JP2013140236A - マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013140236A
JP2013140236A JP2011290280A JP2011290280A JP2013140236A JP 2013140236 A JP2013140236 A JP 2013140236A JP 2011290280 A JP2011290280 A JP 2011290280A JP 2011290280 A JP2011290280 A JP 2011290280A JP 2013140236 A JP2013140236 A JP 2013140236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
pattern
film
resist
ground pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011290280A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Suda
秀喜 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2011290280A priority Critical patent/JP2013140236A/ja
Publication of JP2013140236A publication Critical patent/JP2013140236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を抑制し、なお且つ電子線描画時のチャージアップを防止できるマスクブランクを提供する。
【解決手段】複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられるマスクブランクである。このマスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも転写パターンを形成するための導電性を有する材料からなる薄膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とが順に形成されている。このレジスト膜は、基板主表面の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていない。
【選択図】図5

Description

本発明は、LSI等の半導体装置製造における微細パターン転写に用いられる転写用マスク製造用のマスクブランク及び補助パターン型位相シフトマスクの製造方法に関する。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスク(フォトマスク)と呼ばれている基板が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
近年のフォトリソグラフィーにおける超解像技術の一つに位相シフトマスクが挙げられる。この位相シフトマスクには様々な種類のものが提案されているが、その中でも、特に光透過部と光半透過部との境界部のコントラストを向上できるマスクとして、補助パターンを有する位相シフトマスク(以下、「補助パターン型位相シフトマスク」と称す。)がある。
この補助パターン型位相シフトマスクは、透光性基板上に、遮光性膜パターンにより形成された主開口部と、前記遮光性膜パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ掘り込み形成された補助開口部(シフタ開口部)とを有し、前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成されたものである。
遮光性膜パターンが光半透光膜パターンで構成される従来の補助パターン型位相シフトマスクの一般的な製造方法を図1に従って説明する。
合成石英ガラス基板等の透光性基板11の上に、光半透光膜12、遮光膜13及び電子線描画用のポジ型レジスト膜14を順に成膜したマスクブランクを準備する(図1(a)参照)。上記光半透光膜12の材質としては、例えばMoSi、MoSiON等、或いはそれらの積層膜などが用いられ、上記遮光膜13の材質としては、例えばCr、CrO、或いはそれらの積層膜などが用いられる。
次に、上記レジスト膜14に対して、電子線描画装置により所望のパターンを描画し、描画後、現像することにより、レジストパターン14aを形成する(同図(b)参照)。ここでは、例えばホールパターン等の主開口部と、その周辺の補助開口部(シフタ開口部)を形成するためのパターンを描画している。次いで、このレジストパターン14aをマスクとして、遮光膜13を塩素と酸素の混合ガスを用いてドライエッチングし、続けて、光半透光膜12をフッ素系ガスを用いてドライエッチングして、所定の遮光膜パターン13aと光半透光膜パターン12aを形成する(同図(c)参照)。
なお、上記レジストパターン14aをマスクにして、上記遮光膜13及び光半透光膜12を、主成分とするエッチングガス種を変更しないで用いる条件にて連続的にエッチングして、遮光膜パターン13aと光半透光膜パターン12aを形成することもできる。例えばエッチング工程の最初から最後まで、塩素と酸素の混合ガス(但し、塩素ガスを主成分とする)を使用し、途中で混合比を変更する。
そして、残存する上記レジストパターン14aを除去する(同図(d)参照)。
次に、上記と同様の電子線描画用ポジ型のレジスト膜15を基板上の全面に形成する(同図(e)参照)。次に、上記レジスト膜15に対して、上記補助開口部が露出するように、電子線描画装置により所定の領域を描画し、現像して、レジストパターン15aを形成する(同図(f)参照)。次いで、このレジストパターン15aをマスクにして、フッ素系ガスを用いて透光性基板11をドライエッチングして、所定の深さを掘り込み、基板の掘り込みパターン11aを形成する(同図(g)参照)。
そして、残存する上記レジストパターン15aを除去する(同図(h)参照)。
遮光帯付きマスクを作製する場合には、再び上記と同様のレーザ描画用ポジ型のレジスト膜16を基板上の全面に形成する(同図(i)参照)。次に、上記レジスト膜16に対して、レーザ描画装置により遮光帯形成のための所定の領域を描画し、現像して、レジストパターン16aを形成する(同図(j)参照)。続けて、このレジストパターン16aをマスクにして、露出した遮光膜パターン13aをドライエッチング(ウエットエッチングでもよい)して除去し、遮光帯13bを作製する(同図(k)参照)。
そして、残存するレジストパターン16aを除去して、遮光帯付き補助パターン型位相シストマスク10が出来上がる(同図(l)参照)。図2は、この遮光帯付き補助パターン型位相シフトマスク10の平面図である。
ところで、上記レジスト膜が基板の周縁部まで形成されたマスクブランクは、その後の各種処理工程を経る間に、搬送機構に保持されたり、基板収納ケースに挿抜されたりする。このとき、マスクブランクの周縁部が搬送機構のチャック部や、基板収納ケースの収納溝に接触することにより、マスクブランク周縁部のレジスト膜が剥離して発塵源となり、その剥離したレジストがマスクブランクの主表面に付着することによる欠陥が生じる。そこで、従来、このような周縁部のレジスト膜剥離による発塵を抑えるため、レジストを回転塗布して基板全面にレジスト膜を形成した後、レジストを溶解する処理液で基板周縁部のレジスト膜を予め溶解除去することが行われている(特許文献1)。
特公昭58−19350号公報
しかしながら、上述したような従来の補助パターン型位相シフトマスクを、基板周縁部のレジスト膜を予め除去したマスクブランク(図3参照)を用いて製造する場合、以下のような問題点のあることが本発明者の検討によって判明した。
レジスト膜を電子線描画装置により描画しパターニングする際にチャージアップしないように、通常、電子線描画装置のアースピンを、導電性を有する例えばクロム系の遮光膜に接触させて電子線描画を行っている。電子線描画装置のアースピンはマスクブランクの周縁部に接触するようになっており、図4(a)に示されるように、基板周縁部のレジスト膜14が予め除去されていても、電子線描画装置のアースピン17は、基板周縁部の遮光膜13に刺さってしっかりと接触するため導電性は十分確保される。従って、前述の1回目の電子線描画工程(図1(b)の工程)では、チャージアップによる不具合は発生しない。
また、2回目の電子線描画工程は、基板彫り込みによるシフタを形成するための補助開口部を露出させるためのものであり、パターンサイズが非常に小さく(0.2μm以下の線幅、半導体デザインルール65nm世代以降(65nm世代、45nm世代、32nm世代、・・・)においては、0.1〜0.2μm程度)、精度が要求され描画時間も長い。そのため、描画時に導電性が十分に確保されないと、チャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合が発生する可能性がある。そこで、図4(b)に示すように、一般に、レジスト膜15の表面にさらに導電性樹脂膜18を形成して2回目の電子線描画工程を行う。
ところが、基板周縁部のレジスト膜14が予め除去されていると、その後のエッチング工程(図1(c)の工程)により、基板周縁部では遮光膜13及び光半透光膜12が除去されて、透光性基板(ガラス基板)11の表面が露出される。電子線描画装置のアースピンは通常は可動式ではないため、図4(b)に示されるように、前述の2回目の電子線描画工程(図1(f)の工程)では、アースピン17は、遮光膜13及び光半透光膜12が除去された透光性基板11表面に直接接触することになり、このような導電性樹脂膜だけでは十分な導電性を確保することは困難で、上述の補助パターンの解像不良や位置ずれの不具合が発生した。
そこで本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を抑制し、なお且つ電子線描画時のチャージアップを防止できるマスクブランク、及びかかるマスクブランクを用いる補助パターン型位相シフトマスクの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられるマスクブランクであって、前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも、転写パターンを形成するための導電性を有する材料を含む薄膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランクである。
構成1にあるように、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上の(遮光性膜)周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されていることにより、アースピン当接領域では下層の薄膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。当該薄膜を導電性を有する材料で形成する場合、電子線描画装置のアースピンが当該薄膜に接触して導電性を確保することができるため、電子線描画時のチャージアップを効果的に防止することができる。また、アースピン当接領域は、基板主表面の周縁部の極く一部であり、その他の大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
(構成2)
透光性基板上に、遮光性膜パターンにより形成された主開口部と、前記遮光性パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ掘り込み形成された補助開口部とを有し、前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成された位相シフトマスクの製造に用いられるマスクブランクであって、前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも遮光性膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、前記レジスト膜は、前記基板主表面の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランクである。
構成2にあるように、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上の(遮光性膜)周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されていることにより、アースピン当接領域では下層の遮光性膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。当該遮光性膜を例えばクロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜や、MoSi,MoSiON等、或いはそれらの積層膜の光半透光膜と、クロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜との積層構造で構成する場合、電子線描画装置のアースピンが当該遮光膜に接触して導電性を確保することができるため、電子線描画時のチャージアップを効果的に防止することができる。また、アースピン当接領域は、基板主表面の周縁部の極く一部であり、その他の大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
(構成3)
前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、複数種類の電子線描画装置のアースピン位置に対応して、複数の前記アースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランクである。
電子線描画装置によってアースピンの位置が異なる場合があるため、構成3のように、複数種類の電子線描画装置のアースピン位置に対応して、複数の前記アースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、前記アースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない構成とすることにより、アースピン位置がそれぞれ異なる複数種類の電子線描画装置に対しても本発明のマスクブランクを共通に用いることができる。
(構成4)
前記レジスト膜は、前記基板主表面の中心を通り、主表面に対して垂直な軸を中心に、前記マスクブランクが、90度、180度、270度回転した時に、前記アースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のマスクブランクである。
構成4のように、マスクブランクが、基板主表面の中心を通り、主表面に対して垂直な軸を中心に90度、180度、270度回転した時に、前記アースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、前記アースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない構成とすることにより、電子線描画装置のアースピン位置とマスクブランクの設置方向とが一致しているかどうかを確認しなくても済むようになるため、作業性が向上する。
(構成5)
構成2乃至4のいずれかに記載のマスクブランクを準備する工程と、
前記電子線描画装置のアースピンを前記レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記レジスト膜に対して前記主開口部及び前記補助開口部を形成するため所望のパターンの電子線描画を行う第1描画工程と、前記第1描画工程の後、第1現像・リンス工程を経て、第1レジストパターンを形成する工程と、前記第1レジストパターンをマスクにして、前記遮光性膜をエッチングして、前記主開口部及び前記補助開口部の前記基板が露出した前記遮光性膜パターンを形成する工程と、残存する前記第1レジストパターンを除去する工程と、前記遮光膜パターン上に、第2レジスト膜を形成する工程と、前記電子線描画装置のアースピンを前記第2レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記補助開口部が露出するように、前記第2レジスト膜に対して所望のパターンの電子線描画を行う第2描画工程と、前記第2描画工程の後、第2現像・リンス工程を経て、第2レジストパターンを形成する工程と、前記第2レジストパターン、または前記遮光性膜パターンをマスクにして、前記透光性基板をエッチングして、所定量の深さを彫り込む補助パターン形成工程と、残存する前記第2レジストパターンを除去する工程とを有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法である。
構成5にあるように、本発明のマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する場合、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上(遮光性膜)の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されていることにより、アースピン当接領域では下層の遮光性膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。当該遮光性膜を例えばクロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜や、MoSi,MoSiON等、或いはそれらの積層膜の光半透光膜と、クロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜との積層構造で構成する場合、電子線描画装置のアースピンが当該遮光膜に接触して導電性を確保することができるため、補助開口部を露出させるための第2レジスト膜に対して所望のパターンの電子線描画を行う第2描画工程における描画時のチャージアップを効果的に防止することができ、パターンサイズの小さいシフタパターンを精度良く形成することが可能である。また、アースピン当接領域は、基板主表面の周縁部の極く一部であり、その他の大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
(構成6)
前記遮光性膜が、光半透光膜と、遮光膜とが積層された積層膜であって、前記第2レジストパターンを除去する工程の後、前記光半透光膜パターンと前記遮光膜パターンからなる遮光性膜パターン上に、第3レジスト膜を形成する工程と、前記半透光膜パターン上に、該半透光膜パターンと異なる第2遮光膜パターンが形成されて遮光部となるように、前記第3レジスト膜に対して所望のパターンの描画を行う第3描画工程と、前記第3描画工程の後、第3現像・リンス工程を経て、第3レジストパターンを形成する工程と、前記第3レジストパターンをマスクにして、前記遮光膜をエッチングして前記第2遮光膜パターンを形成する工程と、残存する前記第3レジストパターンを除去する工程と、を有することを特徴とする構成5に記載の位相シフトマスクの製造方法である。
本発明は、構成6のように、透光性基板上に、光半透光膜パターンにより形成された主開口部と、前記光半透光膜パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ彫り込み形成された補助開口部と、前記透光性基板の外周部に設けられ、前記光半透光膜パターン上に遮光膜パターンが形成されることにより形成された遮光部とを有し、前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成された位相シフトマスクの製造に好適である。上述構成5に記載された同様の効果を奏する。
(構成7)
前記補助開口部が0.2μm以下の線幅である回路パターンを有することを特徴とする構成5又は構成6に記載の位相シフトマスクの製造方法である。
本発明は、構成7のように前記補助開口部が0.2μm以下の線幅であるようなサイズの小さい回路パターンを有する位相シフトマスクの製造に好適である。
本発明のマスクブランクによれば、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、アースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、電子線描画時のチャージアップを防止できるとともに、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を抑制することができる。
また、かかるマスクブランクを用いて補助パターン型位相シフトマスクを製造することにより、電子線描画時のチャージアップを効果的に防止することができ、パターンサイズの小さいシフタパターンを精度良く形成することができる。また、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を抑制することができ、発塵による欠陥の発生を抑制できる。
補助パターン型位相シフトマスクの製造工程を示す断面図である。 図1の製造工程により得られた補助パターン型位相シフトマスクの平面図である。 基板周縁部のレジスト膜を除去したマスクブランクの断面図である。 (a)は基板周縁部のレジスト膜を除去したマスクブランクを用いて補助パターン型位相シフトマスクを製造する場合の1回目の描画工程の断面図、(b)は2回目の描画工程の断面図である。 本発明に係るマスクブランクの一実施形態の平面図である。 本発明に係るマスクブランクの他の実施形態の平面図である。 本発明に係るマスクブランクのその他の実施形態の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明に係るマスクブランクは、構成1にあるように、複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられるマスクブランクであって、前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも、転写パターンを形成するための導電性を有する材料からなる薄膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、前記レジスト膜は、前記基板主表面の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランクである。
すなわち、本発明に係るマスクブランクは、基本的には、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも、転写パターンを形成するための導電性を有する材料からなる薄膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成された構成である。但し、前記レジスト膜は、前記基板主表面の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されているが、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことが特徴的な構成である。
このように、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されていることにより、アースピン当接領域では下層の薄膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。従って、当該薄膜を導電性を有する材料で形成する場合、電子線描画装置のアースピンが当該薄膜に接触して導電性を確保することができるため、電子線描画時のチャージアップを効果的に防止することができる。例えば、本発明のマスクブランクが、複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられる場合、2回目の描画工程においても描画時のチャージアップを防止することができる。
このように、本発明のマスクブランクは、複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられるが、具体的には、前述の補助パターン型位相シフトマスクや、レベンソン型位相シフトマスクの製造に特に好適に用いられる。補助パターン型位相シフトマスクの製造においては、2回目の描画工程は、シフタとなる基板をエッチングして掘り込むためのパターニングであり、非常にパターンサイズが小さく精度も要求されるため、電子線描画時のチャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合は重大な欠陥となってしまう。一方、レベンソン型位相シフトマスクにおいても、パターンの微細化の要求は高まる傾向にあり、電子線描画時のチャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合は重大な欠陥となってしまう。また、従来の基板周縁部にはレジスト膜が一切形成されていないマスクブランクを用いると、2回目の描画工程においては電子線描画時の導電性を確保することができないため、このような従来の不具合を解消できる本発明のマスクブランクは、上記補助パターン型位相シフトマスクやレベンソン型位相シフトマスクに限らず、複数回の描画工程を含み、2回目の描画工程においても微細パターンを高精度で描画することが要求される転写用マスクの製造には好適に用いられる。
また、上記アースピン当接領域は、基板主表面の周縁部の極く一部であり、その他の大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
なお、上記転写パターンを形成するための導電性を有する薄膜は、例えばクロム等の導電性を有する遮光膜、あるいは例えばMoSi等の光半透光膜と遮光膜の積層膜などである。また、これら遮光膜および光半透光膜はそれぞれ単一層であっても積層構成であってもよい。
なお、導電性を有する薄膜のシート抵抗は、2回目の描画工程において、描画時のチャージアップを防止できる程度であればよく、10kΩ/□以下、好ましくは、5kΩ/□以下、さらに好ましくは、1kΩ/□以下とすることが望ましい。
本発明は、とくに補助パターン型位相シフトマスクの製造に好適なマスクブランクについても提供するものである。
すなわち、上記構成2にあるように、透光性基板上に、遮光性膜パターンにより形成された主開口部と、前記遮光性膜パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ掘り込み形成された補助開口部とを有し、前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成された補助パターン型位相シフトマスクの製造に用いられるマスクブランクであって、前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも遮光性膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランクである。
かかるマスクブランクにおいて特徴的な構成である、前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されているが、前記アースピン当接領域以外は形成されていない点に関しては、上述したとおりである。
上記マスクブランクにおいても、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されていることにより、アースピン当接領域では下層の遮光性膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。当該遮光性膜を例えばクロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜や、MoSi,MoSiON等、或いはそれらの積層膜の光半透光膜と、クロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜との積層構造で構成する場合、電子線描画装置のアースピンが当該遮光膜に接触して導電性を確保することができるため、基板を掘り込むための補助開口部を露出させる2回目の描画工程においても、電子線描画時のチャージアップを効果的に防止することができ、チャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合の発生を防止することができる。また、基板主表面上の周縁部において、大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
図5は、本発明に係るマスクブランクの平面図である。図5は、本発明の一実施の形態として、上記補助パターン型位相シフトマスクの製造に好適なマスクブランクを例示している。
図5に示されるマスクブランク20Aは、透光性基板11(図5には表れていない)の主表面の略全面に、光半透光膜12(図5には表れていない)と、遮光膜13と、電子線描画用ポジ型レジスト膜14とが基板側から順に形成されている。そして、前記レジスト膜14は、前記基板主表面の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域21a,21b,21c,21dには形成されているが、前記アースピン当接領域以外は形成されておらず、アースピン当接領域以外は遮光膜13が露出している。
上記透光性基板11は、使用する露光装置の露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されない。本発明では、例えば合成石英基板を用いることができるが、この合成石英基板は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので特に好適である。
たとえば位相シフトマスクにおいては、上記遮光膜13の材質としてクロムを主成分として含む材料を用い、上記光半透光膜12の材質としてモリブデンシリサイド化合物を含む材料を用いることができる。上記遮光膜は、例えばCr膜の表面に反射防止層として、Crの酸化物や窒化物といったCr系化合物の層を有することが好ましく、転写パターンの描画時の精度を向上させ、マスク使用時の不要な反射迷光の発生を抑止することができる。また、上記光半透光膜を構成するモリブデンシリサイド化合物としては、MoSixのほか、MoSiの窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物など、或いはこれらの積層膜が使用できる。
本実施形態の補助パターン型位相シフトマスク製造用のマスクブランクにおいては、上記光半透光膜12は、露光波長(例えば193nm)における透過率が8〜30%、位相差が−30°〜+30°であることが好ましい。さらに好ましくは、露光波長(例えば193nm)における透過率が8〜15%、位相差が−10°〜+10°であることが望ましい。上記光半透光膜12の膜厚は、補助パターンのパターン線幅の観点からできる限り薄いことが好ましい。光半透光膜の膜厚は、好ましくは、50nm以下、さらに好ましくは30nm以下が望ましい。一方、上記遮光膜13の膜厚に関しては特に制約はないが、微細パターンの補助パターンを形成するためにレジスト膜をできる限り薄膜化することが好ましく、光半透光膜12と遮光膜13と合算した光学濃度(OD)が3を下回らない程度に薄膜化することが好ましい。
透光性基板11上に上記遮光膜13や光半透過膜12を形成する方法としては、例えばスパッタ成膜法が好ましく挙げられるが、勿論スパッタ成膜法に限定する必要はない。
また、上記マスクブランク20Aでは、前記レジスト膜14は、基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域21a,21b,21c,21dには形成されているが、アースピン当接領域以外は形成されていない。このように基板周縁部においてはアースピン当接領域にのみレジスト膜を形成する方法としては、例えば、通常の回転塗布法により、基板主表面の全面にレジスト膜を形成し、次いで基板周縁部において不要な領域に形成されたレジスト膜を除去する方法が挙げられる。
この場合、基板周縁部において不要な領域に形成されたレジスト膜を除去する方法としては、たとえば、主表面全面にレジスト膜を形成したマスクブランク表面をカバー部材で覆い、このカバー部材の上からレジスト膜を溶解する溶媒を供給してこの溶媒をカバー部材の周辺部に設けられた溶媒流路を通じ、マスクブランクの上記アースピン当接領域21a〜21dにおいては残存され、それらの領域以外は除去されるよう、溶媒の供給量及び/又は供給装置を調整しながら溶媒を所定部位に供給することによって、不要なレジスト膜を溶媒で除去する方法を適用することができる(特許第3607903号公報参照)。また、不要なレジスト領域にレジスト剥離液を供給するための供給路と、この不要なレジスト領域のレジストを溶解した剥離液を排出するための排出路とを有するヘッド(具体的には基板の上下主表面周縁部及び端面部を囲むように断面コ字状に形成されたヘッド)を備えた除去装置を用いてもよい(例えば特開2004−335845号公報参照)。
また、基板周縁部のアースピン当接領域21a〜21d以外の領域を予めレジスト膜が形成されないようにシールした上で、通常の回転塗布法によりレジスト膜を形成してもよい。
また、本発明のマスクブランクは、図6に示すように、基板主表面の中心を通り、主表面に対して垂直な軸を中心に、マスクブランクが、90度、180度、270度回転した時に、レジスト膜がアースピン当接領域には形成され、アースピン当接領域以外は形成されていない構成としてもよい。図6では、上述の図5に示したアースピン当接領域21a〜21dの他に、これと同様の構成のアースピン当接領域22a〜22d、23a〜23d、24a〜24dにもレジスト膜を形成したマスクブランク20Bを例示している。
このように、マスクブランクが、基板主表面の中心を通り、主表面に対して垂直な軸を中心に90度、180度、270度回転した時に、前記アースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、前記アースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない構成とすることにより、電子線描画装置のアースピン位置とマスクブランクの設置方向とが一致しているかどうかを確認しなくても済むようになるため、作業性が向上する。
また、本発明のマスクブランクは、図7に示すように、複数種類の電子線描画装置のアースピン位置に対応して、複数のアースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、これらアースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない構成としてもよい。図7では、上述の図6に示したアースピン当接領域21a〜21d、22a〜22d、23a〜23d、24a〜24dの他に、当該電子線描画装置とはアースピン当接領域が異なる別の2種類の電子線描画装置のアースピン当接領域に対応して、アースピン当接領域25a〜25d、26a〜26dにもレジスト膜を形成したマスクブランク20Cを例示している。
電子線描画装置によってアースピンの位置が異なる場合があるため、複数種類の電子線描画装置のアースピン位置にそれぞれ対応して、複数のアースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、アースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない構成とすることにより、アースピン位置がそれぞれ異なる複数種類の電子線描画装置に対しても本発明のマスクブランクを共通に用いることができる。
なお、以上説明した図5〜図7に示すアースピン当接領域はあくまでも一例であって、本発明をこれらに限定する趣旨ではないことは勿論である。また、基板周縁部のアースピン当接領域以外のレジスト膜が形成されていない領域の幅(内側の幅)は、たとえばアースピン当接領域のサイズを考慮し、またレジスト膜剥離による発塵を抑制できるように、適宜設定することができる。
また、本発明は、上述した本発明に係るマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法、より具体的には、補助パターン型位相シフトマスクの製造方法についても提供するものである。
すなわち、本発明に係る補助パターン型位相シフトマスクの製造方法は、本発明に係るマスクブランクを準備する工程と、前記電子線描画装置のアースピンを前記レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記レジスト膜に対して前記主開口部及び前記補助開口部を形成するため所望のパターンの電子線描画を行う第1描画工程と、前記第1描画工程の後、第1現像・リンス工程を経て、第1レジストパターンを形成する工程と、前記第1レジストパターンをマスクにして、前記遮光性膜をエッチングして、前記主開口部及び前記補助開口部の前記基板が露出した前記遮光性膜パターンを形成する工程と、残存する前記第1レジストパターンを除去する工程と、前記遮光性膜パターン上に、第2レジスト膜を形成する工程と、前記電子線描画装置のアースピンを前記第2レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記補助開口部が露出するように、前記第2レジスト膜に対して所望のパターンの電子線描画を行う第2描画工程と、前記第2描画工程の後、第2現像・リンス工程を経て、第2レジストパターンを形成する工程と、前記第2レジストパターン、または前記遮光性膜パターンをマスクにして、前記透光性基板をエッチングして、所定量の深さを彫り込む補助パターン形成工程と、残存する前記第2レジストパターンを除去する工程とを有することを特徴とするものである。
また、透光性基板上に、光半透光膜パターンにより形成された主開口部と、前記光半透光膜パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ彫り込み形成された補助開口部と、前記透光性基板の外周部に設けられ、前記光半透光膜パターン上に遮光膜パターンが形成されることにより形成された遮光部とを有し、前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成された補助パターン型位相シフトマスクにおいては、上記第2レジストパターンを除去する工程の後、前記光半透光膜パターンと前記遮光膜パターンからなる遮光性膜パターン上に、第3レジスト膜を形成する工程と、前記半透光膜パターン上に、該半透光膜パターンと異なる第2遮光膜パターンが形成されて遮光部となるように、前記第3レジスト膜に対して所望のパターンの描画を行う第3描画工程と、前記第3描画工程の後、第3現像・リンス工程を経て、第3レジストパターンを形成する工程と、前記第3レジストパターンをマスクにして、前記遮光膜をエッチングして前記第2遮光膜パターンを形成する工程と、残存する前記第3レジストパターンを除去する工程とを有することを特徴とするものである。
従来の基板周縁部にはレジスト膜が形成されていない構成のマスクブランク(図3参照)を用いた場合、前述の図1(c)のエッチング工程において、基板周縁部の遮光性膜は除去されてしまう。これに対し、本発明のマスクブランクを用いて補助パターン型位相シフトマスクを製造する場合、基板主表面の周縁部においては、電子線描画用ポジ型レジスト膜は、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成されているため、アースピン当接領域では下層の遮光性膜が後のエッチング工程で除去されずに残ることになる。当該遮光膜を例えばクロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜や、MoSi,MoSiON等、或いはそれらの積層膜の光半透光膜と、クロム等の導電性を有する材料からなる遮光膜との積層構造で構成場合、電子線描画装置のアースピンが当該遮光膜に接触して導電性を確保することができるため、補助開口部を露出させるための第2レジスト膜に対して所望のパターンの電子線描画を行う第2描画工程における描画時のチャージアップを効果的に防止することができる。その結果、描画時のチャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合を防止でき、パターンサイズの小さいシフタパターンを精度良く形成することが可能である。
また、前にも説明したとおり、アースピン当接領域は、基板主表面の周縁部の極く一部であり、その他の大部分のアースピン当接領域以外では上記レジスト膜は形成されていないため、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵を全体的には抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、とくに基板掘り込みによる微細なシフタパターンを形成することが要求される補助パターン型位相シフトマスクの製造に好適であるが、とりわけ、前記補助開口部(シフタ開口部)が0.2μm以下の線幅であるようなサイズの小さい回路パターンを有する補助パターン型位相シフトマスクの製造に好適である。尚、主開口部のホールパターンの大きさは特に限定されないが、半導体デザインルール65nm世代以降においては、0.2μm超0.5μm以下が好ましい。
以下、実施例により、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。
(実施例1)
透光性基板11としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板を用い、表面は鏡面研磨を施し、研磨後、所定の洗浄を行ったものである。
透光性基板11上に、MoSiとMoSiONの積層膜からなる光半透光膜12を成膜した。具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=10mol%:90mol%)を用い、アルゴン(Ar)ガス雰囲気で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、MoSi膜を14nmの膜厚で形成した。引き続き、同じターゲットを用い、ArとOとNとHeとの混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、MoSiON膜を11nmの膜厚で形成した。なお、このMoSiとMoSiONの積層膜(総膜厚25nm)は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)において、透過率は9%、位相差が5度となっていた。
次に、光半透光膜12上に、CrとCrOの積層膜からなる遮光膜13を成膜した。具体的には、クロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガス雰囲気で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、Cr膜を30nmの膜厚で形成した。引き続き、同じターゲットを用い、ArとOとの混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、CrO膜を18nmの膜厚で形成した。
次に、上記遮光膜13の表面上に、レジスト膜14として、電子線描画用ポジ型レジスト膜を250nmの膜厚に形成した。レジスト膜14の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。次いで、基板周縁部において不要な領域(電子線描画装置のアースピン当接領域以外)に形成されたレジスト膜を前述の特許第3607903号公報に記載された方法を適用して除去した。これによって、基板周縁部においては、アースピン当接領域にはレジスト膜が形成され、当該アースピン当接領域以外はレジスト膜が形成されていない。なお、アースピン当接領域は、図5と同一にした。
以上のようにして、本実施例のマスクブランクを作製した。
次に、電子線描画装置のアースピンを上記レジスト膜14のアースピン当接領域を介して上記遮光膜13に接触させて、上記レジスト膜14に対し、電子線描画装置を用いて、主開口部(ホールパターン)及び補助開口部(シフタ開口部)を形成するための所望のパターン描画を行った。描画後、所定の現像液で現像してレジストパターン14aを形成した。
次に、上記レジストパターン14aをマスクとして、遮光膜13及び光半透過膜12のドライエッチングを連続して一度に行い、上記主開口部及び補助開口部の基板が露出した遮光膜パターン13a及び光半透過膜パターン12aを形成した。ドライエッチングガスとして、ClとOの混合ガス(Cl:O=20:1)を用い、ドライエッチング装置のRFパワーを、最初は10Wに設定し、遮光膜のエッチングがほぼ終了した時点で、15Wに上げた。
残存したレジストパターン14aを剥離した。
次に、基板上の全面に電子線描画用ポジ型のレジスト膜15を400nmの膜厚に形成した。レジスト膜15の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。
次に、電子線描画装置のアースピンを上記レジスト膜15のアースピン当接領域を介して上記遮光膜13に接触させて、上記レジスト膜15に対し、電子線描画装置を用いて、上記補助開口部が露出するように、所望のパターンを描画し、現像して、レジストパターン15aを形成した。
次に、このレジストパターン15aをマスクとして、透光性基板11を、CFとOとの混合ガス(CF:O=95:5)を用いてドライエッチングして、所定の深さを掘り込み、基板の掘り込みパターン11aを形成した。
残存するレジストパターン15aを剥離した。
次に、再び基板上の全面にレーザ描画用ポジ型のレジスト膜16を400nmの膜厚に形成した。レジスト膜16の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。
次に、上記レジスト膜16に対し、レーザ描画装置を用いて遮光帯形成のための所定の領域を描画し、現像して、レジストパターン16aを形成した。続けて、このレジストパターン16aをマスクにして、露出した遮光膜パターン13aをウエットエッチングして除去し、遮光帯13bを作製した。
残存するレジストパターン16aを剥離して、基板掘り込みタイプの遮光帯付き補助パターン型位相シストマスクが出来上がった。
出来上がった位相シフトマスクについてパターン検査を行ったところ、補助開口部の基板掘り込みによるシフタパターンが設計値通り精度良く形成されていた。また、欠陥検査を行った結果、基板周縁部のレジスト膜剥離による発塵に起因すると推測される欠陥は検出されなかった。
(比較例)
上記遮光膜13の表面上の全面に上記レジスト膜14を形成した後、基板周縁部の所定幅のレジスト膜をすべて実施例1と同様の方法で除去したマスクブランクを用いたこと以外は、実施例1と同様の工程により、補助パターン型位相シフトマスクを作製した。
得られた位相シフトマスクについてパターン検査を行ったところ、補助開口部の基板掘り込みによるシフタパターンが設計値通りには形成されていなかった。これは、1層目のパターニングによって電子線描画装置のアースピン当接領域の遮光膜がエッチングで除去されているため、2回目の電子線描画工程において、アースピンが透光性基板表面に直接接触して導電性が得られず、描画時のチャージアップによる解像不良や位置ずれ等の不具合が発生したことに起因するものと考えられる。
10 補助パターン型位相シフトマスク
11 透光性基板
11a 補助開口部
11b 主開口部
12 光半透光膜
13 遮光膜
14〜16 レジスト膜
17 アースピン
18 導電性樹脂膜
20A,20B,20C マスクブランク
21a〜21d アースピン当接領域
22a〜22d アースピン当接領域
23a〜23d アースピン当接領域
24a〜24d アースピン当接領域
25a〜25d アースピン当接領域
26a〜26d アースピン当接領域

Claims (7)

  1. 複数回の描画工程を含み、2回目の描画には電子線を使用するパターニング工程を含む転写用マスクの製造に用いられるマスクブランクであって、
    前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも、転写パターンを形成するための導電性を有する材料からなる薄膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、
    前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランク。
  2. 透光性基板上に、遮光性膜パターンにより形成された主開口部と、前記遮光性膜パターンを介して前記主開口部の周辺に設けられ、前記透光性基板を所定量の深さ掘り込み形成された補助開口部とを有し前記主開口部を通過する露光光と前記補助開口部を通過する露光光とが略180°の位相差を有するように形成された位相シフトマスクの製造に用いられるマスクブランクであって、
    前記マスクブランクは、透光性基板の主表面の略全面に、少なくとも遮光性膜と、電子線描画用ポジ型レジスト膜とがこの順に形成され、
    前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、電子線描画装置のアースピンが接触するアースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とするマスクブランク。
  3. 前記レジスト膜は、前記基板主表面上の周縁部においては、複数種類の電子線描画装置のアースピン位置に対応して、複数の前記アースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
  4. 前記レジスト膜は、前記基板主表面の中心を通り、主表面に対して垂直な軸を中心に、前記マスクブランクが、90度、180度、270度回転した時に、前記アースピン当接領域には形成され、前記アースピン当接領域以外は形成されていないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載のマスクブランクを準備する工程と、
    前記電子線描画装置のアースピンを前記レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記レジスト膜に対して前記主開口部及び前記補助開口部を形成するため所望のパターンの電子線描画を行う第1描画工程と、
    前記第1描画工程の後、第1現像・リンス工程を経て、第1レジストパターンを形成する工程と、
    前記第1レジストパターンをマスクにして、前記遮光性膜をエッチングして、前記主開口部及び前記補助開口部の前記基板が露出した前記遮光性膜パターンを形成する工程と、
    残存する前記第1レジストパターンを除去する工程と、
    前記遮光性膜パターン上に、第2レジスト膜を形成する工程と、
    前記電子線描画装置のアースピンを前記第2レジスト膜のアースピン当接領域を介して前記遮光性膜に接触させて、前記補助開口部が露出するように、前記第2レジスト膜に対して所望のパターンの電子線描画を行う第2描画工程と、
    前記第2描画工程の後、第2現像・リンス工程を経て、第2レジストパターンを形成する工程と、
    前記第2レジストパターン、または前記遮光性膜パターンをマスクにして、前記透光性基板をエッチングして、所定量の深さを彫り込む補助パターン形成工程と、
    残存する前記第2レジストパターンを除去する工程と、
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  6. 前記遮光性膜が、光半透光膜と、遮光膜とが積層された積層膜であって、
    前記第2レジストパターンを除去する工程の後、前記光半透光膜パターンと前記遮光膜パターンからなる遮光性膜パターン上に、第3レジスト膜を形成する工程と、
    前記半透光膜パターン上に、該半透光膜パターンと異なる第2遮光膜パターンが形成されて遮光部となるように、前記第3レジスト膜に対して所望のパターンの描画を行う第3描画工程と、
    前記第3描画工程の後、第3現像・リンス工程を経て、第3レジストパターンを形成する工程と、
    前記第3レジストパターンをマスクにして、前記遮光膜をエッチングして前記第2遮光膜パターンを形成する工程と、
    残存する前記第3レジストパターンを除去する工程と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  7. 前記補助開口部が0.2μm以下の線幅である回路パターンを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の位相シフトマスクの製造方法。

JP2011290280A 2011-12-29 2011-12-29 マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法 Pending JP2013140236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290280A JP2013140236A (ja) 2011-12-29 2011-12-29 マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011290280A JP2013140236A (ja) 2011-12-29 2011-12-29 マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013140236A true JP2013140236A (ja) 2013-07-18

Family

ID=49037722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011290280A Pending JP2013140236A (ja) 2011-12-29 2011-12-29 マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013140236A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016170320A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 信越化学工業株式会社 マスクブランクス及びその製造方法
JP2017015939A (ja) * 2015-07-01 2017-01-19 信越化学工業株式会社 無機材料膜、フォトマスクブランク、およびフォトマスクの製造方法
CN110824828A (zh) * 2014-09-29 2020-02-21 Hoya株式会社 光掩模和显示装置的制造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04353848A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Fujitsu Ltd マスクの製造方法
JP2003107666A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sharp Corp 位相シフトマスクの製造方法
JP2003173019A (ja) * 2001-09-28 2003-06-20 Hoya Corp マスクブランク、不要膜除去方法及びその装置、並びにマスクブランク及びマスクの製造方法
JP2004335845A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Shin Etsu Chem Co Ltd レジスト成分除去装置及びレジスト成分除去用ヘッド
JP2006039591A (ja) * 2005-10-17 2006-02-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd パターン形成方法
JP2010067781A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Toppan Printing Co Ltd 電子線描画方法、電子線描画装置及びフォトマスク
JP2011171465A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Nuflare Technology Inc 露光用マスクの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04353848A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Fujitsu Ltd マスクの製造方法
JP2003107666A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sharp Corp 位相シフトマスクの製造方法
JP2003173019A (ja) * 2001-09-28 2003-06-20 Hoya Corp マスクブランク、不要膜除去方法及びその装置、並びにマスクブランク及びマスクの製造方法
JP2004335845A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Shin Etsu Chem Co Ltd レジスト成分除去装置及びレジスト成分除去用ヘッド
JP2006039591A (ja) * 2005-10-17 2006-02-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd パターン形成方法
JP2010067781A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Toppan Printing Co Ltd 電子線描画方法、電子線描画装置及びフォトマスク
JP2011171465A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Nuflare Technology Inc 露光用マスクの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110824828A (zh) * 2014-09-29 2020-02-21 Hoya株式会社 光掩模和显示装置的制造方法
CN110824828B (zh) * 2014-09-29 2023-12-29 Hoya株式会社 光掩模和显示装置的制造方法
JP2016170320A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 信越化学工業株式会社 マスクブランクス及びその製造方法
US10488750B2 (en) 2015-03-13 2019-11-26 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Mask blank and making method
JP2017015939A (ja) * 2015-07-01 2017-01-19 信越化学工業株式会社 無機材料膜、フォトマスクブランク、およびフォトマスクの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4920705B2 (ja) フォトマスクの製造方法およびフォトマスクブランク
KR101022600B1 (ko) 그레이 톤 마스크 블랭크, 그레이 톤 마스크 및 그 제조방법
JP4764214B2 (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法
TWI479257B (zh) 光罩基板、光罩及其製造方法
KR101923272B1 (ko) 포토마스크 블랭크, 그의 제조 방법 및 포토마스크
JP4879603B2 (ja) パターン形成方法及び位相シフトマスクの製造方法
US9057961B2 (en) Systems and methods for lithography masks
JP2013140236A (ja) マスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法
KR20090084736A (ko) 포토마스크의 결함 수정 방법, 포토마스크의 제조 방법, 위상 시프트 마스크의 제조 방법, 포토마스크, 위상 시프트마스크, 포토마스크 세트 및 패턴 전사 방법
JP5085366B2 (ja) フォトマスクの欠陥修正方法及びフォトマスクの製造方法
JP2009086389A (ja) フォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法
JP2009092823A (ja) フォトマスクブランクスおよびフォトマスク
JP2020020868A (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法
JP2009229893A (ja) 多階調フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法
JP5644973B1 (ja) フォトマスクの製造方法
JP2003121989A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスクの修正方法
JP2018063441A (ja) ハーフトーン位相シフト型フォトマスクブランク、ハーフトーン位相シフト型フォトマスク及びパターン露光方法
JP5630592B1 (ja) フォトマスクの製造方法
JP6364813B2 (ja) フォトマスクの製造方法
KR20110004075A (ko) 하드마스크용 원판 및 이를 이용한 하드마스크 제조방법
JP2010204264A (ja) 両面にパターンを有するフォトマスクの作製方法
JP4872737B2 (ja) 位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク
JP2012078553A (ja) クロムレス位相シフトマスク及びクロムレス位相シフトマスクの製造方法
JPH09319066A (ja) ハーフトーン位相シフトマスクの製造方法
JP2006053342A (ja) 位相シフトマスクの製造方法と半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150307

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150812