JP4857100B2 - バレル研磨装置 - Google Patents

バレル研磨装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4857100B2
JP4857100B2 JP2006343295A JP2006343295A JP4857100B2 JP 4857100 B2 JP4857100 B2 JP 4857100B2 JP 2006343295 A JP2006343295 A JP 2006343295A JP 2006343295 A JP2006343295 A JP 2006343295A JP 4857100 B2 JP4857100 B2 JP 4857100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrel
barrel tank
rotation
polishing apparatus
planetary gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006343295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008155286A (ja
Inventor
良隆 落合
啓文 福西
Original Assignee
三恵ハイプレシジョン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三恵ハイプレシジョン株式会社 filed Critical 三恵ハイプレシジョン株式会社
Priority to JP2006343295A priority Critical patent/JP4857100B2/ja
Publication of JP2008155286A publication Critical patent/JP2008155286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4857100B2 publication Critical patent/JP4857100B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明はバレル研磨装置に関し、さらに詳細には、工作物と研磨材を充填収容するバレル槽が水平方向に公転する形式のバレル研磨技術に関する。
バレル研磨技術は、各種工作物(以下、ワーク)の中間および/または最終仕上げ工程において、バリ取り、平滑仕上げ、鏡面仕上げあるいはR付け等の目的で採用されており、その基本原理は、研磨材(メディア)とワークをバレル槽内に所定の割合で混合して充填し、このバレル槽に運動を与えて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨する。
そして、バレル槽に運動を与える方法として、回転バレル、振動バレル、遠心バレルおよび渦流バレルなどの研磨方式が存在するが、特に、遠心バレル方式は、加工能力が高く各種製造分野で広く採用されている。
この遠心バレル方式においては、回転テーブル上に自転可能に設けられたバレル槽が、上記回転テーブルの回転によって自転しながら公転(遊星旋回)することで、バレル槽内のワークと研磨材に遠心力を与えて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークが研磨される。なお、上記バレル槽の自転運動は、公転速度の1/2程度の自転速度をもって、公転方向と同一または逆方向に自転される(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、このように加工能力に優れる遠心バレル方式においても、(1)ワーク同士による打痕の発生、(2)ワークの変形およびひずみの発生および(3)研磨能力不足によるバリやカエリの残存といった問題があり、さらなる改良が要望されていた。
(社)砥粒加工学会編著、「図解 砥粒加工技術のすべて」株式会社工業調査会、2006年9月1日発行、p.106〜107」
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは遠心バレル方式を改良して、ワーク同士による打痕の発生がなく、ワークの変形およびひずみの発生もなく、高い研磨能力が得られるバレル研磨装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のバレル研磨装置は、ワークと研磨材が充填収容されたバレル槽が水平方向に公転することにより、バレル槽内のワークと研磨材に遠心力が与えられて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨するバレル研磨装置であって、垂直な回転主軸に対して水平に取り付けられて、所定の速度をもって回転駆動される回転テーブルと、この回転テーブル上に前記回転主軸と平行状態で回転可能に支持された回転支軸に、前記回転主軸に対して軸線を所定角度だけ傾斜した状態で取り付けられたバレル槽受けと、このバレル槽受けに上側から取外し可能に収容保持される、密閉可能な筒形容器からなるバレル槽とを備え、前記回転支軸の自転駆動は、前記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽歯車と、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星歯車と、これら太陽歯車および遊星歯車の間に噛合状態で介装されるとともに、前記回転テーブルに回転可能に支持される少なくとも一つの中間歯車とを備えてなる遊星歯車機構により行われる構成とされ、前記回転テーブルの水平回転により、前記バレル槽は、前記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転運動に伴う前記遊星歯車機構の減速作用により、公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって、前記回転主軸に対して傾斜した状態で自転される構成とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記自転速度は、上記公転速度の−1/20〜1/20に設定される。
(2)上記バレル槽の軸線の傾斜角度が10度〜30度に設定されている。
)上記太陽歯車と上記遊星歯車とが、単一の上記中間歯車を介して駆動連結されている。
)上記太陽歯車と上記遊星歯車とが、二つの上記中間歯車を介して駆動連結されている。
本発明は、本発明者による以下の着眼点に基づいた種々の試験研究の成果としてなされたものである。
すなわち、本発明者は、従来の遠心バレル方式における前記3つの問題点の要因を探るべく、バレル槽内の研磨材とワークの挙動を調べてみたところ、研磨材とワークが上下に分離してしまい、この上下2極化現象がワーク同士の衝突や研磨能力の低下を招いて、上記3つの問題を引き起こすことが判明した。
さらに、上記研磨材とワークが上下に分離してしまう要因を探ってみたところ、従来の遠心バレル方式では、バレル槽の公転により生じる遠心力が、研磨材とワークに対して水平方向の2次元の動きを与えるに止まり、その結果、研磨材とワークが自重の違いで上下に分離していることが突き止められた。
本発明者は、このようにして得られた知見に基づいて、さらなる試験・研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、ワークと研磨材が充填収容されたバレル槽を水平方向に公転させることにより、バレル槽内のワークと研磨材に遠心力を与えて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨するバレル研磨方式において、垂直な公転軸に対して、その軸線を傾斜した状態で設けられた筒形容器からなるバレル槽を、上記公転軸まわりに公転させるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度、より具体的には、上記公転速度の−1/20〜1/20の自転速度で垂直軸まわりに自転させるようにしたから、バレル槽の公転により生じる遠心力が有効かつ十分に発揮されて、研磨材とワークに対して単なる水平方向の動きに止まらず、さらにバレル槽の傾きによる傾斜内面との協働作用による上下方向の動きも誘発する。
その結果、研磨材とワークは、自重の違いも有効に作用して、互いに分離することなく渾然一体となってバレル槽内を上下左右方向へ流動(3次元相対運動)して、ワーク同士の衝突が有効に防止されるとともに、ワークと研磨材とが効率よく擦れ合って、ワークは高い研磨能力をもって研磨され得る(従来の遠心バレル方式のバレル研磨装置と比較して、1/2〜1/3以下の時間でワークを仕上けることができる。)。
そして、このような従来の遠心バレル方式では成し得なかった”ワークと研磨材の3次元相対運動”の実現により、従来の遠心バレル方式の研磨加工における前記3つの問題点、つまり、(1)ワーク同士による打痕の発生、(2)ワークの変形およびひずみの発生および(3)研磨能力不足によるバリやカエリの残存、という問題点が大幅に減少ないし解消されるに至った。
特に、上記バレル槽の自転速度を、その公転速度の−1/20〜1/20という低速またはゼロに設定することにより、バレル槽の自転により生じる遠心力が、バレル槽の公転により生じる遠心力を相殺することなく最大限度有効に発揮させて、円滑な3次元相対運動を確保することができる。
また、バレル槽を上記公転速度の−1/20〜1/20という非常にゆっくりした自転速度で自転させることにより、バレル槽の隅部に存在する研磨材およびワークにも上記バレル槽の公転による遠心力が有効に作用して、バレル槽内のすべての研磨材とワークが円滑な3次元相対運動を行い、すべてのワークが高い研磨能力をもって均一に研磨され得る。
さらに、本発明のバレル研磨装置においては、上記効果に加えて、水平回転される回転テーブル上に、回転支軸が回転可能に支持されるとともに、この回転支軸にバレル槽が回転テーブルの回転主軸に対して傾斜した状態で取り付けられ、上記回転テーブルの水平回転により、上記バレル槽が上記回転主軸まわりに所定の速度をもって公転されるとともに、上記回転支軸まわりに自転する構成とされ、このバレル槽を自転させる回転支軸の自転駆動が、上記回転主軸と同心状に設けられた太陽歯車と、上記回転支軸に同心状に設けられた遊星歯車とを含んでなる遊星歯車機構により行われる構成とされていることにより、バレル槽の公転運動と自転運動が単一駆動源により行われて、装置構造が簡単かつコンパクトで、メンテナンスも容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
本発明に係るバレル研磨装置が図1〜図4に示されており、このバレル研磨装置は、具体的には、図4に模式的に示されるように、多数のワークW、W、…と研磨材(メディア)G、G、…が充填収容されたバレル槽1が水平方向に公転することにより、バレル槽1内のワークW、W、…と研磨材G、G、…に遠心力が与えられて、これらワークW、W、…と研磨材G、G、…の擦れ合いによりワークW、W、…を研磨する構成を備えた遠心バレル形式のものである。
上記バレル研磨装置は、バレル槽1の公転手段を構成する回転テーブル2およびバレル槽1の自転手段を構成する遊星歯車機構3を主要部として構成され、これら構成部1、2、3が装置ケース4内に装置されてなる。なお、装置ケース4において、30は開閉可能な蓋、31は装置ケース4の移動手段としての自在キャスタ、および32は装置ケース4を水平状態に姿勢調整するためのレベルアジャスタをそれぞれ示している。
回転テーブル2は円盤状のもので、垂直な回転主軸5に対して水平に取り付けられて、所定の速度をもって回転駆動される。
図示の実施形態においては、装置ケース4の基台フレーム6の中心位置に主軸台7が設けられ、この主軸台7に、上記回転主軸5が、回転軸受8、8を介して垂直状態で回転可能に軸支されており、この回転主軸5の上端部に、上記回転テーブル2が固定金具9により水平状態で取付け支持されている。また、回転主軸5の下部が軸支される上記主軸台7には、駆動モータとしてのギヤードモータ10が水平状態で取り付けられており、具体的には図示しないが、このギヤードモータ10の出力軸に、上記回転主軸5の下部が直接的に歯車連結されている。
そして、ギヤードモータ10の回転駆動により、上記回転主軸5と共に、上記回転テーブル2が水平方向へ所定の回転速度をもって回転駆動される。
バレル槽1は密閉可能な筒形容器からなり、上記回転テーブル2の外周位置に円周方向へ等間隔をもって複数個取り付けられている。
図示の実施形態においては、バレル槽1はウレタン製容器で、具体的には図示しないが、その内周面が多角形とされた断面形状を有する多角柱形状輪郭の筒型容器、具体的には内周面が八角柱形状輪郭の筒型容器の形態とされ、回転テーブル2上に4つ装着される配置構成とされている。
つまり、回転テーブル2の外周位置には、4本の回転支軸15、15、…が周方向へ等間隔をもって配置され、各回転支軸15は、軸受16、16により垂直状態で、つまり上記回転主軸と平行状態で回転可能に軸支され、この回転支軸15の上端部15aに、上記バレル槽1を取外し可能に収容支持するバレル槽受け17が傾斜状態で取付け固定されている。35はバレル槽1をバレル槽受け17に固定させるための押え金具を示している。
このバレル槽受け17は、その底部が上記回転支軸15の上端部15aに固設されるとともに、その上部が開放されて、バレル槽1を上側から収容保持される形状とされている。そして、このバレル槽受け17にバレル槽1が収容された状態において、バレル槽17は、その軸線が上記回転主軸5の軸線(後述する公転軸)Xに対して所定角度αだけ傾斜するように構成されている。
上記バレル槽1の軸線の傾斜角度αは、具体的には10度〜30度、望ましくは12度〜20度に設定され、図示の実施形態においては、15度の傾斜角度αとされている。
このように傾斜角度αが設定されるのは、傾斜角度αが10度よりも小さい場合、および30度よりも大きい場合、バレル槽1の内周傾斜面と後述するバレル槽1の公転により生じる遠心力との協働作用が確実に得られず、しかも、傾斜角度αが30度よりも大きいと、バレル槽1のバレル槽受け17への取付時に、バレル層1内に充填収容した内容物が外部へこぼれてしまうという湿式のバレル研磨装置における構造上の問題があるからである。
遊星歯車機構3は、前述したようにバレル槽1の自転手段を構成するもので、少なくとも、上記回転主軸5と同心状に設けられた太陽歯車20と、上記回転支軸15に同心状に設けられた遊星歯車21とを含んでなり、具体的には、上記太陽歯車20、上記遊星歯車21、およびこれら太陽歯車20および遊星歯車21の間に噛合状態で介装される少なくとも一つの中間歯車22とを備えてなる。中間歯車22の配設数は、遊星歯車21つまりバレル槽1の自転方向と自転速度を考慮して設定される。図示の実施形態においては、太陽歯車20と遊星歯車21とが単一の中間歯車22を介して駆動連結されて、遊星歯車21つまりバレル槽1が公転方向(回転テーブル2の回転方向)と逆方向へ自転する構成とされている。
太陽歯車20は、上記回転テーブル2の回転主軸5と同心状にかつ静止状に設けられており、具体的には、図2に示すように、軸受25、25を介して上記回転主軸25に相対回転可能に軸支されるとともに、図示しない回止め手段によって、その回転運動が静止固定されている。
遊星歯車21は、上記回転テーブル2に回転可能に軸支された上記回転支軸15に同心状にかつ一体的に設けられており、具体的には、図2に示すように、回転テーブル2の下側に突出した上記回転支軸15の下端部に、一体的に取付けられている。
中間歯車22は、太陽歯車20および遊星歯車21の間に噛合状態で介装されるもので、具体的には、図2に示すように、上記回転テーブル2の下側において、回転テーブル2に支持固定された回転支軸26に、軸受27、27を介して回転可能に軸支されるとともに、上記太陽歯車20および遊星歯車21にそれぞれ噛合されている。
そして、回転主軸5の回転により、回転テーブル2が一体的に水平回転すると、この回転テーブル2上に配置支持された4つのバレル槽1、1、…は、上記回転主軸5まわりに所定の速度をもって公転されるとともに、この公転運動に伴う遊星歯車機構3の減速作用により、非常にゆっくりした自転速度をもって自転されまたは停止されることとなる。
より具体的には、図3を参照して、回転テーブル2の回転(矢符X方向)により、この回転テーブル2上に配置支持された4つのバレル槽1、1、…も回転(公転)するところ、これらバレル槽1、1、…の回転支軸15、15、…には、上記遊星歯車機構3の遊星歯車21がそれぞれ取付け固定されている。この遊星歯車機構3において、太陽歯車20は上述のごとく静止固定されているから、これら両歯車20、21に噛合連結された中間歯車22を介して、上記遊星歯車21は太陽歯車20のまわりをX方向へ公転しながら、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした自転速度をもって公転方向と逆方向へ自転または停止することになる。
この場合、上記バレル槽1の自転速度は、遊星歯車機構3を構成する太陽歯車20、中間歯車22および遊星歯車21の歯車比により決定され、具体的には公転速度の−1/20〜0に設定され、望ましくは−1/30〜−1/40に設定される。上記バレル槽1の公転速度は、遠心力が有効に働くことを考慮して、100〜300回転/分に設定されており、したがって、バレル槽1の自転速度は5回転〜15回転/分に設定される。
このようにバレル槽1の自転速度が上記公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした値に設定されるのは、バレル槽1の公転により生じる遠心力の作用効果が有効に発揮されるようにするためである。すなわち、バレル槽1の自転速度が公転速度の1/20よりも大きいと、バレル槽1の公転により研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果が、バレル槽1の自転によりこれら研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果によって減小され、ないしは相殺されて十分に発揮されず、バレル槽1内における研磨材G、G、…とワークW、W、…の活発な動きが得られず、一方、バレル槽1の自転速度が公転速度の0〜1/20の大きさにあると、バレル槽1の公転により研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果が十分に発揮されて、研磨材G、G、…とワークW、W、…の動きが、単なる水平方向の動きに止まらず、バレル槽1の傾斜角度αによる傾斜内面との協働作用による上下方向の動きも誘発されるからであり(3次元相対運動)、この作用効果は、バレル槽1の自転速度が公転速度の−1/30〜−1/40に設定されると、より大きな作用効果が得られる。
また、バレル槽1が公転のみで、自転しない場合(つまり自転速度0の場合)よりも、上記のように公転速度の1/20以下の非常にゆっくりした自転速度をもって自転する方が、バレル槽1内の隅部に存在する研磨材G、G、…とワークW、W、…にも上記バレル槽1の公転による遠心力が有効に作用して、バレル槽1内のすべての研磨材G、G、…とワークW、W、…が円滑な3次元相対運動を行うことができる。
図示の実施形態においては、バレル槽1の自転速度は公転速度の1/36に設定されている。
また、バレル槽1内にワークW、W、…と共に投入充填される研磨材G、G、…としては、セラミック系のものが使われることが多いが、形状、寸法などによりその種類も非常に多く、下記の条件を考慮して選択使用される。
(i)ワークW、W、…のバリ取り用としては、荒研磨用の研磨材G、G、…が選択される。
(ii)ワークW、W、…の研磨用としては、荒研磨用の細かな研磨材G、G、…、または中仕上げ用の研磨材G、G、…が選択される。
(iii)ワークW、W、…の光沢研磨のときは、仕上げ用の細かい研磨材G、G、…が選択され、この場合は加工時間が長く設定される。
(iv)ワークW、W、…に研磨材G、G、…の詰まりができるだけ起きないような形状および大きさが選択される(例えば、加工対象がワークW、W、…の穴の場合、穴径の2/3程度の寸法の研磨材G、G、…が選択されることで、比較的詰まりを少なくすることができる。)
(v)ワークW、W、…の内側コーナー部分の研磨が必要なときは、できるだけ細かい研磨材G、G、…が選択される。
しかして、以上のように構成されたバレル研磨装置において、回転テーブル2上に自転可能に設けられたバレル槽受け17、17、…に、多数のワークW、W、…と研磨材G、G、…が充填収容されたバレル槽1がそれぞれ収容保持された状態で、回転テーブル2が回転駆動されると、バレル槽1は垂直な回転主軸(公転軸)5まわりに水平方向に公転されて、バレル槽1内のワークW、W、…と研磨材G、G、…に遠心力が与えられて、これらワークW、W、…と研磨材G、G、…の擦れ合いによりワークW、W、…が研磨されることとなる。
この場合、バレル槽1、1、…は、その軸線を上記回転主軸(公転軸)5に対して傾斜した状態で回転支軸15にそれぞれ取付けられるとともに、上記公転運動に伴う遊星歯車機構3の減速自転作用により、非常にゆっくりした自転速度(図示の実施形態においては、公転速度の1/36)をもって公転方向Xと逆方向へ自転される。
この結果、各バレル槽1内に充填収容されたワークW、W、…と研磨材G、G、…の挙動、特に研磨材G、G、…の挙動は、図4に示すように、バレル槽1の傾斜内面に当たってランダムに跳ね返り立体的に動き、研磨材G、G、…は、矢符図示のごとく中央部へ向けて中へ中へと練り込まれるように流動する。
このような挙動は、バレル槽1の公転により生じる遠心力が、研磨材G、G、…とワークW、W、…に対して単なる水平方向の動きに止まらず、さらにバレル槽1の傾きによる傾斜内面との協働作用による上下方向の動きも誘発し、その結果、研磨材G、G、…とワークW、W、…は自重の違いも有効に作用して、互いに分離することなく渾然一体となってバレル槽1内を上下左右方向へ流動(3次元相対運動)すると考えられる。
そして、このような研磨材G、G、…とワークW、W、…の3次元相対運動が可能となることで、以下のような効果が得られるところとなった。
(1)ワークW、W、…が常に研磨材G、G、…の中に存在することになり、ワーク同士の衝突が有効に防止されて、その結果、ワークW、W、…同士の衝突による打痕の発生率が大幅に低減される。
(2)プレス加工品などのワークW、W、…同士の絡み合いによる変形やひずみの発生についても、ワークW、W、…が常に研磨材G、G、…の中に存在するため、ワークW、W、…同士が絡まりにくくなり、変形やひずみなどの発生も少なくなる。
(3)ワークW、W、…が常に研磨材G、G、…の中に存在するため、ワークW、W、…と研磨材G、G、…とが効率よく擦れ合って、互いの接触回数も多くなり、その結果、研磨能力も従来の遠心バレル式に比べて格段に高くなり、ワークW、W、…が高い研磨能力をもって研磨され得る。
本実施形態のバレル研磨装置と従来の遠心バレル方式のバレル研磨装置との研磨能力比較試験を行った結果、本実施形態のバレル研磨装置では、従来のバレル研磨装置の1/3以下の時間でワークW、W、…を仕上けることができることが判明している。
特に、上記バレル槽1の自転速度を、その公転速度の−1/20〜0(より望ましくは−1/30〜−1/40(本実施形態においては1/36))という低速またはゼロに設定することにより、バレル槽1の自転により生じる遠心力が、バレル槽1の公転により生じる遠心力を相殺することなく最大限度有効に発揮させて、円滑な3次元相対運動を確保することができる。
また、バレル槽1をこのように非常にゆっくりした自転速度で自転させることにより、バレル槽1の隅部に存在する研磨材G、G、…およびワークW、W、…にも上記バレル槽1の公転による遠心力が有効に作用して、バレル槽1内のすべての研磨材G、G、…とワークW、W、…が円滑な3次元相対運動を行い、すべてのワークW、W、…が高い研磨能力をもって均一に研磨され得る。
さらに、本実施形態のバレル研磨装置においては、以上の効果に加えて、水平回転される回転テーブル2上に、回転支軸15、15、…が回転可能に支持されるとともに、これら回転支軸15、15、…にバレル槽1が回転テーブル2の回転主軸5に対して傾斜した状態でそれぞれ取り付けられ、上記回転テーブル2の水平回転により、各バレル槽1が回転主軸5まわりに所定の速度(本実施形態においては、100〜300回転/分)をもって公転されるとともに、上記回転支軸15まわりに自転する構成とされ、このバレル槽1を自転させる回転支軸15の自転駆動が、上記回転主軸5と同心状に設けられた太陽歯車20と、上記回転支軸15に同心状に設けられた遊星歯車21とを含んでなる遊星歯車機構3により行われる構成とされていることにより、各バレル槽1の公転運動と自転運動が単一駆動源(ギヤードモータ)10により行われて、装置構造が簡単かつコンパクトで、メンテナンスも容易に行うことができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、図示の実施形態の遊星歯車機構3においては、太陽歯車20と遊星歯車21とが単一の中間歯車22を介して駆動連結されて、バレル槽1が公転方向(回転テーブル2の回転方向)Xと逆方向へ自転する構成とされているところ、具体的には図示しないが、前述した公転速度と自転速度との関係を保持しつつ、上記太陽歯車20と上記遊星歯車21とが、二つの中間歯車22、22を介して駆動連結される構成とすることにより、バレル槽1が上記公転方向Xと同一方向へ自転するようにしてもよい。
本発明の実施形態1であるバレル研磨装置を一部切開して示す正面図である。 同じく同バレル研磨装置の内部構造を示す正面断面図である。 同じく同バレル研磨装置を示し、図3(a)は図2におけるA−A線に沿った平面断面図、図3(b)は図2におけるB−B線に沿った平面断面図である。 同バレル研磨装置の運転時におけるバレル槽内の研磨材とワークの挙動を示す模式図である。
符号の説明
1 バレル槽
2 回転テーブル
3 遊星歯車機構
5 回転主軸
10 ギヤードモータ(駆動源)
15 回転支軸
17 バレル槽受け
20 太陽歯車
21 遊星歯車
22 中間歯車
W ワーク
G 研磨材

Claims (5)

  1. 工作物と研磨材が充填収容されたバレル槽が水平方向に公転することにより、バレル槽内の工作物と研磨材に遠心力が与えられて、これら工作物と研磨材の擦れ合いにより工作物を研磨するバレル研磨装置であって、
    垂直な回転主軸に対して水平に取り付けられて、所定の速度をもって回転駆動される回転テーブルと、
    この回転テーブル上に前記回転主軸と平行状態で回転可能に支持された回転支軸に、前記回転主軸に対して軸線を所定角度だけ傾斜した状態で取り付けられたバレル槽受けと、
    このバレル槽受けに上側から取外し可能に収容保持される、密閉可能な筒形容器からなるバレル槽とを備え、
    前記回転支軸の自転駆動は、前記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽歯車と、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星歯車と、これら太陽歯車および遊星歯車の間に噛合状態で介装されるとともに、前記回転テーブルに回転可能に支持される少なくとも一つの中間歯車とを備えてなる遊星歯車機構により行われる構成とされ、
    前記回転テーブルの水平回転により、前記バレル槽は、前記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転運動に伴う前記遊星歯車機構の減速作用により、公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって、前記回転主軸に対して傾斜した状態で自転される構成とされている
    ことを特徴とするバレル研磨装置。
  2. 前記自転速度は、前記公転速度の−1/20〜1/20に設定されている
    ことを特徴とする請求項に記載のバレル研磨装置。
  3. 前記バレル槽の軸線の傾斜角度が10度〜30度に設定されている
    ことを特徴とする請求項に記載のバレル研磨装置。
  4. 前記太陽歯車と前記遊星歯車とが、単一の前記中間歯車を介して駆動連結されている
    ことを特徴とする請求項に記載のバレル研磨装置。
  5. 前記太陽歯車と前記遊星歯車とが、二つの前記中間歯車を介して駆動連結されている
    ことを特徴とする請求項に記載のバレル研磨装置。
JP2006343295A 2006-12-20 2006-12-20 バレル研磨装置 Active JP4857100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006343295A JP4857100B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 バレル研磨装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006343295A JP4857100B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 バレル研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008155286A JP2008155286A (ja) 2008-07-10
JP4857100B2 true JP4857100B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=39656773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006343295A Active JP4857100B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 バレル研磨装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4857100B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5756663B2 (ja) * 2011-03-26 2015-07-29 三恵ハイプレシジョン株式会社 撹拌装置の収納容器密閉装置、密閉収納装置および撹拌装置
JP5889667B2 (ja) * 2012-02-17 2016-03-22 三恵ハイプレシジョン株式会社 バレル研磨装置
CN108161687B (zh) * 2018-02-02 2024-01-26 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 一种滚动去毛刺装置
CN108356691A (zh) * 2018-02-02 2018-08-03 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 一种转动去毛刺装置
JP7061289B2 (ja) * 2018-09-20 2022-04-28 新東工業株式会社 バレル研磨方法
CN109807706A (zh) * 2019-03-11 2019-05-28 昆山金海格智能系统有限公司 一种轮毂研磨自动化系统
CN114603471B (zh) * 2022-03-16 2023-08-08 广州大学 一种差速行星轮式球磨装置
CN114559357A (zh) * 2022-03-26 2022-05-31 徐德富 一种单一驱动的公自转抛光修形装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57177647A (en) * 1981-04-24 1982-11-01 Kanebo Shokuhin Kk Preparation of dried mushroom
JPS62251066A (ja) * 1986-04-21 1987-10-31 Shintou Bureetaa Kk 遠心バレル研摩装置
JPH0297562A (ja) * 1988-10-04 1990-04-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 硬化性樹脂組成物
JPH02145955A (ja) * 1988-11-28 1990-06-05 Matsushita Seiko Co Ltd ガス検知回路
JPH04135161A (ja) * 1990-09-21 1992-05-08 Ietatsu Ono 研磨方法とその研磨加工装置
JP2003205449A (ja) * 2002-01-10 2003-07-22 Daishinku Corp バレル研磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008155286A (ja) 2008-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4857100B2 (ja) バレル研磨装置
JP5576868B2 (ja) 歯切り研削盤及び研削工具をドレッシングするための方法
JP5284694B2 (ja) バレル研磨方法および装置
JP5889667B2 (ja) バレル研磨装置
CN105127882A (zh) 一种抛光机传动系统
CN109277886A (zh) 一种轴承滚珠抛光装置
JP2008302262A (ja) 洗浄方法および洗浄装置
JPH089137B2 (ja) 重回転バレル加工法
JP2916937B2 (ja) バレル研磨方法及びその装置
JP7061289B2 (ja) バレル研磨方法
JP5513150B2 (ja) バレル研磨機
CN205057767U (zh) 一种抛光机传动系统
CN108637874B (zh) 三自由度球体自转式研抛装置
CN210189470U (zh) 一种轮毂抛光打磨一体机
JP6453228B2 (ja) 研磨工具、研磨方法および研磨装置
JPH0242625B2 (ja)
JPH0525632B2 (ja)
CN106002601A (zh) 研磨抛光机
JP3389264B2 (ja) 走行線状部材の研磨装置
JP2021176668A (ja) バレル研磨装置
JP3317255B2 (ja) 乾式流動研摩装置
JP6404039B2 (ja) ショットブラスト装置
CN101712133A (zh) 一种抛光装置
JP2007136622A (ja) 研磨装置
JPH06143078A (ja) マシニングセンタ用のツールホルダ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101230

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110818

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111031

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4857100

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250