JP2001264323A - 毛髪損傷診断法 - Google Patents

毛髪損傷診断法

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JP2001264323A
JP2001264323A JP2000076008A JP2000076008A JP2001264323A JP 2001264323 A JP2001264323 A JP 2001264323A JP 2000076008 A JP2000076008 A JP 2000076008A JP 2000076008 A JP2000076008 A JP 2000076008A JP 2001264323 A JP2001264323 A JP 2001264323A
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JP
Japan
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hair
root
tip
cholesterol
amount
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JP2000076008A
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Hiroyuki Taguchi
浩之 田口
Mitsuyuki Hotta
光行 堀田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 毛髪の根元部と毛先部の内在コレステロ
ール量又は内在遊離脂肪酸量を測定し、当該部位間の測
定値を対比することを特徴とする毛髪損傷診断法。 【効果】 枝毛や切れ毛等の肉眼で明らかに判別できな
い毛髪の損傷を正確かつ容易に診断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪の損傷度合の
診断法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ヒトの
毛髪は、ドライヤーによる加熱、パーマネントウェーブ
等の処理により損傷され、枝毛、切れ毛などが発生す
る。一度枝毛や切れ毛が発生すると修復は不可能であ
る。従って、毛髪の損傷が進行し、枝毛や切れ毛になる
前に、損傷度合を診断し、未然に毛髪処理を行う必要が
ある。
【0003】このような毛髪の損傷度合の診断方法とし
ては、走査型電子顕微鏡を用いる方法、引張り試験によ
る機械的強度を測定する方法等が報告されている。しか
し、これらの方法はいずれも操作が煩雑である、高価な
装置を必要とする等の問題があり、広く用いられるには
到っていない。
【0004】また、蛍光物質であるRhodamine B を用い
る方法や蛍光物質としてコレステロール測定用蛍光物
質、生体膜プローブからなる蛍光物質、カルボキシル基
を修飾できる蛍光物質、DNAを標識できる蛍光物質又
はアミノ基を標識できる蛍光物質を使用する毛髪損傷診
断法が報告されている(特開平9−127105号)。
しかしながら、これらの方法もまた、高価な蛍光物質や
蛍光顕微鏡のような特殊な装置を必要とするため、広く
用いられるには到っていない。
【0005】従って本発明の目的は、より正確、容易か
つ安価に毛髪の損傷度合が診断できる方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、毛髪の損
傷度合いと毛髪内在物質との関連について検討してきた
が、健常毛の内在物質量には個人差があり、単に内在物
質量を比較するだけでは正確な損傷度合いの診断はでき
ないことが判明した。そこで、更に検討を重ねた結果、
毛髪の損傷度合いは根元から毛先部にかけて大きくなる
こと、これにともなって内在物質量が減少していくこ
と、また、根元から毛先部にかけての内在物質量の変化
が特に大きいものはコレステロールと遊離脂肪酸である
ことを見出した。更に、これらの内在量を根元部と毛先
部で測定し、これを対比すれば正確に毛髪の損傷度合い
が診断できることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、毛髪の根元部と毛先
部の内在コレステロール量又は内在遊離脂肪酸量を測定
し、当該部位間の測定値を対比することを特徴とする毛
髪損傷診断法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず、毛髪の
根元部と毛先部の内在コレステロール量又は遊離脂肪酸
量を測定する。診断に必要な毛髪の量は根元部と毛先
部、それぞれ1mg以上、好ましくは5mg以上あればよ
い。診断に必要な毛髪の本数は前述の基準にしたがって
適宜決めることが出来るが、正確な診断をするために
は、採取する毛髪は10〜30本、好ましくは20〜3
0本とし、毛髪の根元部と毛先部をそれぞれ1〜5cm程
度の部分とするのが好ましい。
【0009】本発明において、毛髪の根元部とは、毛髪
の毛根部分より5cm以内、好ましくは3cm以内とし、毛
先部とは、根元部以外のすべての部分を指すが、診断に
用いられる毛先部は任意の1〜5cm程度の部分とするの
が好ましい。これらの毛髪試料は、根元から切り取って
採取後、根元部と毛先部に切断すればよい。
【0010】本発明の毛髪損傷診断法は、毛髪表面に内
在するコレステロール又は遊離脂肪酸量を測定するので
はなく、毛髪内部に存在するコレステロール又は遊離脂
肪酸量を測定する。毛髪表面には様々な汚れや、頭皮、
毛髪化粧料等由来のコレステロールや遊離脂肪酸が存在
しているため、そのままでは毛髪損傷診断の対象とする
ことができない。したがって、本発明では、測定に先立
って毛髪表面の汚れ等を除去する。除去手段としては水
やラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤等、更にはヘ
キサン、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、アセト
ン、エタノール、メタノール等の有機溶媒を用いて毛髪
試料を1〜5分間洗浄すればよい。毛髪内在のコレステ
ロールや遊離脂肪酸量に影響を与えず毛髪表面のみを洗
浄するためには、水とヘキサンを用いて洗浄するのが好
ましい。当該洗浄は、採取毛髪全体について行った後根
元部と毛先部に分けてもよいし、根元部と毛先部とに分
けた後に行ってもよいが、前者が好ましい。
【0011】毛髪の内在コレステロール量又は内在遊離
脂肪酸量の測定は、例えば毛髪の根元部及び毛先部から
それぞれ内在コレステロールは遊離脂肪酸を抽出し、当
該抽出液中の量を測定することにより行われる。抽出に
先立って、抽出効率を上げる目的で毛髪の根元部及び毛
先部試料をそれぞれ1〜3mm長程度に細切りするのが好
ましい。抽出溶剤としては毛髪を膨潤させ、目的物を抽
出でき、かつ測定に影響を与えない溶剤が好ましい。例
えばエタノール、イソプロパノール、水−エタノール混
液、水−イソプロパノール混液等が挙げられ、特に水−
エタノール混液が好ましい。抽出時間としては、1〜6
0分でよく、好ましくは5〜10分がよい。また、抽出
温度は0〜60℃が選択できるが、15〜40℃が特に
好ましい。
【0012】コレステロール量又は遊離脂肪酸量の測定
試薬としては、既知の測定試薬をいずれも用いることが
できる。コレステロール測定試薬としては、例えばコレ
ステロールオキシダーゼ法を利用した総コレステロール
測定試薬や遊離コレステロール測定試薬などが挙げられ
る。このうち、コレステロールオキシダーゼを利用した
発色試薬を用いるのが、簡便かつ正確である点から好ま
しい。
【0013】遊離脂肪酸測定試薬としては、アシルCo
Aを経由する酵素法による発色試薬、銅錯体を経由する
キレート発色試薬などが挙げられる。このうち、酵素法
による発色試薬を用いるのが、簡便かつ正確である点か
ら好ましい。
【0014】得られた毛髪の根元部の測定抽出及び毛先
部の測定値を対比し、根元部に対する毛先部の測定値の
減少量、減少率などを求めて、毛髪の損傷度合を診断す
る。すなわち、本発明者らの研究によれば、毛髪内部の
物質のうち、コレステロール及び遊離脂肪酸の量の減少
は損傷度合と良く相関する。そして、根元部のこれらの
量をコントロールとして毛先部の量を測定すれば、毛先
部の損傷度合が正確に診断できる。例えば、根元部に比
べて毛先部の内在コレステロール量が90%以下の場合
には、明らかにその毛髪は損傷を受けていると診断でき
る。また、根元部に比べて毛先部の内在遊離脂肪酸量が
90%以下の場合には、明らかにその毛髪は損傷を受け
ていると判断できる。
【0015】
【実施例】実施例1 10名の健常(肉眼判断)日本人女性の毛髪を根元より
ハサミで切り取り、蒸留水、及びヘキサンでそれぞれ2
分間洗浄し、汚れを落とした毛髪をサンプルとした。毛
髪サンプルは根元から3cm長部分、及び毛先(根元から
15cm付近)の3cm長部分に切り分け、それぞれハサミ
で細切し、3mm長以下の長さに切断した。これを正確に
5mg秤量して試験管にとり、50%濃度のエタノール溶
液0.1mLを加え、室温下5分間放置した。その後、コ
レステロール発色試薬(コレステロールEテストワコ
ー)1mLを加え、37℃で5分間反応させた。反応終了
後、上清の吸光度(波長600nm)を分光光度計を用い
て測定した。
【0016】得られた結果を図1に示す。また、根元部
の測定値に対する毛先部の測定値の比を図2に示す。図
1及び図2の結果と走査型電子顕微鏡による観察結果と
はよく相関していた。
【0017】実施例2 7名の健常(肉眼判断)日本人女性の毛髪を根元よりハ
サミで切り取り、蒸留水、及びヘキサンでそれぞれ2分
間洗浄し、汚れを落とした毛髪をサンプルとした。毛髪
サンプルは根元から3cm長部分、及び毛先(根元から1
5cm付近)の3cm長部分に切り分け、それぞれハサミで
細切し、3mm長以下の長さに切断した。これを正確に5
mg秤量して試験管にとり、50%濃度のエタノール溶液
0.1mLを加え、室温下5分間放置した。その後、遊離
脂肪酸発色試薬A液(NEFA Cテストワコー)0.
5mLを加えて37℃で10分間反応させ、更に遊離脂肪
酸発色試薬B液(NEFA Cテストワコー)1mLを加
え、37℃で10分間反応させた。反応終了後、上清の
吸光度(波長550nm)を分光光度計を用いて測定し
た。
【0018】得られた結果を図1に示す。また、根元部
の測定値に対する毛先部の測定値の比を図2に示す。図
1及び図2の結果と走査型電子顕微鏡による観察結果と
はよく相関していた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば枝毛や切れ毛等の肉眼で
明らかに判別できない毛髪の損傷を正確かつ容易に診断
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛髪の根元部と毛先部の内在コレステロール量
測定結果を示す図である。
【図2】内在コレステロール量の根元部に対する毛先部
の比を示す図である。
【図3】毛髪の根元部と毛先部の内在遊離脂肪酸量測定
結果を示す図である。
【図4】内在遊離脂肪酸量の根元部に対する毛先部の比
を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛髪の根元部と毛先部の内在コレステロ
    ール量又は内在遊離脂肪酸量を測定し、当該部位間の測
    定値を対比することを特徴とする毛髪損傷診断法。
JP2000076008A 2000-03-17 2000-03-17 毛髪損傷診断法 Pending JP2001264323A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007304001A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Hoyu Co Ltd 分析装置及び分析方法
JP2012242151A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Shiseido Co Ltd ケラチンフィルムを用いた熱による毛髪損傷度測定方法
JP2015222248A (ja) * 2014-04-28 2015-12-10 株式会社ミルボン カルボニル化度の評価方法、カルボニル化度低下成分のスクリーニング方法、カルボニル化度低下剤
JP2017181322A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 株式会社マンダム 毛髪の損傷の評価方法

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