JP4269267B2 - 二中心導体型非可逆素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波用非可逆素子であるサーキュレータ・アイソレータ、特に挿入損失が小さい小型の二中心導体型非可逆素子の分野に関するものである。
現在の広く使われている高周波用非可逆素子であるアイソレータは、図20(a)に示すように、三中心導体型非可逆素子であるサーキュレータを基本にしている。3本の中心導体L1、L2、L3の一端は入出力端子となり、他端は共通部GRに接続されている。本回路図では共通部GRは地導体GNDと同じ電位に置かれている。アイソレータは、第3中心導体L3の一端に抵抗素子Rを接続して実現される。この構造は、図に示すように三つの中心導体L1、L2、L3がお互いに絶縁されてほぼ120度の角度で交差しているの特徴である。
これに対して、特許文献1、特許文献2には図20(b)(c)に示すような簡単な構造を有する二中心導体型非可逆素子であるアイソレータが提案されている。これらは、図に示すように、二つの中心導体L1、L2がフェライト薄板Gの上に直交して配された構造となっている。フェライト薄板Gの主面には垂直に静磁界が印加されているが、図面では省略してある。
また、従来技術において、フェライト薄板Gと静電容量素子C1、C2、C3と中心導体L1、L2、L3の概略の組立て状況は図19(a)(b)(c)の左図に示すとおりである。中図はA−A’の基準線に沿った断面図である。本図では、静電容量素子として、平板型コンデンサーを用いている。この平板コンデンサーは誘電体基板の平行な2つの主面に電極を形成したものであり、すなわち、左図で言えば、フェライト薄板Gの主面と平行な面が平板コンデンサーの一端電極であり、他端電極はその裏面となる。平板コンデンサーの他端電極は共通部GRに接続されている。
右図はフェライト薄板Gを取り除き中心導体を外側に展開した図である。三中心導体型でも二中心導体型でも、従来技術では、右図に示すようにフェライト薄板Gの裏面に配された面積の広い共通金属板Sに中心導体の他端が接続された構造となっている。共通金属板Sと中心導体は一体で構成されることが多い。このように従来技術では、中心導体は、フェライト薄板における一方の主面の一端から出発し他端で共通金属板Sを介して共通部GRに接続されるのが一般的であった。
ところが、このような構造では、三中心導体型非可逆素子の場合は、特に問題がなく良好な特性が得られるのに対し、二中心導体型非可逆素子では満足な特性を得ることが難しいという問題があった。これは主に、二つの中心導体間の結合度が満足でないために発生することが我々の研究で明らかになった。すなわち、三中心導体型非可逆素子の場合は、例え、中心導体間の結合が不完全であっても、それを補う自由度が多いので、挿入損失と逆方向損失を別々に調整が可能であったのに対し、二中心導体型非可逆素子の場合、これらを別々に調整することが困難であった。
例えば、図20(b)の場合、中心導体間の結合が不完全な状態で静電容量素子C1、C2を調整して、挿入損失を最適にしても、非可逆素子として逆方向損失を生じさせるために整合静電容量素子Cmと抵抗素子Rを接続すると挿入損失が著しく劣化するという現象を避けることができなかった。
この現象は、図20(c)の回路でも同様であった。すなわち、C1と抵抗素子Rのない状態で挿入損失を最適にしても、逆方向損失を得るためにC1と抵抗素子Rを付加すると挿入損失が劣化する。これは、二中心導体型非可逆素子では自由度が少ないため、二つの中心導体の結合度が小さくなった場合に、それらを補償する手段がなくなるからである。
さて、次に、なぜ結合が弱くなるかを考えて見たい。
図18(a)(b)は、従来技術の図19(b)(c)に相当して、入力端子1から電流を流した場合にどのように入力側の地導体GNDに戻ってくるかを模式的に示した電流経路図である。左図は、組み立て状態で上面から見た図、右図は中心導体、フェライト薄板を取り外し、共通部GRでの電流の流れを示す。
図18(a)では、端子1から進入した電流は、矢印で図示した様に第1中心導体L1の平行二線路を流れ、フェライト薄板Gの他端a、bに達する。この電流は共通部GRに流れるが、共通部GRそのものは広い一枚の導体(共通金属板S)であり、これは入力側の地導体GNDとつながっている。従って、電流は図に太い矢印で示すように共通部GRに幅広く分散した状態で、入力側の地導体に流れ込む。このように電流が面電流となり、第2中心導体L2と所定の角度で交差する電流成分が減少する。これが二つの中心導体L1、L2の結合度を大きく低下させている原因である。
さらに、中心導体L1と静電容量素子C1の並列共振回路を考えると、従来技術の広く分散した面電流経路は、並列共振回路の共振電流との結合も劣化させていると考えられる。このことは、図18(b)の回路でも言える。特にこの場合は、静電容量素子C2と中心導体L2による共振電流と、端子1から流れ込む電流の結合が一層弱くなる。これは、ひとえに従来技術における中心導体の共通部GRへの接続が、フェライト薄板Gの他端a、bのみで生じているためである。
USP4,016,510 特開平9−232818号
以上詳述したように、従来技術の構造では、共通部GRに流れる帰還電流が分散するため、二つの中心導体の結合度を向上させることができない。その結果として、挿入損失が小さくかつ小型の二中心導体型非可逆素子を実現することは困難であった。
本発明は、上記従来技術の状況を鑑みてなされたもので、挿入損失が小さくかつ逆方向損失大きい小型の二中心導体型非可逆素子を提供することを目的としている。
第1の発明は、フェライト薄板と、前記フェライト薄板に巻回する第1中心導体及び第2中心導体と、前記第1中心導体及び第2中心導体が接続する共通部と、前記前記第1中心導体及び/又は第2中心導体と前記共通部との間に配置される静電容量素子と、前記フェライト薄板に静磁界を印加する永久磁石を有し、前記第1中心導体と第2中心導体は、前記フェライト薄板の第1主面及び第2主面において互いに電気的に絶縁状態で交差するように巻回され、前記中心導体の両端部に、前記中心導体と並列接続される静電容量素子の端子部を接続し、前記第1中心導体と第2中心導体を2つの主面側で交差するようにし、その交差角度が第1主面と第2主面で異なるようにした二中心導体型非可逆素子である。
また、第1中心導体と第2中心導体の少なくとも一方の中心導体を複数に分割した導体線路とし、前記導体線路の一部が互いに連接して部分的に合体させても良い。
また、前記共通部をフェライト薄板の第2主面側に対向するように配置して、前記主面側の中心導体と前記共通部の間に20μm〜1000μmの厚みの絶縁体を設けるのが好ましい。
第1の発明において、前記第1中心導体の両端部に接続する第1の静電容量素子と第2中心導体の両端部に接続する第2の静電容量素子を有し、前記第1の静電容量素子と第2の静電容量素子とを一体の誘電構造体で構成するのが好ましい。また、前記第1中心導体の一端と前記第2中心導体の一端の間に、整合静電容量素子もしくは整合インダクタンス素子及び抵抗素子を配置し、前記整合静電容量素子、整合インダクタンス素子、抵抗素子の少なくとも一つの素子を前記誘電構造体に搭載あるいは内蔵するのも好ましい。そして前記一体の誘電構造体が積層体として構成するのがより好ましい。
本発明の二中心導体型非可逆素子は、容易に挿入損失が小さくかつ高い逆方向損失を得ることが出来るものである。
最初に本発明の原理について述べる。
従来技術では、図18に示しように、入力端子1から進入した電流が地導体GNDを通して還流する場合、中心導体の他端側から大きく広がって流れるという不都合があった。これに対して、本発明では、一つの中心導体に着目した場合、図3に示すように、第1主面に配置された中心導体はフェライト薄板Gの他端でコの字状に屈曲し、フェライト薄板Gの第2主面を経て、フェライト薄板Gの第2主面の一端に戻る構造を採用する。すなわち、中心導体で1回巻きのコイルを形成する。さらに、この中心導体の一端Luと他端Lbの間に、静電容量素子の一端電極Cuと他端電極Cbが接続されるように挿入されている。また、中心導体他端LbのCbに接しない面は共通部GRに接続されている。図の左図は上面図、中図は断面図、右図は裏面図を示す。このように、共通部GRに静電容量素子の他端電極Cbと中心導体の他端Lbが同時に接続されるのではなく、図のように重なりあい、中心導体の他端Lbが優先的に共通部に接続されるのが本発明のポイントである。
図3に示す電極構造は一見従来のループ電極と何ら変わることがないように見える。実際、その基本的な構造の原型は「特開平57−026912」に見ることができる。
図2(a)(b)(c)は、上記の公知例との違いを明確にするために示した中心導体Lと静電容量素子Cを接続するために等価回路図である。すなわち、図2(a)の従来の考え方は、静電容量素子の他端電極Cbと中心導体の他端Lbは別々に共通部GRに接続されることを特に意識していない。しかし、このような粗い接続方法では、三中心導体型非可逆素子ならば採用できても、二中心導体型非可逆素子では満足な結果が得られない。できるだけ寄生インダクタンスを小さくするために、図2(b)のように予め、両者を接続してから、共通部につなぐということも次善の策としてあるがこれでも十分ではない。
本発明では、図2(c)のように、積極的に静電容量素子を中心導体の一端と他端の間に挿入し、寄生インダクタンスをできるだけ低下させようとする試みである。
図1は本発明の技術を用いた場合の二中心導体型非可逆素子の分解図である。二つの中心導体は、フェライト薄板の中心近傍で交差する。お互いに電気的に接触しないように間に交差部分には絶縁体が設けられるが本図面では省略してある。
以上のような構造にすることにより、二中心導体型非可逆素子において、挿入損失が劣化しない、かつ逆方向損失が大きいアイソレータを実現できた。
以下本発明の実施の形態についてさらに添付図面に基づいて説明する。
図4(a)は、本発明に用いた一つの実施例である平行二線路の中心導体展開図である。点線がフェライト薄板の他端で屈曲される部分である。この構造では、屈曲する場合、平行二線路の線路間隔を一定に保つことは難しい。これを対策する目的で、図4(b)に示す中心導体では、屈曲部に線路間隔を保つための結合部Lcが設けられている。さらに外部構造体に屈曲部分を機械的に固定するためのタブLtを設けたものが図4(c)の中心導体である。
図5は、本発明の図4(c)の中心導体を二本直交させて、フェライト薄板Gと静電容量素子C1、C2を組み立てた部分の図である。左図は上面図、右図が裏面図である。
図6は、本発明の図4(c)の中心導体を用いて組み立てたフェライト薄板Gを誘電構造体Suの中に組み込んだ図である。誘電構造体Suの上面には、静電容量素子C1、C2を形成するための一端電極C1u、C2u及びタブ電極L1t、L2tを固定するためのランドPt1、Pt2が同時に印刷されている。誘電構造体Suの裏面は、略一面に形成されたベタ電極Cbとなっており、一端電極C1u、C2uに対応する他端電極を形成している。中心導体の他端L1b、L2bがこのベタ電極に上に接続されており、この中心導体の他端Lb1、Lb2が共通部GRに優先的に接続されるようになっている。もちろん、ベタ電極部分も共通部に接続されるが、Lb1、Lb2の方が最初に共通部に接続されるようになっている。
図7は、本発明の図5の組立体を、永久磁石Mgを内蔵する磁気ヨークYの中に入れて組み立てた状態の断面図である。図7(a)では、フェライト薄板Gの第2主面に近接する中心導体部分と共通部GRである磁気ヨーク内面との間の電気的絶縁を保つために絶縁物Zが挿入されている。同時に、中心導体の他端Lbを共通部に接続するための金属体DがLbとYの間に挿入されている。この絶縁物Zの厚みには最適値あった。すなわち、余り薄すぎると中心導体と共通部GR(Y)との静電容量が大きくなり、本発明の効果が薄れる。逆に、厚すぎるとアイソレータの小型化に反するだけでなく、寄生インダクタンスを発生させることになる。種々検討した結果、Zの厚みは20μm以下では低挿入損失と逆方向損失を両立させることが難しいことが分かった。また、1mm以上では寄生インダクタンスが増大し、これもまた特性を劣化させた。
図7(b)は本発明の他の実施例であり、前記金属体Dを取り除き、中心導体の他端Lbを屈曲させ共通部に接続させた構造である。本実施例では、中心電極の一端も静電容量素子Cの一端電極に接続させるために屈曲している。また、タブ電極のない屈曲部は、上下方向に固定されないので、図に示すように多孔質のフレキシブルな絶縁体Jを中心導体とフェライト薄板との中心導体組立体と永久磁石Mgとの間に挿入し、永久磁石で押さえつける構造とした。図7(c)は、図7(a)の絶縁体Zの代わりに他のフェライト薄板F1を用いた場合を示す。このときは、フェライト薄板F1は非可逆特性を向上させ、挿入損失と逆方向損失の帯域幅が広げることができた。F2はまた別のフェライト薄板である。これは、フェライト薄板Gに印加する磁界を強める磁気ヨークの作用と同時に、中心導体組立体が上下に動かないように固定する作用がある。
図8(a)(b)は、本発明の構造が、なぜ低挿入損失と高い逆方向損失が得られるかを説明するための図である。左図は上面図、右図は説明のためフェライト薄板Gと中心導体L1、L2を取り除き、第2主面側の中心導体L2を残した上面図である。
図中ABは中心導体の屈曲部を示す。図8(a)では、入力端子1から進入した電流はフェライト薄板Gの第1主面を中心導体L1の平行二線路に沿って流れ、屈曲部ABで方向を変えフェライト薄板Gの第2主面を同じように平行二線路に沿って流れる。そしてフェライト薄板Gの一端側で共通部GRに落ちる。この共通部GRに接続された点から電流は入力側の地導体GNDに流れるが、図のようにかなり集中した状態で戻る。この図から分かるように、第1中心導体L1と第2中心導体L2の結合は、中心導体の平行二線路に沿った電流によって主に生じる。他の電流の経路が少ないので、効率よくエネルギーがL1からL2に伝播されるようになる。
図8(b)では、入力端子1から進入した電流はフェライト薄板Gの第1主面を中心導体L1の平行二線路に沿って流れ、一度フェライト薄板Gの外に出た後、第2中心導体L2に沿って再びフェライト薄板Gの第1主面を流れ、屈曲部ABで方向を変えフェライト薄板Gの第2主面を同じように平行二線路に沿って流れる。そしてフェライト薄板Gの一端側で共通部GRに落ちる。この共通部に接続された点から電流は入力側の地導体GNDに流れるが、前の図と同じようにかなり集中した状態で戻る。本図と従来技術の電流経路図18を比較して分かるように、本発明の構造の方がいかに電流が集中して流れ、L1とL2の結合が向上するかが理解できるであろう。また、図8では明確に示さなかったが、静電容量C1、C2を流れる共振電流の部分と帰還電流の部分が重なっておりほぼ等しいことである。これからも1から進入したエネルギーが効率よく中心導体L2に供給されることが分かる。
図9(a)は本発明の他の実施例を示す。左図は上面図、中図は断面図、右図は裏面図である。これまでの実施例では、二つの中心導体の交差角度は90度であったが、本実施例では60度の交差角度である。また、フェライト薄板Gとしては、これまでの円板とは異なり、長方形の板状のものが用いられている。二中心導体型非可逆素子では交差角度が90度より、60度の方が挿入損失の帯域幅が広いものが得られる可能性がある。本実施例ではそれを採用している。また、誘電構造体Suとしては、図6とは異なり、フェライト薄板Gの片方の側(図では上方)に配されている。この誘電構造体Suは、低温焼成された積層セラミック基板よりなり、内部に静電容量素子C1、C2だけでなく、整合静電容量素子Cmも内蔵されている。また、抵抗素子Rも内蔵できるが、本実施例では、図示されていないが、Suの上にチップ抵抗を載せる構成とした。当然のことながら、Su上面に印刷により作成することもできる。
図9(b)は、本実施例に用いられた一つの中心導体の展開図である。図4の実施例では直線状であったが、今回の中心導体の展開された形状は「く」の字の形状である。長方形の形状に合わせて屈曲させるために考案された形状である。図9のような形状にすることにより、占積率の優れた、小型で高性能なアイソレータを実現できた。
図10は、図9に関連した本発明の他の実施例である。これまでの実施例では、二つの中心導体を別々に組み立てる必要があり、その位置合わせが必要であったが、図10では、二つの中心導体が一体物として構成されている。実際には、図中の点線に沿って左側に折り曲げて使用する。当然L1、L2は重なるがその重なり部分には絶縁シートが挟まれる。このような構成にすることにより、二つの中心導体相互の位置合わせ作業を簡略化できた。
図11(a)は、図9に関連した本発明の他の実施例である。左図は上面図、中図は断面図、右図は裏面図である。これまでの実施例では、二つの中心導体の交差角度はフェライト薄板Gの第1主面側でも第2主面側でも同じであった。図11(a)では、第1主面に近接する側の二つの中心導体の交差角度は60度で、第2主面に近接する側の交差角度は90度とした。これは、図7に示すように、フェライト薄板Gが磁化される場合、上面に取り付けられた一つの永久磁石Mgより実行されるため、フェライト薄板Gの第1主面側と第2主面側の磁界強度が異なるためである。二中心導体非可逆素子の特性として、交差角度が小さくなると動作磁界が強くなり、90度で最低となるので図11(a)の構成とした。
図11(b)は、本実施例に用いられた一つの中心導体の展開図である。図9(b)と同じように「く」の字形状になっているが、中心導体の中央の屈曲部Lcが角度の異なる二つの中心導体をつなぐために長くなっている。
図12は、本発明の他の実施例である。左図は上面図、中図は断面図、右図は裏面図である。この場合は、フェライト薄板Gとして、長方形を横長にして、端部を削った形状を採用している。中心導体L1、L2はお互いに約120度の角度で交差する。但し、挿入損失の広帯域化を図るために、中心導体L2の極性を反転させる必要がある。このために、誘電構造体Suへの接続方法がこれまでの実施例とは異なる。L2の端部が折れ曲がりお互いが接触しないようにして、誘電構造体Suに接続される。Suの上には、チップ状の整合静電容量素子Cmと抵抗素子Rが取り付けられている。もちろん、これらの素子は前の実施例と同じように積層体としてのSuの中に包含することができる。なお、このときフェライト薄板Gの形状は、本図では六角形であるが、コーナーの削りを少なくして八角形でも同じことが言える。図13は、本実施例に用いた二つの中心導体L1、L2の展開図である。極性を反転させるために、L2の端部形状は特別な形状となる。
図14(a)は、本発明の他の実施例である。左図は上面図、中図は断面図、右図は裏面図である。これまでの実施例では、中心導体の形状は平行二線であったが、本実施例では、図に示すようにフェライト薄板の一端側では間隔が狭く他端部に近づくにつれてひろくなる逆V字型の中心導体を用いている。これは、結合部Lcより少し下側で屈曲し、フェライト薄板の第2主面を次第に間隔が狭くなるように配される。図14(b)は、本実施例例で用いた中心導体の展開図である。真中がふくらんだ形状となっている。このような形状を用いることにより、中心導体の位置が固定され、アイソレータの特性を安定化させることができた。
図15は、図14の構成を用いて、二中心導体型非可逆素子を実現した、本発明の実施例の組立上面図である。二つの中心導体の中心線がほぼ直交するように配されている。
図16(a)(b)(c)は、本発明で用いた中心導体の他の実施例である。これまでの実施例では、平行二線路の形状は、フェライト薄板の第1主面側も第2主面側も同じであったが、本実施例では、その形状が異なっている。(a)は、中心導体の外側の幅は同じだが、内側の隙間の間隔が狭く、実質的に線路幅が広くなっている場合である。二つの中心導体はお互いの重ね合わさるので、フェライト薄板に近いほうの線路幅が狭く、遠い方が広くなるように設計した方が特性を確保しやすかった。また、(b)は内側の隙間の間隔は同じだが、外側の間隔が異なる場合である。この場合は、実質的に線路幅が狭くなる。(c)は、一方の主面に接する方の形状を単に一本のストリップラインとした場合である。これら他のいろいろな変形が考えられるが、これらはいずれも本発明の範囲内である。
図17は、本発明の他の実施例における中心導体形状を示す。この場合は、中心導体の一端Luが細く伸びて、そのまま入出力端子1、2になり、他端Lbは位置合わせのために、対応する誘電構造体Suの一部の平面形状に合わせた形状としたものである。このような形状を採用することにより、本発明の中心導体型非可逆素子の組み立て作業性を大幅に改善できた。
以上実施例を用いて詳述したように、本発明の二中心導体型非可逆素子であるアイソレータは、挿入損失が小さくかつ高い逆方向損失を有しており、携帯電話機用小型アイソレータをしては好適である。
本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立分解図 本発明の技術の特徴を説明する等価回路図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体の展開図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による非可逆素子の断面図 本発明の技術の効果を説明するための電流経路図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体の展開図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体の展開図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体、フェライト薄板と静電容量素子の組立図 本発明の技術による中心導体の展開図 本発明の技術による中心導体の展開図 従来技術の問題点を説明するための電流経路図 従来技術による非可逆素子の組立図と展開図 従来技術による非可逆素子の等価回路図
符号の説明
L1、L2、L3 … 中心導体
Lu、Lb … 中心導体の一端と他端
Lc、Lt … 中心導体の結合部とタブ部
G … フェライト薄板
F1、F2 … 他のフェライト薄板
Su … 誘電構造体
Z … 絶縁板
D … 金属板
J … 多孔質絶縁体
Mg … 永久磁石
Y … 磁気ヨーク
GR … 共通部
GND … 地導体
C1、C2、C3 … 静電容量素子
Cm … 整合静電容量素子
Cu、Cb … 静電容量素子の一端電極と他端電極
R … 抵抗素子
1、2、3 … 入出力端子
a,b … 中心導体が共通部に接続される部分
A, B … 中心導体の屈曲部
A−A’ … 基準線

Claims (3)

  1. フェライト薄板と、前記フェライト薄板に巻回する第1中心導体及び第2中心導体と、前記第1中心導体及び第2中心導体が接続する共通部と、前記第1中心導体及び/又は第2中心導体と前記共通部との間に配置される静電容量素子と、前記フェライト薄板に静磁界を印加する永久磁石を有し、
    前記第1中心導体と第2中心導体は、前記フェライト薄板の第1主面及び第2主面において互いに電気的に絶縁状態で交差するように巻回され、前記中心導体の両端部には、前記中心導体と並列接続される静電容量素子の端子部が接続され、前記第1中心導体と第2中心導体の交差角度が前記フェライト薄板の第1主面側と第2主面側で異なることを特徴とする二中心導体型非可逆素子。
  2. 前記一体の誘電構造体が積層体であることを特徴とする請求項2に記載の二中心導体型非可逆素子。
  3. 前記共通部が地導体に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二中心導体型非可逆素子。
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