JP4858101B2 - フォトマスク - Google Patents
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Description
一方、フォトリソグラフィに用いられるフォトマスク(以下、マスクとも記す。)における解像度向上策としては、光を通過させる部分と遮光する部分で構成された従来のバイナリマスクの微細化、高精度化とともに、光の干渉を利用した位相シフト効果により解像度向上を図るレベンソン型(渋谷・レベンソン型とも称する。)位相シフトマスク、光を透過させる部分と半透過させる部分で構成されたハーフトーン型位相シフトマスク、クロムなどの遮光層を設けないクロムレス型位相シフトマスクなどの位相シフトマスクの開発、実用化が進行している。
また、ウェハ上に転写されるパターン(以後、主パターンと称する。)の近傍に、投影光学系の解像限界以下であってウェハ上には転写されないパターン(以後、補助パターンと称する。)を配置したフォトマスクも提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
例えば、ウェハ上で65nm線幅の半導体素子を形成する場合、そのマスク(通常4倍体のパターンを有するレチクル)上の主パターンの線幅寸法は光近接効果補正(OPC)などが加わり、通常、200nm〜400nm程度で形成され、これに対し補助パターンは線幅寸法120nm以下となる。補助パターンの長さは、主パターンの長さや設計ルールに応じて設定されるが、一般に、主パターンよりも長く形成されることが多く、補助パターン線幅寸法の数倍〜数10倍程度であり、主パターンから離れて補助パターン線幅寸法の数倍程度の位置に、主パターンに平行に形成される。補助パターンの数はマスクパターンにより異なるが、通常、1枚のマスク上に数10万〜数100万本程度、多い場合には数億本もの補助パターンが配置されている。
このように補助パターンを設けたフォトマスクの洗浄などにおける補助パターンの欠け、剥離、倒れ現象は、マスク製造の歩留りを低下させ、マスク製造コスト上昇の一因となっており、またリソグラフィ使用時のマスク洗浄においてマスク寿命を縮めるという問題があった。
図1は、本発明のフォトマスクの第1の実施形態を示し、図1(a)は部分平面模式図であり、透明基板10の一方の主面側に形成された主パターン11と、主パターン11の近傍に投影光学系の解像限界以下の大きさの1対の補助パターン12とを設け、各々の補助パターン12は補助パターン12を補強する2個の支持部14を備え、各支持部14は投影光学系の解像限界以下の大きさである。補助パターン12の長手方向は、主パターン11の長手方向よりも長い。支持部14は、主パターン11の長手方向の末端よりも外側に対応する離れた位置で、補助パターン12の末端において、補助パターン12の長手方向に対して角度90度で交わる場合を示している。
したがって、支持部と補助パターンの交点が主パターンの長手方向の末端よりも外側の位置であり、主パターンによるウェハ転写寸法に影響を与えない範囲であれば、支持部は必ずしも補助パターンの末端で交わるようにしなくてもよいが、支持部を補助パターンの末端に設ける方が主パターンへの影響がより小さくなるので、より好ましい。
図2は、本発明のフォトマスクの第2の実施形態を示す部分平面模式図であり、透明基板20の一方の主面側に形成された主パターン21と、主パターン21の両側に近接して投影光学系の解像限界以下の大きさの片側2本の補助パターン22が主パターン21に対称に配置され、各々2本の補助パターン22は、補助パターン22を補強する2個の支持部24により両末端で互いに連結している場合を示す。各支持部24は投影光学系の解像限界以下の大きさであり、各支持部24は各補助パターン22の長手方向に対して90度で交わる。
上記では、補助パターンが片側2本の場合について例示したが、さらに本数が増えても本実施形態を適用することができる。
図3は、本発明のフォトマスクの第3の実施形態を示す部分平面模式図であり、透明基板30の一方の主面側に形成された主パターン31と、主パターン31の片側に近接して投影光学系の解像限界以下の大きさの3本の補助パターン32a、32b、32cを設け、主パターンに最も近い補助パターンはほぼ中央部で2本に分かれている。補助パターン32aと32bは、補助パターンを補強する2個の支持部34a、32bにより補助パターン32cを介して連結している。さらに、主パターン31よりも遠い位置にある補助パターン32cのほぼ中央には主パターン31よりも遠い側に1個の支持部34cが設けられている。各支持部34a、32b、32cは投影光学系の解像限界以下の大きさであり、補助パターン32a、32b、32cの長手方向に対して90度で交わる場合を示している。
図4は、本発明のフォトマスクの第4の実施形態を示す部分平面模式図であり、透明基板40の一方の主面側に形成された主パターン41と、主パターン41に近接して投影光学系の解像限界以下の大きさの1対の補助パターン42とを設け、各々の補助パターン42は補助パターン42を補強する1個の支持部44を備え、支持部44は投影光学系の解像限界以下の大きさであり、主パターン41の長手方向内に対応する位置で補助パターン42と角度90度で交わる。支持部44に相対する主パターン41の部位は、あらかじめ凹部45を形成しておく。
図4においては、補助パターンが主パターンよりも長い場合を例示しているが、補助パターンの長さが主パターンよりも短い場合には、補助パターンの長さに係らず、主パターンに最も近い補助パターンと交わる支持部は、支持部が補助パターンのどの位置で交わろうと、本実施形態となる。
本実施形態の場合には、支持部44は、補強効果を維持する限りにおいて、主パターン41への影響を低減するために、通常の補助パターン寸法よりもできるだけ細くするのが好ましい。
図5は、本発明のフォトマスクの第5の実施形態を示す部分平面模式図であり、透明基板50の一方の主面側に形成された主パターン51と、主パターン51の片側に近接して投影光学系の解像限界以下の大きさの1本の補助パターン52とを設け、補助パターン52は補強する1個の支持部54を備え、支持部54は投影光学系の解像限界以下の大きさであり、主パターン51の長手方向内に対応する位置で補助パターン52と角度90度で交わるとともに、さらに延長された支持部54により補助パターン52が主パターン51に連結している形態である。支持部54に連結する主パターン51の部位は凹部55を形成している。
次に、上記の実施形態についてさらに詳しく説明する。以下の説明は、第1の実施形態〜第5の実施形態に共通する内容である。
前記のように、例えば、ウェハ上で65nm線幅の半導体素子を形成する場合、そのマスク(通常4倍体のパターンを有するレチクル)上の主パターンの線幅寸法は光近接効果補正(OPC)などが加わり、通常、200nm〜400nm程度で形成され、これに対し補助パターンの寸法は、投影光学系の解像限界以下の大きさが求められ、線幅寸法120nm以下で用いられる。一般的に、補助パターンの長さが主パターンよりも短いと、主パターンのx寸法側が短くなるおそれがあるので、通常、補助パターンは主パターンよりも長く構成されることが多く、その長さは補助パターン線幅寸法の数倍〜数10倍程度である。補助パターンは、主パターンから離れて補助パターンの線幅寸法の数倍程度の位置に、主パターンに平行に形成されている。
支持部の設置箇所は、主パターンによるウェハ転写寸法に影響を与えないことが望ましく、主パターンの長手方向の末端よりも外側に対応する位置(主パターンから外れた位置)が好ましい。
例えば、クロムを遮光膜とした場合には、45nm〜100nm程度の範囲の膜厚で用いられるが、微細パターンを形成するためには、膜厚は小さいほうがより好ましい。遮光膜の膜厚が45nm未満では、マスク作製後の遮光性が不十分となり、一方、膜厚が100nmを超えると遮光膜パターンとしての解像力が低下するからである。
半透明膜の膜厚は、例えば、モリブデンシリサイド化合物を用いた場合には、60nm〜100nm程度の範囲の膜厚で用いられ、より好ましくは、露光光がKrFエキシマレーザの場合には、80nm〜90nm程度の範囲の膜厚、ArFエキシマレーザの場合には、70nm程度の膜厚が用いられる。
さらに、補助パターンと支持部が主パターンと同じ材料で形成されていれば、主パターン、補助パターン、支持部を同一の工程で形成することができ、各々が交わる部分の強度が向上するのでより好ましい。
例えば、本発明のフォトマスクは、主パターンが2層膜、補助パターンが1層の半透明膜よりなるフォトマスクであってもよく、この場合、主パターンは下層に半透明膜、上層に遮光膜または第2の半透明膜を設けた構成が用いられるが、支持部は補助パターンと同じ材料構成にするのが好ましい。
次に、本発明フォトマスクを用い、露光を行なったときのシミュレーションによる光強度プロファイルの一例を示す。
図6は、本発明のフォトマスクの一実施形態を示すマスクレイアウトの一部の平面模式図であり、上記の実施形態2に相当する。図7は、図6に示すパターンを有するフォトマスクを用いて露光を行なったときのシミュレーションによる光強度プロファイルを示す平面模式図である。
図7において、支持部64aの光強度は、主パターンに近い側の補助パターンの光強度62aとほぼ同程度であり、転写において解像する危険性はない。主パターンの光強度61aは、マスクレイアウトの他の部分よりも低く、主パターンのみが高解像に解像することを示しており、本発明のフォトマスクの効果を保証している。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
透明基板として、厚さ0.25インチで6インチ角の光学研磨された合成石英基板を用いた。この基板上にクロムをスパッタリング法で厚さ60nmに成膜した。次に、成膜したクロム膜上に電子線レジストを塗布し、主パターンと補助パターンと支持部を有するマスクパターンデータを用い電子線描画装置によりパターン描画し、所定の現像液で電子線レジストを現像し、レジストパターンを形成した。次に、レジストパターンより露出したクロムを塩素ガスを用いてドライエッチングし、次にレジストパターンを剥離除去して、石英基板上に、厚さ60nmのクロムよりなる主パターンと、補助パターンと、補助パターンを補強する支持部を設けたマスクパターンを有するバイナリマスクを形成した。
厚さ0.25インチで6インチ角の合成石英基板上にモリブデンシリサイドをスパッタリング法で厚さ70nmに成膜した。次に、成膜したモリブデンシリサイド膜上に電子線レジストを塗布し、電子線描画装置によりパターン描画し、所定の現像液で電子線レジストを現像し、レジストパターンを形成した。次に、レジストパターンより露出したモリブデンシリサイドをフッ素系ガスでドライエッチングし、次にレジストパターンを剥離除去して、石英基板上に、厚さ70nmのモリブデンシリサイドよりなる主パターンと、補助パターンと、補助パターンを補強する支持部を設けたマスクパターンを有するハーフトーンマスクを形成した。
実施例1と同様にして、厚さ60nmのクロムよりなる主パターンと、補助パターンとからなり、支持部を設けない従来のバイナリマスクを形成し、超音波を用いて純水洗浄したところ、補助パターンの一部に欠けが発生した。このフォトマスクは欠けた補助パターンの欠陥部が微細なために修正装置による修正が不可能なため、フォトマスクとして使用し得なくなった。
11、21、31、41、51、61 主パターン
12、22、32a、32b、32c、42、52、62 補助パターン
14、24、34a、34b、34c、44、54、64 支持部
45、55 凹部
61a 主パターンの光強度プロファイル
62a 補助パターンの光強度プロファイル
64a 支持部の光強度プロファイル
80 透明基板
81 主パターン
82 補助パターン
83 パターン欠け
Claims (9)
- 透明基板上に形成された主パターンと、前記主パターンの近傍に投影光学系の解像限界以下の大きさの補助パターンとを設けたフォトマスクにおいて、
前記補助パターンが、前記補助パターンを補強する少なくとも1個以上の支持部を備え、前記支持部は投影光学系の解像限界以下の大きさであり前記補助パターンの長手方向に対して所定の角度で交わることを特徴とするフォトマスク。 - 前記補助パターンが複数近接して配置され、前記複数の補助パターンが前記支持部により互いに連結していることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
- 前記補助パターンの長手方向が前記主パターンの長手方向よりも長く、少なくとも前記主パターンに最も近い補助パターンと交わる前記支持部が、前記主パターンの長手方向末端よりも外側に対応する位置で前記補助パターンと交わることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスク。
- 前記支持部が、前記補助パターンの長手方向末端に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のフォトマスク。
- 前記主パターンに最も近い補助パターンと交わる前記支持部が、前記主パターンの長手方向内に対応する位置で前記補助パターンと交わり、前記支持部に相対する前記主パターンの部位が凹部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスク。
- 前記補助パターンが、前記支持部により前記主パターンに連結していることを特徴とする請求項5に記載のフォトマスク。
- 前記所定の角度が90度であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記支持部が、前記補助パターンと同じ厚さに同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記支持部が、前記補助パターンおよび前記主パターンと同じ厚さに同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のフォトマスク。
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