JP4858681B2 - 口腔用組成物及び象牙質ミネラルの溶出抑制方法 - Google Patents

口腔用組成物及び象牙質ミネラルの溶出抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、象牙質ミネラルの溶出(脱灰)を抑制し、象牙質のう蝕予防効果に優れた口腔用組成物及び象牙質ミネラルの溶出抑制方法に関する。
う蝕は、歯垢(プラーク)で産生された酸が歯質のミネラルを溶出させる(これを脱灰という)ことによって引き起こされる。従って、この酸を中和することは確実なう蝕予防手段となり得る。
一方、炭酸カルシウムに酸中和作用があることは、胃酸過多症の制酸剤にも応用されてきたように古くから知られている。このことに注目して、最近、研磨剤として歯磨剤に利用されている炭酸カルシウムにも、プラークの酸を中和する作用があることが見出された(非特許文献1;Caries Research 1986年,20:278−283)。更に、炭酸カルシウムの場合の方がアルミナを研磨剤とした場合より、酸中和効果が優れていることが報告されている。
しかし、この炭酸カルシウムは、一次粒子径の大きい研磨剤としてのものであり、本発明者が先に提案した特許文献1(特開平9−295924号公報)で明らかにしているように、微細な軽質炭酸カルシウムと比較すると酸中和能は小さく、動物実験でもう蝕予防効果は見出せなかった。
炭酸カルシウムについては、様々な技術が提案されている。例えば、炭酸カルシウムをマイクロカプセル化し、口腔粘膜などへの吸着性を向上させる技術を開発し、う蝕予防の効果を唱えた技術(特許文献2;米国特許第5077051号)や、特定の添加剤を配合して、水溶性フッ素化合物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど)と研磨剤用の炭酸カルシウムとの反応を抑制し、水溶性フッ素化合物の活性を維持する(安定化)技術がある。なお、これらの添加剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸塩(特許文献3;特開昭58−26814号公報)、炭酸アルカリ金属塩(特許文献4;特開昭58−189107号公報)、特定のpHにあるリン酸塩(特許文献5;特開昭60−11412号公報)などが知られている。更に、研磨剤用の重質炭酸カルシウムから溶出する微量のカルシウムイオンによって歯周予防の目的で配合したアラントインの活性が阻害されるのを、モノフルオロリン酸ナトリウムの添加で抑制する技術(特許文献6;特開昭53−133642号公報)なども知られている。
しかしながら、上記技術では、炭酸カルシウムの粒子径の特定化と歯垢の酸中和能あるいはう蝕予防効果との関連性、即ち、粒子径を一定以下の大きさに限定した微細炭酸カルシウムが酸を中和し、歯牙の脱灰を抑制し、う蝕予防効果が向上できる点については全く言及されていない。
その中にあって、特許文献7(特開昭62−93219号公報)には、炭酸カルシウムの持つ苦みを改善するため、及びフッ素や殺菌剤など予防有効成分の安全性を確保するために、炭酸カルシウムの表面を改質させる技術、具体的には、平均粒子径が0.2〜30μmの研磨剤用の炭酸カルシウムをピロリン酸塩で表面処理した技術が開示されている。
しかし、本発明者らが、特許文献7に従い一次粒子の平均粒子径が0.15μmの軽質炭酸カルシウムをピロリン酸ナトリウムで表面処理し、酸中和能を評価した結果、中和能は著しく損なわれており、この技術による脱灰抑制効果あるいはう蝕予防効果は期待し得ないものであった。
一方、本出願人は、微細な軽質炭酸カルシウムに関する技術(特許文献1;特開平9−295924号公報)を提案した。この技術は、特定の範囲内にある一次粒子の平均粒子径(0.04〜3μm)の軽質炭酸カルシウムは、その微細さのためプラークが産生する酸を最も速やかに中和する効果が高く、従って、中和反応によって軽質炭酸カルシウムから溶解したカルシウムイオンの放出効果も高いことを特徴としており、これにより高いう蝕予防効果を発揮するものである。
しかし、上記技術では、歯牙の根面う蝕を予防するには不十分である。それは、根面う蝕が象牙質で発症するため、即ち、象牙質はエナメル質と比べて極めて酸に弱いため、更なる高い酸溶解抵抗性を象牙質に付与する技術が必要となるためである。ちなみに、エナメル質が溶け始める臨界pHは約5.3に対し、象牙質ではpH6.5付近である。
従って、象牙質の脱灰を抑制し、象牙質のう蝕を効果的に予防できる技術の開発が望まれる。
特開平9−295924号公報 米国特許第5077051号 特開昭58−26814号公報 特開昭58−189107号公報 特開昭60−11412号公報 特開昭53−133642号公報 特開昭62−93219号公報 Caries Research 1986年,20:278−283
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、象牙質ミネラルの溶出(脱灰)を抑制し、象牙質のう蝕予防効果に優れた口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、加水分解シルクと、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.5μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムとを組み合わせて配合することで、上記軽質炭酸カルシウムの一次粒子径が極めて小さいことから、プラーク中で産生された酸とすばやく反応して酸を中和し、同時に軽質炭酸カルシウムから放出したカルシウムイオンの濃度を上昇させると共に、加水分解シルクの併用により軽質炭酸カルシウムの象牙質表面への滞留性が向上することにより、象牙質ミネラルの溶出(脱灰)を効果的に抑制し、象牙質のう蝕予防効果を飛躍的に向上させることによって、歯牙の根面う蝕を予防し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記の口腔用組成物及び象牙質ミネラルの溶出抑制方法を提供する。
請求項1:
数平均分子量が200〜5,000の加水分解シルクを0.1〜5.0質量%と、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.3μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムを0.1〜5.0質量%とを含有すると共に、フッ素化合物を含有してなることを特徴とする口腔用組成物
請求項2:
歯牙の根面う蝕を予防するためのものである請求項1記載の口腔用組成物。
請求項3:
数平均分子量が200〜5,000の加水分解シルクを0.1〜5.0質量%と、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.3μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムを0.1〜5.0質量%とを含有すると共に、フッ素化合物を含有してなる口腔用組成物を歯牙に適用する、象牙質ミネラルの溶出抑制方法。
本発明の口腔用組成物は、象牙質ミネラルの溶出(脱灰)を効果的に抑制し、象牙質のう蝕予防効果に優れる。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物は、加水分解シルクと、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.5μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムと、更に好ましくはフッ素化合物を含有することを特徴とする。
本発明に用いられる加水分解シルク(シルクの加水分解物)は、蚕の吐糸する繭糸を精製して得られるシルクプロテイン(例えばシルクフィブロイン等)を酸、アルカリ、酵素、酸化・還元剤などを用いて加水分解処理することで得ることができる。
繭糸には、中心部にフィブロイン、周囲にセリシンが存在し、存在比は一般的にフィブロイン:セリシン=70〜80%:20〜30%(質量百分率)であることが知られている。絹糸は、まず養蚕農家で生産された繭を乾繭、煮繭後繰糸して生糸を作製し、次いで生糸の精練を行って絹糸又は絹織物とする。精錬方法としては、アルカリ性ナトリウム塩や石鹸を含む水溶液中で煮沸する方法(アルカリ石鹸精錬)が最も一般的であり、この精錬によって、絹糸の外側のセリシンは除去され、中心部のフィブロインだけに精製される。加水分解シルクは、このフィブロイン(平均分子量:約350,000)を酸、アルカリ、酵素、酸化・還元剤などで加水分解することで得られるが、加水分解する程度により、様々な分子量のものに調整できる。
ここで、酸による分解処理は、希酸(塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸又は酢酸、クエン酸などの有機酸)を約60〜120℃に加熱し、10分以上処理することが好ましい。
アルカリによる分解処理は、希アルカリ液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機性アルカリ剤)を約60〜180℃に加熱し、10分以上処理することが好ましい。酵素による分解処理は、プロテアーゼ活性(例えば、ペプシン、パパインなどの酵素)を有する酵素液中で行われ、それぞれの至適pHにて約10〜60℃にて10分以上処理することが好ましい。
酸化還元剤による分解処理は、酸化還元剤の希釈液にて約10〜100℃にて10分以上行われる。酸化還元薬剤としては、亜硫酸塩、過酸化水素、次亜塩素酸塩、ヒドラジンなどの化合物が使用できる。
なお、上記加水分解処理法は、単独の処理法で行っても二つ以上の方法を併用してもよい。
本発明では、このようにして得られた加水分解物を精製(脱塩、脱臭、脱色など)し、加水分解シルクとして使用することが好ましい。なお、この加水分解物には、分解条件や精製条件によって種々の分子量を持つ分子(アミノ酸、アミノ酸オリゴマー、ペプチド)が存在するが、いずれの場合も加水分解処理していないシルクタンパク(例えばシルクフィブロイン)の場合より高い効果が得られる。本発明の加水分解シルクとしては、上記したような一定の条件下で加水分解したシルク中でも、数平均分子量が200〜5,000、特に500〜5,000の加水分解物が工業的に入手しやすく、また優れた効果が得られることから好ましい。数平均分子量が200未満であると、歯牙に対する軽質炭酸カルシウムの吸着性はあるものの、他の任意成分(界面活性剤、粘結剤等)の影響を受けやすく、効果が低下す。6,000を超えると、歯牙への吸着性が低下し、効果が発揮されな
数平均分子量は、一般的にゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)、分析窒素値の計算によって算出する方法があるが、本発明に用いる加水分解シルクのようなポリペプチド化合物に対しては、後者を用いることが好ましい。更に詳述すると、本発明にかかわる加水分解シルクの数平均分子量は、分子中の総窒素量、アミノ態窒素量、構成アミノ酸の平均分子量をもとに下記式(1)によって算出することができる。
Figure 0004858681
上記式(1)において、構成アミノ酸の平均分子量は、通常のアミノ酸分析により求めた構成アミノ酸の存在比率(%)に各アミノ酸の分子量を掛け合わせたものを示すもので、総窒素量は、化粧品原料基準一般試験法の窒素定量法第一法あるいはガスクロマトグラフィー(GC)、アミノ態窒素量は、ホルモール滴定法によって測定できる。
本発明にかかわる加水分解シルクの配合量は、組成物全体の0.1〜5.0%(質量%、以下同様。)であり、特に0.5〜5.0%が好ましい。配合量が0.1%未満では歯面への軽質炭酸カルシウムの吸着性が低いため軽質炭酸カルシウムによる脱灰抑制効果の向上が認められない10.0%を超えた場合、それ以上の効果の向上はなく、かえって製剤の使用性の低下(香味、粘性、成形性など)をもたらす
本発明で採用する軽質炭酸カルシウムは、炭酸ガス合成法で得られる軽質炭酸カルシウムであり、いわゆる天然鉱石を粉砕して得られる重質炭酸カルシウムとは性質を異にするものである。即ち、軽質炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムと比べて不純物を含まず、また合成条件を一定に保てば、粒度分布が小さく(即ち粒子径が均一)、しかも、粒子径の小さい軽質炭酸カルシウムが得られる。このことは、粒子の比表面積が大きい(一般的には4〜50m2/g)ことを意味し、酸との中和反応が速やかに起こり、本発明での機能発現に欠かせない特質となっている。また、軽質炭酸カルシウムが合成物であり不純物をほとんど含まないことも、高い機能発現に関係していると考えられる。
軽質炭酸カルシウムの粒子径の規定については、二つの方法が知られている。1つは粒子の基本単位である一次粒子としての大きさ(一次粒子径)であり、もう一つはこれら一次粒子が凝集してできた二次粒子径である。前者の一次粒子径は、一般的には電子顕微鏡で観察して計測する。具体的には、粒子を水に分散し、更に超音波を数分照射して高度に分散し、この分散液を電子顕微鏡観察用の保持台に少量滴下して乾燥させ、最後に蒸着して電子顕微鏡観察を行う。粒子径の計測には、異なった4つの視野から一次粒子と認めることができる粒子のみを選択して(1視野あたり25個)計測する。粒子が不定形の場合は、最長径と最短径の積の平方根を一次粒子径とした。合計100個の一次粒子径を平均したものを一次粒子の平均粒子径とした。
一方、二次粒子径の測定は、一般的にはレーザー回折法が多く採用される。なお、本発明において後述する二次粒子径の計測は、レーザー回折法である島津製作所(株)のSALD2000Jを用い、試料粒子を水に分散して積算値50%の粒度を平均粒子径とした。
軽質炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒子径は0.04〜0.3μmである。平均粒子径が0.04μm未満のものは、合成上、特別な設備や反応条件が必要となり、安定した粒子径のものが得られにくく、従って、有効性を指標とした平均粒子径の下限値として設定が困難ある。一方、0.5μmを超えると、有効性が低下するその理由としては、粒子径が大きくなることで加水分解シルクと併用した場合の象牙質への付着能が低下したり、あるいは軽質炭酸カルシウムの酸溶解速度が低下してしまう
ちなみに、重質炭酸カルシウムの一次粒子径の大きさは、その粉砕条件により一般的には0.1〜16μmと言われる。今回、代表的な研磨剤用重質炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)品)の一次粒子径を上述の方法で電子顕微鏡にて計測したところ、平均では2.8μmであった(25個の一次粒子について粒子径を計測。分布幅:0.8〜6.4μm、平均一次粒子径:2.8μm)。しかも、一次粒子の粒度分布は、軽質炭酸カルシウムと比較して広かった。また、上述のレーザー回折法(島津製作所(株)のSALD2000J)で計測した二次粒子の平均粒子径は、本発明にかかわる軽質炭酸カルシウムで平均8.0μm、上述の重質炭酸カルシウムでも平均8.0μmであり、差異がないことから、二次粒子の粒子径は本発明の作用効果には関与しないことが推察できる。本発明では、軽質炭酸カルシウムの一次粒子径が小さく均一であり、比表面積が大きいことが深く関与している。
本発明で用いることができる軽質炭酸カルシウムとしては、例えば白石カルシウム株式会社品等が工業的に入手可能である。白石カルシウム株式会社品としては、一次粒子の平均粒子径0.05〜0.08μm(商品名 カルエッセン−A)、一次粒子の平均粒子径0.24〜0.26μm(商品名 コロカルソーEX)、一次粒子の平均粒子径0.23〜0.25μm(コロカルソーMG、グリセリン脂肪酸エステルで表面コーテイング処理したもの)などが挙げられる。それ以外の他社品でも同様な性状のものであれば、同様な機能を発現することから利用可能である。
軽質炭酸カルシウムの配合量は、組成物全体の0.1〜5.0であり、特に0.5〜5.0%が好適である。配合量が0.1%未満の場合、軽質炭酸カルシウムによる脱灰抑制効果が認められない10.0%を超えた場合、それ以上の効果の向上はなく、かえって製剤の使用性の低下(香味、粘性、成形性)をもたらすことがある。
本発明の口腔用組成物には、上記した軽質炭酸カルシウムと加水分解シルクに加えて、更にフッ素化合物を併用するもので、これにより象牙質の脱灰抑制効果がより向上する。フッ素化合物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化スズ、アミンフッ化物、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化ケイ素ナトリウム、フッ化ケイ素カルシウムなどが挙げられ、特にフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。
フッ素化合物としては、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用しても良いが、配合量は、組成物全体の0.02〜10.0%が好ましく、特にフッ化ナトリウムの場合は、組成物全体の0.02〜3.0%、特に0.05〜1.5%であり、モノフルオロリン酸ナトリウムの場合は、組成物全体の0.05〜10.0%、特に0.1〜5.0%が好ましい。フッ素化合物の配合量が0.02%未満では、満足な配合効果が得られない場合があり、10.0%を超えると製剤中での可溶化が困難になる場合がある。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口剤、口中清涼剤、うがい用錠剤、義歯用洗浄剤、トローチ、チューインガム等の形態とすることができ、それぞれの組成物は、その特徴に応じ、その他の成分を本発明の効果を損ねない範囲で使用し、通常の方法で調製することができる。任意成分としては、口腔用組成物の種類に応じた適宣な成分が用いられる。例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、甘味料、防腐剤、香料、着色剤、pH調整剤、賦形剤、各種有効成分等を配合することができる。
この場合、研磨剤として、例えば無水ケイ酸等のシリカ系研磨剤、乳酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミノシリケート、第二リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、合成樹脂等が必要に応じて好適に使用される。これら研磨剤は1種又は2種以上を配合し得る(配合量通常3〜90%)。
また、界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18である高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩、ラウリルモノグリセライドスルフォン酸ナトリウム、ココナッツモノグリセライドスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸基の炭素数が10〜18である高級脂肪酸モノグリセライドスルフォン酸の水溶性塩、オレフィンスルフォン酸、パラフィンスルフォン酸、その他のアニオン性界面活性剤、ステアリルモノグリセライド、ショ糖モノ及びジラウレート等の脂肪酸基の炭素数が12〜18であるショ糖脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、エチレングリコール約60モルが付加したソルビタンモノステアレート縮合物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重合物及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウリルエステル等の誘導体といったノニオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型等の両性界面活性剤などの界面活性剤が用いられる(通常配合量0.01〜7%)。
粘結剤としては、カラゲナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アルギネート、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等の1種又は2種以上が配合され得る(配合量通常0.5〜10%)。
粘稠剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット等の1種又は2種以上を配合し得る(配合量通常1〜50%)。
更に、甘味剤として、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、キシリトール、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒド、サイクラミン酸ナトリウム等、防腐剤としてp−ヒドロキシメチルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシエチルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシプロピルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシブチルベンゾイックアシド、安息香酸ナトリウム、低級脂肪酸モノグリセライド等、香料としてウインターグリーン油、スペアミント油、ペパーミント油、サッサフラス油、丁字油、ユーカリ油等が配合され得る。また、ゼラチン、ペプトン、アルブミン、増白剤、シリコーン、色素、その他成分を配合し得る。更にまた、イプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸、デキストラナーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、リテックエンザイム等の酵素、クロルヘキシジン塩類、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸、カロペプタイド、ビタミン類、歯垢防止剤、抗菌剤、硝酸カリウムなどの知覚過敏症鈍麻剤等のフッ素化合物以外の有効成分を1種又は2種以上配合し得る。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお各例中の%はいずれも質量百分率である。
〔実施例、比較例〕
下記表1,2に示す組成の口腔用組成物(実施例1〜12、参考例1〜6、比較例1〜5)を下記方法で調製し、象牙質ミネラルの耐酸性試験を行い、評価した。
(1)歯磨剤の調製(実施例1〜9、参考例1〜3、比較例1〜5)
精製水中に水溶成分(加水分解シルク、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、キシリトール、グリセリン、70%ソルビット等)を常温で混合溶解させたA相を調製した。なお、加水分解シルクは、株式会社エヌ・ディ・シー社品(商品名 BN−P、数平均分子量約500)、カネボウ株式会社品(商品名 シルクペプチド5、数平均分子量約1,500)及び株式会社成和化成社品(商品名 プロモイスシルク1000p、数平均分子量約1,000)を使用した。また、7%シルクフィブロイン水溶液は、特開2001−226242号公報の参考例1〈フィブロイン水溶液の製法〉を参考にして調製したものを使用した。更に、豚皮コラーゲンは、日本ハム(株)製NMPコラーゲンPSを用いた。
一方、プロピレングリコール中に、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック252L、日本純薬(株)製)、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を常温で溶解・分散させたB相を調製した。次に、撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、更にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合する実施例については添加混合し、C相を調製した。C相中に、香料、炭酸カルシウム、無水ケイ酸等の研磨剤、その他の成分(デキストラナーゼ、ラウリル硫酸ナトリウム等)を、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行い、歯磨剤1.0kgを得た。
なお、軽質炭酸カルシウムとしては、下記のものを使用した。これらの3品の一次粒子径の計測は、上述した電子顕微鏡観察にて行った。なお、これらの軽質炭酸カルシウムの一次粒子の粒子径はほとんど均一に観察された。
(a)商品名 カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm、
(b)商品名 コロカルソーEX、一次粒子の平均粒子径0.25μm、
(c)コロカルソーMG:グリセリン脂肪酸エステルで表面コーテイング処理したもの、一次粒子の平均粒子径0.24μm。
(2)洗口剤の調製(実施例1012、参考例4、5
スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着したステンレス製容器に、規定量の精製水を投入し、配合成分のうち加水分解シルクなどの水溶性成分を撹拌しながら投入、溶解させた。一方、スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機を装着した別のステンレス製容器に、規定量のエタノール等の有機溶剤を投入し、配合成分のうち油溶性成分を撹拌しながら投入、溶解させた。更に、水溶性成分を溶解させた容器に、上記油溶性成分を加え、1〜30分撹拌し、均一溶液とし洗口剤を得た。
(3)チューイングガムの調製(参考例6
ガムベースを80〜90℃に加温して、混合釜に溶解状態で加えてから、甘味剤、軟化剤などを加えて混合した。更に、混合釜を40〜45℃に冷却して加水分解シルク、軽質炭酸カルシウム、香料などを加え、均質になるまで混合した。
(4)脱灰抑制効果の評価試験方法
根面う蝕予防効果を評価するため、象牙質脱灰抑制試験を行った。なお、脱灰抑制効果の指標として、象牙質ミネラルから脱灰によって溶出するリン酸の濃度を用いた。牛歯の歯根部を切断し、その歯根部表面を300番のサンドペパーで研磨し、次いで、1500番で研磨して平らで滑沢な象牙質面とし、一定の大きさにトリミングして試料片とした。この象牙質試料片を、一定の面積(3mm直径の円 以下、試験面と略す。)を除いて耐水性のマニキュア(ヌーヴ ネールカラー RD8(株)資生堂)で被覆した。この試験面を、実施例、参考例及び比較例の各組成物で3分間浸漬した(組成物が歯磨剤の場合、蒸留水で2倍に希釈したスラリーで処置。洗口剤の場合、内容物を撹拌して均一にした後、希釈せずにそのまま処置。チューインガムの場合、3倍量の蒸留水で可溶成分を抽出し、その抽出液で処置)。その後、水洗して余剰の成分を取り除き、この試験面に象牙質脱灰用の酸(0.60%酢酸溶液、pH4.5)15μLを滴下し、30分間脱灰させた。その後、この試料片を、15μLの酢酸溶液と一緒に1mLの蒸留水に投入し、脱灰操作で酢酸に溶解したミネラルイオンを抽出した。次いで、同試料片を蒸留水から取り出し、余剰の水分を除去した後、同様な処置、脱灰、ミネラルイオンの抽出を2回繰り返した。1mLに抽出・累積されたミネラルイオンのうちリン酸濃度(ppm)を、吸光度によるバナドモリブデン酸法を用いて計測した。なお、一連の実験操作は、各実施例、参考例、比較例につき3回ずつ(N=3)行い、平均値を求めた。
(5)脱灰抑制効果の評価基準
各実施例、参考例及び比較例の組成物による脱灰抑制率(%)を下記の式(2)で求めた。C(コントロール)は、加水分解シルク、軽質炭酸カルシウム及びフッ素化合物のいずれも配合されていない下記組成物(i)、(ii)、(iii)におけるリン酸濃度の計測値、Tは各実施例、参考例及び比較例の組成物におけるリン酸濃度の計測値である。
脱灰抑制率={(C−T)÷C}×100(%) (2)
脱灰抑制効果の評価基準
5:脱灰抑制率が70%以上
4:脱灰抑制率が50%以上70%未満
3:脱灰抑制率が30%以上50%未満
2:脱灰抑制率が10%以上30%未満
1:脱灰抑制率が10%未満
一般にフッ素化合物は優れた脱灰抑制効果を有し、それゆえに広くう蝕予防剤に応用されている。従って、脱灰抑制効果は、標準的なフッ素化合物配合系との比較において、評価することが望ましい。ちなみに、下記コントロール組成(i)〜(iii)に各々フッ化ナトリウムを0.21%ずつ添加した組成物の脱灰抑制効果の評価結果は、いずれも脱灰抑制効果の評価基準2のレベルであった。よって、評価基準2以上は、脱灰抑制効果が高いと判断できる。なお、下記コントロール組成(i)〜(iii)に、フッ化ナトリウムを添加した組成については、フッ化ナトリウムの添加濃度の分だけ、精製水やソルビットを減らして配合した。
〈組成(i)〉 実施例1〜9、参考例1〜3及び比較例1〜5の歯磨剤組成物に対するコントロール
無水ケイ酸 20.0
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
〈組成(ii)〉実施例1012、参考例4、5の洗口剤組成物に対するコントロール
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
パルミトイルサルコシンナトリウム 0.1
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.1
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
〈組成(iii)〉参考のチューインガム組成物に対するコントロール
ガムベース 20.0
キシリトール 30.0
香料 0.5
ソルビット 残
計 100.0%
以上の結果を表1,2に示した。なお、表1,2中の実施例1〜12参考例1〜6、比較例1〜5の口腔用組成物の組成は下記の通りであり、表1,2に示した加水分解シルク等、炭酸カルシウム、フッ素化合物以外の成分は、下記の実施例、参考例及び比較例に示した通りである。
Figure 0004858681
Figure 0004858681
参考例1]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
参考例2]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
加水分解シルク 1.0
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、コロカルソーMG、一次粒子の平均粒子径0.24μm)
プロピレングリコール 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
トリクロサン 0.1
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
参考例3]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
加水分解シルク 3.0
(カネボウ(株)、シルクペプチド5、数平均分子量1,500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、コロカルソーEX、一次粒子の平均粒子径0.25μm)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.6
カルボキシメチルセルロース 0.5
硝酸カリウム 5.0
70%ソルビット液 40.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.7
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
乳酸アルミニウム 1.0
硝酸カリウム 5.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック252L、日本純薬(株)) 0.85
70%ソルビット液 55.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
乳酸アルミニウム 1.0
硝酸カリウム 5.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック252L、日本純薬(株)) 0.85
70%ソルビット液 55.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク 3.0
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、コロカルソーMG、一次粒子の平均粒子径0.24μm)
プロピレングリコール 10.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
キサンタンガム 0.5
70%ソルビット液 40.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
トリクロサン 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
キシリトール 9.0
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
フッ化ナトリウム 0.21
加水分解シルク 0.3
(カネボウ(株)シルクペプチド5、数平均分子量1,500)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、コロカルソーEX、一次粒子の平均粒子径0.25μm)
プロピレングリコール 10.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.8
キサンタンガム 0.5
70%ソルビット液 40.0
塩化セチルピリジニウム 0.02
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
キシリトール 5.0
デキストラナーゼ 0.3
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤
水酸化アルミニウム 40.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、コロカルソーEX、一次粒子の平均粒子径0.25μm)
プロピレングリコール 3.0
カラギーナン 0.7
キサンタンガム 0.6
グリセリン 30.0
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05
ラウリル硫酸ナトリウム 0.9
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤
第二リン酸カルシウム 35.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
加水分解シルク 1.0
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
軽質炭酸カルシウム 0.3
(白石カルシウム(株)、コロカルソーMG、一次粒子の平均粒子径0.24μm)
プロピレングリコール 5.0
カラギーナン 0.7
キサンタンガム 0.6
グリセリン 30.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
塩化セチルピリジニウム 0.01
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
フッ化ナトリウム 0.11
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
カラギーナン 0.2
ヒドロキシメチルセルロース 0.5
キサンタンガム 0.3
70%ソルビット液 30.0
水酸化ナトリウム 0.6
ラウリル硫酸ナトリウム 1.8
サッカリンナトリウム 0.05
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.5
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.37
加水分解シルク 5.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
カラギーナン 0.2
ヒドロキシメチルセルロース 0.5
キサンタンガム 0.3
70%ソルビット液 30.0
水酸化ナトリウム 0.6
ラウリル硫酸ナトリウム 1.8
サッカリンナトリウム 0.05
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.5
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
[実施例]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
モノフルオロリン酸ナトリウム 3.79
加水分解シルク 5.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール400 1.0
カラギーナン 0.7
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
70%ソルビット液 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
サッカリンナトリウム 0.18
香料 1.1
精製水 残
計 100.0%
参考]洗口剤
加水分解シルク
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500) 0.3
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
パルミトイルサルコシンナトリウム 0.1
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.1
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
参考]洗口剤
加水分解シルク 3.0
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
軽質炭酸カルシウム 0.5
(白石カルシウム(株)、コロカルソーEX、一次粒子の平均粒子径0.25μm)
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
パルミトイルサルコシンナトリウム 0.1
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.1
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
[実施例10]洗口剤
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.19
加水分解シルク 0.5
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
トリクロサン 0.1
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
[実施例11]洗口剤
フッ化ナトリウム 0.05
加水分解シルク 0.5
(カネボウ(株)、シルクペプチド5、数平均分子量1,500)
軽質炭酸カルシウム 0.5
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
トリクロサン 0.1
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
[実施例12]洗口剤
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.19
加水分解シルク 0.1
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 0.1
(白石カルシウム(株)、コロカルソーMG、一次粒子の平均粒子径0.24μm)
硝酸カリウム 5.0
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
デキストラナーゼ 0.3
塩化セチルピリジニウム 0.01
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
参考]チューインガム
加水分解シルク 5.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
軽質炭酸カルシウム 3.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
ガムベース 20.0
キシリトール 30.0
香料 0.5
ソルビット 残
計 100.0%
[比較例1]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[比較例2]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
重質炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)) 1.0
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[比較例3]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
加水分解シルク 1.0
((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[比較例4]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
7%シルクフィブロイン溶液 14.3
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
[比較例5]歯磨剤
無水ケイ酸 20.0
豚皮コラーゲン(NMPコラーゲンPS 日本ハム(株)) 1.0
軽質炭酸カルシウム 1.0
(白石カルシウム(株)、カルエッセン−A、一次粒子の平均粒子径0.07μm)
プロピレングリコール 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
グリセリン 30.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%

Claims (3)

  1. 数平均分子量が200〜5,000の加水分解シルクを0.1〜5.0質量%と、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.3μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムを0.1〜5.0質量%とを含有すると共に、フッ素化合物を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 歯牙の根面う蝕を予防するためのものである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 数平均分子量が200〜5,000の加水分解シルクを0.1〜5.0質量%と、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.3μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムを0.1〜5.0質量%とを含有すると共に、フッ素化合物を含有してなる口腔用組成物を歯牙に適用する、象牙質ミネラルの溶出抑制方法。
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