JP4696971B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4696971B2
JP4696971B2 JP2006052890A JP2006052890A JP4696971B2 JP 4696971 B2 JP4696971 B2 JP 4696971B2 JP 2006052890 A JP2006052890 A JP 2006052890A JP 2006052890 A JP2006052890 A JP 2006052890A JP 4696971 B2 JP4696971 B2 JP 4696971B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
droplet discharge
platen
conveying member
recording medium
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006052890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007230035A (ja
Inventor
武志 前後
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006052890A priority Critical patent/JP4696971B2/ja
Publication of JP2007230035A publication Critical patent/JP2007230035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4696971B2 publication Critical patent/JP4696971B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録媒体を保持し液滴吐出ヘッドに対向させて搬送する搬送ベルトと、を備える液滴吐出装置に関する。
従来、複数のノズルから液滴を吐出し、用紙等の記録媒体に印字を行う液滴吐出装置には、インクジェット記録装置があり、このインクジェット記録装置は、小型で安価、静寂性等の種々の利点があり、広く市販されている。特に、圧電素子を用いて圧力室内の圧力を変化させてインク滴を吐出するピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーの作用でインクを膨張させてインク滴を吐出する熱インクジェット方式の記録装置は、高速印字、高解像度が得られる等、多くの利点を有している。
このようなインクジェット方式の記録装置では、帯電手段によって搬送ベルトや搬送ドラム等の搬送部材を帯電することで、記録媒体と搬送部材との間に静電吸着力を発生させ、記録媒体を搬送部材に静電吸着させる。そして、この状態で記録媒体を記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)のインク滴の吐出領域を通過させて、記録媒体に画像を記録させる。これによって、記録媒体と記録ヘッドのノズル面との距離(以下、TD:Throw Distanceという)の均一性が高くなり、記録媒体上におけるインク滴の着弾位置の精度が向上し、画質が向上する。
また、近年は、記録媒体上におけるインク滴の着弾位置の精度の更なる向上、即ち、更なる高画質化を目的として、TDを、1〜2mmと狭くすることが行われている。一方で、TDの均一性を高めるためには、記録媒体と搬送部材との静電吸着力を強くすることが要求され、また、温湿度等の環境の変化や記録媒体の種類の違いによってTDの均一性が低下しないようにするためには、記録媒体と搬送部材との静電吸着力をさらに強くすることが要求される。
静電吸着力を発生させる方法として、例えば、誘電層を備えた搬送ベルト上に記録媒体を乗せ、記録媒体の上から帯電させるという方法があるが、この方式では、記録媒体や記録媒体間の搬送ベルト表面が、数百〜数キロV程度の高電位となり、記録ヘッドは多くの場合に接地しているため、記録ヘッドと搬送ベルト間に電位差が生じる。そのため、搬送ベルトと記録ヘッドが静電気力により引き合い、接触してしまう恐れがある。
搬送ベルトが記録ヘッドに接触すると、搬送ベルトがインクで汚れたり、搬送ベルトを介して一の記録ヘッドから他の記録ヘッドへインクが移って混色が起こったり、搬送ベルトに付着した異物がノズルから記録ヘッド内へ混入したりする問題が発生する。特に、主に画質の向上が目的で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインクと混ざり合って凝集反応を生じさせる透明インク(反応液)を用いるシステム(所謂2液システム)や、例えばKとY等、異なる色のインクを混ぜ合わせて反応させるシステム(所謂インク間反応システム)では、記録ヘッドでインクの凝集、変色や、ノズルの閉塞が発生してしまい、回復不可能となる。
一方、TDを広くすればこの問題は回避できるが、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾精度が低下し、高画質記録を得ることが難しくなる。また、ロールやスターホイールで搬送ベルトを抑える方法も考えられるが、記録媒体上を通過する際にインクオフセットによる印字乱れを生じる。
また、搬送ベルトを記録ヘッド側の反対側へ吸引することで、搬送ベルトの振動を抑制する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の構成では、搬送ベルトに内蔵された櫛歯状電極に電圧を印加し、搬送ベルトの表裏両面に静電吸引力を発生させることで、搬送ベルトの表面に記録媒体を吸着させると共に、搬送ベルトの裏面を、ベルト吸引部材なる搬送ベルトの記録ヘッド側の反対側に配設された部材に吸引している。
ここで、回動する搬送ベルトに内蔵された電極に対して連続して高電圧を印加するために、電極をベルト回動方向に沿って露出させ、この電極の露出部に給電ブラシを摺擦させているが、給電ブラシと電極との摺擦部において高電圧給電が行われることで放電が発生し易く、放電に伴って発生する電磁波が、ノイズ源となり、また、誤作動の要因となる。また、給電ブラシと電極との摺擦部において火花が発生することによって、電極と給電ブラシが損傷し、これらの寿命が著しく縮まる。また、搬送ベルトの櫛歯状電極によって生じる電気力の方向がインク吐出方向に悪影響を及ぼし、画像が乱れるという問題もある。
また、他の構成として、単層エラストマーからなる搬送ベルトをガイドするプラテンに電極を設け、この電極に電圧を印加して記録媒体と搬送ベルトとの間に静電吸着力を生じさせ、記録媒体を吸着させて搬送する方式が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載の構成では、記録媒体と搬送ベルトとの静電吸着力を高めようとすると、プラテンと搬送ベルトとの間の吸着力も高まり、搬送ベルトがプラテンに吸着され、搬送ベルトの回動ができない程になってしまう。また、搬送ベルトを回動できたとしても、搬送ベルトを回動するために大きな駆動力が必要となり、装置が大型化する。逆に、搬送ベルトをスムーズに回動させるように、搬送ベルトとプラテンとの吸着力を落とすと、記録媒体と搬送ベルトとの静電吸着力が低下し、記録媒体の搬送に十分な吸着力が得られなくなる。たとえ、プラテン表面を低摩擦係数材料で形成しても、プラテンと搬送ベルトとの間の吸着力は非常に強い。
特開2002−145474号公報 特開2004−90533号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、搬送ベルトなどの搬送部材によって記録媒体を安定して搬送すると共に、搬送部材と液滴吐出ヘッドの接触を防止し、高画質な画像の形成が可能な液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る液滴吐出装置は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドと対向して設けられ、前記液滴吐出ヘッドと対向する表面側の記録媒体の吸着側が裏面側よりも高抵抗の部材とされ、支持部材によって移動可能に張架される搬送部材と、前記搬送部材の表面側に電荷を供給して記録媒体を前記搬送部材に吸着させる記録媒体吸着力発生手段と、前記液滴吐出ヘッドの吐出領域で、前記搬送部材の裏面側をガイドするプラテンと、前記プラテンの内部に電位差を持つ第1電極と第2電極とが一方向へ交互に配置され、前記搬送部材を前記プラテンに吸着させるための吸着力を発生する搬送部材吸着力発生手段と、前記搬送部材の表面電位を測定する表面電位センサと、前記液滴吐出ヘッドと前記搬送部材との距離を検出する位置センサと、前記表面電位センサで測定された表面電位と、前記位置センサで検出された前記液滴吐出ヘッドと前記搬送部材との距離に基づき、前記搬送部材と前記液滴吐出ヘッドとの吸着力を算出する吸着力判定手段と、前記吸着力判定手段で算出された吸着力に応じて、前記搬送部材吸着力発生手段による前記搬送部材の吸着力を可変させる吸着力制御手段と、を有し、前記吸着力判定手段によって、前記搬送部材が前記プラテンから浮き上がると判定されたときに、前記吸着力制御手段が前記搬送部材吸着力発生手段を動作させることを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、搬送部材は、液滴吐出ヘッドと対向する表面側の記録媒体の吸着側が裏面側よりも高抵抗の部材とされ、記録媒体吸着力発生手段によって搬送部材の高抵抗の部分に電荷が供給される。これによって、記録媒体が搬送部材の表面側に静電吸着される。搬送部材は支持部材によって移動可能に張架されており、液滴吐出ヘッドの吐出領域で搬送部材の裏面側がプラテンにガイドされながら移動する。プラテンの内部には、搬送部材吸着力発生手段として電位差を持つ第1電極と第2電極とが一方向へ交互に配置されており、第1電極と第2電極との間の電位差により搬送部材をプラテンに吸着させるための吸着力が発生する。これにより、搬送部材の裏面側がプラテンに吸着された状態で移動し、搬送部材がプラテンから浮き上がることが抑制される。このため、搬送部材や記録媒体が液滴吐出ヘッドに接触することによる汚れ、混色などの画質劣化が抑制される。また、搬送部材と液滴吐出ヘッドとの間隔(上記TD)を狭くすることが可能となり、これによって、記録媒体への液滴の着弾精度が向上し、画質をより向上することができる。
また、請求項1に記載の発明では、表面電位センサで搬送部材の表面電位を測定し、位置センサで液滴吐出ヘッドと搬送部材との距離を検出する。そして、吸着力判定手段によって、搬送部材の表面電位及び液滴吐出ヘッドと搬送部材との距離に基づき、液滴吐出ヘッドと搬送部材との吸着力を算出する。吸着力制御手段は、吸着力判定手段で算出された吸着力に応じて、搬送部材吸着力発生手段による搬送部材の吸着力を可変させる。その際、 吸着力判定手段によって、搬送部材がプラテンから浮き上がると判定されたときに、吸着力制御手段は、搬送部材吸着力発生手段を動作させる。これにより、搬送部材がプラテンから浮き上がると想定される場合のみ、搬送部材のプラテンへの吸着力を発生させることができる。これにより、搬送部材のプラテンへの吸着力が適切に調整され、搬送部材の浮き上がりが抑制されると共に、搬送部材とプラテンとの摩擦による磨耗を抑制できる。
請求項2に記載の発明に係る液滴吐出装置は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドと対向して設けられ、前記液滴吐出ヘッドと対向する表面側の記録媒体の吸着側が裏面側よりも高抵抗の部材とされ、支持部材によって移動可能に張架される搬送部材と、前記搬送部材の表面側に電荷を供給して記録媒体を前記搬送部材に吸着させる記録媒体吸着力発生手段と、前記液滴吐出ヘッドの吐出領域で、前記搬送部材の裏面側をガイドするプラテンと、前記プラテンの内部に電位差を持つ第1電極と第2電極とが一方向へ交互に配置され、前記搬送部材を前記プラテンに吸着させるための吸着力を発生する搬送部材吸着力発生手段と、前記搬送部材の表面電位を測定する表面電位センサと、前記表面電位センサの測定値が予め設定した電位より高いときに、前記搬送部材吸着力発生手段を動作させる制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、表面電位センサによって搬送部材の表面電位を測定する。制御手段は、表面電位センサの測定値が予め設定した電位より高いときに、搬送部材吸着力発生手段を動作させる。これにより、搬送部材の表面電位が高く記録ヘッドに吸着されやすい場合に、搬送部材のプラテンへの吸着力を発生させることが可能となる。このため、搬送部材のプラテンからの浮き上がりが抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置において、前記搬送部材が、表面側に設けられた第1誘電部と、裏面側に設けられた導電部と、を有することを特徴としている。
請求項に記載の発明では、搬送部材が表面側の第1誘電部と裏面側の導電部とを備えており、記録媒体吸着力発生手段によって第1誘電部の側から電荷が供給されることで、記録媒体が搬送部材の第1誘電部に静電吸着される。また、導電部が導通可能で所定電位に維持されることにより、第1誘電部の電荷の状態が安定化し、記録媒体の静電吸着力が安定するので、記録媒体の搬送部材からの浮き上がりが抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、前記プラテンは、前記第1電極及び前記第2電極の上部の前記搬送部材との接触面に第2誘電部を有することを特徴としている。
請求項に記載の発明では、第1電極及び第2電極の上部の搬送部材との接触面に第2誘電部を有しており、一方向へ交互に配置された第1電極と第2電極の電位差によって、第2誘電部に分極が発生し、その電荷が安定して維持される。これにより、搬送部材と第2誘電部との間に安定した静電吸着力が発生し、搬送部材のプラテンからの浮き上がりが抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置において、前記搬送部材が、表面側に設けられた第1誘電部と、裏面側に設けられた第3誘電部と、前記第1誘電部と前記第3誘電部で挟まれた導電部と、を有することを特徴としている。
請求項に記載の発明では、搬送部材の表面側の第1誘電部に、記録媒体吸着力発生手段から電荷が供給されることにより、記録媒体が搬送部材に静電吸着される。また、搬送部材の導電部が導通可能で所定電位に維持されることにより、第1誘電部の電荷の状態が安定化し、記録媒体の静電吸着力が安定するので、記録媒体の搬送部材からの浮き上がりが抑制される。また、プラテンの内部で一方向へ交互に配置された第1電極と第2電極の電位差によって、搬送部材の裏面側の第3誘電部に分極が発生し、電荷が安定して維持される。これにより、搬送部材と第3誘電部との間に静電吸着力が発生し、搬送部材のプラテンからの浮き上がりが抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、前記搬送部材吸着力発生手段は、前記第1電極又は前記第2電極の一方が接地されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明では、搬送部材吸着力発生手段は、第1電極又は第2電極の一方が接地されており、他方の第1電極又は前記第2電極に電圧が印加されると、第1電極と第2電極との間に電位差が生じる。これにより、第1電極と第2電極の上部に分極により異極性の電荷が発生し、搬送部材の静電吸着力が安定化する。このため、搬送部材のプラテンからの浮き上がりをよりいっそう抑制することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、前記記録媒体吸着力発生手段は、前記搬送部材に接触する帯電ロールからなり、前記搬送部材に導入される前記記録媒体を前記搬送部材に押圧しつつ帯電することを特徴としている。
請求項に記載の発明では、搬送部材に帯電ロールが接触しており、搬送部材に導入される記録媒体を搬送部材に押圧しつつ帯電することにより、記録媒体が搬送部材に静電吸着される。これにより、記録媒体の搬送部材からの浮き上がりが抑制される。
本発明によれば、搬送部材に記録媒体を吸着して安定して搬送できると共に、搬送部材と液滴吐出ヘッドの接触を防止することができ、汚れや混色などの画質劣化の発生を低減できる。また、搬送部材と液滴吐出ヘッドとの間隔(TD)を狭くすることができ、液滴の着弾精度が向上し、高画質な画像を形成できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の液滴吐出装置であるインクジェットプリンタの全体構成を概説する。図1には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置12の概略構成が示されている。
インクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が備えられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Pは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
給紙トレイ16の上方には、搬送部材としての無端状の搬送ベルト28が、駆動ロール24及び従動ロール26に張架されている。搬送ベルト28の上方には記録ヘッドアレイ30が配置されており、搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、記録ヘッドアレイ30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッドアレイ30に対向した状態で、記録ヘッドアレイ30から画像情報に応じたインク滴が付着される。
記録ヘッドアレイ30は、本実施形態では、有効な記録領域が用紙Pの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状とされ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つのインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)32が搬送方向に沿って配置されており、フルカラーの画像を記録可能になっている。
各記録ヘッド32は、ヘッド駆動回路(図示省略)によって駆動される。ヘッド駆動回路は、例えば、画像情報に応じてインク滴の吐出タイミングや使用するインク吐出口(ノズル)を決め、駆動信号を記録ヘッド32に送る構成である。
また、記録ヘッドアレイ30は、搬送方向と直交する方向に不動とされていてもよいが、必要に応じて移動するように構成しておくと、マルチパスによる画像記録で、より解像度の高い画像を記録したり、記録ヘッド32の不具合を記録結果に反映させないようにしたりできる。
記録ヘッドアレイ30の両側には、それぞれの記録ヘッド32に対応した4つのメンテナンスユニット34が配置されている。図2に示すように、記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、記録ヘッドアレイ30が上方へ移動され、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面に対向した状態で、所定のメンテナンス動作(吸引、ワイピング、キャッピング等)を行う。
記録ヘッドアレイ30の下流側には、剥離プレート40が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離させる。剥離された用紙Pは、剥離プレート40の下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
また、両面印字するための反転搬送路23が排出経路44から搬送経路22へ接続している。両面印字を行う場合は、片面印字をした用紙を、排出経路44から反転搬送路23を介して、搬送経路22に搬送し、再び搬送ベルト28上へ送り込み、画像記録が行われる。以上のように、一連の画像記録が行われる。
また、図1、図2に示すように、記録ヘッドアレイ30の上方には、各色のインクを貯留するインクタンク35が配置されている。各インクタンク35には、各記録ヘッド32が接続されている。
図3に示すように、各記録ヘッド32の上流側には、用紙吸着力発生手段としての帯電ロール36が配置されている。帯電ロール36には、直流電圧を印加する電源38が接続されている。帯電ロール36は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する。また、従動ロール26は符号39で示すようにアース(接地)されている。電源38から印加される直流電圧を適切に設定することによって、帯電ロール36と従動ロール26との間に所定の電位差が生じ、用紙Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させることができる。
また、各記録ヘッド32と対向した領域において搬送ベルト28の裏面にはプラテン60が当接している。このプラテン60は、駆動ロール24及び従動ロールの上端部と面一になるように配設されており、搬送ベルト28はプラテン60に摺擦して移動する。
図4(A)、(B)に示すように、プラテン60には、絶縁層64の上部にベルト吸着力発生手段の第1電極としての櫛歯状電極板62Aと、第2電極としての櫛歯状アース板62Bとが、互いに間隔をもって入れ子状態で埋め込まれている。櫛歯状電極板62Aには、直流電圧を印加する電源68が接続されている。櫛歯状電極板62Aと櫛歯状アース板62Bの上部には、誘電層66が形成されている。誘電層66は、搬送ベルト28を吸着するために、櫛歯状電極板62Aから供給される電荷を保持するための層であり、樹脂材料などで形成されている。例えば、樹脂材料として、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル等が用いられる。また、誘電層66は、電気抵抗を1012〜1017Ω・cm、厚さを0.5〜1.0mmとすることが望ましい。
また、搬送ベルト28は、記録ヘッド32と対向する表面側(外周側)の誘電層52と、裏面側(内周側)の導電層54との2層で形成されている。導電層54はプラテン60の誘電層66と摺動するように配置されている。また、導電層54は従動ロール26と摺動することにより、符号39で示すようにアース(接地)されている。
誘電層52は、用紙Pを静電吸着するために帯電ロール36から供給される電荷を保持するための層であり、樹脂材料やゴム材料などで形成されている。例えば、樹脂材料として、ポリイミド、ポリイミドアミド等、ゴム材料として、クロロプレンゴム等が用いられる。誘電層52は、電気抵抗を10〜1017Ω・cm、厚さを10〜200μmとすることが望ましい。また、導電層54は、帯電ロール36から供給される電荷で、安定な電界を形成するための層であり、金属材料などで形成されている。例えば、金属材料として、Al、Cr、Ni等が用いられる。導電層54は、電気特性を10−6〜10Ω・cm、厚さを10nm〜10μmとすることが望ましい。導電層54をアースすることで誘電層52の電荷分布が安定化し、吸着力が安定化する。なお、導電層54は、蒸着、スパッタリング、導電ペーストの印刷等の公知の方法により誘電層52の一面に形成すれば良い。
なお、本実施形態では、搬送ベルト28は、誘電層52と導電層54の2層であるが、誘電材料と導電材料との境界ははっきりと区別されていなくても良い。2つの材料が混じりながら、お互いの成分比率を変えていく構成であっても良い。
次に、インクジェット記録装置12の作用について説明する。
図3に示すように、帯電ロール36は、従動ロール26との間で、搬送ベルト28上に供給された用紙Pを搬送ベルト28に押圧する。そして、帯電ロール36に直流電圧が印加されることによって、用紙Pにプラスの電荷が与えられ、図5に示すように、用紙Pが搬送ベルト28の誘電層52に静電吸着される。また、記録ヘッド32のマイナスの電荷と用紙Pのプラスの電荷によって、記録ヘッド32と用紙Pとの間に吸着力Fhが発生するが、用紙Pと誘電層52との静電吸着力(図示省略)のほうが強いため、用紙Pが誘電層52に静電吸着される。その際、搬送ベルト28の導電層54によって、誘電層52の電荷が安定化し、用紙Pを安定して静電吸着させることができ、用紙Pの浮き上がりを抑制できる。
また、図5に示すように、櫛歯状電極板62Aに電源68(図4(B)参照)から直流電圧が印加されると、プラテン60の誘電層66で誘電分極現象がおこり異極性の電荷が励起され、櫛歯状電極板62Aの上部ではマイナス(図5には「−」と示した)に、櫛歯状アース板62Bの上部ではプラス(図5には「+」と示した)の状態になる。そして、搬送ベルト28の裏の導電層54の領域には、プラテン60の誘電層66の電荷とは逆の電荷が発生していると考えられる。したがって、プラテン60と搬送ベルト28の導電層54の領域との間にのみ吸着力Fvが発生することになるので、帯電ロール36からの電荷の供給による用紙Pと搬送ベルト28との静電吸着力を邪魔することなく、搬送ベルト28をプラテン60に静電吸着させることができる。
ただし、図5に示すように、記録ヘッド32と用紙Pとの間の吸着力Fhと、搬送ベルト28の張力等による下向きの力Foと、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvとの関係では、
Fv≧Fh−Fo
を満たすように櫛歯状電極板62Aに印加する電圧を設定し、吸着力Fvを発生させる必要がある。これにより、搬送ベルト28のプラテン60からの浮き上がりが抑制され、搬送ベルト28や用紙Pと記録ヘッド32との接触による汚れ、混色などの画質劣化の発生を低減することができる。
図6に示すように、帯電ロール36によって搬送ベルト28上が帯電された場合(用紙Pが無い状態)では、誘電層52にプラスの電荷が保持されている。また、櫛歯状電極板62Aに直流電圧が印加されることによって、プラテン60の誘電層52で誘電分極現象により異極性の電荷が励起され、櫛歯状電極板62Aの上部ではマイナス、櫛歯状アース板62Bの上部ではプラスの状態になる。そして、搬送ベルト28の導電層54の領域には、プラテン60の誘電層66の電荷とは逆の電荷が発生している。これにより、搬送ベルト28の導電層54とプラテン60の誘電層66との間に吸着力Fvが発生し、搬送ベルト28がプラテン60側に吸着される。
その際、図7に示すように、用紙Pが無く、搬送ベルト28に電荷が供給された状態では、搬送ベルト28が高電位になってしまい、記録ヘッド32と搬送ベルト28との間の吸着力Fhが大きくなり、搬送ベルト28がプラテン60から浮き上がって記録ヘッド32と接触しやすくなる。従って、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvは、
Fv≧Fh−Fo
を満たすように設定する必要がある。これにより、搬送ベルト28のプラテン60からの浮き上がりを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、電源68からプラスの電圧が印加される櫛歯状電極板62Aとアースされた櫛歯状アース板62Bとを備える構成であったが、この構成に限定するものではない。例えば、電源68からプラスの電圧が印加される櫛歯状の第1電極と、電源からマイナスの電圧が印加される櫛歯状の第2電極とを備える構成であっても良い。また、電極の形状も櫛歯に限定するものではなく、プラスの電圧を持った第1電極とマイナスの電圧を持った第2電極とが一方向へ交互に配置され、第1電極と第2電極との間に電位差が生じる構成であればよい。
なお、上記実施形態では、搬送ベルト28が上層の誘電層52と下層の導電層54とからなる2層構造であり、プラテン60が櫛歯状電極板62A及び櫛歯状アース板62Bの上部に誘電層66を備える構成であったが、この構成に限定するものではない。例えば、搬送ベルトが、上層の第1誘電層と、内部の導電層と、プラテンの櫛歯状電極板及び櫛歯状アース板の上部に位置する下層の第3誘電層とを備えた3層構造であっても良い。この構成では、導電層の幅方向端部をむき出しにし、導電性部材を接触させてアースする必要がある。このような構成でも第1誘電層に帯電ロール36からの電荷が保持され、導電層がアースされているので、電荷の状態が安定化する(安定した吸着力が得られる)と共に、第2誘電層に櫛歯状電極板及び櫛歯状アース板と逆極性の電荷を保持することが可能である。
なお、搬送ベルト28は搬送部材の一例であり、ベルト以外に板状のものも使用可能である。
次に、本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
なお、第1実施形態と同じ部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図8に示すように、このインクジェット記録装置では、搬送ベルト28の帯電ロール36より移動方向下流側であって、記録ヘッド32より上流側に、搬送ベルト28の表面電位を測定する表面電位計80と、搬送ベルト28の位置を検出する位置検出センサ82が配設されている。位置検出センサ82には、レーザー変位計が用いられ、検出された搬送ベルト28の位置によって記録ヘッド32と搬送ベルト28との距離(TD)を測定するものである。また、表面電位計80、位置検出センサ82からの信号が入力される制御部84が設けられている。制御部84では、表面電位計80で測定された搬送ベルト28の表面電位と、位置検出センサ82で検出された搬送ベルト28の位置のデータに基づき、搬送ベルト28と記録ヘッド32との間の吸着力Fhを算出し、電源68に印加する電圧を制御する。これによって、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを可変させる。
ここで、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを常に発生させていると、搬送ベルト28のプラテン60の摺動面に常に強い摩擦力が加わることになり、搬送ベルト28が磨耗してしまう。また、エネルギーの観点からも搬送ベルト28の浮き上がりが発生していないときに搬送ベルト28を吸着するのは無駄である。そこで、本実施形態では、搬送ベルト28が記録ヘッド32に接触すると予測される場合に、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを発生させるものである。
図9には、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを制御するためのフローチャートが示されている。
印字を開始すると、まず、ステップ100では、表面電位計80で搬送ベルト28の表面電位を測定する。ステップ102では、位置検出センサ82で搬送ベルト28との間の距離(搬送ベルト28の位置)を検出することによって、搬送ベルト28と記録ヘッド32との距離(TD)を測定する。そして、ステップ104では、表面電位とTDに基づき、搬送ベルト28と記録ヘッド32との間の吸着力Fhを算出する。吸着力Fhは、下記の式のよって算出する。
Fh=1/2εS(Vo/d1)
ここで、Fhは搬送ベルト28と記録ヘッド32間の静電吸着力〔N〕、εは空気の誘電率、Voは搬送ベルト28の誘電層52の帯電電位〔V〕、d1は搬送ベルト28と記録ヘッド32のノズル間距離〔mm〕、Sは搬送ベルト28の表面積〔m〕である。なお、吸着力Fhの算出については、後に具体的な数値を用いて説明する。
次いで、ステップ106で、搬送ベルト28と記録ヘッド32との間の吸着力Fhと、搬送ベルト28の張力等による下向きの力Foとの関係が、Fh≧Foであるか否かが判定される。ここで、図8に示すように、FhがFoより小さいときは、搬送ベルト28の浮き上がりは発生しない。一方、図10に示すように、FhがFoより大きいと、搬送ベルト28がプラテン60から浮き上がり、記録ヘッド32に接触すると予測される。
従って、ステップ106でFh≧Foであると判定されたときは、ステップ108で、搬送ベルト28とプラテン60との吸着力Fvを算出する。この吸着力Fvは、
Fv≧Fh−Fo
の条件に設定される。次いで、ステップ110で、この算出された吸着力Fvに基づいて、電源68から印加する電圧を制御する。これによって、図11に示すように、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvが発生し、搬送ベルト28のプラテン60からの浮き上がりを防止できる。
一方、ステップ106でFhがFoより小さいと判定されたときは、ステップ112で、電源68から印加する電圧をOFFにし、搬送ベルト28とプラテン60との吸着力Fvを発生させない。
ここで、具体的な数値を用いて吸着力Fvの制御について説明する。
この例では、搬送ベルト28の張力等による下方の力Foは0.3Nであり、搬送ベルト28上の電位閾値は1300Vとしている。
(a)通常帯電時の吸着力
図8に示すように、通常帯電時は、プラテン60の吸着力を発生させなくても、吸着力Fhだけでは搬送ベルト28の張力等による下方への力Foがあるため、搬送ベルト28は上方へ移動しない。通常状態のときのFhを求める。
例えば、Vo=1000[V]、d1=1.5mm、S=0.09mとすると、
Fh=1/2εS(Vo/d1) = 0.18[N]
となる。ここで、Fhは搬送ベルト28と記録ヘッド32間の静電吸着力、εは空気の誘電率、Voは搬送ベルト28の誘電層52の帯電電位、d1は搬送ベルト28と記録ヘッド32のノズル間距離、Sは搬送ベルト28の表面積である。
(b)記録ヘッド32への搬送ベルト28の接触時の吸着力Fh
例えば、V1=1500[V]、d1=1.5mm、S=0.09mとすると、
Fh=1/2εS (V1/d1) =0.40[N]
となる。また、TDは2乗で効いてくるので、搬送ベルト28が記録ヘッド32の方向に移動すると、吸着力Fhがより強くなる。
ここで、搬送ベルト28の張力等による下向きの力Foは0.3Nであり、搬送ベルト28上の電位閾値は1300V(1300Vの時が、Fh=0.3Nとなり、Foと釣合う)となっている。
図9に示すフローチャートに従うと、搬送ベルト28の表面電位の測定値はV=1500Vであり、TDの測定値は1.5mmである。搬送ベルト28と記録ヘッド32間の吸着力Fhを算出すると、上記のようにFh=0.4Nであり、Fh≧Foすなわち0.4N≧0.3Nとなる。このため、搬送ベルト28上が高電位(1500V)となる場合には、搬送ベルト28が浮き上がることが予想される。そして、搬送ベルト28とプラテン60との吸着力Fv=Vh−Foを算出すると、Fv=0.4N−0.3N=0.1Nとなる。これに基づき、搬送ベルト28の吸着力FvをONにし、Fv=0.1N以上の力をプラテン60で発生させる。
このような制御により、図10及び図11に示すように、搬送ベルト28と記録ヘッド32とが接触すると予想される場合にのみ、搬送ベルト28とプラテン60との吸着力Fvを発生させることができるため、搬送ベルト28の磨耗を低減できる共に、省エネルギー化が可能である。
なお、図8では、表面電位計80、位置検出センサ82は記録ヘッド32の上流側にそれぞれ1つ設置したが、設置数は複数がより好ましい。また、各記録ヘッド32の間、記録ヘッド32の手前や奥側等の複数箇所に設置することで、それぞれの場所での搬送ベルト28の表面電位やTDの変動が測定でき、搬送ベルト28の吸着力Fvへ反映することができる。
次に、本発明の第3実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
なお、第2実施形態と同じ部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図12に示すように、このインクジェット記録装置では、搬送ベルト28の帯電ロール36より移動方向下流側であって、記録ヘッド32より上流側に、搬送ベルト28の表面電位を測定する表面電位計80が配設されている。また、表面電位計80で測定された表面電位に基づき、電源68に印加される電圧を制御する制御部120が設けられている。
ここで、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを常に発生させていると、搬送ベルト28のプラテン60の摺動面に常に強い摩擦力が加わることになり、搬送ベルト28が磨耗してしまう。また、エネルギーの観点からも搬送ベルト28の浮き上がりが発生していないときに搬送ベルト28を吸着するのは無駄である。そこで、本実施形態では、搬送ベルト28上に通常使用時よりも高い電位が見られるときにのみ、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを発生させるような制御を行う。
図13に示すように、印字を開始すると、ステップ130では、表面電位計80で搬送ベルト28の表面電位を測定する。次いで、ステップ132では、測定された搬送ベルト28の表面電位が閾値(例えば、1300V)より高いか否かが判定される。そして、測定された表面電位が1500Vで、閾値よりも高いと判定されたときは、ステップ134で、電源68から印加する電圧をONにし、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを発生させる。このとき、Fvを発生させるならば、例えばFv=0.3Nとなるように設定しておく。一方、測定された表面電位が1000Vで、閾値(例えば、1300V)よりも低いと判定されたときは、ステップ134で、電源68から印加する電圧をOFFにし、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを発生させない。
このような制御により、搬送ベルト28上に通常使用時よりも高い電位が見られるときにのみ、搬送ベルト28とプラテン60との間の吸着力Fvを発生させるため、搬送ベルト28の磨耗を低減できる共に、省エネルギー化が可能である。
なお、上記実施形態では、インクジェット方式の記録ヘッド32を用いたが、サーマル方式、圧電方式等も適用可能である。また、インクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等の各種インクが使用可能である。また、図1等に示した例では、無端状の搬送ベルト28は、駆動ロール24と従動ロール26に懸架された構成であるが、搬送ベルト28を支持するロールの本数は適宜に設定可能である。
なお、図1等に示した例では、紙幅対応のFWAの例について説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、これに限定されず、主走査機構と副走査機構を有するPartial Width Array(PWA)の装置にも適用することができる。
また、図1等に示した例では、記録媒体として用紙P上へ画像(文字を含む)を記録するものであったが、本発明の液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置は、これに限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりする等、工業用的に用いられる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置全般に適用することができる。
本発明の第1実施形態であるインクジェット記録装置を示す概略構成図である。 図1に示すインクジェット記録装置において、メンテナンスユニットが記録ヘッドの下に移動した状態を示す概略構成図である。 図1に示すインクジェット記録装置の記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部の概略を示す側面図である。 (A)は搬送ベルト及びプラテンの断面図、(B)はプラテンの櫛歯状電極板及び櫛歯状アース板を示す構成図である。 記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部において、用紙がある場合の電荷の状態を示す概略構成図である。 記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部において、用紙がない場合の電荷の状態を示す概略構成図である。 記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部において、搬送ベルトの浮き上がりが発生した状態を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態であるインクジェット記録装置の記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部の概略を示す側面図である。 搬送ベルトとプラテンとの間の吸着力を制御するときのフローチャートを示す図である。 記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部において、搬送ベルトの浮き上がりが発生した状態を示す概略構成図である。 記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部において、記録ヘッドと搬送ベルトとの間の吸着力を発生させた状態を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態であるインクジェット記録装置の記録ヘッドと搬送ベルトとが対向する印字部の概略を示す側面図である。 搬送ベルトとプラテンとの間の吸着力を制御するときのフローチャートを示す図である。
符号の説明
12 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
24 駆動ロール(支持部材)
26 従動ロール(支持部材)
28 搬送ベルト(搬送部材)
30 記録ヘッドアレイ
32 記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
36 帯電ロール(記録媒体吸着力発生手段)
38 電源
39 アース(接地)
52 誘電層(第1誘電部)
54 導電層
60 プラテン
62A 櫛歯状電極板(第1電極、搬送部材吸着力発生手段)
62B 櫛歯状アース板(第2電極、搬送部材吸着力発生手段)
64 絶縁層
66 誘電層(第2誘電部)
68 電源
80 表面電位計
82 位置検出センサ
84 制御部
120 制御部
P 用紙(記録媒体)

Claims (7)

  1. ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドと対向して設けられ、前記液滴吐出ヘッドと対向する表面側の記録媒体の吸着側が裏面側よりも高抵抗の部材とされ、支持部材によって移動可能に張架される搬送部材と、
    前記搬送部材の表面側に電荷を供給して記録媒体を前記搬送部材に吸着させる記録媒体吸着力発生手段と、
    前記液滴吐出ヘッドの吐出領域で、前記搬送部材の裏面側をガイドするプラテンと、
    前記プラテンの内部に電位差を持つ第1電極と第2電極とが一方向へ交互に配置され、前記搬送部材を前記プラテンに吸着させるための吸着力を発生する搬送部材吸着力発生手段と、
    前記搬送部材の表面電位を測定する表面電位センサと、
    前記液滴吐出ヘッドと前記搬送部材との距離を検出する位置センサと、
    前記表面電位センサで測定された表面電位と、前記位置センサで検出された前記液滴吐出ヘッドと前記搬送部材との距離に基づき、前記搬送部材と前記液滴吐出ヘッドとの吸着力を算出する吸着力判定手段と、
    前記吸着力判定手段で算出された吸着力に応じて、前記搬送部材吸着力発生手段による前記搬送部材の吸着力を可変させる吸着力制御手段と、を有し、
    前記吸着力判定手段によって、前記搬送部材が前記プラテンから浮き上がると判定されたときに、前記吸着力制御手段が前記搬送部材吸着力発生手段を動作させることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドと対向して設けられ、前記液滴吐出ヘッドと対向する表面側の記録媒体の吸着側が裏面側よりも高抵抗の部材とされ、支持部材によって移動可能に張架される搬送部材と、
    前記搬送部材の表面側に電荷を供給して記録媒体を前記搬送部材に吸着させる記録媒体吸着力発生手段と、
    前記液滴吐出ヘッドの吐出領域で、前記搬送部材の裏面側をガイドするプラテンと、
    前記プラテンの内部に電位差を持つ第1電極と第2電極とが一方向へ交互に配置され、前記搬送部材を前記プラテンに吸着させるための吸着力を発生する搬送部材吸着力発生手段と、
    前記搬送部材の表面電位を測定する表面電位センサと、
    前記表面電位センサの測定値が予め設定した電位より高いときに、前記搬送部材吸着力発生手段を動作させる制御手段と、
    を有することを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 前記搬送部材が、表面側に設けられた第1誘電部と、裏面側に設けられた導電部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記プラテンは、前記第1電極及び前記第2電極の上部の前記搬送部材との接触面に第2誘電部を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記搬送部材が、表面側に設けられた第1誘電部と、裏面側に設けられた第3誘電部と、前記第1誘電部と前記第3誘電部で挟まれた導電部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記搬送部材吸着力発生手段は、前記第1電極又は前記第2電極の一方が接地されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記記録媒体吸着力発生手段は、前記搬送部材に接触する帯電ロールからなり、前記搬送部材に導入される前記記録媒体を前記搬送部材に押圧しつつ帯電することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
JP2006052890A 2006-02-28 2006-02-28 液滴吐出装置 Expired - Fee Related JP4696971B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006052890A JP4696971B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 液滴吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006052890A JP4696971B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 液滴吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007230035A JP2007230035A (ja) 2007-09-13
JP4696971B2 true JP4696971B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=38551113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006052890A Expired - Fee Related JP4696971B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 液滴吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4696971B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4780217B2 (ja) * 2009-03-30 2011-09-28 ブラザー工業株式会社 記録装置
JP4858587B2 (ja) * 2009-08-31 2012-01-18 ブラザー工業株式会社 記録装置
JP4968324B2 (ja) 2009-12-29 2012-07-04 ブラザー工業株式会社 媒体搬送装置及び記録装置
JP5003753B2 (ja) 2009-12-29 2012-08-15 ブラザー工業株式会社 記録装置
JP5381756B2 (ja) * 2010-01-29 2014-01-08 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP5590207B2 (ja) * 2013-10-03 2014-09-17 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03162342A (ja) * 1989-11-21 1991-07-12 Bando Chem Ind Ltd 誘電性シート体の搬送装置
JPH07133035A (ja) * 1993-07-28 1995-05-23 Canon Inc インクジェット記録装置および記録方法
JPH11231596A (ja) * 1998-02-17 1999-08-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2001240267A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Canon Inc シート搬送装置及び画像形成装置
JP2002154711A (ja) * 2000-09-05 2002-05-28 Canon Inc 記録媒体搬送装置及び該記録媒体搬送装置を備えた記録装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03162342A (ja) * 1989-11-21 1991-07-12 Bando Chem Ind Ltd 誘電性シート体の搬送装置
JPH07133035A (ja) * 1993-07-28 1995-05-23 Canon Inc インクジェット記録装置および記録方法
JPH11231596A (ja) * 1998-02-17 1999-08-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2001240267A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Canon Inc シート搬送装置及び画像形成装置
JP2002154711A (ja) * 2000-09-05 2002-05-28 Canon Inc 記録媒体搬送装置及び該記録媒体搬送装置を備えた記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007230035A (ja) 2007-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100888763B1 (ko) 화상 형성 장치
JP4696971B2 (ja) 液滴吐出装置
KR20060031684A (ko) 화상 형성 장치
JP4563650B2 (ja) 用紙搬送装置及び画像形成装置
JP2007145504A (ja) 記録装置の記録媒体搬送装置
JP2007136726A (ja) インクジェット記録装置
US7735950B2 (en) Printing apparatus and printing medium conveying apparatus
JP2007130975A (ja) 液滴吐出装置
JP2010228164A (ja) インクジェット記録装置
JP2008087962A (ja) リニアスケール付き搬送ベルト、これを用いた搬送ベルト駆動装置及び印刷装置
JP2010111488A (ja) シート状媒体搬送装置及びそれを有する画像形成装置
JP4780217B2 (ja) 記録装置
US20120287208A1 (en) Liquid ejecting apparatus
US20100073423A1 (en) Liquid ejecting apparatus
JP2017132043A (ja) 印刷装置
JP2013079138A (ja) インクジェット記録装置、浮き上がり検知装置、記録ユニット
JP2010105408A (ja) 液体吐出検査装置および液体吐出検査方法
JP6844345B2 (ja) 液体を吐出する装置、液体を吐出する装置の制御方法、及び画像形成装置
JP4470777B2 (ja) 液滴吐出装置
JP2007007882A (ja) 液滴吐出装置
JP6953817B2 (ja) 液体を吐出する装置
JP2012179796A (ja) 吐出検出装置、液体吐出装置及びクリーニング方法
JP2007176045A (ja) 液滴吐出装置
JP4076085B2 (ja) 用紙搬送装置及び画像形成装置
JP2008273175A (ja) 印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110214

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees