JP2021176668A - バレル研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置において、遊星運動の運動条件を任意に設定調整することができ、処理対象となるワークや使用者の要望に柔軟に応じられるバレル研磨装置を提供する。【解決手段】ワークWと研磨材Gが充填収容されたバレル槽1が水平方向に公転することにより、バレル槽1内のワークWと研磨材Gに遠心力が与えられて、これらワークWと研磨材Gの擦れ合いによりワークWを研磨するバレル研磨装置であって、垂直な公転軸X0に対して、軸線Xを傾斜した状態で設けられたバレル槽1が、公転軸X0まわりに所定の公転速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸まわりに自転または停止する構成とされ、上記自転速度の上記公転速度に対する速度比が可変調整可能とされている。【選択図】図5

Description

本発明はバレル研磨装置に関し、さらに詳細には、ワークと研磨材を充填収容したバレル槽を攪拌動作させることにより、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨するバレル研磨技術に関する。
バレル研磨技術は、各種ワーク(以下、ワーク)の中間および/または最終仕上げ工程において、バリ取り、平滑仕上げ、鏡面仕上げあるいはR付け等の目的で採用されており、その基本原理は、研磨材(メディア)とワークをバレル槽内に所定の割合で混合して充填し、このバレル槽に運動を与えて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨する。
そして、バレル槽に運動を与える方法として、回転バレル、振動バレル、遠心バレルおよび渦流バレルなどの研磨方式が存在するが、特に、遠心バレル方式は、加工能力が高く各種製造分野で広く採用されている。
この遠心バレル方式においては、回転テーブル上に自転可能に設けられたバレル槽が、上記回転テーブルの回転によって自転しながら公転(遊星旋回)することで、バレル槽内のワークと研磨材に遠心力を与えて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークが研磨される。なお、上記バレル槽の自転運動は、公転速度の1/2程度の自転速度をもって、公転方向と同一または逆方向に自転されるのが一般的である。
しかしながら、このように加工能力に優れる遠心バレル方式においても、(i)ワーク同士による打痕の発生、(ii)ワークの変形およびひずみの発生、および(iii)研磨能力不足によるバリやカエリの残存といった問題があり、さらなる改良が要望されていた。
この点に関して、本出願人は、特許文献1に記載されるバレル研磨装置を開発し提案している。
このバレル研磨装置は、垂直な回転主軸に水平に取り付けられて、所定の公転速度をもって回転駆動される回転テーブル上に、回転支軸が上記回転主軸と平行な垂直状態で回転可能に支持されるとともに、この回転支軸に、ワークと研磨材を充填収容するバレル槽が、上記回転主軸に対して軸線を所定角度だけ傾斜した状態で取り付け保持され、上記回転支軸と上記回転テーブルが遊星歯車機構により単一の回転駆動部に駆動連結されてなる構成とされている。
そして、上記回転駆動部による上記回転テーブルの水平回転により、上記バレル槽が傾斜した状態で上記回転主軸まわりに遊星運動することにより、上記バレル槽に充填収容された研磨材とワークが互いに分離することなく渾然一体となって、バレル槽内を上下左右方向へ流動(3次元相対運動)する。この結果、研磨材とワークは、効率よく擦れ合って、ワークは高い研磨能力をもって研磨され、遠心バレル方式における上述した問題点が解消されるに至った。
特開2008−155286号公報
ところで、バレル研磨されるワークには、金属材料から非金属材料まで多岐にわたる種々の材料があり、また形状寸法も種々のものがあり、上記バレル研磨装置における遊星運動も、これらワーク毎に最適な運動条件、つまり上述したバレル槽の自転速度と公転速度の速度比があることが試験的に判明している。
また、実際に上記バレル研磨装置でバレル研磨を行う使用者にとっても、仕上がり精度と仕上がり速度を比較考慮して、使用者が望む最適な運動条件を任意に設定したいとの要望があった。
したがって、理想的には研磨対象となるワーク毎に、あるいは使用者毎に、上記遊星運動の運動条件を調整設定することが望まれるが、上記バレル研磨装置における遊星運動は遊星歯車機構により行われることから、上記運動条件の調整設定は、実際上、製作者による上記遊星歯車機構の設計変更を伴い、その作業も必ずしも容易でなく、費用的にもコスト高となり、実質的に困難ないしは不可能とうのが実情であった。
すなわち、上記バレル研磨装置における遊星歯車機構は、上記回転支軸と上記回転テーブルが遊星運動機構により単一の回転駆動部に駆動連結されてなる構造で、上記遊星運動を司る上記バレル槽の自転速度と公転速度の速度比が製造者において画一的に設計されており、この遊星運動の運動条件を設定変更するには、製造者が上記遊星歯車機構における構成歯車同士の歯車比を変更する必要があるところ、この作業は、構造上、上記遊星歯車機構自体を装置から取り外して、所望の歯車比となる遊星歯車機構を再構成して交換することになり、しかも、上記所望の歯車比を決定するための前提となる必要情報は、主として実際の使用者から得られるものであり、実際上、上記運動条件の設定変更は困難ないしは不可能な状況にあった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置において、遊星運動の運動条件を任意に設定調整することができて、処理対象となるワークや使用者の要望に柔軟に応じられる汎用性の高いバレル研磨装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のバレル研磨装置は、ワークと研磨材が充填収容されたバレル槽が水平方向に公転することにより、バレル槽内のワークと研磨材に遠心力が与えられて、これらワークと研磨材の擦れ合いによりワークを研磨するバレル研磨装置であって、垂直な公転軸に対して、密閉可能な筒形容器からなるバレル槽がその軸線を傾斜した状態で設けられ、上記バレル槽は、上記公転軸まわりに所定の公転速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸まわりに自転または停止する構成とされ、上記自転速度の上記公転速度に対する速度比が可変調整可能とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記バレル槽を水平方向へ公転させる公転手段と、上記バレル槽を水平方向へ自転させる自転手段とを備えてなり、これら公転手段と自転手段の駆動系列が相互に独立した構成とされている。
(2)上記公転手段は、垂直な回転主軸に対して水平に取り付けられて、所定の公転速度をもって回転駆動される回転テーブルと、上記回転主軸を回転駆動する公転駆動部とを備え、上記自転手段は、上記回転テーブル上に上記回転主軸と平行な垂直状態で回転可能に支持されて、所定の自転速度をもって回転駆動される回転支軸と、この回転支軸を回転駆動する自転駆動部とを備え、上記バレル槽は、上記回転支軸に、上記回転主軸に対して傾斜した状態で取り付けられている。
(3)上記回転テーブル上に支持される上記回転支軸に、バレル槽受けが上記回転主軸に対して軸線を所定角度だけ傾斜した状態で取り付けられ、このバレル槽受けに、上記バレル槽が上側から取外し可能にかつ同軸状に収容保持される。
(4)上記公転駆動部は、上記回転主軸に直接駆動連結された公転用駆動モータである。
(5)上記自転駆動部は、自転用駆動モータと、この自転用駆動モータの回転駆動力を上記回転支軸に伝達するベルト伝達機構とからなる。
(6)上記ベルト伝達機構は、自転用駆動モータの出力軸に取り付けられた駆動歯車、回転主軸に自由回転可能に軸支された従動歯車、およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第1伝達機構と、上記回転支軸に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車、上記回転主軸に自由回転可能に軸支された主軸歯車およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第2伝達機構とから構成され、上記第1伝達機構の上記従動歯車と上記第2伝達機構の主軸歯車は、同軸上にかつ一体的に結合されている。
(7)上記従動歯車と主軸歯車が単一の歯車から構成されている。
(8)上記回転テーブルの外周部位置に、上記回転支軸が周方向へ等間隔をもって複数配置され、これら複数の回転支軸に取り付けられた上記自転用歯車に対して、単一の上記主軸歯車が駆動連結される主軸歯車共用構造とされている。
(9)上記自転駆動部は、自転用駆動モータと、この自転用駆動モータの回転駆動力を上記回転支軸に伝達する歯車伝達機構とからなる。
(10)上記歯車機構は、自転用駆動モータの出力軸に取り付けられた駆動歯車、回転主軸に自由回転可能に軸支された従動歯車およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第1伝達機構と、上記回転支軸に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車、上記回転主軸に自由回転可能に軸支された主軸歯車およびこれら両歯車を駆動連結する中間歯車からなる第2伝達機構とから構成され、上記第1伝達機構の上記従動歯車と上記第2伝達機構の主軸歯車は、同軸上にかつ一体的に結合されている。
(11)上記従動歯車と主軸歯車が単一の歯車から構成されている。
(12)上記回転テーブルの外周部位置に、上記回転支軸が周方向へ等間隔をもって複数配置され、これら複数の回転支軸に取り付けられた上記自転用歯車に対して、単一の上記主軸歯車26bが駆動連結される主軸歯車共用構造とされている。
(13)上記公転手段と上記自転手段を相互に連動して制御する制御手段を備え、この制御手段は、上記バレル槽の公転速度と自転速度が所定の速度比になるように上記公転手段の公転駆動部と上記自転手段の自転駆動部を制御するように構成されている。
(14)上記バレル槽の公転速度および自転速度を設定するための速度設定手段を備える。
(15)上記バレル槽の公転速度と自転速度の速度比を設定するための速度比設定手段を備える。
(16)上記自転速度は、上記公転速度の−1/20〜1/20に設定される。
(17)上記バレル槽1の公転速度は100〜300回転/分に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
(18)上記バレル槽の軸線の傾斜角度が10度〜30度に設定されている。
本発明のバレル研磨装置によれば、垂直な公転軸に対して、密閉可能な筒形容器からなるバレル槽がその軸線を傾斜した状態で設けられ、上記バレル槽は、上記公転軸まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に 減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸まわりに自転または停止する構成とされ、上記自転速度の上記公転速度に対する速度比が可変調整可能とされているから、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置において、遊星運動の運動条件を任意に設定調整することができて、処理対象となるワークや使用者の要望に柔軟に応じられる汎用性の高いバレル研磨装置を提供することができる。
すなわち、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置においては、上記バレル槽が、上記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって、上記回転主軸に対して傾斜した状態で揺動自転されるから、一般的な遠心バレル方式では成し得なかった"ワークと研磨材の3次元相対運動"が実現して、遠心バレル方式の研磨加工における上述した3つの問題点(i)〜(iii)が大幅に減少ないし解消されるところ、本発明においては、さらに上記バレル槽の自転速度の公転速度に対する速度比が可変調整可能とされているから、バレル研磨対象となるワーク毎に、その材料や形状寸法に最適な遊星運動の運動条件を設定し、また、実際にバレル研磨を行う使用者にとっても、仕上がり精度と仕上がり速度を比較考慮して、使用者が望む最適な遊星運動の運動条件を任意に設定することができる。
本発明の実施形態1であるバレル研磨装置を示す側面図である。 同じく同バレル研磨装置の内部構造を一部切開して示す正面図である。 同じく同バレル研磨装置を示す図2におけるIII−III線に沿った平面断面図である。 同じく同バレル研磨装置を示す図2におけるIV−IV線に沿った平面断面図である。 同バレル研磨装置の主要構成部を拡大して示す正面図である。 同バレル研磨装置の制御構成を示すブロック図である。 同バレル研磨装置の運転時におけるバレル槽内の研磨材とワークの挙動を示す模式図である。 本発明の実施形態2であるバレル研磨装置の内部構造を一部切開して示す正面図である。 同じく同バレル研磨装置を示す図8におけるIX-IX線に沿った平面断面図である。 同バレル研磨装置の主要構成部を拡大して示す正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係るバレル研磨装置が図1〜図7に示されており、このバレル研磨装置は、図7に模式的に示されるように、多数のワークW、W、…と研磨材(メディア)G、G、…が充填収容されたバレル槽1が水平方向に公転することにより、バレル槽1内のワークW、W、…と研磨材G、G、…に遠心力が与えられて、これらワークW、W、…と研磨材G、G、…の擦れ合いによりワークW、W、…を研磨する構成を備えた遠心バレル形式のものである。
具体的には、本実施形態のバレル研磨装置は、垂直な公転軸つまり回転主軸10の軸線X0に対して、上記バレル槽1がその軸線Xを傾斜した状態で設けられ、このバレル槽1は、上記公転軸X0まわりに所定の公転速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸つまり回転支軸15の軸線X1まわりに自転または停止する構成とされている。
上記バレル研磨装置は、上記バレル槽1、公転手段2、自転手段3および公転手段2と自転手段3を制御する制御手段としての制御部4を主要部として構成され、これら構成部1〜4が装置ケース5内に装置されてなる。
装置ケース5は、頂部に開閉可能な蓋5aが設けられたほぼ直方体形状のもので、底部には、装置ケース5の移動手段としての自在キャスタ6が設けられるとともに、装置ケース5の固定設置状態において装置ケース5を水平状態に姿勢調整するためのレベルアジャスタ7が設けられている。
バレル槽1は、研磨対象となるワークW、W、…を研磨材(メディア)G、G、…と共に充填収容するもので、密閉可能な筒形容器とされている。図示の実施形態のバレル槽1はウレタン製容器で、具体的には図示しないが 、その内周面が多角形とされた断面形状を有する多角柱形状輪郭の筒型容器、具体的には 内周面が八角柱形状輪郭の筒型容器の形態とされている。
上記バレル槽1は、後述する公転手段2の回転テーブル8上に円周方向へ等間隔をもって複数個取外し可能に取り付けられる。図示の実施形態においては、4つのバレル槽1、1、…が、回転テーブル8の外周部位置に円周方向へ等間隔をもって取外し可能に装着される配置構成とされている。
公転手段2は、バレル槽1を水平方向へ公転させるもので、具体的には、上記回転テーブル8および公転駆動部9を主要部として構成され、上記公転駆動部9としては、公転用駆動モータが使用されている。
ている。
回転テーブル8は円盤状のもので、垂直な回転主軸10に対して水平に取り付けられるとともに、この回転主軸10が上記公転用駆動モータ9に直接駆動連結されている。
図示の実施形態においては、装置ケース5の基台フレーム11の中心位置に主軸台12が設けられ、この主軸台12に、上記回転主軸10が、軸受(図示省略)を介して垂直状態で回転可能に軸支されており、この回転主軸10の上端部に、上記回転テーブル8が固定金具14により水平状態で取付け支持されている。
また、回転主軸10の下部が軸支される上記主軸台12には、上記公転用駆動モータ9が水平状態で取り付けられており、具体的には図示しないが、この公転用駆動モータ9の出力軸に、上記回転主軸10の下部が直接的に歯車駆動連結されている。公転用駆動モータ9としては減速歯車機構を内蔵されたギヤードモータが使用され、この公転用駆動モータ9は、モータ駆動部40を介して上記制御部4に電気的に接続されている(図6)。
そして、公転用駆動モータ9の回転駆動により、上記回転主軸10と共に、上記回転テーブル8が水平方向(矢符A方向)へ所定の回転速度をもって回転駆動され、これにより、回転テーブル8上のバレル槽1、1、…が上記回転主軸10の軸線、つまり公転軸X0まわりに所定速度をもって水平に公転される。
上記回転テーブル8の外周部位置には、バレル槽1の配置数に対応して、4本の回転支軸15、15、…が周方向へ等間隔をもって配置され、各回転支軸15は、軸受(図示省略)により垂直状態で、つまり上記回転主軸10と平行状態で回転可能に軸支され、この回転支軸15の上端部15aに、上記バレル槽1を取外し可能に収容支持するバレル槽受け16が傾斜状態で取付け固定されている。
バレル槽受け16は、具体的には、その底部が上記回転支軸15の上端部1 5aに固設されるとともに、その上部が開放されて、バレル槽1を上側から収 容保持する形態とされている。
このバレル槽受け16は、その軸線Xが上記回転支軸15の軸線X1つまり上記回転主軸10の軸線(公転軸)X0に対して所定角度αだけ傾斜した状態で、回転支軸15に取り付けられている。そして、このバレル槽受け16にバレル槽1が収容された状態において、バレル槽1も、その軸線が上記バレル槽受け16の軸線Xに一致するように、つまり同軸状となるように設定されており、上記回転主軸10の軸線つまり公転軸X0に対して所定角度αだけ傾斜した状態となるように設けられる。17はバレル槽1をバレル槽受け16に固定させるための押え金具を示している。
上記バレル槽1の軸線Xの傾斜角度、つまり垂直な公転軸X0に対する傾斜角度αは、具体的には10度〜30度、望ましくは12度〜20度に設定され、図示の実施形態においては、15度の傾斜角度αとされている。
このように傾斜角度αが設定されるのは、傾斜角度αが10度よりも小さい場合、および30度よりも大きい場合、バレル槽1の内周傾斜面と後述するバレル槽1の公転により生じる遠心力との協働作用が確実に得られず、しかも、傾斜角度αが30度よりも大きいと、バレル槽1のバレル槽受け16への取付時に、バレル槽1内に充填収容した内容物W、G、…が外部へこぼれてしまうという湿式のバレル研磨装置における構造上の問題があるからである。
自転手段3は、バレル槽1を水平方向へ自転させるもので、回転テーブル8の回転速度つまりバレル槽1の公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした自転速度でバレル槽1を自転する構成とされている。
また、自転手段3は、上記公転手段2とはその駆動系列が相互に独立した構成とされて、バレル槽1の自転速度が上記公転速度と独立して自由に任意の速度に調整設定可能とされている。
上記自転手段3の具体的構成は、上記回転テーブル8上に回転可能に支持されて、所定の自転速度をもって回転駆動される上記回転支軸15と、この回転支軸15を回転駆動する自転駆動部20とを備える。
上記回転支軸15は、上述したように、上記回転テーブル8上に上記回転主軸10と平行な垂直状態で回転可能に支持されるとともに、その上端部15aに、上記バレル槽受け16が所定の傾斜角度αをもって傾斜状態で取付け固定されている。
自転駆動部20は、上記回転支軸15を回転駆動するもので、具体的には、自転用駆動モータ21と、この自転用駆動モータ21の回転駆動力を上記回転支軸15に伝達するベルト伝達機構22とからなる。
自転用駆動モータ21としては、減速歯車機構を内蔵されたギヤードモータが使用され、基台フレーム11上に水平状態で設けられるとともに、この自転用駆動モータ21の出力軸21aが上記ベルト伝達機構22に駆動連結されている。この自転用駆動モータ21は、モータ駆動部41を介して上記制御部4に電気的に接続されている(図6)。
上記ベルト伝達機構22は、自転用駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられた駆動歯車(タイミングプーリ)23a、回転主軸10に自由回転可能に軸支された従動歯車(タイミングプーリ)23bおよびこれら両歯車23a、23bを駆動連結する歯付きベルト(タイミングベルト)23cからなる第1伝達機構23と、上記回転支軸15に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車(タイミングプーリ)24a、上記回転主軸10に自由回転可能に軸支された主軸歯車(タイミングプーリ)24bおよびこれら両歯車24a、24bを駆動連結する歯付きベルト(タイミングベルト)24cからなる第2伝達機構24とから構成されており、上記従動歯車23bおよび主軸歯車24bは同軸上にかつ一体的に結合されている。
なお、上記第1伝達機構23において、上記駆動歯車23aと従動歯車23bは、配置スペース等、構造的に可能であれば、上記歯付きベルト23cを省略して直接駆動連結される構造も採用可能である。
また、図示の実施形態においては、バレル槽1の配置数つまり4つのバレル槽1、1、…に対応して、上記回転テーブル8の外周部位置には、上記回転支軸15が周方向へ等間隔をもって4本設けられているので、隣接する2本の回転支軸15、15の組に対して、第2伝達機構24がそれぞれ設けられて、合計2組の第2伝達機構24、24が設けられている。
具体的には、図4に示すように、2組の第2伝達機構24、24の各歯付きベルト24cは、隣接する2本の回転支軸15、15にそれぞれ取り付けられた自転用歯車24a、24aと、回転主軸10に自由回転可能に軸支された主軸歯車24bとに巻き掛けられるとともに、この歯付きベルト24cのテンションを所定値に保持するためのテンションプーリ24dが設けられている。
このように2組の第2伝達機構24、24が採用されることにより、1つの回転主軸10に2つの主軸歯車24b、24bが設けられることから、両主軸歯車24b、24b、さらには第2伝達機構24、24が互いに動作干渉しないように、図2および図5に示すごとく、回転主軸10に二つの主軸歯車24b、24bが軸方向へずらせて支持されており、これにより、2つの第2伝達機構24、24が上下2層状に配置構成されている。
図示の実施形態においては、2組の第2伝達機構24、24における上記主軸歯車24b、24bとして、単一の主軸歯車24eが使用された主軸歯車共用構造とされており、この主軸歯車24eが、図2、図4および図5に示すように、上記隣接する回転支軸15、15の自転用歯車24a、24aと、歯付きベルト24c、24cにより、それぞれ駆動連結されている。
さらに、第1伝達機構23の従動歯車23bと第2伝達機構24の主軸歯車24e(24b、24b)が一体形成されてなる単体部品とされて、単一の歯車から構成されており、組込み構造の簡素化が図られている。
そして、自転用駆動モータ21の回転駆動により、ベルト伝達機構22(第1伝達機構23、第2伝達機構24)を介して、回転テーブル8上に配置支持された4つのバレル槽1、1、…は、所定の自転速度をもって自転されることとなる。
この場合、バレル槽1、1、…の自転速度は、上記公転軸X0まわりの公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした速度に設定され、また、この自転速度の上記公転速度に対する速度比は、前述したように、自転手段3が公転手段2と相互に独立した駆動系列とされていることにより、バレル槽1の自転速度を上記公転速度と独立して自由に任意の速度に調整設定することで、可変調整可能な構成とされている。
すなわち、公転手段2の公転用駆動モータ9と自転手段3の自転用駆動モータ21の回転速度(回転数)をそれぞれ独立して制御設定することにより、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置において、最適な運転条件を設定する。本実施形態においては、基本的操作として、基本駆動系の公転用駆動モータ9の基本回転速度に対する自転用駆動モータ21の回転速度を任意に制御設定することにより、遊星運動の最適な運転条件を設定する構成とされている。
ここに、上記最適な運転条件としては、(i)バレル研磨の対象となるワークWには、金属材料から非金属材料まで多岐にわたる種々の材料があり、またその形状寸法も種々のものがあるところ、これらバレル研磨対象となる個々のワークWに最適な遊星運動の運動条件、(ii)実際にバレル研磨を行う使用者にとって、ワークWの仕上がり精度と仕上がり速度を比較考慮して、使用者が望む最適な遊星運動の運動条件などがあり、研磨対象となるワークW毎に、あるいは使用者毎に、上記遊星運動の運動条件を自由にかつ任意に設定する。
この場合の実際の運動条件設定に際しては、上記バレル研磨装置の製作者において予め繰り返し行った種々の試験研究の成果として設定した遊星運動の運動条件(基本設定条件)を基に、例えば使用者が、バレル研磨対象となる個々のワークWについて実際にバレル研磨を実行し、使用者の望む対象ワークWの仕上がり精度・仕上がり速度などを比較検討して決定する。
本実施形態のバレル研磨装置においては、上記公転手段2の公転用駆動モータ9と自転手段3の自転用駆動モータ21の回転速度のそれぞれの制御は、制御部4により行われる。
制御部4は、上記公転手段2と自転手段3を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。
この制御部4には、バレル研磨加工を実行させるための基本的な加工プログラム等が組み込まれており、制御部4は、図6に示すように、公転手段2の公転用駆動モータ9を駆動制御するモータ駆動部40と、自転手段3の自転用駆動モータ21を駆動制御するモータ駆動部41にそれぞれ接続されている。
制御部4には、公転手段2の公転用駆動モータ9および自転手段3の自転用駆動モータ21の駆動に必要な種々の情報、例えば、回転テーブル8の回転速度(バレル槽1の公転速度)、バレル槽1の自転速度、動作時間、速度変更タイミングあるいは研磨工程の加工時間等が、基本制御データとして予めまたは装置ケース5に設けられた操作盤50(図1および図2参照)の操作部により適宜選択的に入力設定されており、これらのデータに従って上記公転用駆動モータ9および自転用駆動モータ21を制御する。
また、制御部4は、上述したように、バレル槽1の自転速度を上記公転速度と独立して調整設定することで、本実施形態のバレル研磨装置の特徴構成である、バレル槽1の自転速度の公転速度に対する速度比を任意の設定値に可変調整して、上記公転手段2の公転用駆動モータ9と自転手段3の自転用駆動モータ21を制御する構成とされている。
この目的のため、制御部4には、各種運転条件の設定を行う設定部45と、各種表示を行う表示部46とがそれぞれ接続され、上記設定部45は、バレル槽1の公転速度および自転速度を設定するための速度設定手段としての速度設定部47、およびバレル槽1の公転速度と自転速度の速度比を設定するための速度比設定手段としての速度比設定部48を備える。
上記操作盤50は、具体的には図示しないが、起動および停止スイッチを備えるとともに、上記設定部45と表示部46の両機能を兼備したタッチパネルディスプレイ装置の形態とされており、このタッチパネルディスプレイ装置50は、液晶画面からなるディスプレイ部51が、手指によるタッチ操作により上記設定部45と表示部46を切替え表示する構成とされている。
上記速度設定部47は、バレル槽1の公転速度および自転速度を設定するためのもので、具体的には、公転手段2の公転用駆動モータ9の回転速度と、自転手段3の自転用駆動モータ21の回転速度をそれぞれ個別に制御設定することができ、これにより、バレル槽1の公転速度および自転速度を任意の値に設定することができ、さらには、これら公転速度と自転速度の自由な組み合わせ設定により、バレル槽1の自転速度の公転速度に対する速度比を任意の設定値に無段階的に可変調整することができる。
図示の実施形態においては、基本的設定操作として、まず、基本駆動系の公転用駆動モータ9の基本回転速度を設定してから、自転用駆動モータ21の回転速度を任意の値に設定して、上記遊星運動に最適な運転条件を設定するようにされているが、もちろん、両駆動モータ9、21を独立して任意に設定することも可能である。
本実施形態においては、上記バレル槽1の公転速度は、100〜300回転/分に設定されるとともに、上記自転速度は、上記公転速度の−1/20〜1/20に設定されるのが望ましい。
これらバレル槽1の公転速度と自転速度は、繰り返して行った種々の試験研究の成果として設定されたもので、この範囲に公転速度が設定されることにより、バレル研磨対象となる個々のワークWに適した遊星運動の運動条件が得られる。
具体的には、バレル研磨の対象となるワークWには、金属材料から非金属材料まで多岐にわたる種々の材料があり、またその形状寸法も種々のものがあり、また、バレル槽1内にワークW、W、…と共に投入充填される研磨材G、G、…も、セラミック系のものが使われることが多いが、形状、寸法などによりその種類も非常に多いが、バレル槽1の公転速度が100〜300回転/分に設定されることにより、研磨対象となる個々のワークWに適した遊星運動の運動条件が得られることが判明している。
すなわち、上記バレル槽1の公転速度は、遠心力が有効に働くことを考慮して、100〜300回転/分に設定されており、この範囲に公転速度が設定されることにより、バレル槽1に充填される内容物W、G、…に遠心力が有効に働くことが判明している。
この場合のバレル槽1の自転速度は、上記公転速度の−1/20〜1/20、つまり5回転〜15回転/分に設定されるが、この範囲に設定されるのは、以下の理由による。
つまり、バレル槽1の自転速度が公転速度の1/20よりも大きいと、バレル槽1の公転により研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果が、バレル槽1の自転によりこれら研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果によって減小され、ないしは相殺されて十分に発揮されず、バレル槽1内における研磨材G、G、…とワークW、W、…の活発な動きが得られない。
これに対して、バレル槽1の自転速度が公転速度の0〜1/20の大きさにあると、バレル槽1の公転により研磨材G、G、…とワークW、W、…に生じる遠心力の作用効果が十分に発揮されて、研磨材G、G、…とワークW、W、…の動きが、単なる水平方向の動きに止まらず、バレル槽1の傾斜角度αによる傾斜内面との協働作用による上下方向の動きも誘発される(3次元相対運動)。
また、バレル槽1が公転のみで、自転しない場合(つまり自転速度0の場合)よりも、上記のように公転速度の1/20以下の非常にゆっくりした自転速度をもって自転する方が、バレル槽1内の隅部に存在する研磨材G、G、…とワークW、W、…にも上記バレル槽1の公転による遠心力が有効に作用して、バレル槽1内のすべての研磨材G、G、…とワークW、W、…が円滑な3次元相対運動を行うことができることも判明している。
上記速度比設定部48は、バレル槽1の公転速度と自転速度の速度比を設定するためのもので、上記速度設定部47がバレル槽1の公転速度と自転速度をそれぞれ個別に制御設定することで、バレル槽1の自転速度の公転速度に対する速度比を間接的に調整するのに対して、直接的にバレル槽1の自転速度の公転速度に対する速度比を調整設定することができる。
本実施形態においては、繰り返して行った種々の試験研究の成果として、バレル槽1の公転速度と自転速度の速度比が、−1/20〜1/20の範囲において複数種類予め設定されており、使用者は、これら予め設定された複数種類の速度比の中から任意の速度比を選択設定することができることに加えて、上記速度設定部47または速度比設定部48により、バレル槽1の公転速度と自転速度の速度比を任意にかつ無段階に設定することができる。
以上のような制御部4の構成により、上記タッチパネルディスプレイ装置50のディスプレイ部51が設定部45の画面を液晶表示している時に、使用者は、この設定部45の操作パネルを手指によりタッチ操作することにより、上記速度設定部47または速度比設定部48から任意の制御データを入力設定することができ、一方、上記表示部46の画面を液晶表示している時は、装置の運転条件(回転テーブル8の回転速度(バレル槽1の公転速度)、バレル槽1の自転速度、装置の動作時間、あるいは運転経過時間等の必要情報)が液晶表示される。
また、上記制御部4には、種々の加工条件を考慮して、複数のバレル研磨加工を実行させるための加工プログラムが組み込まれており、これらの加工プログラムの選択は、上記タッチパネルディスプレイ装置50の設定部45の操作パネルで所望のプログラム番号をタッチ指定することにより行われる。
しかして、以上のように構成されたバレル研磨装置において、回転テーブル8上に自転可能に設けられたバレル槽受け16、16、…に、多数のワークW、W、…と研磨材G、G、…が充填収容されたバレル槽1がそれぞれ収容保持された状態で、起動スイッチを起動操作することにより、制御部4により、公転手段2の公転用駆動モータ9および自転手段3の自転用駆動モータ21が相互に連動して自動制御されて、バレル槽1、1は、上記公転軸X0まわりに所定の公転速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸X1まわりに自転または停止されながら、バレル槽1内のワークW、W、…が研磨材G、G、…との擦れ合いにより研磨されることとなる。
すなわち、上記制御部4による公転手段2の公転用駆動モータ9の駆動により、上記回転テーブル8が水平回転(矢符A方向)するとともに、これに自転手段3の自転用駆動モータ21が連動して、上記バレル槽1は、垂直な回転主軸10の公転軸X0まわりに水平方向に上記公転速度をもって公転するとともに、1は垂直な回転支軸15の軸線X1まわりに水平方向に自転または停止されて、バレル槽1内のワークW、W、…と研磨材G、G、…に遠心力が与えられて、これらワークW、W、…と研磨材G、G、…の擦れ合いによりワークW、W、…が研磨されることとなる。
この場合、バレル槽1、1、…は、その軸線Xを上記回転主軸10の公転軸X0つまり回転支軸15の軸線X1に対して傾斜した状態で、回転支軸15にそれぞれ取付けられるとともに、上記公転速度よりも非常にゆっくりした自転速度をもって自転または停止される。
この結果、各バレル槽1内に充填収容されたワークW、W、…と研磨材G、G、…の挙動、特に研磨材G、G、…の挙動は、図7(a)に示すように、バレル槽1の傾斜内面に当たってランダムに跳ね返り立体的に動き、研磨材G、G、…は、矢符図示のごとく中央部へ向けて中へ中へと練り込まれるように流動する。
換言すれば、バレル槽1は、図7(b)→図7(c)→図7(b)のように、ゆっくりと揺動しながら公転するため、バレル槽1内では研磨材G、G、…とワークW、W、…がランダムに立体的な動きとなって、バレル槽1の中央へ練り込まれるような状態となり、ワークW、W、…が常に研磨材G、G、…の中に存在することになる。
このような挙動は、バレル槽1の公転により生じる遠心力が、研磨材G、G、…とワークW、W、…に対して単なる水平方向の動きに止まらず、さらにバレル槽1の傾きによる傾斜内面との協働作用による上下方向の動きも誘発し、その結果、研磨材G、G、…とワークW、W、…は自重の違いも有効に作用して、互いに分離することなく渾然一体となってバレル槽1内を上下左右方向へ流動(3次元相対運動)すると考えられる。
この場合、バレル槽1の自転速度の上記公転速度に対する速度比は、バレル槽1の自転速度を公転速度と独立して自由に任意の速度に調整設定することで、可変調整可能な構成とされており、使用者は、バレル研磨の対象となるワークWの構成材料や形状寸法、あるいは、ワークWの仕上がり精度と仕上がり速度を比較考慮して、上記バレル槽1の遊星運動の運動条件を最適値に設定する。
具体的には、(a)上記設定部45の速度設定部47から、バレル槽1の公転速度と自転速度をそれぞれ個別に制御設定することで、バレル槽1の自転速度の公転速度に対する速度比を間接的に調整し、あるいは、(b)上記設定部45の速度比設定部48から、直接、バレル槽1の公転速度と自転速度の速度比を設定する。
以上のように、本実施形態バレル研磨装置によれば、垂直な公転軸X0(=X1)に対して、バレル槽1がその軸線Xを傾斜した状態で設けられ、上記バレル槽1は、上記公転軸X0まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に 減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸X1まわりに自転または停止する構成とされ、上記自転速度の上記公転速度に対する速度比が可変調整可能とされているから、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置において、遊星運動の運動条件を任意に設定調整することができて、処理対象となるワークWや使用者の要望に応じられる汎用性の高いバレル研磨装置を提供することができる。
すなわち、遊星運動をする遠心バレル方式のバレル研磨装置においては、上記バレル槽1が、上記回転主軸10まわりに所定速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって、上記回転主軸10に対して傾斜した状態で揺動自転されるから、一般的な遠心バレル方式では成し得なかった”ワークWと研磨材Gの3次元相対運動”が実現して、遠心バレル方式の研磨加工における前述した従来の3つの問題点(i)〜(iii)が大幅に減少ないし解消されるところ、本実施形態においては、さらに上記バレル槽の自転速度の公転速度に対する速度比が可変調整可能とされているから、バレル研磨対象となるワークW毎に、その材料や形状寸法に最適な遊星運動の運動条件を設定し、また、実際にバレル研磨を行う使用者にとっても、仕上がり精度と仕上がり速度を比較考慮して、使用者が望む最適な遊星運動の運動条件を任意に設定することができる。
実施形態2
本実施形態は図8〜図10に示されており、実施形態1における自転駆動部20の構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のバレル研磨装置においては、自転駆動部20は、具体的には、自転用駆動モータ21と、この自転用駆動モータ21の回転駆動力を回転支軸15に伝達する歯車伝達機構25とからなる。
上記歯車機構25は、自転用駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられた駆動歯車23a、回転主軸10に自由回転可能に軸支された従動歯車23bおよびこれら両歯車23a、23bを駆動連結する歯付きベルト23cからなる第1伝達機構23と、上記回転支軸15に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車26a、上記回転主軸10に自由回転可能に軸支された主軸歯車26bおよびこれら両歯車26a、26bを駆動連結する中間歯車26cからなる第2伝達機構26とから構成され、上記従動歯車23bと主軸歯車26bは、同軸上にかつ一体的に結合されている。
上記中間歯車26cは、主軸歯車26bおよび自転用歯車26aの間に噛合状態で介装されるもので、具体的には、図8および図10に示すように、上記回転テーブル8の下側において、回転テーブル8に支持固定された支軸27に、軸受(図示省略)を介して回転可能に軸支されるとともに、上記主軸歯車26bおよび自転用歯車26aにそれぞれ噛合されている。
なお、実施形態1と同様、上記第1伝達機構23において、上記駆動歯車23aと従動歯車23bは、配置スペース等、構造的に可能であれば、上記歯付きベルト23cを省略して直接駆動連結される構造も採用可能である。
また、図示の実施形態においては、図9に示すように、バレル槽1の配置数つまり4つのバレル槽1、1、…に対応して、上記回転テーブル8の外周部位置には、上記回転支軸15が周方向へ等間隔をもって4つ配置され、これら4つの回転支軸15、15、…に取付けられた自転用歯車26a、26a、…に対して、単一の主軸歯車26bが駆動連結される主軸歯車共用構造とされている。具体的には、主軸歯車26bが、4つの自転用歯車26a、26a、…に中間歯車26c、26c、…を介してそれぞれ駆動連結されている。
さらに、第1伝達機構23の従動歯車23bと第2伝達機構26の主軸歯車26bが一体形成されてなる単体部品とされて、単一の歯車から構成されてもよく、組込み構造の簡素化を図ることができる。
そして、自転用駆動モータ21の回転駆動により、歯車伝達機構25(第1伝達機構23、第2伝達機構26)を介して、回転テーブル8上に配置支持された4つのバレル槽1、1、…は、所定の自転速度をもって自転されることとなる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1および2はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、上述した実施形態1および2においては、回転テーブル8上に4つのバレル槽1、1、…が円周方向へ等間隔をもって配置される構成とされているが、バレル槽1、1、…の配置数は、目的に応じて適宜増減可能である。
W ワーク
G 研磨材(メディア)
X0 公転軸
X バレル槽受け(バレル槽)の軸線
α バレル槽受け(バレル槽)の傾斜角度
1 バレル槽
2 公転手段
3 自転手段
4 制御部
8 回転テーブル
9 公転用駆動モータ(公転駆動部)
10 回転主軸
15 回転支軸
16 バレル槽受け
20 自転駆動部
21 自転用駆動モータ
21a 自転用駆動モータの出力軸
22 ベルト伝達機構
23 第1伝達機構
23a 駆動歯車
23b 従動歯車
23c 歯付きベルト
24 第2伝達機構
24a 自転用歯車
24b 主軸歯車
24c 歯付きベルト
24d テンションプーリ
24e 主軸歯車
25 歯車伝達機構
26 第2伝達機構
26a 自転用歯車
26b 主軸歯車
26c 中間歯車
45 設定部
46 表示部
47 速度設定部
48 速度比設定部
50 操作盤
51 ディスプレイ部

Claims (19)

  1. 工作物と研磨材が充填収容されたバレル槽が水平方向に公転することにより、バレル槽内の工作物と研磨材に遠心力が与えられて、これら工作物と研磨材の擦れ合いにより工作物を研磨するバレル研磨装置であって、
    垂直な公転軸に対して、密閉可能な筒形容器からなるバレル槽がその軸線を傾斜した状態で設けられ、
    前記バレル槽は、前記公転軸まわりに所定の公転速度をもって水平に公転されるとともに、この公転速度よりも大幅に減速されたゆっくりした所定の自転速度をもって垂直軸まわりに自転または停止する構成とされ、
    前記自転速度の前記公転速度に対する速度比が可変調整可能とされている
    ことを特徴とするバレル研磨装置。
  2. 前記バレル槽を水平方向へ公転させる公転手段と、前記バレル槽を水平方向へ自転させる自転手段とを備えてなり、
    これら公転手段と自転手段の駆動系列が相互に独立した構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
  3. 前記公転手段は、垂直な回転主軸に対して水平に取り付けられて、所定の公転速度をもって回転駆動される回転テーブルと、前記回転主軸を回転駆動する公転駆動部とを備え、
    前記自転手段は、前記回転テーブル上に前記回転主軸と平行な垂直状態で回転可能に支持されて、所定の自転速度をもって回転駆動される回転支軸と、この回転支軸を回転駆動する自転駆動部とを備え、
    前記バレル槽は、前記回転支軸に、前記回転主軸に対して傾斜した状態で取り付けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載のバレル研磨装置。
  4. 前記回転テーブル上に支持される前記回転支軸に、バレル槽受けが前記回転主軸に対して軸線を所定角度だけ傾斜した状態で取り付けられ、
    このバレル槽受けに、前記バレル槽が上側から取外し可能にかつ同軸状に収容保持される
    ことを特徴とする請求項3に記載のバレル研磨装置。
  5. 前記公転駆動部は、前記回転主軸に直接駆動連結された公転用駆動モータである
    ことを特徴とする請求項3に記載のバレル研磨装置。
  6. 実施形態1の構成(ベルト伝達機構22)
    前記自転駆動部は、自転用駆動モータと、この自転用駆動モータの回転駆動力を前記回転支軸に伝達するベルト伝達機構とからなる。
    ことを特徴とする請求項3に記載バレル研磨装置。
  7. 前記ベルト伝達機構は、自転用駆動モータの出力軸に取り付けられた駆動歯車、回転主軸に自由回転可能に軸支された従動歯車、およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第1伝達機構と、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車、前記回転主軸に自由回転可能に軸支された主軸歯車およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第2伝達機構とから構成され、
    前記第1伝達機構の前記従動歯車と前記第2伝達機構の主軸歯車は、同軸上にかつ一体的に結合されている
    ことを特徴とする請求項6に記載バレル研磨装置。
  8. 前記従動歯車と主軸歯車が単一の歯車から構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載バレル研磨装置。
  9. 前記回転テーブルの外周部位置に、前記回転支軸が周方向へ等間隔をもって複数配置され、これら複数の回転支軸に取り付けられた前記自転用歯車に対して、単一の前記主軸歯車が駆動連結される主軸歯車共用構造とされている
    ことを特徴とする請求項6に記載バレル研磨装置。
  10. 実施形態2の構成(歯車伝達機構25)
    前記自転駆動部は、自転用駆動モータと、この自転用駆動モータの回転駆動力を前記回転支軸に伝達する歯車伝達機構とからなる。
    ことを特徴とする請求項3に記載バレル研磨装置。
  11. 前記歯車機構は、自転用駆動モータの出力軸に取り付けられた駆動歯車、回転主軸に自由回転可能に軸支された従動歯車およびこれら両歯車を駆動連結する歯付きベルトからなる第1伝達機構と、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に取り付けられた自転用歯車、前記回転主軸に自由回転可能に軸支された主軸歯車およびこれら両歯車を駆動連結する中間歯車からなる第2伝達機構とから構成され、
    前記第1伝達機構の前記従動歯車と前記第2伝達機構の主軸歯車は、同軸上にかつ一体的に結合されている
    ことを特徴とする請求項10に記載バレル研磨装置。
  12. 前記従動歯車と主軸歯車が単一の歯車から構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載バレル研磨装置。
  13. 前記回転テーブルの外周部位置に、前記回転支軸が周方向へ等間隔をもって複数配置され、これら複数の回転支軸に取り付けられた前記自転用歯車に対して、単一の前記主軸歯車26bが駆動連結される主軸歯車共用構造とされている
    ことを特徴とする請求項10に記載バレル研磨装置。
  14. 前記公転手段と前記自転手段を相互に連動して制御する制御手段を備え、
    この制御手段は、前記バレル槽の公転速度と自転速度が所定の速度比になるように前記公転手段の公転駆動部と前記自転手段の自転駆動部を制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のバレル研磨装置。
  15. 前記バレル槽の公転速度および自転速度を設定するための速度設定手段を備える
    ことを特徴とする請求項14に記載のバレル研磨装置。
  16. 前記バレル槽の公転速度と自転速度の速度比を設定するための速度比設定手段を備える
    ことを特徴とする請求項14に記載のバレル研磨装置。
  17. 前記自転速度は、前記公転速度の−1/20〜1/20に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
  18. 前記バレル槽1の公転速度は100〜300回転/分に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
  19. 前記バレル槽の軸線の傾斜角度が10度〜30度に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
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