JP2004097881A - 薄膜除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜除去後の基板の表面へのパーティクルの残留をなくす。また、レジスト膜への水分の長時間付着による問題を回避する。
【解決手段】センタロボット3の周囲に、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6を備えている。レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWは、薄膜除去の後すぐに、スピン洗浄部5でスクラブ洗浄処理およびスピン乾燥処理を受け、その後さらに、ベーク乾燥部6で加熱による乾燥処理を受ける。
【選択図】 図1
【解決手段】センタロボット3の周囲に、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6を備えている。レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWは、薄膜除去の後すぐに、スピン洗浄部5でスクラブ洗浄処理およびスピン乾燥処理を受け、その後さらに、ベーク乾燥部6で加熱による乾燥処理を受ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板の表面に形成されている薄膜を除去する薄膜除去装置に関する。薄膜除去の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に形成されているレジスト膜や反射防止膜などの薄膜が局所的に除去される場合がある。たとえば、ウエハ表面のレジスト膜をパターン露光するための露光装置におけるウエハのアライメント(位置合わせ)に先立って、ウエハ上に形成されているアライメントマークを露出させるために、そのアライメントマーク上の一定領域のレジスト膜および反射防止膜が除去される。
【0003】
ウエハ表面の薄膜を除去するための装置として、最近、レーザアブレーション現象を利用した薄膜除去装置が注目されている。この種の薄膜除去装置では、ウエハを載置するためのウエハステージと、このウエハステージに載置されたウエハの表面にレーザ光を照射するためのレーザ照射系とが備えられており、レーザ照射系からウエハ表面の薄膜を除去すべき領域にレーザ光が一括照射される。レーザ光が照射された領域では、ウエハ表面の薄膜が爆発的に気化するアブレーション現象が生じ、その結果、レーザ光が照射された領域からウエハ表面の薄膜が除去される(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−113779号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レーザアブレーション現象によって薄膜を除去する手法には、レーザアブレーション現象が生じた領域(レーザ光が照射された領域)から薄膜の気化物が飛散し、これがパーティクルとなって、ウエハの表面に付着するという問題がある。
この問題の発生を回避するためには、たとえば、ウエハ上に水流を形成し、薄膜の気化物がパーティクルとなってウエハの表面に付着する前に、その水流で薄膜の気化物およびその気化物から生じたパーティクルをウエハ上から排出することが考えられる。
【0006】
そこで、本願発明者は、ウエハ上に水流を形成するための水流ノズルを設けて、ウエハ上に水流を形成しつつ、ウエハ表面へレーザ光を照射して薄膜を除去することを試みた。しかし、薄膜除去後のウエハの表面には多少のパーティクルが付着しており、ウエハ上に水流を形成しただけでは、ウエハの表面へのパーティクルの付着を完全に防止できないことがわかった。また、レジスト膜に水分が付着した状態で長時間放置しておくと、その水分がレジスト膜に悪影響を及ぼすという新たな問題を生じることもわかった。
【0007】
この発明は、かかる背景の下でなされたものであり、その目的は、薄膜除去後の基板の表面へのパーティクルの残留をなくすことができる薄膜除去装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、レジスト膜への水分の長時間付着による問題を回避できる薄膜除去装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部(4)と、この薄膜除去部で薄膜除去対象領域から薄膜が除去された後の基板の表面を洗浄する洗浄処理部(5)とを含むことを特徴とする薄膜除去装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0009】
この発明によれば、薄膜除去後の基板の表面が洗浄処理部で洗浄されるので、薄膜除去後の表面にパーティクルが付着しているおそれがない。
上記洗浄処理部は、請求項3に記載のように、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段(51)と、この基板保持回転手段に保持された基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段(52)とを備えたものであってもよい。また、請求項4に記載のように、上記洗浄処理部は、基板の表面をスクラブ洗浄するためのスクラブ手段(53)をさらに備えていてもよい。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部(5,6)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の薄膜除去装置である。
この発明によれば、洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させることができるから、基板表面のレジスト膜への水分の長時間付着による問題(たとえば、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質)を回避することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、基板(W)の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部(4)と、上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部(5,6)とを含むことを特徴とする薄膜除去装置である。
この発明によれば、薄膜除去処理部による薄膜除去後の基板を乾燥させることができるから、基板表面のレジスト膜への水分の長時間付着による問題(たとえば、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質)を回避することができる。
【0012】
上記乾燥処理部は、請求項6に記載のように、基板を加熱して乾燥させるものであってもよいし、請求項7に記載のように、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段(51)を備え、この基板保持回転手段によって基板を高速回転させることにより、基板に付着している水分を振り切って乾燥させるものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る薄膜除去装置のレイアウトを示す平面図である。この薄膜除去装置は、たとえば、半導体製造工程中の露光処理に先立ち、基板の一例であるウエハWの表面に形成されているレジスト膜や反射防止膜などの薄膜を局所的に除去して、その下層に設けられたアライメントマークを露出させるために用いられるものであり、半導体装置の製造工場内の作業用エリアAに面するロード/アンロード部1と、ウエハカセット搬送路から見て、ロード/アンロード部1の奥側に配置されたインデクサロボット2と、このインデクサロボット2のさらに奥側に配置されたセンタロボット3と、センタロボット3の周囲(左側、右側、奥側)に配置されたレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6とを備えている。これらは、薄膜除去装置のフレームに組み付けられて、1つの装置内に一体化されている。
【0014】
ロード/アンロード部1には、たとえば、作業用エリアAから見て右左に、薄膜除去前のウエハWを収容したウエハカセット(ロードカセット)がセットされるロード部11と、薄膜除去後のウエハWを収容すべきウエハカセット(アンロードカセット)がセットされるアンロード部12とが並べて設定されている。また、ロード部11には、ロードカセットのセット位置の下方に、ロードカセットから取り出されたウエハWの向きを調整するためのアライメント部が設けられている。
【0015】
インデクサロボット2は、水平方向の進退および上下方向の昇降が可能なインデクサハンド21を有している。また、インデクサロボット2は、ロード部11およびアンロード部12の配列方向(作業用エリアAから見て左右方向)に沿った直線状のロボット走行路22上を往復移動可能であり、さらに、鉛直軸線まわりに回転して、インデクサハンド21の進退方向を変えることができるようになっている。この構成により、インデクサロボット2は、インデクサハンド21でロードカセットからウエハWを取り出すことができ、また、インデクサハンド21に保持したウエハWをアンロードカセットに収容することができる。さらに、インデクサハンド21に保持したウエハWをセンタロボット3に受け渡すことができ、センタロボット3に保持されているウエハWをインデクサハンド21で受け取ることができる。
【0016】
センタロボット3は、水平方向に進退可能なダブルハンド31を有している。また、センタロボット3は、鉛直軸線まわりに回転して、ダブルハンド31の進退方向を変えることができるようになっている。これにより、センタロボット3は、ダブルハンド31をレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6に対して進退させることができる。
ダブルハンド31は、2つのウエハ保持ハンドを上下に積層した構成である。一方のウエハ保持ハンドは、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6にウエハWを搬入するために用いられ、他方のウエハ保持ハンドは、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6からウエハWを搬出するために用いられる。
【0017】
図2は、レーザ薄膜除去部4の構成を概念的に示す図である。レーザ薄膜除去部4は、ほぼ水平なウエハ載置面411を有するウエハステージ41と、ウエハステージ41のウエハ載置面411上に載置されたウエハWの表面(上面)にレーザ光を照射するためのレーザ照射系42と、ウエハW上に水流を形成するための水流ノズル43と、ウエハW上に形成される水流の高さを一定に規制するための透明板44とを備えている。
【0018】
ウエハステージ41には、このウエハステージ41を水平なX−Y平面内で移動させるためのXY駆動機構412が結合されている。ウエハステージ41のウエハ載置面411にウエハWを載置した状態でXY駆動機構412を動作させることにより、ウエハ載置面411上に載置されたウエハWをウエハステージ41ごとX−Y軸方向に移動させることができ、このウエハWのX−Y軸方向の移動によって、ウエハWの表面に対するレーザ照射系42からのレーザ光の照射位置を変えることができる。
【0019】
レーザ照射系42は、たとえば、レーザ光をウエハWの表面に照射して、そのウエハWの表面に一定形状の光像を形成する。ウエハWの表面のレーザ光が照射された領域(光像が形成された領域)では、ウエハ表面の薄膜が爆発的に気化するアブレーション現象が生じ、その結果、レーザ光が照射された領域からウエハ表面の薄膜が除去される。
レーザ照射系42からウエハWの表面にレーザ光が照射されている間、水流ノズル43からウエハWの表面に水が供給されて、ウエハW上にレーザ光の照射領域を一定方向に流れる水流(水膜)が形成される。これにより、レーザアブレーション現象によって生じた薄膜の気化物およびその気化物から生じたパーティクルを水流で押し流すことができ、ウエハWの表面にパーティクルが付着することを防止できる。また、ウエハW上に形成される水流は、透明板44の下面に接することにより、その高さがウエハWの表面と透明板44の下面との間の間隔に規制されている。よって、レーザ照射系42からのレーザ光は、それぞれ一定厚の透明板44および水流層を通して、焦点ずれを生じることなく、ウエハWの表面に照射される。さらに、ウエハW上に形成される水流は、ウエハWを冷却し、レーザアブレーション現象時に発生する熱がウエハWに悪影響を及ぼすことを防止する役割も果たしている。
【0020】
図3は、スピン洗浄部5の構成を概念的に示す図である。スピン洗浄部5は、ウエハWの表面からパーティクルを除去するための洗浄処理部であり、ウエハWを水平に保持しつつ回転するスピンチャック51と、このスピンチャック51に保持されたウエハWの表面に洗浄液を供給するためのノズル52と、スピンチャック51に保持されたウエハWの表面をスクラブ洗浄するためのスキャンブラシ装置53とを備えている。
【0021】
スピンチャック51は、たとえば、ウエハWの裏面(下面)を吸着して保持するバキュームチャックで構成されている。すなわち、スピンチャック51は、ほぼ鉛直に配置されたチャック軸511と、このチャック軸511の上端にほぼ水平に固定された円板状の吸着ベース512とを有するバキュームチャックで構成されている。チャック軸511は、たとえば、円筒状に形成されることによって吸気路を内部に有しており、この吸気路の上端は、吸着ベース512の内部に形成された吸着路を介して、吸着ベース512の上面に形成された吸着口に連通されている。また、チャック軸511には、モータなどを含む回転駆動機構513から回転力が入力されるようになっている。これにより、スピンチャック51は、吸着ベース512上にウエハWが表面を上方に向けて載置された状態で、吸気路の内部を排気することにより、ウエハWの裏面を真空吸着してほぼ水平に保持することができる。そして、その状態で回転駆動機構513からチャック軸511に回転力を入力することにより、ウエハWを、そのほぼ中心を通る鉛直軸線(チャック軸511の中心軸線)まわりに回転させることができる。
【0022】
スキャンブラシ装置53は、スピンチャック51に保持されたウエハWの外方で鉛直に延びた軸線まわりに揺動する揺動アーム531と、この揺動アーム531の先端下面に回転自在に設けられたディスク型のスクラブブラシ532とを備えている。
ウエハWの表面の洗浄に際しては、ウエハWを保持しているスピンチャック51が高速回転しつつ、ノズル52からウエハWの表面に向けて洗浄液が供給される。この一方で、ウエハWの表面に回転しているスクラブブラシ532が押しつけられ、さらに、揺動アーム531が揺動されることにより、スクラブブラシ532がウエハWの回転中心付近から周縁部までの範囲で繰り返し往復移動される。これにより、ウエハWの表面に付着した異物を浮き出させ、さらにその異物をウエハWの外側に向かって掃き出すことができ、ウエハWの表面の全域のスクラブ洗浄が達成される。また、スクラブ洗浄後、ノズル52からの洗浄液の供給を停止し、スクラブブラシ532をウエハWの表面から離間させて、スピンチャック51を高速回転させることにより、ウエハWの表面に付着している洗浄液を遠心力で振り切って除去することができる。すなわち、スピン洗浄部5は、ウエハWを振り切り乾燥(スピン乾燥)させる機能も有している。
【0023】
なお、洗浄液としては、たとえば、純水、炭酸水、オゾン水もしくはイオン水、またはこれらに超音波振動を付与した超音波水を用いることができる。
図4は、ベーク乾燥部6の構成を概念的に示す図である。ベーク乾燥部6は、ウエハWを加熱するための加熱部61と、ウエハWを冷却するための冷却部62とを上下に有している。
加熱部61は、面状ヒータなどの加熱手段を内蔵したホットプレート611を備えている。ホットプレート611の上面には、複数個(たとえば、3個)のプロキピン612が配設されており、この複数個のプロキピン612上にウエハWが載置されることにより、ウエハWは、ホットプレート611の上面から微小間隔だけ離れた状態で支持される。そして、ウエハWは、そのホットプレート611の上面から微少間隔だけ離れて支持された状態で、ホットプレート611に内蔵された加熱手段からの発熱による加熱処理を受ける。
【0024】
冷却部62は、冷却水配管または電子冷熱素子(たとえばペルチエ素子)などの冷却手段を内蔵したクールプレート621を備えている。クールプレート621の上面には、複数個(たとえば、3個)のプロキピン622が配設されており、この複数個のプロキピン622上にウエハWが載置されることにより、ウエハWは、クールプレート621の上面から微小間隔だけ離れた状態で支持される。そして、ウエハWは、そのクールプレート621の上面から微少間隔だけ離れて支持された状態で、クールプレート621に内蔵された冷却手段による冷却処理を受ける。
【0025】
図5は、この薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理について説明するための流れ図である。薄膜除去の対象となるウエハWは、ロード部11にセットされたロードカセットからインデクサロボット2によって取り出される。そして、インデクサロボット2からセンタロボット3に受け渡され、さらに、センタロボット3によってレーザ薄膜除去部4に搬入される。レーザ薄膜除去部4では、たとえば、ウエハW表面のアライメントマーク上の一定の領域(薄膜除去対象領域)にレーザ光が照射されて、その一定の領域からレジスト膜や反射防止膜などの薄膜が局所的に除去される。
【0026】
レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWは、センタロボット3によってレーザ薄膜除去部4から搬出され、次に、スピン洗浄部5に搬入される。スピン洗浄部5では、ウエハWの表面に付着しているパーティクルを除去するためのスクラブ洗浄処理が施され、さらに、そのスクラブ洗浄処理後のウエハWから洗浄液を除去するためのスピン乾燥処理が施される。
「発明が解決しようとする課題」の項にも記載したように、レーザ薄膜除去部4による薄膜除去の際にウエハW上に水流を形成しただけでは、ウエハWの表面へのパーティクルの付着を完全には防ぐことができず、薄膜除去後のウエハWの表面には多少のパーティクルが付着している。そこで、この薄膜除去装置には、スピン洗浄部5が備えられていて、薄膜除去後のウエハWの表面をスピン洗浄部5で洗浄することにより、薄膜除去後のウエハWの表面に付着しているパーティクルを除去することができ、パーティクルが付着していないウエハWを得ることができる。また、ウエハWの表面をスクラブ洗浄した後、スピン乾燥処理によってウエハWから洗浄液が除去されるので、洗浄液の長時間付着によるレジスト膜の改質などの問題を生じるおそれがない。
【0027】
スピン洗浄部5による洗浄処理を受けたウエハWは、センタロボット3によってスピン洗浄部5から搬出され、ベーク乾燥部6の加熱部61に搬入されて、ホットプレート611上で70〜80℃による加熱される。この加熱処理により、ウエハWの表面に残留している水分が完全に除去される。これにより、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質などの問題の発生をより一層なくすことができる。加熱部61で加熱されたウエハWは、センタロボット3によって加熱部61から冷却部62に移される。そして、冷却部62で冷却された後、センタロボット3によって搬出され、センタロボット3からインデクサロボット2に受け渡される。インデクサロボット2は、センタロボット3から受け取ったウエハWをアンロード部12にセットされたアンロードカセットに収容する。
【0028】
以上のように、この実施形態によれば、同一の装置内にレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6が備えられているので、レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWに対して、薄膜除去の後すぐに、スピン洗浄部5でスクラブ洗浄処理およびスピン乾燥処理を施すことができ、その後さらに、ベーク乾燥部6で加熱による乾燥処理を施すことができる。よって、この実施形態に係る薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理を受けた後のウエハWの表面には、パーティクルが付着していないので、フォトリソグラフィ工程における露光処理を良好に施すことができる。また、この薄膜除去装置では、レジスト膜に水分が長時間付着した状態になることがないので、このレジスト膜への水分の長時間付着による問題を生じるおそれがない。
【0029】
なお、レーザ薄膜除去部4で薄膜が除去された後のウエハWを、この薄膜除去装置とは別に設けられた乾燥装置で乾燥させることも考えられる。しかし、薄膜除去後のウエハWを乾燥装置に搬送するまでにある程度の時間を要し、その間に、ウエハWの表面に付着している水分がレジスト膜に悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。
この発明の一実施形態は以上のとおりであるが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、スピン洗浄部5は、ウエハWの表面をスクラブブラシ532でスクラブ洗浄する構成に限らず、ウエハWの表面に洗浄液をソフトスプレーすることにより、ウエハWの表面に付着したパーティクルを洗い流す構成(ソフトスクラバ)であってもよい。
【0030】
また、レーザ薄膜除去部4にスピン洗浄部5の機能が組み込まれることにより、スピン洗浄部5が省略されてもよい。たとえば、レーザ薄膜除去部4にウエハステージ41上に載置されたウエハWの表面をスクラブ洗浄するためのスキャンブラシ装置を備えて、水流ノズル43からウエハWの表面に水を供給しつつ、そのウエハWの表面をスクラブブラシでスクラブすることにより、ウエハWの表面のスクラブ洗浄を達成するようにしてもよい。
【0031】
さらに、上記の実施形態に係る薄膜除去装置に、ウエハWの表面に薄膜(たとえば、レジスト膜)を形成するためのコータ部がさらに備えられてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る薄膜除去装置のレイアウトを示す平面図である。
【図2】レーザ薄膜除去部の構成を概念的に示す図である。
【図3】スピン洗浄部の構成を概念的に示す図である。
【図4】ベーク乾燥部の構成を概念的に示す図である。
【図5】この薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理について説明するための流れ図である。
【符号の説明】
4 レーザ薄膜除去部
5 スピン洗浄部
6 ベーク乾燥部
51 スピンチャック
52 ノズル
53 スキャンブラシ装置
W ウエハ
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板の表面に形成されている薄膜を除去する薄膜除去装置に関する。薄膜除去の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に形成されているレジスト膜や反射防止膜などの薄膜が局所的に除去される場合がある。たとえば、ウエハ表面のレジスト膜をパターン露光するための露光装置におけるウエハのアライメント(位置合わせ)に先立って、ウエハ上に形成されているアライメントマークを露出させるために、そのアライメントマーク上の一定領域のレジスト膜および反射防止膜が除去される。
【0003】
ウエハ表面の薄膜を除去するための装置として、最近、レーザアブレーション現象を利用した薄膜除去装置が注目されている。この種の薄膜除去装置では、ウエハを載置するためのウエハステージと、このウエハステージに載置されたウエハの表面にレーザ光を照射するためのレーザ照射系とが備えられており、レーザ照射系からウエハ表面の薄膜を除去すべき領域にレーザ光が一括照射される。レーザ光が照射された領域では、ウエハ表面の薄膜が爆発的に気化するアブレーション現象が生じ、その結果、レーザ光が照射された領域からウエハ表面の薄膜が除去される(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−113779号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レーザアブレーション現象によって薄膜を除去する手法には、レーザアブレーション現象が生じた領域(レーザ光が照射された領域)から薄膜の気化物が飛散し、これがパーティクルとなって、ウエハの表面に付着するという問題がある。
この問題の発生を回避するためには、たとえば、ウエハ上に水流を形成し、薄膜の気化物がパーティクルとなってウエハの表面に付着する前に、その水流で薄膜の気化物およびその気化物から生じたパーティクルをウエハ上から排出することが考えられる。
【0006】
そこで、本願発明者は、ウエハ上に水流を形成するための水流ノズルを設けて、ウエハ上に水流を形成しつつ、ウエハ表面へレーザ光を照射して薄膜を除去することを試みた。しかし、薄膜除去後のウエハの表面には多少のパーティクルが付着しており、ウエハ上に水流を形成しただけでは、ウエハの表面へのパーティクルの付着を完全に防止できないことがわかった。また、レジスト膜に水分が付着した状態で長時間放置しておくと、その水分がレジスト膜に悪影響を及ぼすという新たな問題を生じることもわかった。
【0007】
この発明は、かかる背景の下でなされたものであり、その目的は、薄膜除去後の基板の表面へのパーティクルの残留をなくすことができる薄膜除去装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、レジスト膜への水分の長時間付着による問題を回避できる薄膜除去装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部(4)と、この薄膜除去部で薄膜除去対象領域から薄膜が除去された後の基板の表面を洗浄する洗浄処理部(5)とを含むことを特徴とする薄膜除去装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0009】
この発明によれば、薄膜除去後の基板の表面が洗浄処理部で洗浄されるので、薄膜除去後の表面にパーティクルが付着しているおそれがない。
上記洗浄処理部は、請求項3に記載のように、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段(51)と、この基板保持回転手段に保持された基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段(52)とを備えたものであってもよい。また、請求項4に記載のように、上記洗浄処理部は、基板の表面をスクラブ洗浄するためのスクラブ手段(53)をさらに備えていてもよい。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部(5,6)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の薄膜除去装置である。
この発明によれば、洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させることができるから、基板表面のレジスト膜への水分の長時間付着による問題(たとえば、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質)を回避することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、基板(W)の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部(4)と、上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部(5,6)とを含むことを特徴とする薄膜除去装置である。
この発明によれば、薄膜除去処理部による薄膜除去後の基板を乾燥させることができるから、基板表面のレジスト膜への水分の長時間付着による問題(たとえば、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質)を回避することができる。
【0012】
上記乾燥処理部は、請求項6に記載のように、基板を加熱して乾燥させるものであってもよいし、請求項7に記載のように、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段(51)を備え、この基板保持回転手段によって基板を高速回転させることにより、基板に付着している水分を振り切って乾燥させるものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る薄膜除去装置のレイアウトを示す平面図である。この薄膜除去装置は、たとえば、半導体製造工程中の露光処理に先立ち、基板の一例であるウエハWの表面に形成されているレジスト膜や反射防止膜などの薄膜を局所的に除去して、その下層に設けられたアライメントマークを露出させるために用いられるものであり、半導体装置の製造工場内の作業用エリアAに面するロード/アンロード部1と、ウエハカセット搬送路から見て、ロード/アンロード部1の奥側に配置されたインデクサロボット2と、このインデクサロボット2のさらに奥側に配置されたセンタロボット3と、センタロボット3の周囲(左側、右側、奥側)に配置されたレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6とを備えている。これらは、薄膜除去装置のフレームに組み付けられて、1つの装置内に一体化されている。
【0014】
ロード/アンロード部1には、たとえば、作業用エリアAから見て右左に、薄膜除去前のウエハWを収容したウエハカセット(ロードカセット)がセットされるロード部11と、薄膜除去後のウエハWを収容すべきウエハカセット(アンロードカセット)がセットされるアンロード部12とが並べて設定されている。また、ロード部11には、ロードカセットのセット位置の下方に、ロードカセットから取り出されたウエハWの向きを調整するためのアライメント部が設けられている。
【0015】
インデクサロボット2は、水平方向の進退および上下方向の昇降が可能なインデクサハンド21を有している。また、インデクサロボット2は、ロード部11およびアンロード部12の配列方向(作業用エリアAから見て左右方向)に沿った直線状のロボット走行路22上を往復移動可能であり、さらに、鉛直軸線まわりに回転して、インデクサハンド21の進退方向を変えることができるようになっている。この構成により、インデクサロボット2は、インデクサハンド21でロードカセットからウエハWを取り出すことができ、また、インデクサハンド21に保持したウエハWをアンロードカセットに収容することができる。さらに、インデクサハンド21に保持したウエハWをセンタロボット3に受け渡すことができ、センタロボット3に保持されているウエハWをインデクサハンド21で受け取ることができる。
【0016】
センタロボット3は、水平方向に進退可能なダブルハンド31を有している。また、センタロボット3は、鉛直軸線まわりに回転して、ダブルハンド31の進退方向を変えることができるようになっている。これにより、センタロボット3は、ダブルハンド31をレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6に対して進退させることができる。
ダブルハンド31は、2つのウエハ保持ハンドを上下に積層した構成である。一方のウエハ保持ハンドは、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6にウエハWを搬入するために用いられ、他方のウエハ保持ハンドは、レーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5またはベーク乾燥部6からウエハWを搬出するために用いられる。
【0017】
図2は、レーザ薄膜除去部4の構成を概念的に示す図である。レーザ薄膜除去部4は、ほぼ水平なウエハ載置面411を有するウエハステージ41と、ウエハステージ41のウエハ載置面411上に載置されたウエハWの表面(上面)にレーザ光を照射するためのレーザ照射系42と、ウエハW上に水流を形成するための水流ノズル43と、ウエハW上に形成される水流の高さを一定に規制するための透明板44とを備えている。
【0018】
ウエハステージ41には、このウエハステージ41を水平なX−Y平面内で移動させるためのXY駆動機構412が結合されている。ウエハステージ41のウエハ載置面411にウエハWを載置した状態でXY駆動機構412を動作させることにより、ウエハ載置面411上に載置されたウエハWをウエハステージ41ごとX−Y軸方向に移動させることができ、このウエハWのX−Y軸方向の移動によって、ウエハWの表面に対するレーザ照射系42からのレーザ光の照射位置を変えることができる。
【0019】
レーザ照射系42は、たとえば、レーザ光をウエハWの表面に照射して、そのウエハWの表面に一定形状の光像を形成する。ウエハWの表面のレーザ光が照射された領域(光像が形成された領域)では、ウエハ表面の薄膜が爆発的に気化するアブレーション現象が生じ、その結果、レーザ光が照射された領域からウエハ表面の薄膜が除去される。
レーザ照射系42からウエハWの表面にレーザ光が照射されている間、水流ノズル43からウエハWの表面に水が供給されて、ウエハW上にレーザ光の照射領域を一定方向に流れる水流(水膜)が形成される。これにより、レーザアブレーション現象によって生じた薄膜の気化物およびその気化物から生じたパーティクルを水流で押し流すことができ、ウエハWの表面にパーティクルが付着することを防止できる。また、ウエハW上に形成される水流は、透明板44の下面に接することにより、その高さがウエハWの表面と透明板44の下面との間の間隔に規制されている。よって、レーザ照射系42からのレーザ光は、それぞれ一定厚の透明板44および水流層を通して、焦点ずれを生じることなく、ウエハWの表面に照射される。さらに、ウエハW上に形成される水流は、ウエハWを冷却し、レーザアブレーション現象時に発生する熱がウエハWに悪影響を及ぼすことを防止する役割も果たしている。
【0020】
図3は、スピン洗浄部5の構成を概念的に示す図である。スピン洗浄部5は、ウエハWの表面からパーティクルを除去するための洗浄処理部であり、ウエハWを水平に保持しつつ回転するスピンチャック51と、このスピンチャック51に保持されたウエハWの表面に洗浄液を供給するためのノズル52と、スピンチャック51に保持されたウエハWの表面をスクラブ洗浄するためのスキャンブラシ装置53とを備えている。
【0021】
スピンチャック51は、たとえば、ウエハWの裏面(下面)を吸着して保持するバキュームチャックで構成されている。すなわち、スピンチャック51は、ほぼ鉛直に配置されたチャック軸511と、このチャック軸511の上端にほぼ水平に固定された円板状の吸着ベース512とを有するバキュームチャックで構成されている。チャック軸511は、たとえば、円筒状に形成されることによって吸気路を内部に有しており、この吸気路の上端は、吸着ベース512の内部に形成された吸着路を介して、吸着ベース512の上面に形成された吸着口に連通されている。また、チャック軸511には、モータなどを含む回転駆動機構513から回転力が入力されるようになっている。これにより、スピンチャック51は、吸着ベース512上にウエハWが表面を上方に向けて載置された状態で、吸気路の内部を排気することにより、ウエハWの裏面を真空吸着してほぼ水平に保持することができる。そして、その状態で回転駆動機構513からチャック軸511に回転力を入力することにより、ウエハWを、そのほぼ中心を通る鉛直軸線(チャック軸511の中心軸線)まわりに回転させることができる。
【0022】
スキャンブラシ装置53は、スピンチャック51に保持されたウエハWの外方で鉛直に延びた軸線まわりに揺動する揺動アーム531と、この揺動アーム531の先端下面に回転自在に設けられたディスク型のスクラブブラシ532とを備えている。
ウエハWの表面の洗浄に際しては、ウエハWを保持しているスピンチャック51が高速回転しつつ、ノズル52からウエハWの表面に向けて洗浄液が供給される。この一方で、ウエハWの表面に回転しているスクラブブラシ532が押しつけられ、さらに、揺動アーム531が揺動されることにより、スクラブブラシ532がウエハWの回転中心付近から周縁部までの範囲で繰り返し往復移動される。これにより、ウエハWの表面に付着した異物を浮き出させ、さらにその異物をウエハWの外側に向かって掃き出すことができ、ウエハWの表面の全域のスクラブ洗浄が達成される。また、スクラブ洗浄後、ノズル52からの洗浄液の供給を停止し、スクラブブラシ532をウエハWの表面から離間させて、スピンチャック51を高速回転させることにより、ウエハWの表面に付着している洗浄液を遠心力で振り切って除去することができる。すなわち、スピン洗浄部5は、ウエハWを振り切り乾燥(スピン乾燥)させる機能も有している。
【0023】
なお、洗浄液としては、たとえば、純水、炭酸水、オゾン水もしくはイオン水、またはこれらに超音波振動を付与した超音波水を用いることができる。
図4は、ベーク乾燥部6の構成を概念的に示す図である。ベーク乾燥部6は、ウエハWを加熱するための加熱部61と、ウエハWを冷却するための冷却部62とを上下に有している。
加熱部61は、面状ヒータなどの加熱手段を内蔵したホットプレート611を備えている。ホットプレート611の上面には、複数個(たとえば、3個)のプロキピン612が配設されており、この複数個のプロキピン612上にウエハWが載置されることにより、ウエハWは、ホットプレート611の上面から微小間隔だけ離れた状態で支持される。そして、ウエハWは、そのホットプレート611の上面から微少間隔だけ離れて支持された状態で、ホットプレート611に内蔵された加熱手段からの発熱による加熱処理を受ける。
【0024】
冷却部62は、冷却水配管または電子冷熱素子(たとえばペルチエ素子)などの冷却手段を内蔵したクールプレート621を備えている。クールプレート621の上面には、複数個(たとえば、3個)のプロキピン622が配設されており、この複数個のプロキピン622上にウエハWが載置されることにより、ウエハWは、クールプレート621の上面から微小間隔だけ離れた状態で支持される。そして、ウエハWは、そのクールプレート621の上面から微少間隔だけ離れて支持された状態で、クールプレート621に内蔵された冷却手段による冷却処理を受ける。
【0025】
図5は、この薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理について説明するための流れ図である。薄膜除去の対象となるウエハWは、ロード部11にセットされたロードカセットからインデクサロボット2によって取り出される。そして、インデクサロボット2からセンタロボット3に受け渡され、さらに、センタロボット3によってレーザ薄膜除去部4に搬入される。レーザ薄膜除去部4では、たとえば、ウエハW表面のアライメントマーク上の一定の領域(薄膜除去対象領域)にレーザ光が照射されて、その一定の領域からレジスト膜や反射防止膜などの薄膜が局所的に除去される。
【0026】
レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWは、センタロボット3によってレーザ薄膜除去部4から搬出され、次に、スピン洗浄部5に搬入される。スピン洗浄部5では、ウエハWの表面に付着しているパーティクルを除去するためのスクラブ洗浄処理が施され、さらに、そのスクラブ洗浄処理後のウエハWから洗浄液を除去するためのスピン乾燥処理が施される。
「発明が解決しようとする課題」の項にも記載したように、レーザ薄膜除去部4による薄膜除去の際にウエハW上に水流を形成しただけでは、ウエハWの表面へのパーティクルの付着を完全には防ぐことができず、薄膜除去後のウエハWの表面には多少のパーティクルが付着している。そこで、この薄膜除去装置には、スピン洗浄部5が備えられていて、薄膜除去後のウエハWの表面をスピン洗浄部5で洗浄することにより、薄膜除去後のウエハWの表面に付着しているパーティクルを除去することができ、パーティクルが付着していないウエハWを得ることができる。また、ウエハWの表面をスクラブ洗浄した後、スピン乾燥処理によってウエハWから洗浄液が除去されるので、洗浄液の長時間付着によるレジスト膜の改質などの問題を生じるおそれがない。
【0027】
スピン洗浄部5による洗浄処理を受けたウエハWは、センタロボット3によってスピン洗浄部5から搬出され、ベーク乾燥部6の加熱部61に搬入されて、ホットプレート611上で70〜80℃による加熱される。この加熱処理により、ウエハWの表面に残留している水分が完全に除去される。これにより、水分の長時間付着によるレジスト膜の改質などの問題の発生をより一層なくすことができる。加熱部61で加熱されたウエハWは、センタロボット3によって加熱部61から冷却部62に移される。そして、冷却部62で冷却された後、センタロボット3によって搬出され、センタロボット3からインデクサロボット2に受け渡される。インデクサロボット2は、センタロボット3から受け取ったウエハWをアンロード部12にセットされたアンロードカセットに収容する。
【0028】
以上のように、この実施形態によれば、同一の装置内にレーザ薄膜除去部4、スピン洗浄部5およびベーク乾燥部6が備えられているので、レーザ薄膜除去部4で一定の領域の薄膜が除去されたウエハWに対して、薄膜除去の後すぐに、スピン洗浄部5でスクラブ洗浄処理およびスピン乾燥処理を施すことができ、その後さらに、ベーク乾燥部6で加熱による乾燥処理を施すことができる。よって、この実施形態に係る薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理を受けた後のウエハWの表面には、パーティクルが付着していないので、フォトリソグラフィ工程における露光処理を良好に施すことができる。また、この薄膜除去装置では、レジスト膜に水分が長時間付着した状態になることがないので、このレジスト膜への水分の長時間付着による問題を生じるおそれがない。
【0029】
なお、レーザ薄膜除去部4で薄膜が除去された後のウエハWを、この薄膜除去装置とは別に設けられた乾燥装置で乾燥させることも考えられる。しかし、薄膜除去後のウエハWを乾燥装置に搬送するまでにある程度の時間を要し、その間に、ウエハWの表面に付着している水分がレジスト膜に悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。
この発明の一実施形態は以上のとおりであるが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、スピン洗浄部5は、ウエハWの表面をスクラブブラシ532でスクラブ洗浄する構成に限らず、ウエハWの表面に洗浄液をソフトスプレーすることにより、ウエハWの表面に付着したパーティクルを洗い流す構成(ソフトスクラバ)であってもよい。
【0030】
また、レーザ薄膜除去部4にスピン洗浄部5の機能が組み込まれることにより、スピン洗浄部5が省略されてもよい。たとえば、レーザ薄膜除去部4にウエハステージ41上に載置されたウエハWの表面をスクラブ洗浄するためのスキャンブラシ装置を備えて、水流ノズル43からウエハWの表面に水を供給しつつ、そのウエハWの表面をスクラブブラシでスクラブすることにより、ウエハWの表面のスクラブ洗浄を達成するようにしてもよい。
【0031】
さらに、上記の実施形態に係る薄膜除去装置に、ウエハWの表面に薄膜(たとえば、レジスト膜)を形成するためのコータ部がさらに備えられてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る薄膜除去装置のレイアウトを示す平面図である。
【図2】レーザ薄膜除去部の構成を概念的に示す図である。
【図3】スピン洗浄部の構成を概念的に示す図である。
【図4】ベーク乾燥部の構成を概念的に示す図である。
【図5】この薄膜除去装置による一連の薄膜除去処理について説明するための流れ図である。
【符号の説明】
4 レーザ薄膜除去部
5 スピン洗浄部
6 ベーク乾燥部
51 スピンチャック
52 ノズル
53 スキャンブラシ装置
W ウエハ
Claims (7)
- 基板の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部と、
この薄膜除去部で薄膜除去対象領域から薄膜が除去された後の基板の表面を洗浄する洗浄処理部と
を含むことを特徴とする薄膜除去装置。 - 上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の薄膜除去装置。
- 上記洗浄処理部は、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段と、この基板保持回転手段に保持された基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備えたものであることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜除去装置。
- 上記洗浄処理部は、基板の表面をスクラブ洗浄するためのスクラブ手段をさらに備えたものであることを特徴とする請求項3記載の薄膜除去装置。
- 基板の表面に水膜を形成し、その水膜を通して基板表面の薄膜を除去すべき薄膜除去対象領域にレーザ光を照射して、その薄膜除去対象領域の薄膜をレーザアブレーション現象で除去する薄膜除去処理部と、
上記洗浄処理部による洗浄後の基板を乾燥させる乾燥処理部と
を含むことを特徴とする薄膜除去装置。 - 上記乾燥処理部は、基板を加熱して乾燥させるものであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の薄膜除去装置。
- 上記乾燥処理部は、基板を保持して回転させることのできる基板保持回転手段を備え、この基板保持回転手段によって基板を高速回転させることにより、基板に付着している水分を振り切って乾燥させるものであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の薄膜除去装置。
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JP2008103556A (ja) * | 2006-10-19 | 2008-05-01 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理方法および基板処理装置 |
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CN105798034A (zh) * | 2016-04-27 | 2016-07-27 | 芜湖真空科技有限公司 | 玻璃清洗设备 |
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