JP2003061196A - ヘッドホン再生装置 - Google Patents

ヘッドホン再生装置

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JP2003061196A
JP2003061196A JP2001250495A JP2001250495A JP2003061196A JP 2003061196 A JP2003061196 A JP 2003061196A JP 2001250495 A JP2001250495 A JP 2001250495A JP 2001250495 A JP2001250495 A JP 2001250495A JP 2003061196 A JP2003061196 A JP 2003061196A
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Hiroshi Masuda
浩 増田
Taketoshi Yazaki
健敏 矢崎
Katsuhiro Kishi
克洋 岸
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドホンでの音声再生において自然な音場
が再現できるヘッドホン再生装置を提案することを目的
とする。 【解決手段】 音声信号再生装置1よりの音声信号が供
給され、僅かに異なる方向に音像9a、9b、9cを定
位する第1、第2、第3の仮想音像定位処理装置2、
3、4を有し、之等第1、第2、第3の仮想音像定位処
理装置2、3、4の出力信号を所定周期で切り換えてヘ
ッドホン7に供給する如くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドホンを使用
して臨場感のある音声を得るヘッドホン再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヘッドホンを使用して音楽などを聴く場
合、ヘッドホンから出力される再生音声が頭の中から聞
こえ不自然な音場となるので、スピーカによる再生のよ
うな自然な広がりを持った音場の再生が望まれていた。
【0003】そこで、音源を仮想定位させることであた
かもリスナの頭外の前方方向に音源があるかのような自
然な音場を得る如くする方法が提案されている。
【0004】例えば図7に示す如き構成において、1は
例えばCD(Compact Disc)再生装置のような音声信号
再生装置で、2は後述するように音声信号再生装置から
の音声信号の音像が所定の位置に定位するよう信号処理
を行う仮想音像定位処理装置、7L0及び7R0はヘッ
ドホン7の左及び右の音響ユニット(電気・音響変換素
子)、そして8はリスナを示し今紙面上右側を向いてい
る様子を表し、90L及び90Rは音像を示している。
【0005】図7従来例のCD再生装置1から供給され
る音声信号の音像を所定方向に仮想定位させるには、仮
想定位させたい方向からリスナ8までの音響伝達関数を
測定あるいは計算し、仮想音像定位処理装置2を構成す
るDSP(digital signal processor)の信号処理によ
り、CD再生装置1からの左右の音声信号に対してこの
音響伝達関数で畳み込んでヘッドホン7の左右の音響ユ
ニット7L0および7R0に供給し、特定方向への定位
感を得る如くする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
従来例において所定方向特に人間の正面方向に音像を定
位することが難しい傾向にあり、実際ヘッドホン7の左
右の音響ユニット7L0および7R0より放音されて聞
こえる音声は、図7の音像90L及び90Rのようにリ
スナ8の頭に近接した方向感の定まらない音として聞こ
え、違和感のある不自然な音場となっていた。
【0007】ところで、人間は音の到来方向を認識する
のに伝達特性以外にもさまざまな経験則に基づいて判断
している。例えば、図4に示すように音の到来方向を認
識しにくい場合、首を少し左右に動かしてみると音の到
来方向が分かりやすくなる。また、無音響室などの反射
の全くない部屋では音の到来方向を認識しにくいが、音
が反射する壁のある部屋では直接音に付随する反射音に
よって音の到来方向を認識しやすくなることが経験的に
わかっている。
【0008】即ち、人間が音の到来方向を認識するのに
左右の耳に到達する音の強さや位相差等が重要な因子に
なっているといえる。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、ヘッドホンでの
音声再生において自然な音場が再現できるヘッドホン再
生装置を提案せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明ヘッドホン再生装
置は、音声信号再生装置よりの音声信号が供給され、僅
かに異なる方向に音像を定位する第1及び第2の仮想音
像定位処理装置を有し、この第1及び第2の仮想音像定
位処理装置の出力信号を所定周期で切り換えてヘッドホ
ンに供給する如くする。
【0011】斯かる本発明によれば、所定方向より僅か
に異なる方向に音像を定位する第1及び第2の仮想音像
定位処理装置よりの出力信号を所定周期で切り換えてヘ
ッドホンに供給するようにしたので、リスナが少し首を
振るのと同様の効果を得、所定方向に定位した特に前方
へ定位した音像の方向感及び距離感を増強することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図1、図2、図3を参照して
本発明ヘッドホン再生装置の実施の形態の例につき説明
する。本発明は音像をいかなる方向へも定位することが
できるが、本例では特に人間が音の到来方向を認識しに
くいとされるリスナの前方に音像を定位する場合につい
て述べる。
【0013】図1は本発明ヘッドホン再生装置の実施の
形態の例を示す構成図である。1は例えばCD(Compac
t Disc)再生装置等の音声信号再生装置を示し、このC
D再生装置1より出力される左及び右の音声信号S1L
及びS1RはDSP(digital signal processor)で構
成される仮想音像定位処理装置2、3、4に夫々供給さ
れ所定の仮想音像定位処理が行われる。
【0014】この仮想音像定位処理装置の信号処理につ
いて説明する。図2A、図2Bは仮想音像定位処理装置
2、3、4において行われる仮想音像定位処理に必要と
なる音響伝達関数について説明するための図である。
【0015】仮想音像定位処理を行うには図2Aの音像
を定位する方向の、ここではリスナ8の正面方向の仮想
音源位置9aから音声を放音した場合のリスナ8の左耳
までの音響伝達関数H0L及びリスナ8の右耳までの音
響伝達関数H0Rと、リスナ8の正面方向のやや左側の
仮想音源位置9bから音声を放音した場合のリスナ8の
左耳までの音響伝達関数H1L及びリスナ8の右耳まで
の音響伝達関数H1R、そしてリスナ8の正面方向のや
や右側の仮想音源位置9cから音声を放音した場合のリ
スナ8の左耳までの音響伝達関数H2L及びリスナ8の
右耳までの音響伝達関数H2Rとが必要である。
【0016】これらの音響伝達関数は、図2Aに示した
仮想音源位置9a、9b、9cに実スピーカを設置し
て、各位置に設置した実スピーカからインパルス音を放
音し、リスナ8の左右の耳元に相当する位置にそれぞれ
聴取点を設け、それぞれの聴取点でのインパルス応答を
測定することにより求めることができる。即ち、このそ
れぞれの聴取点で測定したインパルス応答がインパルス
音を放音した場合の実音源位置からリスナ8までの音響
伝達関数である。
【0017】このようにして求められた音響伝達関数に
基づいて、仮想音像定位処理装置2、3、4において仮
想音像定位処理が行われる。
【0018】図2Bは、本例の仮想音像定位処理装置
2、3、4を説明するためのブロック図である。仮想音
像定位処理装置2、3、4はリスナ8の両耳に自然な音
声を得るようにするためのいわゆるバイノーラル化処理
に用いられるフィルタ211、212、213、21
4、215、216を備えている。フィルタ211〜2
16は夫々図2Aで求めた仮想音源位置9a、9b、9
cからリスナ8の左右の耳元までの音響伝達関数H0
L、H0R、H1L、H1R、H2L、H2Rがフィル
タ係数として用いられる。
【0019】そしてCD再生装置1にて再生された左の
音声信号S1Lは仮想音像定位処理装置2、3、4の図
示しない左の入力端にそれぞれ供給される。またCD再
生装置1よりの右の音声信号S1Rは仮想音像定位処理
装置2、3、4の図示しない右の入力端にそれぞれ供給
される。
【0020】仮想音像定位処理装置2を構成するフィル
タ211、212ではフィルタ係数H0L、H0Rに基
づいてヘッドホン7の左右の音響ユニット7L0及び7
R0に供給される音声信号S1L、S1Rを変換し、左
右の音響ユニット7L0及び7R0から放音される音声
が、仮想音源位置9aに音像がある、あるいは仮想音源
位置9a方向に音像があるように聴感される音声信号S
2L、S2Rを出力する。
【0021】同様に、仮想音像定位処理装置3を構成す
るフィルタ213、214ではフィルタ係数H1L、H
1Rに基づいてヘッドホン7の左右の音響ユニット7L
0及び7R0に供給される音声信号S1L、S1Rを変
換し、左右の音響ユニット7L0及び7R0から放音さ
れる音声が、仮想音源位置9bに音像がある、あるいは
仮想音源位置9b方向に音像があるように聴感される音
声信号S3L、S3Rを出力する。
【0022】また同様に、仮想音像定位処理装置4を構
成するフィルタ215、216ではフィルタ係数H2
L、H2Rに基づいてヘッドホン7の左右の音響ユニッ
ト7L0及び7R0に供給される音声信号S1L、S1
Rを変換し、左右の音響ユニット7L0及び7R0から
放音される音声が、仮想音源位置9cに音像がある、あ
るいは仮想音源位置9c方向に音像があるように聴感さ
れる音声信号S4L、S4Rを出力する。
【0023】ここで図2に人間が首を左右に少し動かし
たときの音響伝達関数について述べる。首を左右に振る
ということは、ヘッドホン7の左右の音響ユニット7L
0及び7R0を両耳に装着した状態即ち首を固定した状
態に置きかえて考えた場合、図2Aに示すように首を右
に振ったときは相対的にリスナ8の正面方向のやや左側
から、首を左に振った場合は相対的にリスナ8の正面方
向のやや右側から音が聞こえることに相当する。
【0024】即ち仮想音像定位処理装置2は首を少し右
に振ったときと同じ効果を生じる信号処理装置である。
図3に示す如く音像を前方定位させたい方向より僅かに
角度θ、例えば10度だけ左にずれた方向からリスナ8
までの音響伝達関数をH1とすると、仮想音像定位処理
装置2を構成するDSPの信号処理により、供給された
音声信号S1L及びS1Rに対してこの音響伝達関数H
1で畳み込みを行い、首を少し右に振ったときと同じ効
果を有する音声信号S2L及びS2Rが得られる。
【0025】同様に、仮想音像定位処理装置4は首を少
し左に振ったときと同じ効果を生じる信号処理装置であ
る。図3に示す如く音像を前方定位させたい方向より僅
かに角度θ、例えば10度だけ右にずれた方向からリス
ナ8までの音響伝達関数をH2とすると、仮想音像定位
処理装置4を構成するDSPの信号処理により、供給さ
れた音声信号S1L及びS1Rに対してこの音響伝達関
数H2で畳み込みを行い、首を少し左に振ったときと同
じ効果を有する音声信号S4L及びS4Rが得られる。
【0026】然して、仮想音像定位処理装置2、3、4
にて音像が所定方向に定位する仮想音像定位処理が行わ
れ音声信号S2L、S2R、S3L、S3R、S4L、
S4Rが出力される。
【0027】そして、上述の如くして得られた音声信号
は夫々所定の周期でオン・オフするスイッチ2K、2
K、3K、3K、4K、4Kに夫々供給される。
【0028】音声信号S2L及びS2Rはスイッチ2
K、2Kを通じ供給される夫々の音声信号を加算する加
算器5L及び5Rに供給され、音声信号S3L及びS3
Rはスイッチ3K、3Kを通じ供給される夫々の音声信
号を加算する加算器5L及び5Rに供給され、また音声
信号S4L及びS4Rはスイッチ4K、4Kを通じ供給
される夫々の音声信号を加算する加算器5L及び5Rに
供給される。そして加算器5L及び5Rより音声信号S
5L及びS5Rがヘッドホン7の左右の音響ユニット7
L0及び7R0に夫々供給され音響に変換される。
【0029】これらのスイッチ2K、2K、3K、3
K、4K、4Kは仮想音像定位処理装置2よりの出力信
号S2L及びS2R、仮想音像定位処理装置3よりの出
力信号S3L及びS3R、そして仮想音像定位処理装置
4よりの出力信号S4L及びS4Rを夫々所定の周期で
オン・オフし加算器5L及び5Rへ供給する音声信号を
切り換える如くするものである。
【0030】スイッチがオン状態を‘‘1’’、オフ状
態を‘‘0’’として例えばスイッチ2K、2Kがオン
状態を(2K)=(1)、オフ状態を(2K)=(0)
と表すとする。今スイッチ2K、2Kがオンしスイッチ
3K、3K及び4K、4Kがオフしたとすると(2K,
3K,4K)=(1,0,0)というように表わされる。
このとき仮想音像定位処理装置2より出力される音声信
号S2L、S2Rは加算器5L及び5Rに供給され、他
の仮想音像定位処理装置3及び4より出力される音声信
号S3L、S3R及びS4L、S4Rの加算器5L及び
5Rへの供給は制限される。この音声信号S2L及びS
2Rは音響伝達関数H1で畳み込まれたものであるの
で、リスナ8には首を少し右に振った状態の音像9bか
ら音声が聞こえていることになる。
【0031】次にスイッチ3K、3Kがオンしスイッチ
2K、2K及び4K、4Kがオフすると(2K,3K,
4K)=(0,1,0)と表わされる。このとき仮想音
像定位処理装置3より出力される音声信号S3L、S3
Rは加算器5L及び5Rに供給され、他の仮想音像定位
処理装置2及び4より出力される音声信号S2L、S2
R及びS4L、S4Rの加算器5L及び5Rへの供給は
制限される。この音声信号S3L及びS3Rは音響伝達
関数H0で畳み込まれたものであるので、リスナ8には
真正面の音像9aから音声が聞こえていることになる。
【0032】さらにスイッチ4K、4Kがオンしスイッ
チ2K、2K及び3K、3Kがオフすると(2K,3
K,4K)=(0,0,1)と表わされる。このとき仮
想音像定位処理装置4より出力される音声信号S4L、
S4Rは加算器5L及び5Rに供給され、他の仮想音像
定位処理装置2及び3より出力される音声信号S2L、
S2R及びS3L、S3Rの加算器5L及び5Rへの供
給は制限される。この音声信号S4L及びS4Rは音響
伝達関数H2で畳み込まれたものであるので、リスナ8
には首を少し左に振った状態の音像9cから音声が聞こ
えていることになる。
【0033】上述の如き動作をリスナ8が聴いて自然な
音声に聞こえるような周期、例えば500ms周期で(2
K,3K,4K)=(1,0,0)⇒(0,1,0)⇒
(0,0,1)⇒(0,1,0)⇒(1,0,0)とい
うように切り換え、常時首を僅かに左右に振っている状
態を人為的に作り出す如くする。
【0034】これらのスイッチ2K、2K、3K、3
K、4K、4Kによる音声信号の切換えはいわゆるクロ
スフェードのように滑らかに切換える如くしてもよい。
即ち例えば音声信号S2L、S2Rがオンして最大の状
態のときからS2L、S2Rの信号レベルを徐々に下げ
ていくと共に音声信号S3L、S3Rの信号レベルを徐
々に上げていき音声が到来する音像の位置を徐々に動か
す如くして、首を右に振った状態から正面に戻すことと
同じ効果を得るようにする。さらに首を動かして正面か
ら左に振る効果を得るのには音声信号S3L、S3Rの
信号レベルを徐々に下げていくと共に音声信号S4L、
S4Rの信号レベルを徐々に上げていく如くしてもよい
【0035】本例によれば、所定方向より僅かに異なる
方向に音像9a、9b、9cを定位する仮想音像定位処
理装置2、3、4よりの出力信号S2L及びS2R、S
3L及びS3R、S4L及びS4Rをスイッチ2K、2
K、3K、3K、4K、4Kにて所定周期で切り換えて
ヘッドホン7の左右の音響ユニット7L0及び7R0に
供給するようにしたので、リスナが首を振るのと同様の
効果を得、音像を特定方向に定位することができ特に前
方へ定位する音像の方向感及び距離感を増強することが
できる。
【0036】尚、本例において少し首を左右に振った効
果を得るのに音像を9a、9b、9cの3箇所を設定し
たが、これを例えば図1において音像9aをなくして9
bと9cの2箇所としてもよい。即ち首振り効果を得る
ために設定する音像はリスナと音像を定位させたい方向
とを結ぶ直線を中心として左右対称にあればよく、この
設定した音像の数に合わせて夫々仮想音像定位処理装置
及びスイッチを必要数設ける如くすればよい。
【0037】次に図5を参照して本発明ヘッドホン再生
装置の実施の形態の他の例につき説明する。図1例と同
様に本例においても音像をいかなる方向へも定位するこ
とができるが、特に人間が音の到来方向を認識しにくい
とされるリスナの前方に音像を定位する場合について述
べるとする。
【0038】本例は本発明を多チャンネルの音声信号を
出力する音声信号再生装置に対して適用したものであ
る。図1例の左右の音声信号に中央前チャンネルの音声
信号を加えると共に、左右の2チャンネルのリア信号を
付加する。また前記フロント信号においては反射音、残
響音等の遅延音を考慮しフロント信号に重畳するように
している。尚、図5において図1に対応する部分には同
一符号を付して示しその詳細説明は省略する。
【0039】図5において、10は例えばDVD(Digi
tal Versatile Disc)再生装置を示し、音声信号として
FL(左前チャンネル)、FC(中央前チャンネル)、
FR(右前チャンネル)、SL(左後チャンネル)、S
R(右後ろチャンネル)の5チャンネルを有している。
【0040】このDVD再生装置10は左前チャンネル
の音声信号S10FL、中央前チャンネルの音声信号S
10FC、右前チャンネルの音声信号S10FRを出力
し、この音声信号S10FL、S10FRは所定の乗数
で乗算され夫々供給される音声信号の信号レベルを調節
する乗算器12L、12Rを通じて夫々加算器13L、
13Rに供給される。また、中央前チャンネルの音声信
号S10FCは所定の乗数で乗算され供給される音声信
号の信号レベルを調節する乗算器12Cを通じて左前チ
ャンネル成分の音声信号S10FLと右前チャンネル成
分の音声信号S10FRとに分解され加算器13L、1
3Rに夫々供給される。
【0041】そして左側信号用の加算器13Lから音声
信号S13FLが所定の乗数で乗算され夫々供給される
音声信号の信号レベルを調節する乗算器16Lを通じて
加算器17Lに供給されると共に反射音残響音処理装置
14に供給される。また右側信号用の加算器13Rから
音声信号S13FRが所定の乗数で乗算され夫々供給さ
れる音声信号の信号レベルを調節する乗算器16Rを通
じて加算器17Rに供給されると共に反射音残響音処理
装置15に供給される。
【0042】この反射音残響音処理装置14及び15
は、壁などからの反射音、残響音等のさまざまな遅延音
の信号処理を行うものである。図6は例えば映画館内に
おいてリスナ8の前方に設置されたスピーカ90より放
音される音声が、左側の壁で反射及び左側の壁に反射し
さらに後方の壁に反射してリスナ8の右耳に届く様子を
示したものである。
【0043】このような図6の反射音・残響音のリスナ
8の左右の耳元に届く音声の夫々について、スピーカ9
0から音声が放音された場合のリスナ8の左右の耳元で
の音響伝達関数を測定あるいは計算し、反射音残響音処
理装置14及び15を構成するDSPの信号処理によ
り、この得られた反射音及び残響音の音響伝達関数でC
D再生装置1より供給される左右の音声信号に対して畳
み込みを行い、図5に示す反射音・残響音処理された音
声信号S14a、S14b、S15a、S15bが出力
され、臨場感のある音場を得る如くするものである。
【0044】ここで、望ましくは仮想の音像9a、9
b、9cのそれぞれの位置からリスナ8までの音響伝達
関数を各々求める如くするのがよい。
【0045】そして反射音残響音処理装置14で信号処
理されて出力された音声信号S14a及びS14bは、
夫々所定の乗数で乗算され供給される夫々の音声信号の
信号レベルを調節する乗算器14a及び14bを通じて
加算器14cに供給され反射音・残響音が重ね合わされ
る。この反射音・残響音が重ね合わされた音声信号S1
4Lは所定の乗数で乗算され供給された音声信号の信号
レベルを調節する乗算器14dを通じて加算器17Lに
供給され直接音である左前チャンネルの音声信号S13
FLに重畳され音声信号S17FLを得る。
【0046】また反射音残響音処理装置15で信号処理
されて出力された音声信号S15a及びS15bは、夫
々所定の乗数で乗算され供給される夫々の音声信号の信
号レベルを調節する乗算器15a及び15bを通じて加
算器15cに供給され反射音・残響音が重ね合わされ
る。この反射音・残響音が重ね合わされた音声信号S1
5Rは所定の乗数で乗算され供給された音声信号の信号
レベルを調節する乗算器15dを通じて加算器17Rに
供給され直接音である左前チャンネルの音声信号S13
FRに重畳され音声信号S17FRを得る。
【0047】そして左側信号用の加算器17Lより直接
音及び反射音・残響音を含んだ音声信号S17FLが仮
想音像定位処理装置2、3、4の夫々に供給されると共
に、右側信号用の加算器17Rより直接音及び反射音・
残響音を含んだ音声信号S17FRが仮想音像定位処理
装置2、3、4の夫々に供給される。
【0048】仮想音像定位処理装置2、3、4において
は、図1例についての説明で述べたように仮想の音像を
定位する仮想音像定位処理が行われて音声信号S2F
L、S2FR、S3FL、S3FR、S4FL、S4F
Rをそれぞれ出力し、夫々スイッチ2K、2K、3K、
3K、4K、4Kに供給される。
【0049】このスイッチ2K、2K、3K、3K、4
K、4Kにおけるオン・オフ動作は図1例と同様、仮想
音像定位処理装置2、3、4より出力された夫々の音声
信号を所定の周期例えば500msでオン・オフあるいは
クロスフェードさせ加算器5L及び5Rに供給する音声
信号を切り換える如くし自然な首振り効果を得る如くす
る。
【0050】こうして左側信号用の加算器5Lより音声
信号S5FLが所定の乗数で乗算され供給された音声信
号の信号レベルを調節する乗算器18Lを通じて加算器
19Lに供給されると共に、右側信号用の加算器5Rよ
り音声信号S5FRが所定の乗数で乗算され供給された
音声信号の信号レベルを調節する乗算器18Rを通じて
加算器19Rに供給される。
【0051】一方DVD再生装置10より出力される左
後チャンネルSLの音声信号S10SL及び右後チャン
ネルSRの音声信号S10SRを夫々仮想音像定位処理
装置11に供給する。
【0052】この仮想音像定位処理装置11の仮想音像
定位処理は前述の仮想音像定位処理装置2、3、4と同
様の原理で信号処理を行なう如くするものである。即ち
本例において正面方向とは反対方向のリスナ8の背面方
向の音像を定位したい位置からリスナ8の両耳までの音
響伝達関数H3を夫々測定あるいは計算し、仮想音像定
位処理装置11を構成するDSPの信号処理により、供
給された音声信号S10SL及びS10SRに対してこ
の音響伝達関数H3で畳み込みを行い音像を後方に定位
させることにより包み込まれるような音場再生を得る如
くするものである。
【0053】そしてこの仮想音像定位処理装置11にて
仮想音像定位処理され得られた音声信号S11SL及び
S11SRは、所定の乗数を乗算してフロント信号との
信号レベルのバランスを調節する左右の乗算器11SL
及び11SRを通じてフロント信号との加算点である左
右の加算器19L及び19Rに供給される。この加算器
19L及び19Rより夫々左右のフロント信号とリア信
号とが重畳された音声信号がヘッドホン7の左右の音響
ユニット7L0及び7R0に夫々供給されて音響に変換
される。
【0054】本例によれば、多チャンネル音声信号を再
生する音声信号再生装置に適用して、フロント信号を前
方定位すると共にリア信号について仮想音像定位処理装
置を設け後方定位処理し正面方向からの音声に加え後方
からも音声が聞こえるようにしたので、ヘッドホンをか
けながらにして例えば台詞等の主要な音声はスクリーン
がある前方から到来しつつ後方からも包み込まれるよう
な音場の再生が実現できる。
【0055】また本例によれば、反射音残響音処理装置
を設け反射音残響音処理された音声信号をフロント信号
に重畳するようにしたので、ヘッドホンをかけながらに
してあたかも映画感にいるかのような臨場感のある音場
の再生が実現できる。
【0056】本例は、その他図1例と同様の作用効果が
得られることは容易に理解できよう。
【0057】尚、図5例において反射音残響音処理装置
14及び15を設け、反射音及び残響音を含んだ音声信
号S17FL及びS17FRを仮想音像定位処理装置
2、3、4に夫々供給するようにしたが、仮想音像定位
処理装置2、3、4内部に反射音及び残響音等の処理部
を設け反射音残響音処理するようにしてもよい。このよ
うにすると反射音残響音処理装置14を削減できヘッド
ホン再生装置の信号処理を簡略化することができる。
【0058】また、例えばDVD再生装置10から供給
される音声信号のうち左前チャンネルFLの音声信号S
10FLと右前チャンネルFRの音声信号S10FRと
の相関性を監視して、中央前方への定位を意図された信
号、例えば映画の台詞や画面上後方での音であると判断
した場合に、音声信号の音像を所定周期で切換える如く
する動作を行わせ中央前方への定位を増強するようにし
てもよい。
【0059】あるいは、例えばDVD再生装置10から
供給される音声信号のうち中央前チャンネルFCの音声
信号S10FCを監視して、この音声信号S10FCの
信号レベルがある閾値以上のレベルになるか、または他
の左右の前チャンネル信号より信号レベルが高くなった
と判断した場合、前述と同様に音声信号の音像を所定周
期で切換える如くする動作を行わせ、前方中央への定位
を増強するようにしてもよい。
【0060】尚、本発明は上述した実施の形態の例に限
ることなく、本発明の要旨を逸脱することなくその他種
々の構成が取り得ることは勿論である。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、所定方向より僅かに異
なる方向に音像を定位する仮想音像定位処理装置よりの
出力信号を所定周期で切り換えてヘッドホンに供給する
ようにしたので、ヘッドホンを装着したまま首を振るの
と同じ効果を得、音像をある特定の方向に定位すること
ができ特に前方への音像の方向感及び距離感の増強がで
きる利益がある。
【0062】また、本発明において多チャンネル音声信
号を再生する音声信号再生装置に適用し、フロント信号
を前方定位すると共にリア信号に仮想音像定位処理装置
を設けリア信号についても後方定位するようにした場
合、前方からの音声に加え後方からも音声が聞こえ、ヘ
ッドホンをかけながらにして例えば台詞等の主要な音声
はスクリーンがある前方から到来しつつ後方からも包み
込まれるような音場の再生が実現できる利益がある。
【0063】また、本発明において反射音残響音処理装
置を設け反射音残響音処理された音声信号をフロント信
号に重畳するようにした場合、ヘッドホンをかけながら
にしてあたかも映画館にいるかのような臨場感のある音
場の再生が実現できる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ヘッドホン再生装置の実施の形態の例を
示す構成図である。
【図2】仮想音像定位処理装置の説明に供する線図であ
る。
【図3】本発明ヘッドホン再生装置の説明に供する線図
である。
【図4】本発明ヘッドホン再生装置の説明に供する線図
である。
【図5】本発明ヘッドホン再生装置の実施の形態の他の
例を示す構成図である。
【図6】図5の反射音及び残響音の一例を示す線図であ
る。
【図7】従来のヘッドホン再生装置を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・CD再生装置、2,3,4・・・・仮想音像定位処理
装置、7・・・・ヘッドホン、9a,9b,9c・・・・音像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 克洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D062 AA74 5D108 AA08 AA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号再生装置よりの音声信号が供給
    され、僅かに異なる方向に音像を定位する第1及び第2
    の仮想音像定位処理装置を有し、 前記第1及び第2の仮想音像定位処理装置の出力信号を
    所定周期で切り換えてヘッドホンに供給するようにした
    ことを特徴とするヘッドホン再生装置。
  2. 【請求項2】 音声信号再生装置よりの音声信号が供給
    され、僅かに異なる方向に音像を定位する第1、第2、
    第3の仮想音像定位処理装置を有し、 前記第1、第2、第3の仮想音像定位処理装置の出力信
    号を所定周期で切り換えてヘッドホンに供給するように
    したことを特徴とするヘッドホン再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のヘッド
    ホン再生装置において、 多チャンネル音声信号のリア信号の音像を定位する仮想
    音像定位処理装置を備え、 前記第1、第2または/及び第3の仮想音像定位処理装
    置により定位する音像に対して聴取者を挟んで逆方向に
    音像を定位するようにしたことを特徴とするヘッドホン
    再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のヘッドホン再生装置に
    おいて、 遅延音及び残響音を付加する遅延音残響音処理装置を備
    え、 前記第1、第2または/及び第3の仮想音像定位処理装
    置に供給される音声信号に前記遅延音残響音処理装置よ
    りの出力信号を重畳するようにしたことを特徴とするヘ
    ッドホン再生装置。
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