JP3531312B2 - テレビジョン受信機用音声再生回路 - Google Patents

テレビジョン受信機用音声再生回路

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JP3531312B2
JP3531312B2 JP24113795A JP24113795A JP3531312B2 JP 3531312 B2 JP3531312 B2 JP 3531312B2 JP 24113795 A JP24113795 A JP 24113795A JP 24113795 A JP24113795 A JP 24113795A JP 3531312 B2 JP3531312 B2 JP 3531312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受信機用
音声再生回路に関するものであり、詳しくは、テレビジ
ョン受信機の画面左右にスピーカを配置している現状に
加えて、画面中央の上部または下部にセンターチャンネ
ルスピーカを配置し、3スピーカシステムとして再生す
る事で、音声セリフ、アナウンスの明瞭さ、センター定
位を向上させると共に、受聴者のサービスエリアを拡大
し、併せて、臨場感を高める為に、サラウンド処理回路
を施すテレビジョン受信機用音声再生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のテレビジョン受信機は、セット左
右に音声L,R信号を再生するスピーカを配置し、これ
に各種のサラウンド処理回路を挿入し、音場の拡大を実
現する音声再生を行っていたが、サラウンド処理を施す
事により、セリフ、アナウンスなどの人の声は、明瞭さ
に欠け、放送内容が聞き取りにくくなる欠点があった。
またサラウンド処理を施さなくても、人の声は、L,R
同相信号が多く、セット中央に定位すべき信号である
が、セット左右のスピーカから同相信号を再生する為
に、音像が広がり、定位がぼやける欠点があった。とり
わけ、複数でテレビ再生を楽しむ場合、テレビ中央位置
で受聴してる場合を除き、左右に位置している人は、同
相信号でも、近い方のスピーカから聴こえる様に定位
し、また受聴点から左右のスピーカまでの距離差で干渉
現象をおこし、中音域に音圧周波数特性の谷を発生し、
音がこもった様に聴こえ、聴きづらくなる欠点があっ
た。
【0003】この欠点を補う為のひとつとして、ドルビ
ープロロジックサラウンドシステムがある。これは、左
右のスピーカに加えて、センターチャンネルスピーカを
前方に配置すると共に、後方にサラウンドチャンネルス
ピーカを配置し、入力される音声L,R信号を、L,
R,C,Sの4チャンネルに分離する回路を通して、上
記所定のスピーカを駆動させるシステムである。
【0004】しかしながら、テレビジョン受信機の音声
再生システムとしては、回路の大幅コスト高、サラウン
ドチャンネルスピーカの設置場所など課題も多い。この
課題を解決するテレビジョ受信機用音声再生回路として
例えば、図7の構成が提案されている(特開平3−23
6691号公報)。
【0005】以下図7を参照しながらテレビジョン受信
機用音声再生回路の一例について説明する。図7におい
て、符号30はLt、Rt信号の音量を制御する音量調
整器、31はマトリクスサラウンド回路、32は(Lt
−Rt)差成分を抽出する減算器、33は差成分を増幅
する増幅器、34はLt信号と増幅された差成分を加算
する加算器、35はRt信号と増幅された差成分を減算
する減算器、36はサラウンド処理されたLt、Rt信
号を加算する加算器、37は人の声の周波数帯域を抽出
するバンドパスフィルター(以下、BPFと呼ぶ)、3
8はBPFで抽出された人の声を増幅する増幅器、39
は利得を可変制御するモード切り換え器、40はサラウ
ンド処理されたLt1信号から利得制御された人の声の
周波数帯域を除く減算器、41はサラウンド処理された
Rt1信号から利得制御された人の声の周波数帯域を除
く減算器、17はLチャンネルスピーカ駆動用電力増幅
器、18はセンターチャンネルスピーカ駆動用電力増幅
器、19はRチャンネルスピーカ駆動用電力増幅器、2
0はLチャンネルスピーカ、21はセンターチャンネル
スピーカ、22はRチャンネルスピーカである。
【0006】以上のように構成されたテレビジョン受信
機用音声再生回路について、その動作を説明する。入力
された音声Lt、Rt信号は音量調整器30で音量レベ
ルを調整された後、マトリクスサラウンド回路31に入
力される。マトリクスサラウンド回路31はLt信号と
Rt信号の差成分を抽出する減算器32で(Lt−R
t)の演算を行い、サラウンド信号成分を抽出する。一
般に、入力されるLt、Rt信号は、以下の式でミキシ
ングされている。
【0007】 Lt=L+0.7C+0.7S (1) Rt=R+0.7C-0.7S (2) ここで、Lは左信号成分、Cはセンター信号成分、Rは
右信号成分、Sはサラウンド信号成分であり、係数0.
7は−3dBを意味しており、またS信号の符号−は逆
相を示す。
【0008】すなわち、減算器32で差成分を抽出する
のは、上記(1)、(2)式の引算をする事であり、 Lt-Rt=(L-R)+1.4S (3) となり、L,R信号成分より1.4倍(3dB)レベル
が高く取り出せ、同相成分であるセンター信号成分Cが
消滅する。減算器32で抽出した差成分を増幅器33で
増幅し(増幅度:aとする)、加算器34で音量調整さ
れたLt信号を加算すると、 Lt1=(L+0.7C+0.7S)+a・(L-R)+1.4a・S (4) となり、また減算器35で音量調整されたRt信号から
差成分を減算すると、 Rt1=(R+0.7C-0.7S)-a・(L-R)-1.4a・S (5) を得る。加算器36は(4)、(5)式を加算する構成
であり、演算すると Ct=L+R+1.4C (6) となり、サラウンド信号成分Sは消滅し、センター信号
成分CがL,R信号成分より1.4倍(3dB)レベル
が高く取り出せる。BPF37は人の声の周波数帯域と
して、400Hzから5KHzの周波数成分を抽出する
ものであり、これを、モード切り換え器39で利得制御
して、電力増幅器18を通して、センターチャンネルス
ピーカ21で再生する。モード切り換え器39を通して
利得制御された音声帯域の信号は、左右のスピーカから
再生するのを除く為、減算器40、41を通してLt
1、Rt1信号から差し引く。音声帯域を引かれたLt
1、Rt1信号は電力増幅器17、18を通して、各
々、Lチャンネルスピーカ、Rチャンネルスピーカから
再生する。モード切り換え器39は番組のモード(ナレ
ーション、ミュージック、シアター)により、使用者が
モードを設定する事により、抽出した人の声の利得を変
化させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の構成では、センターに定位する人の声を、低域400
Hzで遮断すると、潤いのある声ではなくなり、かすれ
た音になる。また高域成分も5KHz以上を遮断する
と、明瞭さがなくなる。すなわち、センターに定位する
のは、第一には人の声であり、これを明瞭に再生する事
は重要な技術課題であるが、400Hzから5KHzを
人の声と定義し、人の声のみをセンタースピーカから出
そうとする所に無理がある。センター定位には、楽器も
あるし、同相のモノラル信号はセンターチャンネルスピ
ーカから出力される方が、より聴き易い。また、従来の
構成であれば、音像がテレビジョン受信機の中央付近に
集まり、広がり感が無くなる課題を有していた。すなわ
ち、(4)式から人の声をCとして引算するとLチャン
ネルスピーカの出力Lsとなり、演算すると、 Ls=(1+a)L-a・R+2.1a・S (7) となり、同様に、Rチャンネルスピーカ出力Rsは、 Rs=(1+a)R-a・L-2.1a・S (8) を得るが、(7)(8)式の意味はサラウンド信号成分
Sのレベルが高くなり、L,Rチャンネルのスピーカか
ら逆相で出力されているだけであり、音場が広がる要因
にはならない。
【0010】また、Lチャンネルスピーカ側にはL信号
成分だけでなく、逆相でR信号成分が出力される事にな
るが、これも音場が広がる要因にはならず、定位がぼや
ける程度の効果に他ならない。
【0011】本発明は、上記課題を解決するもので、簡
単な回路構成で、安価に、かつ音場の広がりと、センタ
ー定位の良さ、人の声の明瞭さを両立させた、テレビジ
ョン受信機用音声再生回路を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のテレビジョン受信機用音声再生回路は、入力
された音声のLチャンネル信号とRチャンネル信号を加
算し、同相成分を抽出する第1の加算器と、加算抽出さ
れた同相信号の内、中高域成分のみを抽出する高域通過
フィルターと、前記高域通過フィルターで抽出された中
高域成分をレベル調整する第1の音量調整器と、電力増
幅する第1の電力増幅器を直列に設け、テレビジョン受
信機中央上部または下部に設置したセンターチャンネル
スピーカを前記第1の電力増幅器で駆動させると共に、
前記第1の加算器の後段に同相信号の内、低域成分を抽
出する第1の低域通過フィルターと、前記第1の低域通
過フィルターの出力を増幅する第1の増幅器を具備し、
入力された音声のLチャンネル信号とRチャンネル信号
の差信号を抽出する減算器の後段に第2の加算器と、前
記減算器より抽出された差信号を位相遅延させる1段構
成の位相器と、高域を遮断する第2の低域フィルター
と、前記第2の低域フィルターの出力を増幅する第2の
増幅器を直列に具備し、前記第2の増幅器の出力を減衰
させる減衰器を通して、前記第2の加算器により、位相
遅延信号をループさせると共に、前記第2の増幅器の出
力である位相遅延信号と、入力されるLチャンネル信号
と前記第1の増幅器の出力である低域成分を加算する第
3の加算器を具備し、前記第3の加算器出力をレベル調
整する第2の音量調整器と、電力増幅する第2の電力増
幅器を直列に設け、前記テレビジョン受信機左に設置し
たLチャンネルスピーカを前記第2の電力増幅器で駆動
させ、前記第2の増幅器の出力位相を反転する位相反転
器を通過した位相遅延信号と、入力されるRチャンネル
信号と前記第1の増幅器の出力を加算する第4の加算器
を具備し、前記第4の加算器出力をレベル調整する第3
の音量調整器と、電力増幅する第3の電力増幅器を直列
に設け、テレビジョン受信機右に設置したRチャンネル
スピーカを駆動する前記第3の電力増幅器とから構成さ
れ、入力された音声のLチャンネル信号とRチャンネル
信号の差信号を位相遅延させる1段構成の位相器からな
る位相遅延ループを介して位相遅延された前記差信号の
位相遅延信号と前記入力された音声のLチャンネル信号
とRチャンネル信号を加算して同相成分が抽出された同
相信号とが加算されたLチャンネル信号と、前記差信号
の位相遅延信号を位相反転した反転位相信号と前記Lチ
ャンネル信号とRチャンネル信号の同相成分が抽出され
た同相信号とが加算されたRチャンネル信号を、テレビ
ジョン受信機の左右スピーカでそれぞれ再生するととも
に、前記入力された音声のLチャンネル信号とRチャン
ネル信号を加算して同相成分が抽出された同相信号を前
記テレビジョン受信機のセンターチャンネルスピーカで
再生することにより、センターチャンネルスピーカにお
いてセンターに定位する同相信号の定位を向上させると
ともに、L、Rチャンネルスピーカにおいて同相信号の
音質を低域まで補償するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0013】
【作用】上記の構成によって、入力されるL,R信号を
加算し、センターチャンネルスピーカで再生する事で、
同相信号のセンター定位が向上する。とりわけ、人の声
(セリフ、アナウンスなど)の定位が向上し、明瞭に聴
こえる。あわせて、L,R差信号を簡単な位相処理によ
るサラウンド処理回路で、音場の広がりも感じられ、セ
ンター定位の良さと、音場の広がりと言う相反する課題
が解決され、サービスエリアの広いテレビジョン用音声
再生が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例におけるテレビジョ
ン受信機用音声再生回路について図1から図6までを参
照しながら詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例におけるテレビ
ジョン受信機用音声再生回路のブロック構成図を示す。
図1において、符号1は入力された音声のLチャンネル
信号とRチャンネル信号を加算し、同相信号を抽出する
加算器、2は低音域のみを抽出するLPF、3は信号増
幅を行う増幅器、4は中高域を抽出するHPF、5は入
力された音声のLチャンネルとRチャンネルの差信号を
抽出する減算器、6は位相を遅らせる位相器、7は高域
を遮断するLPF、8は信号増幅を行う増幅器、9は差
信号と差信号を位相遅延された信号を加算する加算器、
10は位相遅延された信号を信号減衰する減衰器、11
は位相遅延された信号を位相反転させる位相反転器、1
2は入力されたRチャンネル信号と、同相信号の低域成
分と、位相遅延され位相反転された信号を加算する加算
器、13は入力されたLチャンネル信号と、同相信号の
低域成分と、位相遅延された信号を加算する加算器、1
4はRチャンネル信号再生レベルを調整する音量調整
器、15はセンターチャンネル信号再生レベルを調整す
る音量調整器、16はLチャンネル信号再生レベルを調
整する音量調整器、17はRチャンネル信号を電力増幅
する電力増幅器、18はセンターチャンネル信号を電力
増幅する電力増幅器、19はLチャンネル信号を電力増
幅する電力増幅器、20はRチャンネル信号を再生する
Rチャンネルスピーカ、21はテレビジョン受信機中央
上部または下部に配置され、センターチャンネル信号を
再生するセンターチャンネルスピーカ、22はLチャン
ネル信号を再生するLチャンネルスピーカである。
【0016】以上のように構成されたテレビジョン受信
機用音声再生回路について、以下その動作を説明する。
【0017】図2(a)はテレビジョン受信機において
L,Rチャンネルスピーカを搭載した2スピーカシステ
ムの干渉現象を示す説明図であり、同相信号(モノラル
信号)をL,Rチャンネルスピーカから再生し、受聴位
置をテレビジョン受信機の中央から横にずれた時の状態
を表しており、図2(b)にこの時の音圧周波数特性例
を示す。
【0018】即ち、左右にずれた時、受聴点から、Lチ
ャンネルスピーカとRチャンネルスピーカまでの距離に
差が発生し、500Hz付近に周波数特性の乱れを生じ
る。この為、中域が詰まった様に聴こえる。
【0019】一方、このモノラル信号を複数の受聴者が
聴いた時の音像の位置を図3(a)に示す。すなわち、
図3(a)でテレビジョン受信機の中央に位置している
受聴者はL,Rチャンネルスピーカの音圧が同じである
ので、同相のセンター信号は、テレビジョン受信機の中
央に定位するが、左に位置している受聴者は、やや左に
センター信号が定位する。この様に2スピーカシステム
では、音質の劣化を発生させ、サービスエリアも狭い欠
点を有する事になる。
【0020】この為、図1の実施例に示すごとく、入力
されたLt、Rt信号を加算器1で加算し、センターチ
ャンネルスピーカ21から再生する。増幅器15はレベ
ルを調整する音量調整器であり、18はセンターチャン
ネルスピーカ駆動用の電力増幅器である。またHPF4
は中高域成分を抽出する為であり、加算器1で抽出した
同相信号の内、低域成分を除外する為に使用する。
【0021】これは、同相信号として、重低音成分も含
まれており、スピーカの保護と、音声の明瞭さを出す為
である。通常、人の声は低い周波数で200Hz位であ
り、これ以下の周波数まで再生すると、もごついた音声
になる事が知られていおり、逆に400Hz位から再生
すると、潤いのある音にはならない。
【0022】この様にして抽出した同相信号の内、低域
成分を除いた信号をセンター信号としてセンターチャン
ネルスピーカから再生した時の音像の位置を図3(b)
に示す。すなわち、テレビジョン受信機の中央位置から
でも、中央からずれた位置から受聴しても、センター信
号はテレビジョン受信機の中央から出力されている様に
定位する。実際には、L,Rチャンネルスピーカからも
センター信号は出力されているが、レベルが低い為、殆
ど中央に定位する(詳しくは、後述)。
【0023】また加算器1から抽出した同相信号の内、
低域成分はLPF2で低域のみ抽出し、加算器12でR
チャンネルスピーカ側から、加算器13でLチャンネル
スピーカから再生する様に分配する。
【0024】これは、テレビジョン受信機の内部部品の
機構上、センターチャンネルスピーカ後方には、プリン
ト基板などの部品材料が配置され、充分な低域再生可能
なスピーカを配置するには充分な空間を取れない為、低
域再生が無理であり、低域成分する空間が比較的余裕が
あり、現在主流であるボックス形状のL,Rチャンネル
スピーカで出力させた方が、機構上良い。ちなみに、低
域は定位感が無い為、どこで出力させても良い。
【0025】次にサラウンド回路についてその動作を説
明する。入力されるL,R信号をLt、Rtとし、従来
例と同じくL信号成分、R信号成分、C信号成分、S信
号成分とし、Lt、Rtを再度記述すると、 Lt=L+0.7C+0.7S (1) Rt=R+0.7C-0.7S (2) であり、入力されるLt、Rt信号の差成分を抽出する
減算器5の出力は、 Lt-Rt=(L-R)+1.4S (3) となる。
【0026】この差成分を位相器1段構成の位相器6で
位相遅延し、高域成分を遮断するLPF7を通して、増
幅器8で増幅する。増幅された差成分は減衰器10で振
幅の減衰させ、加算器9で再度、加算し、位相遅延させ
るループとする。
【0027】これは、位相器1段で最大の効果を得る為
である。増幅器8で出力された差成分は、入力されるL
tと加算器13で加算し、音量調整器16、電力増幅器
19を通して、Lチャンネルスピーカ22で再生する。
【0028】同様に、増幅器8で出力された差成分は、
位相反転器11で位相を反転し、入力されるRtと加算
器12で加算し、音量調整器14、電力増幅器17を通
して、Rチャンネルスピーカ20で再生する。
【0029】ここで、差成分を増幅する増幅器8の増幅
度をa、位相遅延をφとすると、サラウンド処理された
L,Rチャンネルスピーカの出力信号Ls、Rsは以下
の式となる。
【0030】 Ls=Lt+a・(Lt-Rt)φ (9) Rs=Lt+a・(Lt-Rt)φ (10) a:増幅器8の増幅度 但し、(Lt-Rt)φ:φだけ位相遅延している事を示す。
今、左成分Lだけ入力された時を考える。すなわち
(1)(2)式で R=C=S=0 とし、(9)(10)式は Ls=L+a・(L)φ (9)-1 Rs=-a・(L)φ (10)-1 が得られ、L=sinθ(θ=2π・f・t:fは周波
数)なる正弦波とし、位相遅延量をφ=90°とする
と、(9)−1、(10)−1式は、 Ls=sinθ+a・sin(θ)φ =sinθ+a・sin(θ-90°) =sinθ-a・cosθ (9)-2 Rs=-a・(L)φ =-a・sin(θ-90°) =a・cosθ (10)-2 となり、この音がL,Rチャンネルスピーカから各々出
力される事になる。この音がL,Rチャンネルスピーカ
から各々再生されると、受聴者にはどの様に聴こえるか
解析する。この説明図を図4に示す。
【0031】29インチのテレビジョン受信機を2mの
距離で受聴する場合を一例に考える。テレビジョン受信
機に配置されたL,Rチャンネルスピーカの受聴者から
見た開き角は約10°であり、この時の時間遅延は専門
誌「聴覚と音声」(電子通信学会 P.134)による
と0.1ms、左耳と右耳のレベル差は0.8(−2d
B)である。このデータを利用して、受聴者の左耳への
伝達関数ELと、右耳への伝達関数ERは、 EL=(sinθ-a・cosθ)+b・a・(cosθ)τ =(sinθ-a・cosθ)+b・a・cos{2πf(t-τ)} (9)-3 ER=(a・cosθ)+b・(sinθ-a・cosθ)τ =(a・cosθ)+b・sin{2πf(t-τ)}-a・b・cos{2πf(t-τ)} (10)-3 但し、b=0.8(減衰係数)、τ=0.1ms(遅延時間)、a:
増幅器8の増幅度となる。f=1KHzとして、この式
を計算させた結果を図5に示す。図5は上段に左耳の伝
達関数を表し、下段は右耳の伝達関数を示す。中段は左
と右耳の差である。
【0032】図5から判明できる様に、本発明のサラウ
ンド処理を行えば、左耳にはレベルの高い正弦波信号が
伝達される事になり、逆に右耳には、信号が相殺され
て、レベルの低い正弦波が聴こえる事になる。
【0033】この事は、L成分のみに信号を加えた場
合、あたかも左耳方向に音源があるかのごとく振舞い、
開き角10°のテレビジョン受信機のLチャンネルスピ
ーカの外側に、仮想のLチャンネルスピーカがある事を
意味し、音像が拡大し、単に定位をばやけさせる従来の
逆相再生とは、理論的に異なる。
【0034】R成分についても同様である。ちなみに、
従来例では位相遅延を入れて無い構成であり、(9)−
2式、(10)−2式で位相遅延を入れない場合を解析
すると、図6になり、左耳、右耳への伝達関数は殆ど同
じであり、テレビジョン受信機内にあるL,Rスピーカ
の間に定位する事になり、音像は拡大しない事になる。
【0035】また、C信号成分のみを入力した場合、構
成からわかる様に、センターチャンネルスピーカからは
1.4C、L,Rチャンネルスピーカからは0.7Cの
係数をもつC成分が出力されるが、6dBのレベル差が
あり、殆どセンター定位として認識する。
【0036】次に、サラウンド信号成分Sについて解析
すると、両耳への伝達関数は、EL=-ER
(11)となり、逆相になるだけである。解
析結果より、位相遅延は90°のみで良く、1段の位相
遅延で実現できる。但し、位相遅延は全帯域にかかる必
要があり、できるだけ、低域周波数に設定する必要があ
る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明は、入力される
L,R信号を加算し、センターチャンネルスピーカで再
生する事で、センターに定位する同相信号の定位が向上
し、とりわけ、人の声(セリフ、アナウンスなど)の定
位が向上し、明瞭に聴こえる。あわせて、L,R差信号
を簡単な位相処理によるサラウンド処理回路を使用する
事で、音場の広がりも感じられ、定位の良さと、音場の
広がりと言う相反する課題が解決され、より臨場感があ
り、人の声が明瞭に聴き易い、サービスエリアの広いテ
レビジョン音声再生が可能となる長所を有する。またテ
レビジョン受信機の構成上、センターチャンネルスピー
カには充分な低域の再生が望めない為、L,Rチャンネ
ルスピーカから低域を出力させる事により、同相信号の
音質も充分低域まで補償できる音声再生が可能となる長
所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるテレビジョン受信機
用音声再生回路のブロック構成図
【図2】(a)テレビジョン受信機と受聴位置を示す図 (b)音圧周波数特性図
【図3】(a)L,Rチャンネルスピーカ再生でのセン
ター定位の説明図 (b)センターチャンネルスピーカを使用した時のセン
ター定位説明図
【図4】テレビジョン受信機L,Rチャンネルスピーカ
位置と受聴位置との関係図
【図5】受聴者の左右の耳への伝達関数説明図
【図6】従来サラウンド回路での受聴者の左右の耳への
伝達関数説明図
【図7】従来のテレビジョン受信機用再生回路のブロッ
ク構成図
【符号の説明】
1、9、12、13 加算器 2、7 低域通過フィルター 3、8 増幅器 4 高域通過フィルター 5 減算器 6 位相器 10 減衰器 11 位相反転器 14、15、16 音量調整器 17、18、19 電力増幅器 20 Rチャンネルスピーカ 21 センターチャンネルスピーカ 22 Lチャンネルスピーカ 30 音量調整器 31 マトリクスサラウンド回路 32、35、40、41 減算器 33、38 増幅器 34、36 加算器 37 バンドパスフィルター 39 モード切り換え器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 5/02 H04S 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された音声のLチャンネル信号とR
    チャンネル信号を加算し、同相成分を抽出する第1の加
    算器と、加算抽出された同相信号の内、中高域成分のみ
    を抽出する高域通過フィルターと、前記高域通過フィル
    ターで抽出された中高域成分をレベル調整する第1の音
    量調整器と、電力増幅する第1の電力増幅器を直列に設
    け、テレビジョン受信機中央上部または下部に設置した
    センターチャンネルスピーカを前記第1の電力増幅器で
    駆動させると共に、前記第1の加算器の後段に同相信号
    の内、低域成分を抽出する第1の低域通過フィルター
    と、前記第1の低域通過フィルターの出力を増幅する第
    1の増幅器を具備し、入力された音声のLチャンネル信
    号とRチャンネル信号の差信号を抽出する減算器の後段
    に第2の加算器と、前記減算器より抽出された差信号を
    位相遅延させる位相器と、高域を遮断する第2の低域フ
    ィルターと、前記第2の低域フィルターの出力を増幅す
    る第2の増幅器を直列に具備し、前記第2の増幅器の出
    力を減衰させる減衰器を通して、前記第2の加算器によ
    り、位相遅延信号をループさせると共に、前記第2の増
    幅器の出力である位相遅延信号と、入力されるLチャン
    ネル信号と前記第1の増幅器の出力である低域成分を加
    算する第3の加算器を具備し、前記第3の加算器出力を
    レベル調整する第2の音量調整器と、電力増幅する第2
    の電力増幅器を直列に設け、前記テレビジョン受信機左
    に設置したLチャンネルスピーカを前記第2の電力増幅
    器で駆動させ、前記第2の増幅器の出力位相を反転する
    位相反転器を通過した位相遅延信号と、入力されるRチ
    ャンネル信号と前記第1の増幅器の出力を加算する第4
    の加算器を具備し、前記第4の加算器出力をレベル調整
    する第3の音量調整器と、電力増幅する第3の電力増幅
    器を直列に設け、テレビジョン受信機右に設置したRチ
    ャンネルスピーカを駆動する前記第3の電力増幅器から
    構成し、センターチャンネルスピーカにおいてセンター
    に定位する同相信号の定位を向上させるとともに、L、
    Rチャンネルスピーカにおいて同相信号の音質を低域ま
    で補償したことを特徴とするテレビジョン受信機用音声
    再生回路。
  2. 【請求項2】 入力された音声のLチャンネル信号とR
    チャンネル信号の差信号を位相遅延させる1段構成の位
    相器からなる位相遅延ループを介して位相遅延された前
    記差信号の位相遅延信号と前記入力された音声のLチャ
    ンネル信号とRチャンネル信号を加算して同相成分が抽
    出された同相信号とが加算されたLチャンネル信号と、
    前記差信号の位相遅延信号を位相反転した反転位相信号
    と前記Lチャンネル信号とRチャンネル信号の同相成分
    が抽出された同相信号とが加算されたRチャンネル信号
    を、テレビジョン受信機の左右スピーカでそれぞれ再生
    するとともに、前記入力された音声のLチャンネル信号
    とRチャンネル信号を加算して同相成分が抽出された同
    相信号を前記テレビジョン受信機のセンターチャンネル
    スピーカで再生することにより、センターチャンネルス
    ピーカにおいてセンターに定位する同相信号の定位を向
    上させるとともに、L、Rチャンネルスピーカにおいて
    同相信号の音質を低域まで補償するようにしたことを特
    徴とするテレビジョン受信機用音声再生回路。
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