JPH07123498A - ヘッドホン再生システム - Google Patents

ヘッドホン再生システム

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Publication number
JPH07123498A
JPH07123498A JP5353224A JP35322493A JPH07123498A JP H07123498 A JPH07123498 A JP H07123498A JP 5353224 A JP5353224 A JP 5353224A JP 35322493 A JP35322493 A JP 35322493A JP H07123498 A JPH07123498 A JP H07123498A
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JP
Japan
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signal
sound image
sound
headphone
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Application number
JP5353224A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Fujinami
喜久 藤浪
Toshiyuki Iida
敏之 飯田
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音の頭外定位感が十分に得られて、自然な音
のイメージが再現されるヘッドホン再生システムを提供
する。 【構成】 モノラルの音響信号を主信号音像定位手段2
で前方方向(約0度の方向)に音像定位処理し、さら
に、遅延回路3,副信号音像定位手段4で遅延させて左
または右の一方の側方方向(例えば、約292.5度ま
たは約67.5度の方向)に音像定位処理する。処理し
た信号を加算手段6L,6Rで加算して、左右のヘッド
ホン受聴手段9L,9Rで再生する。入力された音響信
号(直接音相当)を前方方向に音像定位させ、遅延され
た音響信号(反射音相当・間接音相当)を左または右の
一方の側方方向に音像定位させて、ヘッドホン再生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音像を頭外に再生させ
るヘッドホン再生システムに係り、より詳しくはモノラ
ルまたは複数チャンネル(例えば、ステレオ)の音響信
号をヘッドホンで再生聴取する際に、スピーカシステム
による再生聴取時と同等または近似した音像イメージを
再現可能なヘッドホン再生システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ダミーヘッドマイクロホンなどによる特
殊な収録信号を除いて、通常のステレオ信号ソース,モ
ノラル信号ソースは、一般にスピーカシステムで再生し
て聴取することを目的として制作されている。したがっ
て、これらのソースは、本来、ヘッドホン再生には適さ
ないものである。実際に、ステレオ信号,モノラル信号
を直接一対のヘッドホン用音響変換器に導いて再生聴取
すると、非常に不自然な音のイメージがする。具体的に
は、音像が頭の中にこもったり、近傍にまつわりついた
りする感じがある。
【0003】そこで、こうした聴覚現象を避けるため
に、スピーカシステムによる音響再生状態を想定して、
予めステレオ信号,モノラル信号に電気的信号処理を加
えることが考えられている。この方法は、スピーカシス
テムから聴取者の両耳位置までの音響伝送系を電気的に
シュミレートして、ヘッドホン再生時に両耳に供給され
る音圧や位相をスピーカシステム再生時と同様(同等)
とするものである。こうした信号処理を目的とした補正
回路が従来より提案されており、例えば特開平2−23
8800号公報、特開平4−137999号公報記載の
ものがある。
【0004】また、バイノーラルにおける直接音と間接
音の関係を最適化してすることで解決しようとすること
も、従来より行われていた。例えば電音研資料EA75
−62「音像頭外再生ヘッドホンシステムについて」
(電通学会)では、残響を付加する技術が述べられてい
る。さらに、特開昭52−42701号公報(直接音と
間接音の比を10対1とする)、特開昭52−1100
2号公報(間接音として遅延し移相して付加する)、特
開昭52−23929号公報(間接音として遅延し移相
しかつ減衰して付加する)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法は必ずしも十分な効果をあげるまでに至
っていない。前者の補正回路によると、音の頭外定位感
が不十分である。つまり、全般に頭から音像までの距離
感が小さく、音の程度によっては依然頭にこもったり、
まつわりついたりする問題点があった。また、後者の間
接音付加方法によっても、前方方向(正中面)における
頭外定位感が不十分である点が問題として残っていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、例えば図1及び図2に示すように、モノラ
ルの入力音響信号に対して、受聴位置において前方方向
(例えば約0度の方向)に音像が定位しているように信
号変換処理する主信号音像定位手段2と、 前記モノラ
ルの入力音響信号を遅延させる遅延手段3と、前記遅延
された入力音響信号に対して、受聴位置において左また
は右の一方の側方方向(例えば、水平面の約292.5
度(=360度×13/16)または約67.5度(=360度× 3
/16)の方向)に音像が定位しているように信号変換処
理する副信号音像定位手段4と、前記主信号音像定位手
段2からの処理信号と前記副信号音像定位手段4からの
処理信号とを加算する加算手段6L,6Rと、前記加算
手段の出力が左右の音響信号として供給されたヘッドホ
ン受聴手段9L,9Rとよりなることを特徴とするヘッ
ドホン再生システムを提供するものである。
【0007】さらに、例えば図3及び図4に示すよう
に、複数チャンネル(ステレオ)の入力音響信号に対し
て、受聴位置において各チャンネルの本来の方向(左の
信号は約330度、右の信号は約30度の方向)に音像
が定位しているように信号変換処理する主信号音像定位
手段2R,2Lと、前記複数チャンネルの入力音響信号
を加算して副信号とする補助加算手段6Mと、前記加算
された副信号を遅延させる遅延手段3と、前記遅延され
た副信号に対して、受聴位置において左または右の一方
の側方方向(例えば、水平面の約292.5度(=360度
×13/16)、または約67.5度(=360度× 3/16)の
方向)に音像が定位しているように信号変換処理する副
信号音像定位手段4と、前記主信号音像定位手段からの
処理信号と前記副信号音像定位手段からの処理信号とを
加算する加算手段6L,6Rと、前記加算手段の出力が
複数チャンネルの音響信号として供給されたヘッドホン
受聴手段9L,9Rとよりなることを特徴とするヘッド
ホン再生システムを提供するものである。
【0008】また、例えば図5に示すように、複数チャ
ンネル(ステレオ)の入力音響信号に対して、各チャン
ネル間で相関の高い信号成分と相関の低い信号成分とを
分離抽出する分離抽出手段(加算器6M,減算器11
R,11L)と、前記相関の低い信号成分に対して、入
力音響信号受聴位置において各チャンネルの本来の方向
(左の信号は約330度、右の信号は約30度の方向)
に音像が定位しているように信号変換処理する第1の主
信号音像定位手段2R,2Lと、前記相関の高い信号成
分に対して、受聴正面方向に音像が定位しているように
信号変換処理する第2の主信号音像定位手段2Mと、前
記相関の高い信号成分を遅延させる遅延手段3と、前記
遅延された相関の高い信号成分に対して、受聴位置にお
いて左または右の一方の側方方向(例えば、水平面の約
292.5度(=360度×13/16)、または約67.5度
(=360度× 3/16)の方向)に音像が定位しているよう
に信号変換処理する副信号音像定位手段4と、前記第1
及び第2の主信号音像定位手段からの処理信号と前記副
信号音像定位手段からの処理信号とを加算する加算手段
6L,6Rと、前記加算手段の出力が複数チャンネルの
音響信号として供給されたヘッドホン受聴手段9L,9
Rとよりなることを特徴とするヘッドホン再生システ
ム。
【0009】さらに、主信号音像定位手段(2,2R,
2L)でOSS処理するようにしたことを特徴とする前
記記載のヘッドホン再生システムを提供するものであ
る。
【0010】
【作用】上記のようなヘッドホン再生システムによれ
ば、入力音響信号(直接音相当)は前方方向に(または
本来の方向に)音像が定位させられ、遅延された入力音
響信号(反射音相当・間接音相当)は左または右の一方
の側方方向に音像が定位しているように、ヘッドホン再
生される。さらに、入力音響信号で左右相関の低い信号
成分は前方方向に(または本来の方向に)音像が定位さ
せられ、遅延された入力音響信号で左右相関の高い信号
成分)は左または右の一方の側方方向に音像が定位して
いるように、ヘッドホン再生される。したがって、前方
方向(正中面)における頭外定位感が十分に得られ、側
方方向に音像の拡がり感が生じる。
【0011】
【実施例】本発明になるヘッドホン再生システムの一実
施例を以下図面と共に詳細に説明する。図1はヘッドホ
ン再生システムの構成を示す示すブロック図であり、図
2はヘッドホン再生システムにおける音像定位位置を説
明する図である。
【0012】(実施例1:モノラル信号用の構成)図1
において、1はモノラルの入力音響信号(デジタル信
号)の入力端子、2は前方方向信号とされるべく分岐さ
れた主信号に対する主信号音像定位回路、3は分岐され
た入力音響信号の遅延回路、5は減衰回路(アッテネー
タ)、4は側方方向信号とされる副信号に対する副信号
音像定位回路、6L,6Rは左右の加算回路、7と8は
それぞれLチャンネルとRチャンネルのD/A変換部を
含むアンプ、9Lと9Rは左右のヘッドホン、10はリ
スナ(聴取者M)である。なお、主信号音像定位回路
2,副信号音像定位回路4は所定の位置に音像を定位さ
れるための左右一対のコンボルバ(畳み込み演算回路)
であり、所定のインパルス応答(フィルタ係数)が設定
されたDSPなどで構成され、入力されたモノラル信号
を畳み込み演算処理して音像定位用のステレオ信号とし
て出力する。
【0013】図1に示すヘッドホン再生システムにおい
て、モノラル信号がデジタル信号の形式で入力端子1に
供給されると、主信号音像定位回路2で前方方向(後述
する図2に示す正面0度の位置)に音像定位するように
音像処理される。さらに、入力されたモノラル信号は、
遅延回路3で所定の遅延時間だけ遅延される。遅延され
たモノラル信号は減衰回路5で所定のレベルとされた後
に、副信号音像定位回路4で、左または右の一方の側方
方向(後述する図2に示すように、約292.5度、ま
たは約67.5度の位置)に音像が定位するように音像
処理される。なお、リスナ10(聴取者M)の正面方向
を0度として、右回りに音像定位位置を表わしている。
【0014】そして、主信号音像定位回路2からの前方
方向の処理信号(左右のステレオ信号)と副信号音像定
位回路4からの側方方向の処理信号(左右のステレオ信
号)とが、加算器6L、6Rで加算される。加算器6
L、6Rで加算された信号はL,Rの左右の信号として
アンプ(A/D変換器)7,8を介して出力端子からヘ
ッドホン9L,9Rに供給され、このヘッドホン9L,
9Rでリスナ(聴取者)10に聴取される。
【0015】具体的には、図2に示すように、前記副信
号音像定位回路4(DSPで構成した畳み込み回路)で
は、好ましくは例えば図2の水平面の約292.5度
(これは360度を16等分した時の13番目の位
置)、または約67.5度(これは360度を16等分
した時の3番目の位置)の方向に音像定位させるための
フィルタの係数が設定されている。また、遅延回路3で
遅延時間約4ms(2〜5ms)が与えられ、減衰回路
5で主信号に対して40%となるように減衰され、反射
音(間接音)相当が形成されようにしてある。
【0016】このように構成されたヘッドホン再生シス
テムによれば、入力音響信号(直接音相当)は前方方向
に(正面の方向に)音像が定位させられ、遅延された入
力音響信号(反射音相当・間接音相当)は左または右の
一方の側方方向に音像が定位しているように、ヘッドホ
ン再生される。つまり、ヘッドホンによる聴取者には、
一方の側に、反射虚像が合成されてアンバランスな空間
音として聞かれることになる。したがって、前方方向
(正中面)における頭外定位感が十分に得られ、側方方
向に音像の拡がり感が生じる。この結果、ヘッドホンシ
ステムで音響信号を聴取しても、音の頭外定位感が十分
に得られて、自然な音のイメージが再現される。
【0017】この点を、間接音を付加する従来例と比較
して詳述すると以下の通りである。前述した従来例のよ
うに、音像頭外再生のために受聴点における音源からの
直接音に対する間接音の比率を所定値、例えば10:1
に設定することが行われている。この場合の遅延量は、
通常5〜30msの遅延が使われる。これ以上遅らせ
て、50ms〜80ms以上とすると、後続の音は別の
音に知覚されてしまう。ところが、従来のように、両耳
に間接音を加えると自然な音のイメージ、すなわち音の
頭外定位感が不十分であり、特にモノラル音のように前
方定位を得るためには重要な問題となった。
【0018】そして、本出願人は、種々の実験検討を重
ねた結果、異なる方向から到達する同一音に時間差を与
えると、先行音効果により先行する音は方向知覚され後
続する音は方向知覚されないことを考慮して、左右の一
方の側方方向だけに音像定位させた間接音(すなわち、
遅延させた後続する音)を加えることで、心理的に何等
の違和感がなく頭外定位できることを見いだしたのであ
る。
【0019】しかも、前述したように、 (a)この間接音
の方向は、右側では約67.5度、左側では約292.
5度が最適である、 (b)遅延時間は通常よりも短い4m
s付近あるいは10ms付近に最適点がある、 (c)間接
音の混合比は、比較的大きく約40%が頭外定位に効果
的に導くなどを、実験的に確認したものである。
【0020】(実施例2:ステレオ信号用の構成)次
に、ステレオ信号の再生に適したヘッドホン再生システ
ムについて説明する。図3はヘッドホン再生システムの
構成を示す示すブロック図であり、図4はヘッドホン再
生システムにおける音像定位位置を説明する図である。
図3及び図4において、前述した図1及び図2と同一の
ものには同一の数字,符号を付け、その説明を省略す
る。
【0021】図3において、1Lと1Rはステレオの入
力音響信号(デジタル信号)の入力端子、2Lと2Rは
それぞれ左右の信号を各チャンネルの本来の方向に音像
が定位しているように、主信号を信号変換処理する主信
号音像定位回路である。6Mは左右の信号を加算して副
信号とする加算器である。主信号音像定位回路2R,2
Lは、図4に示すように、入力された左右の信号(ステ
レオ信号)を一般的なスピーカシステム(左右に30度
づつの開き角を有するスピーカシステム)におけるスピ
ーカの設置位置から音が聞こえるように、すなわち、左
右のステレオ信号がこの一般的なスピーカシステムの本
来の方向に音像が定位しているように、主信号を音像定
位処理するものである。すなわち、主信号音像定位回路
2Lは、左の信号を330度の位置に音像定位させる畳
み込み演算回路であり、主信号音像定位回路2Rは、右
の信号を30度の位置に音像定位させる畳み込み演算回
路である。なお、加算器6Mからの副信号を処理する、
減衰回路5,副信号音像定位回路4などの構成と動作
は、モノラル信号用の実施例1と同様である。
【0022】このように構成して、入力されたステレオ
信号を、主信号として一般的なスピーカシステムのスピ
ーカ設置位置(左の信号は330度の位置,右の信号を
30度の位置)から音として音像が定位させつつ、ステ
レオ信号を混合・遅延させて、副信号として反射音相当
・間接音相当の音として、左または右の一方の側方方向
に音像が定位しているように処理して、ヘッドホン再生
する。すると、モノラル信号の例である実施例1と同様
に、ステレオ信号に対しても、前方方向(正中面)にお
ける頭外定位感が十分に得られ、側方方向に音像の拡が
り感が生じる。この結果、ヘッドホンシステムで音響信
号を聴取しても、音の頭外定位感が十分に得られて、自
然な音のイメージが再現される。
【0023】なお、実施例1及び実施例2において、間
接音相当の遅延された入力音響信号は、受聴位置におい
て左または右の一方の側方方向に音像が定位されればよ
く、一方の側方方向であれば(左または右の一方のみで
あれば)、複数個の間接音を音像定位させても良い。ま
た、前述した約67.5度、約292.5度だけでなく
約70度,約247.5度などの、異なる複数の位置に
間接音を音像定位させるようしておき、リスナーが約6
7.5度,約70度などからセレクトできるようにして
も良い。さらに、ドルビーサラウンド(登録商標)など
で後方に定位する信号がメインの時では、約247.5
度などに切換えられるようにしても良い。
【0024】(実施例3:ステレオ信号用の構成)さら
に、ステレオ信号の再生に適したヘッドホン再生システ
ムについて説明する。この実施例は、一般的なステレオ
信号における左右の信号成分の相関についても考慮した
ものである。図5及び図6はヘッドホン再生システムの
構成を示すブロック図である。図5及び図6において、
前述した図1〜図4と同一のものには同一の数字,符号
を付け、その説明を省略する。
【0025】一般的なステレオ信号においては、その左
右の信号に相関があるのが普通である。そしてこの両チ
ャンネルに共通した成分が、定位の距離間を妨害して等
外感が減少することがある。そこで、この実施例では、
ステレオの入力音響信号に対して、左右間で相関の高い
信号成分と相関の低い信号成分とを分離抽出して、相関
の低い信号成分を主信号(ステレオ)とし、相関の高い
信号成分を主信号(モノラル)及び副信号として、実施
例1,2の処理を施している。
【0026】すなわち、図5に示すように、ステレオ入
力端子1L,1Rからの入力音響信号(デジタル信号)
は、加算器6Mにより加算されて左右間で相関の高い信
号成分が抽出される。相関の高い信号成分は、レベル調
整器13Mによりレベル調製された後、主信号(モノラ
ル)として第2の主信号音像定位手段2Mに入力されて
いる。なお、第2の主信号音像定位手段2Mは、受聴正
面方向に音像が定位しているように信号変換処理するよ
うに構成されているものである。さらに、前記相関の高
い信号成分は、レベル調整器13mによりレベル調製さ
れた後、副信号として副信号音像定位回路4で音像処理
されるように構成されている。また、ステレオ入力端子
1L,1Rからの入力音響信号(デジタル信号)は、レ
ベル調整器12R,12L及び減算器11R,11Lに
より相関した成分が除去されて、左右間で相関の低い信
号成分(主信号)が抽出される。相関の高い信号成分
(主信号)は、レベル調整器13R,13Lによりレベ
ル調整された後、第1の主信号音像定位回路2R,2L
で音像処理されるように構成されている。
【0027】このように構成して、入力されたステレオ
信号を、左右間で相関の高い信号成分と相関の低い信号
成分とを分離抽出して、相関の低い信号成分を主信号
(ステレオ)とし、相関の高い信号成分を主信号(モノ
ラル)及び副信号とする。そして、図7に示すように、
相関の低い信号成分を主信号(ステレオ)として一般的
なスピーカシステムのスピーカ設置位置(左の信号は3
30度の位置,右の信号を30度の位置)からの音とし
て音像が定位させつつ、相関の高い信号成分(モノの成
分)を受聴正面方向(0度の位置)に音像定位させる。
さらに、相関の高い信号成分(モノの成分)を遅延させ
て、副信号として反射音相当・間接音相当の音とし、左
または右の一方の側方方向に音像が定位しているように
処理して、ヘッドホン再生する。
【0028】すると、ステレオ信号の例である実施例2
の効果にも増して、前方方向(正中面)における距離
感、頭外定位感が十分に得られ、側方方向に音像の拡が
り感が生じられる。この結果、モノの成分が多いステレ
オ信号をヘッドホンシステムで聴取しても、音の頭外定
位感が十分に得られて、自然な音のイメージが再現され
る。なお、レベル調整器12R,12L,13M,13
R,13Lのレベル係数kは可変として、入力される音
響信号の種類応じて適宜調整するように構成しておくと
良い。
【0029】また、図6は図5に示した実施例3の応用
例を示す図である。ステレオ入力端子1L,1Rからの
入力音響信号(デジタル信号)は、差分器14にも入力
されており、差分器14からはステレオ信号の左右相関
性に反比例した信号が出力されている。差分器14から
出力信号は、整流器15,ローパスフィルタ16を通過
して、制御信号とされる。この制御信号により、前記し
たレベル係数kを自動的に可変させる。例えば、ステレ
オ信号の左右相関性が高いときは、レベル係数kを大き
くするように制御する。なお、17R,17Lは遅延器
である。このように構成すると、入力される音響信号の
種類応じて調整する必要がない。
【0030】なお、実施例1(モノラル信号用の構
成)、実施例2,3(ステレオ信号用の構成)におい
て、主信号音像定位手段2R,2Lでは、モノラル信
号,ステレオ信号を一般的なスピーカシステム(左右に
30度づつの開き角を有するスピーカシステム)におけ
るスピーカの設置位置から音が聞こえるように、すなわ
ち、左右の信号がこの一般的なスピーカシステムの本来
の方向に音像が定位しているように、主信号を音像定位
処理していた。しかし、主信号音像定位手段2R,2L
による主信号の処理はこれに限られず、例えばOSS
(Ortho Stereophonic System )処理をして、リスニン
グルームの音場をキャンセルしてもとの音場に近いリア
ルな音場を再現する処理をさせても良い。
【0031】また、分離抽出手段は、実施例2,3に示
したようにな加算器6M,減算器11R,11Lなどの
構成に限られるものではない。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明になるヘッ
ドホン再生システムは、入力音響信号(直接音相当)は
前方方向に(または本来の方向に)音像が定位させら
れ、遅延された入力音響信号(反射音相当・間接音相
当)は左または右の一方の側方方向に音像が定位してい
るように、ヘッドホン再生されるように構成した。した
がって、前方方向(正中面)における頭外定位感が十分
に得られ、側方方向に音像の拡がり感が生じる。さら
に、本発明になるヘッドホン再生システムは、入力され
たステレオ信号を、左右間で相関の高い信号成分につい
ては本来の方向に音像が定位させられ、相関の低い信号
成分については左または右の一方の側方方向に音像が定
位しているように、ヘッドホン再生されるように構成し
た。したがって、ステレオ信号の場合でも、前方方向
(正中面)における距離感、頭外定位感が十分に得ら
れ、側方方向に音像の拡がり感が生じられる。この結
果、ヘッドホンシステムで音響信号を聴取しても、音の
頭外定位感が十分に得られて、自然な音のイメージが再
現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるヘッドホン再生システムの一実施
例を示すブロック図である。
【図2】ヘッドホン再生システムにおける音像定位を説
明する図である。
【図3】本発明になるヘッドホン再生システムの第2の
実施例を示すブロック図である。
【図4】ヘッドホン再生システムにおける音像定位を説
明する図である。
【図5】本発明になるヘッドホン再生システムの第3の
実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明になるヘッドホン再生システムの第3の
実施例の変形例を示すブロック図である。
【図7】ヘッドホン再生システムにおける音像定位を説
明する図である。
【符号の説明】
1 信号処理の対象にされているモノラル信号の入力端
子 1L,1R 信号処理の対象にされているステレオ信号
の入力端子 2,2L,2R,2M 主信号音像定位回路 3 遅延回路 4 副信号音像定位回路 5 減衰回路 6L,6R,6M 加算器 7,8 アンプ(A/D変換回路) 9L,9R ヘッドホン 10 リスナ 11R,11L 減算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノラルの入力音響信号に対して、受聴位
    置において前方方向に音像が定位しているように信号変
    換処理する主信号音像定位手段と、 前記モノラルの入力音響信号を遅延させる遅延手段と、 前記遅延された入力音響信号に対して、受聴位置におい
    て左または右の一方の側方方向に音像が定位しているよ
    うに信号変換処理する副信号音像定位手段と、 前記主信号音像定位手段からの処理信号と前記副信号音
    像定位手段からの処理信号とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力が左右の音響信号として供給された
    ヘッドホン受聴手段とよりなることを特徴とするヘッド
    ホン再生システム。
  2. 【請求項2】複数チャンネルの入力音響信号に対して、
    受聴位置において各チャンネルの本来の方向に音像が定
    位しているように信号変換処理する主信号音像定位手段
    と、 前記複数チャンネルの入力音響信号を加算して副信号と
    する補助加算手段と、 前記加算された副信号を遅延させる遅延手段と、 前記遅延された副信号に対して、受聴位置において左ま
    たは右の一方の側方方向に音像が定位しているように信
    号変換処理する副信号音像定位手段と、 前記主信号音像定位手段からの処理信号と前記副信号音
    像定位手段からの処理信号とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力が複数チャンネルの音響信号として
    供給されたヘッドホン受聴手段とよりなることを特徴と
    するヘッドホン再生システム。
  3. 【請求項3】複数チャンネルの入力音響信号に対して、
    各チャンネル間で相関の高い信号成分と相関の低い信号
    成分とを分離抽出する分離抽出手段と、 前記相関の低い信号成分に対して、入力音響信号受聴位
    置において各チャンネルの本来の方向に音像が定位して
    いるように信号変換処理する第1の主信号音像定位手段
    と、 前記相関の高い信号成分に対して、受聴正面方向に音像
    が定位しているように信号変換処理する第2の主信号音
    像定位手段と、 前記相関の高い信号成分を遅延させる遅延手段と、 前記遅延された相関の高い信号成分に対して、受聴位置
    において左または右の一方の側方方向に音像が定位して
    いるように信号変換処理する副信号音像定位手段と、 前記第1及び第2の主信号音像定位手段からの処理信号
    と前記副信号音像定位手段からの処理信号とを加算する
    加算手段と、 前記加算手段の出力が複数チャンネルの音響信号として
    供給されたヘッドホン受聴手段とよりなることを特徴と
    するヘッドホン再生システム。
  4. 【請求項4】主信号音像定位手段でOSS処理するよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜3に記載のヘッドホ
    ン再生システム。
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