JP4858542B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Description

本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子に関する。
従来より、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有している。この特性を利用して、例えば、アイソレータは、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
この種の非可逆回路素子としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この非可逆回路素子は、フェライト、永久磁石、回路基板、ヨークとで構成された2ポート型アイソレータであり、フェライトには第1及び第2中心電極が互いに絶縁されて交差した状態で配置されている。例えば、図10に示すように(図10は特許文献1に記載のものとは若干異なるが、あくまで本願発明との対照を容易にするために先行例として描いたものであり、公知ではない)、フェライト32にはその上下面32c,32dに電極35c〜35e,36i〜36pが形成され、第1及び第2主面32a,32bにおいては、各主面32a,32b上に第1中心電極35の導体膜35a,35bが形成され、その上に絶縁膜37,38を介して第2中心電極36の導体膜36a〜36hが形成されている。導体膜35a,35bは電極35cを介して接続されて第1中心電極35を構成し、その一端は電極(A端子)35dに接続され、他端は電極(B端子)35eに接続されている。導体膜36a〜36hは電極36i〜36k,36m〜36pを介して接続されて第2中心電極36を構成し、その一端は電極(B端子)35eに接続され、他端は電極(GND)36lに接続されている。
以上のアイソレータにおいて、入力インピーダンスのマッチングをとって挿入損失を小さくするには、図11に示すように、第1及び第2中心電極35,36をそれぞれ所定の角度θ1,θ2で交差させる必要がある。挿入損失を最小にするには種々の条件を考慮しなければならないが、交差角度θ1,θ2を一定値以下に小さくする必要がある。
しかしながら、前記第1及び第2中心電極35,36は、第1中心電極35の導体膜35a,35bが第2中心電極36の導体膜36a〜36hよりも内側に形成されているため、前記交差角度θ1,θ2を小さくしていくと、図12に示すように、導体膜35a,35bと電極36p,35e,36iとのそれぞれのギャップG1〜G4が小さくなり、短絡不良が発生することになる。それゆえ、十分なギャップG1〜G4を設けるとフェライト32の縦(短辺)方向の寸法が大きくなり、アイソレータの小型化、低背化に支障を生じる。即ち、この形式では、交差角度θ1,θ2を小さくすること(入力インピーダンスのマッチング及び低挿入損失化)と、ギャップG1〜G4の確保(短絡不良の防止)との両立は困難であった。これにより、素子の小型化及び低背化は達成できなかった。しかも、動作周波数が高くなるほど交差角度θ1,θ2を小さくする必要があるので、特に、1GHz以上の高周波には十分な対応ができていないのが現状である。
特開2006−135419号公報
そこで、本発明の目的は、高背化、大型化を招くことなく、中心電極の交差角度を小さくして挿入損失の低下を図ることのできる非可逆回路素子を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
永久磁石と、
前記永久磁石により直流磁界が印加される直方体形状のフェライトと、
前記フェライトの長辺を含む第1及び第2主面にほぼ対角線上にかつほぼ平行に配置された導体膜からなり、一端が入力ポートに電気的に接続され、他端が出力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
第1中心電極と電気的に絶縁状態で交差して前記フェライトの第1及び第2主面に短辺方向に巻回状態で配置された導体膜からなり、一端が出力ポートに電気的に接続され、他端がグランドポートに電気的に接続された第2中心電極と、
入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された第1整合容量と、
出力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第2整合容量と、
入力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第3整合容量と、
入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された抵抗と、
表面に端子電極が形成された回路基板と、を備え、
フェライトと永久磁石は、フェライトの第1主面側及び第2主面側から一対の永久磁石によって挟着されたフェライト・磁石組立体を構成し、
前記フェライト・磁石組立体は、前記回路基板上に、前記第1及び第2主面が該回路基板の表面に対して垂直方向に配置されており
第1の形態では、
第1中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第1主面においては、該第1主面上に第2中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成され、
第1中心電極の他端及び第2中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第2主面においては、該第2主面上に第1中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第2中心電極の導体膜が形成されていること、
を特徴とする。
また、第2の形態では、
第1中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第1主面においては、該第1主面上に第1中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第2中心電極の導体膜が形成され、
第1中心電極の他端及び第2中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第2主面においては、該第2主面上に第2中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成されていること、
を特徴とする。
本発明に係る非可逆回路素子においては、フェライトの第1主面と第2主面のいずれか一方では、第2中心電極の導体膜の上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成されているため、該導体膜とフェライトに形成された接続/中継用電極とは絶縁膜を介して短絡不良を生じることがなく、両者のギャップは小さくてもよい。このことは、第1中心電極の導体膜を、比較的自由な角度で、即ち、フェライトの高背化、素子の大型化をきたすことなく第1及び第2中心電極の交差角度が小さくなるようにフェライトの主面に形成することができることを意味し、入力インピーダンスとのマッチング及び低挿入損失化が達成される。
本発明に係る非可逆回路素子において、前記フェライトの前記第1及び第2主面と直交する上面及び下面には該第1及び第2主面に臨む凹部が形成されており、該凹部には導体が設けられ、前記第1及び第2主面に設けた第1中心電極の導体膜は前記フェライトの上面の凹部に設けた導体を介して電気的に接続され、前記第1及び第2主面に設けた第2中心電極の導体膜は前記フェライトの上下面の凹部に設けた導体を介して電気的に接続されていてもよい。第2中心電極をフェライトに複数ターン巻回することで、第1及び第2中心電極の結合度が向上する。
特に、第1の発明では、第1中心電極の比較的長くてインダクタンスの大きい導体膜の交差角度が小さくなるため、挿入損失の低下に寄与する効果が大きく、入力インピーダンスとのマッチングがとりやすくなり、素子の小型化、低背化及び高周波対策に有利である。
本発明によれば、フェライトの第1主面と第2主面のいずれか一方では、第2中心電極の導体膜の上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成されているため、該導体膜とフェライトに形成された接続/中継用電極とのギャップは小さくてもよく、フェライトの高背化、素子の大型化をきたすことがなく、かつ、第1及び第2中心電極の交差角度を小さくして入力インピーダンスとのマッチング及び低挿入損失化を達成できる。
本発明に係る非可逆回路素子(2ポート型アイソレータ)の一実施例を示す分解斜視図である。 2ポート型アイソレータの等価回路図である。 フェライトの斜視図である。 フェライトの主面に形成した中心電極の第1例を示す分解斜視図である。 フェライトの主面に形成した中心電極の第2例を示す分解斜視図である。 前記第1例におけるフェライトの第1主面を示す正面図である。 前記第2例におけるフェライトの第2主面を示す正面図である。 第1及び第2中心電極の最適な交差角度を示すグラフである。 本発明例と比較例との挿入損失を示すグラフである。 フェライトの主面に形成した中心電極の先行例を示す分解斜視図である。 前記先行例における第1及び第2中心電極の交差角度を示す正面図である。 前記先行例における第1中心電極の導体膜と電極との位置関係を示す正面図である。
以下、本発明に係る非可逆回路素子の実施例について添付図面を参照して説明する。
本発明に係る非可逆回路素子の一実施例である2ポート型アイソレータの分解斜視図を図1に示す。この2ポート型アイソレータは、集中定数型アイソレータであり、概略、電磁シールド膜11を形成した樹脂基板10と、軟鉄製の環状ヨーク9と、回路基板20と、フェライト32と一対の永久磁石41とからなるフェライト・磁石組立体30とで構成されている。なお、図1において、斜線を付した部分は導電体である。
フェライト32には、以下の図4(第1例)、図5(第2例)に示すように、第1主面32a、第2主面32bに互いに電気的に絶縁された第1中心電極35及び第2中心電極36が形成されており、その構成は後に詳述する。ここで、フェライト32は互いに平行な第1主面32a及び第2主面32bを有する直方体形状をなし、上面32c、下面32dを有している。
また、永久磁石41はフェライト32の主面32a,32bに対して磁界を該主面32a,32bに略垂直方向に印加するように主面32a,32bに、例えば、エポキシ系の接着剤を介して接着され、フェライト・磁石組立体30を形成している。永久磁石41の主面はフェライト32の主面32a,32bと同一寸法であり、互いの外形が一致するようにそれぞれの主面どうしを対向させて配置されている。
回路基板20は、複数枚の誘電体シート上に所定の電極を形成して積層し、焼結した積層型基板であり、その内部には、等価回路である図2に示すように、整合用コンデンサC1,C2,Cs1,Cs2,CA、終端抵抗Rが内蔵されている。また、上面には端子電極25a,25b,25cが、下面には外部接続用端子電極26,27,28がそれぞれ形成されている。
(中心電極の第1例、図4参照)
第1及び第2中心電極35,36に関して、第1例については図4に示し、第2例については図5に示す。まず、第1例に関して説明すると、図4に示すように、第1中心電極35は、導体膜35a,35bからなり、該導体膜35a,35bはフェライト32の上面32cに形成された電極35cにて電気的に接続されている。第2中心電極36は、導体膜36a〜36hからなり、該導体膜36a〜36hはフェライト32の上下面32c,32dに形成された電極36i〜36pにて電気的に接続されている。
即ち、フェライト32の第1主面32aにおいては、該第1主面32a上に第2中心電極36の導体膜36b,36d,36f,36hが垂直方向に形成され、その上に絶縁膜37を介して第1中心電極35の導体膜35aが導体膜36b,36d,36f,36hと絶縁状態で所定の角度で交差して形成されている。フェライト32の第2主面32bにおいては、該第2主面32b上に第1中心電極35の導体膜35bがほぼ水平方向に形成され、その上に絶縁膜38を介して第2中心電極36の導体膜36a,36c,36e,36gが導体膜35bと絶縁状態で所定の角度で交差して形成されている。
第1及び第2中心電極35,36や各種電極は銀や銀合金の厚膜又は薄膜として印刷、転写、フォトリソグラフなどの工法で形成することができる。絶縁膜37,38としてはガラスやアルミナなどの誘電体厚膜、ポリイミドなどの樹脂膜などを用いることができる。これらも印刷、転写、フォトリソグラフなどの工法で形成することができる。
本実施例において第2中心電極36はフェライト32に螺旋状に4ターン巻回されている。ここで、ターン数とは、中心電極36が第1又は第2主面32a,32bをそれぞれ1回横断した状態を0.5ターンとして計算している。そして、中心電極35,36の交差角は必要に応じて設定され、入力インピーダンスや挿入損失が調整されることになる。
また、電極35c〜35e,36i〜36pは、図3に示すように、フェライト32の上下面32c,32dに形成された凹部39に銀、銀合金、銅、銅合金などの電極用導体を塗布又は充填して形成されている。この種の電極は、例えば、マザーフェライト基板に予めスルーホールを形成し、このスルーホールを電極用導体で充填した後、スルーホールを分断する位置でカットすることによって形成される。なお、電極は凹部39に導体膜として形成したものであってもよい。
(中心電極の第2例、図5参照)
次に、第1及び第2中心電極35,36の第2例に関して、前記第1例との相違点について説明すると、図5に示すように、フェライト32の第1主面32aにおいては、該第1主面32a上に第1中心電極35の導体膜35aがほぼ水平方向に形成され、その上に絶縁膜37を介して第2中心電極36の導体膜36b,36d,36f,36hが絶縁状態で垂直方向に形成されている。フェライト32の第2主面32bにおいては、該第2主面32b上に第2中心電極36の導体膜36a,36c,36e,36gが所定の角度で形成され、その上に絶縁膜38を介して第1中心電極35の導体膜35bが導体膜36a,36c,36e,36gと絶縁状態で所定の角度で交差して形成されている。
前記第1例及び第2例において、整合用回路素子と第1及び第2中心電極35,36との接続関係は、図2の等価回路に示すとおりである。即ち、回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極26が入力ポートP1として機能し、この端子電極26は整合用コンデンサCs1を介して整合用コンデンサC1と終端抵抗Rとに接続されている。また、この電極26は回路基板20の上面に形成された端子電極25a及びフェライト32の下面32dに形成された電極(A端子)35dを介して第1中心電極35(導体膜35a)の一端に接続されている。
第1中心電極35(導体膜35b)の他端及び第2中心電極36(導体膜36a)の一端は、フェライト32の下面32dに形成された電極(B端子)35e及び回路基板20の上面に形成された端子電極25bを介して終端抵抗R及びコンデンサC1,C2に接続され、かつ、コンデンサCs2を介して回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極27に接続されている。この電極27が出力ポートP2として機能する。
第2中心電極36(導体膜36h)の他端は、フェライト32の下面32dに形成された電極36l及び回路基板20の上面に形成された端子電極25cを介してコンデンサC2及び回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極28と接続されている。この電極28はグランドポートP3として機能する。また、A端子とグランドポートP3との間にはコンデンサCAが接続されている。
前記フェライト・磁石組立体30は、回路基板20上に載置され、フェライト32の下面32dの各種電極が回路基板20上の端子電極25a,25b,25cとリフローはんだ付けされて一体化されるとともに、永久磁石41の下面が回路基板20上に接着剤にて一体化される。
以上の構成からなる2ポート型アイソレータにおいては、第1中心電極35の一端が入力ポートP1に接続され、他端が出力ポートP2に接続され、第2中心電極36の一端が出力ポートP2に接続され、他端がグランドポートP3に接続されているため、挿入損失の小さな2ポート型の集中定数型アイソレータとすることができる。さらに、動作時において、第2中心電極36に大きな高周波電流が流れ、第1中心電極35にはほとんど高周波電流が流れない。従って、第1中心電極35及び第2中心電極36によって生じる高周波磁界の方向は第2中心電極36の配置によって決まる。高周波磁界の方向が決まることにより、挿入損失をより低下させる対策が容易になる。
ここで、コンデンサC1は第1中心電極35(L1)とともに並列共振回路を構成し、コンデンサC2は第2中心電極36(L2)とともに並列共振回路を構成し、それらの共振周波数がアイソレータの動作周波数に一致するように容量値を調整する。コンデンサCs1は入力インピーダンスの虚部を整合させ、コンデンサCs2は出力インピーダンスの虚部を整合させる。なお、コンデンサCs1,Cs2は省略してもよい。コンデンサCAは中心電極35,36の交差角度とともに入力インピーダンスの実部を整合させる。
本アイソレータにおいて、フェライト・磁石組立体30は、フェライト32と一対の永久磁石41が接着剤で一体化されていることで、機械的に安定となり、振動や衝撃で変形・破損しない堅牢なアイソレータとなる。
ところで、本アイソレータにおいて、入力インピーダンスのマッチングをとり、挿入損失を小さくするには、第1及び第2中心電極35,36を所定の交差角度θ1,θ2(図6及び図7参照)で交差させる必要がある。交差角度θ1,θ2と挿入損失との関係の一例を以下の表1に示す。
Figure 0004858542
挿入損失を最小にするための交差角度θ1,θ2は、コンデンサCAの整合容量値により変化する。この整合容量値が大きくなるほど交差角度θ1,θ2を小さくする必要がある。しかし、整合容量値CAを小さくするのは、回路基板20内でのキャパシタパターンにより0.1〜1.0pF程度の容量値が発生するので、現実的には限界がある。それゆえ、交差角度θ1,θ2を一定以上に小さくする必要がある。
800MHz帯で動作するアイソレータにおいて、整合容量値CAと交差角度θ1,θ2の最適値との関係を以下の表2に示す。実際には、動作周波数でも交差角度θ1,θ2の最適値は変化し、動作周波数が高いほど、交差角度θ1,θ2の最適値は小さくなる傾向にある。
Figure 0004858542
そして、図10に示した先行例では、第2中心電極36の内側に第1中心電極35を配置しているため、図12で説明したように、ギャップG1〜G4を確保することと交差角度θ1,θ2を小さくすることの両立は困難であった。これに対して、前記第1例(図4参照)では、第1中心電極35の一端がフェライト32に設けた電極(A端子)35dに接続される第1主面32aにおいては、第2中心電極36の導体膜36b,36d,36f,36hを絶縁膜37を介して第1中心電極35の導体膜35aの内側に形成している。これにて、図12(A)に示したギャップG3,G4を小さくしても導体膜35aと電極35e,36pとが短絡するおそれはなく(図6参照)、交差角度θ1を小さくすることができ、入力インピーダンスのマッチングをとることができ、挿入損失が低下する。換言すれば、フェライト32の高さを大きくすることがなく、アイソレータの低背化を損なうことはない。
また、前記第2例(図5参照)では、第1中心電極35の他端及び第2中心電極36の一端がフェライト32に設けた電極(B端子)35eに接続される第2主面32bにおいては、第2中心電極36の導体膜36a,36c,36e,36gを絶縁膜38を介して第1中心電極35の導体膜35bの内側に形成している。これにて、図12(B)に示したギャップG1,G2を小さくしても導体膜35bと電極36p,36iとが短絡するおそれはなく(図7参照)、交差角度θ2を小さくすることができ、入力インピーダンスのマッチングをとることができ、挿入損失が低下する。換言すれば、フェライト32の高さを大きくすることがなく、アイソレータの低背化を損なうことはない。
図8に整合容量値CAと最適な交差角度θ1,θ2との関係を示し、短絡防止のために角度θ1を85°以下にできず、かつ、角度θ2を56°以下にできない場合、容量値CAは実現不可能な値になる。しかし、第1例によれば、角度θ1を85°より小さく、あるいは、第2例によれば、角度θ2を56°より小さくできるので、容量値CAが実現可能な値となり、挿入損失の小さなアイソレータを得ることができる。
なお、フェライト32の第1及び第2主面32a,32bともに、第2中心電極36を第1中心電極35の内側に形成した場合、第1及び第2主面32a,32bのいずれにおいても第1中心電極35の導体膜35a,35bの設計の自由度が大きくなり、入力インピーダンスのマッチングを容易にとれる利点を有する。しかし、第2中心電極36の巻回径が小さくなってそのQ値が小さくなり、挿入損失が大きくなるので、好ましいものではない。
フェライト32の第1及び第2主面32a,32bともに、第2中心電極36を第1中心電極35の内側に形成した場合(比較例)と、本発明との挿入損失の比較を図9に示す。図9において、特性曲線Aが本発明(第1例及び第2例)を示し、特性曲線Bが比較例を示す。具体的には、824〜849MHz帯域内での挿入損失の最悪値は本発明では0.47dBであり、比較例では0.53dBである。
ここで、前記第1例及び第2例を比較すると、第1例では、第1中心電極35の比較的長くてインダクタンスの大きい導体膜35aの交差角度θ1が小さくなるため、挿入損失の低下に寄与する効果が大きく、入力インピーダンスとのマッチングがとりやすくなり、低背化、小型化及び高周波対策に有利である。
また、本アイソレータにおいて、回路基板20は多層誘電体基板である。これにて、内部にコンデンサや抵抗などの回路網を内蔵することができ、アイソレータの小型化、薄型化が達成でき、回路素子間の接続が基板内で行われるために信頼性の向上が期待できる。勿論、回路基板20は必ずしも多層である必要はなく、単層であってもよく、整合用コンデンサなどをチップタイプとして外付けしてもよい。
(他の実施例)
なお、本発明に係る非可逆回路素子は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、永久磁石41のN極とS極を反転させれば、入力ポートP1と出力ポートP2が入れ替わる。また、第1及び第2中心電極35,36の形状は種々に変更することができる。例えば、第1中心電極35はフェライト32の主面32a,32b上で2本に分岐したものであってもよい。また、第2中心電極36は1ターン以上巻回されていればよい。
以上のように、本発明は、非可逆回路素子に有用であり、特に、高背化、大型化を招くことなく、中心電極の交差角度を小さくして挿入損失の低下を図ることができる点で優れている。

Claims (3)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加される直方体形状のフェライトと、
    前記フェライトの長辺を含む第1及び第2主面にほぼ対角線上にかつほぼ平行に配置された導体膜からなり、一端が入力ポートに電気的に接続され、他端が出力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
    第1中心電極と電気的に絶縁状態で交差して前記フェライトの第1及び第2主面に短辺方向に巻回状態で配置された導体膜からなり、一端が出力ポートに電気的に接続され、他端がグランドポートに電気的に接続された第2中心電極と、
    入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された第1整合容量と、
    出力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第2整合容量と、
    入力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第3整合容量と、
    入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された抵抗と、
    表面に端子電極が形成された回路基板と、を備え、
    フェライトと永久磁石は、フェライトの第1主面側及び第2主面側から一対の永久磁石によって挟着されたフェライト・磁石組立体を構成し、
    前記フェライト・磁石組立体は、前記回路基板上に、前記第1及び第2主面が該回路基板の表面に対して垂直方向に配置され、
    第1中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第1主面においては、該第1主面上に第2中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成され、
    第1中心電極の他端及び第2中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第2主面においては、該第2主面上に第1中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第2中心電極の導体膜が形成されていること、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 永久磁石と、
    前記永久磁石により直流磁界が印加される直方体形状のフェライトと、
    前記フェライトの長辺を含む第1及び第2主面にほぼ対角線上にかつほぼ平行に配置された導体膜からなり、一端が入力ポートに電気的に接続され、他端が出力ポートに電気的に接続された第1中心電極と、
    第1中心電極と電気的に絶縁状態で交差して前記フェライトの第1及び第2主面に短辺方向に巻回状態で配置された導体膜からなり、一端が出力ポートに電気的に接続され、他端がグランドポートに電気的に接続された第2中心電極と、
    入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された第1整合容量と、
    出力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第2整合容量と、
    入力ポートとグランドポートとの間に電気的に接続された第3整合容量と、
    入力ポートと出力ポートとの間に電気的に接続された抵抗と、
    表面に端子電極が形成された回路基板と、を備え、
    フェライトと永久磁石は、フェライトの第1主面側及び第2主面側から一対の永久磁石によって挟着されたフェライト・磁石組立体を構成し、
    前記フェライト・磁石組立体は、前記回路基板上に、前記第1及び第2主面が該回路基板の表面に対して垂直方向に配置され、
    第1中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第1主面においては、該第1主面上に第1中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第2中心電極の導体膜が形成され、
    第1中心電極の他端及び第2中心電極の一端がフェライトに設けた接続用電極に接続される前記第2主面においては、該第2主面上に第2中心電極の導体膜が形成され、その上に絶縁膜を介して第1中心電極の導体膜が形成されていること、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  3. 前記フェライトの前記第1及び第2主面と直交する上面及び下面には該第1及び第2主面に臨む凹部が形成され、該凹部には導体が設けられ、
    前記第1及び第2主面に設けた第1中心電極の導体膜は前記フェライトの上面の凹部に設けた導体を介して電気的に接続され、
    前記第1及び第2主面に設けた第2中心電極の導体膜は前記フェライトの上下面の凹部に設けた導体を介して電気的に接続されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
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