JPH11246377A - フッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物 - Google Patents

フッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物

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JPH11246377A
JPH11246377A JP6448398A JP6448398A JPH11246377A JP H11246377 A JPH11246377 A JP H11246377A JP 6448398 A JP6448398 A JP 6448398A JP 6448398 A JP6448398 A JP 6448398A JP H11246377 A JPH11246377 A JP H11246377A
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abrasive
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crystalline cellulose
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JP6448398A
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Makoto Yoshie
誠 吉江
Yasuo Kikuchi
康夫 菊池
Takashi Yamamoto
高司 山本
Satoru Fukazawa
哲 深澤
Yoshichika Ebine
慶周 海老根
Mari Kikawa
真理 木川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素化合物とともに研磨剤を含む歯磨剤組
成物において、う触予防効果の持続性にすぐれ、かつ研
磨剤による歯質の損傷を効果的に防止する組成物を提供
する。 【解決手段】 フッ素化合物を配合した研磨剤含有歯磨
剤組成物において、該研磨剤の助剤として、90〜21
2μmの粒径を有し、その平均粒径が100〜200μ
mである粗粒子状結晶セルロースXを用いるか又はこの
粗粒子状結晶セルロースXと90μm以下の粒径を有
し、その平均粒径が10〜70μmの微粒子状結晶セル
ロースYとの混合物を用いることを特徴とするフッ素化
合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素化合物と特
定の結晶セルロースを併用した、う蝕予防効果の持続性
にすぐれたフッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】う蝕は、ストレプトコッカス・ミュータ
ンス等のう蝕病原性細菌が酸を生産し、ヒトの歯牙を脱
灰することで起こる口腔疾患である。う蝕予防のための
手段として、研磨剤を含む歯磨剤を歯刷子につけ、ブラ
ッシングによる歯垢除去を行うことが最も効率的だが、
それを補助する手段としてフッ素化合物による歯質強化
が提案されている。しかし、研磨剤を含む歯磨剤では、
使用後の口腔洗浄が必須のため、フッ素化合物の滞留性
が悪く、充分なう蝕予防効果が得られていない現状であ
る。
【0003】特開平6−298631号公報には、歯へ
の安定なフッ素供給を行い、すぐれたう触予防効果を与
える研磨剤含有口腔用組成物が提案されている。この組
成物は、フッ素化合物としてのフッ化物コロイドととも
に、ポリリン酸等のリン酸化合物を含有するもので、フ
ッ化物コロイドの破壊、凝集を防止して歯へのフッ素供
給を長時間にわたって安定的に供給しようとするもので
ある。しかしながら、この組成物の場合、フッ化物コロ
イドを得るために、水溶性フッ化水素酸塩と水溶性カル
シウム塩とをコロイド化促進剤の存在下で混合反応させ
る必要があることから、その組成物系が複雑になるとい
う問題がある。一方、研磨剤を入れた歯磨剤組成物にお
いて、無機粉体からなる研磨剤とともに、研磨剤による
歯質の損傷を防止するための有機粉体からなる研磨剤助
剤を含有する組成物は知られている。例えば、研磨剤助
剤として、水に不溶の各種のセルロースパウダーを配合
した歯磨剤組成物が提案されている(特開昭55−98
111号公報、特開平5−58861号公報)。しかし
ながら、これらの公報の実施例で具体的に示されている
ものは、その平均粒径が70μm以下という微粒子状の
ものである。本発明者らの研究によれば、このような微
粒子状のセルロースパウダーでは、口腔内に入ったとき
に、ベタツキ感を生じるため、使用感触の点で未だ満足
し得るものではなかった。特開平9−40537号公報
によれば、水に不溶な平均粒径が1〜50μmのセルロ
ース粉末を造粒して得られる平均粒径が50〜1000
μmの造状化セルロースを配合した口腔用組成物が提案
されている。しかしながら、これらの粒状化セルロース
は、微粉末状のセルロースパウダーをバインダーを用い
て造粒する必要があることから、そのコストが高くなる
という問題がある他、歯磨製造機種によっては、その製
造中に造粒粉体が砕ける等の問題をも含むものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フッ素化合
物とともに研磨剤を含む歯磨剤組成物において、う触予
防効果の持続性にすぐれ、かつ研磨剤による歯質の損傷
を効果的に防止する組成物を提供することをその課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、フッ素化合物を配合
した研磨剤含有歯磨剤組成物において、該研磨剤の助剤
として、90〜212μmの粒径を有し、その平均粒径
が100〜200μmである粗粒子状結晶セルロースX
を用いることを特徴とするフッ素化合物併用研磨剤含有
歯磨剤組成物が提供される。また、本発明によれば、フ
ッ素化合物を配合した研磨剤含有歯磨剤組成物におい
て、該研磨剤の助剤として、90〜212μmの粒径を
有し、その平均粒径が100〜200μmである粗粒子
状結晶セルロースXと、90μm以下の粒径を有し、そ
の平均粒径が10〜70μmの微粒子状結晶セルロース
Yとの混合物を用いることを特徴とするフッ素化合物併
用研磨剤含有歯磨剤組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の歯磨剤組成物(以下、単
に組成物とも言う)は、従来のフッ素化合物を配合した
研磨剤入りの組成物において、その研磨剤助剤として、
粗粒子状結晶セルロースX又はこの粗粒子状結晶セルロ
ースXと微粒子状結晶セルロースYとの混合物を用い
る。粗粒子状結晶セルロースXは、90〜212μm、
好ましくは125〜180μmの粒径を有し、その平均
粒径が100〜200μm、好ましくは140〜170
μmの結晶セルロースからなるものである。一方、微粒
子状結晶セルロースYは、90μm以下、好ましくは6
3μm以下の粒径を有し、その平均粒径が10〜75μ
m、好ましくは、45〜58μmの結晶セルロースから
なるものである。この場合の微粒子状結晶セルロースY
の粒径の下限値は、通常1μm程度である。粗粒子状結
晶セルロースXと微粒子状結晶セルロースYとの混合物
を用いる場合、その使用割合は、そのセルロースXに対
するセルロースYの重量比[Y]/[X]で、1/9〜
9/1、好ましくは1/2〜4/1である。
【0007】本発明で用いる結晶セルロースは、化学的
には天然セルロースそのものであり、高純度精製パルプ
を鉱酸を用いて加水分解して、非結晶領域を洗浄除去し
た後、摩砕、精製、乾燥して得られた粉末状のものであ
る。粗粒子状結晶セルロースXにおいて、その見掛比重
(g/cc)は、0.1〜0.6、好ましくは0.2〜
0.5である。また、その真比重は、約1.55であ
る。微粒子状結晶セルロースYにおいて、その見掛比重
(g/cc)は、0.1〜0.6、好ましくは0.2〜
0.5である。また、その真比重は約1.55である。
【0008】前記研磨剤助剤の配合量は、全組成物中、
0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%で
あり、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。その
配合量が少なすぎると、研磨剤による歯質損傷防止効果
が不十分になり、一方、多すぎると、使用感が悪くなる
等の不都合を生じる。
【0009】本発明による前記粗粒子状結晶セルロース
X又はこの結晶セルロースXと微粒状結晶セルロースY
との混合物を含む組成物は、高められたフッ素化合物の
口腔内滞留性を有し、すぐれたう触防止効果を示す。そ
の上、その結晶セルロースX又はその結晶セルロースX
と結晶セルロースYとの混合物は、研磨剤助剤としてす
ぐれた効果を示すとともに、その使用感にもすぐれ、さ
らに安価であるという利点を示す。
【0010】本発明の組成物は、う触防止のためにフッ
素化合物を含有するが、この場合のフッ素化合物として
は、フッ素イオンを放出する従来公知の各種のものが用
いられる。このようなものには、フッ化カルシウム、フ
ッ化カリウム等のアルカリ金属フッ化物の他、モノフル
オロリン酸ナトリウム等のモノフルオロリン酸塩;フッ
化第一スズ、フッ化アンモニウム等包含される。フッ素
化合物の配合量は、組成物中、フッ素イオン(F-)と
して、100〜4000wtppm、好ましくは400
〜2000wtppmである。
【0011】本発明の組成物は、前記研磨剤助剤及びフ
ッ素化合物とともに研磨剤を含有し、その他の成分、例
えば、粘結剤、粘稠剤、保湿剤、界面活性剤、甘味料、
香料、防腐剤を含有する。
【0012】研磨剤としては、第2リン酸カルシウム、
2水和物及び無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リ
ン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カル
シウム系化合物の他、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不
溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ケ
イ酸ジルコニウム等の無機粉体、さらに、ポリメタクリ
ル酸メチル、その他の合成樹脂粉体が挙げられる。研磨
剤の配合量は、組成物全体の5〜60重量%、特に10
〜50重量%である。
【0013】粘結剤としては、カラギーナン、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、キ
サンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビア
ガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニ
ルピロリドンなどの合成粘結剤、シリカゲル、アルミニ
ウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結
剤等が挙げられる。
【0014】粘稠剤や保湿剤としては、ソルビット、グ
リセリン、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マル
チトール、ラクチトール等が挙げられる。
【0015】香料としては、メントール、アネトール、
カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコ
ール、シトロネロール、α−テルピネオール、シトロネ
リルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナ
ロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパー
ミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマ
リー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑
油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。
【0016】甘味料としては、サッカリンナトリウム、
ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、
グリチルリチン、ペリラルチン、ソーマチン、アスパラ
チルフェニルアラニンメチルエステル、p−メトキシシ
ンナミックアルデヒド等の甘味料が挙げられる。
【0017】本発明の組成物には、デキストラナーゼ、
ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、
溶菌酵素、スーパーオキサイドディスムターゼ等の酵
素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン
酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェー
トやフッ化ナトリウム、フッ化第1錫等のフッ化物、ト
ラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニ
ウムクロルヒドロキシアラントイン、ジヒドロコレスタ
ノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサ
ボロール、イソプロピルメチルフェノール、グリセロフ
ォスフェート、クロロフィル、グルコン酸銅、塩化ナト
リウム、水溶性無機リン酸化合物、トリクロサン、セチ
ルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム等の有効成分の1種又は2種以上を配
合することができる。
【0018】更に、本発明の組成物には、界面活性剤と
して、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性
イオン界面活性剤等を配合することができる。
【0019】具体的には、アニオン界面活性剤として、
ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチン酸硫酸ナトリウム
等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシ
ン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリ
ウム等のN−アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂
肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスル
ホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナト
リウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N
−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシル
アラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。
【0020】ノニオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪
酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂
肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪
酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル等の糖アルコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノ
ールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミド
等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等
が挙げられる。
【0021】両性イオン界面活性剤としては、N−ラウ
リルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノ
エチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシ
ン、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウム
ベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダ
ゾリンベタインナトリウムなどが挙げられる。
【0022】この場合、界面活性剤としては、特にアニ
オン界面活性剤が好ましく、具体的にはラウリル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸ナトリウムなどが好適であ
る。なお、これらの界面活性剤はその1種を単独で用い
ても2種以上を併用しても差し支えなく、その配合量は
通常、組成物全体の0.01〜5重量%、より好ましく
は0.05〜3重量%である。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、以下において示す%は重量%を示す。
【0024】参考例1 (結晶セルロースの製造と分級)DPパルプ(平均重合
度1000)を2.5N塩酸水溶液中で105℃、15
分間加水分解を行い、ろ過洗浄し、湿潤状態の結晶セル
ロースを得た。これを細かくほぐし、水分含量が5%に
なるまで60℃の熱風乾燥機で乾燥させ、クラッシャー
で粗粉砕後、ハンマーミルで微粉砕し、日本工業規格Z
8801号に規定されたふるい番号50のふるいを通
し、粉末結晶セルロースを得た。これを、ふるい番号7
0、83、100、119、166、235、282、
391のふるいで分級し、表1に示した結晶セルロース
A、B、C、D、E、F、G、H、Iを得た。これら結
晶セルロースについて、マイクロトラック粒度分析計
(日機装株式会社)で平均粒径を測定し、表1に示し
た。
【0025】
【表1】
【0026】実験例1 下記成分組成(重量%)の歯磨剤組成物を調製し、フッ
素の口腔内滞留性テストを下記のようにして行った。そ
の結果を表2に示す。 〔試験歯磨剤の組成〕 結晶セルロース 表2に示す種類と量 ケイ酸塩 20% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% カラギーナン 1% ソルビット 35% 香料 1% フッ素化合物(表2に示す種類) フッ素イオンとして1000 wtppm 精製水 残部 ────────────────────────────────── 合 計 100%
【0027】(フッ素の口腔内滞留性テストの方法)上
記歯磨剤組成物1gを歯刷子に取り、3分間使用した。
その後、60mlの水で口内を3回すすぎ、唾液中のフ
ッ素濃度について経時的に測定した。
【0028】
【表2】
【0029】表2の結果より90μmから212μmの
粒径で平均粒径が100μmから200μmの結晶セル
ロースは、フッ素化合物の口腔内滞留性を向上させてい
ることが分かる。また、140μmから200μmの結
晶セルロースは、より効果的にフッ素化合物の口腔内滞
留性を向上させていることが分かる。これらの効果は、
フッ化ナトリウムおよびモノフルオロリン酸ナトリウム
で顕著であり、他のフッ化化合物であるフッ化第一スズ
およびフッ化カリウム等では弱くなる。一方、結晶セル
ロースの配合量は、0.2%以上が好ましく、0.5%
以上がより好ましいことが分かる。
【0030】実験例2 う蝕抑制実験 (実験方法)歯磨剤のう蝕抑制効果を強べるために以下
のような動物実験を行った。う蝕のモデル系であるゴー
ルデンハムスターを用いて、表3に示す成分(重量%)
を含有する練歯磨剤のう蝕抑制能を調べた。各群10匹
からなる3週齢(♂)ハムスターにストレプトマイシン
耐性のう蝕原因菌ストレプトコッカス・ミュータンス1
0449株を感染させた。感染は上記菌株を4mlのB
HI培地(BBL社製)に1白金耳植菌し嫌気条件下、
36℃、20時間培養した後、この菌液を0.1ml口
中に滴下することを3日間行った。各ハムスターの菌の
定着は0.1%ストレプトマイシンを含むMS寒天培地
(Difco社製)を用いて確認した。歯磨剤の投与は
菌の定着を確認した後より5週間行った。また実験に用
いた歯磨剤は、表3に示す歯磨剤を、3倍量の水で抽出
したものを使用した。投与方法は口中及び左右チークポ
ーチに0.1mlずつ計0.3mlを1日2回滴下投与
した。対照群は上記と同様の方法で濾過イオン交換水を
滴下投与した。実験期間中の飼料としては、う蝕誘発粉
末飼料Diet2000を用いた。飲料水は孔径0.2
μmのメン近レンフィルターで濾過したイオン交換水を
使用した。う蝕の評価はKYESEの方法(J.Den
t.Res.23巻、1944年)に従って行った。ま
た、う蝕抑制率は下記の式により算出した。
【0031】
【表3】
【0032】表3の結果より90μmから212μmの
粒径で平均粒径が100μmから200μmの結晶セル
ロースとフッ素化合物を併用した時、う蝕制御効果が高
まることが分かった。この結果は、140μmから20
0μmの結晶セルロースを用いた時、より効果的である
ことが分かる。これらの効果は、フッ化ナトリウムおよ
びモノフルオロリン酸ナトリウムで顕著であり、他のフ
ッ化化合物であるフッ化第一スズおよびフッ化カリウム
等では弱くなる。
【0033】 実施例3 使用感テスト 〔試験歯磨剤の組成〕 結晶セルロース 表2に示す種類、量 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7% 第2リン酸カルシウム 40% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% カルボキシメチルセルロースNa 1% ソルビット 25% サッカリンナトリウム 0.1% 香料 1% 精製水 残 ────────────────────────────────── 合 計 100%
【0034】〔使用感テストの方法〕上記組成の練歯磨
剤の使用感(ザラツキ感、ベタツキ感)を10名の専門
パネラーにより、下記評点にて評価した。その結果を表
4に示す。 使用感評点 5:まったく感じない 4:ほんの少し感じる 3:少し感じる 2:感じる 1:非常に感じる
【0035】
【表4】
【0036】表4の結果より、100μm〜200μm
の粗粒子状結晶セルロース、好ましくは100〜170
μmの結晶セルロースは、平均粒径250μmの結晶セ
ルロース(実験No.19、20)よりザラツキ感が少
なく使用感がよいことが分かる。また、平均粒径70μ
m以下の結晶セルロース単独(実験No.21)では、
ベタツキ感が高く使用感が悪いことが分かる。さらに、
90μm以下の粒径で、平均粒径10μm〜75μmの
微粒子状結晶セルロース、好ましくは45μm〜58μ
mの微粒子状結晶セルロースを加えることにより(実験
No.5〜18)、ザラツキ感が良好に改善されること
が分かる。粗粒子状結晶セルロースと微粒子状結晶セル
ロースとの重量比は、1:9から9:1、好ましくは
2:1〜1:4の時、使用感がよいことが分かる。
【0037】実施例1〜9 本発明による歯磨剤組成物の具体的配合例を表5に示
す。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】本発明の歯磨剤組成物は、特定のセルロ
ースを含有することから、高められたフッ素化合物の口
腔内滞留性を有し、う触防止効果の持続性にすぐれたも
のである。その上、本発明の組成物は、その特定セルロ
ースの研磨剤助剤としてのすぐれた作用により、歯垢や
着色性沈着物等の歯表面の汚れを効果的に除去すること
ができる上、その研磨剤による歯質の損傷を効果的に防
止することができる。本発明の組成物は、研磨剤を含む
歯磨剤組成物、例えば、練歯磨剤組成物や、液状歯磨剤
組成物等として有利に適用される。
フロントページの続き (72)発明者 深澤 哲 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 海老根 慶周 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 木川 真理 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化合物を配合した研磨剤含有歯磨
    剤組成物において、該研磨剤の助剤として、90〜21
    2μmの粒径を有し、その平均粒径が100〜200μ
    mである粗粒子状結晶セルロースXを用いることを特徴
    とするフッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素化合物を配合した研磨剤含有歯磨
    剤組成物において、該研磨剤の助剤として、90〜21
    2μmの粒径を有し、その平均粒径が100〜200μ
    mである粗粒子状結晶セルロースXと、90μm以下の
    粒径を有し、その平均粒径が10〜70μmの微粒子状
    結晶セルロースYとの混合物を用いることを特徴とする
    フッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物。
  3. 【請求項3】 粗粒子状結晶セルロースXに対する微粒
    子状結晶セルロースYの重量比[Y]/[X]が1/9
    〜9/1である請求項2のフッ素化合物併用研磨剤含有
    歯磨剤組成物。
  4. 【請求項4】 フッ素化合物がフッ化ナトリウムである
    請求項1〜3のいずれかのフッ素化合物併用研磨剤含有
    歯磨剤組成物。
  5. 【請求項5】 フッ素化合物がモノフルオロリン酸ナト
    リウムである請求項1〜3のいずれかのフッ素化合物併
    用研磨剤含有歯磨剤。
JP6448398A 1998-02-27 1998-02-27 フッ素化合物併用研磨剤含有歯磨剤組成物 Pending JPH11246377A (ja)

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