収納され、該容器はレーザー透過性のカバー7(縦断面)で覆われている。
レーザー発生装置電源8に接続された回転駆動機構9には、駆動アーム10を介してレーザー発信器11が取り付けられており、レーザー発信器11の下部にある照射レンズ12からレーザー光13がウェーハ1に照射される。照射位置に対するレーザー光(投入光)のエネルギー密度は所望の強度(7,000mJ/cm2)に調整される。基体のスピン回転速度とレーザー光の照射スポット径との関係において、基体表面全面が均一に渦巻状に照射されるように、駆動アーム10がウェーハ1の半径方向に移動する。また、有機物質が、例えばシリコンウェーハ上のフォトレジストである場合には、該フォトレジスト単位面積に対して一定の投入光エネルギー密度となるように渦巻上の相対線速度は保たれる。なお、エネルギー密度を決定するパラメーターとしては、基本的には、励起用レーザーダイオード(LD)に印加する電流値、およびレーザー照射レンズと照射面との距離によるフォーカスの程度(レーザービームの焦点距離)である。
液状で準備された炭酸エチレン液は、送液ポンプPにより、処理液供給用配管14および微粒子除去フィルターFを経て、その先端にある処理液供給用ノズル15により1〜50ml/分の流量でウェーハ1上に供給される。高温に加熱された炭酸エチレン液は、極めて短時間にレジストを溶解し、該レジスト上を遠心移動する液膜が溶解物を効率よく放出する。剥離の難易度と処理温度に応じて、剥離処理時間は数十秒から数秒とする。ウェーハの回転数は50〜1,500rpmが好ましく、リンス処理を行う場合には約1,000rpmで数秒でよい。レジストを溶解してチャンバーの底に到達した処理済みの液は、まず廃液用配管16を通って排液冷却器17に移行し、約40℃に冷却されながら通過する。18は排気孔である。
チャンバー内の第2のノズル19は冷却器(図示せず)により冷却された空気を送る冷風供給管20に接続し、バルブ21を介して送風する。高温炭酸エチレン液によるリンス処理の終わったウェーハは2,000〜3,000rpmの回転数で約5秒間表面上からの脱液を行い、次いでノズル19から冷風をウェーハ上に送り、ウェーハ上に残った炭酸エチレンの液膜を固化させる。
図1および図2で示される装置へのウェーハの供給と脱離は、ロボット(図示せず)によりカセットからウェーハを取り出し、容器5のレーザー透過性カバー7を開けて支持具2にセットする。次いで、カバー7を閉め上記剥離処理を行い、処理終了後ロボットでウェーハ上に炭酸エチレン固化膜の形成されたものを水洗用カセットに順次セットする。水洗用カセットが満たされたら、通常の洗浄・乾燥装置で超純水による水洗と乾燥を行い、剥離が完了する。
より具体的には以下の通りである。
(枚葉式逐次処理)
8インチウェーハに塗布されたフォトレジストの表面に変質硬化層がある場合の該レジストの剥離に関して、レーザー光をウェーハ表面に照射し、該変質硬化層を全面に渡ってアブレーション除去した後に、残膜レジスト膜に対して温度が調整された炭酸エチレン液がノズル15から供給される。残膜部位は極めて短時間にレジストを溶解し、その後の遠心移動する液膜が溶解物を効率よく除去する(逐次処理)。以下、このような逐次処理の一例を説明する。
フォトレジスト表面を照射するレーザー光はそのスポット直径を500μmとし、その照射スポット径500μmが互いに半径分だけオーバラップしながら、ウェーハ全面を均一に渦巻状に走査しながら照射する。即ち、基体1が1回転する間に照射エリア(照射スポット径)は、基体1の半径方向に照射スポットの半径分(本実施例では250μm)だけ移動しながら、レーザー光はウェーハ1の表面に直径500μmの照射エリアを照射する。直径500μmの照射エリアは周波数10kHzで照射しながら、ウェーハの中心から外径方向に向かって渦巻状に移動する。スポットの中心がウェーハの中心から半径の半分である50mm時点ではウェーハ回転数が480rpmになり、最外周(半径100mm)にスポットが到達した時にウェーハ回転数が240rpmであるようにリニアーに回転速度を制御し、かつ相対線速度を2,500mm/秒に保てば、直径500μmの照射スポットは線速度方向および渦巻移動の外径方向の両方に、スポットの半径ずつオーバラップしながら照射が重なり合わされる。ウェーハの中心部位では必要な回転速度が高速になり回転制御が難しくなる場合には、中心部位では光エネルギーを相対的に落としてアブレーションの効果を一定に保てばよい。
本実施例では、フォトレジストの変質硬化層を除去するに際して、所望に調整された光エネルギーを持ったレーザー光をスポット上に像を結ぶ状態で照射したが、レーザー光照射の対象物が直径300mmのシリコン基板、または幅広のガラス基体である場合には、発生したレーザー光を所定の長さと、幅の矩形・帯状に拡幅調整して照射する方法が特に効果的である。
所望の光エネルギー強度を持ったレーザー光を、回転数を100〜500rpmとして回転させたウェーハ全面に照射した後に、ノズル15から処理液である50℃の炭酸エチレン液を該ウェーハ全面に50ml/分で数秒から数十秒間供給する。レーザー光によりイオン注入で変質硬化した最表面層の数十nmがアブレーションされ、ウェーハ上に残ったいわゆる残膜部分は、加熱された炭酸エチレン液に極めて短時間に溶解されて、同時に遠心移動する液膜がその溶解物を効率よく除去する。前記剥離処理は、ウェーハの回転数を100〜200rpmとして行うことが好ましく、剥離処理時間は剥離の難易度と処理温度に応じて、数十秒から数秒とすればよい。さらに、炭酸エチレンによるリンス処理を行う場合には、ウェーハを約1,000rpmで回転させながら、数秒間洗浄を行えばよい。また、同じ装置内で純水による最終リンス処理をする場合には、別に設けた純水ノズル25から純水を50〜500mlを供給しながら、ウェーハを1,000〜数千rpmで回転させながら、スピン洗浄すればよい。
<実施例3>
(枚葉式並行処理)
本実施例はレーザー光のエネルギーによる表面変質硬化層のアブレーションの工程と、該表面変質硬化層を炭酸エチレン液によ溶解する工程を並行して行うものである。即ち、ノズル15から供給される炭酸エチレン液がウェーハの回転作用によって表面に形成する液膜の上面から、レーザー光を、液膜を通して照射することによって、レーザー光による表面変質硬化層の除去と溶解作用とを並行して行う(並行処理)。この場合には、前記反応生成物(反応残渣)がその都度、液膜と共に遠心移動するので、反応残渣がウェーハ表面に残留することが少ないという利点がある。以下、このような並行処理の一例を説明する。
50℃に加熱した炭酸エチレン液を、回転数が100〜500rpmに保たれたウェーハの中心部に向かってノズルから供給することにより、ウェーハ上には遠心移動する炭酸エチレンの液膜が形成される。この遠心移動を続ける液膜の上面から、前述のレーザー光のスポットを中心部位から半径方向に移動させることにより、ウェーハ表面全体に相対的に渦巻を描きながらレーザー光照射が行われる。さらに、炭酸エチレン液によるリンス処理、または純水による最終リンス処理を行う場合には、実施例2で述べた方法によって行う。
<実施例4>
(枚葉式並行処理+超音波処理)
図3は、本発明を枚葉スピン処理で行う装置および処理液に超音波振動を付加する装置を一部縦断面で示した概念図である。図3において、処理液供給ノズル15の前方には超音波振動発振装置22が装備されている。処理液供給ノズル15から供給される炭酸エチレン液に対して、レーザー光の照射と同時に、超音波振動発振装置22により1MHzの超音波振動を与えること以外は実施例3と同じにして、上記除去処理を行う。超音波振動を炭酸エチレン液に付与したことにより、超音波振動効果が重畳される。
<実施例5>
(枚葉式並行処理+ブラシスクラビング)
図4は、本発明を枚葉スピン処理で行うためにブラシスクラバーが付設された装置の一部の上面図である。より具体的には、枚葉スピン処理において、遠心移動する炭酸エチレン液膜の上からレーザー光を照射し、フォトレジストの表面変質硬化層をアブレーションする工程と、該表面変質硬化層を遠心移動する炭酸エチレン液膜が前記アブレーションにより生じた反応残渣を溶解剥離し放出する工程とが並行して進行する際に、さらにブラシスクラバーによるブラシスクラビングを並行して行うことにより後洗浄する機構を備えた装置である。
図5は、本発明を枚葉スピン処理で行う装置に付設されたブラシスクラバーの一実施形態の概念図である。図4において先行するレーザー光照射と炭酸エチレンによる溶解剥離とが終了した部分から並行して、図5に示した構造を有する、ブラシスクラバーアーム23で連結された回転ブラシ24により洗浄を行う。具体的には、回転ブラシ24の先端部には、回転駆動される植毛支持体、例えば円盤状の回転体24cが設けられ、これに植毛されたブラシ植毛24aが回転されながら、該回転ブラシ24は先行するレーザー光照射の後を追って、ウェーハの半径方向に移動する。この際、同時に、該回転ブラシ24の中心部位に配置された処理液供給ノズル24bの先端から純水を100〜500ml/分で放出しながら、レーザー発信器11、およびその駆動アーム10とは反対側の半径方向に移動させる。この純水を放出しながら行うブラシスクラビングにより、炭酸エチレンの溶解物や残渣が極めて効果的に洗浄される。
また、この際、該回転ブラシ24の中心部位に配置された処理液供給ノズル24bの先端から、純水の代わりに炭酸エチレン液がウェーハ上に供給されてもよい。回転ブラシ24から供給される炭酸エチレンがレジストを化学的に溶解する作用に、ブラシスクラビングの機械的な洗浄作用が付加されることによる相乗効果が、剥離性能に大きな効果を発揮する。
さらに、枚葉スピン処理において、対象とするレジストがプロセス中に受ける履歴条件(具体的には、ベーク温度が低温で、かつイオン注入やドライプロセスによる損傷を受けていないか等の条件)によっては、水膜上からのレーザー光照射が有効な場合がある。具体的には、別個に高圧純水供給ノズル25を配置し、30kg/cm2に加圧したジェット水流400ml/分をウェーハの半径方向に移動しながら供給し、それにより形成された水膜の上方から該水膜を貫通させてレーザー光を照射してレジスト膜全体をアブレーションする。
<実施例6>
(枚葉式並行処理(リフトオフ))
図6は、枚葉式処理において、半導体製造プロセスのフォトリソグラフの一つであるリフトオフにおけるレジスト剥離に本発明を適用する場合の説明図であり、基体およびその上の積層物が縦断面図で示されている。図6の(A)において、支持具2上に置かれたシリコン基板26の上面にはフォトレジスト27が一定の間隔で形成され、フォトレジスト27同士の間隙および上面には、配線のために金属薄膜28が全面に被着されている。金属薄膜28にはフォトレジスト27の凹凸に応じて、段切れ部位29が形成されている。さらに金属薄膜28の上面は、遠心移動する炭酸エチレン液膜30により被覆されている。このように、シリコン基板26、フォトレジスト27、金属薄膜28および炭酸エチレン液膜30が積層一体化された基体の上方には、レーザー発信器11が配置され、そこから該基体に対してレーザー光13が照射される。前記全面に被着させた金属薄膜28は、蒸着法、スパッタ法等で被着させた金属薄膜であっても、例えば銅や貴金属を主成分とする金属ペーストからなり、スクリーン印刷等の印刷法により形成された金属薄膜であってもよい。
段切れ部位29から有機溶剤が浸透することによりフォトレジスト27が溶解剥離し、次いで、フォトレジスト27直上の金属薄膜28が段切れ部位29で切断されて脱離することによって、図6の(B)に示すように金属配線のパターンが形成される。段切れ部位29へのレーザー光の照射は、そのアブレーション作用により炭酸エチレン液のフォトレジスト部分への浸透を強制的に助長する。これにより、フォトレジスト直上の金属薄膜28の離脱が極めて容易になる。さらに、炭酸エチレン液によるリンス処理、および純水による最終リンス処理を行う場合には、実施例2で述べた方法によって行う。
なお、図6では、レーザー光照射および炭酸エチレン液による枚葉式処理の例を示したが、レーザー光照射後に、炭酸エチレン液、または上述したその他の有機溶剤で満たされたバッチに浸漬する処理でも、同等の効果を得ることができる。
<実施例7>
(枚葉式並行処理)
図7は、本発明を枚葉式処理で行うことにより大型ガラス基板上のレジスト剥離を行う装置の斜視図である。例えば、液晶表示パネルの生産プロセスにおけるフォトレジストの除去装置の斜視図である。ガラス基板31の表面には、表面変質硬化層を有するフォトレジスト32が被着している。これらの上方に配置された矩形レーザー光照射ヘッド33から、ガラス基板31のフォトレジスト32表面部位に、単位面積で調整された光エネルギーが焦点を結ぶように、レーザー光が照射される。矩形レーザー光は、ガラス基板31の表面を均一に照射するために、一定の速度で走査される。この際、ガラス基板31はその搬送方向34に対する垂直方向に対して一定の角度35(θ)で配置され、前記走査は、照射サイクル始点36から照射サイクル終点37に向けて行われる。レーザー光は、照射サイクル始点36から照射サイクル終点37へと、基板の搬送速度に同期して繰返し走査される。このレーザー光によって、フォトレジスト32の表面変質硬化層はアブレーションされる。ガラス基板31と、矩形レーザー光照射ヘッド33との間の高さに、噴射ノズル38が取り付けられた炭酸エチレン液を供給するパイプ39が配置されており、噴射ノズル38を通じてガラス基板31に炭酸エチレン液が散布される。ガラス基板の搬送方向34と相対的に反対方向に移動する炭酸エチレン液40により、フォトレジスト32が剥離される。フォトレジスト32の剥離が完了したガラス基板31は、次いで、純水スプレー洗浄、そしてエアーナイフによる液切りが行われる。なお、実施例7で用いたレーザーの条件は、下記レーザー条件に示した通りである(以下、実施例8〜10において同じ条件である)。
〔レーザー条件〕
・レーザー発生装置 :LD励起Nd YVO SHGレーザー(Qスイッチ付)
・パルス幅 :15ナノ秒
・発振波長 :532nm
・周波数 :10kHz
・投入光エネルギー密度 :7,000mJ/cm2
・レーザー光の照射スポット面積 :200mm2(200mm×1mm)
・照射ヘッド相対速度 :1,000mm/秒
・搬送速度 :1,200mm/分
・ガラス板サイズ :960mm×1,100mm
<実施例8>
(枚葉式並行処理)
実施例7において、ガラス基板上のレジスト剥離を行う装置を小型化し、該ガラス基板に代えてアクリル樹脂塗料の硬化した塗膜が形成されたステンレス基板を剥離試験用としてセットし、該ステンレス基板の全面に120℃の炭酸エチレン液を散布したこと以外は、実施例7と同様にしてレーザー光を全面に走査した。次いで、純水スプレー洗浄、乾燥を行った結果、試料板の重量差から塗膜の剥離が確認された。
<実施例9>
(枚葉式並行処理)
実施例8で使用した試験装置に対して、剥離試験用基板として環化イソプレン系のネガ型レジストの塗布されたガラス基板をセットし、噴射ノズル38に代えてオゾン飽和酢酸(98%)の供給ノズルを設けた。このガラス基板の全面に室温の該酢酸液を供給するのと並行して、高濃度オゾンガスを通気すると、プロピオン酸、酪酸またはジクロロメタンの場合と同様に、数百ppmの極めて高濃度のオゾン含有液からなる膜が形成された。この膜に対して、実施例8と同様にしてレーザー走査を行うと数十秒で剥離が可能であった。
参考例1
(枚葉式並行処理)
実施例8で使用した試験装置に対して、菌(スタフオーラウス(Staph.aureus))により表面が汚染された試験用ガラス基板をセットし、セチルトリメチルアンモニウム塩の0.05重量%を溶解した純水をガラス基板面に噴射した後、実施例8と同様にしてレーザー走査を行った。このガラス基板に対して30秒のレーザー走査をした後、純水スプレー洗浄・乾燥した。次いで、得られたガラス基板面を顕微鏡により観察し、微粒子がなく十分に清浄な面が得られることを確認した。処理直後の液については、試験対象である前記菌が完全に殺菌された。
本発明を枚葉スピン処理で行う装置の概念図。 本発明を枚葉スピン処理で行う装置の一部の上面図。 本発明を枚葉スピン処理で行う装置および処理液に超音波振動を付加する装置の一部の概念図。 本発明を枚葉スピン処理で行うためにブラシスクラバーが付設された装置の一部の上面図。 本発明を枚葉スピン処理で行うためのブラシスクラバーの一実施形態の概念図。 本発明をリフトオフに適用する場合の処理の説明図。 本発明を枚葉式処理で行うことにより大型ガラス基板上のレジスト剥離を行う装置の斜視図。
符号の説明
1.非処理ウェーハ 2.ウェーハ支持具
3.スピン回転軸 4.スピン回転駆動部
5.容器 6.チャンバー
7.レーザー透過性カバー 8.レーザー発生装置電源
9.回転駆動機構 10.駆動アーム
11.レーザー発信器 12.照射レンズ
13.レーザー光 14.処理液供給用配管
15.処理液供給ノズル 16.排液用配管
17.排液冷却器 18.排気孔
19.冷風用ノズル 20.冷風供給管
21.冷風用バルブ 22.超音波発振装置
23.ブラシスクラバーアーム 24.回転ブラシ
24a.ブラシ植毛 24b.処理液供給用配管
24c.植毛支持体 25.高圧純水供給ノズル
26.シリコン基板 27.フォトレジスト
28.金属薄膜 29.段切れ部位
30.炭酸エチレン液膜 31.ガラス基板
32.フォトレジスト 33.矩形レーザー光照射ヘッド
34.搬送方向 35.搬送方向と基板配置のずらし角度(θ)
36.矩形レーザー光照射サイクル始点
37.矩形レーザー光照射サイクル終点
38.炭酸エチレン液噴射ノズル
39.炭酸エチレン液供給パイプ
40.炭酸エチレン液

Claims (14)

  1. 表面変質硬化したレジスト膜である有機物質が表面に付着した基体から該有機物質を除去する方法であって、
    (1)前記有機物質にエネルギー密度が7,000〜20,000mJ/cm 2 であるレーザー光を照射する工程と、
    (2)上記工程(1)と並行して、または工程(1)の次に、基体上に存在する有機物質を、該基体に炭酸アルキレンからなる処理液を接触させて除去する工程と、
    を有する前記有機物質の除去方法。
  2. 前記レーザー光が、短パルスレーザー光である請求項1に記載の除去方法。
  3. 前記レーザー光が、前記工程(2)で前記基体上に処理液が膜状に形成された液膜を貫通して照射される請求項1または2に記載の除去方法。
  4. さらに、前記工程(2)で処理液を接触させる際に、前記処理液に20kHz〜1MHzの高周波超音波を照射する請求項1〜のいずれか一項に記載の除去方法。
  5. さらに、前記工程(2)で処理液を接触させる際に、前記基体に機械的ブラシングを行う請求項1〜のいずれか一項に記載の除去方法。
  6. 前記基体が、表面にフォトレジストのパターンが形成され、さらにその上に全面にわたり金属膜を被着させた基体である請求項1〜のいずれか一項に記載の除去方法。
  7. 表面変質硬化したレジスト膜である有機物質が付着した基体表面の有機物質の除去装置であって、
    (a)前記基体を支持する手段と、
    (b)前記有機物質にエネルギー密度が7,000〜20,000mJ/cm 2 であるレーザー光を照射する手段と、
    (c)上記レーザー光の照射と並行して、または上記レーザー光の照射の次に、前記有機物質が除去されるように、前記基体を炭酸アルキレンからなる処理液と接触させる手段と、
    を有する前記有機物質の除去装置。
  8. 前記手段(b)が、処理液をノズルによって基体に注ぐ手段を有する請求項に記載の除去装置。
  9. 前記手段(a)が、基体を該基体面に垂直な軸の周りに回転させる手段を有する請求項またはに記載の除去装置。
  10. 前記手段(b)が、前記軸の周りに回転する基体の表面に対して、処理液を供給するノズルを有し、さらに該処理液に冷風を当てるノズルが付設された請求項に記載の除去装置。
  11. 前記手段(b)が、前記軸の周りに回転する基体の表面に対して、処理液を供給するノズルを有し、さらに高濃度オゾンガスを当てるノズルが付設された請求項または10に記載の除去装置。
  12. 前記手段(c)が、前記手段(b)によって基体上に処理液が膜状に形成された液膜を貫通して、レーザー光を照射可能に配置された請求項11のいずれか一項に記載の除去装置。
  13. 前記処理液が前記基体と接触した状態にあるときに、該処理液に高周波超音波を照射する手段を有する請求項12のいずれか一項に記載の除去装置。
  14. さらに、処理液加熱手段が付設されている請求項13のいずれか一項に記載の除去装置。
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