JP6364813B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子の製造に用いられるフォトマスクの製造方法に関し、特に、フォトマスクの欠損欠陥修正技術に関するものである。
現在、半導体素子の高集積化および微細化は、デザインルール45nmノードから32nmノードへと進展し、さらに22nmノード以下の半導体素子の開発が進められている。半導体素子の高集積化および微細化を実現するために、波長193nmのArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクのマスクパターンを縮小露光してウェハ上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィ技術が使われている。
フォトリソグラフィ技術に用いられるフォトマスク(レチクルとも称する)には、透明基板上にクロム(Cr)等から構成される遮光膜を形成し、光を透過させる部分と遮光する部分でパターンを構成したバイナリ型のフォトマスク(以後、バイナリマスクとも言う)の他に、光の干渉を利用した位相シフト効果により解像度向上を図る位相シフトマスクがある。
この位相シフトマスクには、マスクパターンを挟んで交互に光の位相が反転する構成のレベンソン型位相シフトマスク、光を透過させる部分と半透過させる部分で位相が反転する構成のハーフトーン型位相シフトマスク、クロムなどの遮光層を設けないクロムレス型位相シフトマスクなどがある。中でも、ハーフトーン型マスクは、特殊なパターンのシフタが不要であることや、従来のマスクデータを利用してマスク製作ができることから、多用されている。
上記のハーフトーン型位相シフトマスクは、通常の構成として、透明基板上に半透明膜からなるマスクパターン(以後、半透明マスクパターンとも言う)を有するものであり、この半透明マスクパターンが設けられた部分を透過する光と、透明基板が露出する部分を透過する光の位相が反転するように設計されている。
このようなハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、半透明マスクパターンが設けられた部分と透明基板が露出する部分との境界部で位相反転による光強度低下が生じ、光強度分布の裾の拡がりを抑えることができる。半透明マスクパターンの材料には、主にモリブデンシリサイド(MoSi)を含む化合物、例えば、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)等が広く用いられている(例えば、特許文献1)。
ここで、位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造においては、マスクパターンに不要な余剰部分である残渣欠陥(黒欠陥とも呼ばれる)を生じることがあり、この残渣欠陥部を除去する工程を黒欠陥修正工程と呼んでいる。
また、必要なマスクパターンの一部が失われた欠損欠陥(白欠陥とも呼ばれる)を生じることがあり、この欠損欠陥部に対して、例えば、デポジション用ガスと電子線を用いて修正材を堆積する工程を、白欠陥修正工程と呼んでいる。
位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造工程には、多くの複雑な工程が含まれており、そのマスクパターンは極めて微細なものであることから、上記のような欠陥を全く発生させないことは、技術的にも製造コスト的にも困難である。それゆえ、位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造において上記のような欠陥の修正は必須の工程になっている(例えば、特許文献2)。
特開2013−11900号公報 特開2004−294613号公報
しかしながら、上記の欠損欠陥の修正においては、堆積する修正材にマスクパターンと同等の光学特性、耐光性、洗浄耐性等が求められることから、その要求を満たすことには困難性を伴っていた。
特に、従来のハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、上記のように、半透明マスクパターンがモリブデンシリサイド(MoSi)を含む化合物から構成されているが、このモリブデンシリサイド(MoSi)を堆積可能なデポジション用ガスが無いことから、モリブデンシリサイド(MoSi)とは異なる材料を修正材として利用するしかなく、光学特性、耐光性、および洗浄耐性のいずれにおいても、要求に対して不十分であり問題になっていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、マスクパターンを構成する材料と同等の光学特性、耐光性、洗浄耐性を有する修正材を要せずに、欠損欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能な、フォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、第1の薄膜の上に、前記第1の薄膜よりも欠陥修正容易な第2の薄膜を形成し、この第2の薄膜を加工して第2の薄膜パターンを形成した段階で欠陥検査を行い、検出した第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を修正し、この欠陥修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成することで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、前記修正材を堆積した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、前記修正材堆積工程により、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去する余剰修正材除去工程と、前記余剰の修正材を除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部および残渣欠陥部を検出する欠陥検査工程と、第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、前記修正材堆積工程により、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去する余剰修正材除去工程と、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部に、第2のエッチング用ガスを供給しながら第3の電子線を照射することにより、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去する残渣欠陥修正工程と、前記残渣欠陥部をエッチング除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記修正材堆積工程において、第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより前記欠損欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第1の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記余剰修正材除去工程において、第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより、前記欠損欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第2の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材をエッチング除去することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記残渣欠陥修正工程において、第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより、前記残渣欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第3の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、0≦AMo/ASi≦1/10の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記第1の薄膜が、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、またはシリコン酸化窒化膜(SiON)のいずれか1種又は複数種からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記第2の薄膜がクロム(Cr)を含む材料から構成されており、前記第1のデポジション用ガスが、クロム(Cr)を含むガスであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスであることを特徴とする請求項9に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記第1のエッチング用ガスおよび前記第2のエッチング用ガスが、フッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項12に係る発明は、前記フッ素(F)を含むガスがフッ化キセノン(XeF2)を含むガスであり、前記塩素(Cl)を含むガスが塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスであることを特徴とする請求項11に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項13に係る発明は、前記第1のエッチング用ガスおよび前記第2のエッチング用ガスが、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化窒素(NO2)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項14に係る発明は、前記第2のデポジション用ガスが、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスであることを特徴とする請求項4乃至請求項13のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項15に係る発明は、前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスであり、前記シリコン(Si)を含むガスがオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC254)を含むガスであることを特徴とする請求項14に記載のフォトマスクの製造方法である。
本発明によれば、マスクパターンを構成する材料に制限されずに、欠損欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の他の例を示す概略工程図である。 本発明に係る欠損欠陥の形態例と修正方法の一例を示す説明図である。 本発明に係る欠損欠陥の他の形態例と修正方法の一例を示す説明図である。 図5に続く本発明に係る欠損欠陥の他の形態例と修正方法の一例を示す説明図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。 図7に続く本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の他の例を示す概略工程図である。 図9に続く本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の他の例を示す概略工程図である。 本発明に係る残渣欠陥の形態例を示す説明図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第3の実施形態の一例を示す概略工程図である。 図12に続く本発明に係るフォトマスクの製造方法の第3の実施形態の一例を示す概略工程図である。 本発明に係る位相シフトマスクの構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係るフォトマスクの製造方法について説明する。
(フォトマスクの製造方法)
図1は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明に係るフォトマスクの製造方法は、透明基板の上に第1の薄膜が形成され、その上に第2の薄膜が形成されたマスクブランクスを準備する工程(S1)、工程S1で準備したマスクブランクスの第2の薄膜を、エッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程(S2)、工程S2で形成した第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程(S3)、工程S3で検出した第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を修正する欠陥修正工程(S4)、工程S4で修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工して、第1の薄膜パターンを形成する工程(S5)、の各工程を順に備えている。
ここで、上記のフォトマスクがハーフトーン型の位相シフトマスクの場合には、半透明層が上記の第1の薄膜に相当し、上記のフォトマスクがバイナリマスクの場合には、遮光膜が上記の第1の薄膜に相当する。
また、第2の薄膜は、第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する際に、エッチングマスクとして作用するものである。
なお、本発明においては、第1の薄膜と第2の薄膜との間に他の層が存在しても良い。
例えば、第1の薄膜が半透明層で、第2の薄膜がハードマスクであり、第1の薄膜と第2の薄膜の間に、遮光膜やエッチングストッパー層が存在する形態であっても良い。
また、透明基板と第1の薄膜の間や、第2の薄膜の上に他の層が存在しても良い。
例えば、第1の薄膜の下にエッチングストッパー層などが存在する形態であっても良い。
また、例えば、第2の薄膜が遮光膜としても作用する場合は、第2の薄膜の上に、この第2の薄膜を加工するためのハードマスク層がする形態であっても良い。
ここで、従来の位相シフトマスクの製造方法においては、半透明マスクパターンを形成した後に、半透明マスクパターンを検査して半透明マスクパターンの欠損欠陥部を検出し、検出した半透明マスクパターンの欠損欠陥部を修正していた。
一方、本発明においては、上記のように、半透明層の上に形成した第2の薄膜パターンを検査して第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出し(S3)、検出した第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を修正し(S4)、その後、上記の欠損欠陥部を修正した第2の薄膜パターンから露出する第1の薄膜をエッチング加工することで、欠損欠陥のない第1の薄膜パターンを形成する(S5)。
それゆえ、本発明においては、第1の薄膜パターン(すなわち、マスクパターン)を構成する材料に制限されずに、欠損欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、工程図を用いてより詳しく説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態について、図2を用いて説明する。
<マスクブランクス準備工程>
図2(a)に示すように、本実施形態においては、まず、透明基板11と、透明基板11の上に形成された第1の薄膜12Aと、第1の薄膜12Aの上に形成された第2の薄膜13Aと、を有するマスクブランクスを準備する。
[透明基板]
透明基板11としては、ArFエキシマレーザ等の露光光を高い透過率で透過する材料であれば用いることができ、例えば、合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを挙げることができるが、中でも、従来の位相シフトマスクにおける実績から、合成石英ガラスを好適に用いることができる。
[第1の薄膜]
第1の薄膜12Aは、上記のフォトマスクがハーフトーン型の位相シフトマスクの場合には、ArFエキシマレーザ等の露光光の位相及び透過率を制御するハーフトーン層として作用する半透明層に相当する。
第1の薄膜12Aが上記の半透明層に相当する場合、位相に関しては、この第1の薄膜12Aから形成される第1の薄膜パターン12の部分を透過する露光光と、透明基板11が露出する部分を透過する露光光の位相が反転するように設計されている。
一方、上記のフォトマスクがバイナリマスクの場合には、第1の薄膜12Aは、遮光膜に相当する。この場合、第1の薄膜12Aは、通常、露光光に対する光学濃度の値が概ね3となるように設計されている。
本発明においては、第1の薄膜パターン(すなわち、マスクパターン)を構成する材料に制限されずに、欠損欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
それゆえ、第1の薄膜12Aの材料としては、例えば、従来のArFエキシマレーザ用ハーフトーン型位相シフトマスクの半透明層やバイナリマスクの遮光膜に用いられてきたものを適用することができる。
さらに、本発明においては、従来とは異なる材料であっても、マスクパターンとしてエッチング加工可能な材料であれば、第1の薄膜12Aの材料として用いることができる。
例えば、第1の薄膜12Aとして、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料であるモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)などを用いることができる。
ただし、従来の組成比のモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される半透明マスクパターンは、ArFエキシマレーザ露光に対する耐光性が十分でなく、露光時間に伴ってマスク寸法が変化してしまうという問題があった。
これは、半透明層にモリブデン(Mo)が多く含まれる場合には、シリコン(Si)の酸化が促進されてしまい、その結果、半透明マスクパターン表面にシリコン酸化膜が成長してマスク寸法が変化してしまうものと考えられている。
それゆえ、本発明においては、第1の薄膜12Aにおけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、
0≦AMo/ASi≦1/10
の関係を満たすものが好ましい。
上記の関係を満たすものであれば、この第1の薄膜12Aをエッチング加工することで、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高く、寸法安定性の高い第1の薄膜パターンを形成することができるからである。
なお、この耐光性を向上させた第1の薄膜パターン12は、上記の材料組成を改良した第1の薄膜12Aに、従来と同様のフッ素系ガスを用いたドライエッチング加工を施すことにより形成することができる。
上記の関係を満たす組成比の第1の薄膜12Aの形成方法としては、例えば、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット、または、モリブデンを含まないシリコンターゲットを適宜用いて、アルゴンと窒素と酸素の混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
また、本発明においては、第1の薄膜12Aとして、モリブデン(Mo)を含まない、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、またはシリコン酸化窒化膜(SiON)のいずれか1種又は複数種からなる薄膜を好適に用いることができる。
ArFエキシマレーザ用ハーフトーン型位相シフトマスクの半透明層を、上記の材料からなる薄膜で構成することにより、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高く、寸法安定性の高い半透明マスクパターンを形成することができるからである。また、上記の材料からなる薄膜であれば、洗浄耐性も高いものとすることができる。
さらに、ArFエキシマレーザ用ハーフトーン型位相シフトマスクの半透明層を、上記の材料からなる薄膜で構成することにより、光透過率を15%以上とすることもでき、従来の6%の光透過率を有する半透明層に比べて、位相効果をより顕著にして、転写像のコントラストをより向上させることもできる。
なお、上記の材料を第1の薄膜12Aとして用いる場合には、フッ素系ガスを用いたドライエッチング加工を施すことにより、第1の薄膜パターン12を形成することができる。
上記の材料からなる第1の薄膜12Aの形成方法としては、例えば、モリブデンを含まないシリコンターゲットを用い、アルゴンに酸素や窒素を適宜含ませた混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
[第2の薄膜]
第2の薄膜13Aは、第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成する際の、エッチングマスクとして作用する第2の薄膜パターン13を形成するためのものである。
上記のように、第1の薄膜12Aは主にフッ素系ガスを用いたドライエッチングで加工されることから、第2の薄膜13Aは、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されていることが好ましい。
この第2の薄膜13Aを構成する材料の具体例としては、Cr、CrO、CrN、CrNO等のクロム系の材料や、Ta、TaO、TaN、TaNO等のタンタル系の材料を挙げることができる。
なお、第2の薄膜13Aは同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
第2の薄膜13Aの膜厚は、第1の薄膜パターン12を形成する際のエッチングマスクとしての作用に足りる厚さを有していれば良いが、過度に厚い場合は、第2の薄膜パターン13を微細なパターンとすることが困難になる。
それゆえ、第2の薄膜13Aの膜厚は、第1の薄膜パターン12のパターンサイズにもよるが、3nm〜50nm程度の範囲であることが好ましい。
第2の薄膜13Aの形成は、従前公知の真空成膜の方法が適用でき、例えば第2の薄膜13Aがクロム膜(Cr)の場合は、クロムのターゲットを用い、アルゴンガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
<第2の薄膜パターン形成工程>
次に、図2(b)に示すように、第2の薄膜13Aをエッチング加工して第2の薄膜パターン13を形成する。
この第2の薄膜パターン13の形成方法としては、フォトマスクの製造において用いられる従前公知の方法、例えば、電子線描画によるリソグラフィ技術を好適に用いることができる。
また、第2の薄膜13Aをエッチング加工する方法としては、例えば、第2の薄膜13Aがクロム系材料から構成されている場合は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができ、第2の薄膜13Aがタンタル系材料から構成されている場合は、塩素系ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができる。
ここで、図2(b)に示す例においては、第2の薄膜パターン13は、3本の1:1ラインアンドスペースパターンであり、中央のラインパターンの中央部に欠損欠陥部21が生じている例を示している。
なお、図2(b)に示す例においては、煩雑になるのを避けるため、欠損欠陥部が1箇所の例を示しているが、通常、欠損欠陥部は複数生じることが多い。
<第2の薄膜パターン欠陥検査工程>
煩雑になるのを避けるため図示は省略するが、本発明においては、図2(b)に示す第2の薄膜パターン13の形成工程の後であって、図2(c)に示す欠損欠陥部21の修正工程の前に、欠損欠陥部21を検出する欠陥検査を行う。
ここで、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの欠損欠陥検査は、透明基板上の半透明マスクパターンを透過光や反射光により検査していた。
一方、本発明においては、第1の薄膜12A上の第2の薄膜パターン13を検査することになるが、例えば、第1の薄膜12Aが半透明層の場合は、第1の薄膜12Aも従来の欠陥検査に用いられてきた検査光を一部透過するため、第1の薄膜12Aと第2の薄膜パターン13の透過率の差を利用して、既存のフォトマスク用欠陥検査装置を用いて、第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部21を検出することができる。
また、第1の薄膜12Aが遮光膜の場合は、反射光を用いて、第1の薄膜12Aと第2の薄膜パターン13の反射率の差を利用して、既存のフォトマスク用欠陥検査装置を用いて、第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部21を検出することができる。
<第2の薄膜パターン欠陥修正工程>
次に、図2(b)までの工程で得られた中間製造物を欠陥修正装置に配置し、図2(c)及び(d)に示すように、第1のデポジション用ガス31を供給しながら、第1の電子線41を照射することにより、上記の欠陥検査工程で検出された第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部21に修正材51を堆積する。
本発明において、第1のデポジション用ガス31には、第1の薄膜12Aをエッチング加工する際のエッチングに耐性を有する材料を堆積できるものであれば用いることができるが、中でもクロム(Cr)を含むガスを好適に用いることができる。ここで、クロム(Cr)を含むガスとしては、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスを挙げることができる。
なお、本発明において、上記の欠損欠陥部の修正に用いる欠陥修正装置には、従来のフォトマスクの欠損欠陥を、デポジション用ガスと電子線を用いた部分デポジションの方法で修正していた既存の装置を用いることができる。
<第1の薄膜パターン形成工程>
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部を修正した後は、図2(e)に示すように、修正された第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図2(f)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51を除去してフォトマスク1を得る。
ここで、第1の薄膜12Aが、シリコン(Si)を含む材料から構成される場合には、フッ素系ガス、例えば、SF6、CF4、CHF3、C26や、これらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、パターン形成することができる。
なお、修正材51が第2の薄膜パターン13を構成する材料と同じ材料から構成されている場合には、第2の薄膜パターン13を除去する工程で修正材51も除去されるため、修正材51を除去するための工程を追加する必要は無い。
上述のように、本発明に係るフォトマスクの製造方法においては、従来のような半透明マスクパターンを直接修正する方法を用いずに、第1の薄膜パターン12を形成する工程の前の、第2の薄膜パターン13を形成した段階で欠陥検査を行い、検出した欠損欠陥部21を修正し、欠陥修正した第2の薄膜パターン13をエッチングマスクとして用いて第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成するため、第1の薄膜パターン12(すなわち、マスクパターン)を構成する材料に制限されずに、欠損欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
<ドリフト補正>
本発明においては、欠損欠陥修正時の第1の電子線41のドリフトを補正して、高い位置精度で欠損欠陥部21を修正することもできる。
上述のように、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの白欠陥修正工程においては、透明基板上の半透明マスクパターンの欠損欠陥部を、主に、デポジション用ガスと電子線を用いた部分デポジションの方法で修正していた。
ここで、透明基板には絶縁性の合成石英ガラスが主に用いられており、半透明マスクパターンには導電性を有するモリブデンシリサイド(MoSi)を含む化合物が主に用いられていたことから、欠損欠陥部に電子線を照射し続けていると、欠損欠陥部が帯電し、電子線がドリフトしてしまうという問題があった。
それゆえ、半透明マスクパターンの欠損欠陥部を、高い位置精度で修正するためには、電子線がドリフトしてしまうことを補正しながら修正する必要があった。
一方、本発明においては、図2(c)に示すように、第1の薄膜12A上の第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部21を第1の電子線41の照射により修正するため、例えば、第1の薄膜12Aが導電性を有するモリブデンシリサイド系材料から構成される場合には、電子線照射される欠損欠陥部21は、導電性を有する第1の薄膜12Aと電気的に接触していることから、従来に比べて帯電が生じにくいことになる。
しかしながら、第1の薄膜12Aを構成する材料と、欠損欠陥部21を有する第2の薄膜パターン13を構成する材料の間の導電率に差がある場合は、その差に応じて帯電が生じる。
また、第1の薄膜12Aとして、モリブデン(Mo)を含まない、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、または酸窒化シリコン(SiON)のいずれか1種からなる薄膜を用いる場合は、上記の薄膜は絶縁性であるため、欠損欠陥部に電子線を照射し続けていると、欠損欠陥部が帯電し、電子線がドリフトしてしまうおそれがある。
それゆえ、本発明において、欠陥修正時の第1の電子線41のドリフトを補正することは、より高い位置精度で修正を行える点で有益である。
本発明において、上記第1の電子線41のドリフトを補正して、高い位置精度で欠損欠陥部21を修正するには、例えば、上記の図2(c)〜(f)に示す工程に変えて、図3(a)〜(f)に示す工程に従ってフォトマスクを製造する方法を適用することができる。
この場合も、まず、上記の図2(a)〜(b)に示す各工程を経て第2の薄膜パターン13を形成し、欠損欠陥部21を検出する欠陥検査を行う。
次に、図2(b)までの工程で得られた中間製造物を欠陥修正装置に配置し、図3(a)に示すように、第2のデポジション用ガス32を供給しながら第4の電子線44を照射することにより、図3(b)に示すように、欠損欠陥部21とは異なる位置の第2の薄膜パターン13の上に、堆積物構造体61を形成する。
ここで本発明においては、後述するように、最終的に得られるフォトマスク1には、堆積物構造体61が残らない。それゆえ、堆積物構造体61を構成する材料、すなわち、上記の第2のデポジション用ガス32の材料には、第1の電子線41のドリフトを補正するためのマークとして作用することができる物であれば、特に制限されず用いることができる。
例えば、本発明においては、上記の第2のデポジション用ガス32として、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスを好適に用いることができる。
ここで、クロム(Cr)を含むガスとしては、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスを、シリコン(Si)を含むガスとしては、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC254)を含むガスを、それぞれ挙げることができる。
次に、図3(c)に示すように、第1のデポジション用ガス31を供給しながら、欠損欠陥部21に第1の電子線41を照射することにより、図3(d)に示すように、欠損欠陥部21に修正材51を堆積する。
ここで、第1の電子線41の照射を連続的に続けることにより欠損欠陥部21が帯電し、第1の電子線41がドリフトして欠陥修正の位置精度が劣化することを防ぐために、予め形成しておいた堆積物構造体61を位置決め用のマークに用いて、定期的に位置補正する。
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部を修正した後は、図3(e)に示すように、第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図3(f)に示すように、第2の薄膜パターン13及び堆積物構造体61を除去して、本発明に係るフォトマスク1を得る。
ここで、従来のハーフトーン型位相シフトマスクの白欠陥修正工程においては、上記の堆積物構造体61に相当する堆積物は、欠損欠陥部とは異なる位置の半透明マスクパターンの上に形成され、通常、その後除去されないことから、異物発生の原因となるおそれがあった。また、上記の堆積物構造体61に相当する堆積物を除去するには、その除去のための工程を経る必要があり、工程が増加して製造に時間がかかり、製造コストも増大化するという不具合があった。
一方、本発明においては、堆積物構造体61は第2の薄膜パターン13の上に形成され、この第2の薄膜パターン13は最終的に除去されることから、特に工程を増やすことなく、第2の薄膜パターン13を除去する工程で堆積物構造体61も除去することができる。
そして、堆積物構造体61が除去されることにより、本発明に係るフォトマスク1においては、従来よりも異物発生のおそれが低減したものとすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態について説明する。
図4〜図6は本発明に係る欠損欠陥の形態例と修正方法の例を示す説明図である。
より詳しくは、図4(a)の上側の図は、ピンホール形態の欠損欠陥部21近傍の概略平面図であり、その下側の図は上側の図のA−A断面図である。また、図4(b)の上側の図は、図4(a)の欠損欠陥部21に修正材51を堆積させた状態を示す概略平面図であり、その下側の図は上側の図のB−B断面図である。
同様に、図5(a)の上側の図は、第2の薄膜パターン13のエッジに生じた欠損欠陥部22近傍の概略平面図であり、その下側の図は上側の図のC−C断面図である。また、図5(b)の上側の図は、図5(a)の欠損欠陥部21に修正材51を堆積させた状態を示す概略平面図であり、その下側の図は上側の図のD−D断面図である。
一方、図6は、図5に続く欠損欠陥の形態例と修正方法の一例を示す説明図である。ここで図6(a)は、図5()と同じであり、図6(b)は、欠損欠陥部22の周囲に堆積した余剰の修正材をエッチング除去した状態を示す概略平面図であり、その下側の図は上側の図のE−E断面図である。
例えば、図4(a)に示すように、第2の薄膜パターン13生じた欠損欠陥部21の形態がピンホールである場合には、図4(b)に示すように、本発明において堆積させる修正材51は、垂直方向、水平方向のいずれにおいても、欠損欠陥部21よりも大きくなるように堆積させることができる。
上記のように、欠損欠陥部21の形態がピンホールである場合には、修正材51によって欠損欠陥部21を確実に埋めることが重要であり、程度にもよるが、欠損欠陥部21よりも大きくなるように修正材51を堆積させても、通常、この修正材51の大きさが第1の薄膜パターン12の寸法に影響することはなく、かつ、修正材51は、上記のように第1の薄膜パターン12の形成後、第2の薄膜パターン13と共に除去されるからである。
一方、図5(a)に示すように、欠損欠陥部22が第2の薄膜パターン13のエッジに生じている場合には、図5(b)に示すように、水平方向において欠損欠陥部22よりも大きくなるように修正材51を堆積させてしまうと、本来の第2の薄膜パターン13のエッジ位置よりも修正材51がはみ出してしまい、この修正材51の余剰の部分によって、第1の薄膜パターン12の寸法が設計通りに形成されなくなるという不具合が生じる。
より詳しくは、例えば図5(a)に示すように、C−C断面における欠損欠陥部22の水平方向の大きさがL3である場合に、図5(b)に示すように、D−D断面における修正材51の水平方向の大きさが、上記の欠損欠陥部21の大きさであるL3よりも大きいL4の大きさであって、本来の第2の薄膜パターン13のエッジ位置よりも修正材51の余剰部分がL5の大きさではみ出している状態に修正材51を堆積させた場合、この状態のままで第1の薄膜12Aをエッチング加工してしまうと、形成される第1の薄膜パターン12の形態も、このD−D断面に相当する部分のエッジ位置は所望の設計位置よりもL5の大きさに応じてはみ出す形態となり、第1の薄膜パターン12の寸法が設計通りに形成されなくなる。
すなわち、上記の修正材51の余剰部分は、第1の薄膜パターン12において残渣欠陥部となる。
上記のような不具合に対し、例えば、第1の薄膜パターン12を欠陥検査して、検出された残渣欠陥部を、従来のように、エッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの方法で除去ことも考えられる。
しかしながら、上述のようなArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜を第1の薄膜12Aに用いた場合には、従来のエッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチングが進まず、従来と同程度の時間で残渣欠陥の修正工程を完了することができないという問題が判明した。
さらに、この耐光性が高い薄膜から形成された第1の薄膜パターン12においては、従来のエッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチング速度が、下地の透明基板のエッチング速度よりも小さくなってしまい、透明基板にダメージを与えずに残渣欠陥部を除去することが困難であるという問題も判明した。
なお、第1の薄膜12Aが、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜であっても、上記の第1の薄膜パターン12の形成には、従来と同様に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングでエッチング加工することができた。
これは、プラズマにより励起された反応性イオンによるドライエッチングは、残渣欠陥部の修正工程におけるエッチング用ガスと電子線による部分エッチングよりも、第1の薄膜12Aを構成する材料をエッチングする力が強いためと考えられる。
なお、残渣欠陥部の修正方法としては、原子間力顕微鏡(AFM)を利用した部分研削の方法や、集束イオンビームを用いた部分エッチングの方法もあるが、前者は、AFMの探針による機械的な研削で残渣欠陥部を除去するため、修正には長時間を要し、残渣欠陥の数が多い場合には、修正方法として現実的ではない。また、後者は修正に用いるイオンがフォトマスクを構成する材料に残るため、例えば、位相シフト効果に影響を及ぼすおそれがある等の点で好ましくない。
それゆえ本実施形態においては、上記の第1の実施形態における修正材堆積工程の後、第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部22の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガス71を供給しながら第2の電子線42を照射することによりエッチング除去し、この余剰の修正材を除去した第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成する。
より詳しくは、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、前記修正材堆積工程により、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去する余剰修正材除去工程と、前記余剰の修正材を除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を備えるものである。
以下、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。ここで、図7及び図8は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。
なお、煩雑となるのを避けるため、上記の第1の実施形態において説明した事項と重複する事項については、適宜説明を省略する。
<マスクブランクス準備工程>
図7(a)に示すように、本実施形態においても上記の第1の実施形態と同様に、まず、透明基板11と、透明基板11の上に形成された第1の薄膜12Aと、第1の薄膜12Aの上に形成された第2の薄膜13Aと、を有するマスクブランクスを準備する。
<第2の薄膜パターン形成工程>
次に、図7(b)に示すように、第2の薄膜13Aをエッチング加工して第2の薄膜パターン13を形成する。
ここで、図7(b)に示す例においては、第2の薄膜パターン13は、3本の1:1ラインアンドスペースパターンであり、中央のラインパターンの右側のエッジに、L3の大きさの欠損欠陥部22が生じている例を示している。
<第2の薄膜パターン欠陥検査工程>
煩雑になるのを避けるため図示は省略するが、本実施形態においても、図7(b)に示す第2の薄膜パターン13の形成工程の後であって、図7(c)に示す欠損欠陥部22の修正工程の前に、欠損欠陥部22を検出する欠陥検査を行う。
<第2の薄膜パターン欠陥修正工程>
[修正材堆積工程]
次に、図7(b)までの工程で得られた中間製造物を欠陥修正装置に配置し、図7(c)及び(d)に示すように、第1のデポジション用ガス31を供給しながら、第1の電子線41を照射することにより、上記の欠陥検査工程で検出された第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部22に修正材51を堆積する。
ここで、図7(d)に示すように、堆積が終了した際の修正材51の状態は、本来の第2の薄膜パターン13のエッジ位置よりも修正材51の余剰部分がL5の大きさではみ出している状態であった。
[余剰修正材除去工程]
次に、本実施形態においては、図8(e)及び(f)に示すように、第1のエッチング用ガス71を供給しながら第2の電子線42を照射することにより、上記の修正材51の余剰部分をエッチング除去する。
この修正材51の余剰部分のエッチング除去においては、垂直方向のオーバーエッチングが許容される。
本実施形態においては、修正材51の余剰部分で覆われている第1の薄膜12Aの部分は、たとえ、図8(e)に示す欠陥修正においてオーバーエッチングされて膜厚が減少したとしても、その後の第1の薄膜パターン12の形成工程(図8(g))においてエッチング除去される部分であるため、上記オーバーエッチングが第1の薄膜12Aを貫通して透明基板11に達することが無い限り、問題は生じない。
すなわち、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法は、余剰修正材除去工程におけるプロセスマージンが大きいという効果も奏するものである。
本実施形態において、第1のデポジション用ガス31が、クロム(Cr)を含むガスである場合、すなわち、修正材51がクロム(Cr)を含む材料から構成されている場合、第1のエッチング用ガス71には、フッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスを用いることができる。
ここで、フッ素(F)を含むガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)を含むガスを、塩素(Cl)を含むガスとしては、塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスを、それぞれ挙げることができる。
また、第1のエッチング用ガス71は、上記のフッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスに、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化窒素(NO2)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることが、エッチング促進効果を奏するために好ましい。
<第1の薄膜パターン形成工程>
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部の修正をした後は、図8(g)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図8(h)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51を除去してフォトマスク1を得る。
上述のように、本実施形態によれば、第2の薄膜パターン13において、欠損欠陥部21の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去し、その後、第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成するため、第1の薄膜パターン12(すなわち、マスクパターン)を構成する材料に制限されずに、第1の薄膜パターン12において残渣欠陥となり得るおそれのある部分の修正を可能とし、上記の余剰の修正材に起因する残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
<ドリフト補正>
また、本実施形態においても、上記の第1の実施形態と同様に、修正材堆積工程における第1の電子線41のドリフトを補正して、高い位置精度で欠損欠陥部22に修正材51を堆積することもできる。
また、同様に、余剰修正材除去工程における第2の電子線42のドリフトを補正して、高い位置精度で余剰の修正材をエッチング除去することもできる。
図9および図10は、本実施形態において、上記各電子線のドリフト補正を行う場合の工程例を示す概略工程図である。
本実施形態において、修正材堆積工程における第1の電子線41のドリフトを補正して高い位置精度で欠損欠陥部22に修正材51を堆積し、さらに、余剰修正材除去工程における第2の電子線42のドリフトを補正して高い位置精度で余剰の修正材をエッチング除去するには、まず、図9(a)に示すように、第2のデポジション用ガス32を供給しながら第4の電子線44を照射することにより、図9(b)に示すように、欠損欠陥部22とは異なる位置の第2の薄膜パターン13の上に、堆積物構造体61を形成する。
次に、図9(c)に示すように、第1のデポジション用ガス31を供給しながら、欠損欠陥部22に第1の電子線41を照射することにより、図9(d)に示すように、欠損欠陥部22に修正材51を堆積する。
ここで、第1の電子線41の照射を連続的に続けることにより欠損欠陥部22が帯電し、第1の電子線41がドリフトして欠陥修正の位置精度が劣化することを防ぐために、予め形成しておいた堆積物構造体61を位置決め用のマークに用いて、定期的に位置補正する。
次に、図10(e)に示すように、第1のエッチング用ガス71を供給しながら第2の電子線42を照射することにより、図10(f)に示すように、修正材51の余剰部分をエッチング除去する。
ここで、第2の電子線42の照射を連続的に続けることにより、第2の電子線42がドリフトして照射位置精度が劣化することを防ぐために、予め形成しておいた堆積物構造体61を位置決め用のマークに用いて、定期的に位置補正する。
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部を修正した後は、図10(g)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図10(h)に示すように、第2の薄膜パターン13、修正材51、及び堆積物構造体61を除去して、本発明に係るフォトマスク1を得る。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第3の実施形態について説明する。
上述のように、位相シフトマスクを含むフォトマスクの製造工程には、多くの複雑な工程が含まれており、そのマスクパターンは極めて微細なものであることから、上述した欠損欠陥に加えて、不要な余剰部分である残渣欠陥も生じやすい。
図11は、本発明に係る残渣欠陥の形態例を示す説明図である。より詳しくは、図11の上側の図は、第2の薄膜パターン13のエッジに生じた残渣欠陥部81近傍の概略平面図であり、その下側の図は上側の図のF−F断面図である。
例えば、図11に示すように、第2の薄膜パターン13のエッジに残渣欠陥部81が生じている場合、この状態のままで第1の薄膜12Aをエッチング加工してしまうと、形成される第1の薄膜パターン12の形態も、この残渣欠陥部81が存在する部分のエッジ位置は所望の設計位置よりもL7の大きさに応じてはみ出す形態となり、第1の薄膜パターン12の寸法が設計通りに形成されなくなる。
すなわち、第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部81は、第1の薄膜パターン12においても残渣欠陥部を生じさせてしまうという不具合が生じる。
上記のような不具合に対し、例えば、第1の薄膜パターン12を欠陥検査して、検出された残渣欠陥部を、従来のように、エッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの方法で除去ことも考えられる。
しかしながら、第2の実施形態においても説明したように、ArFエキシマレーザ露光における耐光性が高い薄膜を第1の薄膜12Aに用いた場合には、従来のエッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチングが進まず、従来と同程度の時間で残渣欠陥の修正工程を完了することができないという問題がある。
さらに、この耐光性が高い薄膜から形成された第1の薄膜パターン12においては、従来のエッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、残渣欠陥部のエッチング速度が、下地の透明基板のエッチング速度よりも小さくなってしまい、透明基板にダメージを与えずに残渣欠陥部を除去することが困難であるという問題もある。
また、第2の実施形態においても説明したように、残渣欠陥部の修正方法としては、原子間力顕微鏡(AFM)を利用した部分研削の方法や、集束イオンビームを用いた部分エッチングの方法もあるが、前者は、AFMの探針による機械的な研削で残渣欠陥部を除去するため、修正には長時間を要し、残渣欠陥の数が多い場合には、修正方法として現実的ではない。また、後者は修正に用いるイオンがフォトマスクを構成する材料に残るため、例えば、位相シフト効果に影響を及ぼすおそれがある等の点で好ましくない。
一方、本発明においては、上記の第2の実施形態において説明した余剰修正材除去工程と同様にして、第2の薄膜パターン13に生じた残渣欠陥部をエッチング除去することができる。
それゆえ本実施形態においては、予め第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部および残渣欠陥部を検出しておき、上記の第2の実施形態に加えて、前記検査工程で検出された第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部に、第2のエッチング用ガスを供給しながら第3の電子線を照射することにより、第2の薄膜パターン13の残渣欠陥部81をエッチング除去し、上記の欠損欠陥部および残渣欠陥部を修正した第2の薄膜パターン13から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成する。
より詳しくは、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部および残渣欠陥部を検出する欠陥検査工程と、第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、前記修正材堆積工程により、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去する余剰修正材除去工程と、前記検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部に、第2のエッチング用ガスを供給しながら第3の電子線を照射することにより、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去する残渣欠陥修正工程と、前記残渣欠陥部をエッチング除去した第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、を備えるものである。
以下、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第3の実施形態について、図12及び図13を用いて説明する。ここで、図12及び図13は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第3の実施形態の一例を示す概略工程図である。
なお、煩雑となるのを避けるため、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態において説明した事項と重複する事項については、適宜説明を省略する。
<マスクブランクス準備工程>
図12(a)に示すように、本実施形態においても上記の第2の実施形態と同様に、まず、透明基板11と、透明基板11の上に形成された第1の薄膜12Aと、第1の薄膜12Aの上に形成された第2の薄膜13Aと、を有するマスクブランクスを準備する。
<第2の薄膜パターン形成工程>
次に、図12(b)に示すように、第2の薄膜13Aをエッチング加工して第2の薄膜パターン13を形成する。
ここで、図12(b)に示す例においては、第2の薄膜パターン13は、3本の1:1ラインアンドスペースパターンであり、中央のラインパターンの右側のエッジに、L3の大きさの欠損欠陥部22が生じており、かつ、左側のラインパターンの右側のエッジに、L7の大きさの残渣欠陥部81が生じている例を示している。
<第2の薄膜パターン欠陥検査工程>
煩雑になるのを避けるため図示は省略するが、本実施形態においては、図12(b)に示す第2の薄膜パターン13の形成工程の後であって、図12(c)に示す欠損欠陥部22の修正工程の前に、欠損欠陥部22および残渣欠陥部81を検出する欠陥検査を行う。
<第2の薄膜パターン欠陥修正工程>
[修正材堆積工程]
次に、図12(b)までの工程で得られた中間製造物を欠陥修正装置に配置し、図12(c)及び(d)に示すように、第1のデポジション用ガス31を供給しながら、第1の電子線41を照射することにより、上記の欠陥検査工程で検出された第2の薄膜パターン13の欠損欠陥部22に修正材51を堆積する。
ここで、図12(d)に示すように、堆積が終了した際の修正材51の状態は、本来の第2の薄膜パターン13のエッジ位置よりも修正材51の余剰部分がL5の大きさではみ出している状態であった。
[余剰修正材除去工程]
次に、図12(e)及び図13(f)に示すように、第1のエッチング用ガス71を供給しながら第2の電子線42を照射することにより、上記の修正材51の余剰部分(水平方向の大きさL5)をエッチング除去する。
[残渣欠陥修正工程]
さらに、本実施形態においては、図13(g)及び(h)に示すように、第2のエッチング用ガス72を供給しながら第3の電子線43を照射することにより、残渣欠陥部81(水平方向の大きさL7)をエッチング除去する。
この残渣欠陥部81のエッチング除去においては、垂直方向のオーバーエッチングが許容される。
従来のハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥修正工程においては、透明基板上の半透明マスクパターンを部分的にエッチング除去していた。それゆえ、垂直方向のオーバーエッチングにより透明基板がエッチングされてしまうと、その部分における位相シフト効果が、他の部分と不均一になってしまうというおそれもあった。
一方、本実施形態においては、残渣欠陥部81で覆われている第1の薄膜12Aの部分は、たとえ、図13(g)に示す欠陥修正においてオーバーエッチングされて膜厚が減少しても、その後の第1の薄膜パターン12の形成工程(図13(i))においてエッチング除去される部分であるため、上記オーバーエッチングが第1の薄膜12Aを貫通して透明基板11に達することが無い限り、問題は生じない。
すなわち、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法は、黒欠陥修正工程におけるプロセスマージンが大きいという効果も奏するものである。
本実施形態において、第2の薄膜パターン13がクロム(Cr)を含む材料から構成されている場合、第2のエッチング用ガス72には、フッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスを用いることができる。
ここで、フッ素(F)を含むガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)を含むガスを、塩素(Cl)を含むガスとしては、塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスを、それぞれ挙げることができる。
また、第2のエッチング用ガス72は、上記のフッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスに、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化窒素(NO2)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることが、エッチング促進効果を奏するために好ましい。
<第1の薄膜パターン形成工程>
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部および残渣欠陥部の修正をした後は、図13(i)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51から露出する第1の薄膜12Aをエッチング加工して、第1の薄膜パターン12を形成し、その後、図13(j)に示すように、第2の薄膜パターン13及び修正材51を除去してフォトマスク1を得る。
上述のように、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法においては、従来のような半透明マスクパターンを直接修正する方法を用いずに、第1の薄膜パターン12を形成する工程の前の、第2の薄膜パターン13を形成した段階で欠陥検査を行い、検出した欠損欠陥部22および残渣欠陥部81を修正し、欠陥修正した第2の薄膜パターン13を用いて第1の薄膜12Aをエッチング加工して第1の薄膜パターン12を形成するため、第1の薄膜パターン12(すなわち、マスクパターン)を構成する材料に制限されずに、欠損欠陥および残渣欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥および残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することができる。
なお、図12および図13に示す例においては、修正材堆積工程、余剰修正材除去工程、残渣欠陥修正工程の順に欠陥修正する工程例を示したが、本実施形態においては、修正材堆積工程の後に余剰修正材除去工程を行うことを守ればよく、例えば、残渣欠陥修正工程、修正材堆積工程、余剰修正材除去工程の順に欠陥修正する工程としても良い。
<ドリフト補正>
また、本実施形態においても、上記の第1の実施形態と同様に、修正材堆積工程における第1の電子線41のドリフトを補正して、高い位置精度で欠損欠陥部22に修正材51を堆積することもできる。
また、上記の第2の実施形態と同様に、余剰修正材除去工程における第2の電子線42のドリフトを補正して、高い位置精度で余剰の修正材をエッチング除去することもできる。
さらに、残渣欠陥修正工程における第3の電子線43のドリフトを補正して、高い位置精度で残渣欠陥部81をエッチング除去することもできる。
より詳しくは、上記の残渣欠陥修正工程において、第2のデポジション用ガス32を供給しながら第4の電子線44を照射することにより、残渣欠陥部81とは異なる位置の第2の薄膜パターン13の上に形成した堆積物構造体61を位置決め用のマークに用いて、第3の電子線43を照射する位置を補正して、第2の薄膜パターンの残渣欠陥部81をエッチング除去することもできる。
なお、上記の残渣欠陥修正工程における第3の電子線43のドリフトを補正する方法については、上記の図9及び図10を参考にして、上記の第2の実施形態における余剰修正材除去工程における第2の電子線42のドリフトを補正する方法と同様に説明できるため、図示は省略する。
(位相シフトマスク)
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法により得られる位相シフトマスクの形態について説明する。
図14は、本発明に係る位相シフトマスクの構成例を示す概略断面図である。
ここで、図14(a)は、第2の薄膜13Aが遮光層102を兼ねる形態を、図14(b)は、第2の薄膜13Aと遮光材101の2層で遮光層102を構成する形態を、それぞれ示している。
一般に、ハーフトーン型の位相シフトマスクは、マスクパターン領域の外側の領域に、遮光層を有している。
マスクパターン領域の外側の領域もArFエキシマレーザに対して半透明(主に透過率6%)の半透明層のみで構成されている場合、マスクパターン領域の外側の領域を透過するArFエキシマレーザのエネルギーが重なって、ウェハ上のレジストを感光させてしまうという不具合を生じる場合があるため、これを防止するために上記の遮光層を設けている。
本発明においては、第2の薄膜13AがArFエキシマレーザに対して十分な遮光性を有する場合には、第2の薄膜13Aが遮光層102を兼ねる形態とすることができる。
例えば、図14(a)に示す位相シフトマスク1aにおいては、マスクパターン領域91の外側の遮光領域92に遮光層102を有しているが、この遮光層102は、本発明において、第2の薄膜13Aとして第1の薄膜12Aの上に形成したものと同じものとすることができる。言い換えれば、位相シフトマスク1aの遮光層102を、本発明の第2の薄膜13Aとして用いることもできる。
より詳しく述べると、マスクパターン領域91に形成された第2の薄膜13Aは、第2の薄膜パターン13に加工され、最終的には除去されるが、遮光領域92に形成された第2の薄膜13Aは、そのまま残され、位相シフトマスク1aにおいて遮光層102として作用する。
本発明においては、上記のように、第2の薄膜13Aが、遮光層102を兼ねる形態とすることで、別途、遮光層102を形成する必要が無くなり、工程数を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
また、本発明においては、図14(b)に示す位相シフトマスク1bのように、第2の薄膜13Aと遮光材101の2層で遮光層102を構成する形態としても良い。
この場合には、遮光層102としての遮光性は、主に、遮光材101が担うため、第2の薄膜13Aは、材料選択や膜厚に関して自由度が広がることになる。
特に、半透明マスクパターンの微細化を達成するためには、第2の薄膜13Aの薄膜化が必要であり、より微細な半透明マスクパターンを形成する目的において、位相シフトマスク1bのように、第2の薄膜13Aと遮光材101の2層で遮光層102を構成する形態は有益である。
なお、図14(a)および図14(b)のいずれの形態においても、第2の薄膜13Aは同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
また、図14(b)に示す形態において、遮光材101は、同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
以上、本発明に係るフォトマスクの製造方法についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
透明基板11として光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英ガラス基板を用い、第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、3:44:1:54となる膜厚60nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を形成し、第2の薄膜13Aとして、膜厚46nmのクロム膜(Cr)を形成したマスクブランクスを準備した。
次に、上記のクロム膜(Cr)の上に電子線レジストを塗布し、電子線描画装置にてパターン描画、および現像し、レジストパターンを形成した。
次に、塩素と酸素の混合ガスでレジストパターンから露出するクロム膜をドライエッチングして、第2の薄膜パターン13としてクロム膜パターンを形成し、その後、レジストパターンを、酸素プラズマでアッシング除去し、洗浄後、得られた中間製造物のクロム膜パターンを欠陥検査装置(レーザーテック社製MATRICS X700)を用いて検査した。
次に、中間製造物を欠陥修正装置(カールツアイス社製MeRiT)に配置し、第2のデポジション用ガス32として、クロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)ガスを供給しながら第4の電子線44を照射することにより、上記の検査で検出した欠損欠陥部および残渣欠陥部とは異なる位置のクロム膜パターンの上に、直径が概ね30nmの堆積物構造体を形成した。
次に、第1のデポジション用ガス31としてクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)ガスを供給しながら、第1の電子線41を照射することにより、上記の検査で検出した欠損欠陥部に修正材51を堆積した。
この修正材堆積工程においては、上記の堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて定期的に位置補正して、第1の電子線41がドリフトすることを防止した。
次に、第1のエッチング用ガス71としてフッ化キセノン(XeF2)と水蒸気(H2O)の混合ガスを供給しながら、第2の電子線42を照射することにより、クロム膜パターンのエッジにおける修正材51の余剰部分をエッチング除去した。
この余剰修正材除去工程においては、ダイトゥーダイ検査におけるリファレンスパターンを参照し、同形状のパターンとなるように修正した。また、上記の堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて定期的に位置補正して、第2の電子線42がドリフトすることを防止した。
なお、上記のダイトゥーダイ検査は、ダイトゥーデータベース検査でも良いが、ダイトゥーダイ検査の方が高精度を実現できて好ましい。
次に、第2のエッチング用ガス72としてフッ化キセノン(XeF2)と水蒸気(H2O)の混合ガスを供給しながら、第3の電子線43を照射することにより、上記の検査で検出した残渣欠陥部をエッチング除去した。
この残渣欠陥修正工程においては、上記の堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて定期的に位置補正して、第3の電子線43がドリフトすることを防止した。
上記のようにして、検出された全ての欠損欠陥部および残渣欠陥部を修正した後は、クロム膜パターンから露出するモリブデンシリサイド酸化窒化膜をSF6ガスでドライエッチング加工して、半透明マスクパターンを形成し、その後、塩素と酸素の混合ガスでクロム膜パターン及び修正材51を除去して、実施例1のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、4:42:6:46となる膜厚63nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、0:81:18:0となる膜厚45nmのシリコン酸化膜(SiO)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、0:45:10:45となる膜厚63.5nmのシリコン酸化窒化膜(SiON)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、0:42:0:58となる膜厚57nmのシリコン窒化膜(SiN)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のフォトマスクを得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、6:37:3:54となる膜厚68nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、実施例1と同じ構成のマスクブランクスを準備した。
このマスクブランクスを用い、実施例1と同様にしてクロム膜パターンを形成した。なお、この比較例1では実施例1〜4とは異なり、レジストパターンは除去せず、クロム膜パターンを形成した後は、続いて、レジストパターンおよびクロム膜パターンから露出するモリブデンシリサイド酸化窒化膜(Mo:Si:O:N=6:37:3:54)をSF6ガスでドライエッチング加工して、第1の薄膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを、酸素プラズマでアッシング除去し、次いで、塩素と酸素の混合ガスでクロム膜パターンを除去して、比較例1のフォトマスを得た。

上記のようにして得られた比較例1のフォトマスクの第1の薄膜パターンを欠陥検査装置(レーザーテック社製MATRICS X700)を用いて検査した。
次に、比較例1のフォトマスクを欠陥修正装置(カールツアイス社製MeRiT)に配置し、エッチング用ガスとして、フッ化キセノン(XeF2)と水蒸気(H2O)の混合ガスを供給しながら、上記の検査で検出した残渣欠陥部に電子線を照射して、残渣欠陥部のエッチング除去を試みた。
比較例1の第1の薄膜パターンの残渣欠陥部は、上記条件でエッチング除去が可能であり、検出された全ての残渣欠陥部を修正することができた。
一方、上記の検査で検出した欠損欠陥部に対しては、モリブデンシリサイド(MoSi)を堆積可能なデポジション用ガスが無いことから、修正は行わなかった。
結果を表1に示す。
(比較例2)
第1の薄膜12Aとして、Mo:Si:O:Nの原子比が、7:37:6:45となるモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例2のフォトマスクを得た。
比較例1と同様に、比較例2の第1の薄膜パターンの残渣欠陥部は、エッチング除去が可能であり、検出された全ての残渣欠陥部を修正することができた。
一方、上記の検査で検出した欠損欠陥部に対しては、モリブデンシリサイド(MoSi)を堆積可能なデポジション用ガスが無いことから、修正は行わなかった。
結果を表1に示す。
(評価)
上記の実施例1〜5、および比較例1〜2の第1の薄膜を構成する各原子の原子百分率、第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)、第1の薄膜の残渣欠陥修正における透明基板とのエッチング選択比、最終的に得られたフォトマスクにおける欠陥修正の良否、ArFエキシマレーザ露光に対する耐光性について、表1に示す。
なお、第1の薄膜を構成する各原子の原子百分率はXPS分析により求めた。
Figure 0006364813
表1に示すように、比較例1および比較例2においては、従来の、エッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法により、下地の透明基板(合成石英ガラス)との選択比を2以上の値で、直接この第1の薄膜の残渣欠陥部の修正を容易に行うことができた。
しかしながら、欠損欠陥に対しては、モリブデンシリサイド(MoSi)を堆積可能なデポジション用ガスが無いことから、直接この第1の薄膜の欠損欠陥部の修正を行う有効な手段は無かった。
また、得られたフォトマスクにおける、第1の薄膜パターンのArFエキシマレーザ露光に対する耐光性は、不十分であった。
一方、表1に示すように、第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(AMo/ASi)が、0≦AMo/ASi≦1/10の関係を満たす実施例1〜5の第1の薄膜においては、従来の、エッチング用ガスと電子線を用いた部分エッチングの修正方法では、第1の薄膜の残渣欠陥部のエッチングが進まず、また、下地の透明基板(合成石英ガラス)との選択比は0.25以下の値であり、直接この第1の薄膜の残渣欠陥部の修正を行うことは困難であった。
しかしながら、上述の本発明に係るフォトマスクの製造方法を用いることにより、実施例1〜5に示す組成の第1の薄膜を有する構成であっても、欠損欠陥部および残渣欠陥部が無いフォトマスクを得ることができた。
また、実施例1〜5により得られたフォトマスクにおける、第1の薄膜パターンのArFエキシマレーザ露光に対する耐光性は十分なものであった。
上記のように、本発明においては、ArFエキシマレーザ露光に対する耐光性が高い薄膜から構成されるパターンを有するフォトマスクであっても、欠損欠陥および残渣欠陥の修正を可能とし、欠損欠陥および残渣欠陥の無いフォトマスクを製造することが可能なことを確認できた。
1・・・フォトマスク
1a、1b・・・位相シフトマスク
11・・・透明基板
12・・・第1の薄膜パターン
12A・・・第1の薄膜
13・・・第2の薄膜パターン
13A・・・第2の薄膜
21、22・・・欠損欠陥部
31・・・第1のデポジション用ガス
32・・・第2のデポジション用ガス
41・・・第1の電子線
42・・・第2の電子線
43・・・第3の電子線
44・・・第4の電子線
51・・・修正材
61・・・堆積物構造体
71・・・第1のエッチング用ガス
72・・・第2のエッチング用ガス
81・・・残渣欠陥部
91・・・マスクパターン領域
92・・・遮光領域
101・・・遮光材
102・・・遮光層

Claims (15)

  1. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、
    前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、
    前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、
    第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、
    第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、
    前後関係においてこの順に備え
    前記第1の薄膜におけるモリブデン(Mo)とシリコン(Si)の原子比(A Mo /A Si )が、0<A Mo /A Si ≦1/10の関係を満たすことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  2. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、
    前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、
    前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、
    第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、
    第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、
    を前後関係においてこの順に備え、
    前記第1の薄膜が、シリコン窒化膜(SiN)、またはシリコン酸化窒化膜(SiON)のいずれか1種又は複数種から構成されることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  3. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜の上に形成された第2の薄膜と、を有するマスクブランクスを準備する工程と、
    前記第2の薄膜をエッチング加工して第2の薄膜パターンを形成する工程と、
    前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部を検出する欠陥検査工程と、
    第1のデポジション用ガスを供給しながら第1の電子線を照射することにより、前記欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積する修正材堆積工程と、
    第2の薄膜パターンから露出する前記第1の薄膜をエッチング加工して第1の薄膜パターンを形成する工程と、
    を前後関係においてこの順に備え、
    前記第1の薄膜が、Si:Oの原子比が、81:18となるシリコン酸化膜(SiO)から構成されることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  4. 前記修正材堆積工程により、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材を、第1のエッチング用ガスを供給しながら第2の電子線を照射することによりエッチング除去する余剰修正材除去工程をさらに備え、
    前後関係において、前記余剰修正材除去工程は、前記修正材堆積工程と前記第1の薄膜パターンを形成する工程との間に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記欠陥検査工程は、前記第2の薄膜パターンの前記欠損欠陥部および残渣欠陥部を検出するものであり、
    該欠陥検査工程で検出された前記第2の薄膜パターンの前記残渣欠陥部に、第2のエッチング用ガスを供給しながら第3の電子線を照射することにより、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去する残渣欠陥修正工程をさらに備え、
    前後関係において、前記残渣欠陥修正工程は、前記欠陥検査工程と前記第1の薄膜パターンを形成する工程との間に備えることを特徴とする請求項4に記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 前記残渣欠陥修正工程において、
    第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより、前記残渣欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第3の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの残渣欠陥部をエッチング除去することを特徴とする請求項に記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 前記余剰修正材除去工程において、
    第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより、前記欠損欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第2の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部の周囲に堆積した余剰の修正材をエッチング除去することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法。
  8. 前記修正材堆積工程において、
    第2のデポジション用ガスを供給しながら第4の電子線を照射することにより前記欠損欠陥部とは異なる位置の前記第2の薄膜パターンの上に形成した堆積物構造体を位置決め用のマークに用いて、前記第1の電子線を照射する位置を補正して、前記第2の薄膜パターンの欠損欠陥部に修正材を堆積することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法。
  9. 前記第2のデポジション用ガスが、クロム(Cr)を含むガス、または、シリコン(Si)を含むガスであることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法。
  10. 前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスであり、前記シリコン(Si)を含むガスがオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC254)を含むガスであることを特徴とする請求項に記載のフォトマスクの製造方法。
  11. 前記第2の薄膜がクロム(Cr)を含む材料から構成されており、前記第1のデポジション用ガスが、クロム(Cr)を含むガスであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のフォトマスクの製造方法。
  12. 前記クロム(Cr)を含むガスがクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)を含むガスであることを特徴とする請求項11に記載のフォトマスクの製造方法。
  13. 前記第1のエッチング用ガスおよび前記第2のエッチング用ガスが、フッ素(F)を含むガス、または、塩素(Cl)を含むガスであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のフォトマスクの製造方法。
  14. 前記フッ素(F)を含むガスがフッ化キセノン(XeF2)を含むガスであり、前記塩素(Cl)を含むガスが塩化ニトロシル(NOCl)を含むガスであることを特徴とする請求項13に記載のフォトマスクの製造方法。
  15. 前記第1のエッチング用ガスおよび前記第2のエッチング用ガスが、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化窒素(NO2)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれか1種または2種以上のガスが添加された混合ガスであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載のフォトマスクの製造方法。
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