JP2007114759A - 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法 - Google Patents

階調をもつフォトマスクおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007114759A
JP2007114759A JP2006252140A JP2006252140A JP2007114759A JP 2007114759 A JP2007114759 A JP 2007114759A JP 2006252140 A JP2006252140 A JP 2006252140A JP 2006252140 A JP2006252140 A JP 2006252140A JP 2007114759 A JP2007114759 A JP 2007114759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light
shielding film
photomask
light shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006252140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5196098B2 (ja
Inventor
Junji Fujikawa
潤二 藤川
Shu Shimada
周 島田
Yuichi Yoshida
雄一 吉田
Shiho Sasaki
志保 佐々木
Takeshi Amano
剛 天野
Kimio Ito
公夫 伊藤
Nobuto Toyama
登山  伸人
Hiroshi Mori
弘 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006252140A priority Critical patent/JP5196098B2/ja
Publication of JP2007114759A publication Critical patent/JP2007114759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5196098B2 publication Critical patent/JP5196098B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

【課題】フォトリソグラフィ工程数を減らすための階調をもつフォトマスクにおいて、汎用のフォトマスクブランクを使用し、遮光膜の反射率が高くなるのを防止し、半透明膜パターン形成時のアライメントが容易であり、半透明膜が遮光膜パターン上にステップカバレージ良く形成できる階調をもつフォトマスクおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に所望のパターンを有し、パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜114と、露光光を所望の透過率で透過する半透明膜113とからなり、透明基板101上に、遮光膜114と半透明膜113とがこの順に積層されて存在する遮光領域、半透明膜113のみが存在する半透明領域、および遮光膜114と半透明膜113のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスク100において、半透明膜113が、露光光に対して反射防止機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子や画像表示素子などのパターン形成に用いられるフォトリソグラフィ技術において、複数のフォトマスクを用いて複数のリソグラフィ工程を行う代わりに、階調をもった1枚のフォトマスクを用い、その透過光量に応じた段差をもつレジストプロファイルを形成することにより、リソグラフィ工程数を減らす製造技術に用いられる階調をもつフォトマスクおよびその製造方法に関する。
上記の半導体素子や液晶ディスプレイ装置(LCD)に代表される画像表示素子などのリソグラフィ工程数を減らすパターン形成方法に関しては、例えば、リフロー法によるリソグラフィ回数を削減する方法、あるいは、アッシング法によるリソグラフィ回数を削減する方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
また、上記の特許文献には、このために用いる露光光の解像限界以下の微小スリットを有するフォトマスク(以下、スリットマスクと記す。)、および、露光光に対して階調を有するフォトマスク(以下、グレートーンマスクとも称する。)とが説明されている。
しかしながら、上記のスリットマスクおよび従来のグレートーンマスク(以下、従来型グレートーンマスクと記す。)は、ともにマスク製造上に大きな難点があった。
スリットマスクでは、露光光を実質的に遮光するクロム膜などの一般的な遮光膜を用い、マスク上で半透明としたい領域に解像限界以下の微小スリットを配置する(例えば、特許文献3参照。特許文献3のマスクは、グレートーンマスクと書かれているが、いわゆるスリットマスクである。)。このマスクのスリットは、解像限界以下のサイズであるため、それ自身はレジスト上に結像せずに、周囲の非開口部領域も含めたエリアに、サイズに応じた露光光を透過する。このため、スリットマスクは、スリットが形成された領域と、その周囲を含めたエリアに、あたかも半透明膜があるかのように機能するマスクである。
しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。
さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
一方、従来型グレートーンマスクは、露光光を実質的に遮光する膜に加え、露光光に対して半透明な第二の膜を用いて階調を出すマスクである(例えば、特許文献4参照。)。このマスクを作製するためには、透明基板上に半透明膜と遮光膜とが予めこの順に積層された専用のフォトマスクブランクを使用し、2回のマスクパターン製版を繰り返す。この場合、1回目の製版では、遮光膜と半透明膜とを一気にエッチングし、2回目の製版では、遮光膜だけをエッチングすることで、所望のマスクを作製できる。また、1回目の製版で、遮光膜だけをエッチングし、2回目の製版で遮光膜と半透明膜とを一気にエッチングすることでも可能である。この従来型グレートーンマスクは、スリットマスクのように微小スリットを配置する必要は無い点では有利である。
しかしながら、上記の通り、遮光膜だけを除去し、半透明膜を残すような、エッチング技術が必要となるが、エッチングの選択比がとれないという問題があった。このため、従来型グレートーンマスクにおいては、遮光膜・半透明膜の材料選定が限られ、専用のフォトマスクブランク材料が必要であった。あるいは、半透明膜上にエッチングストッパー膜を設けてから遮光膜を形成した構成とせざるを得なかった。またさらに、エッチングの選択性を持たせるために、複数のエッチング技術(複数の装置・薬液・ガスなど)を準備する必要があり、製造設備、工程が増え、マスク製造コストの上昇原因となるという問題があった。
そこで、本出願人は上記の問題点を解決すべく、特願2004−195602において、透明基板上に、遮光膜と半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域、遮光膜のみが存在する遮光領域、半透明膜のみが存在する半透明領域、および遮光膜と半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクと、その製造方法を提案した。特願2004−195602においては、遮光膜としてフォトマスク汎用のクロム系の材料を、半透明膜としてクロムの酸化膜、窒化膜、炭化膜などを使用するのが望ましいとしている。
特許第3415602号公報 特開2002−66240号公報 特開2002−196474号公報 特開2002−189280号公報
一方、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程においては、露光の際に、露光光が遮光膜表面で反射して迷光を生じ、転写精度を低下させてしまう問題を防ぐために、汎用されているフォトマスクブランクでは、遮光膜の表面に低反射膜が積層形成された2層構成のブランクがよく用いられている。通常、遮光膜としては厚さ50〜150nm程度のクロム膜または窒化クロム膜等が用いられ、低反射膜としては、厚さ20nm程度の酸化クロム膜等が用いられている。
しかしながら、本出願人は、特願2004−195602に提案した階調フォトマスクにおいて、遮光膜上に低反射膜を設けた2層構成のマスクブランクを用いて階調フォトマスクを製造する際に、次のような問題を生じる場合があることを見出した。
遮光膜上に設けた低反射膜は、その膜質と膜厚とにより反射率を最適化しているが、遮光膜と低反射膜を有する表面上に、さらに半透明膜を形成すると、反射率が変わり、低反射膜の効果が減少し、反射率が高くなってしまう場合があるという問題があった。
また、半透明膜パターンを形成するときには、アライメント描画工程において、遮光膜パターンに予め形成されている基準マークを描画装置で読み取り、この位置に合わせて半透明膜のパターンを描画する方法が行なわれているが、遮光膜の表面に低反射膜が形成されている場合、描画装置で遮光膜に形成されている基準マークが読み取りにくい場合があるという問題があった。
さらに、使用するフォトマスクブランクとして、図8(a)に示すように、例えば、透明基板601上に遮光膜602として窒化クロム、低反射膜603に酸化クロムの2層膜の組み合わせよりなる汎用のフォトマスクブランク600を用いた場合、ウェットエッチングを使用してパターンエッチングすると、図8(b)に示すように、遮光膜パターン604のエッジ部605がサイドエッチにより逆テーパー状になり、図8(c)に示すように、低反射膜パターン606を覆って、基板全面に半透明膜607を成膜したときに、逆テーパー状部に半透明膜607が成膜付着されず、被覆性良く、すなわちステップカバレージ良く半透明膜607の膜形成できない場合があり、欠陥発生の原因となるという問題があった。
本発明は、上記の特願2004−195602に示された問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、フォトリソグラフィ工程数を減らすための階調をもつフォトマスクにおいて、専用のフォトマスクブランク材料を必要とせずに汎用のフォトマスクブランクを使用し、遮光膜の反射率が高くなるのを防止し、半透明膜パターン形成時のアライメントのための基準マークの読み取りが容易であり、半透明膜が遮光膜パターン上にステップカバレージ良く形成できる階調をもつフォトマスクおよびその製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る階調をもつフォトマスクは、透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜と前記半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域、前記半透明膜のみが存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクにおいて、前記半透明膜が、前記露光光に対して反射防止機能を有することを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項1に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記半透明膜のみが存在する半透明領域の前記露光光に対する透過率が、15%〜85%の範囲であることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項1または請求項2に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記遮光膜と前記半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域の前記露光光に対する反射率が、30%未満であることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記半透明膜が、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザのうちの少なくともいずれか1つが有する波長に対して反射防止機能を有することを特徴とするものである。
請求項5の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記遮光膜と前記半透明膜とが、いずれもクロムを主成分とすることを特徴とするものである。
請求項6の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項5に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記遮光膜がクロムまたは窒化クロムからなり、前記半透明膜が酸化クロムまたは酸化窒化クロムからなることを特徴とする。
請求項7の発明に係る階調をもつフォトマスクの製造方法は、透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなる階調をもつフォトマスクの製造方法において、順に、前記透明基板上に前記遮光膜を成膜したマスクブランクを準備する工程と、前記遮光膜をパターニングする工程と、前記パターニングした遮光膜を設けた前記透明基板上に、前記露光光に対して反射防止機能を有する半透明膜を全面に成膜する工程と、 前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程と、を含むことを特徴とするものである。
請求項8の発明に係る階調をもつフォトマスクの製造方法は、透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなる階調をもつフォトマスクの製造方法において、順に、前記透明基板上に遮光膜と低反射膜の2層膜を有するマスクブランクを準備する工程と、前記低反射膜をエッチングにより除去して前記遮光膜を露出する工程と、 前記遮光膜をパターニングする工程と、前記パターニングした遮光膜を設けた前記透明基板上に、反射防止機能を有する半透明膜を全面に成膜する工程と、前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程と、を含むことを特徴とするものである。
請求項9の発明に係る階調をもつフォトマスクの製造方法は、請求項7または請求項8に記載の階調をもつフォトマスクの製造方法において、前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程の後に、露出した前記遮光膜を再びパターニングする工程と、を含むことを特徴とする。
請求項10の発明に係る階調をもつフォトマスクの製造方法は、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクの製造方法において、前記遮光膜をパターニングする工程の後に、前記遮光膜のマスクパターン検査工程、および必要に応じて修正工程とを行なうことを特徴とするものである。
本発明の階調をもつフォトマスクは、半透明膜自体が反射防止機能を有するので、遮光膜上に低反射膜を設ける必要が無く、マスク構造が単純化される。また、遮光膜パターンのエッジ部にも半透明膜がステップカバレージ良く形成されるので、マスクパターンのエッジ部がスムーズになり、高品質の階調をもつフォトマスクを低コストで得ることが可能となる。
本発明の階調をもつフォトマスクを用いることにより、半導体素子や画像表示素子のフォトリソグラフィ工程数を効率的に減らすことができ、低コストの半導体素子や画像表示素子が実現できる。
本発明の階調をもつフォトマスクの製造方法は、専用のフォトマスクブランクを用意することなく、従来のクロム系材料のフォトマスクブランクを用いることが可能なので、既存のマスク製造工程、製造設備を用いて製造することができる。さらに、マスク製造工程中のアライメント描画工程において、半透明膜の下にある遮光膜パターンの基準マークを確実に認識でき、アライメントが容易になり、その精度が向上し、高品質の階調をもつフォトマスクを低コストで得ることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の階調をもつフォトマスクおよびその製造方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明の階調をもつフォトマスクの一実施形態を示す断面模式図である。
図2およびそれに続く図3は、図1に示す本発明の階調をもつフォトマスクの製造工程を示す断面模式図である。図4およびそれに続く図5は、本発明の階調をもつフォトマスクの製造工程の他の実施形態を示す断面模式図である。
(階調をもつフォトマスク)
図1に示すように、本発明の階調をもつフォトマスク100の構成は、透明基板101上に所望のパターンを有し、パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜パターン114と、露光光を所望の透過率で透過する半透明膜パターン113とからなり、透明基板101上に、遮光膜パターン114と半透明膜パターン113とがこの順に積層されて存在する遮光領域、半透明膜パターン113のみが存在する半透明領域、および、遮光膜パターン114と記半透明膜パターン113のいずれも存在しない透過領域、とが混在しているものである。
本発明において、実質的に露光光を透過しない遮光膜パターンとは、露光波長において、1回の露光により露光光を透過して感光性レジストを感光させない遮光膜パターンを意味するものであり、通常は露光波長において、透過率0.1%以下が望ましいとされている。
図1は、遮光膜パターン114と半透明膜パターン113がこの順に積層されて存在する遮光領域のパターンエッチングされた半透明膜側において、遮光膜パターン114のエッジ部と半透明膜パターン113のエッジ部の位置が同一となっている構造をなすものである。
本発明の階調をもつフォトマスク100において、透明基板101としては、通常、フォトマスクに用いられる光学研磨されたソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラスやアルミノホウ珪酸ガラスなどの低膨張ガラス、合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができ、露光光が短波長の場合には合成石英ガラスが好ましい。
本発明において、遮光膜パターン114を形成する遮光膜としては、クロム系膜、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、珪素、酸化ケイ素、酸化窒化珪素など、通常のマスク材料として使用できる薄膜であれば、いずれを使用しても可能であるが、最も使用実績のあるクロムを主成分としたクロム系膜がマスクブランクのコスト、品質上からより好ましい。クロム系膜は、通常、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロムの中から選ばれる材料の単層膜が用いられるが、それらのクロム系材料の中でも、成膜が容易で汎用性の高いクロム膜、または膜応力の低減が容易な窒化クロム膜がより好ましい。例えば、クロムを遮光膜とした場合には、50nm〜150nm程度の範囲の膜厚で用いられる。
本発明において、半透明膜パターン113を形成する半透明膜としては、前記遮光膜パターン114を形成する遮光膜の酸化膜、窒化膜、炭化膜などが用いられるが、半透明膜と遮光膜を同一エッチング設備、工程でパターニングし得るという利点を維持するために、半透明膜は遮光膜と同系の材料からなることが好ましい。遮光膜に前述の通り好ましい材料としてクロム系材料を用いた場合には、半透明膜は、クロムに酸素・窒素・炭素などを含む、透過率が比較的高い膜を用い、遮光膜に積層したときの反射率を低減するように膜組成と膜厚を最適化すればよい。クロム系の半透明膜のなかでも、透過率と反射防止機能の両方の特性の制御が比較的容易な酸化クロム膜、または酸化窒化クロム膜がより好ましい。例えば、酸化クロム膜を半透明膜とする場合には、5nm〜150nm程度の範囲の膜厚で用いられる。膜厚が5nm未満、あるいは150nmを超えると、遮光膜に対する半透明膜としての透過率の差異を生じにくくなるからである。酸素・窒素・炭素などを含む半透明膜の場合は、その吸光度は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率と反射防止機能を実現できる。
本発明においては、半透明膜パターン113を形成する半透明膜の露光光に対する透過率は、15%〜85%の範囲で形成するのが好ましい。半透明膜のみが存在する半透明領域において、透過率15%未満では、本発明の階調をもつフォトマスクを用いたレジストパターン形成において、遮光領域との差を出しにくく、一方、透過率85%を超えると、レジストパターン形成において透過領域との差を出しにくくなるからである。
本発明において、階調をもつフォトマスクの半透明膜の反射防止機能は、超高圧水銀灯等の発生する光のg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)のうちの少なくともいずれか1つが有する波長に対して反射防止機能を有するものであり、g線、i線のように2つ以上の波長に対して反射防止機能を有しているのがより好ましい。
通常、クロム等の金属膜で遮光膜パターンを形成したとき、露光光に対して遮光膜に反射防止機能が無い場合には、反射率は30%以上を示し、迷光の影響を生じてしまう。
本発明において、遮光膜パターン114に半透明膜パターン113が積層されて存在する遮光領域の露光光に対する反射率は、30%未満であることが好ましい。反射率が30%を超えると、フォトマスクを用いたリソグラフィにおいて、迷光の影響が生じてフォトレジストパターンの解像性を低下させるからであり、反射率が30%未満であれば反射防止機能として実用上支障はない。。
(階調をもつフォトマスクの製造方法)
次に、本発明の階調をもつフォトマスクの製造方法の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図2は、図1に示す本発明の階調をもつフォトマスク100の製造工程を示す断面模式図であり、図3は、図2に続く本発明の階調をもつフォトマスク100の製造工程を示す断面模式図である。
本実施形態の階調をもつフォトマスクを作製するには、まず第一の膜である遮光膜102を透明基板101上に成膜したフォトマスクブランク103を準備する(図2(a))。フォトマスクブランク103の遮光膜102がクロム膜または窒化クロム膜であれば、クロム膜または窒化クロム膜はスパッタリング法で形成され、通常、フォトマスクブランクとして用いられており、容易に入手可能である。
次に、上記のフォトマスクブランク103を常法に従って1回目のマスクパターン製版を行い、第一の膜である遮光膜102をパターニングする。すなわち、遮光膜102上にレーザ露光装置などの露光装置に対応した感光性レジストなどのレジストを塗布し、塗布後に所定時間ベークし、均一な厚さの遮光膜用レジスト膜104を形成する(図2(b))。
なお、マスク用の露光装置としては、EB露光装置、レーザ露光装置があり、本発明ではいずれも使用可能であるが、LCDやPDPなどのディスプレイ装置の大型化、製造時の多面付化に伴い、フォトマスクも大型化し、画像表示素子用のフォトマスクには主にレーザ露光装置が使われている。
次に、レーザ光などのエネルギー線105で遮光膜上のレジスト膜104にパターン描画を行なう(図2(c))。本実施形態においては、このパターン描画は、遮光膜領域と後工程で形成する半透明膜領域が直接に接する境界のみを形成するように描画し、遮光膜102の一部をパターニングするものである。遮光膜と半透明膜の同じ箇所を一括してエッチングするためのパターン描画は、2回目のマスクパターン製版時に行なう。
この描画時に、2層目の半透明膜のパターニング時に位置合せに使用する描画用アライメントマークを、マスクの非転写領域に複数個描画配置しておく(図示せず)。
続いて、使用するレジストの特性上、必要ならば露光後ベーク工程を入れて、レジスト所定の現像液で現像し、リンスして、遮光膜用レジストパターン106を形成する(図2(d))。
次に、遮光膜用レジストパターン106より露出している遮光膜102をエッチングして、遮光膜パターン107を形成し(図2(e))、残存しているレジストを剥離除去し、遮光膜パターン付き基板108を得る(図2(f))。遮光膜パターン107は、遮光膜領域と半透明膜領域が直接に接する境界のみが形成されており、この段階では、半透明膜と同じ箇所をエッチングする遮光膜部分はエッチングされずに残存している。
遮光膜102のエッチングは、ウェットエツチングもしくはドライエッチング方法が適用できるが、上記のように、画像表示素子用のフォトマスクの場合には、マスクの大型化に伴い、ドライエッチングでは装置、材料コストが高くなりすぎ、しかも大面積のドライエッチングはエッチング均一性が悪くなるので、ウェットエツチングが好ましい。遮光膜102がクロム系膜の場合には、硝酸セリウム系ウェットエッチャントが好適である。
本実施形態においては、第一の膜のパターニング工程の後に、遮光膜パターン付き基板108の検査を行い、必要ならば欠陥修正をする工程を行なうことができる。遮光膜にクロム系膜を用いる場合には、従来のクロム系膜のフォトマスクの検査技術、修正技術が適用できる。遮光膜パターン寸法検査、パターン欠陥検査の検査工程、必要ならば修正工程を行なうことにより、次工程に欠陥を有する基板が渡るのを防ぎ、良品率が高まり、マスクコスト低減に寄与する。
次に、遮光膜パターン付き基板108の全面に、半透明膜109を成膜する(図2(g))。
ここで、半透明膜109は、前記遮光膜102と同系の材料からなることが好ましい。遮光膜102が前述のようにクロム系材料によるものであれば、半透明膜109は、クロムに酸素、窒素、炭素などの1種または2種以上を含み、透過率が比較的高い膜を用い、遮光膜に積層したときの反射率を低減するように膜組成と膜厚を最適化すればよい。
酸素、窒素、炭素などを含む半透明膜の場合は、その吸光度は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率と反射防止特性を実現できる。例えば、酸化クロム膜を半透明膜109とする場合には、5nm〜150nm程度の範囲の膜厚で用いられる。
半透明膜109の成膜は、クロム遮光膜を形成した方法と同じく、スパッタリング法などの真空成膜方法が用いられる。
次に、2回目のマスクパターン製版工程により、第二の膜である半透明膜109をパターニングし、下層の遮光膜パターン107との位置合せをした半透明膜パターンを形成する。すなわち、半透明膜109上にレーザ露光装置等の露光装置に対応した感光性レジストなどのレジストを塗布し、塗布後に所定時間ベークし、半透明膜用レジスト膜110を形成する(図3(h))。
続いて、レーザ光などのエネルギー線111で半透明膜109のパターン描画を行なう。この描画時に、1層目の遮光膜のアライメントマークを検出し位置合せを行なう(図3(i))。本発明においては、遮光膜パターン107上に設けられたアライメントマークは、レジスト膜110を介して容易に検出することができ、描画位置精度が向上する。
次に、使用するレジストの特性上、必要ならば露光後ベーク工程を入れて、レジスト所定の現像液で現像し、リンスして、半透明膜用レジストパターン112を形成する(図3(j))。
次に、半透明膜用レジストパターン112より露出している半透明膜109をエッチングし、続いて露出した遮光膜パターン107をエッチングし、半透明膜パターン113と遮光膜パターン114を形成する(図3(k))。
ここで、半透明膜エッチングの後に、下層の遮光膜が露出した部位は、再び遮光膜をエッチングしてパターニングする。もとより、再びエッチングする遮光膜の部位は、最初のエッチングした部位とは異なるものである。さらに、遮光膜と同系の材料からなる半透明膜を用いる場合には、半透明膜エッチングと遮光膜エッチングとを連続して同じエッチング液でエッチングすることができ、製造工程を短縮し生産効率を高めることができるので、より好ましい。
上記の本実施形態では、遮光膜は2回のパターンエッチングにより遮光膜パターンを形成しているが、本発明においては、1回のパターンエッチングのみで遮光膜パターンが形成されたものであってもよい。
次いで、残存している半透明膜用レジストパターン112をレジスト専用の剥離液等で剥離除去し、階調をもつフォトマスク100を得る(図3(l))。この後、マスクの検査、必要ならば修正を行なう。
図3(l)において、遮光膜上に半透明膜が積層されパターンエッチングされた一方のエッジ部は、遮光膜と半透明膜の断面エッジ部の位置がそろって形成されており、遮光膜パターン114の他方のエッジ部には半透明膜がステップカバレージ良く形成されている。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、遮光膜上に低反射層が予め設けられている汎用されているフォトマスクブランクを用いた場合の製造方法である。
図4およびそれに続く図5は、本発明の階調をもつフォトマスクの他の製造工程を示す断面模式図である。
本実施形態において、本発明の階調をもつフォトマスクを作製するには、透明基板201上に遮光膜202を設け、その上に低反射膜203を成膜した2層構成のフォトマスクブランク220を準備する(図4(a))。例えば、フォトマスクブランク220の遮光膜202が窒化クロム膜であり、低反射膜203が酸化クロム膜のように、通常、フォトマスクブランクとして用いられているものを使用できる。
しかし、上記のフォトマスクブランク220の低反射膜203は、半透明膜としての所定の機能を具備している訳ではないので、通常用いられているフォトマスクブランクの膜構成そのままでは、本発明の階調をもつフォトマスクを得ることはできない。
本発明の階調をもつフォトマスクは、透明基板上に、遮光膜と半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域、半透明膜のみが存在する半透明領域、および遮光膜と半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する形態を有するものである。
したがって、まず、遮光膜202上の低反射膜203をすべてエッチング除去し、遮光膜202を露出した基板を得る(図4(b))。低反射膜203のエッチングは、エッチング液とエッチング時間で制御できる。
次に、遮光膜202が露出した上記の基板を、常法に従って1回目のマスクパターン製版を行い、遮光膜202の一部をパターニングする。すなわち、遮光膜202上にレーザ露光装置などの露光装置に対応した感光性レジストなどのレジストを塗布し、塗布後に所定時間ベークし、均一な厚さの遮光膜用レジスト膜204を形成する(図4(c))。
次に、レーザ光等のエネルギー線205で遮光膜用レジスト膜204のパターン描画を行なう(図4(d))。本実施形態においては、パターン描画は、遮光膜領域と後工程で形成する半透明膜領域が直接に接する境界のみを形成するように描画し、遮光膜202の一部をパターニングするものである。遮光膜と半透明膜の同じ箇所を一括してエッチングするためのパターン描画は、2回目のマスクパターン製版時に行なう。
また、上記の描画時に、2層目の半透明膜のパターニング時に位置合せに使用する描画用アライメントマークをマスクの非転写領域に複数個描画配置しておく(図示せず)。
続いて、使用するレジストの特性上、必要ならば露光後ベーク工程を入れて、レジスト所定の現像液で現像し、リンスして、遮光膜用レジストパターン206を形成する(図4(e))。
次に、遮光膜用レジストパターン206より露出している遮光膜202をエッチングして、遮光膜パターン207を形成し(図4(f))、残存しているレジストを剥離除去し、遮光膜パターン付き基板208を得る(図4(g))。遮光膜パターン207は、遮光膜領域と半透明膜領域が直接に接する境界のみが形成されており、この段階では、半透明膜と同じ箇所をエッチングする遮光膜部分はエッチングされずに残存している。
第1の実施形態で述べたように、遮光膜202のエッチングは、ウェットエツチングもしくはドライエッチング方法が適用できるが、ウェットエツチングが好ましい。遮光膜202がクロム系膜の場合には、硝酸セリウム系ウェットエッチャントが好適である。
本実施形態においては、第一の膜のパターニング工程の後に、遮光膜パターン付き基板208の検査を行い、必要ならば欠陥修正をする工程を行なうことができる。遮光膜202にクロム膜を用いる場合には、従来のクロム膜のフォトマスクの検査技術、修正技術が適用できる。この検査工程、必要ならば修正工程を行なうことにより、次工程に欠陥を有する基板が渡るのを防ぐことができる。
次に、遮光膜パターン付き基板208の全面に、半透明膜209を成膜する(図5(h))。第2の実施形態においても、半透明膜の材料、成膜方法、特性は、第1の実施形態と同じである。
次に、2回目のマスクパターン製版工程により、第二の膜である半透明膜209および第一の膜をパターニングし、下層の遮光膜パターンと位置合せをした半透明膜パターンを形成する。すなわち、半透明膜209上にレーザ露光装置等の露光装置に対応した感光性レジストなどのレジストを塗布し、塗布後に所定時間ベークし、半透明膜用レジスト膜210を形成する(図5(i))。
続いて、レーザ光などのエネルギー線211で半透明膜用レジスト膜210のパターン描画を行なう。この描画時に、1層目の遮光膜のアライメントマークを検出し位置合せを行なう(図5(j))。
次に、使用するレジストの特性上、必要ならば露光後ベーク工程を入れて、レジスト所定の現像液で現像し、リンスして、半透明膜用レジストパターン212を形成する(図5(k))。
次に、半透明膜用レジストパターン212より露出している半透明膜209をエッチングし、続いて、下層の遮光膜パターン207が露出している場合には、その箇所をさらに連続してエッチングすることにより、半透明膜パターン213および遮光膜パターン214を形成する(図5(l))。本実施形態においては、遮光膜と半透明膜とに同系の材料を用いることにより、遮光膜と半透明膜のパターニングを同一技術にて一括して行なうことができるので、より好ましい。
本実施形態では、遮光膜は2回のパターンエッチングにより遮光膜パターンを形成しているが、本発明においては、1回のパターンエッチングのみで遮光膜パターンが形成されたものであってもよい。
次いで、残存している半透明膜用レジストパターン212を剥離除去し、階調をもつフォトマスク200を得る(図5(m))。この後、マスクの検査、必要ならば修正を行なう。
図5(m)において、遮光膜パターン214と半透明膜パターン213が積層されて存在する遮光領域のパターンエッチングされた積層側において、遮光膜パターン214と半透明膜パターン213は同一技術にて一括してエッチングされているので、遮光膜パターン214のエッジ部と半透明膜パターン213のエッジ部の位置がほぼ同一となっている構造をなすものである。
なお、本発明において、半透明膜の透過率と反射率の制御に関しては、上記したように、半透明膜の透過率を15〜85%、遮光膜に半透明膜が積層された遮光領域の反射率を30%未満に制御する必要がある。このような条件を満たす半透明膜と遮光膜は、各膜質の調整及びその厚さの選択により実現される。半透明膜の一例としては、上記のように、酸化クロムが、遮光膜の一例としては、金属クロム膜がある。膜質の調整は、半透明膜の場合は、スパッタ条件を変えて酸化クロムの酸化度合い等を調整する。遮光膜の場合は、若干の添加物をする。例えば窒素を用いることがよく知られている。あるいは、その密度を変える。通常、スパッタ条件を変えて結晶性(粒径)を変えたり、膜中にボイド(気泡)を混ぜ込んだりして、見かけ上のn(屈折率)、k(消衰係数(Extinction Coefficient))を調整する。
図6、図7はそれぞれ、遮光膜を金属クロム膜(n=2.4、k=3.1)とし、膜厚は70nm、半透明膜を酸化クロム膜(n=2.8、k=0.3)とし、膜厚を0〜100nmで変化させたときのg線(436nm)に対する透過率(半透明膜)と反射率(遮光膜+半透明膜)の関係を示す。図6から、透過率が40%の半透明領域を得たい場合、半透明膜では膜厚が50nmとなるが、その際の遮光部の反射率は、図7から、約21%であり、比較的良好な低反射となる。一方、透過率80%を望むとき、半透明膜の膜厚は約5nmとなり、遮光部反射率は34%と、あまり良好な低反射条件にはならない。この場合は、遮光膜と半透明膜の膜質を変えて、nとkを変える必要がある。
上記の説明では、クロム系膜を材料として使用したが、このほかに、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、珪素、酸化ケイ素、酸化窒化珪素など、通常のマスク材料として使用できる薄膜であれば、いずれを使用しても可能である。
また、上記の本発明の階調フォトマスクについては2階調のマスクについて説明してきたが、製版・成膜・再製版を繰り返すことにより、2階調以上の多階調のフォトマスクも実現可能である。
〔実施例〕
(実施例1)
光学研磨された330×450mmの合成石英基板上にクロムよりなる遮光膜が約100nm成膜されている常用のフォトマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製ip−3500)を約380nm塗布し、120度に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で、所望の遮光膜パターンを描画した。ここで描画したパターンは、最終的に完全に遮光するためのパターンである。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次にレジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜パターンを得た。なお、クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、約60秒であった。
次いで、こうして得られた遮光膜パターン付き基板について、遮光膜パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行ない、よく洗浄した後、半透明膜である酸化クロム膜をスパッタ法にて成膜した。酸化クロム膜の膜厚はおよそ30nmとし、透過率は約40%(波長g線:436nm)とした。この半透明膜は反射防止機能を有し、遮光膜と半透明膜よりなる領域は、g線において30%未満の反射率を示した。
次に、この上に市販のフォトレジスト(東京応化製ip−3500)を再度、約380nm塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製NMD3)で現像し、半透明膜用レジストパターンを得た。なお、描画装置LRS11000は、アライメント描画機能を有しており、形成済みの遮光膜パターンに位置を合わせて、半透明膜パターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)で半透明膜をエッチングし、続いて露出した遮光膜をエッチングし、半透明膜パターンと最終的にエッチングされた遮光膜パターンを得た。
最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じて、パターン修正を行い、所望の階調をもつフォトマスクを得た。
(実施例2)
光学研磨された330×450mmの合成石英基板上に、遮光膜として窒化クロム膜が形成され、その上に低反射膜として酸化クロム膜が設けられた2層構成の市販のフォトマスクブランクを準備した。窒化クロム膜の膜厚は70nm、酸化クロム膜の膜厚はおよそ20nmであった。
次に、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)で、上記のブランクの低反射膜である酸化クロム膜をすべてエッチング除去し、遮光膜を露出した基板を得た。
次に、上記の露出した遮光膜上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製ip−3500)を約380nm塗布し、120度に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で、所望の遮光膜パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、遮光膜用レジストパターンをエッチング用マスクとし、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)で遮光膜をエッチングして、遮光膜パターンを形成し、残存しているレジストを剥離除去し、遮光膜パターン付き基板を得た。
次いで、上記の遮光膜パターン付き基板のパターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行ない、よく洗浄した後、半透明膜である酸化窒化クロム膜をスパッタ法にて成膜した。酸化窒化クロム膜の膜厚は20nmとし、透過率は約30%(波長i線:365nm)とした。この半透明膜は反射防止機能を有し、遮光膜と半透明膜よりなる領域は、i線において30%未満の反射率を示した。
次に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製ip−3500)を再度、約380nm塗布し、120度に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で、所望の半透明膜パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製NMD3)で現像し、半透明膜用レジストパターンを形成した。
次にレジストパターンをエッチング用マスクとし、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)を用いて酸化窒化クロム膜をエッチングし、続いて露出した遮光膜をエッチングし、さらに残ったレジスト像を剥膜することで、所望の半透明膜パターンと遮光膜パターンを得た。
次に、パターン寸法検査、欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じて、パターン修正を行い所望の階調をもつフォトマスクを得た。
本発明の階調をもつフォトマスクの一実施形態を示す断面模式図である。 図1に示す本発明の階調をもつフォトマスクの製造工程を示す断面模式図である。 図2に続く本発明の階調をもつフォトマスクの製造工程を示す断面模式図である。 本発明の階調をもつフォトマスクの他の製造工程を示す断面模式図である。 図4に続く本発明の階調をもつフォトマスクの他の製造工程を示す断面模式図である。 遮光膜の1例における透過率を示す図である。 遮光膜と半透明膜の組み合わせの1例における反射率を示す図である。 汎用のフォトマスクブランクを用いた場合の問題点を説明する工程断面図である。
符号の説明
100、200…階調をもつフォトマスク
101、201…透明基板
102、202…遮光膜
103、220…フォトマスクブランク
104、204…遮光膜用レジスト膜
105、111、205、211…エネルギー線
106、206…遮光膜用レジストパターン
107、207…遮光膜パターン
108、208…遮光膜パターン付き基板
109、209…半透明膜
110、210…半透明膜用レジスト膜
112、212…半透明膜用レジストパターン
113、213…半透明膜パターン
114、214…遮光膜パターン
600…フォトマスクブランク
601…透明基板
602…遮光膜
603…低反射膜
604…遮光膜パターン
605…遮光膜パターンのエッジ部
606…低反射膜パターン
607…半透明膜

Claims (10)

  1. 透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜と前記半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域、前記半透明膜のみが存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクにおいて、
    前記半透明膜が、前記露光光に対して反射防止機能を有することを特徴とする階調をもつフォトマスク。
  2. 前記半透明膜のみが存在する半透明領域の前記露光光に対する透過率が、15%〜85%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の階調をもつフォトマスク。
  3. 前記遮光膜と前記半透明膜とがこの順に積層されて存在する遮光領域の前記露光光に対する反射率が、30%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の階調をもつフォトマスク。
  4. 前記半透明膜が、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザのうちの少なくともいずれか1つが有する波長に対して反射防止機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスク。
  5. 前記遮光膜と前記半透明膜とが、いずれもクロムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスク。
  6. 前記遮光膜がクロムまたは窒化クロムからなり、前記半透明膜が酸化クロムまたは酸化窒化クロムからなることを特徴とする請求項5に記載の階調をもつフォトマスク。
  7. 透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなる階調をもつフォトマスクの製造方法において、順に、
    前記透明基板上に前記遮光膜を成膜したマスクブランクを準備する工程と、
    前記遮光膜をパターニングする工程と、
    前記パターニングした遮光膜を設けた前記透明基板上に、前記露光光に対して反射防止機能を有する半透明膜を全面に成膜する工程と、
    前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程と、
    を含むことを特徴とする階調をもつフォトマスクの製造方法。
  8. 透明基板上に所望のパターンを有し、前記パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなる階調をもつフォトマスクの製造方法において、順に、
    前記透明基板上に遮光膜と低反射膜の2層膜を有するマスクブランクを準備する工程と、
    前記低反射膜をエッチングにより除去して前記遮光膜を露出する工程と、
    前記遮光膜をパターニングする工程と、
    前記パターニングした遮光膜を設けた前記透明基板上に、反射防止機能を有する半透明膜を全面に成膜する工程と、
    前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程と、
    を含むことを特徴とする階調をもつフォトマスクの製造方法。
  9. 前記反射防止機能を有する半透明膜をパターニングする工程の後に、露出した前記遮光膜を再びパターニングする工程と、
    を含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の階調をもつフォトマスクの製造方法。
  10. 前記遮光膜をパターニングする工程の後に、前記遮光膜のマスクパターン検査工程、および必要に応じて修正工程とを行なうことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクの製造方法。
JP2006252140A 2005-09-21 2006-09-19 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法 Active JP5196098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006252140A JP5196098B2 (ja) 2005-09-21 2006-09-19 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005273601 2005-09-21
JP2005273601 2005-09-21
JP2006252140A JP5196098B2 (ja) 2005-09-21 2006-09-19 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007114759A true JP2007114759A (ja) 2007-05-10
JP5196098B2 JP5196098B2 (ja) 2013-05-15

Family

ID=38096939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006252140A Active JP5196098B2 (ja) 2005-09-21 2006-09-19 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5196098B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086380A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスクブランク、グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法
JP2009086383A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスク、パターン転写方法、及びグレートーンマスクブランク
JP2009086381A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法
JP2009258357A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Geomatec Co Ltd フォトマスク用基板及びフォトマスクとその製造方法
JP2011158900A (ja) * 2010-01-07 2011-08-18 Hoya Corp フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2013532390A (ja) * 2010-07-08 2013-08-15 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 印刷回路基板及びその製造方法
KR20180029877A (ko) 2016-09-13 2018-03-21 호야 가부시키가이샤 포토마스크의 제조 방법, 포토마스크, 및 표시 장치의 제조 방법
JP2022191475A (ja) * 2019-03-29 2022-12-27 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005091855A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Dainippon Printing Co Ltd 階調マスクの製造方法
JP2005181827A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Seiko Epson Corp 露光用マスク及びその製造方法、並びに液晶装置の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005091855A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Dainippon Printing Co Ltd 階調マスクの製造方法
JP2005181827A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Seiko Epson Corp 露光用マスク及びその製造方法、並びに液晶装置の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086380A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスクブランク、グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法
JP2009086383A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスク、パターン転写方法、及びグレートーンマスクブランク
JP2009086381A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Hoya Corp グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法
TWI448816B (zh) * 2007-09-29 2014-08-11 Hoya Corp 灰階光罩坯料之製造方法、灰階光罩之製造方法及灰階光罩、以及圖案轉印方法
JP2009258357A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Geomatec Co Ltd フォトマスク用基板及びフォトマスクとその製造方法
JP2011158900A (ja) * 2010-01-07 2011-08-18 Hoya Corp フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2013532390A (ja) * 2010-07-08 2013-08-15 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 印刷回路基板及びその製造方法
US9491866B2 (en) 2010-07-08 2016-11-08 Lg Innotek Co., Ltd. Method for manufacturing a printed circuit board
KR20180029877A (ko) 2016-09-13 2018-03-21 호야 가부시키가이샤 포토마스크의 제조 방법, 포토마스크, 및 표시 장치의 제조 방법
JP2022191475A (ja) * 2019-03-29 2022-12-27 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7434492B2 (ja) 2019-03-29 2024-02-20 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5196098B2 (ja) 2013-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8124301B2 (en) Gradated photomask and its fabrication process
JP5704754B2 (ja) マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP4393290B2 (ja) グレートーンマスクの製造方法及び薄膜トランジスタ基板の製造方法
JP5555789B2 (ja) フォトマスク及びその製造方法、並びにパターン転写方法
KR100609678B1 (ko) 그레이톤 마스크 및 그 제조방법
JP4210166B2 (ja) グレートーンマスクの製造方法
JP4729606B2 (ja) グレートーンマスクの製造方法及び薄膜トランジスタ基板の製造方法
JP5196098B2 (ja) 階調をもつフォトマスクおよびその製造方法
KR101269364B1 (ko) 그레이톤 마스크의 제조 방법, 그레이톤 마스크 및, 그레이톤 마스크 블랭크
JP2008203374A (ja) ハーフトーンブランクス
JP4468093B2 (ja) 階調フォトマスクの製造方法
JP2007188069A (ja) マスクブランクおよび階調マスク
JP4736818B2 (ja) 階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法および階調をもつフォトマスク
JP2006227365A (ja) グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク
JP2004207593A (ja) 極限紫外線露光用マスク及びブランク並びにパターン転写方法
JP4752495B2 (ja) 階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法
JPH10186632A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2006251611A (ja) 自己整合型位相シフトマスク及びその製造方法
JP2007292822A (ja) 階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法
JP2020020868A (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法
JP4797729B2 (ja) 階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法
JP2000010255A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法
JPH1184624A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク及びそれらの製造方法
JP3485071B2 (ja) フォトマスク及び製造方法
JP2003043662A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5196098

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150