JP3348730B2 - 音声再生装置 - Google Patents

音声再生装置

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JP3348730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノラル、ステレオ、
又は多チャンネルの音声信号を効果的に再生出力するこ
とができる音声再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ステレオ、テレビジョン/モ
ニタ機器、AVシステム等に採用できる音響システム
(スピーカシステム)において、各種音響効果を得るた
めの技術が提案されている。
【0003】例えば、一般にプレゼンスサラウンド方式
として知られているものがある。これは、図8に示すよ
うに、L,Rステレオ音声信号がそれぞれ端子TL 、T
R に供給されるものとすると、このL,R各音声信号は
それぞれドライブアンプADを介してLスピーカ1及び
Rスピーカ2に供給されて音声として出力される。その
一方で、端子TL 、TR に供給された音声信号はそれぞ
れ遅延回路3,4に供給されて所定時間遅延され、ドラ
イブアンプAD を介してLサブスピーカ5、Rサブスピ
ーカ6に供給され、音声として出力される。
【0004】ここで、遅延信号が供給されるLサブスピ
ーカ5及びRサブスピーカ6は、Lスピーカ1及びRス
ピーカ2の両脇部分において後向き(例えばスピーカ
1,2の背後の壁の方向)に配置することによって、全
体として音像の広がりが得られ臨場感のあふれた音響効
果が得られることが知られている。
【0005】また、3D(3-Dimension) 方式といわれる
システムを図9に示す。これは、L,Rステレオ音声信
号がそれぞれ端子TL 、TR に供給されたとき、この
L,R各音声信号はそれぞれドライブアンプAD を介し
てLスピーカ1及びRスピーカ2に供給されて音声とし
て出力される。ただし、Lスピーカ1及びRスピーカ2
に供給される音声信号は、それぞれハイパスフィルタ
7,8を通過するため、音声信号の低域周波数成分がカ
ットされている。ただし、Lスピーカ1及びRスピーカ
2の出力周波数特性が低周波数帯域をカバーしていない
ものである場合は、ハイパスフィルタ7,8は不要とさ
れる。
【0006】その一方で、端子TL 、TR に供給された
音声信号はそれぞれミキサー回路9で混合された後、ロ
ーパスフィルタ10によって高域周波数成分がカットさ
れてからドライブアンプAD を介してウーハースピーカ
11に供給され、音声として出力される。
【0007】この3D方式では、Lスピーカ1及びRス
ピーカ2と、ウーハースピーカ11の出力周波数特性は
図10のように示され、即ち帯域を分割して担当し、全
体で周波数特性のトーンバランスが良好になるような形
態となっている。このため、Lスピーカ1及びRスピー
カ2が小型のものであってもウーハースピーカ11によ
って十分な低音が補われ、あたかも小型のLスピーカ
1、Rスピーカ2から低音が再生されているように感じ
られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の映像
機器の画面の大型化に伴い、画面配置スペースに少しで
も多くの余裕空間を得るため、画面周辺に設置されるス
ピーカはより小型化すべきことが求められている。当
然、画面周辺に配置されるスピーカの数も最小限に抑え
ることが好ましい。
【0009】ところが、上記したプレゼンスサラウンド
方式では、画面周辺に少なくとも4台のスピーカが必要
であり、しかも、十分な低域再生能力を得るためには、
ある程度大型のスピーカが必要であり、上記要請に対応
することはできない。また、プレゼンスサラウンド方式
では、確かに音像の広がりのある再生音声が得られる
が、その効果を得るためのスピーカ位置の設定や調整が
困難であるという問題がある。さらに、サブスピーカの
位置に音像定位が引っ張られ易く、違和感が生じ易いと
いう欠点もある。
【0010】さらに、上記3D方式の場合は、或る程度
小型のL,Rスピーカを使用することができるが、あく
までトーンバランスを得ることが主眼とされており、こ
のシステムによって音の広がり感や臨場感を十分に得る
ことはできない。
【0011】つまり従来は、容易に十分な音像の広がり
(音場感)を得ることのでき、しかも前方(画面周囲)
におけるスピーカ所要領域を最小限とすることができる
音響システムは実現されていなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点にかんがみてなされたもので、容易に十分な音場感及
び低域ブースト効果を得るとともに適正な音像定位を
得、かつこれらに付随して前方のスピーカ所要領域をで
きるだけ小さくする(即ちスピーカ数及びスピーカサイ
ズを最小限とする)ことができる音声再生装置を実現す
ることを目的とする。
【0013】即ち、1又は複数の主たるスピーカ出力手
段(又は出力端部)と、主たるスピーカ出力手段(又は
出力端部)とは別体の副たるスピーカ出力手段(又は出
力端部)と、所定のカットオフ周波数で入力信号の高域
周波数成分を遮断する1又は複数のフィルタ手段と、入
力信号に所定の遅延時間を与える1又は複数の遅延手段
とを有し、副たるスピーカ手段には、少なくとも、主た
るスピーカ出力手段(又は出力端部)への入力音声信号
のうちフィルタ手段及び遅延手段を通過した音声信号成
分が供給されるように構成するものである。
【0014】
【作用】主たるスピーカの出力音声同じ音声のうち低
域の音声成分のみを、主たるスピーカと異なる方向に向
けて出力することにより、十分な音場感が発生されると
ともに、低域がブーストされたような感覚が聴取者に得
られる。
【0015】図3は主スピーカと副スピーカを設けたシ
ステムにおいての音場感についての測定データであり、
被験者が音像が存在すると感じる空間部分を、自らロッ
ドを動かしてトレースすることを3回行ない、立体角の
平均を求めたものである。
【0016】ここで、主スピーカ及び副スピーカとも出
力音レベルを77dBとし、さらに副スピーカに供給さ
れる音声信号は主スピーカへの音声信号に30msecの遅延
を与え、かつ所定のカットオフ周波数に設定されるハイ
パスフィルタを通過させている。そして、横軸として示
すようにハイパスフィルタのカットオフ周波数を変化さ
せていきながら、上記方法で立体角(広がり角)を求め
ている。
【0017】この図から、副スピーカから低域の音声が
出力されている場合には、非常に広がりのある音像が効
果的に実現されていることがわかる。また、ハイパスフ
ィルタのカットオフ周波数を上げていくに従って音の広
がりはあまり得られなくなっている。
【0018】この結果から、主スピーカと同一の音声信
号のうちの低周波数域の音声信号成分のみさえ、副スピ
ーカから出力されていれば、十分な音像の広がりを得る
ことができることが理解される。
【0019】さらに、この実験により、低周波数領域の
音声信号成分が副スピーカから出力された際には、低域
がかなりブーストされたような迫力のある再生音声が得
られることがわかった。そして、このように低域ブース
ト効果が得られることにより、前方の主スピーカを小型
化し、低域出力能力を低下させても、得られる再生音声
は十分に迫力のあるものとすることができることにもな
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の音声再生装置について図1〜
図7を用い、各種実施例を説明する。なお、各図におい
て同一部分には同一符合を付して重複説明を避ける。
【0021】図1は本発明の第1の実施例を示すもので
あり、端子TM にモノラル音声信号が供給されている場
合に対応するものである。一点鎖線で示すRは例えば当
音声再生装置が配置される室内(聴取位置)を示して
いる。20は室内Rの前方(以下、例えばモニタ装置や
スクリーン等の映像出力機器が配置される方向を前方と
する)に配置される主スピーカであり、端子TM に供給
されたモノラル音声信号がドライブアンプAD を介して
供給され、これを音声出力する。
【0022】21は主スピーカ20と異なる位置、例え
ば室内Rの後方に配置される副スピーカである。また、
22はローパスフィルタ、23は遅延回路、24は利得
制御部であり、副スピーカ21には端子TM に供給され
た音声信号が、これらのローパスフィルタ22、遅延回
路23、利得制御部24、及びドライブアンプAD を介
して供給されている。
【0023】ローパスフィルタ22は例えばカットオフ
周波数が300Hz 〜400Hz 程度に設定されており、従って
端子TM に供給された音声信号の高周波数域をカットし
て出力する。遅延回路23は例えば10msec程度の遅延時
間をローパスフィルタ22の出力に対して与えている。
【0024】利得制御部24は主スピーカ20の出力レ
ベルに対する副スピーカ21の出力レベルを調整するも
のであり、例えば副スピーカ21の出力が主スピーカ2
0に対して相対的に大きく、室内の後方の副スピーカ2
1の位置に音像定位が引っ張られるような場合には、入
力音声信号を所定レベル減衰させるアッテネータとして
機能させることなどが考えられる。
【0025】このような構成により、副スピーカ21に
は主スピーカ20と同一の音声信号のうちの低域成分の
みが、所定の遅延時間が付加されて供給されていること
になる。
【0026】ここで、主スピーカ20は例えば図2
(a)に示すように少なくとも可聴帯域内についてはほ
ぼフルレンジの音声出力特性を有するものとされてい
る。ただし、出力音圧レベルとしてはそれほど大パワー
のものとする必要はなく、従って、小型或は中型で少な
くともフルレンジ対応のスピーカが採用される。
【0027】一方、副スピーカ21は少なくともローパ
スフィルタ22のカットオフ周波数fC (例えば 300〜
400Hz 程度)以下の低域に対応する出力特性を有してい
ればよく、その出力周波数特性は例えば図2(b)のよ
うになる。ただし、副スピーカ21とされるスピーカ自
体が高域の再生能力を有するものであっても構わない
(いづれにしても本実施例においては高域音声信号はロ
ーパスフィルタ22でカットされ副スピーカ21に供給
されないため、実際の出力周波数特性は図2(b)の如
くになる)。
【0028】このような本実施例の音声再生装置では、
主スピーカ20に供給され音声出力される音声信号と同
一の音声信号の低域部分のみが、所定の遅延時間後に副
スピーカ21から音声出力されることになるが、このよ
うに同一の音声信号成分の低域部分がオーバラップして
別体のスピーカから出力されることにより、非常に音場
感の優れた再生音声が得られることは前記図3で説明し
たとおりである。しかも、優れた低域ブースト効果が得
られるため、例えば主スピーカ20が小型スピーカとさ
れていても十分に迫力のある音声が再生される。
【0029】さらに、副スピーカ21は低域のみを出力
しているため音像が副スピーカ21の側へ引っ張られる
こと自体も発生しにくく、その上本実施例では利得制御
部24によって両スピーカ間のレベルバランスが調整さ
れるため、音像定位はほぼ確実に主スピーカ20側に実
現され、例えば同時に前方のモニタ装置から映像が再生
されている場合などでも、映像と音声のマッチングが良
好に行なわれる。
【0030】そして、前方の主スピーカ20は小型スピ
ーカでよいため、スピーカ設置のための所要領域は最小
限ですみ、室内Rの前方を映像出力機器やスクリーン用
のスペースとして有効に活用できることになり、AVシ
ステムとして採用されるスピーカシステムとして最適で
ある。
【0031】また、副スピーカ21は室内Rの前方以外
であって比較的聴取者に近い位置に配置できるため、こ
の副スピーカ21も特に大型スピーカとする必要もな
い。つまり、本実施例によって十分な音場感と音量レベ
ルをもった音声の再生能力を有するとともに、スピーカ
の小型化を可能とした音声再生装置が実現される。
【0032】なお、本実施例におけるローパスフィルタ
22のカットオフ周波数や、遅延回路23における遅延
時間、さらに、利得制御部24の利得レベル等を可変と
することにより各種異なった音場感を得られるようにす
ることができる。また、遅延回路23による遅延時間は
9msec 〜30msec程度とされている場合が広がりのある音
場感を得るのに最も効果的であるが、30msec以上であっ
ても広がりのある音場感を得ることはできる。
【0033】ところで、実際の音声再生装置としては、
もちろんステレオ音声信号に対応したものとして構成す
る場合が考えられる。そこで、本発明の第2の実施例と
してL,Rステレオ音声信号に対応した図4の音声再生
装置を説明する。この実施例では、端子TL にL音声信
号が、また端子TR にR音声信号が供給されており、
L,Rの各音声信号はそれぞれ室内Rの前方に設置され
るL主スピーカ20L、またはR主スピーカ20Rに供
給されて音声出力される。
【0034】一方、端子TL に供給された音声信号は、
ローパスフィルタ22L、遅延回路23L、利得制御部
24Lを介してL副スピーカ21Lに供給される。即ち
L副スピーカ21LからはL主スピーカ20Lと同一の
音声信号のうちの低域音声信号成分が所定の遅延時間を
与えられて出力されることになる。
【0035】さらに、端子TR に供給された音声信号
は、ローパスフィルタ22R、遅延回路23R、利得制
御部24Rを介してR副スピーカ21Rに供給される。
即ちR副スピーカ21RからはR主スピーカ20Rと同
一の音声信号のうちの低域音声信号成分が所定の遅延時
間を与えられて出力されることになる。
【0036】ステレオ音声信号に対応するシステムで
は、このように構成することにより上記第1の実施例と
同様の効果を得ることができる。つまり、L主スピーカ
20LとL副スピーカ21Lの出力音声間で音場感及び
ブースト効果が生じ、R主スピーカ20RとR副スピー
カ21Rの出力音声間で音場感及びブースト効果が生
じ、さらにL,R主スピーカによって適正な音像定位が
得られる。もちろん省スペース化も実現できる。
【0037】またステレオ音声信号に対応するシステム
としては、図5に第3の実施例として示すように構成す
ることも考えられる。
【0038】つまり、端子TL にL音声信号が、また端
子TR にR音声信号が供給された場合に、L,Rの各音
声信号はそれぞれ室内Rの前方に設置されるL主スピー
カ20L、またはR主スピーカ20Rに供給されて音声
出力されるが、このL,R各音声信号はミキサー回路2
5で混合された後、遅延回路23、ローパスフィルタ2
2、利得制御部24を介して副スピーカ21に供給され
ている。この場合も、上記第1、第2の実施例と同様の
効果を得ることができるが、さらに、副スピーカ21を
1つとしたため、より省スペース化や低コスト化を達成
できる。
【0039】図6は本発明の第4の実施例を示すもの
で、L,R音声信号及びリア音声信号による3チャンネ
ルの音声信号に対応するものである。L音声信号は端子
L に、R音声信号は端子TR に、またリア音声信号は
端子TB にそれぞれ供給されており、L,R音声信号は
それぞれL,R主スピーカ20L,20Rに供給され、
またそれぞれ同時にローパスフィルタ22L,22R、
遅延回路23L,23R、利得制御部24L,24Rに
供給されて遅延時間をもった低域信号成分が抽出され
る。
【0040】また、端子TB に供給されたリア音声信号
は、リアスピーカ21B1 ,21B 2 に供給されて音声
出力されるが、ミキサー回路26L,26Rにおいて、
それぞれ利得制御部24L,24Rの出力、即ちL,R
音声信号のうち遅延時間が与えられた低域成分がリア音
声信号に混合される。
【0041】つまり、この実施例ではリアスピーカ21
1 ,21B2 を、リア音声信号とL,R音声信号の低
域成分とで共用して使用しているものであり、特にL,
R音声信号の低域成分用に専用のスピーカを設けてはい
ない。
【0042】そして、この場合もリアスピーカ21B
1 ,21B2 から出力されるL,R音声信号の低域成分
の作用によって、上記各実施例と同様の効果を得ること
ができる。もちろん、リアスピーカ21B1 ,21B2
を共用することにより、スピーカ設置領域の省スペース
化の要請に反することにはならない。
【0043】なお、リアスピーカ21B1 ,21B2
は、リア音声信号出力にも対応するため、低域だけでな
くある程度高周波数域までカバーした出力周波数特性と
されているのはいうまでもない。
【0044】図7は本発明の第5の実施例を示すもの
で、L,R、リア、及びセンターの4チャンネル音声信
号に対応したものである。この実施例では端子TC に供
給されるセンター音声信号はそのままセンター主スピー
カ20Cに供給されて音声出力されるとともに、ミキサ
ー回路25L,25Rに供給されて、それぞれL音声信
号又はR音声信号と混合される。
【0045】そして、ミキサー回路25Lの出力は、ロ
ーパスフィルタ22L、遅延回路23L、利得制御部2
4Lを介して所定時間遅延された低域信号成分のみとさ
れた後、ミキサー回路26Lに供給され、さらにリア音
声信号と混合されてリアスピーカ21B1 に供給され、
音声出力される。
【0046】また、ミキサー回路25Rの出力は、ロー
パスフィルタ22R、遅延回路23R、利得制御部24
Rを介して所定時間遅延された低域信号成分のみとされ
た後、ミキサー回路26Rに供給され、さらにリア音声
信号と混合されてリアスピーカ21B2 に供給され、音
声出力される。
【0047】この場合も、上記各実施例と同様の効果を
得ることができる。なお、センター音声信号について
は、必ずしもその低域成分を抽出してセンター主スピー
カ20C以外の他のスピーカ(リアスピーカ21B1
21B2 )から出力しなくてもよく、例えば図6のシス
テムにセンター主スピーカ20Cを独立して設けるだけ
でもよい。
【0048】なお、本発明の音声再生装置は以上の各種
実施例の他にも多様に考えられ、少なくとも所定の主ス
ピーカに対して供給される音声信号の低域信号成分が遅
延されて出力されるようになされた副スピーカとしての
機能を有するスピーカが設けられていればよい。実際上
は、実施するAV設備や設置スペースを考慮して各種変
更されてシステム設計されるべきものである。
【0049】また、どのような構成であっても、図1で
第1の実施例で説明したように、ローパスフィルタのカ
ットオフ周波数、遅延時間、ゲインバランス等を可変と
して聴取者の得られる音場感を変化させたりすることも
できる。また、これらを固定値とする場合でも、それら
の値はシステム設置状況に応じて設定されることが好ま
しい。
【0050】なお、上記各実施例における例えば主スピ
ーカ側について、音声信号系路内に、かなり低周波数
(例えば50〜100Hz 以下)をカットオフ周波数として設
定されたハイパスフィルタを介在させるなどして、主ス
ピーカと副スピーカ(又は副スピーカとして共用される
スピーカ)のオーバラップ音声信号成分の相互間で位相
をずらすようにすることにより、いわゆるフェイザー効
果を得、音場感を多様化させることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、1又は複
数の主たるスピーカ出力手段(又は出力端部)と、1又
は複数の副たるスピーカ出力手段(又は出力端部)とを
設け、副たるスピーカ手段(又は出力端部)には、少な
くとも主たるスピーカ出力手段(又は出力端部)への入
力音声信号のうちの低域成分が所定の遅延時間で供給さ
れるように構成したことによって、十分な音場感と音量
レベルをもった音声の再生能力を有するとともに、スピ
ーカの小型化を可能とし、省スペース化の要請に合致し
た音響システムを実現することができるという効果があ
る。さらに、音像定位も良好に主スピーカ出力手段側に
維持されるという利点もある。従って、特に大画面の映
像出力手段を含むAVシステム内のスピーカシステムと
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図である。
【図2】本発明の実施例の主スピーカ及び副スピーカの
出力特性の説明図である。
【図3】音場感効果と低周波数領域の関係を示す説明図
である。
【図4】本発明の第2の実施例の構成図である。
【図5】本発明の第3の実施例の構成図である。
【図6】本発明の第4の実施例の構成図である。
【図7】本発明の第5の実施例の構成図である。
【図8】プレゼンスサラウンド方式の構成図である。
【図9】3D方式の構成図である。
【図10】3D方式のスピーカ出力特性の説明図であ
る。
【符号の説明】
20 主スピーカ 20L L主スピーカ 20R R主スピーカ 20C センター主スピーカ 21 副スピーカ 21L L副スピーカ 21R R副スピーカ 21B1 ,21B2 リアスピーカ 22,22L,22R ローパスフィルタ 23,23L,23R 遅延回路 24,24L,24R 利得制御部 25,25L,25R,26,26L,26R ミキサ
ー回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のカットオフ周波数で入力信号の高
    域周波数成分を遮断するフィルタ手段と、 入力信号に所定の遅延時間を与える遅延手段と、 入力信号に対する出力レベルを調整する利得制御部とを
    具備し、 供給される音声入力信号を、可聴帯域のほぼフルレンジ
    に対応する音声出力特性を有する主スピーカ出力手段に
    供給するとともに、上記音声入力信号を、上記フィルタ
    手段、上記遅延手段、及び上記利得制御部を介して、少
    なくとも上記カットオフ周波数以下の低域に対応する音
    声出力特性を有する、上記主スピーカ出力手段とは異な
    る位置に配置される別体の副スピーカ手段に供給し、 上記音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下の低域
    成分のみがオーバラップして上記主スピーカ出力手段及
    び上記副スピーカ出力手段から出力され、かつ、上記主
    スピーカ出力手段の他には上記副スピーカ手段のみをス
    ピーカ手段として有するように構成されていることを特
    徴とする音声再生装置。
  2. 【請求項2】 所定のカットオフ周波数で入力信号の高
    域周波数成分を遮断する第1及び第2のフィルタ手段
    と、 入力信号に所定の遅延時間を与える第1及び第2の遅延
    手段と、 入力信号に対する出力レベルを調整する第1及び第2の
    利得制御部とを具備し、 供給される第1の音声入力信号を、可聴帯域のほぼフル
    レンジに対応する音声出力特性を有する第1の主スピー
    カ出力手段に供給するとともに、上記第1の音声入力信
    号を、上記第1のフィルタ手段、上記第1の遅延手段、
    及び上記第1の利得制御部を介して、少なくとも上記カ
    ットオフ周波数以下の低域に対応する音声出力特性を有
    する、上記第1の主スピーカ出力手段とは異なる位置に
    配置される別体の第1の副スピーカ手段に供給し、 上記第1の音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下
    低域成分のみがオーバラップして上記第1の主スピー
    カ出力手段及び上記第1の副スピーカ出力手段から出力
    されるように構成され、 供給される第2の音声入力信号を、可聴帯域のほぼフル
    レンジに対応する音声出力特性を有する第2の主スピー
    カ出力手段に供給するとともに、上記第2の音声入力信
    号を、上記第2のフィルタ手段、上記第2の遅延手段、
    及び上記第2の利得制御部を介して、少なくとも上記カ
    ットオフ周波数以下の低域に対応する音声出力特性を有
    する、上記第2の主スピーカ出力手段とは異なる位置に
    配置される別体の第2の副スピーカ手段に供給し、 上記第2の音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下
    低域成分のみがオーバラップして上記第2の主スピー
    カ出力手段及び上記第2の副スピーカ出力手段から出力
    されるように構成され、上記第1、第2の主スピーカ出力手段の他には上記第
    1,第2の副スピーカ手段のみをスピーカ手段として有
    する ことを特徴とする音声再生装置。
  3. 【請求項3】 所定のカットオフ周波数で入力信号の高
    域周波数成分を遮断するフィルタ手段と、 入力信号に所定の遅延時間を与える遅延手段と、 入力信号に対する出力レベルを調整する利得制御部とを
    具備し、 供給される第1の音声入力信号を、可聴帯域のほぼフル
    レンジに対応する音声出力特性を有する第1の主スピー
    カ出力手段に供給し、 供給される第2の音声入力信号を、可聴帯域のほぼフル
    レンジに対応する音声出力特性を有する第2の主スピー
    カ出力手段に供給し、 上記第1の音声入力信号と上記第2の音声入力信号とを
    合成し、その合成した信号を上記フィルタ手段、上記遅
    延手段、及び上記利得制御部を介して、少なくとも上記
    カットオフ周波数以下の低域に対応する音声出力特性を
    有する、上記第1及び第2の主スピーカ出力手段とは異
    なる位置に配置される別体の副スピーカ手段に供給し、 上記第1の音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下
    低域成分のみがオーバラップして上記第1の主スピー
    カ出力手段及び上記副スピーカ出力手段から出力される
    ように構成され、 上記第2の音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下
    低域成分のみがオーバラップして上記第2の主スピー
    カ出力手段及び上記副スピーカ出力手段から出力される
    ように構成され、上記第1、第2の主スピーカ出力手段の他には上記副ス
    ピーカ手段のみをスピーカ手段として有する ことを特徴
    とする音声再生装置。
  4. 【請求項4】 所定のカットオフ周波数で入力信号の高
    域周波数成分を遮断する第1及び第2のフィルタ手段
    と、 入力信号に所定の遅延時間を与える第1及び第2の遅延
    手段と、 入力信号に対する出力レベルを調整する第1及び第2の
    利得制御部と、 可聴帯域のほぼフルレンジに対応する音声出力特性を有
    する第1及び第2の主スピーカ出力手段と、 少なくとも上記カットオフ周波数以下の低域に対応する
    音声出力特性を有するとともに上記第1及び第2の主ス
    ピーカ出力手段とは異なる位置に配置される別体の第1
    及び第2の副スピーカ手段と、 を具備し、 供給される第1の音声入力信号を、上記第1の主スピー
    カ出力手段に供給するとともに、上記第1のフィルタ手
    段、上記第1の遅延手段、及び上記第1の利得制御部を
    介して上記第1の副スピーカ手段に供給し、上記第1の
    音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下の低域成分
    のみがオーバラップして上記第1の主スピーカ出力手段
    及び上記第1の副スピーカ出力手段から出力されるよう
    に構成され、 供給される第2の音声入力信号を、上記第2の主スピー
    カ出力手段に供給するとともに、上記第2のフィルタ手
    段、上記第2の遅延手段、及び上記第2の利得制御部を
    介して上記第2の副スピーカ手段に供給し、上記第2の
    音声入力信号の、上記カットオフ周波数以下の低域成分
    のみがオーバラップして上記第2の主スピーカ出力手段
    及び上記第2の副スピーカ出力手段から出力されるよう
    に構成され、 上記第1及び第2の音声入力信号以外の供給される音声
    入力信号を、上記第1及び第2の副スピーカ手段に供給
    して出力されるように構成されていることを特徴とする
    音声再生装置。
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