JP2004131197A - 記録紙搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常搬送(ジャム)時ヘッド等に損傷を与えないで搬送ベルトを停止出来る搬送装置を提供する事を目的とする。
【解決手段】異常搬送時静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させ無端状搬送ベルトを瞬時に停止する。
【選択図】 図1
【解決手段】異常搬送時静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させ無端状搬送ベルトを瞬時に停止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッドを用いて記録される記録媒体を搬送するための記録紙搬送装置及びこれを備えた画像記録装置に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精度な画像を高速で記録する事ができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0003】
中でも、記録シートの幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録ヘッドを使用したフルライン型の装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0004】
ところがフルライン型の装置においては、最も上流側位置の記録ヘッドから最も下流側位置の記録ヘッドまでの距離がかなり長くなってしまう。
【0005】
そのため記録領域において記録シートの浮き上がりが発生すると、記録画像が乱れたり、ジャム等の原因にも成りうるため、記録シートが浮き上がらないよう下方へ付勢する必要がある。
【0006】
記録シートを付勢する手段として、静電気力を利用して記録シートを吸着させる方法が一般的に知られている。
【0007】
このようなインクジェット記録装置においては、記録領域においてプラテンに導電性の電極からなる静電吸着板を設け、電荷を与えることにより静電気力を発生させている。
【0008】
この静電気力により給送装置から給送された記録シートは搬送ベルト上面に吸着、保持さら、記録ヘッドによって記録されながら搬送される。
【0009】
従来のインクジェット記録装置の例を図を用いて説明する。
【0010】
図5は従来のインクジェット記録装置の全体構成図、図6は従来のインクジェット記録装置を上方から見た部分拡大図、図7(a),(b)は要部拡大図である。
【0011】
図5に示す画像記録装置70において、被記録媒体である記録シートPは給送部71に積載されており、給送ローラ72によって上部から一枚ずつ給送される。
【0012】
給送された記録シートPは下搬送ガイド73に案内され、搬送ベルト74とピンチローラ75とにより把持される。
【0013】
搬送ベルト74は図示しないパルスモータ等の駆動源によって駆動される駆動ローラ77によって駆動され、記録シートPをプラテン76上の印字開始位置まで搬送する。
【0014】
搬送ベルト74は駆動ローラ77と従動ローラ78及び圧力ローラ79によって張架されている。
【0015】
また、プラテン76には静電吸着力発生手段80が接着されて取り付けられており、搬送ベルト74の下方に近接している。
【0016】
尚、圧力ローラ79は一端がプラテン76に揺動可能に付けられたアーム83の他端に回動可能に取り付けられ、アーム83がバネ84によって押圧されることで搬送ベルト74に張力を架している。
【0017】
記録ヘッド85は記録シートPの記録領域の全幅にわたって複数の記録素子を配列されたフルラインタイプである。
【0018】
各色の記録ヘッドは85K(黒)、85C(シアン)、85M(マゼンタ)、85Y(イエロー)の順に記録シートP搬送方向上流から所定間隔で配列され、ヘッドホルダー85aに取り付けられている。
【0019】
図6は記録装置を上方から見た図であって、図に示すように記録ヘッド85の下方の占有領域をS1とすると、搬送ベルト74の下の静電吸着力発生手段80は占有領域をS1をカバーする大きさSを有している。
【0020】
この吸着力発生手段80は図7(a)におけるa−a断面であり、静電吸着力発生手段80の断面図を表している。
【0021】
図に示すように静電吸着力発生手段80は、電極板81及びアース板82がベース層80aと誘電表面層80bとで挟まれる形で保護されており、誘電表面層80bの上側に搬送ベルト74が位置している。
【0022】
ベース層80a及び誘電表面層80bはポリエチレン、ポリカーボネイト等の合成樹脂から構成されている。
【0023】
以上のような構成において、記録シートPは静電吸着力発生手段80によって搬送ベルト74の上面に吸着され、記録ヘッド85で記録されながら搬送ベルト74により搬送される。
【0024】
画像を記録された記録シートPは、排出ローラ86とこれに圧接される拍車87ととにより挟持搬送され、排出トレイ88へ排出、収容されるよう構成されている。
【0025】
排出ローラ86は図示しない伝達手段によって従動ローラ78の回転力によって駆動される。
【0026】
また、拍車87は記録面を転送するため、記録された画像のインクがなるべく転移しないように先端をとがらせた形状となっている。
【0027】
また、従来の他の構成として、上記プラテン76に設けた静電吸着力発生手段80と同様の構成で電極板81及びアース板82を搬送ベルト74内に一体に設け、搬送ベルト74の幅方向側端の一方より正または負の電圧をの印可し、他方をアースに落とし、搬送ベルト自体を静電吸着力発生手段とするものがある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェット記録装置において、高精細な画質を得るために記録紙と記録ヘッドの間隔を近く、一定に保ちながら高精度に搬送を行うことが要求されている。特にラインヘッドを用いた1PASS高速記録装置においては、画質に直接影響を及ぼす要因となっている。従来の記録装置においては、搬送ローラ78と駆動ローラ77により記録ヘッド直下の搬送ベルトは懸架されており、高速回転時には固有振動をもったばたつきが発生してしまうといった問題がある。
【0029】
インクジェット記録装置においては、記録ヘッド部85と記録紙Pの間隔(1.0mm〜1.5mm)が狭いため、癖形状によってはノズル面を擦ってしまい、ノズル部の破壊、若しくは混色、インク同士の反応による固着といった現象を起こしてしまい印字不能になることもある。
【0030】
また、各ノズルの間に拍車を設けて搬送ベルトを上方から押さえる方法も考えられるが、高速印字動作においては画質の劣化、拍車跡または、搬送ベルト表面層の劣化による高電圧のリークといった問題が生じるためフルライン型の高速インクジェット記録装置には適していない。
【0031】
また、搬送ベルト上の記録紙に波打ち、浮き上がり等の異常が生じたとき記録紙の異常検知センサーで検知し駆動力発生手段の電源を遮断しても高速機の場合慣性力で記録ヘッドのノズル面を擦ってしまいノズル部の破壊、インク同士の反応による固着といった現象を起こしてしまい高速インクジェット記録装置には適していない。
【0032】
本出願に係る発明の目的は上記電極による吸着発生手段を設けた搬送ベルトを有する搬送装置において、通常時搬送ベルト内周面に接して配置さた静電吸着力発生手段が発生する電気力による引力でベルトの搬送を安定化することにより、搬送時・長期放置による癖形状の影響や、ベルト搬送時に発生するばたつきの影響を抑制し、記録ヘッド部と搬送ベルト間の距離を一定に保つまた、異常搬送時前期静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させ前期無端形状搬送ベルトを瞬時に停止させることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本出願に係わる第一の発明は、記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと前記記録媒体を搬送する継ぎ目のない無端形状搬送ベルトと、継ぎ目のない無端形状搬送ベルトの内周面に接して配置され、異なる極性のくし歯電極を交互に配置した静電吸着力発生手段が発生する静電吸着力で通常搬送時継ぎ目のない無端形状搬送ベルト上の記録媒体の搬送を安定化する記録紙搬送装置において、異常搬送時静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させることを特徴とする。
【0034】
本出願に係わる第二の発明は、静電吸着力発生手段の前期搬送ベルトとの接触面に搬送ベルトとの摩擦を低減したことを特徴とする。
【0035】
本出願に係わる第三の発明は、画像形成手段は前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる記録紙搬送装置の実施形態を図を用いて説明する。
【0037】
図1は本実施形態に係わる記録紙搬送装置の静電吸着手段及び搬送ベルト接触部の模式断面図、図2は本実施形態に係わる記録紙搬送装置外観図、図3は静電吸着力発生手段の電極板上面模式図、図4は印可電圧とモータ軸上トルク曲線図である。
【0038】
記録部に於いて本実施形態に係わる記録紙搬送装置吸着して搬送するための構成、動作、及び静電吸着力発生手段の構成を図2及び図3を用いて説明する。
【0039】
搬送ベルト2は0.1mm〜0.2mm程度の厚みポリイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂または、エラストマー等の合成ゴムから形成されており、継ぎ目のない無端ベルト形状を成している。
【0040】
搬送ベルト2の内周には固定方式の静電吸着力発生手段1が設けられており、その給電部材1dに約0.5KVから10KVの電圧を印加させることにより記録ヘッド(図5参照)下方の記録領域で搬送ベルト2に吸着力を発生させるものである。
【0041】
尚、給電部材1dは所定の高電圧を発生する図示しない高圧電源に接続されている。
【0042】
搬送ベルト2は駆動ローラ3、従動ローラ4、テンションローラ5によって適度な張力を与えられて支持され、駆動ローラ3は駆動モータに連結されている。
【0043】
また、記録シートPを搬送ベルト側に押さえつける押圧手段として図示しないがシート押圧ローラが従動ローラ4の上方に回転可能に取り付けられ記録シートPを搬送ベルト2に圧接している。
【0044】
次に静電吸着力発生手段1について図1および図2及び図3を用いて説明する。
【0045】
図2に示すように、搬送ベルト2の内周には固定方式の静電吸着力発生手段1が設置されている。
【0046】
静電吸着力発生手段の構成は電極パターン部1a、電極基材部1b、誘電層部1c、高圧電源を供給するリード線部1dからなり、電極パターン部1aは導電性金属から成り電極基材部1bと誘電層部1cとで挟む形で保護している。
【0047】
電極基材部1b及び誘電層部1cはポリエチレン、ポリカーボネイト等の合成樹脂にて構成され、電極板取り付け基材7に固定されている。
【0048】
電極パターン部1aはクシ歯状に構成され、図に示すように搬送ベルト2の搬送方向と直交する方向で向かい合って互いの凹部に互いの凸部が入り込む形で搬送ベルト2の内周面に設置されている。
【0049】
静電吸着力発生手段1の電極パターン部1aに電圧が印加されると電気力が生じ、搬送ベルト2の上方位置に吸着力が発生し記録紙シートPの記録面上には電極パターン部1aに与えられた電圧と同極性の電荷(表面電位)が発生する。
【0050】
このとき、静電吸着力発生手段1の電極パターン部1aに搬送ベルト2、記録紙シートPが吸着され搬送ベルト2と静電吸着力発生手段1の誘電層部1cの摩擦係数が増大し駆動モータの負荷が増大する。
【0051】
そこで搬送ベルト2との接触部である静電吸着力発生手段1の誘電層部1cの表層部に低摩擦部材をコーティングことにより摩擦係数を低減(摩擦係数:0.4→0.15程度)してある。
【0052】
上記実施例で高速でも高品位な画像を安定して提供する事は出来た。
【0053】
しかし、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッド部と記録紙の間隔(1.0mm〜1.5mm)が狭く更に高速であり異常時も装置に損傷を与えずに確実に瞬時に停止したい。
【0054】
そこで本発明は安定した搬送を実現させる実験結果のヘッドに対向して設けられた各凸部の対向する面30bが作る平面と、搬送ローラ4と駆動ローラ3で構成される平面が同一平面になるように構成し、印可電圧を±1.5kvとすることで、本実施における搬送ベルト2においては、残留癖形状、搬送時のバタツキを抑制するのに十分な吸着力を得た。しかしながら吸着力が強すぎると、静電吸着力発生手段に搬送ベルトが張り付いてしまい回転負荷が増大し、回転が停止してしまうことがあることに着目し、通常動作時は電位差が1.5kv、停止時は2.0kv以上になる構成とした。
【0055】
その関係を図4のグラフに示した。
【0056】
横軸が印可電圧、縦軸がモータ軸上トルクである。
【0057】
通常動作時の電位差とトルクの関係は、ベルトに±1.5kv、で
1.0kv→950gf・cm
1.5kv→980gf・cm
であり吸着して動く。
【0058】
現状の印可電圧1.8kvで搬送ベルトの回転負荷が増大し停止することが分かっている。
【0059】
そこで停止時の電位差とトルクの関係は
0kv→1010gf・cm
5Kv→1050gf・cm
という関係にする事により確実に停止する事ができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明によれば記録媒体を搬送する継ぎ目のない無端形状搬送ベルトの内周面に接して配置され、異なる極性のくし歯電極を交互に配置してなる静電吸着力発生手段とを有する記録紙搬送装置において、通常搬送時は高速でも高品位な画像を安定して搬送出来、異常時は記録ヘッド等に損傷を与えず確実に瞬時に搬送ベルトを停止出来る。
【0061】
また、消費電力の低減、コストの安い、省スペース化の装置とする事ができる。
【0062】
また、記録領域においてのみ吸着力を発生させることができるため、エネルギー損失の少ない、効率の良い
装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の静電吸着力発生手段及び搬送ベルト接触部の模式断面図。
【図2】実施形態に係わる記録紙搬送装置外観図。
【図3】静電吸着力発生手段の電極板上面模式図。
【図4】印可電圧とモータ軸上トルク曲線図。
【図5】従来のインクジェット記録装置の全体構成図。
【図6】従来のインクジェット記録装置を上方から見た部分拡大図。
【図7】従来のインクジェット記録装置の要部拡大図。
【符号の説明】
1 静電吸着力発生手段
1a 電極パターン部
1b 電極基材部
1c 誘電層部
1d リード線部
2 搬送ベルト
3 駆動ローラ
4 従動ローラ
5 テンションローラ
6 駆動モータ
7 電極板取付基材
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッドを用いて記録される記録媒体を搬送するための記録紙搬送装置及びこれを備えた画像記録装置に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精度な画像を高速で記録する事ができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0003】
中でも、記録シートの幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録ヘッドを使用したフルライン型の装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0004】
ところがフルライン型の装置においては、最も上流側位置の記録ヘッドから最も下流側位置の記録ヘッドまでの距離がかなり長くなってしまう。
【0005】
そのため記録領域において記録シートの浮き上がりが発生すると、記録画像が乱れたり、ジャム等の原因にも成りうるため、記録シートが浮き上がらないよう下方へ付勢する必要がある。
【0006】
記録シートを付勢する手段として、静電気力を利用して記録シートを吸着させる方法が一般的に知られている。
【0007】
このようなインクジェット記録装置においては、記録領域においてプラテンに導電性の電極からなる静電吸着板を設け、電荷を与えることにより静電気力を発生させている。
【0008】
この静電気力により給送装置から給送された記録シートは搬送ベルト上面に吸着、保持さら、記録ヘッドによって記録されながら搬送される。
【0009】
従来のインクジェット記録装置の例を図を用いて説明する。
【0010】
図5は従来のインクジェット記録装置の全体構成図、図6は従来のインクジェット記録装置を上方から見た部分拡大図、図7(a),(b)は要部拡大図である。
【0011】
図5に示す画像記録装置70において、被記録媒体である記録シートPは給送部71に積載されており、給送ローラ72によって上部から一枚ずつ給送される。
【0012】
給送された記録シートPは下搬送ガイド73に案内され、搬送ベルト74とピンチローラ75とにより把持される。
【0013】
搬送ベルト74は図示しないパルスモータ等の駆動源によって駆動される駆動ローラ77によって駆動され、記録シートPをプラテン76上の印字開始位置まで搬送する。
【0014】
搬送ベルト74は駆動ローラ77と従動ローラ78及び圧力ローラ79によって張架されている。
【0015】
また、プラテン76には静電吸着力発生手段80が接着されて取り付けられており、搬送ベルト74の下方に近接している。
【0016】
尚、圧力ローラ79は一端がプラテン76に揺動可能に付けられたアーム83の他端に回動可能に取り付けられ、アーム83がバネ84によって押圧されることで搬送ベルト74に張力を架している。
【0017】
記録ヘッド85は記録シートPの記録領域の全幅にわたって複数の記録素子を配列されたフルラインタイプである。
【0018】
各色の記録ヘッドは85K(黒)、85C(シアン)、85M(マゼンタ)、85Y(イエロー)の順に記録シートP搬送方向上流から所定間隔で配列され、ヘッドホルダー85aに取り付けられている。
【0019】
図6は記録装置を上方から見た図であって、図に示すように記録ヘッド85の下方の占有領域をS1とすると、搬送ベルト74の下の静電吸着力発生手段80は占有領域をS1をカバーする大きさSを有している。
【0020】
この吸着力発生手段80は図7(a)におけるa−a断面であり、静電吸着力発生手段80の断面図を表している。
【0021】
図に示すように静電吸着力発生手段80は、電極板81及びアース板82がベース層80aと誘電表面層80bとで挟まれる形で保護されており、誘電表面層80bの上側に搬送ベルト74が位置している。
【0022】
ベース層80a及び誘電表面層80bはポリエチレン、ポリカーボネイト等の合成樹脂から構成されている。
【0023】
以上のような構成において、記録シートPは静電吸着力発生手段80によって搬送ベルト74の上面に吸着され、記録ヘッド85で記録されながら搬送ベルト74により搬送される。
【0024】
画像を記録された記録シートPは、排出ローラ86とこれに圧接される拍車87ととにより挟持搬送され、排出トレイ88へ排出、収容されるよう構成されている。
【0025】
排出ローラ86は図示しない伝達手段によって従動ローラ78の回転力によって駆動される。
【0026】
また、拍車87は記録面を転送するため、記録された画像のインクがなるべく転移しないように先端をとがらせた形状となっている。
【0027】
また、従来の他の構成として、上記プラテン76に設けた静電吸着力発生手段80と同様の構成で電極板81及びアース板82を搬送ベルト74内に一体に設け、搬送ベルト74の幅方向側端の一方より正または負の電圧をの印可し、他方をアースに落とし、搬送ベルト自体を静電吸着力発生手段とするものがある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェット記録装置において、高精細な画質を得るために記録紙と記録ヘッドの間隔を近く、一定に保ちながら高精度に搬送を行うことが要求されている。特にラインヘッドを用いた1PASS高速記録装置においては、画質に直接影響を及ぼす要因となっている。従来の記録装置においては、搬送ローラ78と駆動ローラ77により記録ヘッド直下の搬送ベルトは懸架されており、高速回転時には固有振動をもったばたつきが発生してしまうといった問題がある。
【0029】
インクジェット記録装置においては、記録ヘッド部85と記録紙Pの間隔(1.0mm〜1.5mm)が狭いため、癖形状によってはノズル面を擦ってしまい、ノズル部の破壊、若しくは混色、インク同士の反応による固着といった現象を起こしてしまい印字不能になることもある。
【0030】
また、各ノズルの間に拍車を設けて搬送ベルトを上方から押さえる方法も考えられるが、高速印字動作においては画質の劣化、拍車跡または、搬送ベルト表面層の劣化による高電圧のリークといった問題が生じるためフルライン型の高速インクジェット記録装置には適していない。
【0031】
また、搬送ベルト上の記録紙に波打ち、浮き上がり等の異常が生じたとき記録紙の異常検知センサーで検知し駆動力発生手段の電源を遮断しても高速機の場合慣性力で記録ヘッドのノズル面を擦ってしまいノズル部の破壊、インク同士の反応による固着といった現象を起こしてしまい高速インクジェット記録装置には適していない。
【0032】
本出願に係る発明の目的は上記電極による吸着発生手段を設けた搬送ベルトを有する搬送装置において、通常時搬送ベルト内周面に接して配置さた静電吸着力発生手段が発生する電気力による引力でベルトの搬送を安定化することにより、搬送時・長期放置による癖形状の影響や、ベルト搬送時に発生するばたつきの影響を抑制し、記録ヘッド部と搬送ベルト間の距離を一定に保つまた、異常搬送時前期静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させ前期無端形状搬送ベルトを瞬時に停止させることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本出願に係わる第一の発明は、記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと前記記録媒体を搬送する継ぎ目のない無端形状搬送ベルトと、継ぎ目のない無端形状搬送ベルトの内周面に接して配置され、異なる極性のくし歯電極を交互に配置した静電吸着力発生手段が発生する静電吸着力で通常搬送時継ぎ目のない無端形状搬送ベルト上の記録媒体の搬送を安定化する記録紙搬送装置において、異常搬送時静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させることを特徴とする。
【0034】
本出願に係わる第二の発明は、静電吸着力発生手段の前期搬送ベルトとの接触面に搬送ベルトとの摩擦を低減したことを特徴とする。
【0035】
本出願に係わる第三の発明は、画像形成手段は前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる記録紙搬送装置の実施形態を図を用いて説明する。
【0037】
図1は本実施形態に係わる記録紙搬送装置の静電吸着手段及び搬送ベルト接触部の模式断面図、図2は本実施形態に係わる記録紙搬送装置外観図、図3は静電吸着力発生手段の電極板上面模式図、図4は印可電圧とモータ軸上トルク曲線図である。
【0038】
記録部に於いて本実施形態に係わる記録紙搬送装置吸着して搬送するための構成、動作、及び静電吸着力発生手段の構成を図2及び図3を用いて説明する。
【0039】
搬送ベルト2は0.1mm〜0.2mm程度の厚みポリイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂または、エラストマー等の合成ゴムから形成されており、継ぎ目のない無端ベルト形状を成している。
【0040】
搬送ベルト2の内周には固定方式の静電吸着力発生手段1が設けられており、その給電部材1dに約0.5KVから10KVの電圧を印加させることにより記録ヘッド(図5参照)下方の記録領域で搬送ベルト2に吸着力を発生させるものである。
【0041】
尚、給電部材1dは所定の高電圧を発生する図示しない高圧電源に接続されている。
【0042】
搬送ベルト2は駆動ローラ3、従動ローラ4、テンションローラ5によって適度な張力を与えられて支持され、駆動ローラ3は駆動モータに連結されている。
【0043】
また、記録シートPを搬送ベルト側に押さえつける押圧手段として図示しないがシート押圧ローラが従動ローラ4の上方に回転可能に取り付けられ記録シートPを搬送ベルト2に圧接している。
【0044】
次に静電吸着力発生手段1について図1および図2及び図3を用いて説明する。
【0045】
図2に示すように、搬送ベルト2の内周には固定方式の静電吸着力発生手段1が設置されている。
【0046】
静電吸着力発生手段の構成は電極パターン部1a、電極基材部1b、誘電層部1c、高圧電源を供給するリード線部1dからなり、電極パターン部1aは導電性金属から成り電極基材部1bと誘電層部1cとで挟む形で保護している。
【0047】
電極基材部1b及び誘電層部1cはポリエチレン、ポリカーボネイト等の合成樹脂にて構成され、電極板取り付け基材7に固定されている。
【0048】
電極パターン部1aはクシ歯状に構成され、図に示すように搬送ベルト2の搬送方向と直交する方向で向かい合って互いの凹部に互いの凸部が入り込む形で搬送ベルト2の内周面に設置されている。
【0049】
静電吸着力発生手段1の電極パターン部1aに電圧が印加されると電気力が生じ、搬送ベルト2の上方位置に吸着力が発生し記録紙シートPの記録面上には電極パターン部1aに与えられた電圧と同極性の電荷(表面電位)が発生する。
【0050】
このとき、静電吸着力発生手段1の電極パターン部1aに搬送ベルト2、記録紙シートPが吸着され搬送ベルト2と静電吸着力発生手段1の誘電層部1cの摩擦係数が増大し駆動モータの負荷が増大する。
【0051】
そこで搬送ベルト2との接触部である静電吸着力発生手段1の誘電層部1cの表層部に低摩擦部材をコーティングことにより摩擦係数を低減(摩擦係数:0.4→0.15程度)してある。
【0052】
上記実施例で高速でも高品位な画像を安定して提供する事は出来た。
【0053】
しかし、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッド部と記録紙の間隔(1.0mm〜1.5mm)が狭く更に高速であり異常時も装置に損傷を与えずに確実に瞬時に停止したい。
【0054】
そこで本発明は安定した搬送を実現させる実験結果のヘッドに対向して設けられた各凸部の対向する面30bが作る平面と、搬送ローラ4と駆動ローラ3で構成される平面が同一平面になるように構成し、印可電圧を±1.5kvとすることで、本実施における搬送ベルト2においては、残留癖形状、搬送時のバタツキを抑制するのに十分な吸着力を得た。しかしながら吸着力が強すぎると、静電吸着力発生手段に搬送ベルトが張り付いてしまい回転負荷が増大し、回転が停止してしまうことがあることに着目し、通常動作時は電位差が1.5kv、停止時は2.0kv以上になる構成とした。
【0055】
その関係を図4のグラフに示した。
【0056】
横軸が印可電圧、縦軸がモータ軸上トルクである。
【0057】
通常動作時の電位差とトルクの関係は、ベルトに±1.5kv、で
1.0kv→950gf・cm
1.5kv→980gf・cm
であり吸着して動く。
【0058】
現状の印可電圧1.8kvで搬送ベルトの回転負荷が増大し停止することが分かっている。
【0059】
そこで停止時の電位差とトルクの関係は
0kv→1010gf・cm
5Kv→1050gf・cm
という関係にする事により確実に停止する事ができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明によれば記録媒体を搬送する継ぎ目のない無端形状搬送ベルトの内周面に接して配置され、異なる極性のくし歯電極を交互に配置してなる静電吸着力発生手段とを有する記録紙搬送装置において、通常搬送時は高速でも高品位な画像を安定して搬送出来、異常時は記録ヘッド等に損傷を与えず確実に瞬時に搬送ベルトを停止出来る。
【0061】
また、消費電力の低減、コストの安い、省スペース化の装置とする事ができる。
【0062】
また、記録領域においてのみ吸着力を発生させることができるため、エネルギー損失の少ない、効率の良い
装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の静電吸着力発生手段及び搬送ベルト接触部の模式断面図。
【図2】実施形態に係わる記録紙搬送装置外観図。
【図3】静電吸着力発生手段の電極板上面模式図。
【図4】印可電圧とモータ軸上トルク曲線図。
【図5】従来のインクジェット記録装置の全体構成図。
【図6】従来のインクジェット記録装置を上方から見た部分拡大図。
【図7】従来のインクジェット記録装置の要部拡大図。
【符号の説明】
1 静電吸着力発生手段
1a 電極パターン部
1b 電極基材部
1c 誘電層部
1d リード線部
2 搬送ベルト
3 駆動ローラ
4 従動ローラ
5 テンションローラ
6 駆動モータ
7 電極板取付基材
Claims (3)
- 記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと前記記録媒体を搬送する継ぎ目のない無端形状搬送ベルトと、
前記継ぎ目のない無端形状搬送ベルトの内周面に接して配置され、異なる極性のくし歯電極を交互に配置した静電吸着力発生手段が発生する静電吸着力で通常搬送時前記継ぎ目のない無端形状搬送ベルト上の前記記録媒体の搬送を安定化する記録紙搬送装置において、
異常搬送時前期静電吸着力発生手段の印可電圧を可変し、通常搬送静電吸着力以上の強い静電吸着力を発生させることを特徴とする搬送装置。 - 前記静電吸着力発生手段の前期搬送ベルトとの接触面に前期搬送ベルトとの摩擦を低減したことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前期画像形成手段は前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294742A JP2004131197A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 記録紙搬送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294742A JP2004131197A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 記録紙搬送装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004131197A true JP2004131197A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32285192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002294742A Withdrawn JP2004131197A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 記録紙搬送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004131197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8002377B2 (en) | 2007-08-10 | 2011-08-23 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
US8251506B2 (en) | 2009-03-09 | 2012-08-28 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink-jet recording apparatus |
JP2019026414A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | 株式会社リコー | 部材、画像形成装置、画像読取装置および自動原稿搬送装置 |
-
2002
- 2002-10-08 JP JP2002294742A patent/JP2004131197A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8251506B2 (en) | 2009-03-09 | 2012-08-28 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink-jet recording apparatus |
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