JPH09127105A - 毛髪損傷診断法 - Google Patents

毛髪損傷診断法

Info

Publication number
JPH09127105A
JPH09127105A JP7303475A JP30347595A JPH09127105A JP H09127105 A JPH09127105 A JP H09127105A JP 7303475 A JP7303475 A JP 7303475A JP 30347595 A JP30347595 A JP 30347595A JP H09127105 A JPH09127105 A JP H09127105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
fluorescent substance
hair damage
modifying
fluorescent material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7303475A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Sasaki
一郎 佐々木
Hideyo Uchiwa
秀世 打和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP7303475A priority Critical patent/JPH09127105A/ja
Publication of JPH09127105A publication Critical patent/JPH09127105A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、毛髪の損傷度を特異的かつ感
度良く容易に診断する方法を提供することにある。 【解決手段】人間の毛髪の損傷度合いを診断するに際
し、コレステロール測定用蛍光物質,生体膜プローブか
らなる蛍光物質,カルボキシル基を修飾できる蛍光物
質,DNAを標識できる蛍光物質,アミノ基を修飾でき
る蛍光物質等の蛍光物質と、毛髪を反応させ、損傷毛特
異的に吸着した蛍光物質を適当な波長の光を照射する事
により蛍光顕微鏡で損傷毛を判別する事を可能とする毛
髪損傷診断法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪の損傷度を診
断する際、損傷毛を特異的かつ感度良く容易に判別する
ことが出来る毛髪損傷診断法に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の毛髪は、日々のブラッシングやパ
ーマ等の化学的施術により損傷を受け、その結果、毛先
に枝毛や切れ毛等毛髪に対して好ましくない影響を与え
る。そして、一度損傷した毛髪は、修復能力がないため
経時的に損傷の程度が広がっていく。そのため毛髪の損
傷度合いを日々把握し、その度合いに応じたトリートメ
ント剤により毛髪の保護を行う必要がある。しかし、毛
髪の損傷度合いを簡便に調べる方法は、知られておら
ず、その開発が望まれていた。
【0003】従来、毛髪の損傷度を測定する方法として
走査型電子顕微鏡を用いた毛髪の表面分析法(Swif
t J.A. and Brown A.C.,Jou
rnal of the Society of Co
smetic Chemists,23,695(19
72))、毛髪の機械的強度を測る引張り試験(Don
ald E.D. and Martin M.R.,
Journal ofthe Society of
Cosmetic Chemists,19,395
(1968))、毛髪の内部構造の変化を測定するTh
ermomechanical Analysis(H
umphres W.T. et al.,Journ
al of the Society of Cosm
eticChemists,23,359(197
2))等があるが、操作が煩雑であるという欠点を有し
ていた。
【0004】また,毛髪の損傷度を測定する方法として
蛍光物質であるRhodamineBを用いる方法が紹
介されている(Tate M.L. et al,Jo
urnal of the Society of C
osmetic Chemists,44,347(1
993))。しかし,この方法では損傷毛よりむしろ健
常毛が蛍光物質と反応するため損傷毛の判別が難しく、
その上この蛍光物質の毛髪との結びつきが静電気的であ
るため日々の髪の手入れによる損傷の判別は出来なかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは、損傷毛を特異的かつ感度良く容易に判
別できる毛髪損傷診断法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、蛍光物質
としてコレステロール測定用蛍光物質,生体膜プローブ
からなる蛍光物質,カルボキシル基を修飾できる蛍光物
質,DNAを標識できる蛍光物質,アミノ基を修飾でき
る蛍光物質を使用することを特徴とする毛髪損傷診断法
によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳細
に説明する。
【0008】本発明に用いられるコレステロール測定用
の蛍光物質としては、例えばフィリピン/Filipi
n等が挙げられ、これは、ポリサイエンス社より入手可
能であり安価でしかも高感度であるため好ましい。
【0009】本発明で使用する生体膜プローブとは蛍光
団が結合した膜親和成分(脂肪酸、リン脂質、コレステ
ロール等)を言う。
【0010】本発明に用いられる生体膜プローブである
蛍光物質としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミ
ノ)−10−ドデシルアクリジニウムブロマイド/3,
6−Bis(dimethylamino)−10−d
odecylacridinium bromide,
1−アニリノナフタレン−8−スルフォニックアシッド
/1−Anilinonaphthalene−8−s
ulfonic acid,4,4−ジフルオロ−5,
2−(4,4−ジフルオロ−5−オクチル−4−ボラ−
3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ペンタノイ
ル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−フ
ォスフォコリン/2−(4,4−Difluoro−5
−octyl−4−bora−3a,4a−diaza
−s−indacene−3−pentanoyl)−
1−hexadecanoyl−sn−glycero
−3−phosphocholine,7−ジメチル−
4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−
デシルスルフェート/4,4−Difluoro−5,
7−dimethyl−4−bora−3a,4a−d
iaza−s−indacene−3−decylsu
lfate等が挙げられ、それらの内でも2−(4,4
−ジフルオロ−5−オクチル−4−ボラ−3a,4a−
ジアザ−s−インダセン−3−ペンタノイル)−1−ヘ
キサデカノイル−sn−グリセロ−3−フォスフォコリ
ンと4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ
−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−デシルス
ルフェートが、モレキュラープローブス社より入手可能
であり高感度であるため好ましい。
【0011】本発明に用いられるカルボキシル基を修飾
する蛍光物質としては、例えば7−アセトキシ−4−
(ブロモメチル)クマリン/7−Acetoxy−4−
(bromomethyl)coumarin,1−ピ
レニルジアゾメタン/1−Pyrenyldiazom
ethane,9−アンスリルジアゾメタン/9−An
thryldiazomethane等が挙げられ、そ
れらの内でも9−アンスリルジアゾメタンが、フナコシ
株式会社より入手可能であり安価でしかも高感度である
ため好ましい。
【0012】本発明に用いられるDNAを標識する蛍光
物質としては、例えばエチジウムブロマイド/Ethi
dium bromide,プロピディウムイオダイド
/Propidium iodide,アクリジンオレ
ンジ/Acridine orange等が挙げられ、
それらの内でもアクリジンオレンジが、モレキュラープ
ローブス社等より入手可能であり安価でしかも高感度で
あるため好ましい。
【0013】蛍光物質としてこれらのDNAを標識する
蛍光物質を用いた場合、特別な機器を必要とせず、目視
により簡便に毛髪の損傷度を判別できるため好ましい。
【0014】本発明に用いられるアミノ基を修飾する蛍
光物質としては、例えばフルオレスカミン/Fluor
escamine,フルオレセインイソチオシアネート
/Fluorescein isothiocyana
te,ダンシルクロライド/Dansyl chlor
ide等が挙げられ、それらの内でもダンシルクロライ
ドが、ピアスケミカル社より入手可能であり安価でしか
も高感度であるため好ましい。
【0015】本発明で使用される蛍光物質を溶解する溶
媒は、使用する蛍光物質の種類によって異なり一概に規
定出来るものではないが、一般にメタノール、エタノー
ル、、アセトン、ジメチルスルフォキシド等の有機溶媒
や水が望ましく、具体的にはフィリピンの場合ではジメ
チルスルフォキシドを溶媒とするのが好ましく、2−
(4,4−ジフルオロ−5−オクチル−4−ボラ−3
a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ペンタノイ
ル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−フ
ォスフォコリンおよび4,4−ジフルオロ−5,7−ジ
メチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセ
ン−3−デシルスルフェートの場合ではイオン交換水を
溶媒とするのが好ましく、9−アンスリルジアゾメタン
の場合ではメタノールを溶媒とするのが好ましく、DN
Aを標識する蛍光物質の場合、水溶液が望ましく、具体
的にはアクリジンオレンジの場合ではイオン交換水に溶
解するのが好ましく、ダンシルクロライドの場合ではア
セトンを溶媒とするのが好ましい。
【0016】本発明で使用される蛍光物質の溶液濃度
は、使用する蛍光物質の種類により異なり一概に規定出
来るものではないが、コレステロール測定用の蛍光物
質,生体膜プローブからなる蛍光物質,カルボキシル基
を修飾する蛍光物質,DNAを標識する蛍光物質の場合
は一般に0.001〜10%(W/V)が望ましく、具
体的にはフィリピン、2−(4,4−ジフルオロ−5−
オクチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダ
セン−3−ペンタノイル)−1−ヘキサデカノイル−s
n−グリセロ−3−フォスフォコリンおよび4,4−ジ
フルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−
ジアザ−s−インダセン−3−デシルスルフェート,9
−アンスリルジアゾメタン,アクリジンオレンジの場
合、0.01〜1%が,好ましい。アミノ基を修飾する
蛍光物質の場合は、一般的に0.1〜10%(W/V)
が望ましく、具体的にはダンシルクロライドの場合、
0.5〜5%が好ましい。
【0017】本発明で使用される蛍光物質と損傷毛の反
応は、蛍光物質の種類により異なり一概に規定出来るも
のではないが、コレステロール測定用の蛍光物質,DN
Aを標識する蛍光物質,の場合は一般にリン酸ナトリウ
ム緩衝液等の緩衝液中で,生体膜プローブからなる蛍光
物質の場合は一般に水溶液中で,カルボキシル基を修飾
できる蛍光物質の場合は一般に蛍光物質が溶解する溶液
中で,アミノ基を修飾する蛍光物質の場合は一般に適当
な塩溶液中で行うのが望ましく、具体的にはフィリピン
の場合では、生理リン酸緩衝液が、2−(4,4−ジフ
ルオロ−5−オクチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ
−s−インダセン−3−ペンタノイル)−1−ヘキサデ
カノイル−sn−グリセロ−3−フォスフォコリンおよ
び4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−
3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−デシルスル
フェートの場合ではイオン交換水が、9−アンスリルジ
アゾメタンの場合では、溶解させたメタノールが特に好
ましく、9−アンスリルジアゾメタンの場合では、溶解
させたメタノールが特に好ましく、アクリジンオレンジ
の場合では、1mM−エチレンジアミン四酢酸を含む1
0mM−リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)等のp
H6〜8までの緩衝液が好ましく、ダンシルクロライド
の場合では、0.1M−炭酸水素ナトリウム水溶液が特
に好ましい。
【0018】また、本発明に使用される蛍光物質と損傷
毛の反応温度としては、コレステロール測定用の蛍光物
質,生体膜プローブからなる蛍光物質,DNAを標識す
る蛍光物質,アミノ基を修飾する蛍光物質の場合は0〜
80℃が選択出来、カルボキシル基を修飾できる蛍光物
質の場合は0〜60℃が選択出来、コレステロール測定
用の蛍光物質,生体膜プローブからなる蛍光物質,カル
ボキシル基を修飾できる蛍光物質,DNAを標識する蛍
光物質の場合は15〜30℃が、アミノ基を修飾する蛍
光物質の場合は30〜40℃が特に好ましい。
【0019】更に、本発明に使用される蛍光物質と損傷
毛の反応時間としては、コレステロール測定用の蛍光物
質,生体膜プローブからなる蛍光物質,カルボキシル基
を修飾できる蛍光物質の場合は1分〜5時間でよく、診
断の確実性を上げるためには、コレステロール測定用の
蛍光物質の場合は10分〜1時間が,生体膜プローブか
らなる蛍光物質の場合は45分〜1時間30分が,カル
ボキシル基を修飾できる蛍光物質の場合は2〜4時間が
特に好ましい。また、DNAを標識する蛍光物質の場
合、反応時間は1分〜1時間でよく、診断の確実性を上
げるためには3分〜10分が特に好ましい。更に、アミ
ノ基を修飾する蛍光物質の場合は30秒〜5時間でよ
く、診断の確実性を上げ、時間の節約を行うためには1
分〜5分が特に好ましい。
【0020】毛髪と反応した蛍光物質の検出は、適当な
波長の光を照射する事により達成される。具体的にはフ
ィリピン,9−アンスリルジアゾメタン,アクリジンオ
レンジ,N−(9−アクリジニル)マレイミドの場合3
40nm〜400nmまで任意の波長の光を選択する事
が出来るが、蛍光強度の強さや光源の入手し易さ等によ
り360nm〜370nmの波長の光を照射するのが好
ましい。また、2−(4,4−ジフルオロ−5−オクチ
ル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−
3−ペンタノイル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グ
リセロ−3−フォスフォコリンおよび4,4−ジフルオ
ロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ
−s−インダセン−3−デシルスルフェートの場合40
0nm〜600nmまで任意の波長の光を選択する事が
出来るが、蛍光強度の強さや光源の入手し易さ等により
450nm〜500nmの波長の光を照射するのが好ま
しい。
【0021】損傷度合いの判断は、目視または蛍光顕微
鏡で行う事が出来るが、診断の精確さを求めるために蛍
光顕微鏡で行うのが好ましい。但し、DNAを標識する
蛍光物質,アミノ基を修飾する蛍光物質の場合、目視に
よっても、十分判別が可能であるため、操作の簡便性の
点では、目視によるのが好ましい。
【0022】尚、分析毛髪としては、日本人、中国人等
人種を問わず使用出来るが、分析に先立ってメタノール
等により毛髪の油分を更にラウリル硫酸ナトリウム等の
界面活性剤により毛髪の汚れを落としておくのが望まし
い。
【0023】また、反応に用いる毛髪の長さは、5mm
〜ロングヘアーの毛先から根元までの長さを任意に選ぶ
事が出来るが、操作上1〜5cmの長さが好ましい。
【0024】更に、反応に用いる毛髪の本数は、1本か
ら行えるが、診断の精確さを求めなおかつ簡便であるた
めには1〜20本が望ましい。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0026】実施例1 クロロホルムを含むメタノール(組成比1:1)で油分
を、その後1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液により汚
れを落とした中国人毛髪を未処理毛髪とし、この毛髪を
水に膨潤させ市販の豚毛ブラシにより100回ブラッシ
ングし、このブラッシング毛髪を更に既知の方法により
パーマ処理した毛髪をパーマ+ブラッシング毛髪とし
た。
【0027】各種毛髪10本ずつを試験管に入れ、それ
にジメチルスルフォキシド/生理リン酸緩衝液(1:5
0)に溶解した0.02%濃度のフィリピン溶液3ml
を加え、20℃の室温下30分間放置した。
【0028】その後、上記フィリピンを溶解した緩衝液
3mlで3回毛髪を洗浄し、乾燥後各種毛髪に暗箱中で
365nmの波長を持つ光を照射し、蛍光顕微鏡により
蛍光強度を判断した。
【0029】
【表1】
【0030】上記試験の結果を表1に示す。その結果、
未処理毛髪ではほとんど蛍光を発せず、ほとんど損傷し
ていない毛髪と判断出来、パーマ+ブラッシング毛髪で
は強い蛍光を発し、完全に損傷した毛髪と判断出来た。
【0031】実施例2〜3 実施例1と同様に準備した各種毛髪10本ずつを試験管
に入れたものを、各々2組用意し、0.1%濃度の2−
(4,4−ジフルオロ−5−オクチル−4−ボラ−3
a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ペンタノイ
ル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−フ
ォスフォコリン水溶液(実施例2),又は4,4−ジフ
ルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジ
アザ−s−インダセン−3−デシルスルフェート水溶液
(実施例3)0.1mlを加え、20℃の室温下で1時
間放置した。
【0032】その後、イオン交換水3mlで3回毛髪を
洗浄し、乾燥後各種毛髪に450nmから500nmの
波長を持つ光を照射し、蛍光顕微鏡により蛍光強度を判
断した。
【0033】
【表2】
【0034】上記試験の結果を表2に示す。その結果、
未処理毛髪ではほとんど弱い蛍光しか発せず、ほとんど
損傷していない毛髪と判断出来、パーマ+ブラッシング
毛髪では強い蛍光を発し、完全に損傷した毛髪と判断出
来た。
【0035】実施例4 実施例1と同様に準備した各種毛髪10本ずつを試験管
に入れ、それにメタノールに溶解した0.1%濃度の9
−アンスリルジアゾメタン溶液3mlを加え、20℃の
室温で3時間加温した。
【0036】その後、メタノール3mlで3回毛髪を洗
浄し、乾燥後各種毛髪に365nmの波長を持つ光を照
射し、蛍光顕微鏡により蛍光強度を判断した。
【0037】
【表3】
【0038】上記試験の結果を表3に示す。その結果、
未処理毛髪ではほとんど弱い蛍光しか発せず、ほとんど
損傷していない毛髪と判断出来、パーマ+ブラッシング
毛髪では強い蛍光を発し、完全に損傷した毛髪と判断出
来た。
【0039】実施例5 実施例1と同様に準備した未処理毛髪,ブラッシング毛
髪,パーマ+ブラッシング毛髪の各種毛髪10本ずつを
試験管に入れ、1mM−エチレンジアミン四酢酸を含む
10mM−リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)3m
lを加え毛髪を膨潤した。それにイオン交換水に溶解し
た0.05%濃度のアクリジンオレンジ溶液0.1ml
を加え、20℃の室温下で5分間放置した。
【0040】その後、イオン交換水10mlで3回毛髪
を洗浄し、乾燥後各種毛髪に暗箱中で365nmの波長
を持つ光を照射し目視により蛍光強度を判断した。
【0041】
【表4】
【0042】上記試験の結果を表4に示す。その結果、
未処理毛髪ではほとんど蛍光を発せず、目視によりほと
んど損傷していない毛髪と判断出来、ブラッシング毛髪
では弱い蛍光を発し、目視により一部損傷している毛髪
と判断出来、パーマ+ブラッシング毛髪では強い蛍光を
発し、目視により完全に損傷した毛髪と判断出来た。
【0043】実施例6 実施例1と同様に準備した未処理毛髪,ブラッシング毛
髪,パーマ+ブラッシング毛髪の各種毛髪10本ずつを
試験管に入れ、0.1M−炭酸水素ナトリウム3mlを
加え毛髪を膨潤した。それにアセトンに溶解した2%濃
度のダンシルクロライドアセトン溶液1mlを加え、3
7℃の湯浴中で2分間加温した。
【0044】その後、イオン交換水10mlで3回、更
にアセトン5mlで毛髪を洗浄し、乾燥後各種毛髪に暗
箱中で365nmの波長を持つ光を照射し、目視により
蛍光強度を判断した。
【0045】
【表5】
【0046】上記試験の結果を表5に示す。その結果、
未処理毛髪ではほとんど蛍光を発せず、目視によりほと
んど損傷していない毛髪と判断出来、ブラッシング毛髪
では弱い蛍光を発し、目視により一部損傷している毛髪
と判断出来、パーマ+ブラッシング毛髪では強い蛍光を
発し、目視により完全に損傷した毛髪と判断出来た。
【0047】以上の様に、本発明の、蛍光物質により人
間の毛髪の損傷度を測定する方法は、各種損傷度を有す
る毛髪の損傷度を的確に診断する事が出来るという利点
を有する。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明により、毛髪の損
傷度を診断する際、損傷毛を簡便に特異的かつ感度良く
判別する診断方法が提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/92 G01N 33/92 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光物質を用いて毛髪の損傷を診断する
    方法において、蛍光物質として、コレステロール測定用
    蛍光物質,生体膜プローブからなる蛍光物質,カルボキ
    シル基を修飾できる蛍光物質,DNAを標識できる蛍光
    物質,アミノ基を修飾できる蛍光物質,からなる群から
    選択される物質を使用することを特徴とする毛髪損傷診
    断法。
  2. 【請求項2】 コレステロール測定用の蛍光物質が、フ
    ィリピンであることを特徴とする請求項1記載の毛髪損
    傷診断法。
  3. 【請求項3】 生体膜プローブからなる蛍光物質が、2
    −(4,4−ジフルオロ−5−オクチル−4−ボラ−3
    a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ペンタノイ
    ル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−フ
    ォスフォコリン,又は4,4−ジフルオロ−5,7−ジ
    メチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセ
    ン−3−デシルスルフェートであることを特徴とする請
    求項1記載の毛髪損傷診断法。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を修飾できる蛍光物質
    が、9−アンスリルジアゾメタンであることを特徴とす
    る請求項1記載の毛髪損傷診断法。
  5. 【請求項5】 DNAを標識できる蛍光物質が、アクリ
    ジンオレンジであることを特徴とする請求項1記載の毛
    髪損傷診断法。
  6. 【請求項6】 アミノ基を修飾できる蛍光物質が、ダン
    シルクロライドであることを特徴とする請求項1記載の
    毛髪損傷診断法。
JP7303475A 1995-10-26 1995-10-26 毛髪損傷診断法 Pending JPH09127105A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303475A JPH09127105A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 毛髪損傷診断法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303475A JPH09127105A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 毛髪損傷診断法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09127105A true JPH09127105A (ja) 1997-05-16

Family

ID=17921410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7303475A Pending JPH09127105A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 毛髪損傷診断法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09127105A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005057211A1 (ja) * 2003-12-09 2005-06-23 Shiseido Company, Ltd. 毛髪中の酸化タンパク質を指標とする毛髪ダメージ評価方法
JP2007001951A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Milbon Co Ltd 毛髪処理剤
JP2007304001A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Hoyu Co Ltd 分析装置及び分析方法
JP2008180709A (ja) * 2006-12-28 2008-08-07 Shiseido Co Ltd ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法
JP2011507001A (ja) * 2007-12-17 2011-03-03 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 無機物で被覆された高分子表面における欠陥を検出する方法
WO2011071713A1 (en) * 2009-12-07 2011-06-16 The Procter & Gamble Company Method for assessing the damage of keratin fibers
JP2015222248A (ja) * 2014-04-28 2015-12-10 株式会社ミルボン カルボニル化度の評価方法、カルボニル化度低下成分のスクリーニング方法、カルボニル化度低下剤
US9310315B2 (en) 2007-12-17 2016-04-12 Life Technologies Corporation Methods for detecting defects in inorganic-coated polymer surfaces
WO2017198479A1 (de) * 2016-05-19 2017-11-23 Henkel Ag & Co. Kgaa Verfahren und vorrichtung zum ermitteln eines schädigungsgrads von haar

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005057211A1 (ja) * 2003-12-09 2005-06-23 Shiseido Company, Ltd. 毛髪中の酸化タンパク質を指標とする毛髪ダメージ評価方法
JP2007001951A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Milbon Co Ltd 毛髪処理剤
JP2007304001A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Hoyu Co Ltd 分析装置及び分析方法
JP2008180709A (ja) * 2006-12-28 2008-08-07 Shiseido Co Ltd ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法
JP2011507001A (ja) * 2007-12-17 2011-03-03 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 無機物で被覆された高分子表面における欠陥を検出する方法
US9310315B2 (en) 2007-12-17 2016-04-12 Life Technologies Corporation Methods for detecting defects in inorganic-coated polymer surfaces
WO2011071713A1 (en) * 2009-12-07 2011-06-16 The Procter & Gamble Company Method for assessing the damage of keratin fibers
JP2013512455A (ja) * 2009-12-07 2013-04-11 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー ケラチン繊維の損傷評価方法
JP2015222248A (ja) * 2014-04-28 2015-12-10 株式会社ミルボン カルボニル化度の評価方法、カルボニル化度低下成分のスクリーニング方法、カルボニル化度低下剤
WO2017198479A1 (de) * 2016-05-19 2017-11-23 Henkel Ag & Co. Kgaa Verfahren und vorrichtung zum ermitteln eines schädigungsgrads von haar
US20190285546A1 (en) * 2016-05-19 2019-09-19 Henkel Ag & Co. Kgaa Method and device for determining a degree of damage to hair
US10955344B2 (en) * 2016-05-19 2021-03-23 Henkel Ag & Co. Kgaa Method and device for determining a degree of damage to hair

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Angmar-Månsson et al. Optical methods for the detection and quantification of caries
KR101087576B1 (ko) 개선 공정
JPH09127105A (ja) 毛髪損傷診断法
CA2214829C (en) Methods and compositions for in-vivo detection of oral cancers and precancerous conditions
BR9913849A (pt) Agente de contraste fluorescente próximo ao infravermelho e formação de imagem fluorescente
JP4116035B2 (ja) 毛髪中の酸化タンパク質を指標とする毛髪ダメージ評価方法
Kolli et al. Native cellular fluorescence can identify changes in epithelial thickness in-vivo in the upper aerodigestive tract
JP5551791B2 (ja) ケラチン繊維の損傷評価方法
JP2004340935A (ja) 角層における酸化タンパク質の評価方法
DE69815394D1 (de) Verfahren zur untersuchung von nierenkrankheiten
US20020182153A1 (en) Method for detecting chitin-containing organisms
Blackledge et al. Examination for petrolatum based lubricants in evidence from rapes and sodomies
KR20060005380A (ko) 각질층에 있어서의 산화 단백질의 평가 방법
JP3708368B2 (ja) 皮膚の活性酸素の測定方法
Piérard Microscopic evaluation of the dansyl chloride test
JPH08178920A (ja) 毛髪損傷診断法
Dinakar et al. Diagnostic aids in early oral cancer detection-a review
JP6703218B1 (ja) 皮膚の状態を評価する方法
MXPA02002183A (es) Agente de diagnostico de azul de metileno y metodos para la deteccion de cancer epitelial.
JP4523137B2 (ja) 毛髪の損傷診断方法
CN116519675A (zh) 疑似污染物、对象物的清洗方法及清洗操作的精度管理方法
JP2001264323A (ja) 毛髪損傷診断法
JP2007064718A (ja) 可視光皮膚刺激誘発能力の検定方法、及びその利用
Banerjee et al. Detection of murine intestinal adenomas using targeted molecular autofluorescence
JPH08271515A (ja) ケラチンの損傷度の測定方法および測定装置