JP2004343273A - 非可逆回路素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】中心導体を長くできて、性能が良好であると共に、小型に適した非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】本発明の非可逆回路素子において、第1のヨーク1は、四角形状の上板1aと、この上板1aの互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板1bと、この一対の側板1bの中央部に設けられた切り欠き部1cとを有し、切り欠き部1c内には、磁石2のそれぞれの端部が位置したため、磁石2を大きくすることができると共に、この磁石2に対応して設けられたフェライト部材4も大きくでき、このため、フェライト部材4に取り付けられる中心導体5,6の導体5a、6aの長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化を何ら損なうことがない。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明の非可逆回路素子において、第1のヨーク1は、四角形状の上板1aと、この上板1aの互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板1bと、この一対の側板1bの中央部に設けられた切り欠き部1cとを有し、切り欠き部1c内には、磁石2のそれぞれの端部が位置したため、磁石2を大きくすることができると共に、この磁石2に対応して設けられたフェライト部材4も大きくでき、このため、フェライト部材4に取り付けられる中心導体5,6の導体5a、6aの長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化を何ら損なうことがない。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ共用器等に適用されるアイソレータやサーキュレータからなる非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の非可逆回路素子の図面を説明すると、図13は従来の非可逆回路素子の分解斜視図、図14は従来の非可逆回路素子の要部の平面図、図15は従来の非可逆回路素子に係る中心導体の展開図である。
【0003】
次に、従来の非可逆回路素子をアイソレータに適用した場合の構成を図13〜図15に基づいて説明すると、従来の非可逆回路素子は、箱形の第1のヨーク51と、この第1のヨーク51内に配置された円板状の磁石52と、この磁石52の下部に配置された平板状のフェライト部材53と、120度の間隔でフェライト部材53に取り付けられ、一部が互いに交叉した状態となった金属板からなる三つの第1,第2,第3の中心導体54、55,56と、フェライト部材53を保持する箱形の樹脂ケース57と、樹脂ケース57の下部に配置されたコ字状の第2のヨーク58を有する。
【0004】
そして、箱形の第1のヨーク51は、四角形状の上板51aと、この上板51aの四辺から下方に折り曲げられた四つの側板51bを有し、この第1のヨーク51内には磁石52が収容され、磁石52の上面が接着剤によって上板51aの内面に接着されている。
【0005】
また、フェライト部材53は、2辺が互いに対向する長辺53aと、2辺が互いに対向する短辺53bとを有した長方形状で構成され、このフェライト部材53の上面は、磁石52の下面の範囲内で、磁石52に対向した状態で配置されている。
【0006】
また、第1,第2,第3の中心導体54,55,56は、図15に示すように、金属板が打ち抜きされて形成され、中央に位置した四角形状のアース部70から外方に延びて形成されている。
【0007】
そして、第1,第2,第3の中心導体54,55,56のそれぞれは、長手方向にスリットが設けられてなる二条の導体54a,55a、56aと、この導体54a,55a、56aの端部に設けられた第1,第2,第3のポート部54b、55b、56bとを有する。
【0008】
また、これ等の第1,第2,第3の中心導体54,55,56は、先ず、アース部70がフェライト部材53の下面に配置され、この状態で、第1,第2,第3の中心導体54,55,56がフェライト部材53の側面と上面に沿って折り曲げられて配置されている。
【0009】
この時、ここでは図示しないが、フェライト部材53の上面に位置する第1,第2,第3の中心導体54,55,56のそれぞれは、誘電体を介して絶縁された状態で上下方向に配置されている。
そして、第1,第2の中心導体54,55、56がフェライト部材53に取り付けられた際、第1,第2の中心導体54,55は、短辺53b側に位置し、フェライト部材53の長面側を横切るように配置されると共に、第3の中心導体56は、長辺53a側に位置し、短辺53bと平行状態で、フェライト部材53の短面側を横切るように配置されている。
【0010】
また、樹脂ケース57には、中央部に矩形状の孔57aが設けられた底壁57bを有すると共に、この底壁57bには、孔57aの三辺に沿って設けられた凹部57cが形成されている。
そして、第1,第2,第3の中心導体54,55,56を取り付けたフェライト部材53は、孔57a内に配置されて、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の一端側であるアース部70が第2のヨーク58に接続されている。
【0011】
チップ型のコンデンサ62,63,64とチップ型の抵抗65は、孔57aの周囲に凹部57c内に配置され、コンデンサ62,63,64の下面電極と抵抗65の一端側の電極65aは、それぞれ第2のヨーク58に接続されている。
そして、第1、第2の中心導体54、55のポート部54c、55cのそれぞれは、コンデンサ62,63の上面電極に半田付けされると共に、第3の中心導体56のポート部56cは、コンデンサ64の上面電極と抵抗65の他端側の電極65bの上面に半田付して接続されている。
【0012】
即ち、コンデンサ62は、フェライト部材53の一方の長辺53a側に配置され、コンデンサ63は、長辺53aと直角状態にある短辺53b側に配置され、更に、コンデンサ64と抵抗65は、もう一つの長辺53a側に配置されて、孔57aの周囲を囲むように配設されている。
【0013】
そして、第1,第2のヨーク51,58で磁石52,フェライト部材53、及び樹脂ケース57を挟持した状態で、第1,第2のヨーク51,58を結合して、第1,第2のヨーク51,58とで磁気閉回路が形成され、非可逆回路素子が構成されている。(例えば、特許文献1参照)
【0014】
しかし、従来の非可逆回路素子の磁石52は、箱形の第1のヨーク51内に収容されているため、磁石52が小さくなると共に、この磁石52に対応して設けられたフェライト部材53も小さくなる。
【0015】
そして、非可逆回路素子が小型化されればされる程、磁石53とフェライト部材53が小さくなり、その結果、フェライト部材53に取り付けられる第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くする。
【0016】
また、フェライト部材53を収容した孔57aの周囲には、コンデンサ62,63,64と抵抗65が配置されるため、フェライト部材53が小さくなり、更に、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くする。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−94311号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非可逆回路素子は、箱形の第1のヨーク51内に収容されているため、磁石52が小さくなると共に、この磁石52に対応して設けられたフェライト部材53も小さくなり、このため、フェライト部材53に取り付けられる第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くするという問題がある。
また、フェライト部材53を収容した孔57aの周囲には、コンデンサ62,63,64と抵抗65が配置されるため、フェライト部材53が小さくなり、更に、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くするという問題がある。
【0019】
そこで、本発明は中心導体を長くできて、性能が良好であると共に、小型に適した非可逆回路素子を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体上に配置された磁石と、この磁石の上面を覆うように配置された第1のヨークと、前記フェライト部材の下面側に配置され、前記第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークとを備え、前記第1のヨークは、四角形状の上板と、この上板の少なくとも互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板と、この一対の側板の中央部に設けられた切り欠き部とを有し、前記切り欠き部内には、前記磁石のそれぞれの端部が位置した構成とした。
【0021】
また、第2の解決手段として、前記フェライト部材の端部が前記側板の延長線に近接して配置された構成とした。
また、第3の解決手段として、前記磁石は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石の前記短辺側の前記端部が前記切り欠き部内に位置した構成とした。
また、第4の解決手段として、前記磁石の角部には、面取り部が設けられた構成とした。
【0022】
また、第5の解決手段として、前記フェライト部材は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石と前記フェライト部材の前記長辺同士、及び前記短辺同士を同じ側に合わせた状態で、前記フェライト部材の上面が前記磁石の下面の範囲内に配置されると共に、前記フェライト部材の前記短辺が前記側板の延長線に近接して配置された構成とした。
また、第6の解決手段として、前記フェライト部材の角部には、面取り部が設けられた構成とした。
【0023】
また、第7の解決手段として、前記切り欠き部内に位置する前記磁石の下面は、前記側板、及び前記第2のヨークに非接触状態となした構成とした。
【0024】
また、第8の解決手段として、前記第2のヨーク内に配置された樹脂ケースを備え、前記樹脂ケースは、前記フェライト部材を収容する第1の収容部と、前記中心導体に接続される複数個のコンデンサを収容する第2の収容部を有する構成とした。
【0025】
また、第9の解決手段として、前記第1の収容部が前記樹脂ケースの中央部に設けられると共に、前記第2の収容部は、前記第1の収容部の両側で、前記磁石、及び前記フェライト部材の長辺に沿って配置された構成とした。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の非可逆回路素子の図面を説明すると、図1は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る平面図、図2は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る正面図、図3は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る側面図である。
【0027】
また、図4は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図5は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークと磁石を取り去った状態を示す平面図、図6は図4の6−6線における断面図、図7は図4の7−7線における断面図である。
【0028】
また、図8は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る要部の分解斜視図、図9は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る中心導体の展開図、図10は本発明の非可逆回路素子の第2実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図11は本発明の非可逆回路素子の第3実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図12は本発明の非可逆回路素子の等価回路図である。
【0029】
次に、本発明の非可逆回路素子の第1実施例をアイソレータに適用した場合の構成を図1〜図9に基づいて説明すると、箱形の磁性板(鉄板等)からなる第1のヨーク1は、正方形(四角形状)の上板1aと、この上板1aの4辺から下方に折り曲げられた側板1bと、対向する一対の側板1bの中央部の上下方向に設けられた切り欠き部1cとを有する。
【0030】
長方形状(四角形状)の磁石2は、互いに対向する長辺2aと、この長辺2aと直角状態にある短辺2bと、四角に設けられた面取り部2cを有し、この磁石2は、両端に位置する短辺2bの端部が切り欠き部1c内に位置した状態で、その上面が上板1aの内面に接触した状態で、接着剤等の適宜手段によって第1のヨーク1に取り付けられている。
【0031】
箱形の磁性板(鉄板等)からなる第2のヨーク3は、四角形状の底板3aと、この底板3aの四辺から上方に折り曲げられた四つの側板3bとを有する。
そして、この第2のヨーク3は、底板3aが上板1aと対向して配置された状態で、その側板3bが第1のヨーク1の側板1bと結合されて、磁気閉回路が形成される。
【0032】
なお、第1,第2のヨーク1,3は、箱形をなしたもので説明したが、第1,第2のヨーク1,3の一方を箱形にすると共に、他方をコ字状とし、両者の側板1b、3b同士を結合して、磁気閉回路を形成しても良く、また、第1,第2のヨーク1,3の両者をコ字状とし、両者の側板1b、3b同士を結合して、磁気閉回路を形成しても良い。
【0033】
YIG(Yttrium iron garnet)等からなる長方形状(四角形状)で平板状のフェライト部材4は、2辺が互いに対向する長辺4aと、2辺が互いに対向する短辺4bと、四角に設けられた面取り部4cとを有する。
【0034】
銅等の薄い導電板からなる第1、第2,第3の中心導体5、6,7は、図9に示すように、金属板が打ち抜きされて形成され、中央に位置した四角形状のアース部8から外方に延びて形成されている。
【0035】
そして、第1,第2の中心導体5,6、7のそれぞれは、長手方向にスリットが設けられて2分割され、互いに平行な二条の導体5a、6a、7aと、この導体5a、6a、7aの端部に設けられた第1,第2、第3のポート部5b、6b、7bとを有する。
【0036】
また、これ等の第1,第2,第3の中心導体5,6,7は、先ず、アース部8がフェライト部材4の下面に配置され、この状態で、第1,第2,第3の中心導体5,6,7がフェライト部材4の側面と上面に沿って折り曲げられて配置されている。
【0037】
この時、第1,第2,第3の中心導体5,6,7は、誘電体(図示せず)を挟んで上下方向の異なる面に120度の間隔で設けられて、上下方向に一部が交叉して配置されると共に、図5に示すように、第1,第2のポート部5b、6bは、フェライト部材4の一方の長辺4a側に配置され、また、第3のポート部7bは、他方の長辺4a側に配置された状態となっている。
【0038】
そして、第1,第2の中心導体5,6,7がフェライト部材4に取り付けられた際、図5に示すように、第1,第2の中心導体5,6の導体5a、6aは、短辺4b側に位置し、フェライト部材4の長面側を横切るように配置されると共に、第3の中心導体7の導体7aは、長辺4a側に位置し、フェライト部材4の短面側を横切るように配置されている。
この時、第1,第2の中心導体5,6の導体5a、6aは、フェライト部材4の斜向かいに位置する面取り部4c間に延びた状態となっている。
【0039】
また、合成樹脂の成型品からなる箱形の樹脂ケース9は、底壁9aと、この底壁9aから上方に延びる四つの側壁9bと、底壁9aの中央部に設けられた長方形状(四角形状)の孔からなる第1の収容部9cと、第1の収容部9cの両側の長手方向に沿って、底壁9aに設けられた孔からなる複数個の第2の収容部9dを有する。
【0040】
この樹脂ケース9は、成形加工によって、第2のヨーク3と一体に形成されたり、或いは、第2のヨーク3と別体に形成されたものが、第2のヨーク3内に配置されたりして、第2のヨーク3と組み合わされている。
【0041】
そして、第1,第2,第3の中心導体5,6,7を取り付けたフェライト部材4が第1の収容部9c内に配置された際、樹脂ケース9の下部に配置された第2のヨーク3の底壁3aには、第1,第2,第3の中心導体5,6,7の一端側であるアース部8が接続された状態となると共に、第2の収容部9dがフェライト部材4の長辺4aに沿って配置された状態となる。
【0042】
また、フェライト部材4が第1の収容部9c内に配置された際、フェライト部材4の短辺4bのそれぞれは、側壁9bを介して、第2のヨーク3の側板3bに近接した状態となって、フェライト部材4は、一対の側板3b間で、長く延びた状態となっている。
【0043】
チップ型の第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3とチップ型の抵抗器Rは、第2の収容部9d内に収容され、第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3の下面電極(図示せず)と抵抗器Rの一端側の電極10aは、それぞれ第2のヨーク3の底板3aに接続されている。
【0044】
そして、第1、第2の中心導体5,6の第1,第2のポート部5b、6bのそれぞれは、第1,第2のコンデンサC1,C2の上面電極(図示せず)に半田付けされると共に、第3の中心導体7の第3のポート部7bは、第3のコンデンサC3の上面電極(図示せず)と抵抗器Rの他端側の電極10bの上面に半田付して接続されている。
【0045】
そして、第1,第2のヨーク1,3で磁石2,フェライト部材4、及び樹脂ケース9を挟持した状態で、第1,第2のヨーク1,3を結合して、第1,第2のヨーク1,3とで磁気閉回路が形成され、非可逆回路素子が構成されている
【0046】
また、第1,第2のヨーク1,3が結合された際、磁石2の下面は、側板1b、3bに非接触状態となると共に、磁石2とフェライト部材4は、長辺2a、4a同士、及び短辺2b、4b同士を同じ側に合わせた状態で、フェライト部材4の上面が磁石2の下面の範囲内に配置された状態となる。
その結果、フェライト部材4の短辺4bのそれぞれは、第1のヨーク1の側板1bの延長線に近接した状態となって、フェライト部材4は、一対の側板1b間で、長く延びた状態となっている。
【0047】
また、図10は、本発明の非可逆回路素子の第2実施例を示し、この第2実施例は、磁石2が正方形をなすと共に、四角に面取り部2cが設けられ、この磁石2の四つの端部のそれぞれが第1のヨーク1の切り欠き部1c内に位置したものである。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0048】
また、図11は、本発明の非可逆回路素子の第3実施例を示し、この第2実施例は、磁石2が円形をなし、この磁石2の十字状の位置にある四つの端部のそれぞれが第1のヨーク1の切り欠き部1c内に位置したものである。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0049】
また、図12は、本発明の非可逆回路素子であるアイソレータの等価回路図を示し、第1,第2の中心導体5,6の一端側には、接地された第1,第2のコンデンサC1,C2が接続され、入出力端子となる第1,第2のポート部5c、6cが設けられると共に、第3の中心導体7の一端側には、接地された第3のコンデンサC3と抵抗器Rが接続された第3のポート部7dが設けられている。
また、第1,第2,第3の中心導体5,6,7の他端側は、アース部8によって接地された構成となっている。
【0050】
なお、上記実施例は、アイソレータに適用されたもので説明したが、抵抗器Rを無くしたサーキュレータに適用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明の非可逆回路素子は、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体上に配置された磁石と、この磁石の上面を覆うように配置された第1のヨークと、フェライト部材の下面側に配置され、第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークとを備え、第1のヨークは、四角形状の上板と、この上板の少なくとも互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板と、この一対の側板の中央部に設けられた切り欠き部とを有し、切り欠き部内には、磁石のそれぞれの端部が位置した構成とした。
このような構成にすると、磁石を大きくすることができると共に、この磁石に対応して設けられたフェライト部材も大きくでき、このため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化を何ら損なうことがない。
【0052】
また、フェライト部材の端部が側板の延長線に近接して配置されたため、フェライト部材は、一対の側板間で目一杯の長さに延ばすことができ、このため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0053】
また、磁石は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、磁石の短辺側の端部が切り欠き部内に位置したため、磁石の有効面積を大きくできて、性能の良好なものが得られる。
【0054】
また、磁石の角部には、面取り部が設けられたため、第1のヨークへの磁石の位置決めが容易で、生産性の良好なものが得られる。
【0055】
また、フェライト部材は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、磁石とフェライト部材の長辺同士、及び短辺同士を同じ側に合わせた状態で、フェライト部材の上面が磁石の下面の範囲内に配置されると共に、フェライト部材の短辺が側板の延長線に近接して配置されたため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0056】
また、フェライト部材の角部には、面取り部が設けられたため、この面取り部に中心導体の導体を係止できて、中心導体の取付が安定すると共に、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0057】
また、切り欠き部内に位置する磁石の下面は、側板、及び第2のヨークに非接触状態となしたため、第1,第2のヨーク間で形成される磁気閉回路の磁気バイアスを良好にできる。
【0058】
また、第2のヨーク内に配置された樹脂ケースを備え、樹脂ケースは、フェライト部材を収容する第1の収容部と、中心導体に接続される複数個のコンデンサを収容する第2の収容部を有するため、組立性の良好なものが得られる。
【0059】
また、第1の収容部が樹脂ケースの中央部に設けられると共に、第2の収容部は、第1の収容部の両側で、磁石、及びフェライト部材の長辺に沿って配置されたため、フェライト部材の長さを極力大きくできて、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る平面図。
【図2】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る正面図。
【図3】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る側面図。
【図4】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図5】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークと磁石を取り去った状態を示す平面図。
【図6】図4の6−6線における断面図。
【図7】図4の7−7線における断面図。
【図8】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る要部の分解斜視図。
【図9】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る中心導体の展開図。
【図10】本発明の非可逆回路素子の第2実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図11】本発明の非可逆回路素子の第3実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図12】本発明の非可逆回路素子の等価回路図。
【図13】従来の非可逆回路素子の分解斜視図。
【図14】従来の非可逆回路素子の要部の平面図。
【図15】従来の非可逆回路素子に係る中心導体の展開図。
【符号の説明】
1 第1のヨーク
1a 上板
1b 側板
1c 切り欠き部
2 磁石
2a 長辺
2b 短辺
2c 面取り部
3 第2のヨーク
3a 底板
3b 側板
4 フェライト部材
4a 長辺
4b 短辺
4c 面取り部
5 第1の中心導体
5a 導体
5b 第1のポート部
6 第2の中心導体
6a 導体
6b 第2のポート部
7 第3の中心導体
7a 導体
7b 第3のポート部
8 アース部
9 樹脂ケース
9a 底壁
9b 側壁
9c 第1の収容部
9d 第2の収容部
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
C3 第3のコンデンサ
R 抵抗器
10a 電極
10b 電極
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ共用器等に適用されるアイソレータやサーキュレータからなる非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の非可逆回路素子の図面を説明すると、図13は従来の非可逆回路素子の分解斜視図、図14は従来の非可逆回路素子の要部の平面図、図15は従来の非可逆回路素子に係る中心導体の展開図である。
【0003】
次に、従来の非可逆回路素子をアイソレータに適用した場合の構成を図13〜図15に基づいて説明すると、従来の非可逆回路素子は、箱形の第1のヨーク51と、この第1のヨーク51内に配置された円板状の磁石52と、この磁石52の下部に配置された平板状のフェライト部材53と、120度の間隔でフェライト部材53に取り付けられ、一部が互いに交叉した状態となった金属板からなる三つの第1,第2,第3の中心導体54、55,56と、フェライト部材53を保持する箱形の樹脂ケース57と、樹脂ケース57の下部に配置されたコ字状の第2のヨーク58を有する。
【0004】
そして、箱形の第1のヨーク51は、四角形状の上板51aと、この上板51aの四辺から下方に折り曲げられた四つの側板51bを有し、この第1のヨーク51内には磁石52が収容され、磁石52の上面が接着剤によって上板51aの内面に接着されている。
【0005】
また、フェライト部材53は、2辺が互いに対向する長辺53aと、2辺が互いに対向する短辺53bとを有した長方形状で構成され、このフェライト部材53の上面は、磁石52の下面の範囲内で、磁石52に対向した状態で配置されている。
【0006】
また、第1,第2,第3の中心導体54,55,56は、図15に示すように、金属板が打ち抜きされて形成され、中央に位置した四角形状のアース部70から外方に延びて形成されている。
【0007】
そして、第1,第2,第3の中心導体54,55,56のそれぞれは、長手方向にスリットが設けられてなる二条の導体54a,55a、56aと、この導体54a,55a、56aの端部に設けられた第1,第2,第3のポート部54b、55b、56bとを有する。
【0008】
また、これ等の第1,第2,第3の中心導体54,55,56は、先ず、アース部70がフェライト部材53の下面に配置され、この状態で、第1,第2,第3の中心導体54,55,56がフェライト部材53の側面と上面に沿って折り曲げられて配置されている。
【0009】
この時、ここでは図示しないが、フェライト部材53の上面に位置する第1,第2,第3の中心導体54,55,56のそれぞれは、誘電体を介して絶縁された状態で上下方向に配置されている。
そして、第1,第2の中心導体54,55、56がフェライト部材53に取り付けられた際、第1,第2の中心導体54,55は、短辺53b側に位置し、フェライト部材53の長面側を横切るように配置されると共に、第3の中心導体56は、長辺53a側に位置し、短辺53bと平行状態で、フェライト部材53の短面側を横切るように配置されている。
【0010】
また、樹脂ケース57には、中央部に矩形状の孔57aが設けられた底壁57bを有すると共に、この底壁57bには、孔57aの三辺に沿って設けられた凹部57cが形成されている。
そして、第1,第2,第3の中心導体54,55,56を取り付けたフェライト部材53は、孔57a内に配置されて、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の一端側であるアース部70が第2のヨーク58に接続されている。
【0011】
チップ型のコンデンサ62,63,64とチップ型の抵抗65は、孔57aの周囲に凹部57c内に配置され、コンデンサ62,63,64の下面電極と抵抗65の一端側の電極65aは、それぞれ第2のヨーク58に接続されている。
そして、第1、第2の中心導体54、55のポート部54c、55cのそれぞれは、コンデンサ62,63の上面電極に半田付けされると共に、第3の中心導体56のポート部56cは、コンデンサ64の上面電極と抵抗65の他端側の電極65bの上面に半田付して接続されている。
【0012】
即ち、コンデンサ62は、フェライト部材53の一方の長辺53a側に配置され、コンデンサ63は、長辺53aと直角状態にある短辺53b側に配置され、更に、コンデンサ64と抵抗65は、もう一つの長辺53a側に配置されて、孔57aの周囲を囲むように配設されている。
【0013】
そして、第1,第2のヨーク51,58で磁石52,フェライト部材53、及び樹脂ケース57を挟持した状態で、第1,第2のヨーク51,58を結合して、第1,第2のヨーク51,58とで磁気閉回路が形成され、非可逆回路素子が構成されている。(例えば、特許文献1参照)
【0014】
しかし、従来の非可逆回路素子の磁石52は、箱形の第1のヨーク51内に収容されているため、磁石52が小さくなると共に、この磁石52に対応して設けられたフェライト部材53も小さくなる。
【0015】
そして、非可逆回路素子が小型化されればされる程、磁石53とフェライト部材53が小さくなり、その結果、フェライト部材53に取り付けられる第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くする。
【0016】
また、フェライト部材53を収容した孔57aの周囲には、コンデンサ62,63,64と抵抗65が配置されるため、フェライト部材53が小さくなり、更に、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くする。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−94311号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非可逆回路素子は、箱形の第1のヨーク51内に収容されているため、磁石52が小さくなると共に、この磁石52に対応して設けられたフェライト部材53も小さくなり、このため、フェライト部材53に取り付けられる第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くするという問題がある。
また、フェライト部材53を収容した孔57aの周囲には、コンデンサ62,63,64と抵抗65が配置されるため、フェライト部材53が小さくなり、更に、第1,第2,第3の中心導体54,55,56の導体54a、55a、56aの長さが短くなって、性能を悪くするという問題がある。
【0019】
そこで、本発明は中心導体を長くできて、性能が良好であると共に、小型に適した非可逆回路素子を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体上に配置された磁石と、この磁石の上面を覆うように配置された第1のヨークと、前記フェライト部材の下面側に配置され、前記第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークとを備え、前記第1のヨークは、四角形状の上板と、この上板の少なくとも互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板と、この一対の側板の中央部に設けられた切り欠き部とを有し、前記切り欠き部内には、前記磁石のそれぞれの端部が位置した構成とした。
【0021】
また、第2の解決手段として、前記フェライト部材の端部が前記側板の延長線に近接して配置された構成とした。
また、第3の解決手段として、前記磁石は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石の前記短辺側の前記端部が前記切り欠き部内に位置した構成とした。
また、第4の解決手段として、前記磁石の角部には、面取り部が設けられた構成とした。
【0022】
また、第5の解決手段として、前記フェライト部材は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石と前記フェライト部材の前記長辺同士、及び前記短辺同士を同じ側に合わせた状態で、前記フェライト部材の上面が前記磁石の下面の範囲内に配置されると共に、前記フェライト部材の前記短辺が前記側板の延長線に近接して配置された構成とした。
また、第6の解決手段として、前記フェライト部材の角部には、面取り部が設けられた構成とした。
【0023】
また、第7の解決手段として、前記切り欠き部内に位置する前記磁石の下面は、前記側板、及び前記第2のヨークに非接触状態となした構成とした。
【0024】
また、第8の解決手段として、前記第2のヨーク内に配置された樹脂ケースを備え、前記樹脂ケースは、前記フェライト部材を収容する第1の収容部と、前記中心導体に接続される複数個のコンデンサを収容する第2の収容部を有する構成とした。
【0025】
また、第9の解決手段として、前記第1の収容部が前記樹脂ケースの中央部に設けられると共に、前記第2の収容部は、前記第1の収容部の両側で、前記磁石、及び前記フェライト部材の長辺に沿って配置された構成とした。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の非可逆回路素子の図面を説明すると、図1は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る平面図、図2は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る正面図、図3は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る側面図である。
【0027】
また、図4は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図5は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークと磁石を取り去った状態を示す平面図、図6は図4の6−6線における断面図、図7は図4の7−7線における断面図である。
【0028】
また、図8は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る要部の分解斜視図、図9は本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る中心導体の展開図、図10は本発明の非可逆回路素子の第2実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図11は本発明の非可逆回路素子の第3実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図、図12は本発明の非可逆回路素子の等価回路図である。
【0029】
次に、本発明の非可逆回路素子の第1実施例をアイソレータに適用した場合の構成を図1〜図9に基づいて説明すると、箱形の磁性板(鉄板等)からなる第1のヨーク1は、正方形(四角形状)の上板1aと、この上板1aの4辺から下方に折り曲げられた側板1bと、対向する一対の側板1bの中央部の上下方向に設けられた切り欠き部1cとを有する。
【0030】
長方形状(四角形状)の磁石2は、互いに対向する長辺2aと、この長辺2aと直角状態にある短辺2bと、四角に設けられた面取り部2cを有し、この磁石2は、両端に位置する短辺2bの端部が切り欠き部1c内に位置した状態で、その上面が上板1aの内面に接触した状態で、接着剤等の適宜手段によって第1のヨーク1に取り付けられている。
【0031】
箱形の磁性板(鉄板等)からなる第2のヨーク3は、四角形状の底板3aと、この底板3aの四辺から上方に折り曲げられた四つの側板3bとを有する。
そして、この第2のヨーク3は、底板3aが上板1aと対向して配置された状態で、その側板3bが第1のヨーク1の側板1bと結合されて、磁気閉回路が形成される。
【0032】
なお、第1,第2のヨーク1,3は、箱形をなしたもので説明したが、第1,第2のヨーク1,3の一方を箱形にすると共に、他方をコ字状とし、両者の側板1b、3b同士を結合して、磁気閉回路を形成しても良く、また、第1,第2のヨーク1,3の両者をコ字状とし、両者の側板1b、3b同士を結合して、磁気閉回路を形成しても良い。
【0033】
YIG(Yttrium iron garnet)等からなる長方形状(四角形状)で平板状のフェライト部材4は、2辺が互いに対向する長辺4aと、2辺が互いに対向する短辺4bと、四角に設けられた面取り部4cとを有する。
【0034】
銅等の薄い導電板からなる第1、第2,第3の中心導体5、6,7は、図9に示すように、金属板が打ち抜きされて形成され、中央に位置した四角形状のアース部8から外方に延びて形成されている。
【0035】
そして、第1,第2の中心導体5,6、7のそれぞれは、長手方向にスリットが設けられて2分割され、互いに平行な二条の導体5a、6a、7aと、この導体5a、6a、7aの端部に設けられた第1,第2、第3のポート部5b、6b、7bとを有する。
【0036】
また、これ等の第1,第2,第3の中心導体5,6,7は、先ず、アース部8がフェライト部材4の下面に配置され、この状態で、第1,第2,第3の中心導体5,6,7がフェライト部材4の側面と上面に沿って折り曲げられて配置されている。
【0037】
この時、第1,第2,第3の中心導体5,6,7は、誘電体(図示せず)を挟んで上下方向の異なる面に120度の間隔で設けられて、上下方向に一部が交叉して配置されると共に、図5に示すように、第1,第2のポート部5b、6bは、フェライト部材4の一方の長辺4a側に配置され、また、第3のポート部7bは、他方の長辺4a側に配置された状態となっている。
【0038】
そして、第1,第2の中心導体5,6,7がフェライト部材4に取り付けられた際、図5に示すように、第1,第2の中心導体5,6の導体5a、6aは、短辺4b側に位置し、フェライト部材4の長面側を横切るように配置されると共に、第3の中心導体7の導体7aは、長辺4a側に位置し、フェライト部材4の短面側を横切るように配置されている。
この時、第1,第2の中心導体5,6の導体5a、6aは、フェライト部材4の斜向かいに位置する面取り部4c間に延びた状態となっている。
【0039】
また、合成樹脂の成型品からなる箱形の樹脂ケース9は、底壁9aと、この底壁9aから上方に延びる四つの側壁9bと、底壁9aの中央部に設けられた長方形状(四角形状)の孔からなる第1の収容部9cと、第1の収容部9cの両側の長手方向に沿って、底壁9aに設けられた孔からなる複数個の第2の収容部9dを有する。
【0040】
この樹脂ケース9は、成形加工によって、第2のヨーク3と一体に形成されたり、或いは、第2のヨーク3と別体に形成されたものが、第2のヨーク3内に配置されたりして、第2のヨーク3と組み合わされている。
【0041】
そして、第1,第2,第3の中心導体5,6,7を取り付けたフェライト部材4が第1の収容部9c内に配置された際、樹脂ケース9の下部に配置された第2のヨーク3の底壁3aには、第1,第2,第3の中心導体5,6,7の一端側であるアース部8が接続された状態となると共に、第2の収容部9dがフェライト部材4の長辺4aに沿って配置された状態となる。
【0042】
また、フェライト部材4が第1の収容部9c内に配置された際、フェライト部材4の短辺4bのそれぞれは、側壁9bを介して、第2のヨーク3の側板3bに近接した状態となって、フェライト部材4は、一対の側板3b間で、長く延びた状態となっている。
【0043】
チップ型の第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3とチップ型の抵抗器Rは、第2の収容部9d内に収容され、第1,第2,第3のコンデンサC1,C2,C3の下面電極(図示せず)と抵抗器Rの一端側の電極10aは、それぞれ第2のヨーク3の底板3aに接続されている。
【0044】
そして、第1、第2の中心導体5,6の第1,第2のポート部5b、6bのそれぞれは、第1,第2のコンデンサC1,C2の上面電極(図示せず)に半田付けされると共に、第3の中心導体7の第3のポート部7bは、第3のコンデンサC3の上面電極(図示せず)と抵抗器Rの他端側の電極10bの上面に半田付して接続されている。
【0045】
そして、第1,第2のヨーク1,3で磁石2,フェライト部材4、及び樹脂ケース9を挟持した状態で、第1,第2のヨーク1,3を結合して、第1,第2のヨーク1,3とで磁気閉回路が形成され、非可逆回路素子が構成されている
【0046】
また、第1,第2のヨーク1,3が結合された際、磁石2の下面は、側板1b、3bに非接触状態となると共に、磁石2とフェライト部材4は、長辺2a、4a同士、及び短辺2b、4b同士を同じ側に合わせた状態で、フェライト部材4の上面が磁石2の下面の範囲内に配置された状態となる。
その結果、フェライト部材4の短辺4bのそれぞれは、第1のヨーク1の側板1bの延長線に近接した状態となって、フェライト部材4は、一対の側板1b間で、長く延びた状態となっている。
【0047】
また、図10は、本発明の非可逆回路素子の第2実施例を示し、この第2実施例は、磁石2が正方形をなすと共に、四角に面取り部2cが設けられ、この磁石2の四つの端部のそれぞれが第1のヨーク1の切り欠き部1c内に位置したものである。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0048】
また、図11は、本発明の非可逆回路素子の第3実施例を示し、この第2実施例は、磁石2が円形をなし、この磁石2の十字状の位置にある四つの端部のそれぞれが第1のヨーク1の切り欠き部1c内に位置したものである。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0049】
また、図12は、本発明の非可逆回路素子であるアイソレータの等価回路図を示し、第1,第2の中心導体5,6の一端側には、接地された第1,第2のコンデンサC1,C2が接続され、入出力端子となる第1,第2のポート部5c、6cが設けられると共に、第3の中心導体7の一端側には、接地された第3のコンデンサC3と抵抗器Rが接続された第3のポート部7dが設けられている。
また、第1,第2,第3の中心導体5,6,7の他端側は、アース部8によって接地された構成となっている。
【0050】
なお、上記実施例は、アイソレータに適用されたもので説明したが、抵抗器Rを無くしたサーキュレータに適用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明の非可逆回路素子は、平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体上に配置された磁石と、この磁石の上面を覆うように配置された第1のヨークと、フェライト部材の下面側に配置され、第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークとを備え、第1のヨークは、四角形状の上板と、この上板の少なくとも互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板と、この一対の側板の中央部に設けられた切り欠き部とを有し、切り欠き部内には、磁石のそれぞれの端部が位置した構成とした。
このような構成にすると、磁石を大きくすることができると共に、この磁石に対応して設けられたフェライト部材も大きくでき、このため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化を何ら損なうことがない。
【0052】
また、フェライト部材の端部が側板の延長線に近接して配置されたため、フェライト部材は、一対の側板間で目一杯の長さに延ばすことができ、このため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0053】
また、磁石は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、磁石の短辺側の端部が切り欠き部内に位置したため、磁石の有効面積を大きくできて、性能の良好なものが得られる。
【0054】
また、磁石の角部には、面取り部が設けられたため、第1のヨークへの磁石の位置決めが容易で、生産性の良好なものが得られる。
【0055】
また、フェライト部材は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、磁石とフェライト部材の長辺同士、及び短辺同士を同じ側に合わせた状態で、フェライト部材の上面が磁石の下面の範囲内に配置されると共に、フェライト部材の短辺が側板の延長線に近接して配置されたため、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0056】
また、フェライト部材の角部には、面取り部が設けられたため、この面取り部に中心導体の導体を係止できて、中心導体の取付が安定すると共に、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られる。
【0057】
また、切り欠き部内に位置する磁石の下面は、側板、及び第2のヨークに非接触状態となしたため、第1,第2のヨーク間で形成される磁気閉回路の磁気バイアスを良好にできる。
【0058】
また、第2のヨーク内に配置された樹脂ケースを備え、樹脂ケースは、フェライト部材を収容する第1の収容部と、中心導体に接続される複数個のコンデンサを収容する第2の収容部を有するため、組立性の良好なものが得られる。
【0059】
また、第1の収容部が樹脂ケースの中央部に設けられると共に、第2の収容部は、第1の収容部の両側で、磁石、及びフェライト部材の長辺に沿って配置されたため、フェライト部材の長さを極力大きくできて、フェライト部材に取り付けられる中心導体の導体の長さが長くなって、性能の良好なものが得られると共に、小型化のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る平面図。
【図2】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る正面図。
【図3】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る側面図。
【図4】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図5】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係り、第1のヨークと磁石を取り去った状態を示す平面図。
【図6】図4の6−6線における断面図。
【図7】図4の7−7線における断面図。
【図8】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る要部の分解斜視図。
【図9】本発明の非可逆回路素子の第1実施例に係る中心導体の展開図。
【図10】本発明の非可逆回路素子の第2実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図11】本発明の非可逆回路素子の第3実施例に係り、第1のヨークの上板を取り去った状態を示す平面図。
【図12】本発明の非可逆回路素子の等価回路図。
【図13】従来の非可逆回路素子の分解斜視図。
【図14】従来の非可逆回路素子の要部の平面図。
【図15】従来の非可逆回路素子に係る中心導体の展開図。
【符号の説明】
1 第1のヨーク
1a 上板
1b 側板
1c 切り欠き部
2 磁石
2a 長辺
2b 短辺
2c 面取り部
3 第2のヨーク
3a 底板
3b 側板
4 フェライト部材
4a 長辺
4b 短辺
4c 面取り部
5 第1の中心導体
5a 導体
5b 第1のポート部
6 第2の中心導体
6a 導体
6b 第2のポート部
7 第3の中心導体
7a 導体
7b 第3のポート部
8 アース部
9 樹脂ケース
9a 底壁
9b 側壁
9c 第1の収容部
9d 第2の収容部
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
C3 第3のコンデンサ
R 抵抗器
10a 電極
10b 電極
Claims (9)
- 平板状のフェライト部材と、このフェライト部材上に位置し、誘電体を挟んで上下方向の異なる面に設けられて、上下方向に一部が交叉する第1,第2,第3の中心導体と、この中心導体上に配置された磁石と、この磁石の上面を覆うように配置された第1のヨークと、前記フェライト部材の下面側に配置され、前記第1のヨークとで磁気閉回路を構成する第2のヨークとを備え、前記第1のヨークは、四角形状の上板と、この上板の少なくとも互いに対向する辺から下方に折り曲げられた一対の側板と、この一対の側板の中央部に設けられた切り欠き部とを有し、前記切り欠き部内には、前記磁石のそれぞれの端部が位置したことを特徴とする非可逆回路素子。
- 前記フェライト部材の端部が前記側板の延長線に近接して配置されたことを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
- 前記磁石は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石の前記短辺側の前記端部が前記切り欠き部内に位置したことを特徴とする請求項1,又は2記載の非可逆回路素子。
- 前記磁石の角部には、面取り部が設けられたことを特徴とする請求項3記載の非可逆回路素子。
- 前記フェライト部材は、長辺と短辺を有した四角形状をなし、前記磁石と前記フェライト部材の前記長辺同士、及び前記短辺同士を同じ側に合わせた状態で、前記フェライト部材の上面が前記磁石の下面の範囲内に配置されると共に、前記フェライト部材の前記短辺が前記側板の延長線に近接して配置されたことを特徴とする請求項3、又は4記載の非可逆回路素子。
- 前記フェライト部材の角部には、面取り部が設けられたことを特徴とする請求項5記載の非可逆回路素子。
- 前記切り欠き部内に位置する前記磁石の下面は、前記側板、及び前記第2のヨークに非接触状態となしたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の非可逆回路素子。
- 前記第2のヨーク内に配置された樹脂ケースを備え、前記樹脂ケースは、前記フェライト部材を収容する第1の収容部と、前記中心導体に接続される複数個のコンデンサを収容する第2の収容部を有することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の非可逆回路素子。
- 前記第1の収容部が前記樹脂ケースの中央部に設けられると共に、前記第2の収容部は、前記第1の収容部の両側で、前記磁石、及び前記フェライト部材の長辺に沿って配置されたことを特徴とする請求項8記載の非可逆回路素子。
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