JP2004222144A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Hiroshi Harada
博 原田
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Abstract

【課題】部品点数が少なく、安価で、小型の非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】本発明の非可逆回路素子は、平板状のフェライト部材4と、誘電体8を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する導体部5a〜7aを有する第1,第2,第3の中心導体5〜7と、磁石2と、第1のヨーク1と、第1のヨーク1とで磁気閉回路を構成する第2のヨーク3と、中心導体5〜7の接続部5c〜7cに接続されるコンデンサC1〜C3とを備え、コンデンサC1〜C3の絶縁板21の上面に形成された上部電極部22には、接続部5c〜7cと、外方に突出した状態で、金属材からなる端子7とが接続された状態で固着されたため、従来の樹脂ケースが不要となって、部品点数が少なく、安価で、小型化できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ共用器等に適用されるアイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の非可逆回路素子の構成を図6、図7に基づいて説明すると、従来の非可逆回路素子は、箱形の第1のヨーク51と、この第1のヨーク51内に配置された円板状の磁石52と、この磁石52の下部に配置されたフェライト部材53と、120度の間隔でフェライト部材53に取り付けられ、一部が互いに交叉した状態となった金属板からなる三つの第1,第2,第3の中心導体54、55,56と、フェライト部材53を保持する箱形の樹脂ケース57と、樹脂ケース57の下部に配置されたコ字状の第2のヨーク58を有する。
【0003】
また、樹脂ケース57には、孔57aを有する底壁57bが設けられると共に、この底壁57bには、一部が底壁57b面と樹脂ケース57の外部に露出した状態で、端子59、60、61が埋設されている。
そして、第1,第2,第3の中心導体54,55,56を取り付けたフェライト部材53は、孔57内に配置されて、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の一端側が第2のヨーク58に接続されている。
【0004】
チップ型のコンデンサ62,63,64とチップ型の抵抗65は、孔57aの周囲に配置され、コンデンサ62,63,64の下面電極と抵抗65の一端側の電極65aは、それぞれアース用の端子61に接続されている。
そして、第1の中心導体54の他端部である先端部54aは、図7に示すように、コンデンサ62の上面電極と抵抗65の他端側の電極65bの上面に半田付して接続されている。
【0005】
また、第2、第3の中心導体55,56の中間部55a、55aは、図7に示すように、コンデンサ63,64の上面電極に半田付けして接続されると共に、第1,第2の中心導体55,56の他端である先端部55b、56bは、底壁57b上に露出した端子59,60に接続されて、樹脂ケース57の外部に露出した端子59,60から取り出すようになっている。
【0006】
そして、第1,第2のヨーク51,58で磁石52,フェライト部材53、及び樹脂ケース57を挟持した状態で、第1,第2のヨーク51,58を結合して、第1,第2のヨーク51,58とで磁気閉回路が形成され、非可逆回路素子であるアイソレータが構成されている。(例えば、特許文献1、2参照)
【0007】
しかし、このような非可逆回路素子は、中心導体55,56から外部に引き出すために、端子59,60を埋設した樹脂ケース57を必要とし、部品点数が多くなってコスト高で、大型になるばかりか、樹脂ケース57の製造コストが高く、コスト高になるものであった。
また、コンデンサ62,63,64の下面電極は、樹脂ケース57に埋設されたアース用の端子61に接続されるため、端子61を必要とするものであった。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−79607号公報
【特許文献2】
特開2001ー24406号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非可逆回路素子は、中心導体55,56から外部に引き出すために、端子59,60を埋設した樹脂ケース57を必要とし、部品点数が多くなってコスト高で、大型になるばかりか、樹脂ケース57の製造コストが高く、コスト高になるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は部品点数が少なく、安価で、小型の非可逆回路素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する導体部を有する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体の前記導体部上に配置された磁石と、この磁石を覆うように配置された第1のヨークと、前記フェライト部材の下面側に配置され、前記第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークと、前記中心導体の接続部に接続されるコンデンサとを備え、前記コンデンサは、絶縁板と、この絶縁板の上面に形成された上部電極部を有し、この上部電極部には、前記中心導体の前記接続部と、外方に突出した状態で、金属材からなる端子とが接続された状態で固着された構成とした。
【0012】
また、第2の解決手段として、前記上部電極部には、前記端子が前記接続部の延びる方向に一直線上に配置された構成とした。
また、第3の解決手段として、前記上部電極部には、前記端子が前記接続部の延びる方向に対して直交する位置で、前記接続部に対して並列状態で配置された構成とした。
【0013】
また、第4の解決手段として、前記接続部と前記端子が超音波溶接によって前記上部電極部に固着された構成とした。
また、第5の解決手段として、前記絶縁板の下面には下部電極部が設けられ、この下部電極部が前記第2のヨークに接続された状態で固着された構成とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の非可逆回路素子の図面を説明すると、図1は本発明の非可逆回路素子の要部断面図、図2は本発明の非可逆回路素子に係り、コンデンサの配置を示す平面図、図3は本発明の非可逆回路素子の分解斜視図である。
【0015】
また、図4は本発明の非可逆回路素子に係り、中心導体とコンデンサの接続、及び固着状態を示す要部の拡大斜視図、図5は本発明の非可逆回路素子の他の実施例に係り、中心導体とコンデンサの接続、及び固着状態を示す要部の拡大斜視図である。
【0016】
次に、本発明の非可逆回路素子の構成を図1〜図4に基づいて説明すると、コ字状の磁性板(鉄板等)からなる第1のヨーク1は、正方形の上板1aと、この上板1aの対向する辺から下方に折り曲げられた対向する一対の側板1bとを有する。
円板状の磁石2は、その上面が上板1aの内面にに接触した状態で、第1のヨーク1に適宜手段によって取り付けられている。
【0017】
コ字状の磁性板(鉄板等)からなる第2のヨーク3は、正方形の底板3aと、この底板3aの対向する辺から上方に折り曲げられた対向する一対の側板3bとを有する。
そして、この第2のヨーク3は、底板3aが上板1aと対向して配置された状態で、その一対の側板3bが第1のヨーク1の一対の側板1bと結合されて、磁気閉回路が形成される。
【0018】
YIG(Yttrium iron garnet)等からなる平板状のフェライト部材4は、第2のヨーク3の底板3a上に載置された状態で、取り付けられている。
【0019】
また、チップ型の第1,第2,第3のコンデンサC1、C2,C3は、板状のセラミック等からなる絶縁板21と、この絶縁板21の上面に設けられた銀等からなる上部電極部22と、絶縁板21の下面に設けられた下部電極部23とで構成され、そして、互いに対向する上部電極部22と下部電極部23との間で容量が形成されている。
【0020】
そして、直方体状の第1のコンデンサC1は、底板3aの第1の辺3cに沿った状態で、接地用の下部電極部23が第2のヨーク3の底板3aに半田付けによって固着されて、下部電極部23が第2のヨーク3に接地された構成となっている。
【0021】
また、第2、第3のコンデンサC2,C3は、底板3aの第1の辺3cと対向する第2の辺3dに沿った状態で、接地用の下部電極部23が第2のヨーク3の底板3aに半田付けによって固着されて、下部電極部23が第2のヨーク3に接地された構成となっている。
【0022】
銅等の薄い導電板からなる第1、第2,第3の中心導体5、6,7は、それぞれ導体部5a、6a、7aと、導体部5a、6a、7aの一端部から下方に折り曲げて設けられた接地用の端子部5b、6b、7bと、導体部5a、6a、7aの他端部から下方に折り曲げて設けられた接続部5c、6c、7cを有する。
【0023】
そして、この第1,第2,第3の中心導体5、6,7の導体部5a、6a、7aは、互いに120度の間隔を置いて、フェライト部材4の上面に配置されている。
また、フェライト部材4と導体部7c間、及び導体部5a、6a、7a間は、絶縁材からなる誘電体8が配置されて、導体部5a、6a、7a間が互いに絶縁された状態となっている。
【0024】
このような構成を有する第1,第2,第3の中心導体5、6,7は、端子部5b、6b、7bが第2のヨーク3の底板3a上に半田付けによって固着されて、接地状態で電気的に接続される。
【0025】
また,第1,第2,第3の中心導体5,6,7の接続部5c、6c、7cは、第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3のそれぞれの上部電極部22に超音波溶接、或いは半田付け等によって、接続、固着されて電気的に接続された構成となっている。
【0026】
また、金属板や金属線等からなる端子9は、接続部9aと、この接続部9aから折り曲げられて、外方に突出する引き出し部9bとを有する。
そして、この端子9は、接続部9aがそれぞれ第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3の上部電極部22に超音波溶接、或いは半田付け等によって、接続、固着されて電気的に接続された構成となっている。
【0027】
また、それぞれの端子9は、第1,第2,第3の中心導体5,6,7の接続部5c、6c、7cの延びる方向に一直線上に配置されると共に、それぞれの引き出し部9bが第2のヨークの底板3aと面一状態で、外部に突出した状態となっている。
【0028】
そして、第3の中心導体7の導体部7a上には、第1のヨーク1に位置決めされた磁石2が配置され、この状態で、第1,第2のヨーク1,3の側板1b、3b同士が結合されると、第1,第2のヨーク1,3間で磁石2,フェライト部材4等を挟持すると、サーキュレータからなる非可逆回路素子が形成される。
【0029】
また、このような構成を有する非可逆回路素子は、ここでは図示しないが、導電パターンを有する回路基板上に搭載されて、面実装されるようになっている。
【0030】
また、図5は本発明の非可逆回路素子の他の実施例に係り、この他の実施例の構成を説明すると、上部電極部22には、端子9が接続部5c、6c、7cの延びる方向に対して直交する位置で、接続部5c、6c、7cに対して並列状態で配置されたものである。
【0031】
その他の構成は、前記実施例と同様の構成を有し、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0032】
なお、上記実施例においては、サーキュレータに適用したもので説明したが、アイソレータに適用したものでも良い。
【0033】
【発明の効果】
本発明の非可逆回路素子は、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する導体部を有する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体の前記導体部上に配置された磁石と、この磁石を覆うように配置された第1のヨークと、フェライト部材の下面側に配置され、第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークと、中心導体の接続部に接続されるコンデンサとを備え、コンデンサは、絶縁板と、この絶縁板の上面に形成された上部電極部を有し、この上部電極部には、中心導体の接続部と、外方に突出した状態で、金属材からなる端子とが接続された状態で固着された構成とした。
このような構成にすると、従来の樹脂ケースが不要となって、部品点数が少なく、安価で、小型化できると共に、製造性の良好なものが得られる。
また、接続部と端子は、上部電極部上に同時に固着できて、組立性の良好なものが得られる。
【0034】
また、上部電極部には、端子が接続部の延びる方向に一直線上に配置されたため、上部電極部の面積を小さくできて、小型のコンデンサに使用して好適なものが得られる。
【0035】
また、上部電極部には、端子が接続部の延びる方向に対して直交する位置で、接続部に対して並列状態で配置されたため、接続部と端子の固着面積が大きくなって、取付状態が強固となり、落下等による衝撃において、接続部や端子の剥がれの無いものが得られる。
【0036】
また、接続部と端子が超音波溶接によって上部電極部に固着されたため、その取付状態が強固となり、落下等による衝撃において、接続部や端子の剥がれの無いものが得られる。
【0037】
また、絶縁板の下面には下部電極部が設けられ、この下部電極部が第2のヨークに接続された状態で固着されたため、コンデンサの接地が簡単であると共に、組立性の良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非可逆回路素子の要部断面図。
【図2】本発明の非可逆回路素子に係り、コンデンサの配置を示す平面図。
【図3】本発明の非可逆回路素子の分解斜視図。
【図4】本発明の非可逆回路素子に係り、中心導体とコンデンサの接続、及び固着状態を示す要部の拡大斜視図。
【図5】本発明の非可逆回路素子の他の実施例に係り、中心導体とコンデンサの接続、及び固着状態を示す要部の拡大斜視図。
【図6】従来の非可逆回路素子の分解斜視図。
【図7】従来の非可逆回路素子に係り、コンデンサに対する中心導体の関係を示す平面図。
【符号の説明】
1 第1のヨーク
1a 上板
1b 側板
2 磁石
3 第2のヨーク
3a 底板
3b 側板
3c 第1の辺
3d 第2の辺
4 フェライト部材
5 第1の中心導体
5a 導体部
5b 端子部
5c 接続部
6 第2の中心導体
6a 導体部
6b 端子部
6c 接続部
7 第3の中心導体
7a 導体部
7b 端子部
7c 接続部
8 誘電体
9 端子
9a 接続部
9b 引き出し部
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
C3 第3のコンデンサ
21 絶縁板
22 上部電極部
23 下部電極部

Claims (5)

  1. 平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する導体部を有する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体の前記導体部上に配置された磁石と、この磁石を覆うように配置された第1のヨークと、前記フェライト部材の下面側に配置され、前記第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークと、前記中心導体の接続部に接続されるコンデンサとを備え、前記コンデンサは、絶縁板と、この絶縁板の上面に形成された上部電極部を有し、この上部電極部には、前記中心導体の前記接続部と、外方に突出した状態で、金属材からなる端子とが接続された状態で固着されたことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記上部電極部には、前記端子が前記接続部の延びる方向に一直線上に配置されたことを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
  3. 前記上部電極部には、前記端子が前記接続部の延びる方向に対して直交する位置で、前記接続部に対して並列状態で配置されたことを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
  4. 前記接続部と前記端子が超音波溶接によって前記上部電極部に固着されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の非可逆回路素子。
  5. 前記絶縁板の下面には下部電極部が設けられ、この下部電極部が前記第2のヨークに接続された状態で固着されたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の非可逆回路素子。
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