JP4049930B2 - 印写用紙搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット方式プリンタや、印写用紙を走査しながら印写を行う方式の印写装置などの印写装置の印写用紙搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット方式プリンタなどの印写装置には、エンドレスベルトに印写用紙を吸着させて搬送する方式のインクジェット方式プリンタなどの記録装置が特開平7−330186号公報に記載されている。また、特開平5−8466号公報には、印写用紙を円筒型プラテンローラの表面に静電吸着させて搬送する方式のインクジェット方式プリンタなどの画像形成装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記記録装置や上記画像形成装置では、印写用紙を静電吸着させて搬送する吸着手段を有するが、実際に印写用紙に印写する場合に発生する印写用紙のコクリングやカールに対して無策であり、各種の印写用紙に対して吸着手段を最適に駆動する制御方法について記載されていない。このため、印写用紙のコクリングやカールが印写画像に影響し、全ての印写用紙に対して高品位な画像を得ることはできない。
【0004】
本発明は、静電吸着部材の吸着力を簡単かつ安定して可変できる印写用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、複数種類の印写用紙に印写する場合に印写用紙のコクリングやカールに対して最適な状態での印写を行うことができる印写用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、印写用紙を印写位置にて静電吸着部材で静電気により吸着して印写用紙に印写させる動作と印写用紙の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材の印写用紙に対する吸着強度を可変するために前記静電吸着部材の印写用紙に対する吸着面に一定厚さのスペーサ部材を移動可能に設けたものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙の種類に応じて前記静電吸着部材の印写用紙吸着の有りと無しを切り替える手段を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図5は本発明の実施形態や参考形態で用いられる静電吸着部材1を示す。この静電吸着部材1は、例えば太平化学製品(株)で製品化されている静電吸着板(商品名はキューロン)が用いられる。この静電吸着板1は、表面吸着層2、電極3及び絶縁層4が各々プラスチックで構成されて一体に成形され、1mm〜5mm程度のシート状部材に構成されている。表面吸着層2は絶縁層4からなる基板の上に形成され、電極3は絶縁層4上の凹部に形成されて表面吸着層2が電極3の上に形成される。電極3は、導電性プラスチックで構成され、正の電極3Pと負の電極3Nとからなる。正の電極3Pと負の電極3Nは、図6に示すように、それぞれ櫛歯状に形成されて互いに接触しないように入り組ませて配置され、直流電源5の正側端子及び負側端子にそれぞれ接続される。
【0020】
静電吸着板1の表面吸着層2上に印写用紙6を置き、直流電源5をオンさせて直流電源5から正の電極3Pと負の電極3Nとの間に直流電圧を印加すると、表面吸着層2は高誘電体物質であるから誘電分極現象が起こって異符号の電荷(正、負の電荷)が励起され、表面吸着層2と印写用紙6との間で静電気力が生じて瞬間的に表面吸着層2が印写用紙6を静電気的に吸着して保持する。直流電源5をオフさせると、表面吸着層2は徐電されて印写用紙6に対する吸着力が減衰し、印写用紙6が表面吸着層2から剥離される。
【0021】
静電吸着板1は、熱成形により表面、裏面とも比較的平坦性のある吸着層が得られる。また、静電吸着板1は、正の電極3Pと負の電極3Nとの間に1KVの直流電圧が印加されることにより、消費電流が50μA程度であり、人体に及ぼす危険性はない。さらに、電極3を被覆する表面吸着層2は0.2mm〜0.5mmと厚く、表面吸着層2、電極群3及び絶縁層4が一体に成形されているので、耐久性がある。
【0022】
図7は本発明の第1の参考形態を説明するための図である。この第1の参考形態は、インクジェット方式プリンタの印写用紙搬送装置であり、静電吸着板1を印写位置の下側の印写受け部に配置している。図7(a)(b)に示すように、印写用紙6は駆動ローラ7及びピンチローラ8からなる搬送手段で1行分ずつ間欠的に搬送されて静電吸着板1上の印写位置へ移動するが、印写用紙6のカールとコクリングが発生する場合がある。そこで、図7(c)(d)に示すように、直流電源5をオンさせて静電吸着板1の正の電極3Pと負の電極3Nとの間に直流電源5から直流電圧を印加すると、表面吸着層2が印写用紙6を静電気的に吸着して保持し、印写用紙6のカールとコクリングが無くなる。
【0023】
この状態で、インクジェット方式プリンタの本体における印写ヘッドを搭載したキャリッジ部9は静電吸着板1上の印写位置へ移動した印写用紙6の幅方向に移動し、キャリッジ部9に搭載された印写ヘッドはキャリッジ部9の移動により印写用紙6をその幅方向に走査しながらインクを印写用紙6に噴射して1ライン分の印写を行う。しかる後に、直流電源5をオフさせると、表面吸着層2は徐電されて印写用紙6に対する吸着力が減衰し、印写用紙6が表面吸着層2から剥離される。
【0024】
このような印写用紙6の1行分ずつの間欠的移動と1ライン分ずつの印写が交互に繰り返されて印写用紙6に画像が1ライン分ずつ印写される。なお、キャリッジ部9は、例えば一端部がキャリッジ軸10により印写用紙6の幅方向に移動可能に支持され、他端部にガイドローラ11が取り付けられてガイドローラ11がガイドレール12に沿って印写用紙6の幅方向に移動可能に設けられる。このキャリッジ部9は、図示しない駆動源により駆動されて印写用紙6の幅方向に繰り返して往復移動し、キャリッジ部9に搭載された印写ヘッドはキャリッジ部9の往動時若しくは往動時及び復動時に印写用紙6をその幅方向に走査しながらインクを印写用紙6に噴射して1ライン分ずつ印写を行う。また、印写位置を通過した印写用紙6はローラ対13からなる搬送手段により排出される。
【0025】
図8〜図10は、この第1の参考形態における静電吸着板1の取り付け構造を示す。静電吸着板1は金属又はプラスチックで作られた支持体14上に接着剤15による接着で固定される。この場合、支持体14上には複数のU字状溝16が並列に形成され、余分な接着剤15が静電吸着板1と支持体14との間からU字状溝16に逃げて静電吸着板1の平面度が保証される。静電吸着板1は、このような構成により、印写ヘッドの1走査で印写が行われるエリアに相当する部分の剛性と平面性が確保されている。
【0026】
支持体14は、一対の側板17、18の間に配設され、両端部が固定片19、20上にネジ21、22で取り付けられる。固定片19、20は、ネジ23、24で側板17、18に固定され、2つずつの傾き補正ネジ25〜28がそれぞれ印写用紙6の搬送方向に所定の間隔をおいてネジ穴に螺着される。傾き補正ネジ25〜28は先端部が支持体14に当接可能に設けられ、傾き補正ネジ25〜28を回してその高さを調整することにより、支持体14の両端部の傾きを調整することができる。
【0027】
この第1の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行うインクジェット方式プリンタからなる印写装置の印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材1は、1mm〜5mm程度のシート状部材で形成し、接着材料15を介して金属又はプラスチックで作られた支持体14上に固定して、印写ヘッドの1走査で印写が行われるエリアに相当する部分の剛性と平面性を確保しているので、印写用紙を吸着する吸着機能とその部分における平面度の確保を両立させた高精度な印写受け部を構成することができる。
【0028】
図1は本発明の第2の参考形態を示す。この第2の参考形態では、上記第1の参考形態において、正の電極3Pと負の電極3Nとの間に直流電圧を印加する直流電源5として高圧ドライバー29が用いられる。インクジェット方式プリンタの本体に設けられている操作パネル30は静電吸着板1の印写用紙吸着強度を選択する強度選択スイッチ30aが設けられ、ユーザは使用する印写用紙の種類に応じて強度選択スイッチ30aを操作することにより、静電吸着板1の印写用紙吸着強度を、使用する印写用紙の種類に応じて選択する。制御手段としてのコントローラ31は操作パネル30の強度選択スイッチ30aからの入力信号により高圧ドライバー29を制御して静電吸着部材1の印写用紙吸着強度を、使用する印写用紙の種類に応じて切り替える。
【0029】
例えば、図2に示すように、印写用紙6として、大きなコクリングの発生する普通紙、つまり薄口のパルプ紙(64g/m2程度の普通紙、トレーシングペーパなど)を使用する場合には、これを静電吸着板1で吸着して抑えるために強度選択スイッチ30aで静電吸着板1の吸着力有りと選択し、この強度選択スイッチ30aからの入力信号によりコントローラ31で高圧ドライバー29を静電吸着部材1が印写用紙6を吸着するように制御し、高品位な印写画像を得る。
【0030】
また、印写用紙6として、OHP紙やフィルム紙、厚口のコート紙などを使用する場合には、これらの印写用紙はインクによる吸湿によるコクリングの発生が無いので、強度選択スイッチ30aで静電吸着板1の吸着力無しと選択し、この強度選択スイッチ30aからの入力信号によりコントローラ31で高圧ドライバー29を静電吸着板1が印写用紙6を吸着しないように制御する。これにより、静電吸着板1の印写用紙吸着の為の電気エネルギーが節約され、低電力駆動の装置を実現することができて省エネルギーに寄与する。
【0031】
この第2の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙6の種類に応じて前記静電吸着部材1の印写用紙吸着の有りと無しを切り替える手段としての操作パネル30の強度選択スイッチ30a、コントローラ31及び高圧ドライバー29を備えたので、複数種類の印写用紙に印写する場合に印写用紙のコクリングやカールに対して最適な状態で印写を行うことができる。
【0032】
図3は本発明の第3の参考形態を説明するための図である。この第3の参考形態では、上記第2の参考形態において、操作パネル30の強度選択スイッチ30aは、使用する印写用紙6として複数種類の印写用紙、例えば普通紙、コート紙、フォトライク紙、OHP紙、はがきのいずれかを選択する強度選択スイッチが用いられる。コントローラ31は、強度選択スイッチ30aからの入力信号により高圧ドライバー29を静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着強度が強度選択スイッチ30aで選択された、使用する印写用紙に最適な吸着強度となるように制御する。
【0033】
例えば、コントローラ31は、強度選択スイッチ30aからの入力信号により高圧ドライバー29を静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着強度が強度選択スイッチ30aで、使用する印写用紙として選択された普通紙、コート紙、フォトライク紙、OHP紙、はがきに対してそれぞれ最適な吸着強度A〜Eとなるように制御する。
【0034】
ところで、厳密に印写用紙の種類とコクリングの発生との関係を見ると、印写用紙の材質、厚さ、腰の強さにより印写用紙のコクリングの量が異なり、印写用紙のコクリングが印写画像に影響を与える。また、静電吸着板1で印写用紙6を吸着した場合には、高剛性の印写用紙では問題ないが、薄くて剛性の少ない印写用紙では、送り出し移動の過程で座屈したり1行分の印写毎の移動量が規定の改行量にならず1行分毎の印写画像のつなぎにバラツキが発生したりするという問題がある。高速改行駆動の場合には一定時間内に印写用紙の移動が完了しないこともあるという問題がある。そこで、第3の参考形態のように静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着力を、使用する印写用紙に応じて切り替えることで、これらの問題を軽減することができ、高精度、高速応答の改行とコクリングの減少を図ることができる。
【0035】
図4は本発明の第4の参考形態を示す。この第4の参考形態では、上記第3の参考形態において、操作パネル30の強度選択スイッチ30aの代りに、パーソナルコンピュータ32にフロッピーディスク33又は光ディスク34からインストールされているプリンタドライバーによりパーソナルコンピュータ32で、使用する印写用紙を指定するようにしたものであり、コントローラ31はパーソナルコンピュータ32からの、使用する印写用紙を指定する信号により高圧ドライバー29を静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着強度がパーソナルコンピュータ32で指定された、使用する印写用紙に最適な吸着強度となるように制御する。
【0036】
上記第3の参考形態及び第4の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙6の種類に応じて前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着強度を切り替える手段としてのコントローラ31、高圧ドライバー29、操作パネル30の強度選択スイッチ30a又はパーソナルコンピュータ32を備えたので、広範囲な種類の印写用紙に対して細かい制御で静電吸着部材の印写用紙に対する吸着強度の最適化を図ることができ、高精度、高速応答の改行とコクリングの減少を図ることができる。
【0037】
また、上記第3の参考形態及び第4の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着強度を可変するために前記静電吸着部材1の入力電圧を変化させる手段としてのコントローラ31、高圧ドライバー29、操作パネル30の強度選択スイッチ30a又はパーソナルコンピュータ32を備えたので、静電吸着部材は入力電圧にほぼ比例した吸着力を得ることができることから、静電吸着部材の印写用紙に対する吸着強度の制御を細かく行うことができ、各種の印写用紙に対応した最適な静電吸着部材の吸着強度制御を行うことができる。また、静電吸着部材のオン/オフ切り替えは応答性が速いために印写中の改行時間、印写用紙の給排紙の速度に影響を与えない。
【0038】
また、上記第3の参考形態及び第4の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着力を可変するための信号を印写装置本体の操作パネル30及び/又はパーソナルコンピュータ32にインストールされているプリンタドライバーから指定するように構成したので、使用する各種の印写用紙に対して静電吸着部材の吸着力を最適な状況に設定することを簡単かつ容易に達成でき、印写用紙の種類が変わった時でも即座に対応することができる。
【0039】
図11は本発明の第5の参考形態を示す。この第5の参考形態では、上記第3の参考形態において、静電吸着板1の電極3は使用する各種の印写用紙6に応じて互いに独立した複数個の電極に分割されて高圧ドライバー35により個別に直流電圧が印加される。例えば印写用紙6は幅が互いに異なる複数種類の印写用紙6a、6b、6cが使用され、電極3は印写用紙6a、6b、6cの幅に応じて互いに独立した複数個の電極3A、3B、3C、3Dに分割される。ここに、電極3A、3Bの幅は印写用紙6cの幅に一致し、電極3B、3C、3Dの幅は印写用紙6bの幅に一致し、電極3Dの幅は印写用紙6aの幅に一致する。
【0040】
各電極3A、3B、3C、3D毎にその正の電極と負の電極との間に直流電圧を印加する直流電源として高圧ドライバー35が用いられ、用紙位置検出センサ36は印写位置に印写用紙6が有るか否かを検出する。用紙位置情報入力部37は用紙位置検出センサ36からの入力信号により印写用紙6が印写位置に有るか否かを示す用紙位置情報を制御手段としてのコントローラ38に入力する。
【0041】
また、用紙幅情報入力部39は使用する印写用紙の幅を示す用紙幅情報をコントローラ38に入力し、用紙種類情報入力部40は使用する印写用紙の種類を示す用紙幅情報をコントローラ38に入力する。用紙幅情報入力部39及び用紙種類情報入力部40は、インクジェット方式プリンタの本体に設けられている操作パネル30において使用する印写用紙の幅及び種類をそれぞれ選択するスイッチが用いられ、若しくはフロッピーディスク又は光ディスクからプリンタドライバーがインストールされているパーソナルコンピュータが用いられて該パーソナルコンピュータで、使用する印写用紙の幅及び種類が指定される。
【0042】
コントローラ38は、用紙位置情報入力部37からの用紙位置情報により印写用紙6が印写位置にある印写時に電極3に直流電圧が印加されるように高圧ドライバー35を制御するとともに、用紙幅情報入力部39からの用紙幅情報及び用紙種類情報入力部40からの用紙種類情報により、使用する印写用紙6の幅及び種類に応じて各電極3A、3B、3C、3Dに選択的に直流電圧が印加されるように、つまり、各電極3A、3B、3C、3Dの上方に印写用紙6が存在する際にその印写用紙6が上方に存在する電極に直流電圧が印加されるように高圧ドライバー35を制御する。
【0043】
静電吸着板1において印写用紙6を吸着している部分以外の部分に高圧ドライバー35から通電を行っていると、その部分にゴミの付着等があり、その後に印写用紙6のサイズを変えたり印写用紙6の位置を変えたりして使用した場合に静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着力の不安定性が発生する。しかし、第5の参考形態のように静電吸着板1において印写用紙6の無い部分を非通電とすることで、静電吸着板1はゴミの付着が無くなり安定した印写用紙吸着を行う。
【0044】
この第5の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙6の幅に応じて前記静電吸着部材1の印写用紙に対する吸着有効長さ及び吸着位置を可変する手段としてのコントローラ38、高圧ドライバー35、操作パネル又はパーソナルコンピュータを備えたので、静電吸着部材の印写用紙吸着範囲外の余分なエリアにゴミが吸着してその後の吸着力が不安定になることを防止することができる。
【0045】
また、第5の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着有効長さを可変するための信号、及び/又は前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着位置を可変するための信号を、印写装置本体の操作パネル及び/又はパーソナルコンピュータにインストールされているプリンタドライバーから指定するように構成したので、使用する各種の印写用紙に対して静電吸着部材の吸着力を最適な状況に設定することを簡単かつ容易に達成でき、印写用紙の種類が変わった時でも即座に対応することができる。
【0046】
図12は本発明の第6の参考形態を示す。この第6の参考形態では、上記第5の参考形態において、コントローラ38は、用紙位置情報入力部37からの用紙位置情報及び用紙種類情報入力部40からの用紙種類情報により、印写ヘッドの印写ノズルからのインクで印写が行われる印写ノズル領域を印写用紙6の先端A、後端B及びその他の中間部Cが通過するタイミングを判断し、図13に示すように印写ノズル領域を印写用紙6の先端A及び後端Cが通過するタイミングで電極3の入力電圧が通常の入力電圧よりも高くなるとともに、印写ノズル領域を印写用紙6の中間部Bが通過するタイミングで電極3の入力電圧が通常の入力電圧(ゼロでもよい)となるように高圧ドライバー35を制御する。
【0047】
従って、静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着力は、印写ノズル領域を印写用紙6の先端A及び後端Cが通過するタイミングで通常の吸着力よりも高くなり、印写ノズル領域を印写用紙6の中間部Bが通過するタイミングで通常の吸着力となる。
【0048】
印写用紙6としてカット紙を使用する場合には、印写用紙6は、先端と後端で印写時に波打つコクリング現象だけでなくスルメのように丸まるカール現象が大きく発生し、印写ヘッドに接触して汚れを発生するという問題がある。通常のインクジェット方式プリンタでは、印写用紙の先端と後端に非印写領域を設けてその問題に対応していた。しかし、第6の参考形態のように静電吸着板1には印写用紙6の先端部及び後端部で入力電圧を大きくしてカールに打ち勝つ吸着力を与えることで、印写用紙6の全領域への印写が可能になる。
【0049】
この第6の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、印写すべき印写用紙6の先端付近及び後端付近での印写時に前記静電吸着部材1に印写用紙6を吸着させ、印写すべき印写用紙6のその他の位置での印写時に前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着力を減ずるか、或いは前記静電吸着部材1に印写用紙6を吸着させないようにする手段としてのコントローラ38、高圧ドライバー35を備えたので、印写用紙の先端付近及び後端付近でカールに打ち勝つ吸着力を静電吸着部材に与えることができ、印写用紙の全領域を同一条件で高品質に印写することができる。
【0050】
図14は本発明の第7の参考形態を示す。この第7の参考形態は、上記第1の参考形態において、静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着強度を可変するために静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着面に一定厚さのスペーサ部材41を回転軸42を中心として移動可能に設けたものである。スペーサ部材41は、使用する印写用紙6の種類に応じて静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着面に移動されたり印写用紙6の搬送路から退避されたりする。
【0051】
例えば、印写用紙6として、大きなコクリングの発生する普通紙、つまり薄口のパルプ紙(64g/m2程度の普通紙、トレーシングペーパなど)を使用する場合には、印写用紙6の搬送路から退避されて印写用紙6が静電吸着板1により吸着される。また、印写用紙6として、OHP紙やフィルム紙、厚口のコート紙などを使用する場合には、スペーサ部材41が静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着面に移動され、印写用紙6がスペーサ部材41上を移動することにより印写用紙6と静電吸着板1の吸着面との間に一定のギャップが形成されて静電吸着板1の印写用紙6に対する吸着力が低下し若しくは無くなる。
【0052】
この第7の参考形態は、装置全体のコストを考え、低コストなものを実現する場合に有効である。スペーサ部材41の操作をマニュアル操作に頼るという不便さはあるものの、機械的に印写用紙6と静電吸着板1の吸着面との間にギャップを設けることで、簡単にして確実に静電吸着板1の吸着力を変えることができ、使用する印写用紙の種類に応じて静電吸着板1の吸着強度を選択することができる。
【0053】
この第7の実施形態は、本発明の実施の形態であり、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着強度を可変するために前記静電吸着部材1の印写用紙6に対する吸着面に一定厚さのスペーサ部材41を移動可能に設けたので、低コストなものを実現する場合に有効で、簡単にして確実に静電吸着板の吸着力を変えることができ、使用する印写用紙の種類に応じて静電吸着板の吸着強度を選択することができる。
【0054】
図15は本発明の第7の参考形態を示す。この第7の参考形態では、上記第2の参考形態において、キャリッジ部9にクリーニング機構が搭載され、このクリーニング機構は例えば転動するゴミ粘着ローラ又はゴミ付着パッドからなるクリーニング部材43と、このクリーニング部材43を静電吸着板1の印写受け面に対して接離させる駆動機構44とからなる。
【0055】
この駆動機構44は、コントローラ31により、キャリッジ部9の移動時にクリーニング部材43が静電吸着板1の印写受け面に接触してキャリッジ部9の非移動時にクリーニング部材43が静電吸着板1の印写受け面から離れて非接触となるように制御される。クリーニング部材43は、キャリッジ部9の移動時には静電吸着板1の印写受け面の印写幅全域上を摺動して静電吸着板1の印写受け面の印写幅全域のクリーニングを行い、印写用紙6の連続給紙時における印写の途中過程で静電吸着板1の印写受け面上のクリーニングを行う。
【0056】
図16は本発明の第8の参考形態を示す。この第8の参考形態では、上記第2の参考形態において、キャリッジ部9にクリーニング機構が搭載され、このクリーニング機構は静電吸着板1の印写受け面上にエアを吹き付けて静電吸着板1の印写受け面の印写幅全域のクリーニングを行うエアノズル45と、このエアノズル45にエアを供給するエア供給源とからなる。
【0057】
エアノズル45とエア供給源との間にはエア開閉弁46が設けられる。このエア開閉弁46は、コントローラ31により、キャリッジ部9の移動時にエアノズル45が静電吸着板1の印写受け面上にエアを吹き付けて静電吸着板1の印写受け面のクリーニングを行うように開放され、キャリッジ部9の非移動時に閉じるように制御される。エアノズル45は印写用紙6の連続給紙時における印写の途中過程で静電吸着板1の印写受け面上のクリーニングを行う。
【0058】
上記第7の参考形態及び第8の参考形態は、印写用紙6を印写位置にて静電吸着部材1で静電気により吸着して印写用紙6に印写させる動作と印写用紙6の移動を行う印写用紙搬送装置において、印写装置本体のキャリッジ部9に搭載されたクリーニング機構43、45を有し、このクリーニング機構43、45により前記静電吸着部材1の印写受け面上のクリーニングを行えるようにしたので、静電吸着部材の印写幅全域にあるゴミ等の付着汚れを除去することができ、静電吸着部材のゴミの付着等による吸着力の変化による吸着力不安定性が発生しないようにできる。
【0059】
また、上記第7の参考形態は、前記クリーニング機構43を前記静電吸着部材1の印写受け面へ接触させ又は非接触とする手段としての駆動機構44を有し、印写用紙の連続給紙時における印写の途中過程で前記クリーニング機構43による前記静電吸着部材1の印写受け面上のクリーニングを行うようにしたので、操作の簡単性が得られるとともに、連続した印写作業中においても静電吸着部材のゴミの付着による吸着力不安定が発生しないようにできて大量の印写時にも安定した静電吸着部材の吸着力を維持し続けることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、上記構成により、低コストなものを実現する場合に有効で、簡単にして確実に静電吸着板の吸着力を変えることができ、使用する印写用紙の種類に応じて静電吸着板の吸着強度を選択することができる。
【0064】
本発明によれば、上記構成により、複数種類の印写用紙に印写する場合に印写用紙のコクリングやカールに対して最適な状態での印写を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第2の参考形態を示す概略図である。
【図2】 同第2の参考形態の印写用紙と静電吸着板の吸着力との関係を示す図である。
【図3】 本発明の第3の参考形態を説明するための図である。
【図4】 本発明の第4の参考形態を示す概略図である。
【図5】 本発明の実施形態及び参考形態で用いられる静電吸着部材を示す概略図である。
【図6】 同静電吸着部材の電極構成を示す図である。
【図7】 本発明の第1の参考形態を説明するための図である。
【図8】 同第1の参考形態における静電吸着板の取り付け構造を示す平面図である。
【図9】 同第1の参考形態における静電吸着板の取り付け構造を示す正面図である。
【図10】 同第1の参考形態における静電吸着板の取り付け構造を示す側面図である。
【図11】 本発明の第5の参考形態を示す概略図である。
【図12】 本発明の第6の参考形態を説明するための図である。
【図13】 同第6の参考形態の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】 本発明の第7の参考形態を示す概略図である。
【図15】 本発明の実施形態を示す概略図である。
【図16】 本発明の第8の参考形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 静電吸着板
6 印写用紙
9 キャリッジ部
14 支持体
15 接着剤
29、35 高圧ドライバー
30 操作パネル
30a 強度選択スイッチ
31、38 コントローラ
32 パーソナルコンピュータ
41 スペーサ部材
43 クリーニング部材
44 駆動機構
45 エアノズル
Claims (2)
- 印写用紙を印写位置にて静電吸着部材で静電気により吸着して印写用紙に印写させる動作と印写用紙の移動を行う印写用紙搬送装置において、前記静電吸着部材の印写用紙に対する吸着強度を可変するために前記静電吸着部材の印写用紙に対する吸着面に一定厚さのスペーサ部材を移動可能に設けたことを特徴とする印写用紙搬送装置。
- 請求項1記載の印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙の種類に応じて前記静電吸着部材の印写用紙吸着の有りと無しを切り替える手段を備えたことを特徴とする印写用紙搬送装置。
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