JP4859172B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪処理剤に関し、さらに詳しくは、毛髪内部から損傷を受けてタンパク質や細胞膜複合体の構成脂質の流出が激しい硬くごわついた毛髪に、やわらかさとおさまりのよさを付与し得る毛髪処理剤に関するものである。
熱や日常のフラッシングなどにより極端なダメージを受けた毛髪は、内部からタンパク質や細胞膜複合体(毛髪のキューティクルと皮質細胞とを接着しているもの)の構成脂質が流出し、硬くごわついてしまっている。そのため、このような毛髪に対して、硬さやごわつき感を解消して、やわらかさやしっとり感を付与し、おさまりをよくすることが求められる。
上記のように内部からタンパク質や細胞膜複合体の構成脂質が流出した毛髪の硬さやごわつき感を解消するに当たっては、脂質成分を補うことが考えられる。
例えば、特許文献1には、特定構造の第4級アンモニウム塩と、ステアリルグリセリンエーテルおよび/またはコレステロールを必須成分として含有する毛髪化粧料が開示されており、上記毛髪化粧料によって、毛髪に対して、光沢およびなめらかさを付与し得ることが記載されている。
また、非特許文献1には、ダメージを受けた損傷毛に、毛髪の細胞膜複合体の構成脂質の一種であるセラミドを適用することで、その損傷を回復させ得ることが開示されている。
特開昭57−50911号公報 「フレグランスジャーナル」、2000年、第6号、p.61−64
しかしながら、上記のような脂質成分を配合した毛髪処理剤によっても、脂質成分を毛髪の内部にまで十分に浸透させることは困難であるため、内部に損傷を受けた毛髪に十分なトリートメント効果を付与できているとは言い難い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部に損傷を受けた毛髪に適用されることで、該毛髪の硬さやごわつき感を解消し、やわらかさやしっとり感を与え、おさまりをよくすることができる毛髪処理剤を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の毛髪処理剤は、少なくとも、2種以上のジカルボン酸エステルと、脂質成分とを含有するところに特徴を有するものである。
上記ジカルボン酸エステルとしては、アジピン酸ジエステルとセバシン酸ジエステルの組み合わせが好ましく、アジピン酸ジイソプロピルとセバシン酸ジエチルの組み合わせがより好ましい。
また、上記毛髪処理剤は、上記脂質成分として、少なくともコレステロール誘導体を含有するものが好ましい。
加えて、植物油を更に含有することも、本発明の毛髪処理剤の好ましい態様である。
本発明の毛髪処理剤を、内部に損傷を受けた毛髪に適用することで、該毛髪の硬さやごわつき感を解消して、やわらかさやしっとり感を与え、おさまりをよくすることができる。
本発明の毛髪処理剤では、毛髪の内部の損傷を回復するための脂質成分と共に、毛髪に対して浸透性の高いジカルボン酸エステルを2種以上用い、これらのジカルボン酸エステルの作用によって脂質成分の毛髪内部への浸透性を向上させ、脂質成分による毛髪の回復機能がより有効に発揮されるようにした点に最大の特徴を有している。
上記のジカルボン酸エステルとしては、毛髪内部への浸透性がより良好であることから、例えば、分子量が500以下の低分子量のジカルボン酸エステルが好ましい。このようなジカルボン酸エステルの具体例としては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジオクチルなどのコハク酸ジエステル;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジエトキシエチルなどのアジピン酸ジエステル;セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸ジエステル;などが挙げられ、これらの2種以上(2種類、3種類、4種類など)を用いることができる。中でも、脂質成分の毛髪内部への浸透性を向上させる作用がより良好である点で、アジピン酸ジエステルとセバシン酸ジエステルを組み合わせて用いることが好ましく、アジピン酸ジイソプロピルとセバシン酸ジエチルを組み合わせて用いることが特に好ましい。
毛髪処理剤における上記ジカルボン酸エステルの配合量としては、2種類以上の合計量で、例えば、0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。上記ジカルボン酸エステルの配合量が多すぎると、処理した毛髪のべたつきが強くなることがあり、配合量が少なすぎると、毛髪への脂質成分の浸透性向上効果が小さくなることがある。
また、2種類以上の上記ジカルボン酸エステルの配合比については、特に制限はないが、例えば、アジピン酸ジエステルとセバシン酸ジエステルを組み合わせる場合には、アジピン酸ジエステルとセバシン酸ジエステルの比率を、質量比で、1:5〜5:1とすることが好ましい。
本発明の毛髪処理剤に使用できる脂質成分としては、通常の毛髪化粧料に使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、細胞膜複合体の構成脂質やこれに類似の化合物が好ましく、具体的には、天然または合成セラミド(セラミド2、セラミド5など)、遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロール誘導体(ラノリン脂肪酸コレステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリルなどのコレステロールエステルなど)などが推奨される。中でも、べとつきが少なく、抱水性が高くエモリエント性に優れるので、上記例示のコレステロール誘導体(コレステロールエステル)が特に好ましい。
毛髪処理剤における脂質成分の配合量としては、例えば、0.05質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは2質量%以下が望ましい。脂質成分の配合量が多すぎると、処理した毛髪べたつきが強くなることがあり、配合量が少なすぎると、毛髪の改質効果(硬さやごわつき感を解消して、やわらかさやしっとり感を付与し、おさまりをよくする効果)が小さくなることがある。
また、上記毛髪処理剤には、通常の化粧品に配合されている油性成分やカチオン性界面活性剤を配合することが好ましい。油性成分としては、例えば、高級アルコール、エステル(上記のジカルボン酸エステルを除く)、炭化水素、植物油、シリコーン油などが挙げられる。これらの油性成分の中でも、植物油を使用することが好ましく、例えば、毛髪によい感触を付与できる点で、アボカド油、マカデミアナッツ油などが特に好ましく、他方、毛髪処理剤の酸化安定性をより高める作用を有する点で、モリンガ油が特に好ましい。毛髪処理剤における植物油の配合量としては、例えば、1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは4質量%以下であることが望ましい。また、このうち、特にモリンガ油の配合量は、毛髪処理剤全量中、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。
また、毛髪処理剤に配合できる上記の油性成分のうち、高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。上記のジカルボン酸エステル以外のエステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ジステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸フォトステリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットなどが挙げられる。炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。シリコーン油としては、例えば、ジメチルシリコーン、高重合ジメチルシリコーン、環状シリコーン(デカメチルシクロペンタシロキサンなど)、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン[アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ビス(C13−15アルコシキ)PGアモジメチコンなど]、メチルフェニルシリコーン、架橋型シリコーン(ジメチコンクロスポリマーなど)、ジメチコノールなどが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、などの塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
また、上記の油性成分やカチオン性界面活性剤以外にも、通常の化粧料に使用されている各種添加剤を毛髪処理剤に配合してもよい。このような添加剤としては、上記カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤、増粘剤、カチオン化ポリマー、動植物由来のタンパク質や該タンパク質の加水分解物または該タンパク質の誘導体(以下、「動植物由来のタンパク質など」という)、アミノ酸、植物抽出エキス、リン脂質、紫外線吸収剤、湿潤剤、消炎剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、香料、着色料などが挙げられ、これらを必要に応じて適宜配合することができる。
カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類[ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなど]、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテルなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタンなど)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤;コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;などが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。カチオン化ポリマーとしては、例えば、カチオン化セルロース(塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなど)、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプンなどが挙げられる。動植物由来のタンパク質などとしては、例えば、ケラチンなどが挙げられる。アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、パリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒスチジン、タウリン、スレオニンなどが挙げられる。植物抽出エキスとしては、海藻エキス、ハーブ抽出エキスなどが挙げられる。リン脂質としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ベンゾトリアゾリルドデシルp−クレゾールなどが挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリンなどの多価アルコールが挙げられる。消炎剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、カルベノキソロン二ナトリウム、カンゾウエキスなどが挙げられる。防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE(d−δ−トコフェノールなど)、酢酸d−δ−トコフェノールなどが挙げられる。pH調整剤としては、例えば、グリコール酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸、酪酸、シュウ酸、マレイン酸などの有機酸;リン酸、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;などが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸などが挙げられる。着色料としては、例えば、ベニバナ黄などが挙げられる。
なお、本発明の毛髪処理剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。また、毛髪処理剤における分散媒の配合量は、例えば、60〜90質量%であることが好ましい。
本発明の毛髪処理剤を用いて毛髪を処理には、例えば、以下のようにすればよい。シャンプーを用いて洗浄し、更に水洗してシャンプーを洗い流した後の毛髪に、本発明の毛髪処理剤を適量塗布する。その後、好ましくは数分間放置した後に毛髪を水洗して余分な毛髪処理剤を洗い流し、水分をタオルでふき取ったり、更にドライヤーを用いるなどして毛髪を乾燥する。このような処理によって、内部に損傷を受けた毛髪であっても、その硬さやごわつき感が解消され、やわらかく、しっとり感があって、更におさまりのよい性状とすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下の実施例などにおいて、「%」は「質量%」を意味している。また、毛髪処理剤の配合量としては、全体で100%となるように各成分の配合量を%で示し、後記の各表中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
実施例および比較例で用いた原材料は、以下の通りである。
(1)セバシン酸ジエチル:日本精化社製、
(2)アジピン酸ジイソプロピル:日本精化社製、
(3)軟質ラノリン脂肪酸コレステリル(コレステロール誘導体):日本精化社製「YOFCO CLE−S」、
(4)アボカド油:日光ケミカルズ社製「NIKKOL 精製アボカド油」、
(5)モリンガ油:International Flora Technologies社製「FLORALIPIDS Moringa Oil Refined」、
(6)塩化セチルトリメチルアンモニウム:東邦化学工業社製「カチナール CTC−70ET」、
(7)セタノール:花王社製「カルコール 6098」。
実施例1〜4および比較例1〜4
表1に示す組成で各原材料を配合して、実施例1〜4および比較例1〜4の毛髪処理剤を調製した。
得られた毛髪処理剤を用いて、毛髪の処理を行い、処理後の毛髪のやわらかさ、しっとり感およびおさまりを評価した。
毛髪処理剤による処理後の毛髪の評価は、20人の専門パネラーによる毛束の一対比較法によって行った。
評価に用いた毛束は以下の通りである。長さが20cmで質量が10gの損傷を受けていない毛束を用意し、この毛束を二等分して、そのうちの一方を基準毛束とした。そして、他方の毛束には、下記のシャンプー、ブリーチ、および縮毛矯正処理を2回ずつ繰り返すことによって損傷を受けさせ、これを評価毛束とした。このような基準毛束と評価毛束の組み合わせを、各実施例、比較例毎に用意した。
毛束のシャンプー処理:
3%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム溶液中に評価毛束を浸漬し、35℃で2分間振とうした。その後、この毛束を水道水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥させた。
毛束のブリーチ処理:
アンモニアでpH10に調整した4%過酸化水素水溶液に、上記シャンプー処理後の評価毛束を25℃で30分浸漬し、その後、これを水道水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥させた。
毛束の縮毛矯正処理:
縮毛矯正処理のための第1剤として、チオグリコール酸を9.0%含み、水酸化カリウムとモノエタノールアミン液とでpH9.3に調整し、精製水で全量を100%としたものを用意し、また、第2剤として、臭素酸ナトリウムを9.5%含み、精製水で全量を100%としたものを用意した。上記ブリーチ処理後の毛束に、上記第1剤を2g塗布し、ストレート(真っ直ぐ)に伸ばした状態で、室温で20分間放置した後、水洗し、ドライヤーを用いて水分が一部残った状態にまで乾燥させた。その後、表面温度を180℃に設定した高温整髪用アイロンで毛髪を約3秒間プレスするストレート化を3回繰り返した。次いで、毛束に上記第2剤を2g塗布し、室温で15分間放置した後、水洗し、24時間自然乾燥させて縮毛矯正処理を完了した。
上記のシャンプー処理、ブリーチ処理および縮毛矯正処理を2回ずつ繰り返してダメージを受けさせた毛束に対して、実施例1〜4または比較例1〜4の毛髪処理剤を2g塗布し、5分間室温で放置した後、軽く水洗し、タオルでよく水分を除去した後、ドライヤーを用いて乾燥させた。このようにして処理した評価毛束について、20人の専門パネラーに、毛髪のやわらかさ、しっとり感、およびおさまりのそれぞれについて基準毛束と比較させ、それぞれ下記の評価基準に従って点数化させた。
5点:非常によい、
4点:よい、
3点:普通、
2点:悪い、
1点:非常に悪い。
評価毛束における毛髪のやわらかさ、しっとり感、おさまりのそれぞれについて、上記パネラーが付けた点数を合計し、これら合計点から、下記基準に従って各毛髪処理剤の評価を行った。
◎:合計点が80点以上、
○:合計点が60点以上80点未満、
△:合計点が40点以上60点未満、
×:合計点が40点未満。
◎および○の評価であったものを合格とした。
また、実施例1〜4および比較例1〜4の毛髪処理剤で毛髪を処理した際の、コレステロール誘導体の毛髪への浸透量を測定した。浸透量の測定は、Liebermann−Burchard反応を利用し吸光光度法によって行った。
測定に先立って、検量線を作成し、吸光度とコレステロール誘導体(軟質ラノリン脂肪酸コレステリル)濃度の関係式を求めた。異なる濃度のコレステロール誘導体のクロロホルム溶液を調製し、これらの溶液を等量ずつ秤量し、無水酢酸と硫酸を添加し、30分放置後の波長650nmにおける吸光度を、島津製作所製「UV−1600」を用いて測定した。これらの測定で得られたコレステロール誘導体の濃度に対する吸光度をプロットして検量線を作成し、この検量線から吸光度とコレステロール誘導体濃度の関係式を得た。
次に、上記と同様にして、シャンプー処理、ブリーチ処理および縮毛矯正処理を2回ずつ施してダメージを受けさせた評価毛束を8つ用意し、それぞれに、実施例1〜4または比較例1〜4の毛髪処理剤を2g塗布して1分間放置した。その後、これらの毛束を40℃の精製水100gで30秒間すすぎ、ドライヤーを用いて乾燥させた後、毛髪の表面をヘキサンでふき取った。その後、これらの毛髪を1〜3mmに切断し、温度25℃、湿度50%の環境下で一晩調湿した。実施例、比較例毎に、調湿後の毛髪約0.3gを正確に秤量し、それぞれクロロホルム3mlを加え、30分間超音波抽出を行った。このようにして得られた抽出液各2mlを正確に量り取り、それぞれに無水酢酸2mlと硫酸20μlを添加し、30分放置後に、検量線作成に用いたものと同じ装置で、波長650nmにおける吸光度を測定した。
このようにして測定された各抽出液の吸光度の値と、上記の検量線により求められた吸光度とコレステロール誘導体濃度の関係式から、各抽出液2ml中のコレステロール誘導体量を求め、更に評価毛束1g中のコレステロール誘導体量を算出して、これを、実施例1〜4または比較例1〜4の毛髪処理剤で処理された毛髪におけるコレステロール誘導体の浸透量とした。
上記の各評価結果を表1に併記する。
なお、表1において、精製水の欄の「計100とする」とは、毛髪処理剤を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。
表1に示すように、実施例1〜4の毛髪処理剤で処理をした毛髪では、内部に浸透しているコレステロール誘導体(脂質成分)の量が多く、やわらかさ、しっとり感、おさまりのいずれもが優れている。特に、上記2種類のジカルボン酸エステルとコレステロール誘導体に加えて、植物油であるアボカド油およびモリンガ油を配合した実施例4の毛髪処理剤で処理された毛髪では、やわらかさ、しっとり感、おさまりのいずれもが特に優れている。
これに対し、ジカルボン酸エステルを1種類のみ含有する比較例1、およびジカルボン酸エステルを含有していない比較例4の毛髪処理剤で処理した毛髪では、内部に浸透しているコレステロール誘導体の量が少ない。そして、比較例1の毛髪処理剤で処理した毛髪は、やわらかさとおさまりが劣っており、比較例2および比較例4の毛髪処理剤で処理した毛髪は、やわらかさ、しっとり感、おさまりのいずれもが劣っている。また、脂質成分であるコレステロール誘導体を含有していない比較例3の毛髪処理剤で処理した毛髪も、やわらかさ、しっとり感、おさまりのいずれもが劣っている。

Claims (3)

  1. 少なくとも、アジピン酸ジエステルとセバシン酸ジエステルを含有する2種以上のジカルボン酸エステルと、コレステロールエステルとを含有することを特徴とする毛髪処理剤。
  2. 上記アジピン酸ジエステルがアジピン酸ジイソプロピルであり、上記セバシン酸ジエステルがセバシン酸ジエチルである請求項に記載の毛髪処理剤。
  3. 植物油を更に含有する請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
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