JP4858587B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4858587B2
JP4858587B2 JP2009200639A JP2009200639A JP4858587B2 JP 4858587 B2 JP4858587 B2 JP 4858587B2 JP 2009200639 A JP2009200639 A JP 2009200639A JP 2009200639 A JP2009200639 A JP 2009200639A JP 4858587 B2 JP4858587 B2 JP 4858587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
suction platen
belt
platen
transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009200639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011051165A (ja
Inventor
諭是 村田
重己 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2009200639A priority Critical patent/JP4858587B2/ja
Priority to US12/749,403 priority patent/US8287120B2/en
Publication of JP2011051165A publication Critical patent/JP2011051165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4858587B2 publication Critical patent/JP4858587B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/007Conveyor belts or like feeding devices

Description

本発明は、記録媒体に画像を形成する記録装置に関する。
特許文献1には、駆動ローラ、従動ローラ及びテンションローラの3つのローラに架け渡された搬送ベルトと、従動ローラに向かって付勢され搬送ベルトとの間でシート(記録媒体)を挟みながら搬送する搬送ローラと、駆動及び従動ローラ間に配置され搬送ベルトに静電吸着力を生じさせる静電吸着力発生手段とを有するインクジェットプリンタについて記載されている。
このインクジェットプリンタにおいて、静電吸着力発生手段は、櫛歯形状の電極板及びアース板を有しており、電極板に電圧を印加することによって搬送ベルトに静電吸着力を生じさせる。そして、搬送ベルトと搬送ローラとに挟まれてきたシートが静電吸着力によって搬送ベルトに吸着されながら記録ヘッドと対向する領域に搬送され、記録ヘッドにより当該シートに画像が形成される。
特許第2804715号
しかしながら、上記特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいて、特に、シートを搬送ベルトに吸着した状態でシートの搬送が停止された場合(例えば、ジャムが生じた場合)、搬送ベルトと吸着力発生手段とが大きな吸着力で互いに貼り付いた状態となる。静電吸着力発生手段による吸着力(ジョンセン・ラーベック力)は、電極板〜アース板に流れる電流値が大きいほど大きくなる。シートが搬送ベルト上に吸着されている場合、電極板→搬送ベルト→シート→搬送ベルト→アース板に流れる電流値は、比較的大きくなり、搬送ベルトと静電吸着力発生手段との間に大きな吸着力が生じる。この大きな吸着力が生じている中で、搬送ベルトと静電吸着力発生手段が相対移動しておれば、両者が貼り付くようなことはほとんど生じないが、上述のようにジャムなどで搬送ベルトが停止すると、搬送ベルト及び静電吸着力発生手段の互いに対向する面に蓄積された電荷によって両者が引き合い、貼り付いた状態となる。このように搬送ベルトと静電吸着力発生手段とが貼り付いてしまうと、電極板への電圧の印加を中止しても、短時間で電荷は抜けないため、再度、搬送ベルトを走行させる際の走行開始負荷が非常に大きくなる。したがって、無理に搬送ベルトを走行させようとすると、搬送ベルトが伸びて破損したり、搬送ベルトが駆動ローラ(ベルトローラ)に対してスリップするなどの問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、搬送ベルトの走行開始負荷を低減することが可能な記録装置を提供することである。
本発明の記録装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成面を有する記録ヘッドと、記録媒体を前記画像形成面と対向する位置に搬送する搬送ベルトと、一対の櫛歯電極を有し、前記画像形成面との間において前記搬送ベルトを挟む位置に配置された吸着プラテンと、前記搬送ベルトに記録媒体を吸着させるように前記一対の櫛歯電極間に電圧を印加する印加手段と、前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間の離隔距離が、第1の距離と、前記第1の距離よりも大きい第2の距離とを選択的に取り得るように、前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの少なくともいずれか一方を移動させる移動手段とを備えている。そして、前記第1の距離は、前記一対の櫛歯電極間に電圧が印加されることによって前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの互いに対向する面に電荷を蓄積することが可能な距離であり、前記第2の距離は、前記第1の距離において前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が蓄積される前の状態に戻すことが可能な距離である。
これによると、離隔距離が第1の距離からそれより大きい第2の距離に変化させることが可能になるので、搬送ベルト及び吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が減る。このため、搬送ベルトの走行開始負荷を低減することが可能になる。したがって、搬送ベルトが伸びて破損することなどを防ぐことが可能となる。また、搬送ベルト及び吸着プラテンの互いに対向する面に電荷が蓄積されていても、離隔距離を第2の距離に変化させることで、蓄積された電荷が蓄積される前の状態に戻る。
本発明において、前記移動手段は、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離へと変化するように、前記吸着プラテンを移動させることが好ましい。これにより、吸着プラテンを移動させることで、離隔距離を第1の距離から第2の距離に変化させることができる。
また、本発明において、前記移動手段は、前記吸着プラテンの記録媒体の搬送方向の一端又は前記搬送方向と直交する方向の一端を揺動中心として、前記吸着プラテンを揺動させることが好ましい。これにより、吸着プラテンの他端から離隔距離を順次変化させることが可能になり、吸着プラテンを揺動させる際に搬送ベルトにかかる引っ張り力を効果的に小さくすることができる。
また、本発明において、前記移動手段は、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離へと変化するように、前記搬送ベルトの前記吸着プラテンと対向する部分を押し上げることが好ましい。これにより、搬送ベルトの吸着プラテンと対向する部分を押し上げることで、離隔距離を第1の距離から第2の距離に変化させることができる。
また、本発明において、前記吸着プラテンが、前記画像形成面に対して垂直な方向に貫通する孔を有しており、前記移動手段が、前記搬送ベルトとの間において前記吸着プラテンを挟む位置に配置され前記孔を通過可能な部材と、前記離隔距離が前記第1の距離となる第1の位置と前記部材を前記吸着プラテンから突出させることによって前記離隔距離が前記第2の距離となる第2の位置との間において、前記部材を変位させる変位手段とを含んでいることが好ましい。これにより、比較的、簡易な構成で搬送ベルトを押し上げることが可能となる。
また、本発明において、前記移動手段が、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離に変化するように、前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間に気体を吹き込む吹き込み機構を含んでいることが好ましい。これにより、離隔距離を変化させるために、直接、搬送ベルトに部材を接触させる必要がなくなる。そのため、搬送ベルトの破損を防ぐことができる。
また、本発明において、前記吸着プラテンには、前記吹き込み機構から吹き出された気体を前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間に導く気体導入口が形成されていることが好ましい。これにより、気体が搬送ベルトと吸着プラテンとの間全体に行き渡りやすくなり、効果的に離隔距離を変化させることができる。
また、本発明において、前記移動手段が、前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間の領域に出入り可能な出入り部材と、前記離隔距離が部分的に前記第1の距離から前記第2の距離に順次変化するように、前記出入り部材を前記領域の一方から他方へと移動させる出入り部材移動機構とを含んでいることが好ましい。これにより、出入り部材を領域の一方から他方に移動させることで、離隔距離が部分的に第1の距離から第2の距離に順次変化し、第2の距離に変化した際に、搬送ベルト及び吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が減る。そのため、搬送ベルトの走行開始負荷を低減することが可能になる。
また、本発明において、前記一対の櫛歯電極は、前記画像形成面に対して垂直な方向と直交する方向に配列された複数の電極をそれぞれ有し、一方が有する電極と他方が有する電極とが交互に配置されていることが好ましい。
また、本発明において、前記搬送ベルト上に記録媒体がある状態で当該記録媒体の搬送が停止されたときから前記搬送ベルトを走行させるまでの間に、前記一対の櫛歯電極間への電圧の印加を停止するとともに、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離に変化するように、前記印加手段及び前記移動手段を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、記録媒体を吸着した状態で記録媒体の搬送が停止しても、一対の櫛歯電極間への電圧の印加が停止され、離隔距離が第1の距離から第2の距離に変化するので、搬送ベルト及び吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が元の状態に戻りやすくなる。このため、搬送ベルトの走行開始負荷をより一層低減することが可能になる。
本発明の記録装置によると、離隔距離が第1の距離からそれより大きい第2の距離に変化させることが可能になるので、搬送ベルト及び吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が減る。このため、搬送ベルトの走行開始負荷を低減することが可能になる。したがって、搬送ベルトが伸びて破損することなどを防ぐことが可能となる。
本発明の第1実施形態によるインクジェットプリンタの内部構造を示す概略側面図である。 図1に示す搬送機構の概略図である。 図2に示す搬送機構において形成される電気回路図である。 搬送機構を昇降させる昇降以降を示す概略側面図である。 本発明の第1実施形態によるインクジェットプリンタのメンテナンス動作を示す工程図である。 本発明の第1実施形態における搬送機構の変形例を示す部分拡大図である。 本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタの吸着プラテン及び押上機構を示す概略図である。 本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタのメンテナンス動作を示す工程図である。 本発明の第2実施形態における搬送機構の第1変形例を示す部分斜視図である。 本発明の第2実施形態における搬送機構の第2変形例を示す概略側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態におけるインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、直方体形状の筐体1aを有しており、上部に排紙部15が設けられている。筐体1a内は、上から順に2つの空間S1,S2に区分されている。空間S1には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド2及び搬送方向Aに用紙Pを搬送する搬送機構50が上方から順に配置されている。空間S2には、給紙装置10が配置されている。さらに、インクジェットプリンタ1には、これらの動作を制御する制御部(制御手段)100が含まれている。なお、本実施形態においては、搬送機構50で用紙Pを搬送するときの搬送方向Aと平行な方向を副走査方向とし、副走査方向と直交する方向であって水平面に沿った方向を主走査方向とする。
インクジェットプリンタ1の内部には、給紙装置10から排紙部15に向けて図1に示す太矢印に沿って用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙装置10は、積層された複数の用紙Pを収容可能な給紙カセット11と、給紙カセット11から用紙Pを送り出す給紙ローラ12と、制御部100により制御され給紙ローラ12を回転させる給紙モータ(不図示)とを有している。
給紙ローラ12は、給紙カセット11に積層して収納された複数の用紙Pのうち、最も上方にある用紙Pを送り出す。搬送機構50の図1中左方には、給紙カセット11から上方に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド17が設けられている。
この構成において、制御部100の制御により、給紙ローラ12が図1中時計回りに回転することによって、給紙ローラ12と接触した用紙Pが搬送ガイド17を通って搬送機構50に送り出される。
搬送機構50は、図1及び図2に示すように、4つのインクジェットヘッド2と対向する位置に配置されており、2つのベルトローラ51,52と、両ローラ51,52間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト53と、制御部100に制御されベルトローラ52を回転させる搬送モータ(不図示)と、吸着プラテン60と、吸着プラテン60を上下方向に移動させる移動機構(移動手段)70と、ベルトローラ51,52及び移動機構70を支持する一対の支持プレート55,56とを有している。2つのベルトローラ51,52は、搬送方向Aに沿って並設されており、軸51a,52aを介して支持プレート55,56に回転可能に支持されている。
搬送ベルト53は、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂からなり、10〜1014Ωcm程度の体積抵抗率及び可撓性を有しているが、同様の体積抵抗率及び可撓性を有することが可能であれば、どのような材質であってもよい。
吸着プラテン60は、絶縁材料から構成された板状のベース部材61と、上面61aに接着された2つの電極62,63と、これら電極62,63全体を覆うように上面61aに接着された保護フィルム64とを含んでいる。これら電極62,63は、搬送方向Aに沿って延在する複数の長尺部62a,63aを有し、これら長尺部62a,63aが主走査方向に交互に配置された櫛歯形状となっている。また、電極62,63は、筐体1a内に設けられた図示しない電源(印加手段)に接続されている。なお、電源は、制御部100により制御される。
ベース部材61の搬送方向Aに沿う両側面において、上流及び下流端には外側に突出した円柱状の4つの突出部61bが形成されている。保護フィルム64は、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂からなり、10〜1014Ωcm程度の体積抵抗率を有しているが、同様の体積抵抗率を有することが可能であれば、どのような材質であってもよい。
また、吸着プラテン60は、移動機構70により、用紙Pを搬送する際の第1の位置(図2(b)に示す位置)と、第1の位置よりも下方の第2の位置(図2(c)に示す位置)との間において、搬送ベルト53の上側ループに対して上下方向に移動される。
移動機構70は、吸着プラテン60の搬送方向上流部分を支持する上流支持部材71と、吸着プラテン60の搬送方向下流部分を支持する下流支持部材72と、駆動機構(不図示)とを有している。駆動機構は、制御部100に制御された駆動モータと、駆動モータからの回転力を円板71a,72a(後述する)に同時に伝達する伝達機構とを有している。
上流支持部材71は、突出部61bを支持する2枚の円板71aを有している。円板71aには突出部61bを嵌め込むことが可能な孔が形成されており、突出部61bが円板71aに対して回転可能になっている。また、2つの円板71aは、中央から突出した軸71bを介して支持フレーム81,82に回転可能に支持されている。一方、下流支持部材72も、円板71aと同様な2枚の円板72aを有しており、軸72bを介して支持フレーム81,82に回転可能に支持されている。
この移動機構70の構成において、制御部100の制御により、円板71a,72aが180°回転すると、図2(b)に示すように、吸着プラテン60の上面と搬送ベルト53の上側ループの裏面とが例えば、5μmの隙間(鉛直方向の離隔距離であって第1の距離)を介して互いに対向する第1の位置から、図2(c)に示すように、当該隙間が第1の位置よりも大きくなる、すなわち、離隔距離が第1の距離よりも大きい第2の距離となる第2の位置へと吸着プラテン60が下降する。そして、さらに円板71a,72aが同方向に180°回転すると、第2の位置から第1の位置に戻る。なお、吸着プラテン60の第1の位置から第2の位置への移動は、メンテナンス動作が行われるときに行われる。つまり、通常の印刷時には、吸着プラテン60は第1の位置に位置付けられている。また、吸着プラテン60は、その上面が水平に保たれた状態で第1及び第2の位置に移動する。
また、吸着プラテン60の上面と搬送ベルト53の上側ループの裏面との間の離隔距離が第1の距離の場合においては、一対の櫛歯電極62,63に電圧を印加すると、吸着プラテン60と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積される。一方、離隔距離が第2の距離の場合において、当該離隔距離が大きいため、一対の櫛歯電極62,63に電圧を印加しても、吸着プラテン60と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されない。さらに、離隔距離が第1の距離のときに吸着プラテン60と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されても、離隔距離を第2の距離に変更することで、吸着プラテン60側の電荷と搬送ベルト53の上側ループ側の電荷とが引き合う距離を超え、両者間に蓄積された電荷が蓄積する前の状態に速やかに戻る。
吸着プラテン60の上流端であって、電極62,63の長尺部62a,63aと対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙装置10から送り出されてきた用紙Pを搬送面54に押さえ付ける。
この構成において、制御部100の制御により、ベルトローラ52を図1中時計回りに回転させることによって、搬送ベルト53が回転する。このとき、搬送ベルト53の回転に伴ってベルトローラ51及びニップローラ4も回転する。また、このとき、制御部100の制御により、2つの電極62,63に互いに異なる電位(電極62は正又は負の電位、電極63はグランド電位)が印加される。
つまり、電極62,63間に電圧を印加すると、搬送ベルト53や用紙Pを介して電極62,63間に電流が流れる。図3は、電極62,63間に電圧Vを印加した際に形成される電気回路を示している。なお、図3に示す電気回路は、本実施形態を電気的な構成として理想化した場合に想定される単なる一モデルである。
この電気回路は、電極62→搬送ベルト53→用紙P→搬送ベルト53→電極63の経路を含んでいる。図3のRk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、この経路に沿った各部分の電気抵抗を表している。具体的には、Rk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、電極62,63と搬送ベルト53との間の保護フィルム64の電気抵抗、保護フィルム64と搬送ベルト53との間隙の電気抵抗、搬送ベルト53の電気抵抗、搬送ベルト53と用紙Pの間隙の電気抵抗、並びに、用紙P中の電気抵抗にそれぞれ対応している。
また、この電気回路は、上記の経路に並列に接続された迂回経路を含んでおり、RkmやRbmはこれらの迂回経路の電気抵抗を示している。具体的には、Rkmは、電極62,63を保護フィルム64のみを介して直接結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。Rbmは、電極62側と電極63側とを用紙Pを介さず搬送ベルト53を介して結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。
また、電極62,63間に電圧を印加した場合、上記の各部材や間隙には電荷が溜まり、これによって図3に示すように各電気抵抗に並列に接続されたコンデンサが形成される。このコンデンサを充電する微小な電流が用紙Pと搬送ベルト53との間隙に流れる際に、この間隙に電界が発生する。これにより、用紙Pと搬送ベルト53との間にジョンセン・ラーベック力(吸着力)が発生する。この吸着力により、搬送ベルト53上の用紙Pが搬送面54に静電吸着される。
こうして、給紙装置10から送り出された用紙Pが、吸着プラテン60による吸着力によって搬送面54に吸着されながら搬送方向Aに搬送される。さらにこのとき、搬送ベルト53の搬送面54上に吸着されつつ搬送されてきた用紙Pが4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方(吐出面2aと対向する領域)を順に通過する際に、制御部100が各インクジェットヘッド2を制御し、用紙Pに向けて各色のインクを吐出する。こうして、用紙Pに所望のカラー画像が形成される。
また、図4に示すように、搬送機構50は、昇降機構80により、インクジェットヘッド2から吐出されたインクによって用紙Pに画像を印刷する際の印刷位置と、吐出面2aと搬送機構50との離隔距離が印刷位置におけるよりも大きくなる退避位置との間において、インクジェットヘッド2に対して上下に相対移動する。すなわち、搬送機構50は、図1に示されている、インクジェットヘッド2に近接した印刷位置と、印刷位置よりも下方に移動された退避位置との間において、上下動される。
昇降機構80は、図4に示すように、ベルトローラ51を昇降させる昇降部81と、ベルトローラ52を昇降させる昇降部85とを有している。昇降部81は、昇降モータ82と、2つのリング83と、連結部材であるワイヤ84とを有している。リング83は、支持プレート55,56の外側であってベルトローラ51の軸51aの両端部近傍に設けられており、軸51aを回転可能に支持している。ワイヤ84は、リング83の上端にその一端が固定されている。ワイヤ84の他端は、昇降モータ82の軸82aに固定されつつ巻回されている。また、筐体1a内には、ベルトローラ51の軸51aの両端と対向する位置に、ベルトローラ51の軸51aの両端が上下に移動するのを案内するガイド孔91が設けられている。このガイド孔91は、鉛直方向に延在する本体フレーム(不図示)に形成されており、印刷位置に搬送ユニット50が配置されているときの軸51aの位置を上端とし、そこから下方に延びている。
また、昇降部85も、昇降モータ86と、2つのリング87と、ワイヤ88とを有している。リング87は、支持プレート55,56の外側であって軸52aの両端部近傍に設けられており、軸52aを回転可能に支持している。ワイヤ88も、一端がリング87の上端に、他端が昇降モータ86の軸86aに固定されつつ、軸86aに巻回されている。また、筐体1a内には、ベルトローラ52の軸52aの両端と対向する位置に、ベルトローラ52の軸52aの両端が上下に移動するのを案内するガイド孔92が設けられている。このガイド孔92も、鉛直方向に延在する本体フレームに形成されており、印刷位置に搬送機構50が配置されているときの軸52aの位置を上端とし、そこから下方に延びている。
この構成において、制御部100の制御により、2つの昇降モータ82,86が同時に駆動されて軸82a,86aが図4中反時計回りに回転すると、ワイヤ84,88が軸82a,86aから巻解かれる。これにより、搬送機構50が、ガイド孔91,92に沿って下方に移動する。すなわち、搬送機構50が印刷位置から退避位置に移動する。一方、制御部100の制御により、軸82a,86aが図4中時計回りに回転すると、ワイヤ84,88が軸82a,86aに巻き取られる。これにより、搬送機構50が、ガイド孔91,92に沿って上方に移動する。すなわち、搬送機構50が退避位置から印刷位置に移動する。なお、搬送機構50の印刷位置から退避位置への移動は、インクジェットヘッド2のメンテナンス動作が行われるときに行われる。また、本実施形態においては、昇降機構80によって、搬送機構50がインクジェットヘッド2に対して上下動される構成にされているが、これに限定されず、昇降機構80によって、インクジェットヘッド2が搬送機構50に対して上下動される構成にされていてもよい。また、昇降機構によって、インクジェットヘッド2と搬送機構50とを、互いに離す及び近づけるように上下動される構成にされていてもよい。
図1に戻って、搬送機構50の搬送方向Aのすぐ下流側には、剥離部材9が設けられている。剥離部材9は、その先端が用紙Pと搬送ベルト53との間に入り込むことによって、用紙Pを搬送面54から剥離する。なお、用紙Pの前端が剥離部材9に到達するころには、搬送面54と用紙Pの前端との間の吸着力が弱まっているので、用紙Pが剥離部材9によって搬送面54から剥離される。
搬送機構50と排紙部15との搬送経路に沿う間には、4つの送りローラ21a,21b,22a,22bと、送りローラ21a,21bと送りローラ22a,22bとの間に配置された搬送ガイド18とが配置されている。送りローラ21b,22bは、制御部100に制御される送りモータ(不図示)によって回転駆動される。この構成において、制御部100の制御により、送りローラ21b,22bが回転され、搬送機構50から排出された用紙Pが送りローラ21a,21bに挟持されながら搬送ガイド18を通されて図1中上方に送られる。そして、送りローラ22a,22bに挟持されながら排紙部15に送られる。なお、送りローラ21a,22aは、従動ローラであり用紙搬送に伴って回転する。
続いて、メンテナンス動作について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)に示すように、例えば、用紙Pを搬送ベルト53に吸着させながら搬送している際に、用紙Pの前端と最も下流に位置するインクジェットヘッド2の吐出面2aとが接触し、当該用紙Pにジャムが生じた場合は、図示しないセンサによってジャムが検出されメンテナンス動作が行われる。この場合、制御部100は、センサからのジャム検出信号に基づいて、搬送機構50を制御し、用紙Pの搬送を停止させる。
次に、制御部100は、図5(b)に示すように、昇降機構80を制御して、搬送機構50を印刷位置から退避位置に移動させる。そして、制御部100は、一対の電極62,63間への電圧の印加を停止する。その後、ユーザが筐体1aに設けられた扉(不図示)を開け、ジャムした用紙Pを搬送ベルト53から取り除く。
次に、制御部100は、ユーザが扉を閉めることで扉が開から閉になる検出信号に基づいて、移動機構70を制御し、円板71a,72aを1回転させる。つまり、図5(c)に示すように、吸着プラテン60を第1の位置から第2の位置に下降し、その後、吸着プラテン60が第1の位置に戻る。こうして、用紙Pのジャム発生時におけるメンテナンス動作が終了し、制御部100の制御により、搬送機構50及びインクジェットヘッド2などが制御され、給紙装置10からの新たな用紙Pの搬送が開始され、当該用紙Pに対する印刷が行われる。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ1によると、用紙Pを吸着した状態で用紙Pの搬送が停止されても、一対の電極62,63間への電圧の印加が停止され、吸着プラテン60と搬送ベルト53との離隔距離を第1の距離から第2の距離に変更するので、搬送ベルト53及び吸着プラテン60の互いに対向する面に蓄積された電荷が減る、すなわち、蓄積される前の状態に戻る。このため、搬送ベルト53の走行を再開する際の走行開始負荷を低減することが可能となる。したがって、搬送ベルト53が伸びて破損することや搬送ベルト53がベルトローラ52に対してスリップすることなどを防ぐことが可能となる。
また、上述の第1実施形態においては、用紙Pを吸着した状態で用紙Pの搬送が停止された後、一対の電極間に対する電圧の印加を停止しているが、特に電圧の印加を停止していなくてもよい。この場合においても、搬送ベルト53と吸着プラテン60との離隔距離が第1の距離から第2の距離に変化するので、蓄積された電荷が減少する。したがって、上述と同様な効果を得ることができる。さらに、何らかの原因で用紙Pが吸着されていない状態で搬送ベルト53の走行が停止し、且つ搬送ベルト53と吸着プラテン60とが貼り付いても、上述のように吸着プラテン60と搬送ベルト53との離隔距離を第1の距離から第2の距離に変更することで、両者間に蓄積された電荷が減少する。このため、上述と同様な効果を得ることができる。
また、上述の第1実施形態においては、移動機構70が、吸着プラテン60の上面を水平に保った状態で、吸着プラテン60を第1の位置から第2の位置に移動させているが、この移動のときに、吸着プラテン60を傾けてもよい。この変形例においては、図6に示すように、吸着プラテン60の搬送方向Aの上流端に、揺動機構(移動手段)170が設けられている。揺動機構170は、両端が一対の支持プレート55,56に回転可能に支持された軸171と、軸171の吸着プラテン60と対向する部分に形成された固定部172と、制御部100に制御され軸171に回転力を付与する駆動機構(不図示)とを有している。固定部172は、吸着プラテン60の上流端に固定されている。
この構成において、制御部100の制御により、軸171が例えば、15°回転すると、吸着プラテン60が図6(a)に示す第1の位置から、図6(b)に示すように吸着プラテン60の上面が傾いた第2の位置に揺動する。このとき、吸着プラテン60の下流端から上流端にかけて、搬送ベルト53との離隔距離を順次変化させることが可能となる。具体的には、吸着プラテン60の下流端から搬送ベルト53に対して大きく離れていく。これにより、吸着プラテン60を揺動させる際に搬送ベルト53にかかる引っ張り力(吸着力に抗する力)を効果的に小さくすることができる。
そして、制御部100の制御により、軸171が逆方向に15°回転すると、吸着プラテン60が第2の位置から第1の位置に戻る。なお、吸着プラテン60が第1の位置にある場合、吸着プラテン60と搬送ベルト53との離隔距離は、第1実施形態とほぼ同様である。本変形例における第2の距離は、吸着プラテン60の上流端と搬送ベルト53との間の離隔距離である。このため、吸着プラテン60が第2の位置にある場合、吸着プラテン60の上面全体が搬送ベルト53から第2の距離以上離れることになる。これにより、離隔距離が第1の距離のときに吸着プラテン60と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されても、離隔距離を第2の距離に変更する(第1の位置から第2の位置に吸着プラテン60を揺動させる)ことで、両者間に蓄積された電荷が蓄積する前の状態に速やかに戻る。このため、この変形例においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本変形例における揺動機構170の固定部172は、吸着プラテン60の搬送方向Aの上流端に固定されていたが、吸着プラテン60の主走査方向の一端に固定されていてもよい。この場合でも、同様な効果を得ることができる。
続いて、本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタについて図7及び図8を参照しつつ、以下に説明する。本実施形態によるインクジェットプリンタは、吸着プラテン260と搬送ベルト53を押し上げる押上機構(移動手段)270とを有しており、メンテナンス動作において搬送ベルト53を押し上げる点が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態とほぼ同様である。なお、第1実施形態と同様な構成においては、同符号で示し説明を省略する。
吸着プラテン260は、図7に示すように、複数の孔265が形成されているだけで、上述の吸着プラテン60とほぼ同様な構成を有している。これら孔265は、図7(a)に示すように、一対の櫛歯電極62,63の長尺部62a,63a間において、副走査方向に沿って配列されている。また、孔265は、吐出面2aに対して垂直な方向に沿ってベース部材61と保護フィルム64とを連続して貫通している。また、吸着プラテン260は、一対の支持プレート55,56に移動不可能に固定されている。
押上機構270は、図7(b)及び図7(c)に示すように、孔265を通過可能な部材271と、部材271を変位させる変位機構272とを有している。
部材271は、平面形状が吸着プラテン260よりも一回り小さく、搬送ベルト53との間において吸着プラテン260を挟む位置に配置された板状部材275と、板状部材275の上面に立設された複数の棒状部材276とを有している。これら棒状部材276は、板状部材275の孔265と対向する位置に配置されており、孔265を通過可能な形状を有している。また、棒状部材276の長さは、孔265の長さよりも長くなっている。
変位機構272は、2つのカム278と、制御部100に制御されカム278の軸278aに回転力を付与する駆動機構(不図示)とを有している。カム278は、図7(c)に示すように、板状部材275の主走査方向の長さとほぼ同じ長さを有している。また、カム278は軸278aの両端において一対の支持プレート55,56に回転可能に支持されている。
変位機構272は、図8(a)に示すように、通常、搬送ベルト53と吸着プラテン260との離隔距離が第1実施形態と同様な第1の距離となるような第1の位置に部材271を位置付けている。本実施形態においては、棒状部材276の上端が吸着プラテン260の上面と同じ平面内に存在するように、板状部材275を位置付けているが、棒状部材265の上端が吸着プラテン260から搬送ベルト53側に突出していなければ、どの位置に配置されていてもよい。そして、吸着プラテン260と搬送ベルト53とが貼り付いた状態を復帰させるメンテナンス動作を行う際に、制御部100が、図8(b)に示すように、カム278を反時計回りに90°回転するように駆動機構を制御する。すると、板状部材275が上昇し、これに伴って棒状部材276が吸着プラテン260から突出し搬送ベルト53に当接して、搬送ベルト53を上方に押し上げる。こうして、搬送ベルト53と吸着プラテン260との離隔距離が第1実施形態と同様な第2の距離となるような第2の位置に部材271が位置付けられる。これにより、離隔距離が第1の距離のときに吸着プラテン260と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されていても、離隔距離を第2の距離に変更することで、両者間に蓄積された電荷が蓄積する前の状態に速やかに戻る。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、比較的、簡易な構成で搬送ベルト53を押し上げることが可能となる。
上述の第2実施形態においては、部材271を変位させて搬送ベルト53に棒状部材276を当接させることで、搬送ベルト53と吸着プラテン260との離隔距離を第1の距離から第2の距離に変更させていたが、他の方法で搬送ベルト53を吸着プラテンから離してもよい。第1変形例のインクジェットプリンタには、図9に示すように、第1実施形態の吸着プラテン60と同様な吸着プラテン360と、搬送ベルト53と吸着プラテン360との間にエアを吹き込むエア吹き込み機構(移動手段)370とが設けられており、両者間にエアを吹き込むことで搬送ベルト53を吸着プラテン260から離隔させる。
エア吹き込み機構370は、制御部100に制御された送風機(不図示)と、送風機からのエアを案内する管365とを有している。管365は、吸着プラテン360の主走査方向の一端部であって副走査方向の中央と対向する位置にエア吹き出し口366が配置されるように、配管されている。
吸着プラテン360には、エア吹き出し口366とちょうど対向する位置にエア導入口361が形成されている。エア導入口361は、上方に向かって開口する凹形状を有している。また、エア導入口361は、吸着プラテン360の主走査方向の一端から中央に向かって先細り形状に形成されている。そして、エア導入口361の略半分が、鉛直方向に沿って搬送ベルト53と重なっている。これにより、エア吹き出し口366から吹き出されたエアが、搬送ベルト53と吸着プラテン360との間に入りやすくなり、図9中2点鎖線で囲まれた領域全体に行き渡る。つまり、吹き出されたエアが搬送ベルト53と吸着プラテン360との間のほぼ全体に行き渡り、効果的に搬送ベルト53と吸着プラテン360との離隔距離を変化させることができる。
この構成において、吸着プラテン260と搬送ベルト53とが貼り付いた状態を復帰させるメンテナンス動作を行う際に、制御部100が、送風機を制御して、エア吹き出し口366からエアを吹き出す。すると、吹き出されたエアが、搬送ベルト53と吸着プラテン360との間においてエア導入口361から主走査方向に沿って吸着プラテン360の他端部に向う方向に順次入り込む。この入り込んだエアによって搬送ベルト53が上方に押し上げられ、搬送ベルト53と吸着プラテン360との離隔距離が第1の距離から第2の距離に変化する。これにより、離隔距離が第1の距離のときに吸着プラテン360と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されても、離隔距離を第2の距離に変更することで、両者間に蓄積された電荷が蓄積する前の状態に速やかに戻る。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、搬送ベルト53と吸着プラテン360の離隔距離を変化させる際に、直接、搬送ベルト53に部材などを接触させる必要がなくなるので、搬送ベルト53の破損を防ぐことができる。
第2変形例のインクジェットプリンタには、図10に示すように、第1実施形態の吸着プラテン60と同様な吸着プラテン460と、押上機構(移動手段)470とを有している。吸着プラテン460は一対の支持フレーム55,56に移動不可能に固定されており、吸着プラテン460の搬送方向Aの上流端及び下流端に傾斜面460a,460bが形成されている。
押上機構470は、ローラ(出入り部材)471と、ローラ471を吸着プラテン460の側方から吸着プラテン460と搬送ベルト53との間の領域を通過するように移動させるローラ移動機構(出入り部材移動機構)472とを有している。ローラ471は、その軸471aが主走査方向に沿って延在するように配置されている。ローラ471は、主走査方向に関して、吸着プラテン460の長さとほぼ同じ長さになっている。
ローラ移動機構472は、ローラ471を回転可能に支持する一対の支持部材473と、一対の支持部材473を副走査方向に沿って移動させる移動機構474とを有している。一対の支持部材473は、主走査方向に関して、搬送ベルト53を挟む位置に配置されている。各支持部材473は、ローラ471の軸471aを支持する第1リンク部材473aと、一端が第1リンク部材473aに回転自在に連結され他端が移動機構474のタイミングベルト474cに固定された第2リンク部材473bとを有している。第2リンク部材473bは、主走査方向に突出した突起473cを有している。突起473cは、一対の支持フレーム55,56に形成されたガイド溝455内に配置されている。ガイド溝455は、副走査方向に沿って延在している。なお、この変形例における一対の支持フレーム55,56は、第1実施形態におけるよりも上方に延びており、この延びた部分にガイド溝455が形成されている。
移動機構474は、2つのローラ対474a,474bと、各ローラ対474a,474bに架け渡された2本のタイミングベルト474cと、各対のローラ474bに回転力を付与する駆動機構(不図示)とを有している。駆動機構は、制御部100に制御された駆動モータと、駆動モータからの回転力を各対のローラ474bに同時に伝達する伝達機構とを有している。一方のローラ対474a,474bは支持フレーム55に回転可能に支持されており、他方のローラ対474a,474bは支持フレーム56に回転可能に支持されている。各ローラ対474a,474bの副走査方向に沿う離隔距離は、吸着プラテン460の副走査方向の長さよりも長く、ベルトローラ51,52間の距離よりも短い距離となっている。
ローラ移動機構472は、図10(a)に示すように、通常、ローラ471が傾斜面460aに接触しつつ搬送ベルト53から離隔する位置にローラ471を位置付けており、搬送ベルト53と吸着プラテン460との離隔距離が第1実施形態と同様な第1の距離となっている。そして、吸着プラテン460と搬送ベルト53とが貼り付いた状態を復帰させるメンテナンス動作を行う際に、制御部100が、図10(b)に示すように、駆動機構を制御して、ローラ471を搬送方向Aに沿って移動させる。具体的には、ローラ471が傾斜面460aから傾斜面460bに達するまで、タイミングベルト474cを反時計回りに走行させる。このとき、ローラ471は常に吸着プラテン460に接触しながら搬送方向Aに沿って移動し、第1リンク部材473aは第2リンク部材473bの一端を回転中心として傾く。また、このとき、ローラ471は、搬送ベルト53と吸着プラテン460との間に入り込み、両者の離隔距離が部分的に第1実施形態と同様な第2の距離となるように、順次変化させていく。これにより、離隔距離が第1の距離のときに吸着プラテン460と搬送ベルト53の上側ループとの間に電荷が蓄積されていても、離隔距離を第2の距離に順次変化させていくので、搬送ベルト53にかかる引っ張り力を効果的に小さくすることができる。加えて、当該離隔距離が変化した領域における蓄積された電荷が蓄積する前の状態に速やかに戻すことができる。このため、搬送ベルト53の走行開始負荷を低減することが可能になる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の各実施形態及び各変形例における吸着プラテンの電極62,63は、主走査方向に延在する長尺部を有し、これら長尺部が副走査方向に沿って交互に配置されていてもよい。また、第2の距離は、第1の距離よりも大きく且つ電極間に電圧を印加したときに搬送ベルトと吸着プラテンとの間の隙間に電荷を蓄積させることができない距離未満であってもよい。これにおいても、離隔距離が第1の距離よりも大きいので、搬送ベルトと吸着プラテンとの間に蓄積された電荷が減少する。そのため、上述と同様な効果を得ることができる。
また、上述の第2実施形態においては、吸着プラテン260に複数の孔265が形成されているが、孔が1つだけ形成されていてもよい。この場合、棒状部材276も当該孔に対応して1つだけ形成されておればよい。また、本発明は、インクジェットヘッド以外の記録ヘッドが採用された記録装置においても適用することが可能である。
1 インクジェットプリンタ(記録装置)
2 インクジェットヘッド(記録ヘッド)
2a 吐出面(画像形成面)
50 搬送機構
53 搬送ベルト
60,260,360,460 吸着プラテン
62,63 櫛歯電極
70 移動機構(移動手段)
100 制御部(制御手段)
170 揺動機構(移動手段)
265 孔
270,470 押上機構(移動手段)
271 部材
272 変位機構(変位手段)
361 エア導入口(気体導入口)
370 エア吹き込み機構(移動手段)
471 ローラ(出入り部材)
472 ローラ移動機構(出入り部材移動機構)

Claims (10)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成面を有する記録ヘッドと、
    記録媒体を前記画像形成面と対向する位置に搬送する搬送ベルトと、
    一対の櫛歯電極を有し、前記画像形成面との間において前記搬送ベルトを挟む位置に配置された吸着プラテンと、
    前記搬送ベルトに記録媒体を吸着させるように前記一対の櫛歯電極間に電圧を印加する印加手段と、
    前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間の離隔距離が、第1の距離と、前記第1の距離よりも大きい第2の距離とを選択的に取り得るように、前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの少なくともいずれか一方を移動させる移動手段とを備えており、
    前記第1の距離は、前記一対の櫛歯電極間に電圧が印加されることによって前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの互いに対向する面に電荷を蓄積することが可能な距離であり、
    前記第2の距離は、前記第1の距離において前記搬送ベルト及び前記吸着プラテンの互いに対向する面に蓄積された電荷が蓄積される前の状態に戻すことが可能な距離であることを特徴とする記録装置。
  2. 前記移動手段は、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離へと変化するように、前記吸着プラテンを移動させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記移動手段は、前記吸着プラテンの記録媒体の搬送方向の一端又は前記搬送方向と直交する方向の一端を揺動中心として、前記吸着プラテンを揺動させることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記移動手段は、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離へと変化するように、前記搬送ベルトの前記吸着プラテンと対向する部分を押し上げることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記吸着プラテンが、前記画像形成面に対して垂直な方向に貫通する孔を有しており、
    前記移動手段が、前記搬送ベルトとの間において前記吸着プラテンを挟む位置に配置され前記孔を通過可能な部材と、前記離隔距離が前記第1の距離となる第1の位置と前記部材を前記吸着プラテンから突出させることによって前記離隔距離が前記第2の距離となる第2の位置との間において、前記部材を変位させる変位手段とを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記移動手段が、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離に変化するように、前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間に気体を吹き込む吹き込み機構を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  7. 前記吸着プラテンには、前記吹き込み機構から吹き出された気体を前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間に導く気体導入口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記移動手段が、前記搬送ベルトと前記吸着プラテンとの間の領域に出入り可能な出入り部材と、前記離隔距離が部分的に前記第1の距離から前記第2の距離に順次変化するように、前記出入り部材を前記領域の一方から他方へと移動させる出入り部材移動機構とを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  9. 前記一対の櫛歯電極は、前記画像形成面に対して垂直な方向と直交する方向に配列された複数の電極をそれぞれ有し、一方が有する電極と他方が有する電極とが交互に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記搬送ベルト上に記録媒体がある状態で当該記録媒体の搬送が停止されたときから前記搬送ベルトを走行させるまでの間に、前記一対の櫛歯電極間への電圧の印加を停止するとともに、前記離隔距離が前記第1の距離から前記第2の距離に変化するように、前記印加手段及び前記移動手段を制御する制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
JP2009200639A 2009-08-31 2009-08-31 記録装置 Active JP4858587B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009200639A JP4858587B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 記録装置
US12/749,403 US8287120B2 (en) 2009-08-31 2010-03-29 Recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009200639A JP4858587B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011051165A JP2011051165A (ja) 2011-03-17
JP4858587B2 true JP4858587B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=43624272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009200639A Active JP4858587B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 記録装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8287120B2 (ja)
JP (1) JP4858587B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110198905A (zh) * 2017-02-10 2019-09-03 三菱重工机械系统株式会社 瓦楞纸板的进纸装置及制盒机

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5083353B2 (ja) * 2010-03-29 2012-11-28 ブラザー工業株式会社 記録装置
JP5479278B2 (ja) * 2010-09-03 2014-04-23 理想科学工業株式会社 インクジェット印刷装置
JP2012158421A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Brother Industries Ltd 記録装置
JP6318648B2 (ja) * 2014-01-27 2018-05-09 株式会社リコー 画像形成装置、および画像形成方法
JP6185421B2 (ja) * 2014-04-01 2017-08-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 搬送装置、及びインクジェット記録装置
EP3017957B1 (en) * 2014-11-04 2020-01-08 Agfa Nv A large inkjet flatbed table
JP6676890B2 (ja) * 2015-06-26 2020-04-08 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP6703300B2 (ja) 2016-02-19 2020-06-03 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP6705203B2 (ja) 2016-02-19 2020-06-03 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP6912600B2 (ja) * 2017-12-13 2021-08-04 富士フイルム株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02182641A (ja) * 1988-12-30 1990-07-17 Canon Inc 画像記録装置
JP2718626B2 (ja) 1993-11-16 1998-02-25 キヤノン株式会社 シート材搬送装置
JP2804715B2 (ja) 1994-06-13 1998-09-30 キヤノン株式会社 記録装置
US6309064B1 (en) * 1997-11-20 2001-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Printing apparatus
EP1172222B1 (en) * 2000-07-11 2010-12-22 Canon Kabushiki Kaisha Conveying apparatus and recording apparatus
JP4533080B2 (ja) * 2003-12-15 2010-08-25 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP4236259B2 (ja) * 2004-03-08 2009-03-11 キヤノン株式会社 記録装置
US7396123B2 (en) * 2004-06-03 2008-07-08 Canon Kabushiki Kaisha Transport apparatus and recording apparatus
JP4265787B2 (ja) * 2004-07-27 2009-05-20 株式会社リコー ベルト搬送装置及び該ベルト搬送装置を用いた画像形成装置
WO2006054665A1 (ja) * 2004-11-18 2006-05-26 Olympus Corporation プリンタのジャム処理装置及びその方法
JP4402008B2 (ja) * 2005-05-17 2010-01-20 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP4667117B2 (ja) * 2005-05-17 2011-04-06 キヤノン株式会社 シート材搬送装置及び画像形成装置
JP4740665B2 (ja) * 2005-07-05 2011-08-03 オリンパス株式会社 画像記録装置
JP4696971B2 (ja) * 2006-02-28 2011-06-08 富士ゼロックス株式会社 液滴吐出装置
JP3139539U (ja) * 2007-11-30 2008-02-21 理想科学工業株式会社 シート搬送装置
JP4968053B2 (ja) * 2007-12-26 2012-07-04 ブラザー工業株式会社 記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110198905A (zh) * 2017-02-10 2019-09-03 三菱重工机械系统株式会社 瓦楞纸板的进纸装置及制盒机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011051165A (ja) 2011-03-17
US8287120B2 (en) 2012-10-16
US20110050825A1 (en) 2011-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4858587B2 (ja) 記録装置
JP2008194997A (ja) ベルト回転装置及び画像形成装置
JP2007145504A (ja) 記録装置の記録媒体搬送装置
JP4667117B2 (ja) シート材搬送装置及び画像形成装置
JP4646465B2 (ja) 記録媒体搬送装置及び該記録媒体搬送装置を備えた記録装置
JP4748236B2 (ja) 記録装置
US6595515B2 (en) Sheet conveying device with increased electric voltage
JP2010208721A (ja) インクジェット記録装置
US8205882B2 (en) Recording apparatus
JP5381615B2 (ja) 記録装置
JP2005029333A (ja) インクジェット記録装置
JP5035379B2 (ja) 液体吐出装置
JP2010024051A (ja) 記録媒体搬送装置
JP4720925B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4400493B2 (ja) 保持装置
JP2005231814A (ja) 用紙搬送装置とそれを備えた画像形成装置
JP2004131242A (ja) 用紙搬送装置及び画像記録装置
JP2006219291A (ja) 用紙搬送装置及び画像形成装置
JP6051914B2 (ja) シート搬送装置とシート繰り出し装置及び画像形成装置
JP2004131197A (ja) 記録紙搬送装置
JP5131231B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4367356B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2007119222A (ja) 記録媒体搬送装置
JP2007119223A (ja) 記録装置の記録媒体搬送装置
JP4998494B2 (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4858587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3