JP4929488B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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    • H01P1/383Junction circulators, e.g. Y-circulators
    • H01P1/387Strip line circulators

Description

本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子に関する。
従来より、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有している。この特性を利用して、例えば、アイソレータは、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
この種の非可逆回路素子では、中心電極を設けたフェライトとそれに直流磁界を印加する永久磁石とからなる組立体を搭載しており、電気的特性の向上や小型化、特に低背化が要請されている。
特許文献1には、第1中心電極及び第2中心電極を設けたフェライトと永久磁石を、それぞれ矩形状で同一寸法とされた表裏二つの主面を有する形状とし、互いの外形が一致するように主面どうしを対向させて配置した非可逆回路素子が記載されている。
しかしながら、図13(A)に示すように、フェライト32と永久磁石41のそれぞれの主面の外形が同じ場合、端部には漏れ磁束φ3が生じるため、中央部分の磁束φ1に対して端部の磁束φ2が小さくなる。これでは、フェライト32の主面に印加される磁束密度が不均一になり、挿入損失が低下するという問題点を有している。
これを改善するためには、図13(B)に示すように、永久磁石41の外形を大きくすることが考えられる。この場合、漏れ磁束φ3が生じたとしても、フェライト32の端部に印加される磁束φ2は中央部分の磁束φ1とほぼ同等になる。しかし、この改善策では、永久磁石41が大きくなるため、非可逆回路素子の大型化を招来し、特に低背化が大きく損なわれる。
国際公開第2007/046299号パンフレット
そこで、本発明の目的は、低背化を損なうことなくフェライトに対して必要部分に均一な密度で直流磁界を印加でき、挿入損失の向上を図ることのできる非可逆回路素子を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の一形態である非可逆回路素子は、
永久磁石と、
対向する二つの主面を有する直方体の板状をなし、前記永久磁石により該主面を貫通する直流磁界が印加されるフェライトと、
互いに電気的に絶縁状態で交差して前記フェライトに配置された第1中心電極及び第2中心電極と、を備え、
前記フェライトと前記永久磁石は、該フェライトの主面に永久磁石を対向配置したフェライト・磁石組立体を構成し、
前記第1中心電極及び前記第2中心電極は、前記フェライトの主面に配置されるとともに、該主面と直交する長辺に位置する側面に設けた中継用電極を介してフェライトに巻回されており、
前記永久磁石は、前記フェライトの主面と同一形状で平坦な第1の主面と、該第1の主面とは対向する側に位置し、前記中継用電極と対向する部分が他の部分よりも厚く形成されている第2の主面とを有し、前記第1の主面が前記フェライトの主面に対向配置されていること、
を特徴とする。
前記非可逆回路素子において、フェライトを挟み込んでいる永久磁石は、該フェライトの主面と同一形状で平坦な第1の主面を有し、かつ、該第1の主面とは対向する側に位置する第2の主面においてフェライトに形成された第1及び第2中心電極の中継用電極と対向する部分(フェライトの主面と直交する長辺に位置する側面)が他の部分よりも厚く形成されているため、フェライトの端部において磁束が大きく発生し、漏れ磁束が生じたとしてもフェライトの中央部分とほぼ同等の磁束密度で直流磁界が印加される。それゆえ、非可逆回路素子の低背化を損なうことなくフェライトに対して必要部分に均一な密度で直流磁界を印加でき、挿入損失が向上する。
本発明によれば、永久磁石は、フェライトの主面と同一形状の主面を有し、かつ、フェライトに形成された中継用電極と対向する部分が他の部分よりも厚く形成されているため、低背化を損なうことなくフェライトに対して必要部分に均一な密度で直流磁界を印加でき、挿入損失の向上を図ることができる。
本発明に係る非可逆回路素子(2ポート型アイソレータ)の一実施例を示す分解斜視図である。 中心電極付きフェライトを示す斜視図である。 電極を形成する前の前記フェライトを示す斜視図である。 フェライト・磁石組立体を示す分解斜視図である。 2ポート型アイソレータの第1回路例を示す等価回路図である。 2ポート型アイソレータの第2回路例を示す等価回路図である。 フェライトに印加する直流磁界分布の3種のモデルを示す説明図である。 前記3種のモデルにおける挿入損失特性を示すグラフである。 (A)は本実施例におけるフェライトの内部磁束密度分布を示すためのモデルの斜視図、(B)は密度分布を示すチャート図である。 (A)は比較例におけるフェライトの内部磁束密度分布を示すためのモデルの斜視図、(B)は密度分布を示すチャート図である。 永久磁石の他の形態を示す分解斜視図である。 永久磁石のさらに他の形態を示す分解斜視図である。 永久磁石の厚みを示す説明図であり、(A)は従来例、(B)は比較例、(C)は本発明例を示す。
符号の説明
10…平板状ヨーク
20…回路基板
30…フェライト・磁石組立体
32…フェライト
32a,32b…主面
35…第1中心電極
36…第2中心電極
41…永久磁石
41a…主面
42…凹部
P1…入力ポート
P2…出力ポート
P3…グランドポート
以下、本発明に係る非可逆回路素子の実施例について添付図面を参照して説明する。
本発明に係る非可逆回路素子の一実施例である2ポート型アイソレータの分解斜視図を図1に示す。この2ポート型アイソレータは、集中定数型アイソレータであり、概略、平板状ヨーク10と、回路基板20と、フェライト32と一対の永久磁石41とからなるフェライト・磁石組立体30とで構成されている。なお、図1において、斜線を付した部分は導電体である。
フェライト32には、図2に示すように、表裏の主面32a,32bに、互いに電気的に絶縁された第1中心電極35及び第2中心電極36が形成されている。ここで、フェライト32は互いに平行な第1主面32a及び第2主面32bを有する直方体形状をなし、主面32a,32bと直交する上面32c、下面32d及び端面32e,32fを有している。
また、永久磁石41はフェライト32の主面32a,32bに対して磁界を該主面32a,32bに略垂直方向に印加するように主面32a,32bに、例えば、エポキシ系の接着剤45を介して接着され(図4参照)、フェライト・磁石組立体30を形成している。永久磁石41の主面41aは前記フェライト32の主面32a,32bと同一寸法であり、互いの外形が一致するように主面32a,41a、主面32b,41aどうしを対向させて配置されている。
図2に示すように、第1中心電極35はフェライト32の第1主面32aにおいて右下から立ち上がって2本に分岐した状態で左上に長辺に対して比較的小さな角度で傾斜して形成され、左上方に立ち上がり、上面32c上の中継用電極35aを介して第2主面32bに回り込み、第2主面32bにおいて第1主面32aと透視状態で重なるように2本に分岐した状態で形成され、その一端は下面32dに形成された接続用電極35bに接続されている。また、第1中心電極35の他端は下面32dに形成された接続用電極35cに接続されている。このように、第1中心電極35はフェライト32に1ターン巻回されている。そして、第1中心電極35と以下に説明する第2中心電極36とは、間に絶縁膜が形成されて互いに絶縁された状態で交差している。
第2中心電極36は、まず、0.5ターン目36aが第1主面32aにおいて右下から左上に長辺に対して比較的大きな角度で傾斜して第1中心電極35と交差した状態で形成され、上面32c上の中継用電極36bを介して第2主面32bに回り込み、この1ターン目36cが第2主面32bにおいてほぼ垂直に第1中心電極35と交差した状態で形成されている。1ターン目36cの下端部は下面32dの中継用電極36dを介して第1主面32aに回り込み、この1.5ターン目36eが第1主面32aにおいて0.5ターン目36aと平行に第1中心電極35と交差した状態で形成され、上面32c上の中継用電極36fを介して第2主面32bに回り込んでいる。以下同様に、2ターン目36g、中継用電極36h、2.5ターン目36i、中継用電極36j、3ターン目36k、中継用電極36l、3.5ターン目36m、中継用電極36n、4ターン目36o、がフェライト32の表面にそれぞれ形成されている。また、第2中心電極36の両端は、それぞれフェライト32の下面32dに形成された接続用電極35c,36pに接続されている。なお、接続用電極35cは第1中心電極35及び第2中心電極36のそれぞれの端部の接続用電極として共用されている。
即ち、第2中心電極36はフェライト32に螺旋状に4ターン巻回されていることになる。ここで、ターン数とは、第2中心電極36が第1又は第2主面32a,32bをそれぞれ1回横断した状態を0.5ターンとして計算している。そして、中心電極35,36の交差角は必要に応じて設定され、入力インピーダンスや挿入損失が調整されることになる。
また、接続用電極35b,35c,36pや中継用電極35a,36b,36d,36f,36h,36j,36l,36nはフェライト32の上下面32c,32dに形成された凹部37(図3参照)に銀、銀合金、銅、銅合金などの電極用導体を塗布又は充填して形成されている。また、上下面32c,32dには各種電極と平行にダミー凹部38も形成され、かつ、ダミー電極39a,39b,39cが形成されている。この種の電極は、マザーフェライト基板に予めスルーホールを形成し、このスルーホールを電極用導体で充填した後、スルーホールを分断する位置でカットすることによって形成される。なお、各種電極は凹部37,38に導体膜として形成したものであってもよい。
フェライト32としてはYIGフェライトなどが用いられている。第1及び第2中心電極35,36や各種電極は銀や銀合金の厚膜又は薄膜として印刷、転写、フォトリソグラフなどの工法で形成することができる。中心電極35,36の絶縁膜としてはガラスやアルミナなどの誘電体厚膜、ポリイミドなどの樹脂膜などを用いることができる。これらも印刷、転写、フォトリソグラフなどの工法で形成することができる。
永久磁石41は、通常、ストロンチウム系、バリウム系、ランタン−コバルト系のフェライトマグネットが用いられる。永久磁石41とフェライト32とを接着する接着剤45としては、一液性の熱硬化型エポキシ接着剤を用いることが最適である。
本実施例において、永久磁石41の主面41aはフェライト32の主面32a,32bと同一形状であり、前記中継用電極35a,36b,36d,36f,36h,36j,36l,36nと対向する部分、即ち、フェライト32の上辺部分及び下辺部分に対向する部分が他の部分よりも厚く形成されている。具体的には、図4に示すように、永久磁石41の主面41aとは反対側の面に断面形状が階段状をなす凹部42が切削加工やプレス加工にて形成されている。なお、永久磁石41の厚みを変化させることによる作用効果は後に詳述する。
回路基板20は、複数枚の誘電体シート上に所定の電極を形成して積層し、焼結した積層型基板であり、その内部には、等価回路である図5及び図6に示すように、整合用コンデンサC1,C2,Cs1,Cs2,Cp1,Cp2、終端抵抗Rが内蔵されている。また、上面には端子電極25a,25b,25cが、下面には外部接続用端子電極26,27,28がそれぞれ形成されている。
これらの整合用回路素子と前記第1及び第2中心電極35,36との接続関係は、例えば、第1回路例である図5及び第2回路例である図6に示すとおりである。ここで、図6に示す第2回路例に基づいて接続関係を説明する。
回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極26が入力ポートP1として機能し、この端子電極26は整合用コンデンサCs1を介して整合用コンデンサC1と終端抵抗Rとに接続されている。また、この電極26は回路基板20の上面に形成された端子電極25a及びフェライト32の下面32dに形成された接続用電極35bを介して第1中心電極35の一端に接続されている。
第1中心電極35の他端及び第2中心電極36の一端は、フェライト32の下面32dに形成された接続用電極35c及び回路基板20の上面に形成された端子電極25bを介して終端抵抗R及びコンデンサC1,C2に接続され、かつ、コンデンサCs2を介して回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極27に接続されている。この電極27が出力ポートP2として機能する。
第2中心電極36の他端は、フェライト32の下面32dに形成された接続用電極36p及び回路基板20の上面に形成された端子電極25cを介してコンデンサC2及び回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極28と接続されている。この電極28はグランドポートP3として機能する。
また、入力ポートP1とコンデンサCs1の接続点には接地されたインピーダンス調整用のコンデンサCp1が接続されている。同様に、出力ポートP2とコンデンサCs2との接続点にも接地されたインピーダンス調整用のコンデンサCp2が接続されている。
前記フェライト・磁石組立体30は、回路基板20上に載置され、フェライト32の下面32dの各種電極が回路基板20上の端子電極25a,25b,25cとリフローはんだにて一体化されるとともに、永久磁石41の下面が回路基板20上に接着剤にて一体化される。また、フェライト・磁石組立体30の周囲には図示しない樹脂材が充填される。
平板状ヨーク10は、電磁シールド機能を有するもので、前記フェライト・磁石組立体30の上面に誘電体層(接着剤層)15を介して固定されている。平板状ヨーク10の機能は、フェライト・磁石組立体30から磁気の漏れ、高周波電磁界の漏れを抑えること、外部からの磁気の影響を抑えること、本アイソレータをチップマウンタを用いて図示しない基板に搭載する際に、バキュームノズルでピックアップする場所を提供することである。なお、平板状ヨーク10は必ずしも接地されている必要はないが、はんだ付けや導電性接着剤などで接地してもよく、接地すると高周波シールドの効果が向上する。
ところで、以上の構成からなる2ポート型アイソレータにおいては、第1中心電極35の一端が入力ポートP1に接続され他端が出力ポートP2に接続され、第2中心電極36の一端が出力ポートP2に接続され他端がグランドポートP3に接続されているため、挿入損失の小さな2ポート型の集中定数型アイソレータとすることができる。さらに、動作時において、第2中心電極36に大きな高周波電流が流れ、第1中心電極35にはほとんど高周波電流が流れない。従って、第1中心電極35及び第2中心電極36によって生じる高周波磁界の方向は第2中心電極36の配置によってその方向が決まる。高周波磁界の方向が決まることにより、挿入損失をより低下させる対策が容易になる。
ここで、永久磁石41によりフェライト32に印加される直流磁界の分布と挿入損失との関係について発明者のシミュレーションに基づいて説明する。図7(A)に示すように、フェライト32の全面に25000A/mの磁界を印加した場合、図8に実線Aで示す良好な挿入損失特性が得られる。一方、図7(B)に示すように、フェライト32の短辺方向の中央部分に25000A/mの磁界を印加し、上下端部に20000A/mの磁界を印加した場合(図13(A)に示す従来例に相当する)、図8に長破線Bで示す挿入損失特性になり、特性は低下してしまう。
一方、本実施例では、図13(C)に示すように、永久磁石41の上下端部を厚く形成しているため、フェライト32の上下端部において大きな磁束が発生し、漏れ磁束φ3が発生したとしても、上下端部での磁束φ2は中央部分の磁束φ1と同じ大きさが得られる。但し、長辺方向の両端部においては、磁束の漏れにより磁界強度は低下する。本実施例での磁界分布は、図7(C)に示すように、中央部分に上下端部を含めて25000A/m、長辺方向の両端部に20000A/mを印加したモデルに相当する。その挿入損失特性は図8に破線Cで示すとおりであり、フェライト32の全面に25000A/mの磁界を印加した場合(実線A参照)とほとんど変わらない。
この種のフェライト・磁石組立体30において、高周波磁界は第2中心電極36を並置した方向とは直交する方向(フェライト32の短辺方向)に集中している。それゆえ、フェライト32の短辺方向には均一で必要な強度(例えば、25000A/m)の直流磁界を印加しないと挿入損失特性が低下する。
図7(B)に示したモデルの挿入損失特性(従来例、図8の長破線B参照)が低下するのは、フェライト32の上下端部に位置する電極に作用する磁束が減少することに起因すると考えられる。一方、図7(C)に示したモデルの挿入損失特性(本実施例、図8の破線C参照)が、図7(A)に示したモデルの挿入損失特性(理想例、図8の実線A参照)に比べて僅かに劣化しているだけなのは、電極が設けられていないフェライト32の長辺方向両端部の高周波磁界が大きくないことに起因すると考えられる。つまり、フェライト32の長辺方向両端部の直流磁界変化はアイソレータの特性にあまり影響しない。
即ち、本実施例においては、フェライト32に対して必要部分に均一な密度で直流磁界を印加でき、図13(B)に示すように永久磁石41の背を高くすることなく、それとほぼ同等の挿入損失特性を得ることができる。しかも、図13(A)に示す従来例と比較すると、挿入損失が向上することになる。
また、本実施例では、図9(A)に示すように、永久磁石41の平坦な主面をフェライト32の主面に対向させて配置し、凹部42を形成した面を外側に配置している。このような配置におけるフェライト32の内部の磁束密度分布を図9(B)に示す。これに対して、図10(A)に示すように、永久磁石41の平坦な主面を外側に配置し、凹部42を形成した面をフェライトの主面に対向させて配置した場合におけるフェライト32の内部の磁束密度分布を図10(B)に示す。なお、図9(B)及び図10(B)は図9(A)及び図10(A)に点線部分で示すフェライト32の中央断面での密度分布を示している。
永久磁石41の凹部42を形成した面をフェライト32の主面に対向させた場合、磁石−フェライト間に空気層が介在するため、磁界密度分布が乱れる(図10(B)参照)。これに対して、永久磁石41の平坦な主面をフェライト32の主面に対向させた場合は、図10(B)に示した分布よりも均一な磁界密度分布となる(図9(B)参照)。
さらに、本実施例では、フェライト・磁石組立体30の直上に誘電体層15を介して平板状ヨーク10が配置されているため、従来の軟鉄製の環状あるいは箱形状のヨークは不要であり、平板状ヨーク10は製作や取扱いが容易であり、全体としてコストダウンを図ることができる。また、ヨーク10は回路基板20とは機械的に接合されていないので、熱ストレスによる回路基板20の損傷がなく、信頼性が向上する。
また、フェライト・磁石組立体30の周囲を囲むヨークが存在しないので、アイソレータの外形が小型化され、あるいは、フェライト・磁石組立体30の外形を大きくすることができるので電気特性が向上する。特に、第1及び第2中心電極35,36を大きくするとインダクタンス値やQ値が大きくなる。
さらに、フェライト・磁石組立体30は、フェライト32と一対の永久磁石41が接着剤45で一体化されていることで、機械的に安定となり、振動や衝撃で変形・破損しない堅牢なアイソレータとなる。また、フェライト・磁石組立体30は回路基板20上にフェライト32の主面32a,32bを垂直方向に配置しているため、永久磁石41の厚みが大きくなってもアイソレータの低背化を損なうことはない。
本アイソレータにおいて、回路基板20は多層誘電体基板である。これにて、内部にコンデンサや抵抗などの回路網を内蔵することができ、アイソレータの小型化、薄型化が達成でき、回路素子間の接続が基板内で行われるために信頼性の向上が期待できる。勿論、回路基板20は必ずしも多層である必要はなく、単層であってもよく、整合用コンデンサなどをチップタイプとして外付けしてもよい。
なお、凹部42の断面は階段状以外に種々の形状としてもよい。例えば、図11に示すように断面が半円形状であってもよい。また、図12に示すように、上端から下端にかけて連続的に変化する断面円弧状であってもよい。
(実施例のまとめ)
前記非可逆回路素子において、第1中心電極は、一端が入力ポートに電気的に接続され、他端が出力ポートに電気的に接続され、第2中心電極は、一端が出力ポートに電気的に接続され、他端がグランドポートに電気的に接続され、入力ポートと出力ポートとの間には第1整合容量が電気的に接続され、出力ポートとグランドポートとの間には第2整合容量が電気的に接続され、入力ポートと出力ポートとの間には抵抗が電気的に接続されていること、が好ましい。これにて、挿入損失をより小さくした2ポート型の集中定数型アイソレータを得ることができる
また、第1中心電極及び第2中心電極は、互いに電気的に絶縁されて所定の角度で交差した状態で導体膜によってフェライトに形成されていることが好ましい。第1及び第2中心電極をフォトリソ法などの薄膜形成技術によって高精度に安定化して形成することができるからである。
また、フェライト・磁石組立体は、表面に端子電極が形成された回路基板上に、フェライトの主面が該回路基板の表面に対して垂直方向に配置されていてもよい。あるいは、フェライト・磁石組立体の上面に誘電体層を介して平板状ヨークが配置されていてもよい。これにて、非可逆回路素子をコンパクトに、かつ、永久磁石の厚みを大きくして第1及び第2中心電極の結合を大きくすることができる。
さらに、永久磁石は、平坦な主面と厚みが変化している面とを有し、平坦な主面をフェライトの主面に対向させて配置することが好ましい。永久磁石の平坦な主面がフェライトの主面に対向していることにより、フェライトに印加される磁束密度分布がより均一化される。
フェライトを挟み込んでいる一対の永久磁石は、フェライトを中心として対称形状をなしていることが好ましい。永久磁石の厚みは断面形状が階段状に変化していてもよく、あるいは、円弧状に変化していてもよい。
(他の実施例)
なお、本発明に係る非可逆回路素子は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、永久磁石41のN極とS極を反転させれば、入力ポートP1と出力ポートP2が入れ替わる。また、前記第1及び第2中心電極35,36の形状は種々に変更することができる。例えば、前記実施例では、第1中心電極35はフェライト32の主面32a,32b上で2本に分岐したものを示したが、分岐していなくてもよい。また、第2中心電極36は1ターン以上巻回されていればよい。
さらに、前記実施例では、左右一対の永久磁石41にそれぞれ凹部42を形成したものを示したが、いずれか一方の永久磁石41にのみ凹部42を形成してもよい。フェライト32の上面32c、下面32dに形成した複数の中継用電極は、図3に示した凹部37に形成されている必要はなく、平坦な上面32c、下面32d上に導体膜にて形成されていてもよい。
以上のように、本発明は、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子に有用であり、特に、低背化を損なうことなくフェライトに対して必要部分に均一な密度で直流磁界を印加でき、挿入損失の向上を図ることができる点で優れている。

Claims (8)

  1. 永久磁石と、
    対向する二つの主面を有する直方体の板状をなし、前記永久磁石により該主面を貫通する直流磁界が印加されるフェライトと、
    互いに電気的に絶縁状態で交差して前記フェライトに配置された第1中心電極及び第2中心電極と、を備え、
    前記フェライトと前記永久磁石は、該フェライトの主面に永久磁石を対向配置したフェライト・磁石組立体を構成し、
    前記第1中心電極及び前記第2中心電極は、前記フェライトの主面に配置されるとともに、該主面と直交する長辺に位置する側面に設けた中継用電極を介してフェライトに巻回されており、
    前記永久磁石は、前記フェライトの主面と同一形状で平坦な第1の主面と、該第1の主面とは対向する側に位置し、前記中継用電極と対向する部分が他の部分よりも厚く形成されている第2の主面とを有し、前記第1の主面が前記フェライトの主面に対向配置されていること、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記第1中心電極は、一端が入力ポートに電気的に接続され、他端が出力ポートに電気的に接続され、
    前記第2中心電極は、一端が出力ポートに電気的に接続され、他端がグランドポートに電気的に接続され、
    前記入力ポートと前記出力ポートとの間には第1整合容量が電気的に接続され、
    前記出力ポートと前記グランドポートとの間には第2整合容量が電気的に接続され、
    前記入力ポートと前記出力ポートとの間には抵抗が電気的に接続されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記第1中心電極及び前記第2中心電極は、互いに電気的に絶縁されて所定の角度で交差した状態で導体膜によって前記フェライトに形成されていること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記フェライト・磁石組立体は、表面に端子電極が形成された回路基板上に、フェライトの主面が該回路基板の表面に対して垂直方向に配置されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 前記フェライト・磁石組立体の上面に誘電体層を介して平板状ヨークが配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  6. 前記永久磁石の厚みは断面形状が階段状に変化していることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  7. 前記永久磁石の厚みは断面形状が円弧状に変化していることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  8. 前記フェライトを挟み込んでいる一対の永久磁石は、フェライトを中心として対称形状をなしていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の非可逆回路素子。
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