JP2020134763A - 位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク Download PDF

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Abstract

【課題】位相シフト領域において意図せぬレジスト解像不良が発生することを防ぎ、トリミング工程を不要とする位相シフトマスクおよびその製造方法を提供する。【解決手段】第1の透光部(12)および第2の透光部(13)を形成し、前記第1の透光部と前記第2の透光部が、光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定されている位相シフトマスクの製造方法において、前記第1の透光部と前記第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるような第3の透光部(15)を形成することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスクに関する。
光リソグラフィ用のフォトマスクは透過型であり、石英基板上に遮光する材料を用いたマスクパターンを形成した構成となっている。一般的にフォトマスクの種類として、バイナリーマスク、位相シフトマスク、エンハンサーマスク等がある。光リソグラフィにおいては転写像の解像度の向上、すなわちマスクパターンの微細化が要求される。マスクパターンで回折した光を、レンズを介してウェーハ上に干渉させた転写像の解像度は、レイリー(Rayleigh)の式R=k1×λ/NAを満たすことが知られている。ここで、Rは転写像の解像度、k1は比例定数、λは露光波長、NAはレンズの開口数を示す。レイリーの式に従って露光波長λを小さくしたりレンズの開口数NAを大きくしたりすることで、マスクパターンを微細化し転写像の解像度の向上が図られてきた。
マスクパターンが微細化するに従って光の回折効果が大きくなる。フォトマスクとして材質がCrのバイナリーマスクを使用した場合、マスクパターンを微細化していくと、徐々に露光強度比が不十分になり、ウェーハ上にパターンを解像できなくなる(パターンを分離できない)。
位相シフトマスクは、隣接するパターンの回折光による干渉を打ち消すために隣接する2つのパターン部の光位相を反転させている。フォトマスクとして位相シフトマスクを使用した場合、ウェーハへの露光時の解像度や焦点深度を改善し、転写特性を向上させることができる。位相シフトマスクには主に、ハーフトーン型、レベンソン型(渋谷・レベンソン型)、およびクロムレス型がある。
レベンソン型位相シフトマスク(レベンソンマスク)では、マスクパターン上の隣接する2つの透光部(開口パターン)を透過する光の位相を互いに異なる状態となるようにし、干渉させることで露光強度比を向上させ、パターンの解像度(マスクパターンで回折した光のウェーハ上の転写像の解像度)を上げる手法を用いている。この手法では、隣接する2つの透光部同士の位相差をほぼ反転した逆位相状態にさせることで、開口パターン境界部の光強度を0とし、転写像においてパターンを分離できる(すなわち、パターンを解像できる)ようにしている。
2つの透光部の位相を反転させるためには、d=λ/2(n−1)(ただし、dは彫り込む厚さ、λは露光波長、nは屈折率)の関係を満たすように、一方の透光部のガラスを彫り込む工程が必要である。例えば、特許文献1には、一方の凹部の深さがd1、他方の凹部の深さがd2となるように基板を彫り込み、d1−d2≒λ/2(n−1)を満たすようにした、両彫り型の位相シフトマスクの製造方法が開示されている。この方法は、透明基板部を選択的にドライエッチングして所定の深さd1だけ彫り込む第1の彫り込み工程と、更にウエットエッチングを加えてλ/2(n−1)の深さに彫り込む第2の彫り込み工程と、全透光部に対してウエットエッチングを行う第3の彫り込み工程を有する。
特開2002−40624号公報
図11は、レベンソンマスクのパターン例を示す図である。図11(a)は、抜きパターンを形成するためのマスクパターンの例を示す。なお、抜きパターンとは、遮光膜の一部を開口させ、メインパターンが抜き型であるパターンのことをいう。レベンソンマスクを用いた露光によって、抜きパターンを形成する場合は、交互に位相の異なる透光部(開口パターン)をマスクパターン上に配置すればよい。例えば、図11(a)に示すように、Cr部11上で、開口パターンとして平面視長方形状の位相が0°のガラス部(第1の透光部)12と位相が180°のガラス部(第2の透光部)13が一定間隔で交互に配置されるようにすればよい。
図11(b)は、残しパターンを形成するためのマスクパターンの例を示す。なお、残しパターンとは、遮光膜の大半を開口させ、メインパターンが残し型のパターンのことをいう。レベンソンマスクでの露光を用いて、平面視長方形状の残しパターンを形成する場合は、残しパターンの長手方向端部で異なる位相の透光部同士が隣接する境界部14(位相シフト領域)が生じてしまい、そのまま露光すると露光強度が0となることで意図せぬレジスト解像不良(例えば、ポジ型を使用したときはレジスト残り、ネガ型を使用したときはレジスト抜け)が発生してしまう。すなわち、図11(b)に示すように、位相が0°のガラス部上に、メインパターンとして平面視長方形状のCr部11を設け、2つのCr部11に挟まれた領域に位相が180°のガラス部13が配置されるようにする。この場合、位相が0°のガラス部12と位相が180°のガラス部13との境界部14(位相シフト領域)において、位相シフト効果に起因する露光強度低下によるレジスト解像不良が発生するためにパターンを解像できない(パターンを分離できない)エリアが発生する。
レジスト解像不良の発生を防ぐために、1枚目のレベンソンマスクに加えて2枚目のトリムマスクを用いる手法が考えられる。図12は、このような手法において用いるフォトマスクのパターン例を示す図である。図12(a)に示す1枚目のフォトマスクであるレベンソンマスクでは、残しパターンであるCr部11aの外周を囲むようにCr部11bを設けている。図12(b)に示す2枚目のフォトマスク(トリムマスク)であるバイナリーマスクでは、1枚目のフォトマスクで設けた残しパターンの外周を囲むCr部11bと位置を合わせて同じ形となるように、位相が0°のガラス部12を設けている。これら2枚のフォトマスクを用いて、まず、1枚目のフォトマスクで残しパターン11aの外周をレジストで囲っておき、2枚目のフォトマスクでその囲った部分を開口し、続くエッチング工程で囲ったCr部11aのみをトリミングする工程を経ることで、レジスト解像不良の発生するエリアが生じない。
上述のように、残しパターンを作成するには、1枚のレベンソンマスクを用いるだけでは形成が困難であり、少なくとも2枚のフォトマスクが必要である。この場合、2枚目のフォトマスクを用いた露光によるトリミング工程において、精確な露光間の重ね合わせ精度(フォトマスクの位置合わせ精度)が要求される。そのため、1枚のフォトマスクだけでレジスト解像不良が発生せずに残しパターンを形成できる露光方法が期待される。
そこで本発明は、基板彫り込み型の位相シフトマスクによってパターンを作成する際に、位相が変わる(位相が0°から180°または180°から0°に変わる)境界部(位相シフト領域)の位相シフト効果に起因する露光強度低下によってレジスト解像不良が発生することを防ぎ、かつ、精確な位置合わせ精度が要求されるトリミング工程を不要とするレベンソン型位相シフトマスク、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の1態様は、透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、フォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングとによって遮光膜の一定領域を開口し、続いて透明基板のエッチングを行うことで、第1の透光部および第2の透光部を形成し、前記第1の透光部と前記第2の透光部が光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定されている位相シフトマスクの製造方法であって、前記第1の透光部と前記第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるような前記第3の透光部を形成することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法である。
前記第3の透光部は、前記第1の透光部と前記第2の透光部の各々と接続するように配置されていてもよい。
前記第1の透光部および前記第2の透光部は平面視長方形状であり、前記第1の透光部と前記第2の透光部は、各々の長手方向が同じ方向であるように所定の間隔で交互に配置されていてもよい。
前記第3の透光部は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の各々と、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向端部において接続するように配置されていてもよい。
前記第3の透光部は、平面視長方形状であり、前記第3の透光部の長手方向は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向とは向きが異なっていてもよい。
本発明の1態様は、180°の位相差を有する第1の透光部および第2の透光部が形成されている位相シフトマスクであって、前記第1の透光部および前記第2の透光部と±90°の位相差を有する第3の透光部を有することを特徴とする位相シフトマスクである。
前記第3の透光部は、前記第1の透光部と前記第2の透光部の各々と接続するように配置されていてもよい。
前記第1の透光部および前記第2の透光部は平面視長方形状であり、前記第1の透光部と前記第2の透光部は、各々の長手方向が同じ方向であるように所定の間隔で交互に配置されていてもよい。
前記第3の透光部は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の各々と、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向端部において接続するように配置されていてもよい。
前記第3の透光部は、平面視長方形状であり、前記第3の透光部の長手方向は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向とは向きが異なっていてもよい。
本発明によれば、基板彫り込み型の位相シフトマスクによってパターンを作成する際に、位相が変わる(位相が0°から180°または180°から0°に変わる)境界部(位相シフト領域)の位相シフト効果に起因する露光強度低下によってレジスト解像不良が発生することを防ぎ、かつ、精確な位置合わせ精度が要求されるトリミング工程を不要とするレベンソン型位相シフトマスク、およびその製造方法を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る、レベンソン型位相シフトマスク(レベンソンマスク)のパターンの例を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る、レベンソン型位相シフトマスク(レベンソンマスク)のパターンの例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。 レベンソンマスクのパターン例を示す図である。 1枚目のレベンソンマスクに加えて2枚目のトリムマスクを用いる手法において用いるフォトマスクのパターン例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る、レベンソン型位相シフトマスク(レベンソンマスク)のパターンの例を示す図である。
まず、メインパターンとして、位相が0°のガラス部上にCr部11を設けている。なお、本明細書中において、基板の平面視で、互いに直交する2方向のうちの一方の方向を「上下方向L1」とし、他方向を「左右方向L2」とする。さらに、基板の平面に垂直な方向を「垂直方向L3」とする。図1の例では、Cr部11は、左右方向L2に沿った長さが上下方向L1に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。すなわち、Cr部11は、左右方向L2に延びる(長手方向が左右方向L2である)平面視長方形状である。ただし、Cr部11の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
2つのCr部11に挟まれた領域には、位相が異なるガラス部(第1の透光部12と第2の透光部13)が配置されるようにする。図1の例では、第1の透光部12は位相が0°のガラス部であり、第2の透光部13は位相が180°のガラス部である。ただし、第1の透光部と第2の透光部の位相はこの場合に限定されるものではなく、第1の透光部と第2の透光部が光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定されていればよい。
また、図1の例では、第1の透光部12および第2の透光部13の各々は、左右方向L2に沿った長さが上下方向L1に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。すなわち、第1の透光部12および第2の透光部13は、左右方向L2に延びる(長手方向が左右方向L2である)平面視長方形状である。ただし、第1の透光部12および第2の透光部13の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。第1の透光部12と第2の透光部13は、各々の長手方向が同じ方向であるように所定の間隔で交互に配置されている。
このように、図1の例では、メインパターンは長方形状のCr部11およびCr部11に挟まれたガラス部(第1の透光部12と第2の透光部13)から構成されている。すなわち、図1において、メインパターンは、図11(b)に示す従来のマスクパターンと同じである。本発明ではさらに、第1の透光部12および第2の透光部13の長手方向端部(メインパターンの長手方向端部)において接続するように所定範囲の領域に位相が90°のガラス部(第3の透光部)15を設けている。これにより、位相が90°のガラス部15が緩衝領域となり、位相が0°から180°または180°から0°に変わる境界部(位相シフト領域)をなくしている。
図1の例では、第3の透光部15は上下方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。すなわち、第3の透光部15は、上下方向L1に延びる(長手方向が上下方向L1である)平面視長方形状である。ただし、第3の透光部15の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
図1(a)は、第3の透光部15が、第1の透光部12および第2の透光部13の長手方向端部と接続して、基板の上下方向L1に切れ目なく延びて配置されている例を示している。図1(b)は、1つの第3の透光部15が、1つの第1の透光部12および1つの第2の透光部13の長手方向端部のみと接続して配置されている例を示している。図1(c)は、第3の透光部15が、メインパターンを取り囲むように配置されている例を示している。
なお、パターン形状や位相の関係は図1の例だけに限らず、露光条件やレベンソン型位相シフトマスクの製造上の都合によって、多少の違いがあってもよい。例えば、位相が90°から270°に変わる位相シフト領域に対して、位相シフト領域を含むメインパターンの端部に接続するように位相が0°の緩衝領域を設けてもよい。本発明では、180°の位相差を形成していた第1の透光部12および第2の透光部13の長手方向端部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差を有する緩衝領域(第3の透光部15)を設ける。これにより、位相シフト効果に起因する露光強度低下によるレジスト解像不良の発生を防ぐことができる。
従来のレベンソン型位相シフトマスクの残しパターンにおいては、位相が0°の領域と位相が180°の領域の境界部(位相シフト領域)が空間的に生じ、境界部における露光強度が位相シフト効果により大きく打ち消されることで、意図せぬレジスト解像不良が発生してしまっていた。
それに対して、本発明のレベンソン型位相シフトマスクによれば、境界部に緩衝領域となる位相が90°の第3の透光部15を設けることで、逆位相による打消し効果を大きく低減し、意図せぬレジスト解像不良が発生することを防ぐことができる。
上述のように、本発明は、図1のように、遮光膜の大半を開口させた、メインパターンが残し型(残しパターン)のレベンソン型位相シフトマスクに対して効果的である。しかしながら、遮光膜の一部を開口させた、メインパターンが抜き型(抜きパターン)のレベンソン型位相シフトマスクに対しても、図2のようなガラス部が繋がっている領域を有するパターンであれば、本発明は有効である。
図2は、本発明の一実施形態に係る、レベンソン型位相シフトマスク(レベンソンマスク)のパターンの例を示す図であり、抜きパターンを形成するためのマスクパターンの例を示す。まず、メインパターンとして、Cr部11上で平面視長方形状の位相が0°のガラス部(第1の透光部)12と位相が180°のガラス部(第2の透光部)13が一定間隔で交互に配置されるようにする。すなわち、図2において、メインパターンは、図11(a)に示す従来のマスクパターンと同じである。本発明ではさらに、位相が0°のガラス部(第1の透光部)12と位相が180°のガラス部(第2の透光部)13とを繋ぐように、位相が90°のガラス部(第3の透光部)15を設けている。これにより、位相が90°のガラス部(第3の透光部)15が緩衝領域となり、位相が0°から180°または180°から0°に変わる境界部(位相シフト領域)をなくしている。
図2(a)は、左右方向L2に延びる平面視長方形状のガラス部(第1の透光部)12およびガラス部(第2の透光部)13の少なくとも一方の長手方向端部に、上下方向L1に延びる平面視長方形状の位相が90°のガラス部(第3の透光部)15を設けている例を示している。図2(b)は、左右方向L2に延びる平面視長方形状のガラス部(第1の透光部)12とガラス部(第2の透光部)13とを長手方向中央または長手方向端部で繋ぐように位相が90°のガラス部(第3の透光部)15を設けている例を示している。なお、パターン形状や位相の関係は図2の例だけに限らず、露光条件やレベンソン型位相シフトマスクの製造上の都合によって、多少の違いがあってもよい。
次に、本発明のレベンソン型位相シフトマスクの製造方法について説明する。
(第1実施形態)
図3〜図4は、本発明の第1実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。なお、図3(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図4(a)、(c)、(e)、(g)、(i)は上面図であり、上下方向が上述の上下方向L1、左右方向が上述の左右方向L2である。図3(b)、(d)、(f)、(h)、(j)および図4(b)、(d)、(f)、(h)、(j)は、それぞれ、図3(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図4(a)、(c)、(e)、(g)、(i)の点線に沿った断面図であり、上下方向が上述の垂直方向L3である。
まず、透明基板(Qz)21の上に、クロム(Cr)22を蒸着させて遮光膜を形成することでマスクブランクスを得る。透明基板21は石英ガラス基板であり、露光波長λに対する屈折率nを有する。このマスクブランクスの表面にレジスト(感光性樹脂)23を均一に塗布する。そして、電子ビームによって、平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジスト23を除去すると、図3(a)、(b)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第1の開口(第1の透光部12)が設けられ、上方から見ると第1の開口からクロム22が露出した状態となる。なお、ここまでの工程は、通常のフォトリソグラフィ法と同様である。
次に、遮光膜が露出した領域(第1の透光部12)に反応性ガスによる化学反応(ドライエッチング)を施すと、図3(c)、(d)に示すように、第1の透光部12においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第1の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相は0°である。さらに、透明基板21を彫り込み、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相が180°となるまで彫り込む。そしてレジスト23を除去すると、図3(e)、(f)に示すように、位相が180°の平面視長方形状の第1の開口(第1の透光部12)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽する。そして、電子ビームによって2つの第1の透光部12に挟まれた平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図3(g)、(h)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第2の透光部13)にドライエッチングを施すと、図3(i)、(j)に示すように、第2の透光部13においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第2の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第2の開口(第2の透光部13)における透明基板21の位相は0°である。そしてレジスト23を除去すると、図4(a)、(b)に示すように、位相が180°の第1の開口(第1の透光部12)と位相が0°の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。さらに、透明基板21を位相90°分だけ彫り込むと、図4(c)、(d)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)と位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して、第1の開口(第1の透光部12)および第2の開口(第2の透光部13)を遮蔽する。そして、電子ビームによって、第1の透光部12および第2の透光部13の長手方向端部において、上下方向L1に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図4(e)、(f)に示すように、レジスト23に上下方向L1に延びる平面視長方形状の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第3の透光部15)にドライエッチングを施すと、図4(g)、(h)に示すように、第3の透光部15においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第3の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第3の開口(第3の透光部15)における透明基板21の位相は0°である。そしてレジスト23を除去すると、図4(i)、(j)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)、位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)および位相が0°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
上述の手法により、透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、通常のフォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングによって遮光膜の一定領域を開口し、続く透明基板のエッチングを経ることで、最終的に異なる位相を有する第1の透光部、第2の透光部および第3の透光部を形成することができる。上述のように、第1実施形態では、先に第1の透光部と第2の透光部のうちの一方を180°相当の深さとなるように遮光膜の開口及び彫り込みを行い、続いて他方を開口した後、第1の透光部と第2の透光部の両方を90°相当の深さ彫り込み、最後に緩衝領域となる第3の透光部の遮光膜の開口を行っている。
なお、上述の例では、第1の透光部の位相が270°、第2の透光部の位相が90°、第3の透光部の位相が0°であったが、各透光部の位相はこれらの値に限定されない。第1の透光部と第2の透光部を光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定し、また第3の透光部を第1の透光部と、第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるように設定すればよい。
(第2実施形態)
図5〜図6は、本発明の第2実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。なお、図5(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図6(a)、(c)、(e)、(g)、(i)は上面図であり、上下方向が上述の上下方向L1、左右方向が上述の左右方向L2である。図5(b)、(d)、(f)、(h)、(j)および図6(b)、(d)、(f)、(h)、(j)は、それぞれ、図5(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図6(a)、(c)、(e)、(g)、(i)の点線に沿った断面図であり、上下方向が上述の垂直方向L3である。
まず、透明基板(Qz)21の上に、クロム(Cr)22を蒸着させて遮光膜を形成することでマスクブランクスを得る。透明基板21は石英ガラス基板であり、露光波長λに対する屈折率nを有する。このマスクブランクスの表面にレジスト(感光性樹脂)23を均一に塗布する。そして、電子ビームによって、平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジスト23を除去すると、図5(a)、(b)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第1の開口(第1の透光部12)が設けられた状態となる。なお、ここまでの工程は、通常のフォトリソグラフィ法と同様である。
次に、遮光膜が露出した領域(第1の透光部12)に反応性ガスによる化学反応(ドライエッチング)を施すと、図5(c)、(d)に示すように、第1の透光部12においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第1の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相は0°である。さらに、透明基板21を彫り込み、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相が90°となるまで彫り込む。そしてレジスト23を除去すると、図5(e)、(f)に示すように、位相が90°の第1の開口(第1の透光部12)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽する。そして、電子ビームによって第1の透光部12の長手方向端部において、上下方向L1に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図5(g)、(h)に示すように、レジスト23に上下方向L1に延びる平面視長方形状の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第3の透光部15)にドライエッチングを施すと、図5(i)、(j)に示すように、第3の透光部15においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第3の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第3の開口(第3の透光部15)における透明基板21の位相は0°である。そしてレジスト23を除去すると、図6(a)、(b)に示すように、位相が90°の左右方向L2に延びる長方形状の第1の開口(第1の透光部12)と位相が0°の上下方向L1に延びる長方形状の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。さらに、透明基板21を位相90°分だけ彫り込むと、図6(c)、(d)に示すように、位相が180°の第1の開口(第1の透光部12)と位相が90°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)および第3の開口(第3の透光部15)を遮蔽する。そして、電子ビームによって、2つの第1の透光部12に挟まれた左右方向L2に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図6(e)、(f)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第2の透光部13)にドライエッチングを施すと、図6(g)、(h)に示すように、第2の透光部13においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第2の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第2の開口(第2の透光部13)における透明基板21の位相は0°である。そしてレジスト23を除去すると、図6(i)、(j)に示すように、位相が180°の第1の開口(第1の透光部12)、位相が0°の第2の開口(第2の透光部13)および位相が90°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
上述の手法により、透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、通常のフォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングによって遮光膜の一定領域を開口し、続く透明基板のエッチングを経ることで、最終的に異なる位相を有する第1の透光部、第2の透光部および第3の透光部を形成することができる。上述のように、第2実施形態では、先に第1の透光部と第2の透光部のうち、第1の透光部を90°相当の深さとなるように遮光膜の開口及び彫り込みを行い、続いて緩衝領域となる第3の透光部の遮光膜の開口を行った後、第1の透光部と第3の透光部の両方を90°相当の深さ彫り込み、最後に第2の透光部の遮光膜の開口を行っている。
なお、上述の例では、第1の透光部の位相が180°、第2の透光部の位相が0°、第3の透光部の位相が90°であったが、各透光部の位相はこれらの値に限定されない。第1の透光部と第2の透光部を光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定し、また第3の透光部を第1の透光部と、第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるように設定すればよい。
(第3実施形態)
図7〜図8は、本発明の第2実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。なお、図7(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図8(a)、(c)は上面図であり、上下方向が上述の上下方向L1、左右方向が上述の左右方向L2である。図7(b)、(d)、(f)、(h)、(j)および図8(b)、(d)は、それぞれ、図7(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図8(a)、(c)の点線に沿った断面図であり、上下方向が上述の垂直方向L3である。
まず、透明基板(Qz)21の上に、クロム(Cr)22を蒸着させて遮光膜を形成することでマスクブランクスを得る。透明基板21は石英ガラス基板であり、露光波長λに対する屈折率nを有する。このマスクブランクスの表面にレジスト(感光性樹脂)23を均一に塗布する。そして、電子ビームによって、左右方向L2に延びる平面視長方形状の一部領域およびその領域の長手方向端部に接続する上下方向L1に延びる平面視長方形状の領域を露光し、露光されたレジスト23を除去すると、図7(a)、(b)に示すように、レジスト23に、左右方向L2に延びる平面視長方形状の第1の開口(第1の透光部12)および第1の開口の長手方向端部に接続する上下方向L1に延びる平面視長方形状の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
次に、遮光膜が露出した領域(第1の透光部12および第3の透光部15)に反応性ガスによる化学反応(ドライエッチング)を施すと、図7(c)、(d)に示すように、第1の透光部12および第3の透光部15においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第1の開口および第3の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第1の開口(第1の透光部12)および第3の開口(第3の透光部15)における透明基板21の位相は0°である。さらに、透明基板21を彫り込み、第1の開口(第1の透光部12)および第3の開口(第3の透光部15)における透明基板21の位相が270°となるまで彫り込む。そしてレジスト23を除去すると、図7(e)、(f)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)および第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽する。この時、第3の開口(第3の透光部15)は遮蔽しない。そして、電子ビームによって2つの第1の透光部12に挟まれた左右方向L2に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図7(g)、(h)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第2の透光部13)にドライエッチングを施すと、図7(i)、(j)に示すように、第2の透光部13においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第2の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第2の開口(第2の透光部13)における透明基板21の位相は0°である。第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽するレジストが残った状態で、さらに、透明基板21を位相90°分だけ彫り込むと、図8(a)、(b)に示すように、位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)と位相が360°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。そしてレジスト23を除去すると、図8(c)、(d)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)、位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)および位相が360°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
上述の手法により、透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、通常のフォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングによって遮光膜の一定領域を開口し、続く透明基板のエッチングを経ることで、最終的に異なる位相を有する第1の透光部、第2の透光部および第3の透光部を形成することができる。上述のように、第3実施形態では、第1の透光部と緩衝領域となる第3の透光部の両方を270°相当の深さとなるように遮光膜の開口及び彫り込みを行い、続いて第1の透光部をレジストで遮蔽したまま第2の透光部と第3の透光部を開口して90°相当の深さ彫り込み、最後にレジスト剥離を行っている。
なお、上述の例では、第1の透光部の位相が270°、第2の透光部の位相が90°、第3の透光部の位相が360°であったが、各透光部の位相はこれらの値に限定されない。第1の透光部と第2の透光部を光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定し、また第3の透光部を第1の透光部と、第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるように設定すればよい。
(第4実施形態)
図9〜図10は、本発明の第4実施形態に係るレベンソン型位相シフトマスクの製造方法を示す図である。なお、図9(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図10(a)、(c)、(e)、(g)、(i)は上面図であり、上下方向が上述の上下方向L1、左右方向が上述の左右方向L2である。図9(b)、(d)、(f)、(h)、(j)および図10(b)、(d)、(f)、(h)、(j)は、それぞれ、図9(a)、(c)、(e)、(g)、(i)および図10(a)、(c)、(e)、(g)、(i)の点線に沿った断面図であり、上下方向が上述の垂直方向L3である。
まず、透明基板(Qz)21の上に、クロム(Cr)22を蒸着させて遮光膜を形成することでマスクブランクスを得る。透明基板21は石英ガラス基板であり、露光波長λに対する屈折率nを有する。このマスクブランクスの表面にレジスト(感光性樹脂)23を均一に塗布する。そして、電子ビームによって、左右方向L2に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジスト23を除去すると、図9(a)、(b)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第1の開口(第1の透光部12)が設けられた状態となる。なお、ここまでの工程は、通常のフォトリソグラフィ法と同様である。
次に、遮光膜が露出した領域(第1の透光部12)に反応性ガスによる化学反応(ドライエッチング)を施すと、図9(c)、(d)に示すように、第1の透光部12においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第1の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相は0°である。さらに、透明基板21を彫り込み、第1の開口(第1の透光部12)における透明基板21の位相が270°となるまで彫り込む。そしてレジスト23を除去すると、図9(e)、(f)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽する。そして、電子ビームによって2つの第1の透光部12に挟まれた左右方向L2に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図9(g)、(h)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第2の透光部13)にドライエッチングを施すと、図9(i)、(j)に示すように、第2の透光部13においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第2の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第2の開口(第2の透光部13)における透明基板21の位相は0°である。
さらに、レジスト23で第1の開口(第1の透光部12)を遮蔽したまま、図10(a)、(b)に示すように、透明基板21を位相90°分だけ彫り込む。そしてレジスト23を除去すると、図10(c)、(d)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)と位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)が設けられた状態となる。
次に、表面にレジスト23を均一に塗布して第1の開口(第1の透光部12)および第2の開口(第2の透光部13)を遮蔽する。そして、電子ビームによって、第1の透光部および第2の透光部の長手方向端部において上下方向L1に延びる平面視長方形状の一部領域を露光し、露光されたレジストを除去すると、図10(e)、(f)に示すように、レジスト23に左右方向L2に延びる平面視長方形状の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。次に、遮光膜が露出した領域(第3の透光部15)にドライエッチングを施すと、図10(g)、(h)に示すように、第3の透光部15においてクロム22が彫り込まれ、上方から見ると第3の開口から透明基板21が露出した状態となる。この状態では、第3の開口(第3の透光部15)における透明基板21の位相は0°である。そしてレジスト23を除去すると、図10(i)、(j)に示すように、位相が270°の第1の開口(第1の透光部12)、位相が90°の第2の開口(第2の透光部13)および位相が0°の第3の開口(第3の透光部15)が設けられた状態となる。
上述の手法により、透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、通常のフォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングによって遮光膜の一定領域を開口し、続く透明基板のエッチングを経ることで、最終的に異なる位相を有する第1の透光部、第2の透光部および第3の透光部を形成することができる。上述のように、第4実施形態では、第1の透光部を270°相当の深さとなるように遮光膜の開口及び彫り込みを行い、続いて第1の透光部をレジストで遮蔽したまま第2の透光部の遮光膜の開口を行った後、90°相当の深さ彫り込み、更にレジスト剥離を行い、最後に緩衝領域となる第3の透光部の遮光膜の開口を行う、という流れで位相シフトマスクを作製している。
なお、上述の例では、第1の透光部の位相が270°、第2の透光部の位相が90°、第3の透光部の位相が0°であったが、各透光部の位相はこれらの値に限定されない。第1の透光部と第2の透光部を光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定し、また第3の透光部を第1の透光部と、第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるように設定すればよい。
以上、第1〜第4の各実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法について説明したが、各製造方法のメリットは以下の通りである。いずれの製造方法に依るかは、必要な形状精度、成膜可能なCr膜厚、工程負荷などを総合的に勘案して適宜選択しうる。
第1実施形態の製造方法のメリットは、段差状(階段状)にQzをエッチングする箇所がないため、構造の角の形状がエッチングによって丸まってしまう現象が発生しづらく、形状形成に対して有利となる(形状がよい)ことである。
第2実施形態の製造方法のメリットは、彫る量(Qzをエッチングする量)が最小限で済むため、マスキングしているCr膜のロス量や彫り込み精度に対して有利となることである。
第3実施形態の製造方法のメリットは、製造工程が他の方法よりも短く、従来方法とほぼ同程度の工程負荷で製造可能となることである。
第4実施形態の製造方法のメリットは、段差状(階段状)にQzをエッチングする箇所がないため、構造の角の形状がエッチングによって丸まってしまう現象が発生しづらく、形状形成に対して有利となる(形状がよい)ことである。さらに、追加のQzエッチングを行う工程がないため、形状形成に対して有利となる(形状がよい)。
上述の各実施形態において、光学位相的に180°の位相差とは、180°だけに限らず、540°、900°、1260°等も含まれ、光学位相的に等価の位相であればそれらを含む。同様に、光学位相的に±90°の位相差とは、90°および−90°だけに限らず、450°や270°等も含まれ、光学位相的に等価の位相であればそれらを含む。
形成される彫り込み深さの差については、例えば180°の位相差に相当する彫り込み深さの差はλ/2(n−1)であるが、これに限らず例えば540°の位相差に相当する3λ/2(n−1)の彫り込み深さの差であっても、光学位相的には等価であるので構わない。同様に、±90°の位相差に相当する彫り込み深さの差は±λ/4(n−1)であるが、これに限らず例えば±450°の位相差に相当する±5λ/4(n−1)の彫り込み深さの差であっても、光学位相的には等価であるので構わない。
すなわち、上述の各実施形態において、第1の透光部の位相、第2の透光部の位相および第3の透光部の位相の関係としては光学位相的に等価である。第1の透光部と第2の透光部を光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定し、また第3の透光部を第1の透光部と、第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるように設定すればよい。
遮光膜の開口については、EB(Electron Beam)描画やレーザー描画等の通常のフォトリソグラフィ法で行えばよい。開口する順番については、上述の各実施形態に係る製造方法で示したように数通り考えられるが、これは基板エッチング時のエッチング条件の選択比、パターンの解像限界とレジスト厚さ、位相シフトマスクに照射される露光波長等のパラメータによって、様々に変わり得る。例えば、露光波長が波長365nmのi線で透明基板が一般的なガラス基板である場合、位相差約180°を生じさせるには約385nmの彫り込み深さが必要となり、基板をその量だけエッチングする際にレジスト遮蔽量が持つかどうかは基板エッチング条件の選択比に依存する。そして遮蔽が持たない場合は、複数回のリソグラフィとエッチングを繰り返して彫り込む、もしくは遮光膜をハードマスクとして彫り込むという工程が必要となる。一方、露光波長が波長193nmのArFエキシマレーザーの場合、位相差約180°を生じさせるには約173nmの彫り込み深さが必要となるが、i線の場合と比べて半分以下の量であるため、比較的レジスト遮蔽量は持ちやすい。但し、解像したいパターンが小さい場合は、解像性とレジスト膜厚の関係に伴い、塗布するレジストすなわち遮蔽レジストを薄くしなければならないため、やはりレジスト遮蔽量が持つかどうかという問題に直面する。このようなことから、基板エッチング時のエッチング選択比、パターンの解像限界とレジスト厚さ、露光波長等のパラメータによって、製造工程を変更する必要がある。
透明基板のエッチングとしては、透明基板を彫り込むことができる手法であればよいため、ウエットエッチングやドライエッチングを用いることができる。露光波長λとしては、波長157nmのF2エキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長365nmのi線、波長405nmのh線、波長436nmのg線などが挙げられ、本発明はこれら電子線向けの位相シフトマスクとして用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
11、11a、11b…Cr部、12…第1の透光部(ガラス部、第1の開口)、13…第2の透光部(ガラス部、第2の開口)、14…境界部、15…第3の透光部(ガラス部、第3の開口)、21…透明基板(Qz)、22…クロム(Cr)、23…レジスト

Claims (10)

  1. 透明基板上に遮光膜を設けたマスクブランクスに対して、フォトリソグラフィ法と遮光膜のエッチングとによって遮光膜の一定領域を開口し、続いて透明基板のエッチングを行うことで、第1の透光部および第2の透光部を形成し、前記第1の透光部と前記第2の透光部が光学位相的にほぼ180°の位相差の関係となるように設定されている位相シフトマスクの製造方法であって、
    前記第1の透光部と前記第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差の関係となるような第3の透光部を形成する
    ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  2. 前記第3の透光部は、前記第1の透光部と前記第2の透光部の各々と接続するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  3. 前記第1の透光部および前記第2の透光部は、平面視長方形状であり、
    前記第1の透光部と前記第2の透光部は、各々の長手方向が同じ方向であるように所定の間隔で交互に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  4. 前記第3の透光部は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の各々と、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向端部において接続するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  5. 前記第3の透光部は、平面視長方形状であり、
    前記第3の透光部の長手方向は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向とは向きが異なることを特徴とする請求項3または4に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  6. 180°の位相差を有する第1の透光部および第2の透光部が形成されている位相シフトマスクであって、
    前記第1の透光部および前記第2の透光部に対して、それぞれ光学位相的にほぼ±90°の位相差を有する第3の透光部を有することを特徴とする位相シフトマスク。
  7. 前記第3の透光部は、前記第1の透光部と前記第2の透光部の各々と接続するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の位相シフトマスク。
  8. 前記第1の透光部および前記第2の透光部は、平面視長方形状であり、
    前記第1の透光部と前記第2の透光部は、各々の長手方向が同じ方向であるように所定の間隔で交互に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の位相シフトマスク。
  9. 前記第3の透光部は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の各々と、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向端部において接続するように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の位相シフトマスク。
  10. 前記第3の透光部は平面視長方形状であり、
    前記第3の透光部の長手方向は、前記第1の透光部および前記第2の透光部の長手方向とは向きが異なることを特徴とする請求項8または9に記載の位相シフトマスク。
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