JP4857503B2 - 指向性制御装置および遊戯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカの指向性を制御するための指向性制御装置、およびそれを用いた遊戯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカの方向による音響放射特性の変化(以下「指向性」という)を制御する方法として、従来より、無指向性の2個のスピーカを逆相で接続して双指向性としたり、3個以上のスピーカアレイにより単一指向性や指向性のビームをある方向に与えるなどの方法が提案されている(たとえば特開昭57−068991号公報、特開平05−014992号公報、特開平11−285093号公報、特開平09−098495号公報参照)。
【0003】
これら従来の方法は、スピーカの構造や信号処理によって基本的には時間的な遅延を各スピーカ毎に与えて、音波の空間的な位相干渉を利用することで所望の指向性を実現している。特に単一指向性を実現した場合には、音量が高いレベルで再生される方向と低いレベルで再生される方向とが生じるため、これを利用した音響再生システムが提案されている。
【0004】
一方、いわゆるパチスロ、パチンコ、あるいはビデオゲーム機などのような遊戯装置に用いられるスピーカ装置においても、3個以上のスピーカを用いてその指向性を変えようとする試みがなされている(たとえば特開平08−024404号公報参照)。この提案では、これらのスピーカをモノラル駆動とステレオ駆動とに切り換えることにより、放射音の拡散性を切り換えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、低い周波数から高い周波数まで単一指向性または狭い指向特性を実現するために、3個以上のスピーカを組み合わせたスピーカアレイを用いているので、システムの規模が大きくなり、製作コストが高価になるとともに小型化の阻害要因となっていた。さらには、上記従来の遊戯装置に用いられるスピーカ装置の場合、ステレオ再生では従来の通常のステレオ音源の場合と同様の効果しか得られず、また、3個以上のスピーカをモノラル駆動するだけでは強い指向性を生じさせることはできない。
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、2個のスピーカを用いるだけで、明確な単一指向放射特性を得ることができる指向性制御装置、およびその指向性制御装置を用いた遊戯装置を提供することを、その課題としている。
【0007】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面によれば、近接配置された無指向性の2個のスピーカを可聴帯域の音響信号で駆動して単一指向放射特性を得るための指向性制御装置であって、逆位相で駆動される2個のスピーカの離間距離に起因してキャンセルされる音響信号の低周波領域のレベルを相対的に増大させる補償手段と、音響信号を2個のスピーカの離間距離に応じた時間だけ遅延させて出力する遅延手段と、音源からの音響信号と遅延手段により遅延された音響信号とが互いに逆位相で2個のスピーカから音響放射されるようにする位相反転手段とを設けたことを特徴とする、指向性制御装置が提供される。
【0009】
好ましい実施の形態によれば、補償手段には、入力信号として音源からの音響信号が入力され、遅延手段には、入力信号として補償手段からの音響信号が入力され、位相反転手段は、遅延手段の出力信号を位相反転させる。
【0010】
他の好ましい実施の形態によれば、補償手段には、入力信号として音源からの音響信号が入力され、遅延手段には、入力信号として補償手段からの音響信号が入力され、位相反転手段は、音源からの音響信号を位相反転させる。
【0011】
他の好ましい実施の形態によれば、補償手段には、入力信号として前記音源からの音響信号が入力され、位相反転手段は、補償手段からの音響信号を位相反転て遅延手段に入力信号として供給する。
【0012】
他の好ましい実施の形態によれば、位相反転手段は、2個のスピーカが互いに同一極性であり、そのうちの一方のスピーカの入力信号線を逆極性で接続することにより実現されている。
【0013】
他の好ましい実施の形態によれば、位相反転手段は、2個のスピーカが互いに逆極性であり、それぞれの入力信号線を順極性で接続することにより実現されている。
【0014】
他の好ましい実施の形態によれば、2個のスピーカのうちの一方に供給する信号と他方に供給する信号とを互いに切り替える切替手段を有する。
【0015】
他の好ましい実施の形態によれば、音響信号の周波数帯域を制限するフィルタ手段を有する。
【0017】
本発明の第2の側面によれば、上記指向性制御装置と、指向性制御装置に音響信号を供給する音源手段と、指向性制御装置からの信号に基づいて駆動される2個1組のスピーカとを備えたことを特徴とする、遊戯装置が提供される。
【0018】
好ましい実施の形態によれば、遊戯を進行させるための制御手段と、制御手段により制御されて、遊戯状態に応じて指向性制御装置による単一指向放射特性の方向を可変させる方向可変手段とを有する。
【0019】
他の好ましい実施の形態によれば、2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面に沿って水平方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0020】
他の好ましい実施の形態によれば、2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面に沿って鉛直方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0021】
他の好ましい実施の形態によれば、2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面と直交する面に沿って水平方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0022】
他の好ましい実施の形態によれば、2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面と直交する面に沿って鉛直方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0023】
他の好ましい実施の形態によれば、2個1組のスピーカは、複数組設けられており、各組毎に相互に異なるチャンネルの音響信号を再生する。
【0024】
本発明によれば、逆位相で駆動される2個のスピーカの離間距離に起因してキャンセルされる音響信号の低周波領域のレベルを相対的に増大させる補償手段と、音響信号を2個のスピーカの離間距離に応じた時間だけ遅延させて出力する遅延手段と、音源からの音響信号と遅延手段により遅延された音響信号とが互いに逆位相で2個のスピーカから音響放射されるように処理する位相反転手段とを設けたので、2個のスピーカを用いるだけで、明確な単一指向放射特性を得ることができる。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態における指向性制御装置を備えた遊戯装置の要部の回路ブロック図である。この遊戯装置は、CPU1、ROM2、RAM3、インターフェイス回路4、音源IC5、DSP6、DAコンバータ7Ra,7Rb,7La,7Lb、増幅器8Ra,8Rb,8La,8Lb、スピーカ9Ra,9Rb,9La,9Lb、および加算回路10R,10Lを備えている。CPU1、ROM2、RAM3、およびインターフェイス回路4は、相互にバス接続されている。
【0028】
図2は、DSP6により実現される指向性制御装置の仮想的な回路図である。この指向性制御装置は、フィルタ回路21R,21L、遅延回路22R,22L、加算回路23Ra,23Rb,23La,23Lb、および定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfを備えている。
【0029】
CPU(central processing unit )1は、音源IC5、DSP6、および増幅器8Ra,8Rb,8La,8Lbを含む遊戯装置の全体を制御する。すなわち、図示していないが、遊戯装置には操作部や表示部や各種のセンサなどが設けられており、CPU1は、操作部やセンサなどからの信号に応じて、表示部などを制御する。
【0030】
ROM(read only memory)2は、CPU1を動作させるためのプログラムや固定のデータなどを格納している。
【0031】
RAM(random access memory)3は、CPU1にワークエリアを提供し、各種のデータを記憶する。
【0032】
インターフェイス回路4は、CPU1と音源IC5やDSP6などとの間の通信を制御する。
【0033】
音源IC(integrated circuit)5は、ステレオおよびモノラルの音響ソースを多数記憶しており、CPU1により制御されて音響データを出力する。
【0034】
指向性制御装置を構成するDSP6は、CPU1により制御されて、音源IC2からの音響データに指向性制御処理を施す。
【0035】
DAコンバータ7Ra,7Rb,7La,7Lbは、DSP6からの音響データをアナログの音響信号に変換する。
【0036】
増幅器8Ra,8Rb,8La,8Lbは、CPU1により制御されて、DAコンバータ7Ra,7Rb,7La,7Lbからの音響信号を増幅する。
【0037】
スピーカ9Ra,9Rb,9La,9Lbは、増幅器8Ra,8Rb,8La,8Lbからの音響信号を音響に変換する。スピーカ9Ra,9Rbは、互いに近接配置されており、右チャンネル再生用である。スピーカ9La,9Lbは、互いに近接配置されており、左チャンネル再生用である。これらスピーカ9Ra,9Rb,9La,9Lbは、音響的な特性が相互にほぼ同一であり、極性も相互に同一である。
【0038】
加算回路10R,10Lは、音源IC5からの音響データをDSP6に供給する。すなわち、音源IC5は、2個のステレオ用の出力端子と1個のモノラル用の出力端子とを備えている。そして、ステレオの場合、音源IC5の右チャンネル用出力端子から出力された音響データは加算回路10Rを介してDSP6の右チャンネル用入力端子に入力され、音源IC5の左チャンネル用出力端子から出力された音響データは加算回路10Lを介してDSP6の左チャンネル用入力端子に入力される。モノラルの場合、音源IC5のモノラル用出力端子から出力された音響データは、加算回路10Rを介してDSP6の右チャンネル用入力端子に入力されるとともに、加算回路10Lを介してDSP6の左チャンネル用入力端子に入力される。
【0039】
フィルタ回路21R,21Lは、定数積算回路24Ra,24Laからの信号の低域成分のゲイン補償および制限を行う。すなわち、スピーカ9Ra,9Rbが互いに近接配置され、またスピーカ9La,9Lbが互いに近接配置されているので、低い周波数の音響がキャンセルされて減少してしまうことを防ぐために、低域のゲインを相対的に増大させるとともに、所定周波数以下の低域成分をカットする。
【0040】
遅延回路22R,22Lは、フィルタ回路21R,21Lからの信号を遅延させる。遅延回路22R,22Lによる遅延時間は、スピーカ9Ra,9Rbの離間距離、およびスピーカ9La,9Lbの離間距離における音波の伝搬時間にほぼ等しい。
【0041】
加算回路23Ra,23Rb,23La,23Lbは、定数積算回路24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfからの信号をDAコンバータ7Ra,7Rb,7La,7Lbに供給する。
【0042】
定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfは、入力信号に所定の定数を乗算する。これらの定数は、CPU1により設定され、変更可能である。そして、これらの定数を0あるいは1に選択的に変更することにより、入力された信号の供給先を選択的に切り替えることができる。また、そのときの定数の変更を、短時間で0から1あるいは1から0へ滑らかに行うことにより、ノイズなどの無い切り替え動作が可能である。
【0043】
図3は、遊戯装置の外観斜視図である。遊戯装置Aの正面は、プレイヤに対向する操作表示面を構成しており、その正面の上端部には、右端側にスピーカ9Ra,9Rbが左右方向に所定間隔をあけて近接配置されており、左端側にスピーカ9La,9Lbが左右方向に所定間隔をあけて近接配置されている。
【0044】
次に動作を説明する。遊戯装置Aのプレイヤによる遊戯の進行に伴って、CPU1が音源IC5を制御し、遊戯の局面に応じた音響データを音源IC5から出力させる。この音響データは、加算回路10R,10Lを介してDSP6に入力され、指向性制御が施される。
【0045】
いま、定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfの係数がk0=1、kL=1、kR=1に設定されているとすると、DSP6の右チャンネル用入力端に入力された音響データは、定数積算回路24Raによって定数k0=1を乗算され、フィルタ回路21Rによって低域成分を相対的に強調されるとともに帯域制限される。フィルタ回路21Rの出力は、定数積算回路24Rcによって定数kR=1を乗算されて加算回路23Raに供給されるとともに、遅延回路22Rによって遅延され、定数積算回路24Rfによって定数−kR=−1を乗算されて加算回路23Rbに供給される。一方、DSP6の左チャンネル用入力端に入力された音響データは、定数積算回路24Laによって定数k0=1を乗算され、フィルタ回路21Lによって低域成分を相対的に強調されるとともに帯域制限される。フィルタ回路21Lの出力は、定数積算回路24Lcによって定数kL=1を乗算されて加算回路23Laに供給されるとともに、遅延回路22Lによって遅延され、定数積算回路24Lfによって定数−kL=−1を乗算されて加算回路23Lbに供給される。定数積算回路24Rb,24Rd,24Re,24Lb,24Ld,24Leの係数は全て0になるので、それらからの出力は無い。
【0046】
すなわち、加算回路23Rb,23Lbの出力は、加算回路23Ra,23Laの出力と比較して、遅延かつ位相反転が施されたものとなる。
【0047】
加算回路23Ra,23Rb,23La,23Lbの出力は、DAコンバータ7Ra,7Rb,7La,7Lbによってアナログの音響信号に変換され、増幅器8Ra,8Rb,8La,8Lbによって増幅されて、スピーカ9Ra,9Rb,9La,9Lbから音響として出力される。
【0048】
図4は、上記遊戯装置Aにおける単一指向放射特性の説明図である。図5は、上記遊戯装置Aにおけるゲイン−周波数特性の説明図である。図4の場合、スピーカ9Ra,9Rbの離間距離はXm、音響信号は500Hzの単一周波数である。図5の場合、角度0[rad]方向および角度π[rad]方向の特性である。もちろん、スピーカ9La,9Lbについても同様の特性である。
【0049】
2個のスピーカ9Ra,9Rbの離間距離Xに制限されるが、このような単一指向放射特性とすることにより、角度0[rad]方向と角度π[rad]方向とで、明らかな音量レベル差を得ることができる。高い周波数においては音波を単一のビームとすることができなくなるが、角度π[rad]方向ではスピーカ9Raの出力とスピーカ9Rbの出力とが絶えず打ち消す方向であるため、音量レベルを小さく保つことができる。なお、図5のように角度0[rad]方向の特性にディップが生じているのは、2個のスピーカ9Ra,9Rbの離間距離Xに起因して生じる打ち消しであるが、1000Hz程度以下の周波数では単一指向性のビームが保たれる。この離間距離Xが小さいほどディップが生じる周波数は高い周波数にシフトするため、2個のスピーカ9Ra,9Rbの離間距離Xは小さくすることが望ましい。ただし、離間距離Xが小さいほど低い周波数でのキャンセル量も大きくなり、必要とする補償レベルも大きくなる。また現実的にスピーカ9Ra,9Rbの振動板口径の大きさがあるため、近づけるにも限界がある。現実的には5cm〜20cm程度の離間距離が望ましい。
【0050】
ところで、CPU1により定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfの係数がk0=1,kL=0、kR=0に切り替えられたとすると、フィルタ回路21Rの出力は、定数積算回路24Rdによって定数1−kR=1を乗算されて加算回路23Rbに供給されるとともに、遅延回路22Rによって遅延され、定数積算回路24Reによって定数kR−1=−1を乗算されて加算回路23Raに供給される。また、フィルタ回路21Lの出力は、定数積算回路24Ldによって定数1−kL=1を乗算されて加算回路23Lbに供給されるとともに、遅延回路22Lによって遅延され、定数積算回路24Leによって定数kL−1=−1を乗算されて加算回路23Laに供給される。定数積算回路24Rb,24Rc,24Rf,24Lb,24Lc,24Lfの係数は全て0になるので、それらからの出力は無い。したがって、スピーカ9Ra,9Rbならびにスピーカ9La,9Lbによる単一指向放射特性のビームの向きが逆方向になる。
【0051】
なお、CPU1によって定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfの係数がk0=0に切り替えられたとすると、スピーカ9Rb,9Lbには入力信号が入力されず、単一指向放射特性が得られない。この場合、定数積算回路24Rb,24Lbにより入力信号が−k0+1=1倍されて加算回路23Ra,23Laに供給されるので、スピーカ9Ra,9Laにより通常のステレオ再生が可能となる。
【0052】
図6は、指向性制御による音響効果の説明図である。このように、多数の遊戯装置Aを並設し、各遊戯装置Aのスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbをそれぞれプレイヤに対向する正面上端部に水平方向に近接配置して、CPU1により定数積算回路24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lfの係数を制御することにより、実線aのようにプレイヤの位置に対して反対の方向に単一指向放射特性を持たせたり、実線bのようにプレイヤの位置の方向に単一指向放射特性を持たせたり、あるいは図示していないが、単一指向放射特性を持たせないように制御することにより、プレイヤ本人および隣接プレイヤそれぞれに音量を制御した状態で遊戯の際の遊戯状態に応じた再生音を提示できる。
【0053】
すなわち、プレイヤとそれ以外の者とに対して互いに異なった音量レベルで遊戯の際の再生音を再生できる。たとえば、プレイヤ本人には大きな音量レベルであるが周囲に対しては静かな音量レベルで、あるいは逆に、プレイヤ本人には小さな音量レベルであるが周囲に対しては大きな音量レベルでというように、プレイヤ本人とその周囲とで互いに異なった音量レベルで再生音をアピールできる。したがって、遊戯の状態に応じた最も適切な音響効果を得ることができる。
【0054】
このように、入力信号を2個のスピーカ9Ra,9Rbあるいはスピーカ9La,9Lbの離間距離Xに応じた時間だけ遅延させて出力する遅延回路22R,22Lを備え、2個のスピーカ9Ra,9Rbあるいはスピーカ9La,9Lbのうちの一方に音源からの音響信号を供給し、他方に音響信号を遅延回路22R,22Lにより遅延させかつ位相反転させた信号を供給するので、2個のスピーカ9Ra,9Rbあるいはスピーカ9La,9Lbを用いるだけで、明確な単一指向放射特性を得ることができる。したがって、1つのチャンネルについて3個以上のスピーカを用いた従来の指向性制御装置と比較しても、広い周波数にわたって明らかな音量レベル差を実現できる。
【0055】
また、フィルタ回路21R,21Lを設けて、低域成分を相対的に強調し、かつ所定周波数よりも低い周波数成分をカットしたので、2個のスピーカ9Ra,9Rbあるいはスピーカ9La,9Lbが互いに近接していることに起因する、低い周波数の再生信号がキャンセルされてしまうという現象を良好に防止でき、したがって音声帯域でバランスのとれた音声を再生することができる。
【0056】
また、CPU1によりDSP6を制御して、単一指向放射特性の方向を可変させたり、単一指向放射特性を消滅させたりできるので、様々な音響効果を演出できる。
【0057】
なお、上記実施形態においては、遊戯装置Aの正面に、2個のスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbを互いに水平方向に離間させて配置したが、図7に示すように、遊戯装置Aの正面に、2個のスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbを互いに鉛直方向に離間させて配置してもよい。このようにすれば、2個のスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbよりも低い位置に座ったプレイヤと、後ろで歩行する他者とに互いに異なった音量レベルで再生音を提示できる。
【0058】
さらには、遊戯装置Aの一方の側面にスピーカ9Ra,9Rbを配置し、他方の側面にスピーカ9La,9Lbを配置してもよい。この場合、2個のスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbの離間方向は、水平方向であってもよいし、鉛直方向であってもよい。また、2個のスピーカ9Ra,9Rbおよびスピーカ9La,9Lbの離間方向を、斜めにしてもよいし、あるいは互いに背向させてもよい。
【0059】
また、上記実施形態においては、遅延回路22R,22Lにより信号を遅延させ、その後に定数積算回路24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24Lc,24Ld,24Le,24Lfにより遅延されていない信号と遅延された信号とが互いに逆位相になるようにしたが、信号を位相反転させた後に、その信号を遅延させるように構成してもよいし、位相反転させた信号をスピーカ9Ra,9Rbのうちの一方およびスピーカ9La,9Lbのうちの一方に供給し、他方のスピーカに遅延させた信号を供給するように構成してもよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、遅延回路22R,22Lにより遅延させた信号を定数積算回路24Rf,24Lfあるいは定数積算回路24Re,24Leにより位相反転させたが、スピーカ9Raあるいはスピーカ9Rb、および9Laあるいはスピーカ9Lbの入力信号線を逆極性で接続することにより、信号を位相反転させたのと同様の効果を得るように構成してもよい。また、スピーカ9Raとスピーカ9Rb、ならびにスピーカ9Laとスピーカ9Lbとが、互いに音響的な特性が同一でかつ逆極性であるように構成し、それぞれのスピーカ9Ra,9Rb,9La,9Lbの入力信号線を順極性で接続してもよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、指向性制御装置をDSP6により実現したが、指向性制御装置はディスクリート部品からなる電子回路により実現してもよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、ステレオ再生が可能なように構成したが、もちろんモノラル再生専用に構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態においては、本発明の指向性制御装置を遊戯装置Aに採用したが、本発明の指向性制御装置は、通常のステレオ再生装置や車載用音響装置など、音響を出力するあらゆる装置に採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における指向性制御装置を備えた遊戯装置の要部の回路ブロック図である。
【図2】DSPにより実現される指向性制御装置の仮想的な回路図である。
【図3】遊戯装置の外観斜視図である。
【図4】遊戯装置における単一指向放射特性の説明図である。
【図5】遊戯装置におけるゲイン−周波数特性の説明図である。
【図6】指向性制御による音響効果の説明図である。
【図7】別の実施形態における遊戯装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 CPU
5 音源IC
6 DSP
9Ra,9Rb,9La,9Lb スピーカ
21R,21L フィルタ回路
22R,22L 遅延回路
24Ra,24Rb,24Rc,24Rd,24Re,24Rf,24La,24Lb,24Lc,24Ld,24Le,24Lf 定数積算回路
A 遊戯装置

Claims (15)

  1. 近接配置された無指向性の2個のスピーカを可聴帯域の音響信号で駆動して単一指向放射特性を得るための指向性制御装置であって、
    逆位相で駆動される前記2個のスピーカの離間距離に起因してキャンセルされる前記音響信号の低周波領域のレベルを相対的に増大させる補償手段と、
    前記音響信号を前記2個のスピーカの離間距離に応じた時間だけ遅延させて出力する遅延手段と、
    音源からの前記音響信号と前記遅延手段により遅延された前記音響信号とが互いに逆位相で前記2個のスピーカから音響放射されるようにする位相反転手段と
    を設けたことを特徴とする、指向性制御装置。
  2. 前記補償手段には、入力信号として前記音源からの音響信号が入力され、
    前記遅延手段には、入力信号として前記補償手段からの音響信号が入力され、
    前記位相反転手段は、前記遅延手段の出力信号を位相反転させる、
    請求項1に記載の指向性制御装置。
  3. 前記補償手段には、入力信号として前記音源からの音響信号が入力され、
    前記遅延手段には、入力信号として前記補償手段からの音響信号が入力され、
    前記位相反転手段は、前記補償手段からの音響信号を位相反転させる、
    請求項1に記載の指向性制御装置。
  4. 前記補償手段には、入力信号として前記音源からの音響信号が入力され、
    前記位相反転手段は、前記補償手段からの音響信号を位相反転て前記遅延手段に入力信号として供給する、
    請求項1に記載の指向性制御装置。
  5. 前記位相反転手段は、前記2個のスピーカが互いに同一極性であり、そのうちの一方のスピーカの入力信号線を逆極性で接続することにより実現されている、
    請求項1に記載の指向性制御装置。
  6. 前記位相反転手段は、前記2個のスピーカが互いに逆極性であり、それぞれの入力信号線を順極性で接続することにより実現されている、
    請求項1に記載の指向性制御装置。
  7. 前記2個のスピーカのうちの一方に供給する信号と他方に供給する信号とを互いに切り替える切替手段を有する、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の指向性制御装置。
  8. 前記音響信号の周波数帯域を制限するフィルタ手段を有する、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の指向性制御装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の指向性制御装置と、
    前記指向性制御装置に音響信号を供給する音源手段と、
    前記指向性制御装置からの信号に基づいて駆動される2個1組のスピーカとを備えたことを特徴とする、遊戯装置。
  10. 遊戯を進行させるための制御手段と、
    前記制御手段により制御されて、遊戯状態に応じて前記指向性制御装置による単一指向放射特性の方向を可変させる方向可変手段とを有する、
    請求項9に記載の遊戯装置。
  11. 前記2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面に沿って水平方向に所定間隔をあけて配置されている、
    請求項9または10に記載の遊戯装置。
  12. 前記2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面に沿って鉛直方向に所定間隔をあけて配置されている、
    請求項または10に記載の遊戯装置。
  13. 前記2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面と直交する面に沿って水平方向に所定間隔をあけて配置されている、
    請求項または10に記載の遊戯装置。
  14. 前記2個1組のスピーカは、遊戯者に対向する操作表示面と直交する面に沿って鉛直方向に所定間隔をあけて配置されている、
    請求項または10に記載の遊戯装置。
  15. 前記2個1組のスピーカは、複数組設けられており、各組毎に相互に異なるチャンネルの音響信号を再生する
    請求項ないし14のいずれかに記載の遊戯装置。
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