JP4781795B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド(画像形成手段)を用いて、用紙(材質を紙に限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、記録液の液滴(以下、インク滴ともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうインクジェット記録装置などが知られている。
ところで、インクジェット記録方式で画像を形成する場合、インクを用紙に付着させるために、画像を形成すると、用紙はインクに含まれる水分によって伸びる現象がある。この現象をコックリングと呼んでいる。このコックリングによって用紙は波打ち、記録ヘッドのノズルと用紙表面の位置が場所々々で変化する。このコックリングの程度が悪くなると、最悪の場合、用紙がヘッドのノズル面と接触して、ヘッドのノズル面を汚したり、用紙自身も汚れてしまったりして画像品質が低下し、加えてコックリングの影響でインク滴の着弾位置がずれてしまうこともある。
そこで、例えば特許文献1などに記載されているように、用紙の平面性を維持するために、無端状の帯電ベルトを備え、帯電ベルト表面を帯電して用紙を静電吸着させ、この状態で帯電ベルトを周回移動させることで用紙を搬送することにより、用紙の帯電ベルトからの浮き上がりを防止して、高い平面性を維持できるようにしたインクジェット記録装置が提案されている。
特開2004−175494号公報
また、特許文献2には、印写用紙のコックリングやカールが印写画像に影響することから、印写用紙を印写位置にて静電吸着部材で静電気により吸着して印写用紙に印写させる動作と印写用紙の移動を行う印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙の種類に応じて静電吸着部材の印写用紙吸着の有りと無しとを切り替える手段を備えることが記載されている。
特開2000−246981号公報
さらに、上記特許文献2には、クリーニング機構を前記静電吸着部材の印写受け面へ接触させ又は非接触とする手段を有し、印写用紙の連続給紙時における印写の途中過程でクリーニング機構による静電吸着部材の印写受け面上のクリーニングを行うようにすることが記載されている。
上述したように、用紙などのシート状部材を静電吸着力で搬送ベルトに吸着させて搬送する静電搬送装置にあっては、搬送ベルトを帯電手段によって帯電させることにより、搬送ベルトの表面に帯電生成物が生じてシート状搬送部材の搬送枚数が多くになるに従って吸着力が低下するという課題がある。
この場合、特許文献2に記載されているようにクリーニング機構によって搬送ベルトの表面に付着する紙粉などの異物を除去するだけでは、帯電生成物による吸着力の低下を回復することができないし、また、搬送ベルトを帯電させながらクリーニング機構によってクリーニングしても生成物が除去される一方で帯電生成物が生成されることになるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、長期にわたり安定した搬送を行うことができるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
シート状の被記録媒体を静電搬送装置で搬送して前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記静電搬送装置は、
周回移動する搬送ベルトと、この搬送ベルトに電荷を与える帯電手段とを備え、前記搬送ベルトによって前記被記録媒体を静電力で吸着して搬送し、
前記搬送ベルトの表面に当接して前記搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を掻き落とす当接部材と、
前記搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記被記録媒体に画像を形成する動作が行われていないときに、
前記搬送ベルト表面に前記当接部材が当接した状態で、前記帯電手段に対する帯電バイアス電圧をオフ状態にし、又は、帯電バイアスを印加しつつ前記搬送ベルトが吸着力を生じない領域まで前記帯電バイアスを低下させた状態にして、前記搬送ベルトの駆動を行う手段を有する
構成とした。
ここで、帯電バイアス電圧が交番電圧であって、帯電周期長を短くする構成とできる。また、帯電バイアス電圧をオフ状態にすることもできる。
また、当接部材がPETフィルムで形成されている構成とし、この場合、当接部材は搬送ベルトに対してカウンタ方向で当接することが好ましい。また、当接部材はブラシ形状である構成とできる。さらに、当接部材は、搬送ベルト表面を除電する除電ブラシよりも搬送ベルト移動方向上流側に配置されている構成としできる。
また、搬送ベルトの表面に当接部材を当接させ、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態で、搬送ベルトの駆動を行なう時間を変化可能である構成とできる。この場合、搬送ベルトの駆動を行なう時間を搬送した被記録媒体の枚数に基づいて変化させる構成、搬送ベルトの駆動を行なう時間を1回のジョブで搬送した被記録媒体の枚数に基づいて変化させる構成、搬送ベルトの駆動を行なう時間を搬送した被記録媒体の累積枚数に基づいて変化させる構成とできる。
また、搬送ベルト表面の抵抗値の測定結果に基づいて、前記帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を行う構成とできる。
また、一連の被記録媒体に対する画像形成動作終了後に、搬送ベルトの表面に当接部材を当接させ、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態で、搬送ベルトの駆動を行なう構成とできる。また、連続して搬送する被記録媒体の間の期間に、搬送ベルトの表面に当接部材を当接させ、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態で、搬送ベルトの駆動を行なう構成とできる。また、被記録媒体に画像を形成する手段の機能を維持回復するための動作を行うときに、搬送ベルトの表面に当接部材を当接させ、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態で、搬送ベルトの駆動を行なう構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、搬送ベルトの表面に当接して搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を掻き落とす当接部材と、搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を当接部材で掻き落とす動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、被記録媒体に画像を形成する動作が行われていないときに、搬送ベルト表面に当接部材が当接した状態で、帯電手段に対する帯電バイアス電圧をオフ状態にし、又は、帯電バイアスを印加しつつ搬送ベルトが吸着力を生じない領域まで帯電バイアスを低下させた状態にして、搬送ベルトの駆動を行う手段を有する構成としたので、搬送ベルト表面の帯電生成物を確実に除去して、長期にわたり安定した搬送を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る用紙搬送装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例の概要について図1ないし図5を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図2は同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図、図3は同じく一部透過状態で示す側面説明図、図4は搬送ベルトに対する用紙搬送経路の説明に供する模式的説明図である。
この画像形成装置は、装置本体1の内部(筺体内)に、用紙を搬送しながら画像を形成するための画像形成部(手段)2及び用紙を搬送するための副走査搬送部(手段)3等を有し、装置本体1の底部に設けた給紙カセットを含む給紙部(手段)4から用紙5を1枚ずつ給紙して、副走査搬送部3によって用紙5を画像形成部2に対向する位置で搬送しながら、画像形成部2によって用紙5に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、片面印刷の場合には排紙搬送部(手段)7を通じて装置本体1の上面に形成した排紙トレイ8上に用紙5を排紙し、両面印刷の場合には、排紙搬送部7の途中から装置本体1の底部に備えた両面ユニット10に送り込み、スイッチバック搬送を行って、再度、副走査搬送部3に給紙して両面に画像を形成した後排紙トレイ8上に排紙する。
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1の上部で排紙トレイ8の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)11を備えている。この画像読取部11は、照明光源13とミラー14とを含む走査光学系15と、ミラー16、17を含む走査光学系18とが移動して、コンタクトガラス12上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ19の後方に配置した画像読み取り素子20で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。
さらに、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットワークを介して受信可能であり、受信した印刷データを処理して印刷することができる。
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、図2にも示すように、ガイドロッド21及び図示しないガイドレールでキャリッジ23を片持ちで主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ27で駆動プーリ28Aと従動プーリ28B間に架け渡したタイミングベルト29を介して主走査方向に移動走査する。
そして、このキャリッジ23上に、それぞれの色の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド24を搭載し、キャリッジ23を主走査方向に移動させ、副走査搬送部3によって用紙5を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド24から液滴を吐出させて画像形成を行なうシャトル型としている。なお、ライン型ヘッドを用いることもできる。
記録ヘッド24は、それぞれブラック(Bk)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッド24k1、24k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッド24c、24m、24yの計5個の液滴吐出ヘッド(以下、色を区別しないときは「記録ヘッド24」という。)で構成され、キャリッジ23に搭載した各サブタンク25からそれぞれ各色のインクが供給される。
一方、図1に示すように、装置本体1の前面からカートリッジ装着部に、ブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ26を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ26から各色のサブタンク25にインクを供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ26から2つのサブタンク25に供給する構成としている。
なお、記録ヘッド24としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、図2に示すように、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復装置121を配置している。この維持回復装置121は、5個の記録ヘッド24の各ノズル面をキャピングするための5個の保湿用キャップ122k2、122k1、122c、122m、122y(色を区別しないときは「保湿用キャップ122」という。)と、1個の吸引用キャップ123と、記録ヘッド24のノズル面をワイピングするためのワイパーブレード124と、記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材125などを備えている。
さらに、キャリッジ23の走査方向他方側の非印字領域には、図2に示すように、5個の記録ヘッド24から記録(画像形成)に寄与しない液滴の吐出(空吐出)を行なうための空吐出受け部材126を備えている。この空吐出受け部材126には、記録ヘッド24に対応して5個の開口127k2、127k1、127c、127m、127y(色を区別しないときは「開口127」という。)を形成している。
副走査搬送部3は、図3にも示すように、下方から給紙された用紙5を略90度搬送方向を転換させて画像形成部2に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ32とテンションローラである従動ローラ33間に架け渡した無端状の搬送ベルト31と、この搬送ベルト31の表面を帯電させるために高圧電源から交番電圧である高電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ34と、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするガイド部材35と、保持部材136に回転自在に保持されて、用紙5を搬送ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける加圧36A、及び、記録ヘッド24の手前で用紙5を搬送ベルト31に押し付ける先端加圧コロ36Bと、画像形成部2によって画像が形成された用紙5の上面側を押えるガイド板37と、画像が形成された用紙5を搬送ベルト31から分離するための分離爪38とを備えている。
この副走査搬送部3の搬送ベルト31は、DCブラシレスモータを用いた副走査モータ131によって、タイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ32が回転されることで、図2の用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト31は、例えば、図5に示すように、抵抗制御を行っていない純粋な樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層31Aと、この表層31Aと同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)31Bとの2層構造としているが、これに限るものではなく、1層構造あるいは3層以上の構造でも良い。
また、従動ローラ33と帯電ローラ34との間に、搬送ベルト31の移動方向上流側から、搬送ベルト31の表面に付着した紙粉等を除去するためのクリーニング手段とし搬送ベルト31表面に当接する当接部材であるPETフィルムからなるマイラ231と、同じく搬送ベルト31表面に当接するブラシ形状のクリーニングブラシ232と、搬送ベルト31表面の電荷を除去するための除電ブラシ233とを備えている。
さらに、搬送ローラ32の軸32aには高分解能のコードホール137を取り付け、このコードホイール137に形成したスリット137aを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ138を設けて、これらのコードホイール137とエンコーダセンサ138によってロータリエンコーダを構成している。
給紙部4は、装置本体1の前面側から抜き差し可能で、多数枚の用紙5を積載して収納する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙5を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ42及びフリクションパッド43と、給紙された用紙5をレジストするレジストローラ(対)44を備えている。
また、この給紙部4は、多数枚の用紙5を積載して収容するためのマルチ手差しトレイ46、このマルチ手差しトレイ46から1枚ずつ用紙5を分離して給紙するための手差しコロ47と、装置本体1の下側にオプションで装着される給紙カセットや後述する両面ユニット10から給紙される用紙5を搬送するための縦搬送コロ48を備えている。給紙コロ42、レジストローラ44、手差しコロ47、縦搬送コロ48などの副走査搬送部3へ用紙5を給送するための部材は図示しない電磁クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動手段)49によって回転駆動される。
排紙搬送部7は、副走査搬送部3の分離爪38で分離された用紙5を搬送する3個の搬送ローラ71a、71b、71c(区別しないときは「搬送ローラ71」という。)及びこれに対向する拍車72a、72b、72c(同じく「拍車72」という。)と、排紙ローラ71及び拍車72間で搬送される用紙5をガイドする下ガイド部73及び上ガイド部74と、下ガイド部73及び上ガイド部74の間から送り出される用紙5を、第1の搬送経路である反転排紙経路81を通じて反転してフェイスダウンで排紙トレイ8へ送り出すための反転ローラ対77及び反転排紙ローラ対78とを備えている。なお、下ガイド部73及び上ガイド部74の間で用紙5を搬送する搬送路を搬送路70という。
なお、搬送路70の出口側には、排紙トレイ8に反転排紙するための第1排紙経路81、後述するストレート排紙トレイ181に排紙するための第2排紙経路82及び両面ユニット10のいずれかに対する搬送経路に切り替えるための分岐機構60を設けている。
両面ユニット10は、送り込まれる用紙5を装置本体1の側面部から受け入れて下方に搬送する垂直両面搬送路90cを構成した垂直搬送部101aと、垂直両面搬送路90cに続いて水平方向に搬送する水平取り込み搬送路90a及びスイッチバック搬送路90bを構成した水平搬送部101bとを一体に有している。
垂直両面搬送路90cには送り込まれた用紙5を下方に搬送する両面入口ローラ対91及び水平取り込み搬送路90aに送り出す搬送ローラ対92を備え、水平取り込み搬送路90aには5つの両面搬送ローラ対93を備え、スイッチバック搬送路90bには取り込み搬送路90aから送られる用紙5を反転して再給紙するためのリバースローラからなる両面出口ローラ94及び3個の両面搬送ローラ対95を備えている。
また、取り込み搬送路90aからスイッチバック搬送路90bへの用紙5の搬送経路とスイッチバック搬送路90bから搬送ローラ対48への再給紙のための搬送経路とを切り替える分岐板96を揺動可能に設けている。分岐板96は、図1の実線図示のスイッチバック側位置と破線図示の再給紙側位置との間で揺動可能である。
この両面ユニット10から送り出された用紙5は、前述した搬送コロ48に送り込まれてレジストローラ44に送られる。
そして、上述した給紙部4の給紙カセット41、手差し給紙トレイ46、両面ユニット10から給紙された用紙5がレジストローラ44で搬送されるとき、副走査搬送部3の搬送ローラ32及び押えコロ36間とレジストローラ44との間で、用紙5にループ(弛み)を形成して用紙5に対するバックテンションなどを防止するため、図1及び図3に示すように、ガイド部111に対向して開閉ガイド板110を揺動可能に設けている。また、この開閉ガイド板110は図示しない開閉ガイド板ソレノイド113によって揺動される。
この開閉ガイド板110は、レジストローラ44から用紙5を副走査搬送部3に送り出すときには、図示の状態からガイド部111方向に揺動して用紙5を案内し、用紙5が副走査搬送部3の達したタイミングで図示の状態に復帰してループを形成可能な状態にする。
さらに、この画像形成装置においては、1枚手差し給紙を行なうために、図1にも示すように、装置本体1の一側部側に、1枚手差し給紙トレイ141を装置本体1に対して開閉可能(開倒可能)に設け、1枚手差しを行なうときには1枚手差し給紙トレイ141を仮想線図示の位置に開倒する。この1枚手差し給紙トレイ141からの手差し給紙される用紙5は、開閉ガイド板110の上面でガイドされてそのまま副走査搬送部3の搬送ローラ32と加圧コロ36Aとの間に直線的に差し込むことができる。
一方、画像形成が行われた用紙5をフェイスアップでストレートに排紙するため、装置本体1の他側部側にストレート排紙トレイ181を開閉可能(開倒可能)に設けている。このストレート排紙トレイ181を開く(開倒)ことで、排紙搬送部7に下ガイド部73及び上ガイド部74から送り出される用紙5を直線的にストレート排紙トレイ181に排紙するための第2の排紙経路であるストレート排紙経路82が形成される。
これにより、例えばOHP、厚手の用紙など曲線搬送が難しい用紙を使用するときには1枚手差し給紙トレイ141から1枚手差し給紙を行いストレート排紙トレイ181まで直線的に用紙5を搬送することができるようになる。勿論、普通紙などの通常の用紙であっても1枚手差し給紙トレイ141から給紙し、ストレート排紙トレイ181に直線的に排紙することはできる。
なお、図4を参照して画像形成部2までの各種センサの配置について説明しておく。用紙5を検知するために、レジストローラ44の上流側には搬送レジストセンサ201を、搬送ローラ32と加圧コロ36Aとの手前側には印字部入口センサ202を、先端加圧コロ36Bの下流側(画像形成部2の入口)には画像書き出し位置をレジストするための画像レジストセンサ203を、画像形成部2の出口(搬送ローラ71aの手前側)には印字部出口センサ204を、縦搬送ローラ48の上流側には電磁クラッチオープンセンサ205をそれぞれ配置している。また、1枚手差し給紙トレイ141上に用紙5がセットされたことを検知するための手差し紙有無センサ207を配置している。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6のブロック図を参照して説明する。
この制御部300は、CPU301と、CPU301が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC305とを含む、この装置全体の制御を司るとともに本発明に係る搬送ベルト31のクリーニング制御に関わる制御を司る主制御部310を備えている。
また、この制御部300は、ホスト側と主制御部310との間に介在して、データ、信号の送受を行なうための外部I/F311と、記録ヘッド24を駆動制御するためのヘッドドライバを含むヘッド駆動制御部312と、キャリッジ23を移動走査する主走査モータ27を駆動するための主走査駆動部(モータドライバ)313と、副走査モータ131を駆動するための副走査駆動部314と、給紙モータ49を駆動するための給紙駆動部315と、排紙部7の各ローラを駆動する排紙モータ79を駆動するための排紙駆動部316と、両面ユニット10の各ローラを駆動する両面再給紙モータ99を駆動するための両面駆動部317と、維持回復機構121を駆動する維持回復モータ129を駆動するための回復系駆動部318と、帯電ベルト34にACバイアスを供給するACバイアス供給部319とを備えている。
さらに、制御部300は、前述した開閉ガイド板ソレノイド113、シャッタソレノイド150を含む各種のソレノイド(SOL)類321を駆動するソレノイド類駆動部(ドライバ)322と、給紙関係の電磁クラック類323などを駆動するクラッチ駆動部324と、画像読取部11を制御するスキャナ制御部325とを備えている。
また、主制御部に310は、搬送ベルト31の周囲の温度及び湿度(環境条件)を検出する環境センサ234の検出信号を入力する。なお、主制御部310には、その他の図示しない各種センサの検出信号も入力されるが図示を省略している。また、主制御部310は、装置本体1に設けたテンキー、プリントスタートキーなどの各種キー及び各種表示器を含む操作/表示部327との間で必要なキー入力の取り込み、表示情報の出力を行なう。
さらに、この主制御部310には、前述したコードホイール137とフォトセンサ(エンコーダセンサ)138によって構成されるロータリエンコーダ402からの出力信号(パルス)とが入力される。主制御部310は、この出力信号に基づいて副走査駆動部314を介して副走査モータ131を駆動制御することで搬送ローラ32を介して搬送ベルト31を移動させる。
このように構成した画像形成装置における用紙搬送及び画像形成動作について図7をも参照して説明する。
前述したように搬送ベルト31を駆動する搬送ローラ32の端部に設けたエンコーダ401によって回転量を検出して、この検出した回転量に応じて制御部300の副走査駆動部314によって副走査モータ131を駆動制御するとともに、帯電ローラ34に高圧(ACバイアス)を印加するACバイアス供給部319の出力を制御する。
このACバイアス供給部319によって、帯電ローラ34に印加する正負極の印加電圧(帯電バイアス)の周期(印加時間)を制御し、同時に制御部300によって、搬送ベルト31の駆動を制御することで、搬送ベルト31上に所定の帯電周期長で正負極の電荷を印加することができる。ここで、「帯電周期長」とは、図7にも示すように正負極の印加電圧の1周期当りの搬送方向の幅(距離)である。
そして、印刷を開始するとき、搬送ローラ32を副走査モータ131で回転駆動して搬送ベルト31を図1で反時計周りに回転させ、同時にACバイアス供給部319から帯電ローラ34に対して正負極の方形波を印加する。これによって、帯電ローラ34は搬送ベルト31の絶縁層31Aに当接しているので、搬送ベルト31の絶縁層31Aに、図7に示すように、正極性の電荷と負極性の電荷が搬送ベルト31の搬送方向に対して交互に印加され(帯状の正極性の帯電領域402と負極性の帯電領域403が交互に形成され)、搬送ベルト31上に不平等電界が生成される。
この正負極の電荷を印加される搬送ベルト31の絶縁層31Aは、例えば、体積抵抗が1E12Ωcm以上、望ましくは1E15Ωcmなるように形成しているから、絶縁層31Aに帯電した正と負の電荷が、その境界で移動することを防ぐことができ、絶縁層31Aに印加された正負極の電荷を保持することができる。
この不平等電界が発生している搬送ベルト31上に用紙5が送り込まれると、用紙5は電界の向きに沿って瞬時に分極する。不平等電界により用紙5の搬送ベルト面側の搬送ベルト31と引力をなす電荷は密となり、その反対側の用紙表面に現れる搬送ベルト31と斥力をなす電荷は疎となる。この電荷の差により用紙5は搬送ベルト31に瞬時に吸着する。また、用紙5は有限な抵抗を持っているのでこれと同時に用紙5の吸着面およびその反対側には真電荷が誘起される。
吸着面側に誘起された正負の真電荷は搬送ベルト31上に印加された電荷と引き合うことで安定して吸着力をなしているが、その反対側に誘起された正負の真電荷は不安定である。吸着面と反対側の用紙表面に誘起された真電荷は、用紙の抵抗が1E7Ω/□から1E13Ω/□と有限な抵抗値を持っているため電荷が移動でき、時間の経過とともに隣り合う正負極の電荷が引き合い移動することで中和されながら減少していく。この結果、搬送ベルト31上の電荷は用紙5の吸着面側に誘起された真電荷とつり合いがとれ電界が閉じられ、用紙5の吸着面と反対側に誘起された真電荷は前述したとおり中和されて電界が閉じられる。また、搬送ベルト31面に印加された電荷と搬送ベルト31の電荷と疎力をなす電荷が用紙5表面上から減少するため用紙5の搬送ベルト31への吸着力は時間ともに増加していくようになり、搬送ベルト31の周回移動によって用紙5を静電吸着して搬送することができる。
そこで、搬送ベルト31で用紙5を間歇的に搬送しながら、用紙5上に印刷データに応じて記録ヘッド24から記録液の液滴を吐出して画像を形成(印刷)し、画像形成が行なわれた用紙5の先端側を分離爪38で搬送ベルト31から分離して排紙搬送部7によって、適宜、排紙トレイ8、ストレート排紙トレイ181に排紙し、あるいは両面ユニット10に送り込んで他面に画像形成を行なった後排紙する。
次に、この画像形成装置における本発明の第1実施形態について図8及び図9をも参照して説明する。なお、図8は同実施形態の説明に供するフロー図、図9は同じくタイミングチャートである。
この実施形態は1ジョブ毎にベルトクリーニング動作を行う例であり、先ず、図8を参照して、印字を行うときには、用紙5の給紙を行って所定の印字を行ない、印字終了でなければ、次ページがあるか否かを判別して次ページがあれば所定のタイミングで次ページの給紙を開始し、当該ページの印字が終了すれば全ページの印字が終了するまで、印字動作を繰り返す。
そして、全ページの印字が終了すれば、帯電ローラ34に印加する帯電バイアスを低下させた状態で搬送ベルト31を周回移動(駆動)するベルトクリーニング動作を行い、すべてのページの排紙が完了すれば、この処理を終了する。
この動作について、1枚印字を行なう場合を例にして図9を参照して説明すると、図9(a)に示すように給紙モータ49をオン(ON)状態にし、同図(b)に示すように本体給紙クラッチをオン状態にすることで、給紙トレイ41から1枚のシート状部材である用紙5が分離されて給紙される。そして、同図(c)に示すように搬送レジストセンサ201が用紙5を検知してから所要の時間経過後に給紙モータ49をオフ(OFF)状態にし、その後所定時間が経過したときに同図(d)に示すように搬送レジストクラッチをオン状態にするとともに、給紙モータ49をオン状態して、搬送ベルト31への用紙5の送り込みを開始する。
その後、同図(e)に示すように印字部入口センサ202が用紙5を検知(オン)してから給紙モータ49をオフ状態にして用紙5の送り込みを停止して待機する。そして、所定の待機時間が経過した後、給紙モータ49をオン状態にして用紙5の送り込みを開始するとともに同図(f)に示すように副走査モータ131を駆動(オン)するとともに、同図(g)に示すように帯電ローラ34に対して帯電バイアスを印加して、前述したように搬送ベルト31に電荷を印加して静電吸着力を発生させ、搬送ベルト31で用紙5を静電吸着して搬送を開始する。
そして、印字部入口センサ202が用紙5の後端を検知してオフになると、副走査モータ131をオフするとともに、帯電ローラ34に対する帯電バイアスの印加を停止する。
このようにして1枚の用紙5に対する印字が行われ、同図(h)に示すように印字部出口センサ204が用紙5の後端通過を検知し、1ジョブが終了したときには、帯電ローラ34に対する帯電バイアスの印加を停止したまま、副走査モータ131を駆動して搬送ベルト31を駆動(周回移動)させるベルトクリーニング動作を行う。
このベルトクリーニング動作においては、搬送ベルト31にマイラ231及びクリーニングブラシ232が当接した状態で、かつ、搬送ベルト31に電荷を印加しない状態で、搬送ベルト31を移動させることになる。したがって、搬送ベルト31に帯電生成物が生成されない状態で、マイラ231及びクリーニングブラシ232によって搬送ベルト31表面の帯電生成物や紙粉などを掻き落とすことができ、搬送ベルト31表面の帯電生成物や紙粉などを確実に除去することができ、搬送ベルト31の吸着力の経時的な劣化を抑制し、長期にわたり安定した搬送を行うことができる。
このように、搬送ベルトの表面に当接部材を当接させ、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態で、搬送ベルトの駆動を行なうことによって、ベルト表面に付着する帯電生成物を除去できベルト吸着力の経時劣化を防止することができる。
この場合、当接部材としてPETフィルム(マイラ231)を用いることでベルト表面の帯電生成物を安価な構成で除去することができ、この場合、当接部材は搬送ベルトに対してカウンタ方向で当接することによって、帯電生成物を除去性能が向上する。また、当接部材としてブラシ形状であるクリーニングブラシ232を用いることによって、ベルト表面の帯電生成物をより効果的に除去することができる。また、当接部材は、搬送ベルト表面を除電する除電ブラシ233よりも搬送ベルト移動方向上流側に配置することによって、帯電生成物の除去と共に紙粉なども同時に除去することができて、下流側の除電手段に対する紙粉の影響を低減することができる。
また、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態として帯電バイアス電圧をオフ状態にする(帯電バイアスを印加しない状態にする)ことによって、より確実に帯電生成物の発生を抑えた状態で搬送ベルト表面の帯電生成物を当接部材で除去することができるようになる。
この場合、帯電手段に対する帯電バイアス電圧を低下させた状態として、帯電バイアス電圧を印加しつつ、搬送ベルトが吸着力を発生しない領域の電圧(帯電開始バイアス未満の電圧)とすることもでき、この場合でも、帯電生成物の発生量よりも当接部材による帯電生成物の除去量が多くなり、ベルト吸着力の経時的な劣化を抑制することができる。
ここで、帯電バイアス電圧を印加しつつ、搬送ベルトが吸着力を発生しない領域まで帯電バイアスを低下する構成としては、前述したようにACバイアスを印加する場合には、図7で説明した帯電周期長を変化させる構成を採用することができる。つまり、帯電周期長が短くなると吸着力が低下するので、ベルトクリーニング動作を行うときには通常の画像形成時の帯電周期長に対して帯電周期長が短くなるようにACバイアス供給部319の出力を切り替え制御するようにする。
さらに、上述したように一連の用紙に対する印字(画像形成)動作が終了するごとに(1ジョブが終了するごとに)、ベルトクリーニング動作を行うようにすれば、連続印刷における印刷速度の低下を招くことがなく、ベルト吸着力の劣化を抑制しつつ連続印刷の印刷速度の向上を図ることができる。
次に、この画像形成装置における本発明の第2実施形態について図10及び図11をも参照して説明する。なお、図10は同実施形態の説明に供するフロー図、図11は同じくタイミングチャートである。
この実施形態は紙間毎にベルトクリーニング動作を行う例であり、先ず、図10を参照して、印字を行うときには、用紙5の給紙を行って所定の印字を行ない、印字終了でなければ、次ページがあるか否かを判別して次ページがあれば所定のタイミングで次ページの給紙を開始する。そして、当該ページの印字が終了したときには、帯電ローラ34に印加する帯電バイアスを低下させた状態で搬送ベルト31を周回移動(駆動)するベルトクリーニング動作を行なう。
そして、全ページの印字が終了するまで、印字動作を繰り返し、すべてのページの排紙が完了すれば、この処理を終了する
つまり、図11に示すように、1枚目の印字と2枚目の印字との間(紙間)において、帯電ローラ34に対する帯電バイアスの印加を停止したまま、副走査モータ131を駆動して搬送ベルト31を駆動(周回移動)させるベルトクリーニング動作を行う。
このように、紙間でベルトクリーニング動作を行うことによって毎回搬送ベルト31の吸着力を回復しながら用紙を搬送することができる。ただし、前記第1実施形態のように1ジョブ毎(印字終了ごと)にベルトクリーニング動作に比べると相対的にトータルの印刷速度が遅くなる。
次に、この画像形成装置における本発明の第3実施形態について図12をも参照して説明する。なお、図12は同実施形態の説明に供するフロー図である。
この実施形態は、維持回復機構221によって記録ヘッド24のノズルの状態を維持、回復するための維持回復動作(メンテナンス動作)を行うときに、メンテナンス動作とベルトクリーニング動作を併行して行うようにしている。なお、メンテナンス動作においては、記録ヘッド24のノズル面をキャップ122でキャッピングしてノズル吸引を行い、ノズル面をワイピングして清浄化するなどの一連の動作を行う。
このようにすれば、連続印刷における印刷速度の低下を招くことがなく、ベルト吸着力の劣化を抑制しつつ連続印刷の印刷速度の向上を図ることができる。
次に、ベルトクリーニング動作の第1例について図13のフロー図を参照して説明する。
ここでは、ベルトクリーニング処理に入ったときには、1ジョブ当りの印字枚数が予め定めた所定値(所定枚数)以上か否かを判別し、1ジョブ当りの印字枚数が所定値(所定枚数)以上でなければベルトクリーニング時間T1を設定し、1ジョブ当りの印字枚数が所定値(所定枚数)以上であればベルトクリーニング時間T2(T2>T1)を設定した後、設定したベルトクリーニング時間だけ搬送ベルト31を、帯電バイアスを印加しない(或いは低下させた)状態で駆動するベルトクリーニング動作を行なう。
このように、ベルトクリーニング動作を行う時間を可変とすることによって搬送ベルトの帯電生成物の生成状況に応じたクリーニング動作を行うことができて、帯電生成物を確実に除去することができる。この場合、1ジョブの印字枚数(1回の動作で搬送したシート部材の搬送枚数)に基づいてベルトクリーニング動作を行う時間を可変することで、より確実に帯電生成物を除去することができるようになり、搬送ベルトの吸着力劣化を防止できる。
次に、ベルトクリーニング動作の第2例について図14のフロー図を参照して説明する。
ここでは、ベルトクリーニング処理に入ったときには、トータルの印字枚数が予め定めた所定値(所定枚数)以上か否かを判別し、トータルの印字枚数が所定値(所定枚数)以上でなければベルトクリーニング時間T11を設定し、トータルの印字枚数が所定値(所定枚数)以上であればベルトクリーニング時間T12(T12>T11)を設定した後、設定したベルトクリーニング時間だけ搬送ベルト31を、帯電バイアスを印加しない(或いは低下させた)状態で駆動するベルトクリーニング動作を行なう。
このように、ベルトクリーニング動作を行う時間を可変とする場合、トータルの印字枚数(搬送したシート部材の累積搬送枚数)に基づいてベルトクリーニング動作を行う時間を可変することで、より確実に帯電生成物を除去することができるようになり、搬送ベルトの吸着力劣化を防止できる。
次に、本発明による作用効果について図15を参照して説明する。この例は、用紙5を連続的に給紙したときの搬送ベルト31の吸着力の変化を、搬送ベルトに当接部材を当接させ、搬送ベルトに対する帯電バイアスを低下させて搬送ベルトを駆動する本発明に係るベルトクリーニング動作を行った場合(実施例)と、搬送ベルトに当接部材を当接させ、搬送ベルトに対する帯電バイアスを通常のまま(帯電バイアスを低下させないで)搬送ベルトを駆動する動作を行った場合(比較例)とで測定した結果である。
この結果から分かるように、本発明に係るベルトクリーニング動作を行わない場合には、当接部材によって帯電生成物が除去されるものの他方で帯電生成物が生成されるために、連続して1K枚の搬送を行うと搬送ベルトの吸着力が著しく低下する。これに対して、本発明に係るベルトクリーニング動作を行った場合には、当接部材によって帯電生成物が除去され、他方で帯電生成物が生成されないか生成されても除去量より少ないために、連続して150K枚の搬送を行っても搬送ベルトの吸着力を維持することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図16を参照して説明する。なお、図16は図3と同様な拡大側面説明図である。
この実施形態では、搬送ベルト31の表面電位を測定する表面電位計501を備え、この表面電位計501の計測結果から搬送ベルト31の抵抗値を検出するようにしている。
そして、図17に示すように、搬送ベルト31の抵抗値が所定値以下になったときには、上述した実施形態と同様に、搬送ベルトに当接部材を当接させ、搬送ベルトに対する帯電バイアスを低下させて搬送ベルトを駆動する本発明に係るベルトクリーニング動作を行うようにしている。
このように、搬送ベルト31に対する帯電生成物の付着状況を抵抗値で検出して、搬送ベルト31に対する帯電生成物が多くなったときには発明に係るベルトクリーニング動作を行うことによって、効果的に帯電生成物を除去することができるようになる。
また、上記実施形態においては、本発明をマルチファンクション(MFP)の画像形成装置に適用した例で説明したが、プリンタやファクシミリ装置などの他の画像形成装置にも同様に適用することができる。また、インク以外の記録液を使用する画像形成装置にも適用することができる。さらに、画像形成装置における用紙搬送装置としての静電搬送装置だけでなく、その他の用紙搬送装置を含む静電搬送装置にも適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。 同装置の画像形成部及び副走査搬送部の平面説明図である。 同じく一部透過状態で示す側面説明図である。 搬送ベルトに対する用紙搬送経路の説明に供する模式的説明図である。 搬送ベルトの一例を示す断面説明図である。 同じく制御部の概要を説明するブロック図である。 搬送ベルトに対する帯電制御の説明に供する説明図である。 同画像形成装置に適用した本発明の第1実施形態の説明に供するフロー図である。 同じくタイミングチャートである。 同画像形成装置に適用した本発明の第2実施形態の説明に供するフロー図である。 同じくタイミングチャートである。 同画像形成装置に適用した本発明の第3実施形態の説明に供するフロー図である。 ベルトクリーニング動作の第1例の説明に供するフロー図である。 ベルトクリーニング動作の第2例の説明に供するフロー図である。 本発明に係るベルトクリーニング動作を適用した場合と適用しない場合の搬送ベルトの吸着力の経時的な変化の説明に供する説明図である。 同画像形成装置に適用した本発明の第4実施形態の説明に供する側面説明図である。 同実施形態の説明に供するフロー図である。
符号の説明
1…装置本体
2…画像形成部
3…副走査搬送部
4…給紙部
5…用紙(被記録媒体)
7…排紙搬送部
8…排紙トレイ
11…画像読取部
23…キャリッジ
24…記録ヘッド
31…搬送ベルト
32…搬送ローラ
36A…加圧コロ(入口加圧コロ)
36B…先端加圧コロ
41…給紙コロ
44…レジストローラ
46…マルチ手差しトレイ
47…給紙コロ
49…給紙モータ
131…副走査モータ
231…マイラ
232…クリーニングブラシ
233…除電ブラシ
319…ACバイアス供給部

Claims (14)

  1. シート状の被記録媒体を静電搬送装置で搬送して前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
    前記静電搬送装置は、
    周回移動する搬送ベルトと、この搬送ベルトに電荷を与える帯電手段とを備え、前記搬送ベルトによって前記被記録媒体を静電力で吸着して搬送し、
    前記搬送ベルトの表面に当接して前記搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を掻き落とす当接部材と、
    前記搬送ベルト表面に生成された帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記被記録媒体に画像を形成する動作が行われていないときに、
    前記搬送ベルト表面に前記当接部材が当接した状態で、前記帯電手段に対する帯電バイアス電圧をオフ状態にし、又は、帯電バイアスを印加しつつ前記搬送ベルトが吸着力を生じない領域まで前記帯電バイアスを低下させた状態にして、前記搬送ベルトの駆動を行う手段を有する
    ことを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記帯電バイアス電圧が交番電圧であって、帯電周期長を短くすることを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記当接部材がPETフィルムで形成されていることを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、前記当接部材は前記搬送ベルトに対してカウンタ方向で当接することを特徴とする画像形成装置
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記当接部材はブラシ形状であることを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、前記当接部材は、前記搬送ベルト表面を除電する除電ブラシよりも前記搬送ベルト移動方向上流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトの駆動を行なう時間を変化可能であることを特徴とする画像形成装置
  8. 請求項7に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトの駆動を行なう時間を搬送した被記録媒体の枚数に基づいて変化させることを特徴とする画像形成装置
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトの駆動を行なう時間を1回のジョブで搬送した被記録媒体の枚数に基づいて変化させることを特徴とする画像形成装置
  10. 請求項8に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトの駆動を行なう時間を搬送した被記録媒体の累積枚数に基づいて変化させることを特徴とする画像形成装置
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記搬送ベルト表面の抵抗値の測定結果に基づいて、前記帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を行うことを特徴とする画像形成装置
  12. 請求項1ないし11に記載の画像形成装置において、一連の前記被記録媒体に対する画像形成動作終了後に、前記帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において、連続して搬送する前記被記録媒体の間の期間に、前記帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13に記載の画像形成装置において、前記被記録媒体に画像を形成する手段の機能を維持回復するための動作を行うときに、前記帯電生成物を前記当接部材で掻き落とす動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
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