JPH068131A - 回転バレル研磨機及び研磨方法 - Google Patents

回転バレル研磨機及び研磨方法

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JPH068131A
JPH068131A JP5059593A JP5959393A JPH068131A JP H068131 A JPH068131 A JP H068131A JP 5059593 A JP5059593 A JP 5059593A JP 5959393 A JP5959393 A JP 5959393A JP H068131 A JPH068131 A JP H068131A
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JP
Japan
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barrel
polished
polishing
barrel tank
tank
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Application number
JP5059593A
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English (en)
Inventor
Hisamine Kobayashi
久峰 小林
Kiyoshi Takagi
潔 高木
Tomihiro Ishiguro
富廣 石黒
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Tipton Manufacturing Corp
Original Assignee
Tipton Manufacturing Corp
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨対象物を所望とする連続曲面に効率よく
研磨することができるようにし、かつ表裏をほぼ均一に
研磨できるようにする。 【構成】 バレル槽4の内壁面を研磨対象物の加工予定
曲率に適合させた曲率に形成するとともに、バレル槽4
を回転軸6周りに傾動可能とする。これにより、研磨対
象物37をバレル槽の内壁面形状に沿わせて連続曲面に
研磨することが可能となる。また、バレル槽4内に反転
用の突起16を設けるようにすれば、研磨作業中に研磨
対象物を反転させることができるため、表裏を均一に研
磨することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転バレル研磨機並
びにこの研磨機を用いて研磨対象物を研磨する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子はその優れた共振特性のため
に、例えば通信機器やデジタル制御機器等において、基
準発信源としてよく使用されている。この水晶振動子は
水晶片素材をATカットしたものを用いて、これにコン
ベックス加工を施して得られたものがよく知られてい
る。コンベックス加工というのは、図17に示すよう
に、水晶片素材の両端部を中央より薄く、つまり凸レン
ズ状にする端面加工をいい、このコンベックス加工にお
いては水晶振動子に稜角部を生じさせないことが必要で
あり、このような稜角部が残っている場合には実効抵抗
が低減したり不要振動が発生したりする不具合が生じ
る。
【0003】このようなコンベックス加工の方法につい
ては、従来より種々の方法が開発されているが、最近で
は量産性に優れる等の理由からバレル研磨が有力視され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
バレル槽を用いてバレル研磨を行うと、上記のように研
磨対象物が水晶片素材である場合においては、その加工
量(研磨の程度)に対する制御が極めて困難でばらつき
が大きくなる。すなわち、バレル研磨による場合にはそ
の稜角だけでなく全体的に研磨されてしまうため、全体
形状が縮小して十分な端面加工ができない。また、全体
として水晶片が小さくなると水晶片の内部に発生する電
荷が小さくなってしまう、という問題がある。さらに、
他の問題点として通常のバレル研磨では、水晶片素材が
反転する機会が少なくかつばらつくため、素材の両面を
均一に研磨することができなくなる、という点が挙げら
れる。
【0005】本発明は水晶片のようにすべての稜角の曲
率を連続的に変化させることが要求されるような研磨対
象物を能率良く研磨することを可能にする方法およびこ
の方法を実現するためのバレル研磨機を得ることを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、研磨対象物を投入・排出す
るための開口部を有しかつその内壁面が球面状に形成さ
れたバレル槽が、機台に対して回転軸周りに回転可能に
取り付けられるとともに、前記バレル槽は研磨対象物を
研磨する作業位置と研磨対象物を排出する取り出し位置
との間にわたって傾動可能に支持されていることを特徴
とするものである。この場合、研磨対象物の両面を均一
に研磨するためには、バレル槽内に研磨対象物を反転さ
せるための反転手段を設けるとよい(請求項2)。
【0007】また、回転バレル研磨機は研磨対象物を投
入・排出するための開口部を有すると共に、回転軸周り
に回転可能でかつ垂直面内で傾動可能に支持されたバレ
ル槽を有したものにおいて、バレル槽が、前記回転軸寄
りの部分であってその内壁面が球面状に形成された研磨
作業部とこの研磨作業部に連続する円胴状に形成されか
つその内壁面には研磨対象物を反転させるための反転手
段が設けられた反転動作部とを備えて構成されたもので
あってもよい(請求項3)。
【0008】さらに、研磨対象物を投入・排出するため
の開口部を有し、機台に対して回転軸周りに回転可能な
レル槽を、それぞれの内周面が所定の曲率を有する円胴
状に形成されたバレルエレメントを同軸で複数個、連設
することによって構成してもよい(請求項4)。
【0009】さらにまた、バレル槽の内壁面の表面に研
磨材よりなる研磨層を形成したものとすることもあり、
またバレル槽の回転速度を研磨作業中に任意に変化させ
るために、バレル槽の回転軸に速度制御可能な電動機を
接続することもあり、あるいは正逆双方向へ回転させう
る駆動源に接続することもある(請求項5,6,7)。
【0010】バレル槽は有底の円筒状をなし、底面と内
側面との境界部分は所定の曲率をもった環状の弧面によ
って接続形成されるようにしたものによっても可能であ
る(請求項8)。
【0011】また、研磨対象物を反転させながらバレル
研磨を行う方法としては、研磨対象物をバレル槽におけ
る周方向に関する所定幅範囲に位置させ、この状態でバ
レル槽を回転軸周りに回転させ、研磨対象物をバレル槽
の内壁面との間で相対移動を行わせる一方、所定時期に
バレル槽全体を傾動させて研磨対象物をバレル槽内の他
所へ位置替えし、この位置でバレル槽を回転させること
により槽内に形成された反転手段によって研磨対象物を
反転させ、この後バレル槽を原位置へ傾動復帰させ、再
度バレル槽を回転させることによって研磨を行う方法が
ある(請求項9)。
【0012】
【作用】請求項1記載の回転バレル研磨機では、バレル
槽内へ研磨剤等と共に研磨対象物を投入してバレル槽を
回転させると、研磨対象物はバレル槽の内壁との間で相
対移動を行い、両間に侵入した研磨剤等によって研磨さ
れる。したがって、研磨対象物はバレル槽の内壁形状に
沿って表面の研磨がなされることになる。そして、研磨
が完了してバレル槽全体を傾斜させれば、所望とする曲
面形状に加工された研磨対象物が開口部より排出され
る。
【0013】上記の場合において、バレル槽内に反転用
の突起を設けたもの(請求項2)では、バレル槽が回転
する間に研磨対象物が突起によって裏返されるため、定
期的に研磨対象面が変更される。
【0014】また、バレル槽を研磨作業部と反転動作部
とに分離構成したもの(請求項3)では、研磨作業中に
バレル槽を傾動させることで、研磨対象物が研磨作業部
と反転動作部との間を行き来し、研磨と反転が一定サイ
クル毎に繰り返される。
【0015】さらに、複数のバレルエレメントを同軸で
かつ蛇腹状に繋いだもの(請求項4)では、バレル槽全
体としての研磨有効面積が拡大されて各バレルエレメン
トにおいて研磨対象物の研磨が可能になる。
【0016】さらにまた、バレル槽の内壁面に研磨層を
設けたもの(請求項5)では、槽内に研磨剤を投入しな
くとも、研磨対象物はバレル槽が回転することによって
研磨層と直接擦れ合って研磨される。また、バレル槽の
回転速度を制御して時間的に変化させてやれば(請求項
6)、バレル槽と研磨対象物との間の速度差が変化する
ため、研磨対象物に対する研磨作用が強化される。ま
た、バレル槽の回転方向を所定の周期で逆転させてやる
ようにしても(請求項7)、逆転する毎にバレル槽と研
磨対象物との間に速度差を与えることができ、これによ
っても研磨作用の強化が図れる。さらに、有底円筒状バ
レル槽に環状の円弧面を形成したものでは、研磨有効面
積が拡大され研磨容量の増大が図れる。
【0017】
【発明の効果】本発明の効果は次のようである。バレル
槽の内壁面を球状に形成することによって、研磨対象物
の外面を連続的な曲面形状に研磨することができ、かつ
バレル槽を傾動可能としたため、研磨対象物の投入・排
出も容易となる。また、反転用の突起を設けたもので
は、研磨対象物の研磨むらを排して表裏の均一な研磨が
可能になる。
【0018】さらに、バレル槽を球状の研磨作業部と円
胴状の反転動作部とより構成したものでは、バレル槽全
体を球状に構成したものに比較して製造が容易になる利
点が得られる。さらにまた、複数のバレルエレメントを
同軸で繋いだものによれば、研磨有効面積の拡大によっ
て研磨量が増大し作業効率が高められる。
【0019】また、バレル槽の表面に研磨槽を設けたも
のでは、研磨剤の投入を省略できるため、経済性の向上
が期待できる。さらに、バレル槽の回転速度を時間変化
させるようにしたり、あるいは一定時間毎に回転方向を
逆転させるようにしたものでは、バレル槽と研磨対象物
の相対移動差が変化するため、研磨作用が強化され研磨
効率が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面にし
たがって詳細に説明する。図1〜図4は本発明の第1実
施例を示すものである。回転バレル研磨機の機台1は図
1の手前側と奥側とに対向して配置される一対の支持枠
2,2によって構成されている。そして、両支持枠2の
間には後述するバレル槽4を垂直面内で傾動可能に支持
するための揺動軸3が横架されており、この揺動軸3は
軸受を介して回動可能に支持されている。また、揺動軸
3には両支持枠2の間において中空のアーム部材5が取
り付けられており、その内部には軸受7を介して回動可
能に支持された回転軸6が貫挿されており、バレル槽4
をその軸周りに回転可能に支持している。
【0021】また、アーム部材5の上面にはバレル槽4
を回転軸6周りに一定速度で回転させるための第1モー
タ8が装着されており、回転軸6とはチェーン9を介し
て連結されている。但し、安全のためにチェーン部分は
カバー10によって覆われている。一方、バレル槽4を
傾動させるための第2モータ11は一方の支持枠2(図
1における手前側のもの)の外面に取付けられており、
隣接して取り付けられた減速機12と連係されて揺動軸
3を緩速回転させることができるようにしてある。
【0022】バレル槽4は回転軸6の前端にホルダー1
3を介して取り付けられており、全体は金属材料(本例
では鉄であるが硬質樹脂製としてもよい)により中空の
球体状に形成されている。但し、このバレル槽4の内径
(曲率)は研磨対象物の加工予定曲面の曲率と同一とな
るように設定されている。また、回転軸6の反対側の極
にはマス(研磨対象物、研磨剤、コンパウンド等の総
称)を投入・排出するための開口部14が開設されてい
る。この開口部14は取り外し可能な蓋板15によって
閉止されるが、この蓋板15は必要に応じて取り付けら
れる。なお、バレル槽4の傾動は一定の角度範囲に限ら
れており、少なくとも開口部14からマスの排出を可能
にする程度に設定されている(図4参照)。また、図示
はしないが、バレル槽4の内周面の開口部14付近に螺
旋状のリブを設けてマスの排出を容易にするようにして
もよい。
【0023】また、バレル槽4の内壁面には研磨対象物
を反転させるための突起16が設けられている(図1,
3参照)。突起16はバレル槽4の内壁面においてその
底面の中心位置(回転軸の軸心に対応する位置)から開
口部14の開口縁に至る間のマスが装入される部分に、
バレル槽4の大円に沿って1条だけ(複数条設けること
もある。)設けられている。この突起16は図3に示す
ように断面略三角形状をなしており、バレル槽4の内壁
面に対して溶接等によって固着されている。次に、上記
のように構成された第1実施例の作用と効果を具体的に
説明するが、研磨対象物としてはATカットされた水晶
片素材37とする。まず、第2モータ11を駆動してバ
レル槽4を上向きの傾斜姿勢(約45゜)となるように
しておき、この状態でバレル槽4内に水晶片素材37を
含むマスを適量(例えば、バレル槽の容量の5〜35
%)投入する。この後、再び第2モータ11を駆動して
バレル槽4を好ましくは上向き約20〜45゜の姿勢に
保持する。
【0024】そして、第1モータ8を駆動してバレル槽
4を回転軸6の周りに回転させる。これにより、図16
に示すように、水晶片素材37とバレル槽4の内壁面と
の間には相対的な速度差を生じる。また、このときには
水晶片素材37とバレル槽4の間には研磨剤等が介在さ
れるため、水晶片素材37はその稜角部がバレル槽4の
内壁面と擦れ合って徐々に削り取られる。一方、バレル
槽4が1回転する度に水晶片素材37は突起16の傾斜
に沿って持ち上げられ、ついには裏返って表裏が反転さ
れる。したがって、バレル槽4の回転が適当時間継続す
れば、この反転状況が統計的にほぼ同機会繰り返される
ため、水晶片素材37は表裏がほぼ均一に研磨されると
ともに、その全ての稜角は削り取られ、結果として表裏
が対称形状で曲率の連続した水晶片が得られる。但し、
水晶片に得られた曲率はバレル槽4の曲率によって規定
されたものである。
【0025】こうして設定された研磨時間が経過すれ
ば、第1モータ8を停止させ、再度第2モータ11を駆
動させてバレル槽4を図4に示すように下向きに傾斜さ
せる。そして、開口部14より排出されたマスを図示し
ない選別装置上に落下させれば、研磨剤等とふるい分け
られた所望の水晶片が取り出される。
【0026】図5は突起16の変形例を示す第2実施例
であり、この例のものは半球状の突起16を第1実施例
の突起16と同方向へ複数個配置したものであり、この
ようにしたものによっても水晶片素材37の反転が可能
である。要は、バレル槽4の回転によって水晶片素材3
7を反転させ得るものであれば、その形状および配置等
は問わない。
【0027】図6〜図8はそれぞれ本発明の第3実施例
を示すものであり、第3実施例ではバレル槽4の形状を
変更したものである。すなわち、第3実施例に係るバレ
ル槽4は底部側、つまり回転軸6側が半球状をなし、こ
れに連続する中央部を円胴状に形成し、さらに開口部1
4側をテーパー状に形成したものである。したがって、
半球状に形成された部分は研磨動作を行う研磨作業部1
7として機能することになる。そして、ここには第1実
施例のような反転用の突起は形成されておらず、突起1
6は円胴状に形成された部分において、その全幅にわた
り1条設けられている。したがって、円胴状の部分は水
晶片素材37を反転させる反転動作部18としての役割
を果たす。
【0028】また、第1、第2のモータ8,11はマス
が研磨作業部17と反転動作部18との間を一定サイク
ルで行き来するよう、これらの動作が制御されるように
なっている。
【0029】なお、他の構成は第1実施例と同様であ
り、次のようにして水晶片素材37の研磨が可能にな
る。すなわち、水晶片素材37を研磨する場合には第2
モータ11によってバレル槽4を上向きの傾斜姿勢に保
持し(図7参照)、マスを研磨作業部17に導いてお
く。この状態で、第1モータ8を駆動させてやれば第1
実施例と同様にして研磨がなされ、一定時間が経過した
ら第2モータ11を駆動させてバレル槽4を図8に示す
ように水平姿勢となるように傾動させる。これにより、
マスは研磨作業部17から反転動作部18に移行するた
め、この状態でバレル槽4を少なくとも一回転させるこ
とによって水晶片素材37が反転可能となる。しかる後
に、再度バレル槽4を上向きに傾斜させマスを研磨作業
部17へと戻す。これを適数回、繰り返し行うことで両
面がほぼ均一に研磨された水晶片が得られる。
【0030】このように、第3実施例においては第1実
施例と同様、水晶片素材37の良好な研磨を可能にする
効果に加え、バレル槽4の製造が容易になる効果が得ら
れる。すなわち、第1実施例ではバレル槽4全体を真球
状に形成するものであるため、製造上の困難さを伴うと
思われるのに対し、第3実施例のものでは球状部分は研
磨作業部17のみでしかも半球体であり、他はより製造
が容易な円胴状であったり、テーパー状であるため、バ
レル槽4全体としての製造は比較的容易になる。
【0031】図9は本発明の第4実施例を示すものであ
り、この実施例もバレル槽4の形状を変更したものであ
る。この例のものは2個のバレルエレメント4a,4b
を蛇腹状にかつ同軸で繋いでバレル槽4を形成したもの
である。各バレルエレメント4a,4bは共にその内径
が図9におけるR1寸法に設定され、またそれらの内周
面の曲率がR2寸法(R1>R2)とした円胴状に形成
されている。
【0032】但し、第4実施例のものではバレル槽4全
体を水平に保持した状態で研磨を行い、排出時のみバレ
ル槽4を下向きに傾動させてマスの排出を行うようにし
ている。また、図示はしないが、反転用の突起が両バレ
ルエレメント4a,4bの内壁面にそれぞれ設けられて
いる。
【0033】このように構成された第4実施例では、バ
レルエレメント4a,4bが2種類の曲率を有して形成
されているため、研磨後に取り出される水晶片は研磨さ
れた面の稜線の曲率がR1となり、研磨された面の幅方
向に関する曲率がR2となったものとなる。また第4実
施例では、上記した研磨を可能とするバレルエレメント
4a,4bが同軸で2槽繋げられて、研磨作業を両バレ
ルエレメントにおいて同時に行うことが可能となる。す
なわち、真球形式のバレル槽に比較してバレル槽4の研
磨有効面積の拡大が容易となり、研磨効率の向上を簡単
に行うことができる。研磨効率のさらなる向上が要求さ
れるような場合には、バレルエレメントをさらに多段に
繋いでゆくことも可能である。他方、内径・内周面の曲
率を異にしたバレルエレメントを繋いでゆけば、複数種
の研磨を同時に行うこともできる。
【0034】なお、第4実施例ではタイヤ型のバレルエ
レメントを繋いだものを示したが、バレルエレメントは
第1実施例のような真球のものを基本構成として、真球
から極部分を一部切り落としたような形状のものを同軸
でかつ連通状態で繋ぐようにしてもよい。
【0035】図10及び図11は本発明の第5実施例を
示すものであり、この実施例のものはバレル槽4を縦置
きとするとともに、回転軸6に接続されるモータ25に
インバータ付きのモータを使用したものである。
【0036】機台1の内側には揺動軸3が水平かつ回転
可能に横架されており、この揺動軸3にはモータケーシ
ング20が吊り下げ支持されている。また、球状のバレ
ル槽4はモータケーシング20の上面に補強用プレート
21を介して溶接等によって固着されている。バレル槽
4は既述した他の実施例と同様、上方にマスを投入・排
出するための開口部14を有している。またその内部に
は1条の反転用の突起16(断面略三角形状に形成され
ている。)が設けられており、この突起16はバレル槽
4の大円方向に沿いかつ底面の中心部から開口部14の
開口縁に至る半周分の範囲にわたって形成されている。
さらに、バレル槽4の外面上部にはバレル槽4を手動に
よって揺動操作するための把手35が取り付けられてい
る。なお、バレル槽4は図10において実線で示す研磨
作業位置と想像線で示す排出位置との間を揺動できるよ
うにしてあり、排出位置において機台1との干渉を回避
するために機台1の前面には弧状に切り欠かれた逃がし
部22が形成されている。前記モータケーシング20の
内部にはバレル槽4と同軸で回転軸6が収納されるとと
もに、回転軸6はその上端がバレル槽4の底面に連結さ
れた状態で、軸受23によって回転可能に支持されてい
る。一方、回転軸6の下端部には大径のプーリー24が
嵌着されており、同様にモータケーシング20内に収納
されているモータ25との間にベルト26によって連係
されている。但し、このモータ25は上述したようにイ
ンバータ付きのモータ、つまり可変速駆動式のものが使
用されており、設定された速度パターンにしたがってバ
レル槽4の回転速度を変化させるようにしてある。
【0037】一方、揺動軸3においてモータケーシング
20の外側にはバレル槽4を保持するための扇状のロッ
ク部材27が嵌着されている。このロック部材27の周
縁にはロック歯28が刻設されており、各ロック歯28
はストッパ軸29の上端に形成されたストッパ爪30と
係脱可能に噛み合うようにしてある。ストッパ軸29は
上下一対のガイド31によって縦向きにかつ昇降可能に
支持されるとともに、ストッパ軸29はスプリング32
によって上向き、つまりストッパ爪30とロック歯28
とが噛み合う方向に付勢されている。また、ストッパ軸
29の下端は機台1の底面に揺動可能に取り付けられた
アーム33に接続され、さらにこのアーム33の先端側
は機台1の外側にまで延びて端部には足踏み板34が取
り付けられている。
【0038】第5実施例のものは上記のように構成され
たものであり、バレル槽4内にマスを投入した状態でモ
ータ25を駆動させれば第1,第2実施例と同様にして
表裏が均一に研磨された水晶片が得られる。そして、第
5実施例の場合、インバータ付きのモータ25を使用し
てバレル槽4の回転数を高速・低速といったように短時
間で切り替えるようにしたため、バレル槽4と水晶片素
材37との相対速度差を時間的に変化させることができ
る。したがって、バレル槽4と水晶片との擦れ合い状況
が強化され、水晶片に対する研磨効果が増大する。な
お、この場合にモータ25を正逆両方向へ回転できるよ
うなものを使用して、バレル槽4の回転方向を間欠的に
変更すれば、一層研磨効果を高めることができる。この
ように研磨作業中にバレル槽4の回転方向を変更させる
ことは、速度制御が可能なモータを使用した場合に限ら
ず、通常の定速回転するモータを使用する場合にも有効
である。
【0039】かくして研磨が完了すればモータ25を停
止させ、マスの排出が行われる。この際には、まず作業
者が把手35をつかみながら足踏み板34を踏む。する
と、ストッパ軸29がスプリング32に抗して引き下げ
られるため、ストッパ爪30とロック歯28との係合が
解除される。この状態で、把手35を引き寄せればバレ
ル槽を図11に示す排出位置にまで変化させることがで
きるため、内部のマスを選別装置(図示しない)上へ残
らず排出することができる。
【0040】第5実施例のものではバレル槽を縦置きタ
イプとしたため、既述の両実施例のものより機台1に要
求される支持強度が小さくて済み、装置全体の小型化が
期待できる効果がある。但し、第5実施例ではバレル槽
4の傾動を手動によって行うようにしたが、モータを使
用して機械的に行うようにすることも可能である。
【0041】図12は本発明の第6実施例を示すもので
あり、第6実施例のものは第3実施例のバレル槽4内に
重錘38を収納し、マスに対して加圧しながら研磨を行
うようにすることで研磨速度を高めることを企図したも
のである。
【0042】重錘38はバレル槽4の研磨作業部17の
内壁面と一定間隔をおいて対向するような椀状をなして
形成されており、例えば合成樹脂材により一体に成形さ
れたものが使用されている。また、重錘38は蓋板15
から支持棒39を介してかつ高さ方向へ変位可能に取り
付けられているとともに、蓋板15と重錘38との間に
はばね40が介在されてマスに対する圧接力を調整する
ことができるようになっている。
【0043】上記のように構成された第6実施例では、
マスは重錘38からの圧接力を受けて研磨作業部17の
内壁面に押しつけられた状態で研磨されるため、研磨力
が増強される。したがって、研磨効率を高めることがで
きる。また、ばね圧を適切に調整することによって重錘
38の圧接力を自由に選択できるため、所望とする研磨
状況が容易に得られる。
【0044】この第6実施例では重錘38を支持棒39
によって吊り下げ支持するようなものを示したが、重錘
38単独でバレル槽4内に収納させるようにしてもよ
い。また、重錘38は5〜10φ程度の鋼球ほ多数個、
混入させるようにしてもよい。図13は本発明の第7実
施例を示すものであり、バレル槽4の形状の変形例を示
すものであり、この第7実施例と次に述べる第8実施例
(図14参照)とは共に公知の振動バレルに使用されて
きた振動バレル槽を転用したものであり、研磨容量の増
大を図ったものである。
【0045】すなわち、第7実施例におけるバレル槽4
は全体が有底円筒状をなすとともに、底面と側面との境
界部分を所定の曲率を持つ緩やかな円弧面をもって繋い
でいおり、底面の中心部には円錐凸部41が形成されて
いる。このような所定曲率をもった円弧面を環状に有す
るタイプのものでは得られる研磨対象物における研磨面
の曲率は小さなものとなるが、研磨有効面積は大きなも
のが確保できるため、効率の高い研磨が可能になる。
【0046】他の構成は第1実施例等と同様であり、も
って同様の作用効果発揮することができる。
【0047】図14に示す第8実施例は第7実施例にお
けるバレル槽と基本的な構成は同一であり、僅かに底面
の中心部に円柱凸部42を膨出形成した点で相違する。
【0048】なお、本発明はさらに種々の変更例が考え
られる。例えば、いずれの実施例のおいてもバレル槽4
の内壁面に図15に示すような研磨材よりなる研磨槽3
6を積層するようにしてもよく、このようにした場合に
は研磨剤を混入することなく水晶片のみを投入するだけ
で研磨作業が可能になる。したがって、経済性が高めら
れると共に選別工程も不要となるため、作業性の向上も
図られる。勿論、バレル槽の全体を研磨槽としてもよ
く、例えばバレル槽自体を砥石で製造するようなことも
考慮される。また、バレル槽4の内壁面にポリウレタン
の樹脂ライニングを施すことも、あるいはバレル槽4全
体をポリウレタンで成形するようなことも考慮される。
【0049】さらに、いずれの実施例においても研磨対
象物はコンベックス加工の必要な水晶片に限られるもの
ではなく、例えば端面に丸み加工の必要なニードルベア
リングのようなものも対象とし、さらには短冊状、円盤
状あるいは棒状のものを端面加工する場合にも適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の側断面図
【図2】第1実施例の平面図
【図3】反転用の突起を示す断面図
【図4】排出状態を示す断面図
【図5】第2実施例の突起を示す断面図
【図6】第3実施例の側断面図
【図7】研磨作業状態を示す側面図
【図8】排出動作状態を示す断面図
【図9】第4実施例の断面図
【図10】第5実施例の正面図
【図11】第5実施例の側面図
【図12】第6実施例の要部を示す一部破断正面図
【図13】研磨層を示す断面図
【図14】第7実施例の側断面図
【図15】第8実施例の側断面図
【図16】研磨状況を示す説明図
【図17】コンベックス加工された水晶片を示す斜視図
【符号の説明】
4…バレル槽 4a,4b…バレルエレメント 6…回転軸 14…開口部 16…突起 17…研磨作業部 18…反転動作部 25…インバータ付きのモータ 36…研磨層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨対象物を投入・排出するための開口
    部を有しかつその内壁面が球面状に形成されたバレル槽
    が、機台に対して回転軸周りに回転可能に取り付けられ
    るとともに、前記バレル槽は研磨対象物を研磨する作業
    位置と研磨対象物を排出する取り出し位置との間にわた
    って傾動可能に支持されていることを特徴とする回転バ
    レル研磨機。
  2. 【請求項2】 前記バレル槽の内壁面には研磨対象物を
    反転させるための反転手段が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の回転バレル研磨機。
  3. 【請求項3】 研磨対象物を投入・排出するための開口
    部を有すると共に、回転軸周りに回転可能でかつ垂直面
    内で傾動可能に支持されたバレル槽を有する回転バレル
    研磨機であって、 前記バレル槽は、前記回転軸寄りの部分であってその内
    壁面が球面状に形成された研磨作業部とこの研磨作業部
    に連続する円胴状に形成されかつその内壁面には研磨対
    象物を反転させるための反転手段が設けられた反転動作
    部とを備えてなることを特徴とする回転バレル研磨機。
  4. 【請求項4】 研磨対象物を投入・排出するための開口
    部を有し、機台に対して回転軸周りに回転可能なバレル
    槽は、それぞれの内周面が所定の曲率を有する円胴状に
    形成されたバレルエレメントが同軸で複数個、連設され
    ていることを特徴とする回転バレル研磨機。
  5. 【請求項5】 前記バレル槽の内壁面の表面には研磨対
    象物を研磨可能な研磨材よりなる研磨層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の回転
    バレル研磨機。
  6. 【請求項6】 バレル槽の回転軸には速度制御可能な電
    動機が接続されていることを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5記載の回転バレル研磨機。
  7. 【請求項7】 バレル槽の回転軸には逆転可能な駆動源
    が接続されていることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5又は6記載の回転バレル研磨機。
  8. 【請求項8】 バレル槽は有底の円筒状をなし、底面と
    内側面との境界部分は所定の曲率をもった環状の弧面に
    よって接続形成されていることを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5,6又は7記載の回転バレル研磨機。
  9. 【請求項9】 研磨対象物をバレル槽における周方向に
    関する所定幅範囲に位置させ、この状態でバレル槽を回
    転軸周りに回転させ、研磨対象物をバレル槽の内壁面と
    の間で相対移動を行わせる一方、所定時期にバレル槽全
    体を傾動させて研磨対象物をバレル槽内の他所へ位置替
    えし、この位置でバレル槽を回転させることにより槽内
    に形成された反転手段によって研磨対象物を反転させ、
    この後バレル槽を原位置へ傾動復帰させ、再度バレル槽
    を回転させることによって研磨を行うことを特徴とする
    研磨方法。
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