JP5644973B1 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜から構成されるパターンを有するフォトマスクであっても、残渣欠陥の修正を可能とし、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能な、フォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】耐光性を有する第1の薄膜の上に、前記第1の薄膜よりも欠陥修正容易な第2の薄膜を形成し、この第2の薄膜を加工して第2の薄膜パターンを形成した段階で欠陥検査を行い、検出した第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を修正し、この欠陥修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成することで、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子の製造に用いられるフォトマスクの製造方法に関し、特に、ArFエキシマレーザを用いた縮小露光に用いられるフォトマスクの残渣欠陥修正技術に関するものである。
現在、半導体素子の高集積化および微細化は、デザインルール45nmノードから32nmノードへと進展し、さらに22nmノード以下の半導体素子の開発が進められている。半導体素子の高集積化および微細化を実現するために、波長193nmのArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクのマスクパターンを縮小露光してウェハ上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィ技術が使われている。
フォトリソグラフィ技術に用いられるフォトマスク(レチクルとも称する)には、透明基板上にクロム(Cr)等から構成される遮光膜を形成し、光を透過させる部分と遮光する部分でパターンを構成したバイナリ型のフォトマスク(以後、バイナリマスクとも言う)の他に、光の干渉を利用した位相シフト効果により解像度向上を図る位相シフトマスクがある。
この位相シフトマスクには、マスクパターンを挟んで交互に光の位相が反転する構成のレベンソン型位相シフトマスク、光を透過させる部分と半透過させる部分で位相が反転する構成のハーフトーン型位相シフトマスク、クロムなどの遮光層を設けないクロムレス型位相シフトマスクなどがある。中でも、ハーフトーン型マスクは、特殊なパターンのシフタが不要であることや、従来のマスクデータを利用してマスク製作ができることから、多用されている。
上記のハーフトーン型位相シフトマスクは、通常の構成として、透明基板上に半透明膜からなるマスクパターン(以後、半透明マスクパターンとも言う)を有するものであり、この半透明マスクパターンが設けられた部分を透過する光と、透明基板が露出する部分を透過する光の位相が反転するように設計されている。
このようなハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、半透明マスクパターンが設けられた部分と透明基板が露出する部分との境界部で位相反転による光強度低下が生じ、光強度分布の裾の拡がりを抑えることができる。半透明マスクパターンの材料には、主にモリブデンシリサイド(MoSi)を含む化合物、例えば、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)等が広く用いられている(例えば、特許文献1)。
ここで、位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造においては、マスクパターンに黒欠陥と呼ばれる不要な余剰部分である残渣欠陥部を生じることがあり、この残渣欠陥部を除去する工程を黒欠陥修正工程と呼んでいる。
位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造工程には、多くの複雑な工程が含まれており、そのマスクパターンは極めて微細なものであることから、上記のような残渣欠陥を全く発生させないことは、技術的にも製造コスト的にも困難である。それゆえ、位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造において残渣欠陥の修正は必須の工程になっている(例えば、特許文献2)。
この残渣欠陥の修正方法としては、例えば、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの方法や、原子間力顕微鏡(AFM)を利用した部分研削の方法、集束イオンビームを用いた部分エッチングの方法などがある。中でも、修正にかかる時間が短い点や、マスクパターンが受けるダメージが小さい点などから、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの方法が、主に用いられている。
特開2013−11900号公報 特開2004−294613号公報
ここで、従来のモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される半透明マスクパターンは、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が十分でなく、露光時間に伴ってマスク寸法が変化してしまうという問題があったが、半透明層を構成する材料の組成を改良することにより、従来に比べて耐光性が高く、寸法安定性の高い半透明マスクパターンを得るに至った。
また、この耐光性を向上させた半透明マスクパターンは、上記の材料組成を改良した半透明層に、従来と同様のドライエッチング加工を施すことにより形成することができた。
しかしながら、この耐光性を向上させた半透明マスクパターンにおいては、従来のアシストガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチングが進まず、従来と同程度の時間で残渣欠陥の修正工程を完了することができないという問題が判明した。
さらに、この耐光性を向上させた半透明マスクパターンにおいては、従来のアシストガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチング速度が、下地の透明基板のエッチング速度よりも小さくなってしまい、透明基板にダメージを与えずに残渣欠陥を除去することが困難であるという問題も判明した。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜から構成されるパターンを有するフォトマスクであっても、残渣欠陥の修正を可能とし、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能な、フォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、耐光性を有する第1の薄膜の上に、前記第1の薄膜よりも欠陥修正容易な第2の薄膜を形成し、この第2の薄膜を加工して第2の薄膜パターンを形成した段階で欠陥検査を行い、検出した第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を修正し、この欠陥修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成することで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、ArFエキシマレーザ露光に用いられるフォトマスクの製造方法であって、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を検出する欠陥検査工程と、前記検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部に、第1のアシストガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去する第2の薄膜パターン欠陥修正工程と、前記残渣欠陥部をエッチング除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を順に備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記第2の薄膜パターン欠陥修正工程において、第2のアシストガスを供給しながら第2の電子線を照射することにより、前記残渣欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に、堆積物構造体を形成し、前記堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて前記第1の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去することを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、
Mo/ASi≦1/10
の関係を満たすことを特徴とするフォトマスの製造方法である。
また、本発明は、前記第2の薄膜がクロム(Cr)を含む材料から構成されており、前記第1のアシストガスがフッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスであることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記フッ素(F)を含むガスがフッ化キセノン(XeF)を含むガスであり、前記塩素(Cl)を含むガスが塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスであることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記第1のアシストガスが、酸素(O)、水蒸気(HO)、二酸化窒素(NO)、炭酸アンモニウム((NHCO)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記第2のアシストガスが、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスであることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明は、前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO))を含むガスであり、前記シリコン(Si)を含むガスがオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)を含むガスであることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
本発明によれば、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜から構成されるパターンを有するフォトマスクであっても、残渣欠陥の修正を可能とし、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程図である。 図2に続く本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本発明に係る位相シフトマスクの構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る位相シフトマスクの製造方法について説明する。
(フォトマスクの製造方法)
図1は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明に係るフォトマスクの製造方法は、透明基板の上に第1の薄膜が形成され、その上に第2の薄膜が形成されたマスクブランクスを準備する工程(S1)、工程S1で準備したマスクブランクスの第2の薄膜を、エッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程(S2)、工程S2で形成した第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を検出する欠陥検査工程(S3)、工程S3で検出した第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を除去する修正工程(S4)、工程S4で修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工して、第1の薄膜パターンを形成する工程(S5)、の各工程を順に備えている。
ここで、上記のフォトマスクがハーフトーン型の位相シフトマスクの場合には、半透明層が上記の第1の薄膜に相当し、上記のフォトマスクがバイナリマスクの場合には、遮光膜が上記の第1の薄膜に相当する。
また、第2の薄膜は、第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する際に、エッチングマスクとして作用するものである。
なお、通常、第2の薄膜パターンは、第1の薄膜パターンを形成する工程(S5)の後に除去される。
ここで、従来の位相シフトマスクの製造方法においては、半透明マスクパターンを形成した後に、半透明マスクパターンを検査して半透明マスクパターンの残渣欠陥部を検出し、検出した半透明マスクパターンの残渣欠陥部を修正工程で除去していた。
一方、本発明においては、上記のように、半透明層の上に形成した第2の薄膜パターンを検査して第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を検出し(S3)、検出した第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を修正し(S4)、その後、上記の残渣欠陥部を修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工することで、残渣欠陥のない第1の薄膜パターンを形成する(S5)。
それゆえ、本発明においては、ArFエキシマレーザ露光における耐光性を向上させたことによって、第1の薄膜パターンが、従来の修正工程におけるアシストガスと電子線を用いた部分エッチングに対しても耐性を有し、部分エッチングが進行し難い性質のものになっていたとしても、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能となる。
例えば、本発明においては、ArFエキシマレーザ露光における耐光性を向上させたことによって、半透明マスクパターン(第1の薄膜パターンに相当)が、従来の修正工程におけるアシストガスと電子線を用いた部分エッチングに対しても耐性を有し、部分エッチングが進行し難い性質のものになっていたとしても、残渣欠陥の無いハーフトーン型の位相シフトマスクを製造することが可能となる。本発明においては、上記の部分エッチングが進行し難い性質の半透明マスクパターンを直接修正するのではなく、半透明マスクパターンを形成する工程の前の段階で、エッチングマスクパターンの残渣欠陥部を修正するからである。
以下、本発明の実施形態について、工程図を用いてより詳しく説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態について、図2および図3を用いて説明する。
<マスクブランクス準備工程>
図2(a)に示すように、本実施形態においては、まず、透明基板11と、透明基板1





1の上に形成された第1の薄膜12Aと、第1の薄膜12Aの上に形成された第2の薄膜13Aと、を有するマスクブランクスを準備する。
透明基板11としては、ArFエキシマレーザを高い透過率で透過する材料であれば用いることができ、例えば、合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを挙げることができるが、中でも、従来の位相シフトマスクにおける実績から、合成石英ガラスを好適に用いることができる。
第1の薄膜12Aは、上記のフォトマスクがハーフトーン型の位相シフトマスクの場合には、ArFエキシマレーザの位相及び透過率を制御するハーフトーン層として作用する半透明層に相当する。
第1の薄膜12Aが上記の半透明層に相当する場合、位相に関しては、この第1の薄膜12Aから形成される第1の薄膜パターン12の部分を透過する波長193nmのArFエキシマレーザと、透明基板が露出する部分を透過する波長193nmのArFエキシマレーザの位相が反転するように設計されている。
また、透過率に関しては、通常、波長193nmのArFエキシマレーザの透過率が6%となるように設計されている。
一方、上記のフォトマスクがバイナリマスクの場合には、第1の薄膜12Aは、遮光膜に相当する。この場合、第1の薄膜12Aは、通常、波長193nmのArFエキシマレーザに対する光学濃度の値が概ね3となるように設計されている。
第1の薄膜12Aの材料としては、従来のArFエキシマレーザ用ハーフトーン型位相シフトマスクの半透明層やバイナリマスクの遮光膜に用いられてきたものを適用することができる。
例えば、第1の薄膜12Aとして、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料であるモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)などを用いることができる。
中でも、本発明においては、第1の薄膜12Aにおけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、
Mo/ASi≦1/10
の関係を満たすものが好ましい。
上記の関係を満たすものであれば、この第1の薄膜12Aをエッチング加工することで、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高く、寸法安定性の高い第1の薄膜パターンを形成することができるからである。
第1の薄膜12Aの形成方法としては、例えば、モリブデンとシリコンとの混合ターゲットを用い、アルゴンと窒素と酸素の混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
第2の薄膜13Aは、第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成する際の、エッチングマスクとして作用する第2の薄膜パターン13を形成するためのものである。
上記のように、第1の薄膜12Aには、モリブデンシリサイド(MoSi)系の化合物を用いることが好ましく、このモリブデンシリサイド(MoSi)系の化合物は、主に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで加工されることから、エッチングマスク層13Aは、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されていることが好ましい。
このエッチングマスク層13Aを構成する材料の具体例としては、Cr、CrO、CrN、CrNO等のクロム系の材料や、Ta、TaO、TaN、TaNO等のタンタル系の材料を挙げることができる。
なお、第2の薄膜13Aは同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
第2の薄膜13Aの膜厚は、第1の薄膜パターン12を形成する際のエッチングマスクとしての作用に足りる厚さを有していれば良いが、過度に厚い場合は、第2の薄膜パターン13を微細なパターンとすることが困難になる。
それゆえ、第2の薄膜13Aの膜厚は、第1の薄膜パターン12のサイズにもよるが、3nm〜50nm程度の範囲であることが好ましい。
第2の薄膜13Aの形成は、従前公知の真空成膜の方法が適用でき、例えば第2の薄膜13Aがクロム膜(Cr)の場合は、クロムのターゲットを用い、アルゴンガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
<第2の薄膜パターン形成工程>
次に、図2(b)に示すように、第2の薄膜13Aの上にレジスト層14Aを形成する。ここで、本実施形態においては、第2の薄膜13Aとレジスト層14の間に異物21が混入したことによって、残渣欠陥が生じる例を示している。
なお、残渣欠陥発生の形態は、上記の異物21の混入の他に、レジスト層14Aの表面に異物が付着し、電子線パターン描画に際してその部位の電子線照射量が不足し、不要な余剰部分を残したレジストパターンが形成されてしまうことによる場合や、レジストパターンの形状不良により不要な余剰部分が形成されてしまうことによる場合などもある。
また、図2および図3においては、煩雑になるのを避けるため、残渣欠陥となる箇所が1箇所の例を示しているが、通常、残渣欠陥は複数箇所に生じることが多い。
次に、図2(c)に示すように、電子線パターン描画等のパターン形成方法を用いてレジストパターン14を形成し、次いで、図2(d)に示すように、第2の薄膜13Aをエッチング加工して第2の薄膜パターン13を形成する。
第2の薄膜13Aをエッチング加工する方法としては、例えば、第2の薄膜13Aがクロム系材料から構成されている場合は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができ、エッチングマスク層13Aがタンタル系材料から構成されている場合は、塩素系ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができる。
第2の薄膜13Aのエッチング加工が完了した後は、図2(e)に示すように、レジストパターン14を除去する。
通常、このレジストパターン14を除去する工程(図2(e))、若しくは、その後の洗浄工程(図示せず)で、異物21も除去される。しかしながら、第2の薄膜13Aをエッチング加工する際に、異物21のレジストパターン14から露出する部分によって覆われていた第2の薄膜13Aの部分には、不要な余剰部分である残渣欠陥部22が形成される。
なお、残渣欠陥部22は第2の薄膜13Aから形成されたものであり、残渣欠陥部22を構成する材料は、第2の薄膜パターン13を構成する材料と同じである。ただし、図2(e)および図3(f)においては、説明容易とするために、残渣欠陥部22の断面を第2の薄膜パターン13の断面とは異なる斜線で表示している。
<第2の薄膜パターン欠陥検査工程>
図示は省略するが、本発明においては、図2(e)に示す第2の薄膜パターン13の形成工程の後であって、図3(f)に示す残渣欠陥部22の修正工程の前に、残渣欠陥部22を検出する欠陥検査を行う。
ここで、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの残渣欠陥検査は、透明基板上の半透明マスクパターンを透過光や反射光により検査していた。
一方、本発明においては、第1の薄膜12A上の第2の薄膜パターン13を検査することになるが、例えば、第1の薄膜12Aが半透明膜の場合は、第1の薄膜12Aも従来の欠陥検査に用いられてきた検査光を一部透過するため、第1の薄膜12Aと第2の薄膜パターン13の透過率の差を利用して、既存のフォトマスク用欠陥検査装置を用いて、第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部22を検出することができる。
また、第1の薄膜12Aが遮光膜の場合は、反射光を用いて、第1の薄膜12Aと第2の薄膜パターン13の反射率の差を利用して、既存のフォトマスク用欠陥検査装置を用いて、第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部22を検出することができる。
<第2の薄膜パターン欠陥修正工程>
次に、図2(e)までの工程で得られた中間製造物2を欠陥修正装置に配置し、図3(f)に示すように、第1のアシストガス41を供給しながら、上記の欠陥検査工程で検出された第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部22に第1の電子線31を照射して、図3(g)に示すように、残渣欠陥部22をエッチング除去する。
本発明において、第2の薄膜パターン13がクロム(Cr)を含む材料から構成されている場合、第1のアシストガス41には、フッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスを用いることができる。
ここで、フッ素(F)を含むガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)を含むガスを、塩素(Cl)を含むガスとしては、塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスを、それぞれ挙げることができる。
また、第1のアシストガス41は、上記のフッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスに、酸素(O)、水蒸気(HO)、二酸化窒素(NO)、炭酸アンモニウム((NHCO)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることが、エッチング促進効果を奏するために好ましい。
なお、本発明において欠陥修正装置は、従来のフォトマスクの残渣欠陥を、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの方法で修正していた既存の装置を用いることができる。
ここで、この残渣欠陥部22のエッチング除去においては、オーバーエッチングが許容される。
従来のハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥修正工程においては、透明基板上の半透明マスクパターンを部分的にエッチング除去していた。
それゆえ、オーバーエッチングにより透明基板がエッチングされてしまうと、その部分における位相シフト効果が、他の部分と不均一になってしまうというおそれもあった。
一方、本発明においては、残渣欠陥部22で覆われている第1の薄膜12Aの部分は、たとえ、図3(f)に示す欠陥修正においてオーバーエッチングされて膜厚が減少しても、その後の第1の薄膜パターン12の形成工程においてエッチング除去される部分であるため、上記オーバーエッチングが第1の薄膜12Aを貫通して透明基板11に達することが無い限り、位相シフト効果が不均一になるような問題は生じない。
すなわち、本発明に係るフォトマスクの製造方法は、黒欠陥修正工程におけるプロセスマージンが大きいという効果も奏するものである。
<第1の薄膜パターン形成工程>
上記のようにして、検出された全ての残渣欠陥部を修正した後は、図3(h)に示すように、第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図3(i)に示すように、第2の薄膜パターン13を除去してフォトマスク1を得る。
第1の薄膜12Aが、モリブデンシリサイド系材料から構成される場合には、フッ素系ガス、例えば、SF、CF、CHF、Cや、これらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、パターン形成することができる。
なお、第1の薄膜12AがArFエキシマレーザ露光における耐光性を有する構成のものであっても、上記の第1の薄膜パターン12の形成には、従来と同様の条件でドライエッチング加工することができた。
これは、プラズマにより励起された反応性イオンによるドライエッチングは、残渣欠陥の修正工程におけるアシストガスと電子線による部分エッチングよりも、第1の薄膜12Aを構成する材料をエッチングする力が強いためと思われる。
上述のように、本発明に係るフォトマスクの製造方法においては、従来のような半透明マスクパターンを直接修正する方法を用いずに、第1の薄膜パターン12を形成する工程の前の、第2の薄膜パターン13を形成した段階で欠陥検査を行い、検出した残渣欠陥部22を修正し、欠陥修正した第2の薄膜パターン13を用いて第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成するため、たとえ、第1の薄膜12Aが、従来の黒欠陥修正工程におけるアシストガスと電子線による部分エッチングに対して耐性を有するものであっても、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能となる。
なお、残渣欠陥の修正方法としては、原子間力顕微鏡(AFM)を利用した部分研削の方法や、集束イオンビームを用いた部分エッチングの方法もあるが、前者は、AFMの探針による機械的な研削で残渣欠陥を除去するため、修正には長時間を要し、残渣欠陥の数が多い場合には、修正方法として現実的ではない。また、後者は修正に用いるイオンがフォトマスクを構成する材料に残るため、例えば、位相シフト効果に影響を及ぼすおそれがある等の点で好ましくない。
(第2の実施形態)
本発明においては、残渣欠陥修正時の第1の電子線のドリフトを補正して、高い位置精度で残渣欠陥部をエッチング除去することもできる。
上述のように、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥修正工程においては、透明基板上の半透明マスクパターンの残渣欠陥部を、主に、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの方法で修正していた。
ここで、透明基板には絶縁性の合成石英ガラスが主に用いられており、半透明マスクパターンには導電性を有するモリブデンシリサイド(MoSi)を含む化合物が主に用いられていたことから、残渣欠陥部に電子線を照射し続けていると、残渣欠陥部が帯電し、電子線がドリフトしてしまうという問題があった。
それゆえ、半透明マスクパターンの残渣欠陥部を、高い位置精度で修正するためには、電子線がドリフトしてしまうことを補正しながら修正する必要があった。
一方、本発明においては、図3(f)に示すように、第1の薄膜12A上の第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部22を第1の電子線31の照射によりエッチング除去するため、電子線照射される残渣欠陥部22は、導電性を有する第1の薄膜12Aと電気的に接触していることから、従来に比べて帯電が生じにくい。
しかしながら、第1の薄膜12Aを構成する材料と、残渣欠陥部22を構成する材料(すなわち、第2の薄膜パターン13を構成する材料)の間の導電率に差がある場合は、その差に応じて残渣欠陥部22に帯電が生じる。
それゆえ、本発明においても、欠陥修正時の第1の電子線31のドリフトを補正して、残渣欠陥部22をエッチング除去することは、より高い位置精度で修正を行える点で有益である。
本発明において、上記電子線のドリフトを補正して、高い位置精度で残渣欠陥部をエッチング除去するには、例えば、上記の図3に示す工程に変えて、図4に示す工程に従って位相シフトマスクを製造する方法を適用することができる。
この場合も、まず、上記の図2に示す各工程を経て第2の薄膜パターン13を形成し、残渣欠陥部22を検出する欠陥検査を行う。
次に、図2(e)までの工程で得られた中間製造物2を欠陥修正装置に配置し、図4(a)に示すように、第2のアシストガス42を供給しながら第2の電子線32を照射することにより、図4(b)に示すように、残渣欠陥部22とは異なる位置の第2の薄膜パターン13の上に、堆積物構造体51を形成する。
本実施形態において、第2のアシストガス41には、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスを用いることができる。
ここで、クロム(Cr)を含むガスとしては、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO))を含むガスを、シリコン(Si)を含むガスとしては、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)を含むガスを、それぞれ挙げることができる。
次に、図4(c)に示すように、第1のアシストガス41を供給しながら、残渣欠陥部22に第1の電子線31を照射することにより、図4(d)に示すように、残渣欠陥部22をエッチング除去する。
ここで、第1の電子線31の照射を連続的に続けることにより残渣欠陥部22が帯電し、第1の電子線31がドリフトして欠陥修正の位置精度が劣化することを防ぐために、予め形成しておいた堆積物構造体51を位置決め用のマークに用いて、定期的に位置補正する。
上記のようにして、検出された全ての残渣欠陥部を修正した後は、図4(e)に示すように、第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図4(f)に示すように、第2の薄膜パターン13を除去して、本発明に係るフォトマスク1を得る。
ここで、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥修正工程においては、上記の堆積物構造体51に相当する堆積物は、残渣欠陥部とは異なる位置の半透明マスクパターンの上に形成され、通常、その後除去されないことから、異物発生の原因となるおそれがある。また、上記の堆積物構造体51に相当する堆積物を除去するには、その除去のための工程を経る必要があり、工程が増加して製造に時間がかかり、製造コストも増大化するという不具合がある。
一方、本発明においては、堆積物構造体51は第2の薄膜パターン13の上に形成され、この第2の薄膜パターン13は最終的に除去されることから、特に工程を増やすことなく、第2の薄膜パターン13を除去する工程で堆積物構造体51も除去することができる。
そして、堆積物構造体51が除去されることにより、本発明に係るフォトマスクにおいては、従来よりも異物発生のおそれが低減したものとすることができる。
(位相シフトマスク)
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法により得られる位相シフトマスクの形態について説明する。
図5は、本発明に係る位相シフトマスクの構成例を示す概略断面図である。
ここで、図5(a)は、第2の薄膜13Aが遮光層72を兼ねる形態を、図5(b)は、第2の薄膜13Aと遮光材71の2層で遮光層72を構成する形態を、それぞれ示している。
一般に、ハーフトーン型の位相シフトマスクは、マスクパターン領域の外側の領域に、遮光層を有している。
マスクパターン領域の外側の領域もArFエキシマレーザに対して半透明(主に透過率6%)の半透明層のみで構成されている場合、マスクパターン領域の外側の領域を透過するArFエキシマレーザのエネルギーが重なって、ウェハ上のレジストを感光させてしまうという不具合を生じる場合があるため、これを防止するために上記の遮光層を設けている。
本発明においては、第2の薄膜13AがArFエキシマレーザに対して十分な遮光性を有する場合には、第2の薄膜13Aが遮光層72を兼ねる形態とすることができる。
例えば、図5(a)に示す位相シフトマスク1aにおいては、マスクパターン領域61の外側の遮光領域62に遮光層72を有しているが、この遮光層72は、本発明において、第2の薄膜13Aとして第1の薄膜12Aの上に形成したものと同じものとすることができる。言い換えれば、位相シフトマスク1aの遮光層72を、本発明の第2の薄膜13Aとして用いることもできる。
より詳しく述べると、マスクパターン領域61に形成された第2の薄膜13Aは、第2の薄膜パターン13に加工され、最終的には除去されるが、遮光領域62に形成された第2の薄膜13Aは、そのまま残され、位相シフトマスク1aにおいて遮光層72として作用する。
本発明においては、上記のように、第2の薄膜13Aが、遮光層72を兼ねる形態とすることで、別途、遮光層72を形成する必要が無くなり、工程数を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
また、本発明においては、図5(b)に示す位相シフトマスク1bのように、第2の薄膜13Aと遮光材71の2層で遮光層72を構成する形態としても良い。
この場合には、遮光層72としての遮光性は、主に、遮光材71が担うため、第2の薄膜13Aは、材料選択や膜厚に関して自由度が広がることになる。
特に、半透明マスクパターンの微細化を達成するためには、第2の薄膜13Aの薄膜化が必要であり、より微細な半透明マスクパターンを形成する目的において、位相シフトマスク1bのように、第2の薄膜13Aと遮光材71の2層で遮光層72を構成する形態は有益である。
なお、図5(a)および図5(b)のいずれの形態においても、第2の薄膜13Aは同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
また、図5(b)に示す形態において、遮光材71は、同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
以上、本発明に係るフォトマスクの製造方法についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
透明基板11として光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英ガラス基板を用い、第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、3:44:1:54となる膜厚60nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を形成し、第2の薄膜13Aとして、膜厚48nmのクロム膜(Cr)を形成したマスクブランクスを準備した。
次に、上記のクロム膜(Cr)の上に電子線レジストを塗布し、電子線描画装置にてパターン描画、および現像し、レジストパターンを形成した。
次に、塩素と酸素の混合ガスでレジストパターンから露出するクロム膜をドライエッチングして、第2の薄膜パターン13としてクロム膜パターンを形成し、その後、レジストパターンを、酸素プラズマでアッシング除去し、洗浄後、得られた中間製造物2のクロム膜パターンを欠陥検査装置(レーザーテック社製MATRICS X700)を用いて検査した。
次に、中間製造物2を欠陥修正装置(カールツアイス社製MeRiT)に配置し、第2のアシストガス42として、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO))ガスを供給しながら第2の電子線32を照射することにより、上記の検査で検出した残渣欠陥部とは異なる位置のクロム膜パターンの上に、直径が概ね30nmの堆積物構造体を形成した。
次に、第1のアシストガス41として、フッ化キセノン(XeF)と水蒸気(HO)の混合ガスを供給しながら、上記の検査で検出した残渣欠陥部に第1の電子線31を照射して、残渣欠陥部をエッチング除去した。この欠陥修正においては、予め形成しておいた堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて定期的に位置補正して、第1の電子線31がドリフトすることを防止した。
上記のようにして、検出された全ての残渣欠陥部を修正した後は、クロム膜パターンから露出するモリブデンシリサイド酸化窒化膜をSFガスでドライエッチング加工して、半透明マスクパターンを形成し、その後、塩素と酸素の混合ガスでクロム膜パターンを除去して、実施例1のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、4:42:6:46となる膜厚63nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、0:81:18:0となる膜厚45nmのシリコン酸化膜(SiO)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、6:37:3:54となる膜厚68nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、実施例1と同じ構成のマスクブランクスを準備した。
このマスクブランクスを用い、実施例1と同様にしてクロム膜パターンを形成した。なお、この比較例1では実施例1〜3とは異なり、レジストパターンは除去せず、クロム膜パターンを形成した後は、続いて、レジストパターンおよびクロム膜パターンから露出するモリブデンシリサイド酸化窒化膜(Mo:Si:O:N=6:37:3:54)をSF6ガスでドライエッチング加工して、第1の薄膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを、酸素プラズマでアッシング除去し、次いで、塩素と酸素の混合ガスでクロム膜パターンを除去して、比較例1のフォトマスを得た。
上記のようにして得られた比較例1のフォトマスクの第1の薄膜パターンを欠陥検査装置(レーザーテック社製MATRICS X700)を用いて検査した。
次に、比較例1のフォトマスクを欠陥修正装置(カールツアイス社製MeRiT)に配置し、アシストガスとして、フッ化キセノン(XeF)と水蒸気(HO)の混合ガスを供給しながら、上記の検査で検出した残渣欠陥部に電子線を照射して、残渣欠陥部のエッチング除去を試みた。
比較例1の第1の薄膜パターンの残渣欠陥部は、上記条件でエッチング除去が可能であり、検出された全ての残渣欠陥部を修正することができた。結果を表1に示す。
(比較例2)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、7:37:6:45となるモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例2のフォトマスクを得た。
比較例1と同様に、比較例2の第1の薄膜パターンの残渣欠陥部は、エッチング除去が可能であり、検出された全ての残渣欠陥部を修正することができた。結果を表1に示す。
(評価)
上記の実施例1〜3、および比較例1〜2の第1の薄膜を構成する各原子の原子百分率、第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)、第1の薄膜の修正容易性、修正工程における透明基板とのエッチング選択比、ArFエキシマレーザ露光における耐光性について、表1に示す。
なお、第1の薄膜を構成する各原子の原子百分率はXPS分析により求めた。
また、修正工程における透明基板とのエッチング選択比は、透明基板のエッチング速度を1とした場合の、第1の薄膜のエッチング速度を表している。
Figure 0005644973
表1に示すように、比較例1および比較例2においては、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法により、下地の透明基板(合成石英ガラス)との選択比を2以上の値で、直接この第1の薄膜の残渣欠陥部の修正を容易に行うことができたが、得られたフォトマスクの第1の薄膜パターンのArFエキシマレーザ露光における耐光性は、不十分であった。
一方、表1に示すように、第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、AMo/ASi≦1/10の関係を満たす実施例1〜3の第1の薄膜においては、アシストガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチングが進まず、また、下地の透明基板(合成石英ガラス)との選択比は0.25以下の値であり、直接この第1の薄膜の残渣欠陥部の修正を行うことは困難であった。
しかしながら、上述の本発明に係るフォトマスクの製造方法を用いることで得られた実施例1〜3のフォトマスクの第1の薄膜パターンのArFエキシマレーザ露光における耐光性は十分なものであった。
すなわち、本発明によれば、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜から構成されるパターンを有するフォトマスクであっても、残渣欠陥の修正を可能とし、残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
1・・・フォトマスク
1a、1b・・・位相シフトマスク
2・・・中間製造物
11・・・透明基板
12・・・第1の薄膜パターン
12A・・・第1の薄膜
13・・・第2の薄膜パターン
13A・・・第2の薄膜
14・・・レジストパターン
14A・・・レジスト層
21・・・異物
22・・・残渣欠陥部
31・・・第1の電子線
32・・・第2の電子線
41・・・第1のアシストガス
42・・・第2のアシストガス
51・・・堆積物構造体
61・・・マスクパターン領域
62・・・遮光領域
71・・・遮光材
72・・・遮光層

Claims (7)

  1. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、
    前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、
    前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部を検出する欠陥検査工程と、
    前記検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部に、第1のアシストガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去する第2の薄膜パターン欠陥修正工程と、
    前記残渣欠陥部をエッチング除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、
    を順に備えるフォトマスクの製造方法であって、
    前記第1の薄膜をエッチング加工する工程は、前記欠陥検査工程後のみに行われ、
    前記第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、
    Mo/ASi≦1/10
    の関係を満たすことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  2. 前記第2の薄膜パターン欠陥修正工程において、
    第2のアシストガスを供給しながら第2の電子線を照射することにより、前記残渣欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に、堆積物構造体を形成し、
    前記堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて前記第1の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去することを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 前記第2の薄膜がクロム(Cr)を含む材料から構成されており、
    前記第1のアシストガスがフッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記フッ素(F)を含むガスがフッ化キセノン(XeF)を含むガスであり、前記塩素(Cl)を含むガスが塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスであることを特徴とする請求項3に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記第1のアシストガスが、酸素(O)、水蒸気(HO)、二酸化窒素(NO)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 前記第2のアシストガスが、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスであることを特徴とする請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO))を含むガスであり、前記シリコン(Si)を含むガスがオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)を含むガスであることを特徴とする請求項6に記載のフォトマスクの製造方法。
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