JP3139539U - シート搬送装置 - Google Patents

シート搬送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3139539U
JP3139539U JP2007009262U JP2007009262U JP3139539U JP 3139539 U JP3139539 U JP 3139539U JP 2007009262 U JP2007009262 U JP 2007009262U JP 2007009262 U JP2007009262 U JP 2007009262U JP 3139539 U JP3139539 U JP 3139539U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
fixed electrode
belt
sheet conveying
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007009262U
Other languages
English (en)
Inventor
栄治 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2007009262U priority Critical patent/JP3139539U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3139539U publication Critical patent/JP3139539U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】固定電極に沿って搬送ベルトを移動させるシート搬送装置において固定電極のメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】正電位の複数の固定電極16の表面は誘電体層であり、プラテンベース15に取り付けれて印刷ヘッドと相対しない位置に配置される。導電体の搬送ベルト10の表面は誘電体層であり、固定電極からの電気力線が貫通する孔を有する。電気力線が孔を通って搬送ベルト10の誘電体層に載せられたシートSと誘電体層を分極し、孔近傍でシートは搬送ベルトに静電吸着される。搬送ベルトの移動によりシートは搬送される。プラテンベースはベルトの外に引出し可能であり、清掃が容易であり、汚れによる吸着不良は起きにくい。
【選択図】図1

Description

本考案は、静電吸着にてシートを搬送するシート搬送装置に係り、特に印刷ヘッドでシートにインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において用いられ、シートを静電吸着によりベルトに保持しながら印刷ヘッドに沿って搬送する機能を備えたシート搬送装置において、シートをベルトに静電吸着させるための固定電極をベルトの下方位置から外へ引出し自在として、固定電極の清掃性を向上させた静電吸着型のシート搬送装置に関するものである。なお、本願においてシートとはシート状の印刷媒体、例えば印刷用紙、フィルム、ロール状に巻装されたシート状物、布等を意味するものとする。
シートである用紙に印刷ヘッドから水性インクを吐出して画像を形成する画像形成装置では、インクが転移した用紙は膨潤してコックリングを生じる。このような用紙を再給紙して両面印刷等を行う場合、用紙の先端に浮き等が発生し、搬送経路上のローラ類や印刷ヘッド等に衝突して搬送ジャムを引き起こす可能性が高くなる。
このような課題を解決するために、上記のような画像形成装置において用いられるシート搬送装置としては、静電吸着の原理を応用したものが効果的であると考えられており、下記特許文献1乃至3に記載されているようなシート搬送手段が知られている。
特許文献1に開示されているシート搬送手段は、図8乃至図9に示すように、互いに入れ子状に組み合わされ、それぞれ正負の各電位に接続された一対の櫛歯状電極100,101を有しており、その電極の上方に誘電体からなる搬送ベルト102が移動するように構成されている。搬送ベルト102は、その下方にある正又は負に帯電した櫛歯状電極100,101によって分極して表面が帯電し、これによって搬送ベルト102上の用紙Pを吸着して搬送することができる。
特許文献2に開示されているシート搬送手段は、図10乃至図及11に示すように、搬送ベルト201の内部に電極202が埋め込まれている。これらの電極202は、搬送方向と交差する方向を長手方向とする互いに独立した複数の矩形状の電極群を構成しており、搬送方向について交互に搬送ベルト201の両縁部に導出されており、搬送ベルト201の両縁部に沿ってそれぞれ配設された正又は負のブラシ状の帯電部材によって搬送方向について交互に正又は負に帯電されるようになっており、これによって搬送ベルト201上の用紙を吸着して搬送することができる。
特許文献3に開示されているシート搬送手段は、図12に示すように、絶縁材料からなる搬送ベルト301の下面には交流電源302に接続された帯電ローラ303が回動自在に接触しており、搬送ベルト301を搬送方向について交互に正又は負に帯電させるようになっており、これによって搬送ベルト301上の用紙を吸着して搬送することができる。
特開2004−90533号公報 特開2000−247476号公報 特開2003−103857号公報
しかしながら、特許文献1に記載の櫛歯電極固定型のシート搬送手段によれば、搬送ベルト102が櫛歯状電極100,101に吸着するため搬送負荷が大きく、消費電力が嵩むという問題があった。また、正と負に交互に帯電した櫛歯状電極100,101は固定されており、これに対して搬送ベルト102が移動していく構造であるため、図9(a)に示すように櫛歯状電極100,101の電位に応じて分極した搬送ベルト102の正又は負の各帯電部分が、模式的に同図(b)に示すように、搬送ベルト102の移動により隣接する櫛歯状電極100,101の負又は正の電位に瞬間的に相対することとなり、一時的に搬送ベルト102と櫛歯状電極100,101の間に反発力が発生し、これが搬送に抵抗を生じさせてしまう。このように、このシート搬送手段によれば吸着力が安定しないため搬送ベルト102の搬送速度が安定せず、極端に表現すれば搬送ベルト102の移動態様が間欠的なものとなってしまい、印字画像の印刷品位が劣化してしまうという問題があった。
特許文献2に記載の電極ベルト埋込型のシート搬送手段によれば、搬送ベルト201はローラに掛け回されているが、ローラに掛け回されて搬送ベルト201が屈曲する箇所においても内蔵された電極202自体は曲がらないので、搬送ベルト201には大きな負荷が加わって劣化しやすいという問題があった。また、特許文献1記載の技術で指摘したのと同様の理由で搬送ベルト201の移動が間欠的になるという問題もあった。また、搬送ベルト201は電極202を内蔵した構造であるために搬送ベルト201の厚さが他の構造のシート搬送手段に比べて相対的に大きく、このため特にローラ部において、厚みムラが発生してローラ中心から搬送ベルト201の表面までの距離がばらつき、搬送ベルト201の表面における搬送速度が変動してしまうという問題もあった。また、電極202を搬送ベルト201に内蔵させるために製造工程が複雑になるという問題もあった。さらに、内蔵した電極202に搬送ベルト201の外から電圧を印可する手段(前述したブラシ状の帯電部材等)が複雑であるという問題もあった。
特許文献3に記載の帯電ローラ型のシート搬送手段によれば、帯電ローラ303によって搬送ベルト301を帯電させるため、帯電ローラ303で帯電された搬送ベルト301は帯電ローラ303から離れた直後から隣接する正負の電荷が打ち消しを始め、またリークによっても消滅していくので、長距離搬送の場合や湿気が高い場合に十分な吸着力が得られないことがあるという問題があった。この問題に対応すべく、搬送ベルト301に接する帯電ローラ303を増やすことも考えられるが、単純に帯電ローラ303の数を増やすのではコストアップが避けられず、また帯電ローラ303を複数配置するにも、用紙の印字面を汚してしまう可能性が高いために印字面に配置することができず、実際のローラ配置の面で困難性が高いという問題があった。さらに、帯電ローラ303によって搬送ベルト301を帯電させる方式では、局部的に吸着力を可変とすることが難しいという問題もあった。
本願考案者は、以上の課題に鑑み、静電吸着にてシートを搬送するシート搬送装置、特に印刷ヘッドでシートにインクを吐出して画像を形成する画像形成装置に用いられるシート搬送装置について鋭意研究し、固定電極に沿って移動するベルトにシートを静電吸着して印刷ヘッドに対して搬送することができるシート搬送装置を開発した。このシート搬送装置によれば、簡単な構造で安定した吸着力及び搬送速度を実現でき、湿度による影響を受けにくく、電界の影響によるインク滴曲がりも発生しにくいという効果が得られた。しかしながら、このような固定電極に沿って搬送ベルトを移動させるシート搬送装置では、固定電極の表面がインクミストなどで汚れると吸着力が低下し、用紙ジャムを起こすことが考えられる。そこで、本願考案は、このように固定電極に沿って搬送ベルトを移動させる静電吸着方式のシート搬送装置において、固定電極のメンテナンス性を向上させることを目的としている。
請求項1に記載されたシート搬送装置はシートを搬送するシート搬送装置であって、
第1電位が与えられるとともに、前記シートが搬送される側の表面には誘電体層が設けられた固定電極と、
前記固定電極の誘電体層に相対してシートの搬送方向に循環して駆動され、第2電位が与えられるとともに、前記固定電極からの電気力線が貫通する複数の通孔が形成されて前記固定電極の側とは反対側の表面にシートが静電吸着される導電体が設けられた搬送ベルトと、
を有するシート搬送装置において、
前記固定電極が、前記搬送ベルトの下方の設定位置から前記搬送ベルトの外に引出し可能とされていることを特徴としている。
請求項2に記載されたシート搬送装置は、間隔をおいて配置された複数の印刷ヘッドからシートにインクを吐出して該シート上に画像を形成する画像形成装置に設けられ、前記印刷ヘッドに沿ってシートを搬送するシート搬送装置であって、
前記印刷ヘッドの下方に配置され、第1電位が与えられるとともに、前記印刷ヘッド側の表面には誘電体層が設けられた固定電極と、
前記固定電極の誘電体層に相対してシートの搬送方向に循環して駆動され、第2電位が与えられるとともに、前記固定電極からの電気力線が貫通する複数の通孔が形成されて前記印刷ヘッド側の表面にシートが静電吸着される導電体が設けられた搬送ベルトと、
を有するシート搬送装置において、
前記固定電極が、前記搬送ベルトの下方の設定位置から前記搬送ベルトの外に引出し可能とされていることを特徴としている。
なお、本考案において、第1電位と第2電位は、両者の間に電位差が認められる異なる2つの電位を意味するものとする。例えば、第1電位が正の電位であるとすれば、第2電位は0又は負の電位であり、第1電位が0又は負の電位であるとすれば、第2電位は正の電位である。また、このように正電位と、負又は0の電位との組合せだけでなく、両者の間に電位差が認められる他の例として、第1電位が+3Vであり、第2電位が+1Vの場合でもよく、また第1電位が−3Vであり、第2電位が−5Vの場合等でもよい。
請求項3に記載されたシート搬送装置は、請求項1又は2に記載のシート搬送装置において、
前記固定電極は、前記搬送ベルトの下方の設定位置に設定した場合には電圧印加接点が接続されて第1電位が印可され、前記搬送ベルトの外に引出した場合には前記電圧印加接点が非接続となって電位が印可されなくなるように構成されたことを特徴としている。
請求項4に記載されたシート搬送装置は、請求項3に記載のシート搬送装置において、前記固定電極が、複数に分割されてシートの搬送方向に並んでいることを特徴としている。
請求項5に記載されたシート搬送装置は、請求項4記載のシート搬送装置において、複数に分割された前記各固定電極が、前記各印刷ヘッドとは相対しない位置に配置されていることを特徴としている。
請求項1に記載されたシート搬送装置によれば、第1電位が正の電位であり、第2電位が0又は負の電位であるとすると、第1電位が印加された固定電極が誘電体層を分極し、その表面に正の電荷を発生させ、これによる電気力線が、第2電位が与えられた搬送ベルトの通孔のうち、固定電極の直上にある通孔を通って搬送ベルトの表面に載せられたシートに到達貫通してこれを分極し、その表裏面に正負の電荷を生じさせるので、搬送ベルトの固定電極と隣り合う範囲にある通孔の部分又はその周辺でシートは搬送ベルトに静電吸着される。固定電極に沿って搬送ベルトを移動させれば、シートは搬送ベルトに静電吸着された状態で搬送されていく。
このように、本考案によれば、簡単な構造でありながら各電極への電圧の印加が容易であり、安定した吸着力及びむらのない安定した搬送速度を実現でき、搬送ベルトへの負荷も少なくて済み、湿度による影響を受けにくいという効果が得られるとともに、さらに固定電極が搬送ベルトの下方の設定位置から外に引出せるので、固定電極が汚れた場合には外に引き出して清掃することができる。このため、固定電極16の汚れにより静電搬送による用紙の吸着力が低下して用紙ジャムを起こすおそれを未然に回避することができ、メンテナンス性が良好である。
請求項2に記載されたシート搬送装置によれば、第1電位が正の電位であり、第2電位が0又は負の電位であるとすると、第1電位が印加された固定電極が誘電体層を分極し、その表面に正の電荷を発生させ、これによる電気力線が、第2電位が与えられた搬送ベルトの通孔のうち、固定電極の直上にある通孔を通って搬送ベルトの表面に載せられたシートに到達貫通してこれを分極し、その表裏面に正負の電荷を生じさせるので、搬送ベルトの固定電極と隣り合う範囲にある通孔の部分又はその周辺でシートは搬送ベルトに静電吸着される。固定電極に沿って搬送ベルトを移動させれば、シートは搬送ベルトに静電吸着された状態で搬送されていく。
このように、本考案によれば、シートを吸着した搬送ベルトが固定電極に吸着された状態で移動していくことにより、シートが搬送されるので、印刷ヘッドとシートの距離を一定に保つことが出来、これによって印字品位が向上するという効果が得られるとともに、さらに固定電極が搬送ベルトの下方の設定位置から外に引出せるので、固定電極が汚れた場合には外に引き出して清掃することができる。このため、固定電極16の汚れにより静電搬送による用紙の吸着力が低下して用紙ジャムを起こすおそれを未然に回避することができ、メンテナンス性が良好である。
請求項3に記載されたシート搬送装置によれば、請求項1又は2に記載のシート搬送装置における効果において、固定電極を搬送ベルトの外に引出した場合には電圧印加接点が非接続となって電位が印可されなくなるので、外に引出して行なう固定電極の清掃作業を安全に行なうことができ、清掃終了後は固定電極を搬送ベルトの下方の設定位置に設定するだけで電圧印加接点が接続されて第1電位が印可され、直ちに使用できる状態となるので便利である。
請求項4に記載されたシート搬送装置によれば、請求項3に記載のシート搬送装置における効果において、電極がシートの搬送方向について分割されているので、搬送負荷が低減されるという効果がある。
請求項5に記載されたシート搬送装置によれば、請求項4記載のシート搬送装置における効果において、複数に分割された各固定電極が、各印刷ヘッドとは相対しない位置に配置されているために、印刷ヘッドから吐出されるインク滴が固定電極による電界の影響を受けて飛行曲がりを生じることがない。
本考案の実施形態に係る静電吸着式のシート搬送装置1と、これを備えた画像形成装置2について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、第1例の画像形成装置2は、インク色の異なる複数個の印刷ヘッド3が矢印で示すシートSの搬送方向に沿って所定間隔をおいて下向きに配置されており、下方を搬送されるシートSに向けてインク滴を吐出できるように構成されている。図示の例ではC(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4色のインクをそれぞれ吐出する4つの印刷ヘッド3が設置されている。
そして、これら印刷ヘッド3の直下には、シートSを印刷ヘッド3に沿って搬送するためのシート搬送装置1が配置されている。まず、搬送方向について印刷ヘッド3の手前側には、図示しない給紙機構に隣接してレジストローラ4と従動ローラ5が設けられ、シートSを次段のシート搬送装置1に供給するようになっている。
シート搬送装置1は、搬送方向上流側の従動ローラ6と、搬送方向下流側に設けられて駆動源7に連動連結された駆動ローラ8と、従動ローラ6と駆動ローラ8の中間下方に配置されたテンションローラ9に無端状の搬送ベルト10が掛け回され、下方に付勢されたテンションローラ9によって搬送ベルト10に適度な張力を与えつつ、駆動ローラ8により搬送ベルト10を搬送方向に循環して移動させることができる構成とされている。これらローラ6,8,9に掛け回されて移動する搬送ベルト10のうち、印刷ヘッド3に隣接して水平に移動する部分がシートSの搬送経路となる。
図2に示すように、搬送ベルト10は、内側(従動ローラ6に接する側)が導電体11からなり、外側(印刷ヘッド3に対向する側)に誘電体層12が設けられた2層構造とされている。誘電体とは導電性よりも誘電性が優位であり、直流電流に対しては絶縁性を持つ物質であり、例えばプラスティック等が挙げられる。
導電体11と誘電体層12には、連続して貫通する内径の等しい円形の孔が適当な配置間隔で複数形成されている。後述するように、これらの貫通した孔は、搬送ベルト10上のシートSとその付近に電界を形成するために形成されたものであり、ここでは便宜上、導電体11の孔を通孔13、この通孔13に連通する誘電体層12の孔を開口14と称するものとする。
前記従動ローラ6は、少なくともその周面が導電性を有しており、その周面には、図示しない制御部により制御される電圧印加部によって0又は負の電位が与えられており、これに金属接触する搬送ベルト10の導電体11を0(アース)又は負の電位としている。すなわち、第1例の搬送ベルト10は0又は負の電位を有する可動電極である。
図1に示すように、シートSの搬送経路にある前記搬送ベルト10の下側には、搬送ベルト10を支える矩形板状のプラテンベース15が設置されている。このプラテンベース15は絶縁体からなり、図示しない電荷印加部に接続されて正の電位を付与される複数(第3例では5個)の固定電極16が所定間隔をおいて埋込設置されている。固定電極16は、前記印刷ヘッド3とは相対しない位置、具体的には搬送方向について最も上流にある印刷ヘッド3(C)の手前の位置と、4個の印刷ヘッド3(C、K、M、Y)の間に相当する3つの位置と、搬送方向について最も下流にある印刷ヘッド3(Y)のさらに下流の位置とに配置されている。そして、各固定電極16の表面(搬送ベルト10に対面する側)には、その表面に沿って移動する前記搬送ベルト10との接触による短絡を防止するために、誘電体層17が設けられている。
図1には示していないが、図3に示すように、複数の固定電極16を有するプラテンベース15は、案内部材20に両側を案内されて水平に支持されており、前面に設けられた取手21をつかんで押し引きすることにより、搬送ベルト10の搬送方向と直交する前後方向に移動することができる。
図3に示すように、矢印で示すプラテンベース15の移動方向について、案内部材20の後方には、シート搬送装置1の図示しない電圧印加部に接続された本体側ドロアコネクタ22と、インターロックスイッチ23が設けられている。図4に示すように、本体側ドロアコネクタ22とインターロックスイッチ23は、直列に電圧印加部の高圧電源24に接続されている。一方、図5に示すように、プラテンベース15の後面には、後述するように固定電極16に接続される電極側ドロアコネクタ25と、インターロックスイッチ23を操作するアクチュエータ26が設けられている。
図6乃至図7に示すように、固定電極16は、プラテンベース15の表面に形成された凹部27に嵌め込まれている。凹部27内には一部に孔28が設けられており、孔内には電極側ドロアコネクタ25に接続された板ばね状の接点29が孔28からやや上方に突出して設けられている。そして、前述したように固定電極16は導電材料からなり、その表面には接点29に対応する裏側の一部を除いて誘電体層17が設けられている。従って、固定電極16を所定の姿勢でプラテンベース15の凹部27に嵌め込んで取り付ければ、固定電極16と電極側ドロアコネクタ25は導通する。
従って、図7に示すようにプラテンベース15を案内部材20の収納位置に収納すれば、図5に示すようにプラテンベース15の電極側ドロアコネクタ25が本体側ドロアコネクタ22に連結され、同時にアクチュエータ26がインターロックスイッチ23を操作してスイッチの接点をONとするので、プラテンベース15の固定電極16は電極側及び本体側ドロアコネクタ25,22を介して電圧印加部の高圧電源24に接続される。
逆に、図3に示すように、プラテンベース15を案内部材20の収納位置から外に引き出し、又は案内部材20から取り外せば、プラテンベース15の電極側ドロアコネクタ25が本体側ドロアコネクタ22から外され、同時にアクチュエータ26がインターロックスイッチ23から離れてスイッチの接点をOFFとする。このため、プラテンベース15の固定電極16は高圧電源24から完全に切断されるので、プラテンベース15を着脱する作業時に感電するおそれがない。またプラテンベース15を案内部材20の収納位置から外に引き出した後、作業者が本体側ドロアコネクタ22に触れる等しても感電のおそれはない。
以上の構成において、本例のシート搬送装置1において、プラテンベース15を案内部材20の収納位置に収納した正規の使用状態で静電搬送を行なう。
用紙吸着の原理を説明する図2に示すように、正電位にある固定電極16によって誘電体層17が分極して、その表面が正電位となるので、固定電極16側からの電気力線は、固定電極16の直上にある搬送ベルト10の貫通した孔(通孔13及び開口14)を通って搬送ベルト10の上方に行き、搬送ベルト10の表面に載せられたシートSを下方から貫通してこれを分極するとともに、さらに下方に屈曲して搬送ベルト10の孔の周辺においてシートSを上方から貫通してこれを逆の電位に分極し、さらに搬送ベルト10の誘電体層12に到達貫通してこれを分極する。
その結果、図2に示すように、シートS及び誘電体層12の各表裏面には互いに逆となる正負の電荷が生じるので、搬送ベルト10の固定電極16と隣り合う範囲にある通孔13の部分及びその周辺でシートSは搬送ベルト10の誘電体層12に静電吸着される。
すなわち、搬送ベルト10のうち、シートSを吸着することができる吸着領域は、固定電極16の真上にある固定電極16と略同一形状乃至範囲の部分だけであり、従ってこの吸着領域は、各固定電極16の真上を通過していく搬送ベルト10において固定電極16の真上の位置に固定電極16と略同一の配置間隔で発生することとなる。
従って、駆動ローラ8で駆動される搬送ベルト10にシートSを供給し、シートSを搬送ベルト10で吸着保持しながら搬送方向に沿って搬送し、その搬送速度に合せた適当なタイミングで各印刷ヘッド3を駆動してシートSに各色のインク滴を吐出して被着させれば、シートS上に所望のカラー画像を形成することができる。
このように、本例のシート搬送装置1を備えた画像形成装置2によれば、正電位の固定電極16に対して0又は負電位の可動電極である搬送ベルト10が移動するという簡単な構成であるため、組立性及び製造コストの面で櫛歯状電極等を用いた従来の静電吸着式のシート搬送装置に比べて有利である。また、正負の電極が上下関係で配置されており、吸着力を決定する2つの電極の間隔をより容易に精密に設定することが容易である。
また本例によれば、固定電極16は間隔をおいた複数の電極から構成される分割構造なので、固定電極を一枚板状とした場合に比べて移動するベルト10と接触、吸着して抵抗が生じる面積が小さいので、搬送負荷が軽減される利点がある。
また、各印刷ヘッド3は固定電極16の位置を避けて配置されており、印刷ヘッド3の下方には固定電極16がなく、各印刷ヘッド3から下方に吐出されるインク滴が固定電極16の電界によって飛行曲がりを生じる不都合が生じにくいので、固定電極を一枚板状とした場合に比べてさらに良好な画質を得ることができる。
また、本例のシート搬送装置によれば、プラテンベース15が搬送ベルトの下方の設定位置から案内部材20に沿って外に引出せるので、固定電極16が汚れた場合には外に引き出して清掃することができる。このため、固定電極16の汚れにより静電搬送による用紙の吸着力が低下して用紙ジャムを起こすおそれを使用者側のメンテナンスによって未然に回避することができる。
また、本例のシート搬送装置によれば、プラテンベース15との電気的結合部分にはインターロックスイッチ23が設けられているので安全であり、プラテンベース15を着脱する作業時に感電するおそれはないし、プラテンベース15を外した後に、作業者が本体側ドロアコネクタ22に触れても感電することはない。
以上説明した実施形態のシート搬送装置は、インクを吐出してシート上に画像を形成する印刷ヘッドを備えた画像形成装置においてシートを搬送するための手段として用いられていたが、本考案は必ずしもこのようなインクジェット方式の画像形成装置にのみ適用されるものではなく、例えば孔版印刷装置におけるシート搬送手段としても適用可能であるし、その他の画像形成原理を用いた画像形成装置乃至印刷装置においても適用可能であり、さらには画像形成装置のシート搬送手段に限定されることなく、産業上の種々の用途に対応してシートを安定的に搬送できる手段として有効利用できるものである。
本考案の実施形態の全体構成図である。 実施形態の搬送ベルト付近における各部材の帯電状態等を示す断面図である。 実施形態におけるプラテンベースの引出し構造を示す斜視図である。 実施形態における本体側の電気的接続構造を示す図である。 実施形態におけるプラテンベースの収納状態を示す平面図である。 実施形態における固定電極を外したプラテンベースの斜視図である。 実施形態におけるプラテンベースの収納状態を示す斜視図である。 従来の静電搬送型のシート搬送装置で使用されている櫛歯電極の平面図である。 従来の櫛歯電極を用いた静電搬送型シート搬送装置における搬送ベルト付近での各部材の帯電状態等を示す断面図である。 従来の電極内臓型の静電搬送型シート搬送装置の正面図である。 従来の電極内臓型の静電搬送型シート搬送装置の正面図である。 従来の電極内臓型の静電搬送型シート搬送装置における搬送ベルトの断面図である。 従来の帯電ローラ型静電搬送型シート搬送装置における搬送ベルト付近の断面図である。
符号の説明
1…シート搬送装置
2…画像形成装置
3…印刷ヘッド
10…搬送ベルト
11…導電体
12…搬送ベルトの誘電体層
13…導電体の通孔
14…搬送ベルトの誘電体層の開口
16…固定電極
17…固定電極の誘電体層
20…案内部材
22…本体側ドロアコネクタ
23…インターロックスイッチ
25…電極側ドロアコネクタ
S…シート

Claims (5)

  1. シートを搬送するシート搬送装置であって、
    第1電位が与えられるとともに、前記シートが搬送される側の表面には誘電体層が設けられた固定電極と、
    前記固定電極の誘電体層に相対してシートの搬送方向に循環して駆動され、第2電位が与えられるとともに、前記固定電極からの電気力線が貫通する複数の通孔が形成されて前記固定電極の側とは反対側の表面にシートが静電吸着される導電体が設けられた搬送ベルトと、
    を有するシート搬送装置において、
    前記固定電極が、前記搬送ベルトの下方の設定位置から前記搬送ベルトの外に引出し可能とされていることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 間隔をおいて配置された複数の印刷ヘッドからシートにインクを吐出して該シート上に画像を形成する画像形成装置に設けられ、前記印刷ヘッドに沿ってシートを搬送するシート搬送装置であって、
    前記印刷ヘッドの下方に配置され、第1電位が与えられるとともに、前記印刷ヘッド側の表面には誘電体層が設けられた固定電極と、
    前記固定電極の誘電体層に相対してシートの搬送方向に循環して駆動され、第2電位が与えられるとともに、前記固定電極からの電気力線が貫通する複数の通孔が形成されて前記印刷ヘッド側の表面にシートが静電吸着される導電体が設けられた搬送ベルトと、
    を有するシート搬送装置において、
    前記固定電極が、前記搬送ベルトの下方の設定位置から前記搬送ベルトの外に引出し可能とされていることを特徴とするシート搬送装置。
  3. 前記固定電極は、前記搬送ベルトの下方の設定位置に設定した場合には電圧印加接点が接続されて第1電位が印可され、前記搬送ベルトの外に引出した場合には前記電圧印加接点が非接続となって電位が印可されなくなるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記固定電極が、複数に分割されてシートの搬送方向に並んでいることを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 複数に分割された前記各固定電極が、前記各印刷ヘッドとは相対しない位置に配置されていることを特徴とする請求項4記載のシート搬送装置。
JP2007009262U 2007-11-30 2007-11-30 シート搬送装置 Expired - Fee Related JP3139539U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007009262U JP3139539U (ja) 2007-11-30 2007-11-30 シート搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007009262U JP3139539U (ja) 2007-11-30 2007-11-30 シート搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3139539U true JP3139539U (ja) 2008-02-21

Family

ID=43289744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007009262U Expired - Fee Related JP3139539U (ja) 2007-11-30 2007-11-30 シート搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3139539U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011051165A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Brother Industries Ltd 記録装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011051165A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Brother Industries Ltd 記録装置
US8287120B2 (en) 2009-08-31 2012-10-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Recording apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4648297B2 (ja) シート搬送装置
JP4295663B2 (ja) 画像形成装置
JP4646465B2 (ja) 記録媒体搬送装置及び該記録媒体搬送装置を備えた記録装置
CN105313455A (zh) 液体喷出设备
US20100231675A1 (en) Recording apparatus
JP4780217B2 (ja) 記録装置
JP3139539U (ja) シート搬送装置
JP4049930B2 (ja) 印写用紙搬送装置
JP4937023B2 (ja) シート搬送装置
JP4280470B2 (ja) シートの搬送方法及び記録装置
JP4464200B2 (ja) 記録装置
US9382082B2 (en) Sheet conveying device and image forming apparatus capable of conveying a sheet absorbed with an electric charge
US10603918B2 (en) Recording apparatus
JP6112295B2 (ja) 媒体搬送装置、記録装置
JP6154779B2 (ja) 搬送装置、及びインクジェット記録装置
JP5381658B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6031879B2 (ja) シート搬送装置、シート繰り出し装置及び画像形成装置
JP4310673B2 (ja) プリンタ
JP2018149759A (ja) 液体を吐出する装置、液体を吐出する装置の制御方法、及び画像形成装置
JP6327315B2 (ja) 媒体搬送装置、記録装置
JP2014141030A (ja) 媒体搬送装置、記録装置
JP2006263998A (ja) 液滴吐出装置
JP2015063112A (ja) インクジェット記録装置
JP5495115B2 (ja) 画像形成装置
US8647001B2 (en) Recording apparatus including medium attracting unit

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees